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特開2015-215767出力装置、出力システム、出力方法、及び、出力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-215767(P2015-215767A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】出力装置、出力システム、出力方法、及び、出力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20151106BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20151106BHJP
   G06Q 50/14 20120101ALI20151106BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   G06F21/20 132
   G06Q50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-98257(P2014-98257)
(22)【出願日】2014年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】598072272
【氏名又は名称】株式会社ディー・ディー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100152515
【弁理士】
【氏名又は名称】稲山 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 峰雄
(72)【発明者】
【氏名】早川 圭介
(72)【発明者】
【氏名】徳田 清仁
(72)【発明者】
【氏名】吉嶺 達樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC26
(57)【要約】
【課題】旅行者が情報を容易に取得することが可能な出力装置、出力システム、出力方法、及び、出力プログラムを提供する。
【解決手段】観光案内サーバは、指紋情報及びパスポート情報が対応付けられたID DBと、地域情報、案内情報、及び、パスポート情報が対応付けられた案内情報DBとを備える。CPUは、通信装置から指紋情報を取得する(S101)。CPUは、ID DBに記憶された指紋情報によって通信装置から取得した指紋情報を認証可能と判定した場合(S107:YES)、通信装置の属する地域を特定する(S109)。CPUは、認証可能な指紋情報に対応するパスポート情報に含まれる識別情報を、ID DBから特定する。CPUは、案内情報DBに記憶された案内情報のうち、特定された識別情報及び地域情報に対応する案内情報を抽出し(S111)、通信装置に出力する(S113)。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を関連付けて複数記憶する第1記憶部と、
地域を示す地域情報、前記地域に対応する案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部と、
通信装置から前記生体情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する前記地域を特定する特定手段と、
前記第1記憶部に記憶された複数の前記認証情報の何れかによって、前記取得手段によって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された複数の前記パスポート情報のうち前記判定手段によって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定手段によって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって取得された前記案内情報を、前記通信装置に出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする出力装置。
【請求項2】
前記第1記憶部は、前記認証情報、前記パスポート情報、及び、前記通信装置と通信を行う場合に必要な通信IDを関連付けて記憶し、
前記取得手段は、前記通信IDを使用した前記通信装置の通信を介して、前記生体情報を取得し、
前記判定手段は、前記第1記憶部に記憶された前記複数の認証情報のうち、前記通信装置から前記生体情報を取得する場合に使用された前記通信IDに関連付けられた前記認証情報によって前記生体情報を認証可能か判定することを特徴とする請求項1に記載の出力装置。
【請求項3】
前記通信IDの発行の要求、及び、前記ユーザの前記生体情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記要求が受け付けられた場合、前記生体情報を認証可能な前記認証情報、及び、前記ユーザの前記パスポート情報を、データベースサーバから受信する受信手段と、
前記受付手段によって受け付けられた前記要求に応じて発行された前記通信IDと、前記受信手段によって受信された前記認証情報及び前記パスポート情報とを関連付けて前記第1記憶部に記憶する第1記憶手段と
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の出力装置。
【請求項4】
前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報は、国籍、性別、及び生年月日の少なくとも何れかを示す情報を含むことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の出力装置。
【請求項5】
前記生体情報は、前記ユーザの指の指紋を示す指紋情報であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の出力装置。
【請求項6】
互いに通信可能なデータベースサーバ、通信装置、及び出力装置を備えた出力システムであって、
前記データベースサーバは、
ユーザの生体情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を取得するサーバ取得手段と、
前記サーバ取得手段によって取得された前記生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記パスポート情報を関連付けてサーバ記憶部に複数記憶するサーバ記憶手段と
前記サーバ記憶部に記憶された前記認証情報及び前記パスポート情報を、前記出力装置に送信するサーバ送信手段と
を備え、
前記通信装置は、
前記生体情報を取得する装置取得手段と、
前記装置取得手段によって取得された前記生体情報を、前記出力装置に送信する装置送信手段と、
案内情報を受信する装置受信手段と、
前記装置受信手段によって受信された前記案内情報を表示部に表示する表示手段と
を備え、
前記出力装置は、
前記認証情報及び前記パスポート情報を、前記データベースサーバから受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記認証情報及び前記パスポート情報を関連付けて第1記憶部に記憶する第1記憶手段と、
地域を示す地域情報、前記地域に対応する前記案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部と、
前記通信装置から前記生体情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する前記地域を特定する特定手段と、
前記第1記憶部に記憶された前記複数の認証情報の何れかによって、前記取得手段によって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された前記複数のパスポート情報のうち前記判定手段によって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定手段によって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって取得された前記案内情報を、前記通信装置に送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする出力システム。
【請求項7】
通信装置から生体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する地域を特定する特定ステップと、
