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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-216340(P2015-216340A)
(43)【公開日】2015年12月3日
(54)【発明の名称】タンタルキャパシター
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/14 20060101AFI20151106BHJP
   H01G 9/052 20060101ALI20151106BHJP
   H01G 9/15 20060101ALI20151106BHJP
   H01G 9/00 20060101ALI20151106BHJP
   H01G 9/26 20060101ALI20151106BHJP
   H01G 9/012 20060101ALI20151106BHJP
【FI】
   H01G9/14 B
   H01G9/05 K
   H01G9/05 F
   H01G9/24 H
   H01G9/00 521
   H01G9/05 M
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-159479(P2014-159479)
(22)【出願日】2014年8月5日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0054244
(32)【優先日】2014年5月7日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミン チョル
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン スー
(57)【要約】
【課題】本発明は、タンタルキャパシターに関する。
【解決手段】本発明は、タンタル粉末を含む二つのキャパシター本体をタンタルワイヤーが互いに反対方向に向かうように配置し、それぞれのタンタルワイヤーと接続する二つの陽極リードフレームと、上記陽極リードフレームを挟んで配置され、二つのキャパシター本体が同時に実装される二つの陰極リードフレームと、を含むタンタルキャパシターを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンタル粉末を含み、第1及び第2タンタルワイヤーの露出した方向が互いに対向するように配置された第1及び第2キャパシター本体と、
前記第1及び第2タンタルワイヤーの露出する方向と交差する方向に沿って互いに離隔して配置され、前記第1及び第2キャパシター本体が同時に実装される第1及び第2陰極リードフレームと、
前記第1及び第2陰極リードフレームの間で前記第1及び第2タンタルワイヤーとそれぞれ接続するように配置される第1及び第2陽極リードフレームと、
前記第1及び第2陰極リードフレームと前記第1及び第2陽極リードフレームの端部が露出するように前記第1及び第2キャパシター本体を包むモールディング部と、を含む、タンタルキャパシター。
【請求項2】
前記第1及び第2タンタルワイヤーが、前記第1及び第2キャパシター本体の幅方向の一側面を介してそれぞれ露出する、請求項1に記載のタンタルキャパシター。
【請求項3】
前記第1及び第2キャパシター本体と前記第1及び第2陰極リードフレームとの間に導電性接着層が配置される、請求項1または2に記載のタンタルキャパシター。
【請求項4】
前記モールディング部内で前記第1及び第2陰極リードフレームを連結する連結端子をさらに含む、請求項1から3の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項5】
前記第1及び第2陰極リードフレームと前記第1及び第2陽極リードフレームの端部が、前記モールディング部のいずれかの側面から実装面の一部まで延長するように形成される、請求項1から4の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項6】
前記モールディング部内で前記第1及び第2陽極リードフレームは前記第1及び第2タンタルワイヤーに向かってそれぞれ折り曲げ形成され、前記第1及び第2陽極リードフレームの端部には前記第1及び第2タンタルワイヤーが嵌合するように凹溝が形成される、請求項1から5の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項7】
前記第1及び第2キャパシター本体が同じ容量を具現する、請求項1から6の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項8】
前記第1及び第2キャパシター本体は相違する容量を具現する、請求項1から6の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項9】
