(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-215595(P2015-215595A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】光学レンズ及び光学レンズの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20060101AFI20151106BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20151106BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G02B3/00 Z
G02B7/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-53616(P2015-53616)
(22)【出願日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】201410194249.0
(32)【優先日】2014年5月9日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】504337659
【氏名又は名称】玉晶光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】▲セン▼海斌
(72)【発明者】
【氏名】陳振木
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼一滿
(72)【発明者】
【氏名】葉清樹
(72)【発明者】
【氏名】卓宏章
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AB15
2H044AB24
2H044AJ04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組立て時に調整作業をすることなく、レンズモジュールに組み込まれるレンズ素子の光軸傾きを抑制することができる光学レンズを提供する。
【解決手段】第1のレンズ素子31および第2のレンズ素子33それぞれの周囲には環状対向面42が設けられる。第2のレンズ素子33の環状対向面42には、第1のレンズ素子31の環状対向面42と向き合う方向に、複数のボス要素51が等角に離間して設けられる。鏡筒2に各レンズ素子を組み込んだ状態で、第2のレンズ素子33が光軸Lに対して傾いていることが認められる場合、第2のレンズ素子33の射出成型用金型を修正し、傾きが減じられるように各ボス要素51の高さを変える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を囲繞する開口絞りが形成される正面壁を有するとともに、収容空間を画成する鏡筒と、
前記収容空間の内部で前記光軸に沿って配列される複数の素子を有するレンズアセンブリであって、前記正面壁及び前記複数の素子のそれぞれが前記光軸に沿って互いに対向する対向正面及び対向背面を有するレンズアセンブリと、
複数の環状対向面対であって、1対が、前記鏡筒の前記正面壁と前記複数の素子のうちの当該正面壁に最近接の1つの素子との間に位置する前記正面壁の対向背面と前記1つの素子の対向正面とからなり、他の対の各々が、前記複数の素子のうちの隣接する2つの素子の間に位置する当該隣接する2つの素子のうちの後方の素子の対向正面と前方の素子の対向背面とからなる複数の環状対向面対と、
前記複数の環状対向面対のうちの1対の対向正面及び対向背面の一方に形成され、前記光軸に平行な方向に当該一対の対向正面及び対向背面の一方から突出して平坦な他方に当接する少なくとも1つのボス要素を有する少なくとも1つの突出ボス部と、
を備えたことを特徴とする光学レンズ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのボス要素は複数のボス要素であることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項3】
前記複数のボス要素は3つのボス要素であることを特徴とする請求項2に記載の光学レンズ。
【請求項4】
前記複数のボス要素は前記光軸を中心に相互から等角に離間することを特徴とする請求項2に記載の光学レンズ。
【請求項5】
前記複数のボス要素は前記光軸に対して湾曲して延在することを特徴とする請求項2に記載の光学レンズ。
【請求項6】
前記レンズアセンブリの前記複数の素子は、スペーサと、当該スペーサに隣接して配置される少なくとも1つの光学レンズ素子とを有し、前記少なくとも1つの突出ボス部は、前記少なくとも1つの光学レンズ素子と前記スペーサとの間に形成される該当の環状対向面対における対向正面及び対向背面の一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項7】
前記レンズアセンブリの前記複数の素子は、前記鏡筒に隣接して配置される少なくとも1つの光学レンズ素子を有し、前記少なくとも1つの突出ボス部は、前記少なくとも1つの光学レンズ素子と前記鏡筒との間に形成される該当の環状対向面対における対向正面及び対向背面の一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項8】