ユーザの前記生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を関連付けて複数記憶する第1記憶部に記憶された複数の前記認証情報の何れかによって、前記取得ステップによって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された複数の前記パスポート情報のうち前記判定ステップによって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記地域を示す地域情報、前記地域に対応する案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定ステップによって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップによって取得された前記案内情報を、前記通信装置に出力する出力ステップと
を備えたことを特徴とする出力方法。
【請求項8】
通信装置から生体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する地域を特定する特定ステップと、
ユーザの前記生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を関連付けて複数記憶する第1記憶部に記憶された複数の前記認証情報の何れかによって、前記取得ステップによって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された複数の前記パスポート情報のうち前記判定ステップによって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記地域を示す地域情報、前記地域に対応する案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定ステップによって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップによって取得された前記案内情報を、前記通信装置に出力する出力ステップと
を、出力装置のコンピュータに実行させるための出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行者に案内情報を提供することが可能な出力装置、出力システム、出力方法、及び、出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行者に対して、推奨スポット等の案内情報を提供する装置が提案されている。例えば特許文献1は、個人情報テーブル、及び、スポット情報テーブルを記憶するDBを有する旅行情報提供装置を開示する。個人情報テーブルには、旅行者の「氏名」、「個人ID」、「年齢」、「性別」、「代表者情報」、「旅行人数」、「血縁ID」、「友人ID」、「住所」、「電話番号」、「メールアドレス」、「旅行予約状況」、「旅行開始日時」、「旅行終了日時」、「旅行予約ID」、「同行者ID」、「過去旅行ID」、「過去旅行の同行者ID」等の個人情報が記憶される。なお、個人情報テーブルに記憶される上記の複数の情報は、旅行者本人やオペレータによって直接入力されるか、又は、旅行代理店やクレジットカード会社のDBから提供される。又、スポット情報テーブルには、観光施設及びイベントに関する情報が記憶される。旅行情報提供装置は、旅行中の旅行者の個人情報に応じた推奨スポットを、両テーブルに基づいて抽出し、旅行者に提供する。なお、旅行者各人の個人情報に適した奨励スポットを提供するために、個人情報テーブルに記憶される個人情報の数は多い方が好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−145834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された旅行情報提供装置において、個人情報テーブルに記憶される複数の情報の夫々が旅行者本人やオペレータによって直接入力される場合、入力する情報量が多くなると、入力操作に手間を要する。なお、旅行代理店やクレジットカード会社のDBに記憶された複数の情報は、個人情報テーブルに記憶する情報として利用できない場合がある。これらの場合、旅行者は、旅行情報提供装置から情報を容易に取得できないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、旅行者が情報を容易に取得することが可能な出力装置、出力システム、出力方法、及び、出力プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る出力装置は、ユーザの生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を関連付けて複数記憶する第1記憶部と、地域を示す地域情報、前記地域に対応する案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部と、通信装置から前記生体情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する前記地域を特定する特定手段と、前記第1記憶部に記憶された複数の前記認証情報の何れかによって、前記取得手段によって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された複数の前記パスポート情報のうち前記判定手段によって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定手段によって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって取得された前記案内情報を、前記通信装置に出力する出力手段とを備えている。
【0007】
第1態様によれば、出力装置は、パスポート情報に含まれる複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、通信装置の属する地域の地域情報の両方に関連する案内情報を抽出し、通信装置に出力する。このため、出力装置は、パスポート情報に含まれる複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、通信装置の属する地域に適した案内情報を、通信装置のユーザに提供できる。なお、パスポート情報に含まれる複数の識別情報の夫々は、ユーザの属性を少なくとも示す。又、パスポート情報は入国時に必然的に取得される情報であるので、海外のユーザは、個別にパスポート情報を登録する作業を行う必要がない。このため海外のユーザは、通信装置の属する地域、及び、自身の属性に応じた適切な案内情報を出力装置から簡易に取得できる。
【0008】
又、出力装置は、生体情報に基づく生体認証によって、ユーザを正確に特定して対応するパスポート情報を特定できる。このため、出力装置は、ユーザにとって有用な情報を正確に抽出し、ユーザに提供できる。又、ユーザは、自身に対応するパスポート情報を出力装置に対して容易に指定できる。
【0009】
第1態様において、前記第1記憶部は、前記認証情報、前記パスポート情報、及び、前記通信装置と通信を行う場合に必要な通信IDを関連付けて記憶し、前記取得手段は、前記通信IDを使用した前記通信装置の通信を介して、前記生体情報を取得し、前記判定手段は、前記第1記憶部に記憶された前記複数の認証情報のうち、前記通信装置から前記生体情報を取得する場合に使用された前記通信IDに関連付けられた前記認証情報によって前記生体情報を認証可能か判定してもよい。この場合、出力装置は、通信装置から取得した生体情報が認証可能か否かを、容易且つ短時間で判定できる。
【0010】
第1態様において、前記通信IDの発行の要求、及び、前記ユーザの前記生体情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって前記要求が受け付けられた場合、前記生体情報を認証可能な前記認証情報、及び、前記ユーザの前記パスポート情報を、データベースサーバから受信する受信手段と、前記受付手段によって受け付けられた前記要求に応じて発行された前記通信IDと、前記受信手段によって受信された前記認証情報及び前記パスポート情報とを関連付けて前記第1記憶部に記憶する第1記憶手段とを備えてもよい。この場合、出力装置は、認証情報及びパスポート情報をデータベースサーバから取得できる。又、出力装置は、通信IDの発行を要求したユーザに対して、案内情報を出力できる。
【0011】
第1態様において、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報は、国籍、性別、及び生年月日の少なくとも何れかを示す情報を含んでいてもよい。この場合、出力装置は、国籍、性別、及び生年月日によって特定可能なユーザの嗜好にあった案内情報を、ユーザに出力できる。
【0012】
第1態様において、前記生体情報は、前記ユーザの指の指紋を示す指紋情報であってもよい。この場合、出力装置は、生体情報を容易に取得できる。
【0013】
本発明の第2態様に係る出力システムは、互いに通信可能なデータベースサーバ、通信装置、及び出力装置を備えた出力システムであって、前記データベースサーバは、ユーザの生体情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を取得するサーバ取得手段と、前記サーバ取得手段によって取得された前記生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記パスポート情報を関連付けてサーバ記憶部に複数記憶するサーバ記憶手段と前記サーバ記憶部に記憶された前記認証情報及び前記パスポート情報を、前記出力装置に送信するサーバ送信手段とを備え、前記通信装置は、前記生体情報を取得する装置取得手段と、前記装置取得手段によって取得された前記生体情報を、前記出力装置に送信する装置送信手段と、案内情報を受信する装置受信手段と、前記装置受信手段によって受信された前記案内情報を表示部に表示する表示手段とを備え、前記出力装置は、前記認証情報及び前記パスポート情報を、前記データベースサーバから受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記認証情報及び前記パスポート情報を関連付けて第1記憶部に記憶する第1記憶手段と、地域を示す地域情報、前記地域に対応する前記案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部と、前記通信装置から前記生体情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する前記地域を特定する特定手段と、前記第1記憶部に記憶された前記複数の認証情報の何れかによって、前記取得手段によって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された前記複数のパスポート情報のうち前記判定手段によって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定手段によって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって取得された前記案内情報を、前記通信装置に送信する送信手段とを備えている。第2態様によれば、第1態様と同様の効果を奏することができる。
【0014】
本発明の第3態様に係る出力方法は、通信装置から生体情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する地域を特定する特定ステップと、ユーザの前記生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を関連付けて複数記憶する第1記憶部に記憶された複数の前記認証情報の何れかによって、前記取得ステップによって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定ステップと、前記判定ステップによって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された複数の前記パスポート情報のうち前記判定ステップによって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記地域を示す地域情報、前記地域に対応する案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定ステップによって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップによって取得された前記案内情報を、前記通信装置に出力する出力ステップとを備えている。第3態様によれば、第1態様と同様の効果を奏することができる。
【0015】
本発明の第4態様に係る出力プログラムは、通信装置から生体情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって前記生体情報を取得した前記通信装置の属する地域を特定する特定ステップと、ユーザの前記生体情報を認証可能な認証情報、及び、前記ユーザのパスポートに記載された複数の識別情報を含むパスポート情報を関連付けて複数記憶する第1記憶部に記憶された複数の前記認証情報の何れかによって、前記取得ステップによって取得された前記生体情報を認証可能か判定する判定ステップと、前記判定ステップによって、前記複数の認証情報の何れかによって前記生体情報を認証可能であると判定した場合、前記第1記憶部に記憶された複数の前記パスポート情報のうち前記判定ステップによって認証可能であると判定された前記認証情報に関連付けられた前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報を特定し、次いで、前記地域を示す地域情報、前記地域に対応する案内情報、及び、前記パスポート情報に含まれる前記複数の識別情報の少なくとも1つを関連付けて複数記憶する第2記憶部に記憶された複数の前記案内情報のうち、特定された前記複数の識別情報の少なくとも1つ、及び、前記特定ステップによって特定された前記地域情報に関連付けられた前記案内情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップによって取得された前記案内情報を、前記通信装置に出力する出力ステップとを、出力装置のコンピュータに実行させる。第4態様によれば、第1態様と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】出力システム1の概要と、入国管理サーバ2、観光案内サーバ3、及び、複数の通信装置4の夫々の電気的構成を示す図である。
図2】入国管理DB241を示す図である。
図3】観光案内DB341(案内情報DB341A及びID DB341B)を示す図である。
図4】出力システム1の処理の流れを示す機能ブロック図である。
図5】入国管理サーバ処理のフローチャートである。
図6】通信装置第1処理のフローチャートである。
図7】通信装置第2処理のフローチャートである。
図8】通信装置第3処理のフローチャートである。
図9】案内サーバ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1を参照し、出力システム1の概要を説明する。出力システム1は、入国管理サーバ2、観光案内サーバ3、及び、複数の通信装置4(通信装置4A、4B、4C)を備えている。出力システム1は、来訪した外国人6(6A、6B)に対し、訪れた国内の観光地の案内情報を提供することが可能なシステムである。入国管理サーバ2、観光案内サーバ3、及び、複数の通信装置4は、ネットワーク5を介して相互通信が可能である。なお、通信装置4Cは、ネットワーク5に接続する図示外のアクセスポイントを介して通信を行う。
【0018】
入国管理サーバ2は、外国人6のパスポートに記載された情報であって、外国人6を識別するための複数の識別情報(以下、「パスポート情報」という。)、及び、外国人6の全ての指の夫々の指紋のパターンを示す情報(以下、「指紋情報」という。)を記憶するサーバである。パスポート情報には、パスポート番号、国籍、姓、名、性別、及び、生年月日が、パスポートを所有する外国人6を識別する識別情報として含まれる。入国管理サーバ2は空港等に設置される。入国管理サーバ2は、入国手続きを行うためのサーバである。入国管理サーバ2には指紋センサ2Aが接続される。指紋センサ2Aは、指紋情報を取得することが可能な、ライン型電界式の周知のセンサである。入国管理サーバ2を介して外国人6の入国手続きが行われる場合、パスポート情報に加えて指紋情報が入国管理サーバ2に登録される。なお、指紋センサ2Aは他の駆動原理のセンサであってもよい。登録される指紋情報は、外国人6の全ての指のうち一部の指の指紋情報であってもよい。パスポート情報は、パスポート番号、国籍、姓、名、性別、及び、生年月日に限定されず、他の情報を含んでいてもよい。
【0019】