前記レンズアセンブリの前記複数の素子は、少なくとも2つの光学レンズ素子を有し、前記少なくとも1つの突出ボス部は、前記少なくとも2つの光学レンズ素子間に形成される該当の環状対向面対における対向正面及び対向背面の一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項9】
前記複数の環状対向面対のそれぞれに形成される複数の突出ボス部を備え、異なる当該複数の環状対向面対に形成される前記複数の突出ボス部のうちの隣接する2つは前記光軸に沿う方向に互いにずれていることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの突出ボス部、前記鏡筒、及び前記レンズアセンブリの前記複数の素子は、射出成形法によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項11】
光学レンズの製造方法であって、
a)光軸を囲繞する開口絞りが形成される正面壁を有するとともに収容空間を画成する鏡筒と、複数の素子を含むレンズアセンブリと、を有する複数の部品であって、当該複数の部品のうち少なくとも1つの部品に少なくとも1つのボス部が形成される複数の部品を、複数の金型のそれぞれを用いた射出成形法によって形成するステップと、
b)前記複数の素子を前記収容空間の内部で前記光軸に沿って配列して前記レンズアセンブリを構成するステップと、
を備え、
前記ステップa)において、
前記正面壁及び前記複数の素子の各々は、前記光軸に沿って互いに対向する対向正面及び対向背面を有するように形成され、
前記鏡筒の前記正面壁と前記複数の素子のうちの当該正面壁に最近接の1つの素子との間及び前記複数の素子のうちの全ての隣接する2つの素子どうしの間について、複数の環状対向面対がそれぞれ画成され、
前記鏡筒の前記正面壁と前記複数の素子のうちの当該正面壁に最近接の1つ素子との間に形成される環状対向面対は、前記正面壁の対向背面及び前記1つ素子の対向正面からなり、
前記複数の素子のうちの隣接する2つの素子の間に形成される環状対向面対は、当該隣接する2つの素子のうちの後方の素子の対向正面及び前方の素子の対向背面からなり、
前記少なくとも1つのボス部は、前記複数の環状対向面対のうちの1つの環状対向面対の対向正面及び対向背面の一方に形成され、前記光軸に平行な方向に当該対向正面及び対向背面の一方から突出して平坦な他方に当接する少なくとも1つのボス要素を有し、
c)前記ステップa)及びb)の後で、前記光軸に対する前記複数の素子のそれぞれの傾きを測定して、前記複数の部品のうち前記少なくとも1つのボス部を有する1つの部品を形成するのに用いた、前記複数の金型のうちの1つの金型を再構成するステップと、
d)前記ステップc)において再構成した前記1つの金型を用いて、前記レンズアセンブリの前記素子の傾きを相殺するボス部を有する別の部品を形成するステップと、
をさらに備える
ことを特徴とする光学レンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズに関し、より詳細には、光学レンズの素子の傾きを補正する突出ボス部を含む光学レンズ、及び、光学レンズを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、携帯用電子機器(例えばデジタルカメラ、タブレットコンピュータ及び携帯電話)における光学レンズモジュールの使用が普及するにつれて、光学レンズモジュールの光学性能の改善により多くの努力が注がれている。光学レンズモジュールの素子の設計に加えて、素子の組み立てプロセスも光学性能には重要である。
【0003】
図1及び
図2を参照する。従来の光学レンズは、光軸(A)を画成する鏡筒11、及び、鏡筒11内に配置されるとともに光軸(A)に沿って配列される複数の光学レンズ素子12を含む。
光学レンズの光学性能に悪影響を与える、光軸(A)に対する光学レンズ素子12のそれぞれの傾きを低減するために、例えばガラス製の光学レンズ素子12は、研削加工等の比較的複雑なプロセスによって個々に形作られる。しかし、光学レンズ素子12のそれぞれを微調整するのは面倒である。したがって、鏡筒11及びレンズ素子12を形成するために、それぞれの金型を用いる射出成形法が用いられる。しかし、全ての隣接する2つの光学レンズ素子12は、それらの間の比較的大きい面積によって互いに接触するため、光学レンズ素子12の全てを形成する金型を調整することによって光軸(A)に対する各光学レンズ素子12の傾きを補正することは比較的面倒であり、難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、光学レンズの素子の傾きを補正する突出ボス部を含む光学レンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によると、光学レンズであって、光軸を囲繞する開口絞りが形成される正面壁を有するとともに、収容空間を画成する鏡筒と、前記収容空間の内部で前記光軸に沿って配列される複数の素子を有するレンズアセンブリであって、前記正面壁及び前記複数の素子のそれぞれが前記光軸に沿って互いに対向する対向正面及び対向背面を有するレンズアセンブリと、複数の環状対向面対であって、1対が、前記鏡筒の前記正面壁と前記複数の素子のうちの当該正面壁に最近接の1つの素子との間に位置する前記正面壁の対向背面と前記1つの素子の対向正面とからなり、他の対の各々が、前記複数の素子のうちの隣接する2つの素子の間に位置する当該隣接する2つの素子のうちの後方の素子の対向正面と前方の素子の対向背面とからなる複数の環状対向面対と、前記複数の環状対向面対のうちの1対の対向正面及び対向背面の一方に形成され、前記光軸に平行な方向に当該一対の対向正面及び対向背面の一方から突出して平坦な他方に当接する少なくとも1つのボス要素を有する少なくとも1つの突出ボス部と、を備えている。