複数の通信装置4は、通信装置4A、4B、4Cを含む。通信装置4Aは周知の汎用PCである。通信装置4Aは、ホテルでのチェックイン時の身元確認に使用され、ホテルのフロントに設置される。通信装置4Bは周知の汎用PCである。通信装置4Bは、Wi-Fi IDの申請に使用され、申請窓口等に設置される。Wi-Fi IDは、後述する通信装置4CがWi-FiスポットでWi-Fiに接続するために必要なSSID及びパスワードを含む。通信装置4Cは周知のスマートフォンである。通信装置4Cは外国人6Bによって所持され、案内情報の取得に使用される。通信装置4A、4Bには指紋センサ49が接続可能である。通信装置4Cには指紋センサ49が内蔵される。指紋センサ49は、指紋センサ2Aと同様の周知のセンサである。
【0020】
観光案内サーバ3は、Wi-Fi ID及び案内情報を記憶するサーバである。観光案内サーバ3は、通信装置4Cからの要求に応じて、通信装置4Cの属する地域、及び、通信装置4Bを所持する外国人6Bの属性にあった案内情報を、通信装置4Cに提供する。なお、詳細は後述するが、観光案内サーバ3は、通信装置4Cを使用する外国人6Bのパスポート情報に基づいて外国人6Bの属性を特定し、特定した属性に適した案内情報を選択して提供する。
【0021】
入国管理サーバ2の電気的構成について説明する。入国管理サーバ2は、CPU21、ROM22、RAM23、HDD24、通信インタフェース(I/F)25、ドライブ装置26、入力部27、及び表示部28を備えている。CPU21は、入国管理サーバ2の制御を行う。ROM22、RAM23、HDD24、通信I/F25、ドライブ装置26、入力部27、及び、表示部28は、CPU21と電気的に接続している。又、CPU21は、図示外のコネクタを介して指紋センサ2Aと電気的に接続する。ROM22は、BIOS、ブートプログラム、初期設定値を記憶する。RAM23は、種々の一時データを記憶する。HDD24は、CPU21が入国管理サーバ2を制御するために実行するプログラム、及びOSを記憶する。又、HDD24は、観光案内サーバ3と通信を行うために必要な、観光案内サーバ3のアドレス情報を記憶する。又、HDD24は、後述する入国管理DB241(図2参照)を記憶する。通信I/F25は、ネットワーク5を介して外部の電子機器と通信を実行するためのコントローラである。ドライブ装置26は、記憶媒体26Aに記憶された情報を読み出すことができる。CPU21は、記憶媒体26Aに記憶されたプログラムをドライブ装置26によって読み出し、HDD24に記憶できる。入力部27はキーボード及びマウスである。表示部28はLCDである。
【0022】
図2を参照し、入国管理DB241について説明する。入国管理DB241は、パスポート情報と指紋情報とを、外国人6毎に対応付けて記憶する。CPU21は、外国人6の入国手続きを行う場合に、パスポート情報と指紋情報とを取得し、入国管理DB241に記憶する。
【0023】
図1を参照し、観光案内サーバ3の電気的構成を説明する。観光案内サーバ3は、CPU31、ROM32、RAM33、HDD34、通信I/F35、及び、ドライブ装置36を備えている。CPU31は、観光案内サーバ3の制御を行う。CPU31は、ROM32、RAM33、HDD34、通信I/F35、及び、ドライブ装置36と電気的に接続する。ROM32は、BIOS、ブートプログラム、初期設定値を記憶する。RAM33は、種々の一時データを記憶する。HDD34は、CPU31が観光案内サーバ3を制御するために実行するプログラム、及びOSを記憶する。又、HDD34は、入国管理サーバ2と通信を行うために必要な、入国管理サーバ2のアドレス情報を記憶する。又、HDD34は、後述する観光案内DB341(図3参照)を記憶する。又、HDD34は、観光地のWi-Fiスポットに設置され且つネットワーク5に接続するアクセスポイントのアドレス情報と、対応するWi-Fiスポットの通信エリアを示すエリア情報とを対応付けたアドレステーブルを記憶する。通信I/F35は、ネットワーク5を介して外部の電子機器と通信を実行するためのコントローラである。ドライブ装置36は、記憶媒体36Aに記憶された情報を読み出すことができる。CPU31は、記憶媒体36Aに記憶されたプログラムをドライブ装置36によって読み出し、HDD34に記憶できる。
【0024】
図3を参照し、観光案内DB341について説明する。観光案内DB341は、案内情報DB341A及びID DB341Bを有する。案内情報DB341Aは、地域を示す地域情報と、国籍、性別、及び、年齢の夫々を示す情報と、第1案内情報及び第2案内情報とを対応付けて記憶する。案内情報DB341Aは、外国人6への案内情報の提供を希望する者によって作成される。
【0025】
地域情報は、観光地の特定の地域を示す。地域情報によって示される地域の具体例として、都道府県、市町村の他、島、渓谷、公園、遊園地、温泉街、商店街、寺院等がある。国籍及び性別は、パスポート情報に含まれる識別情報のうち、国籍及び性別に対応する。年齢は所定の範囲を有する。第1案内情報は、対応する地域内にある観光スポットのうち、対応する国籍、性別、及び年齢の観光客にお勧めの観光スポットの画像を示す画像情報である。第2案内情報は、対応する地域内にある店(飲食店、雑貨屋等)のうち、対応する国籍、性別、及び年齢の観光客にお勧めの店の画像を示す画像情報である。
【0026】
ID DB341Bは、Wi-Fi ID、国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報を対応付けて記憶する。国籍、性別、及び生年月日は、入国管理DB241に記憶されたパスポート情報に含まれる識別情報に基づいている。CPU31は、通信装置4BからWi-Fi IDの申請を受け付けた場合に、国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報をID DB341Bに記憶する。
【0027】
図1を参照し、通信装置4Cの電気的構成について説明する。通信装置4Cは、CPU41,ROM42,RAM43,記憶部44,通信I/F45,入力部47,表示部48、及び、指紋センサ49を備える。CPU41は、通信装置4Cの制御を行う。CPU41は、ROM42、RAM43、記憶部44、通信I/F45、入力部47、表示部48、及び、指紋センサ49と電気的に接続する。ROM42は、BIOS、ブートブログラム、初期設定値を記憶する。RAM43は、種々の一時データを記憶する。記憶部44はフラッシュメモリである。記憶部44は、CPU41が通信装置4Cを制御するために実行するプログラム、及びOSを記憶する。又、記憶部44は、入国管理サーバ2と通信を行うために必要な、入国管理サーバ2のアドレス情報を記憶する。又、記憶部44は、観光案内サーバ3と通信を行うために必要な、観光案内サーバ3のアドレス情報を記憶する。通信I/F45は、ネットワーク5を介して外部の電子機器と通信を実行するためのコントローラである。入力部47はタッチパネルである。表示部48はLCDである。
【0028】
通信装置4A、4Bの電気的構成については、指紋センサ49が着脱可能に接続される点、記憶部44がHDDである点、及び入力部47がキーボード及びマウスである点を除き、通信装置4Cの電気的構成と同一である。従って、通信装置4A、4Bの電気的構成の説明は省略する。
【0029】
図4を参照し、出力システム1の処理の流れについて、具体例を挙げて説明する。はじめに、外国人6(6A、6B)が入国し、入国管理サーバ2を介して入国手続きを行う場合を例に挙げる。外国人6の入国手続きが行われる場合、オペレータは、入国管理サーバ2の入力部27を介してパスポート情報(パスポート番号、国籍、姓、名、性別、生年月日)を入力する。入国管理サーバ2のCPU21は、入力されたパスポート情報を取得する(S131)。次に、外国人6は、指紋センサ2Aに全ての指を順番に接触させる。指紋センサ2Aは、夫々の指の指紋情報を検出し、入国管理サーバ2に出力する。CPU21は、指紋センサ2Aから出力された夫々の指の指紋情報を取得する(S133)。CPU21は、パスポート情報と、全ての指の夫々の指の指紋情報とを対応付け、入国管理DB241に記憶する。
【0030】
なお、入国管理241に記憶される指紋情報は、外国人6の全ての指のうち特定の指の指紋情報であってもよい。
【0031】
次に、外国人6Aが、入国後にホテルにチェックインするために身元確認を行う場合を例に挙げる。この場合、外国人6Aは、ホテルのフロントで通信装置4Aの指紋センサ49に指を接触させる。接触させる指は、全ての指のうち何れかであればよい。指紋センサ49は指紋情報を検出し、通信装置4Aに出力する。通信装置4AのCPU41は、指紋センサ49から出力された指紋情報を取得する(S135)。CPU41は、取得した指紋情報と、認証を要求する認証要求データとを、ネットワーク5を介して入国管理サーバ2に送信する。
【0032】
入国管理サーバ2のCPU21は、指紋情報及び認証要求データを通信装置4Aから取得する。CPU21は、入国管理DB241に記憶された複数の指紋情報に、受信した指紋情報と一致する指紋情報が含まれているか判断することによって、指紋を認証する(S137)。具体的には次の通りである。CPU21は、入国管理DB241に記憶された複数の指紋情報の夫々によって示される指紋のパターンから、マニューシャ特徴情報及び周波数特徴情報を抽出する。マニューシャ特徴情報では、指紋模様の盛り上がった部分の端点や分岐点の位置関係が特徴情報としてとらえられる。周波数特徴情報は、指紋模様を複数の面でスライスした場合の凹凸波形が特徴情報としてとらえられる。CPU21は、受信した指紋情報によって示されるパターンからも同様に、マニューシャ特徴情報及び周波数特徴情報を抽出する。CPU21は、双方のマニューシャ特徴情報及び周波数特徴情報を比較し、複合的なスコア算出を行う。CPU21は、双方が同じ指紋のパターンであるか否かを、算出したスコアに基づいて判断する。CPU21は、双方が同じ指紋のパターンであると判断した場合、双方の指紋情報は一致し、指紋の認証に成功したと判断する。一方、CPU21は、双方が異なる指紋のパターンであると判断した場合、双方の指紋情報が相違し、指紋の認証に失敗したと判断する。
【0033】
なお本発明は、上記の指紋を認証する具体的な方法に限定されない。CPU21は、別の周知の方法で指紋を認証してもよい。具体的には、例えば、指紋のパターンの特徴点(中心点、分岐点、端点、三角州等)同士を比較することによって、指紋を認証してもよい。
【0034】
CPU21は、指紋の認証に成功したと判断した場合、認証に成功したことを通知する成功通知データを、ネットワーク5を介して、認証要求データ及び指紋情報を送信した通信装置4Aに送信する。一方、CPU21は、指紋の認証に失敗したと判断した場合、認証に失敗したことを通知する失敗通知データを、ネットワーク5を介して、認証要求データ及び指紋情報を送信した通信装置4Aに送信する。
【0035】
通信装置4AのCPU41は、入国管理サーバ2から成功通知データ又は失敗通知データを取得する。CPU41は、認証の成否を示す通知画面を表示部48に表示させる(S139)。これによって、例えばホテルの従業員は、チェックインを希望する外国人6Aが入国手続きを適切に行った者であるかを確認できる。又、外国人6Aは、身元確認のためにパスポートをホテルのフロントに提示する必要がなくなるので、安全且つ容易に身元確認を行うことができる。
【0036】
なお、ホテルのチェックイン時における上記の処理は、例えば次の手順で行われてもよい。初めにホテルの従業員は、外国人6Aに対して、身元確認のためにパスポートの提示を要求する。これに対し、外国人6Aは、パスポートの提示の代わりに指紋認証によって身元確認を行いたい旨伝える。従業員は、外国人6Aの要求に応じ、通信装置4Aに接続された指紋センサ49を提示する。外国人6Aは、指紋センサ49に指を接触させることによって、身元確認を行う。通信装置4Aの表示部48に、認証の成否が表示される。認証に成功したことを通知する通知画面が表示部48に表示された場合、外国人6Aによるパスポートの提示は不要となる。
【0037】
なお、CPU41による上記の処理による身元確認は、ホテルでのチェックイン時に行われる場合に限らない。例えば通信装置4Aは、免税店、トラベラーズチェック使用時、アルコール及びたばこの購入時に、上記の処理による身元確認が行われてもよい。
【0038】
次に、外国人6Bが、入国後にWi-Fi IDの申請を行う場合を例に挙げる。この場合、外国人6Bは、通信装置4Bの指紋センサ49に指を接触させる。接触させる指は、全ての指のうち何れかであればよい。指紋センサ49は指紋情報を取得し、通信装置4BのCPU41に出力する。CPU41は、指紋センサ49から出力された指紋情報を取得する(S141)。CPU41は、取得した指紋情報と、Wi-Fi IDの申請を要求する申請要求データとを、ネットワーク5を介して観光案内サーバ3に送信する。
【0039】
観光案内サーバ3のCPU31は、指紋情報及び申請要求データを通信装置4Bから取得する。CPU31は、通信装置4Bを使用する外国人6B(Wi-Fi IDの申請者)に対応するパスポート情報及び指紋情報を入国管理サーバ2から取得するために、受信した指紋情報及び申請要求データを入国管理サーバ2に送信する(S143)。
【0040】
なお上記において、通信装置4BのCPU41は、指紋情報及び申請要求データを、ネットワーク5を介して入国管理サーバ2に直接送信してもよい。
【0041】
入国管理サーバ2のCPU21は、指紋情報及び申請要求データを観光案内サーバ3から取得する。CPU21は、S137の処理と同じ方法で指紋を認証する(S145)。CPU21は、指紋の認証に成功したと判断した場合、入国管理DB241のうち、認証に使用した指紋情報に対応するパスポート情報の国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報を取得する。CPU21は、取得した情報を、ネットワーク5を介して観光案内サーバ3に送信する(S147)。
【0042】
観光案内サーバ3のCPU31は、国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報を入国管理サーバ2から取得する。CPU31は、S143の処理によって取得した指紋情報及び申請要求データを送信した通信装置4Bに対して発行するWi-Fi IDを決定する(S149)。CPU31は、入国管理サーバ2から受信した国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報と、決定したWi-Fi IDとを対応付けて、ID DB341Bに記憶する。以後、CPU31は、ID DB341Bに記憶されたWi-Fi IDが設定された通信装置4Bとの間で、Wi-Fiによる無線通信を行うことが可能となる。CPU31は、S149の処理によって決定したWi-Fi IDを通知するためのID通知データを、ネットワーク5を介して通信装置4Bに送信する。
【0043】
通信装置4BのCPU41は、観光案内サーバ3から送信されたID通知データを取得する(S151)。CPU41は、取得したID通知データによって通知されたWi-Fi IDを表示部48に表示させる。
【0044】
外国人6Bは、表示部48に表示されたWi-Fi IDを使用して通信装置4CをWi-Fiスポットに接続可能とするための設定操作を、通信装置4Cの入力部47を介して行う。これによって、通信装置4Cは、観光地でWi-Fiスポットに接続し、観光案内サーバ3から案内情報を取得できる状態になる。
【0045】
上記において、観光案内サーバ3のCPU31は、通信装置4BからWi-Fi IDの申請の要求を受け付けた場合、入国管理サーバ2による指紋の認証に成功した場合にのみ、Wi-Fi IDを決定し、通信装置4Bに通知することになる。なお、入国管理サーバ2のCPU21は、入国手続き時にパスポート情報と共に取得した指紋情報に基づいて、指紋の認証を行う。従ってCPU31は、適正な入国手続きを行うことによってパスポート情報が明らかとなっている者が、Wi-Fi IDを申請した場合にのみ、Wi-Fi IDを決定して通知する。なお、外国人6Bに対するWi-Fi IDの発行には、パスポートの提示が求められる場合がある。この場合、外国人6BはWi-Fi IDの申請時にパスポートを窓口まで持参しなければならい。これに対し、本実施形態において、外国人6Bは、指紋センサ49に指を接触させるだけで、Wi-Fi IDの申請手続きを行うことができる。このため外国人6Bは、窓口にパスポートを持参する必要がなくなるので、Wi-Fi IDを安全且つ容易に取得できる。
【0046】
次に、外国人6Bが、通信装置4Cを所持して観光地を訪れ、観光地のWi-Fiスポットに通信装置4Cを接続させて現地の案内情報を取得する場合を例に挙げる。通信装置4CのCPU41は、設定されたWi-Fi IDを使用し、Wi-Fiスポットのアクセスポイントとの無線通信を開始する。
【0047】
外国人6Bは、案内情報の取得を開始させるために、通信装置4Cの指紋センサ49に指を接触させる。接触させる指は、全ての指のうち何れかであればよい。指紋センサ49は指紋情報を取得し、通信装置4CのCPU41に出力する。CPU41は、指紋センサ49から出力された指紋情報を取得する(S153)。CPU41は、取得した指紋情報と、案内情報の取得を要求する案内要求データとを、アクセスポイントに送信する。アクセスポイントは、受信した指紋情報及び案内要求データと、通信装置4Cとの通信時に使用されたWi-Fi IDとを、観光案内サーバ3に送信する。
【0048】