【0006】
本発明の別の目的によると、光学レンズの製造方法であって、a)光軸を囲繞する開口絞りが形成される正面壁を有するとともに収容空間を画成する鏡筒と、複数の素子を含むレンズアセンブリと、を有する複数の部品であって、当該複数の部品のうち少なくとも1つの部品に少なくとも1つのボス部が形成される複数の部品を、複数の金型のそれぞれを用いた射出成形法によって形成するステップと、b)前記複数の素子を前記収容空間の内部で前記光軸に沿って配列して前記レンズアセンブリを構成するステップと、を備え、前記ステップa)において、前記正面壁及び前記複数の素子の各々は、前記光軸に沿って互いに対向する対向正面及び対向背面を有するように形成され、前記鏡筒の前記正面壁と前記複数の素子のうちの当該正面壁に最近接の1つの素子との間及び前記複数の素子のうちの全ての隣接する2つの素子どうしの間について、複数の環状対向面対がそれぞれ画成され、前記鏡筒の前記正面壁と前記複数の素子のうちの当該正面壁に最近接の1つ素子との間に形成される環状対向面対は、前記正面壁の対向背面及び前記1つ素子の対向正面からなり、前記複数の素子のうちの隣接する2つの素子の間に形成される環状対向面対は、当該隣接する2つの素子のうちの後方の素子の対向正面及び前方の素子の対向背面からなり、前記少なくとも1つのボス部は、前記複数の環状対向面対のうちの1つの環状対向面対の対向正面及び対向背面の一方に形成され、前記光軸に平行な方向に当該対向正面及び対向背面の一方から突出して平坦な他方に当接する少なくとも1つのボス要素を有し、c)前記ステップa)及びb)の後で、前記光軸に対する前記複数の素子のそれぞれの傾きを測定して、前記複数の部品のうち前記少なくとも1つのボス部を有する1つの部品を形成するのに用いた、前記複数の金型のうちの1つの金型を再構成するステップと、d)前記ステップc)において再構成した前記1つの金型を用いて、前記レンズアセンブリの前記素子の傾きを相殺するボス部を有する別の部品を形成するステップと、をさらに備えている。
【0007】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面と、好ましい実施形態の以下の詳細な説明において明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】本発明による好ましい実施形態の光学レンズのレンズアセンブリの分解断面図である。
【
図4】組み立てられた後のレンズアセンブリの素子を示す、好ましい実施形態の断面図である。
【
図5】光軸を中心に互いから等角に離間した複数の突出ボス部を示す、好ましい実施形態の概略正面図である。
【
図6】本発明の好ましい実施形態による、光学レンズを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図3〜
図5を参照する。本発明による光学レンズの好ましい実施形態は、鏡筒2、レンズアセンブリ、複数の環状対向面対4、及び、複数の突出ボス部5を含む。
鏡筒2は、光軸(L)を囲繞する開口絞り21を有して形成される正面壁20を含み、収容空間22を画成する。レンズアセンブリは、収容空間22内に配置される複数の素子3を含む。この実施形態では、レンズアセンブリの素子3は、光軸(L)に沿って順に配列される、第1の光学レンズ素子31、遮光シート32、第2の光学レンズ素子33、第3の光学レンズ素子34、スペーサ35、及び、第4の光学レンズ素子36を含む。なお、レンズアセンブリの素子3の数及び配置は本発明の他の実施形態では変わる可能性があり、本明細書において開示されるものに限定されるべきではない。
【0010】
正面壁20及び素子3のそれぞれは、光軸(L)に沿って互いに対向する対向正面及び対向背面を有する。環状対向面対4は、第1の環状対向面対41〜第5の環状対向面対45を含む。
詳細には、第1の環状対向面対41は、鏡筒2の正面壁20と、正面壁20に最も近接する第1のレンズ素子31との間に配置され、正面壁20の対向背面及び第1のレンズ素子31の対向正面からなる。第2の環状対向面対42〜第5の環状対向面対45のそれぞれは、素子3のうちの隣接する2つの間に配置され、素子3のうちの隣接する2つのうちの後方の素子の対向正面、及び、素子3のうちの隣接する2つのうちの前方の素子の対向背面からなる。すなわち、第2の環状対向面対42は、第1の光学レンズ素子31と第2の光学レンズ素子33との間に配置され、第3の環状対向面対43は、第2の光学レンズ素子33と第3の光学レンズ素子34との間に配置され、第4の環状対向面対44は、第3の光学レンズ素子34とスペーサ35との間に配置され、第5の環状対向面対45は、スペーサ35と第4の光学レンズ素子36との間に配置される。
【0011】
突出ボス部5のそれぞれは、環状対向面対4のうちの1つの対向正面及び対向背面の一方に形成される。この実施形態では、突出ボス部5の数は3つであり、突出ボス部5は、第1の環状対向面対41、第2の環状対向面対42、及び、第5の環状対向面対45にそれぞれ形成される。突出ボス部5のうちの隣接する2つは、光軸(L)に沿う方向に互いにずらされる。
【0012】