観光案内サーバ3のCPU31は、指紋情報、案内要求データ、及びWi-Fi IDを、アクセスポイントから取得する。CPU31は、ID DB341B(図3参照)に記憶された複数の指紋情報のうち、取得したWi-Fi IDに対応する指紋情報と、受信した指紋情報とが一致するか判断することによって、指紋を認証する(S155)。一致するか判断する場合の具体的な方法は、入国管理サーバ2のCPU21がS137、S145の処理によって実行する方法と同じである。
【0049】
CPU31は、指紋の認証に成功したと判断した場合、ID DB341Bのうち、認証に使用した指紋情報に対応付けられたパスポート情報(国籍、性別、生年月日)を取得する。CPU31は、取得したパスポート情報の生年月日に基づいて、年齢を算出する。CPU31は、取得した指紋情報の送信元のアクセスポイントのアドレス情報を特定する。CPU31は、HDD34に記憶されたアドレステーブルに基づいて、特定したアドレス情報に対応するWi-Fiスポットのエリア情報を特定する。CPU31は、観光案内DB341の案内情報 DB341Aを参照し、特定したエリア情報によって示されるWi-Fiスポットの通信エリアを含む地域を示す地域情報、取得したパスポート情報の国籍と性別、及び、算出した年齢に基づいて、対応する第1案内情報及び第2案内情報を特定する。CPU31は、特定した第1案内情報及び第2案内情報を、アクセスポイントを介して通信装置4Cに送信する(S157)。
【0050】
通信装置4CのCPU41は、観光案内サーバ3から送信された第1案内情報及び第2案内情報を取得する(S159)。CPU41は、取得した第1案内情報及び第2案内情報に基づいて、対応する画像を表示部48に表示させる。外国人6Bは、通信装置4Cの表示部48に表示された画像を確認することによって、自身の属性(国籍、性別、年齢)、及び、訪れた観光地に適した案内情報を認識できる。
【0051】
上記において、特に外国人の場合、観光地に関する情報を事前に入手するのに手間がかかる。又、外国人は、観光地に関する情報を事前に取得できる範囲が観光ガイド等で調べる程度に止まるので、情報量に乏しい。又、観光ガイド等で調べることの可能な情報は、外国人の嗜好に沿っているとは限らないので、外国人の趣味や趣向が、取得可能な観光地に関する情報に反映されない可能性が高い。更に、外国人は、不定期のイベント等の情報を入手し難い。
【0052】
上記の問題点に対し、本実施形態において、観光案内サーバ3のCPU31は、通信装置4Cが無線通信を行うWi-Fiスポットの通信エリアを特定し、特定した通信エリアに対応する案内情報を、案内情報DB341Aから取得する。又、外国人6Bの国籍、性別、及び年齢をパスポート情報から特定し、特定した国籍、性別、及び年齢に応じた案内情報を、案内情報DB341Aから取得する。なお、パスポート情報及び指紋情報は入国手続き時に入国管理サーバ2によって取得され、外国人6Bは指紋認証によって特定されるので、外国人6Bの属性(国籍、性別、生年月日)は、パスポート情報に基づいて正確に特定される。又、入国管理サーバ2によって取得されたパスポート情報が利用されるので、外国人6Bの属性を特定するための情報を、外国人6B本人やオペレータ等が別途入力する必要がない。
【0053】
CPU31は、取得した案内情報を通信装置4Cに送信し、外国人6Bに提供する。このため、外国人6Bは、所持する通信装置4CをWi-Fiスポットに接続させることによって、自身の属性にあった有益な案内情報を得ることができる。外国人6Bは、観光地に関する情報の事前調査に時間をかける必要がなくなるので、時間を節約できる。
【0054】
なお、ID DB341B(図3参照)には、外国人6Bの国籍、性別、及び生年月日のみが記憶され、外国人6Bの姓、名は記憶されない。このため、外国人6Bを特定可能な個人情報は、入国管理サーバ2から外部に出力されないので、外国人6Bのプライバシーは保護される。
【0055】
なお上記において、外国人6Bは、Wi-Fi IDの申請時、自身の趣向を示す情報(例えば、「和食」「中華」「寺院」「名所」「アウトドア」など)を登録してもよい。登録された趣向を示す情報は、決定されたWi-Fi IDに対応付けてID DB341Bに記憶されてもよい。案内情報DB341Aは、趣向を示す情報に応じて、第1案内情報及び第2案内情報が細分化されていてもよい。観光案内サーバ3のCPU31は、S155の処理によって指紋の認証に成功した場合、ID DB341Bを参照し、認証に使用した指紋情報に対応する趣向を示す情報を特定してもよい。CPU31は、案内情報 DB341Aを参照し、特定した趣向を示す情報に対応する第1案内情報及び第2案内情報を、案内情報として通信装置4Cに送信してもよい。
【0056】
又、上記において、外国人6Bは、Wi-Fi IDの申請時、通信装置4Cのメールアドレスを登録してもよい。登録されたメールアドレスは、決定されたWi-Fi IDに対応付けてID DB341Bに記憶されてもよい。観光案内サーバ3のCPU31は、S155の処理によって指紋の認証に成功した場合、ID DB341Bを参照し、認証に使用した指紋情報に対応するメールアドレスを特定してもよい。CPU31は、特定したメールアドレス宛てに、案内情報を送信してもよい。
【0057】
図5を参照し、入国管理サーバ2のCPU21によって実行される入国管理サーバ処理について説明する。入国管理サーバ処理は、入国管理サーバ2の電源がオンされた場合に、HDD24に記憶されたプログラムをCPU21が実行することによって開始される。
【0058】
CPU21は、入国手続き開始させるための操作を、入力部27を介して検出したか判断する(S11)。CPU21は、入国手続きの開始操作を検出しないと判断した場合(S11:NO)、処理をS19に進める。
【0059】
CPU21は、入国手続きの開始操作を検出したと判断した場合(S11:YES)、入力部27を介して入力されたパスポート情報を取得し(S13)、RAM23に記憶する。次いで、CPU21は、外国人6が全ての指を順番に指紋センサ2Aに接触させた場合に指紋センサ2Aから出力される複数の指紋情報を取得し(S15)、RAM23に記憶する。CPU21は、RAM23に記憶したパスポート情報及び複数の指紋情報を対応付けて、入国管理DB241(図2参照)に記憶する(S17)。CPU21は処理をS19に進める。
【0060】
CPU21は、指紋情報及び認証要求データを、通信装置4Aから受信したか判断する(S19)。CPU21は、指紋情報及び認証要求データを受信していないと判断した場合(S19:NO)、処理をS27に進める。CPU21は、指紋情報及び認証要求データを受信したと判断した場合(S19:YES)、入国管理DB241に記憶された複数の指紋情報の何れかと、受信した指紋情報とが一致するか否かによって、指紋を認証する(S23)。CPU21は、指紋の認証に成功したと判断した場合、成功通知データを通信装置4Aに送信し、認証結果を通知する(S25)。CPU21は、指紋の認証に失敗したと判断した場合、失敗通知データを通信装置4Aに送信し、認証結果を通知する(S25)。CPU21は処理をS27に進める。
【0061】
CPU21は、指紋情報及び申請要求データを、観光案内サーバ3から受信したか判断する(S27)。CPU21は、指紋情報及び申請要求データを受信していないと判断した場合(S27:NO)、処理をS11に戻す。CPU21は、指紋情報及び申請要求データを受信したと判断した場合(S27:YES)、入国管理DB241に記憶された複数の指紋情報の何れかと、受信した指紋情報とが一致するか否かによって、指紋を認証する(S29)。CPU21は、指紋の認証に成功したか判断する(S31)。CPU21は、指紋の認証に失敗したと判断した場合(S31:NO)、処理をS11に戻す。CPU21は、指紋の認証に成功したと判断した場合(S31:YES)、入国管理DB241のうち、認証に使用した指紋情報に対応付けられている国籍、性別、生年月日を、認証に使用した指紋情報と共に、観光案内サーバ3に送信する(S33)。CPU21は処理をS11に戻す。
【0062】
図6を参照し、通信装置4AのCPU41によって実行される通信装置第1処理について説明する。通信装置第1処理は、身元確認を行なうためのアプリケーションを起動させるための起動操作が、入力部47を介して検出された場合に、記憶部44に記憶されたプログラムをCPU41が実行することによって開始される。
【0063】
CPU41は、指紋センサ49に外国人6が複数の指の何れかを接触させることに応じて指紋センサ49から出力される指紋情報を取得したか判断する(S41)。CPU41は、指紋センサ49から指紋情報が出力されないと判断した場合(S41:NO)、処理をS41に戻す。CPU21は、指紋センサ49からの指紋情報の取得を継続して監視する。
【0064】
CPU41は、指紋センサ49から指紋情報を取得したと判断した場合(S41:YES)、取得した指紋情報、及び、認証要求データを、入国管理サーバ2に送信する(S43)。CPU41は、入国管理サーバ2から送信される成功通知データ又は失敗通知データを受信する(S45)。CPU41は、成功通知データを受信した場合、認証が成功したことを通知する通知画面を、表示部48に表示させる(S47)。CPU41は、失敗通知データを受信した場合、認証が失敗したことを通知する通知画面を、表示部48に表示させる(S47)。CPU41は処理をS41に戻す。
【0065】
図7を参照し、通信装置4BのCPU41によって実行される通信装置第2処理について説明する。通信装置第2処理は、Wi-Fi IDの申請を行なうためのアプリケーションを起動させるための起動操作が、入力部47を介して検出された場合、記憶部44に記憶されたプログラムをCPU41が実行することによって開始される。
【0066】
CPU41は、指紋センサ49に外国人6が複数の指の何れかを接触させることに応じて指紋センサ49から出力される指紋情報を取得したか判断する(S51)。CPU41は、指紋センサ49から指紋情報が出力されないと判断した場合(S51:NO)、処理をS51に戻す。CPU21は、指紋センサ49からの指紋情報の取得を継続して監視する。
【0067】
CPU41は、指紋センサ49から指紋情報を取得したと判断した場合(S51:YES)、取得した指紋情報、及び、申請要求データを、観光案内サーバ3に送信する(S53)。CPU41は、指紋情報及び申請要求データを送信してから所定時間内に、観光案内サーバ3から送信されるID通知データを受信したか判断する(S55)。CPU41は、所定時間内にID通知データを受信しないと判断した場合(S55:NO)、処理をS51に戻す。CPU41は、所定時間内にID通知データを受信したと判断した場合(S55:YES)、ID通知データによって通知されるWi-Fi IDを、表示部48に表示させる(S57)。CPU41は処理をS51に戻す。
【0068】
図8を参照し、通信装置4CのCPU41によって実行される通信装置第3処理について説明する。通信装置第3処理は、観光案内サーバ3から案内情報を取得するためのアプリケーションを起動させるための起動操作が、入力部47を介して検出された場合、記憶部44に記憶されたプログラムをCPU41が実行することによって開始される。
【0069】
CPU41は、S57(図7参照)の処理によって通信装置4Bの表示部48に表示されたWi-Fi IDを設定する入力操作を、入力部47を介して検出したか判断する(S59)。CPU41は、Wi-Fi IDを設定する入力操作を検出しないと判断した場合(S59:NO)、Wi-Fiスポットに接続することができないので、処理をS59に戻す。CPU41は、Wi-Fi IDを設定する入力操作を継続して監視する。CPU41は、Wi-Fi IDを設定する入力操作を検出したと判断した場合(S59:YES)、入力されたWi-Fi IDを使用することによって、Wi-Fiスポットのアクセスポイントとの無線通信を開始する。
【0070】
CPU41は、指紋センサ49に外国人6が複数の指の何れかを接触させることに応じて指紋センサ49から出力される指紋情報を取得したか判断する(S61)。CPU41は、指紋センサ49から指紋情報が出力されないと判断した場合(S61:NO)、処理をS61に戻す。CPU21は、指紋センサ49からの指紋情報の取得を継続して監視する。
【0071】
CPU41は、指紋センサ49から指紋情報を取得したと判断した場合(S61:YES)、取得した指紋情報、及び、案内要求データを、アクセスポイントを介して観光案内サーバ3に送信する(S63)。CPU41は、指紋情報及び案内要求データを送信してから所定時間内に、観光案内サーバ3から送信される第1案内情報及び第2案内情報を受信したか判断する(S65)。CPU41は、所定時間内に第1案内情報及び第2案内情報を受信しないと判断した場合(S65:NO)、処理をS61に戻す。CPU41は、所定時間内に第1案内情報及び第2案内情報を受信したと判断した場合(S65:YES)、第1案内情報及び第2案内情報によって示される画像を表示部48に表示させる(S67)。CPU41は処理をS61に戻す。
【0072】
図9を参照し、観光案内サーバ3のCPU31によって実行される案内サーバ処理について説明する。案内サーバ処理は、観光案内サーバ3の電源がオンされた場合、HDD34に記憶されたプログラムをCPU31が実行することによって開始される。
【0073】
CPU31は、S53(図7参照)の処理によって通信装置4Bから送信された指紋情報及び申請要求データを受信したか判断する(S81)。CPU31は、指紋情報及び申請要求データを受信したと判断した場合(S81:YES)、受信した指紋情報及び申請要求データを、入国管理サーバ2に送信する(S85)。CPU31は、指紋情報及び申請要求データを送信してから所定時間内に、国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報を入国管理サーバ2から受信したか判断する(S89)。CPU31は、所定時間内に、国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報を受信しないと判断した場合(S89:NO)、処理をS81に戻す。
【0074】
CPU31は、指紋情報及び申請要求データを送信してから所定時間内に、国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報を入国管理サーバ2から受信したと判断した場合(S89:YES)、S81の処理によって受信した指紋情報及び申請要求データを送信した通信装置4Bに対して発行するWi-Fi IDを決定する(S91)。CPU31は、S89の処理によって入国管理サーバ2から受信した国籍、性別、生年月日、及び、指紋情報と、S91の処理によって決定したWi-Fi IDとを対応付けて、ID DB341B(図3参照)に記憶する(S93)。CPU31は、S91の処理によって決定したWi-Fi IDを通知するためのID通知データを、S81の処理によって受信した指紋情報及び申請要求データを送信した通信装置4Bに送信する(S95)。CPU31は処理をS81に戻す。
【0075】
一方、CPU31は、指紋情報及び申請要求データを受信していないと判断した場合(S81:NO)、S63(図8参照)の処理によって通信装置4Cから送信された指紋情報及び案内要求データと、アクセスポイントから送信されたWi-Fi IDとを受信したか判断する(S101)。CPU31は、指紋情報、案内要求データ、及びWi-Fi IDを受信していないと判断した場合(S101:NO)、処理をS81に戻す。
【0076】
CPU31は、アクセスポイントを介して指紋情報、案内要求データ、及びWi-Fi IDを受信したと判断した場合(S101:YES)、ID DB341B(図3参照)に記憶された複数の指紋情報のうち受信したWi-Fi IDに対応する指紋情報と、受信した指紋情報とが一致するか判断することによって、指紋を認証する(S105)。CPU31は、指紋の認証に失敗したと判断した場合(S107:NO)、処理をS81に戻す。
【0077】
CPU31は、指紋の認証に成功したと判断した場合(S107:YES)、取得した指紋情報の送信元のアクセスポイントのアドレス情報を特定する。CPU31は、HDD34に記憶されたアドレステーブルに基づいて、特定したアドレス情報に対応するWi-Fiスポットのエリア情報を特定する(S109)。CPU31は、案内情報 DB341Aを参照し、特定したエリア情報によって示されるWi-Fiスポットの通信エリアを含む地域を示す地域情報、取得したパスポート情報(国籍、性別)、及び、生年月日に基づいて算出される年齢に対応する第1案内情報及び第2案内情報を特定する(S111)。CPU31は、特定した第1案内情報及び第2案内情報を、アクセスポイントを介して通信装置4Cに送信する(S113)。CPU31は処理をS81に戻す。
【0078】