突出ボス部5のそれぞれは、複数のボス要素51を含む。ボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿って対向正面及び対向背面のうちの一方から突出し、対向正面及び対向背面のうちの他方に当接する。ボス要素51が当接する、対向正面及び対向背面のうちの他方は、平坦である。
より詳細には、この実施形態では、第1の環状対向面対41に形成される、突出ボス部5のうちの1つのボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿って正面壁20の対向背面から突出し、平坦であるように構成されている第1のレンズ素子31の対向正面に当接する。第2の環状対向面対42に形成される、突出ボス部5のうちの別の突出ボス部5のボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿って第2の光学レンズ素子33の対向正面から突出し、平坦であるように構成されている第1の光学レンズ素子31の対向背面に当接する。第5の環状対向面対45に形成される、突出ボス部5のうちのまた別の突出ボス部5のボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿ってスペーサ35の対向背面から突出し、平坦であるように構成されている第4の光学レンズ素子36の対向正面に当接する。なお、突出ボス部5は、第3の環状対向面対43及び第4の環状対向面対44に形成してもよく、この実施形態の特定の形態に限定されない。
【0013】
好ましくは、
図5に示されているように、各突出ボス部5のボス要素51の数は3つである。ボス要素51は、光軸(L)を中心に互いから等角に離間し、光軸(L)に対して湾曲して延在する。
ボス要素51の数及び形態は変えることができ、この実施形態に限定されるべきではないことに留意されたい。例えば、第2の光学レンズ素子33から突出し、第3の光学レンズ素子34に当接する、第3の環状対向面対43に形成される1つのみのボス要素51があることができる。代替的に、スペーサ35から突出し、第3の光学レンズ素子34に当接するボス要素51を、第4の環状対向面対44に形成してもよい。
【0014】
図6を参照する。
図6には、本発明の好ましい実施形態による光学レンズを製造する方法が、以下のステップを含むように開示される。ステップS01において、鏡筒2及び素子3を含む複数の部品を、複数の金型により射出成形法によって形成し、ここで、突出ボス部5が部品のうちの1つに形成される。鏡筒2は、光軸(L)を囲繞する開口絞り21を有して形成される正面壁20を含み、収容空間22を画成するように形成される。
【0015】
ステップS02において、素子3を、収容空間22内に光軸(L)に沿って配置及び配列し、レンズアセンブリを構成する。
【0016】
なお、ステップS01において、突出ボス部5を、第1の環状対向面対41、第2の環状対向面対42及び第5の環状対向面対45にそれぞれ形成する。第1の環状対向面対41に配置される突出ボス部5のボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿って鏡筒2の正面壁20の対向背面から突出する。第2の環状対向面対42に配置される突出ボス部5のボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿って第2の光学レンズ素子33の対向正面から突出する。第5の環状対向面対45に配置される突出ボス部5のボス要素51は、光軸(L)に平行な方向に沿ってスペーサ35の対向背面から突出する。
ステップS02の後で、それぞれのボス部5のボス要素51は、第1の光学レンズ素子31の対向正面、第1の光学レンズ素子31の対向背面、及び、第4の光学レンズ素子36の対向正面に当接する。
【0017】
ステップS01及びS02に続いて、ステップS03において、光軸(L)に対する各素子3の傾きを測定し、突出ボス部5を有して形成される部品を形成するのに用いた金型を、素子3の傾きを相殺する少なくとも1つの変更された突出ボス部5を有して形成される部品を形成するために、再構成する。
ステップS04において、ステップS03において再構成した金型を用いて、素子3の傾きを相殺する上記少なくとも1つの変更された突出ボス部5を有して形成される部品を形成する。
【0018】
まとめると、本発明の光学レンズの利点のうちの幾つかは以下の通りである。
光学レンズにおいて用いられる全ての素子は射出成形法によって形成されるため、光学レンズの素子を製造して組み立てることが比較的簡単である。さらに、光軸(L)に対するレンズアセンブリの素子3の傾きを補正することが望ましい場合、突出ボス部5を有して形成される部品を形成するための金型を、素子3の傾きを相殺する少なくとも1つの変更された突出ボス部5を有して形成される部品を形成するように変更すればよく、その結果、比較的簡単な補正処理となる。最終的に、光軸(L)を中心に互いから等角に離間するボス要素51、及び、光軸(L)に沿う方向に互いにずらされる、異なる環状対向面対に形成される突出ボス部5のうちの隣接する2つの形態は、本発明の素子3の間に比較的安定した接続を提供する。
【0019】
本発明を、最も実用的で好ましい実施形態であるとみなされるものに関して説明したが、本発明は開示される実施形態に限定されず、最も広範な解釈の主旨及び範囲内に含まれる種々の配置をカバーし、全てのそのような変更及び均等な配置を包含するものである。