以上説明したように、観光案内サーバ3のCPU31は、パスポート情報に含まれる識別情報(国籍、性別)、及び、算出された年齢と、通信装置4Cが接続するWi-Fiスポットの通信エリアを含む地域を示す地域情報との両方に対応する第1案内情報及び第2案内情報を抽出する。CPU31は、抽出した第1案内情報及び第2案内情報を、通信装置4Cに出力する。このため、CPU31は、パスポート情報に含まれる複数の識別情報、及び、通信装置4Cの属する地域に適した第1案内情報及び第2案内情報を、通信装置4Cのユーザである外国人6Bに提供できる。なお、パスポート情報に含まれる国籍、性別、生年月日の夫々は、外国人6の属性を示す。又、パスポート情報は、入国時に入国管理サーバ2のCPU21によって必然的に取得される情報であるので、外国人6は個別にパスポート情報を登録する必要がない。このため外国人6は、通信装置4Cの属する地域、及び、外国人6の属性に応じた適切な第1案内情報及び第2案内情報を、観光案内サーバ3から簡易に取得できる。
【0079】
CPU31は、指紋情報に基づいて指紋認証を行い、外国人6を正確に特定して対応するパスポート情報を特定できる。このため、CPU31は、外国人6にとって有用な第1案内情報及び第2案内情報を正確に抽出し、外国人6に提供できる。又、外国人6は、指を通信装置4Cの指紋センサ49に接触させるだけで、外国人6自身に対応するパスポート情報を観光案内サーバ3に対して容易に指定できる。
【0080】
CPU31は、通信装置4Cがアクセスポイントと通信を行う場合に使用されたWi-Fi IDを、アクセスポイントから取得する。CPU31は、ID DB341Bのうち取得したWi-Fi IDに対応する指紋情報を使用して、通信装置4Cから取得した指紋情報を認証する。この場合、CPU31は、案内情報の取得を所望する外国人6Bの指紋情報を認証するための指紋情報を、ID DB341Bに記憶された複数の指紋情報の中から容易且つ短時間に特定できるので、指紋認証を容易且つ短時間に特定できる。
【0081】
CPU31は、通信装置4Bから申請要求データを受信した場合、入国管理サーバ2からパスポート情報(国籍、性別、生年月日)を取得し、決定したWi-Fi IDに対応付けてID DB341Bに記憶する。ID DB341Bには、国籍、性別、及び生年月日が、外国人6を識別する識別情報として含まれる。従って、CPU31は、Wi-Fi IDを発行することによって通信可能となった通信装置4Cの指紋認証を、ID DB341Bに基づいて実行できるので、通信装置4Cの指紋認証を、入国管理サーバ2を介さずに実行できる。
【0082】
CPU31は、通信装置4Bから申請要求データを受信した場合に入国管理サーバ2から取得したパスポート情報(国籍、性別、生年月日)に基づいて、案内情報の取得を所望する外国人6Bの属性を特定し、案内情報DB341Aに基づいて第1案内情報及び第2案内情報を特定して通信装置4Cに送信する。このように、CPU31がパスポート情報(国籍、性別、生年月日)及び指紋情報を入国管理サーバ2から取得することによって、外国人6Bが観光案内サーバ3にパスポート情報を入力する手間を省略できる。又、CPU31は、Wi-Fi IDを申請した外国人6Bに対して、第1案内情報及び第2案内情報を適切に出力できる。
【0083】
なお、パスポート情報には、外国人6の属性を識別可能な識別情報として、国籍、性別、及び生年月日が少なくとも含まれる。このため、CPU31は、外国人6Bの趣向に沿った案内情報を、外国人6Bに適切に提供できる。
【0084】
又、通信装置4は指紋センサ49を備え、指紋情報によって外国人6を認証する。外国人は、指紋センサ49に指を接触させるだけで、身元確認、Wi-Fi IDの申請、及び、案内情報の取得要求を行うことができる。観光案内サーバ3のCPU31は、通信装置4から指紋情報を取得して指紋認証を容易に実行できる。
【0085】
なお、ID DB341Bを記憶するHDD34は本発明の「第1記憶部」の一例である。案内情報DB341Aを記憶するHDD34は本発明の「第2記憶部」の一例である。S101の処理を行うCPU31は本発明の「取得手段」の一例である。S109の処理を行うCPU31は本発明の「特定手段」の一例である。S107の処理を行うCPU31は本発明の「判定手段」の一例である。S111の処理を行うCPU31は本発明の「抽出手段」の一例である。S113の処理を行うCPU31は本発明の「出力手段」の一例である。Wi-Fi IDは本発明の「通信ID」の一例である。S81の処理を行うCPU31は本発明の「受付手段」の一例である。S89の処理を行うCPU31は本発明の「受信手段」の一例である。S93の処理を行うCPU31は本発明の「第1記憶手段」の一例である。
【0086】
S13、S15の処理を行うCPU21は本発明の「サーバ取得手段」の一例である。S17の処理を行うCPU21は本発明の「サーバ記憶手段」の一例である。入国管理DB241を記憶するHDD24は本発明の「サーバ記憶部」の一例である。S33の処理を行うCPU21は本発明の「サーバ送信手段」の一例である。S61の処理を行うCPU41は本発明の「装置取得手段」の一例である。S63の処理を行うCPU41は本発明の「装置送信手段」の一例である。S65の処理を行うCPU41は本発明の「装置受信手段」の一例である。S67の処理を行うCPU41は本発明の「表示手段」の一例である。S89の処理を行うCPU31は本発明の「受信手段」の一例である。S113の処理を行うCPU31は本発明の「送信手段」の一例である。
【0087】
S101の処理は本発明の「取得ステップ」の一例である。S109の処理は本発明の「特定ステップ」の一例である。S107の処理は本発明の「判定ステップ」の一例である。S111の処理は本発明の「抽出ステップ」の一例である。S113の処理は本発明の「出力ステップ」の一例である。
【0088】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、入国管理サーバ2のCPU21、及び、観光案内サーバ3のCPU31は、外国人6を認証するために指紋情報以外の生体情報を使用してもよい。例えば、CPU21、31は、掌形、網膜、虹彩、顔、血管(静脈)、声紋等の情報によって外国人6を認証してもよい。上記実施形態では、入国管理DB241及びID DB341Bに指紋情報が直接記憶された。これに対し、入国管理DB241及びID DB341Bには、指紋情報を認証することが可能な情報、例えば、指紋のパターンのマニューシャ特徴情報及び周波数特徴情報が、指紋情報の認証に必要な認証情報として記憶されてもよい。
【0089】
上記実施形態において、CPU31は、指紋情報、案内要求データ、及び、Wi-Fi IDを送信したアクセスポイントのアドレス情報に基づいて、通信装置4Cが接続するWi-Fiスポットの通信エリアを特定した。CPU31は、他の方法で、通信装置4Cの属する地域を特定してもよい。例えば、通信装置4Cは、位置の特定が可能なGPSモジュールを備えていてもよい。通信装置4CのCPU41は、GPSモジュールによって特定された位置を示す位置情報を、アクセスポイントを介して観光案内サーバ3に送信してもよい。観光案内サーバ3のCPU31は、受信した位置情報に基づいて、通信装置4Cの位置を特定してもよい。
【0090】
上記実施形態において、CPU31は、通信装置4Bから申請要求データを受信した場合に、入国管理サーバ2から指紋情報及びパスポート情報を取得し、決定したWi-Fi IDに関連付けてID DB341Bに記憶した。CPU31は、通信装置4Bから申請要求データを受信したか否かに関わらず、入国管理サーバ2から指紋情報及びパスポート情報を取得してID DB341Bに記憶してもよい。この場合、Wi-Fi IDはID DB341Bに記憶されなくてもよい。又、この場合にCPU31は、Wi-Fiスポットに自由に接続することが可能なWi-Fi ID(any)を使用して通信を行う通信装置4Cから、指紋情報及び案内要求データを受信した場合、案内情報DB341A及びID DB341Bを参照して第1案内情報及び第2案内情報を特定し、通信装置4Cに送信してもよい。
【0091】
CPU31が通信装置4Cから申請要求データを受信した場合に決定するIDは、Wi-Fi IDでなくてもよい。例えばCPU31は、通信装置4Cを識別可能な識別IDを決定し、指紋情報及びパスポート情報に対応付けてID DB341Bに記憶してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 :出力システム
2 :入国管理サーバ
2A :指紋センサ
3 :観光案内サーバ
4、4A、4B、4C :通信装置
6、6A、6B :外国人
21 :CPU
24 :HDD
31 :CPU
34 :HDD
41 :CPU
48 :表示部
241 :入国管理DB
341 :観光案内DB
341A :案内情報DB
341B :ID DB
図1
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図9