タンタル粉末を含み、幅方向の一側面が互いに対向するように配置された第1及び第2キャパシター本体と、
前記第1及び第2キャパシター本体の内部に位置する挿入領域と、前記第1及び第2キャパシター本体の幅方向の他側面を介して露出する非挿入領域と、をそれぞれ有する第1及び第2タンタルワイヤーと、
前記第1及び第2キャパシター本体が同時に実装され、前記第1及び第2キャパシター本体の長さ方向に沿って互いに離隔して配置された第1及び第2陰極リードフレームと、
前記第1及び第2陰極リードフレームの間に配置され、一端部が前記第1及び第2タンタルワイヤーの非挿入領域とそれぞれ接続する第1及び第2陽極リードフレームと、
前記第1及び第2キャパシター本体及び前記第1及び第2タンタルワイヤーの非挿入領域を包むが、前記第1及び第2陰極リードフレームの両端部と前記第1及び第2陽極リードフレームの他端部が前記第1及び第2キャパシター本体の幅方向に沿って露出するように形成されるモールディング部と、を含む、タンタルキャパシター。
【請求項10】
前記第1及び第2キャパシター本体と前記第1及び第2陰極リードフレームとの間に導電性接着層が配置される、請求項9に記載のタンタルキャパシター。
【請求項11】
前記モールディング部内で前記第1及び第2陰極リードフレームを連結する連結端子をさらに含む、請求項9または10に記載のタンタルキャパシター。
【請求項12】
前記第1及び第2陰極リードフレームの両端部と前記第1及び第2陽極リードフレームの他端部が前記モールディング部の長さ方向の両側面から実装面の一部まで延長するように形成される、請求項9から11の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項13】
前記第1及び第2陽極リードフレームは、
一部が前記モールディング部の長さ方向の両側面を介してそれぞれ露出する第1及び第2陽極端子部と、
前記モールディング部内で、前記第1及び第2陽極端子部の端部から前記第1及び第2タンタルワイヤーの非挿入領域に向かってそれぞれ折り曲げ形成される第1及び第2ワイヤー接続部と、
前記第1及び第2ワイヤー接続部の端部に前記第1及び第2タンタルワイヤーの非挿入領域がそれぞれ嵌合するように形成された第1及び第2凹溝と、を含む、請求項9から12の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項14】
前記第1及び第2キャパシター本体が同じ容量を具現する、請求項9から13の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項15】
前記第1及び第2キャパシター本体は相違する容量を具現する、請求項9から13の何れか1項に記載のタンタルキャパシター。
【請求項16】
上側に折り曲げ形成される第1及び第2ワイヤー接続部を有する第1及び第2陽極リードフレームを所定間隔をおいて配置し、前記第1及び第2陽極リードフレームを挟んでその両側に第1及び第2陰極リードフレームを配置する段階と、
タンタル粉末を含む第1及び第2キャパシター本体を第1及び第2タンタルワイヤーの露出する方向が対向するように互いに対向して配置する段階と、
前記第1及び第2タンタルワイヤーを前記第1及び第2ワイヤー接続部にそれぞれ接続した状態で、前記第1及び第2キャパシター本体を前記第1及び第2陰極リードフレーム上に同時に実装する段階と、
前記第1及び第2キャパシター本体を絶縁性素材でモールドするが、前記第1及び第2陰極リードフレームの両端部と前記第1及び第2陽極リードフレームの第1及び第2陽極端子部の一部が前記第1及び第2タンタルワイヤーの露出する方向に沿って引き出されるようにモールディング部を形成する段階と、
前記第1及び第2陰極リードフレームの両端部と前記第1及び第2陽極端子部のうち露出した部分を、前記モールディング部の互いに対向する両側面から実装面の一部まで延長するように折り曲げる段階と、を含む、タンタルキャパシターの製造方法。
【請求項17】
前記第1及び第2キャパシター本体を前記第1及び第2陰極リードフレーム上に実装する前に、前記第1及び第2陰極リードフレーム上に導電性接着剤を塗布して導電性接着層を形成する段階を行う、請求項16に記載のタンタルキャパシターの製造方法。
【請求項18】
前記第1及び第2ワイヤー接続部に第1及び第2凹溝をそれぞれ形成し、前記第1及び第2タンタルワイヤーを前記第1及び第2凹溝にそれぞれ嵌合した後、導電性接着剤で固定する、請求項16または17に記載のタンタルキャパシターの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンタルキャパシターに関する。
【背景技術】
【0002】
タンタル(tantalum;Ta)素材は、融点が高く、優れた軟性及び耐腐食性などの機械的又は物理的特徴により、電気、電子、機械及び化学工業をはじめ宇宙及び軍事分野など、産業全般にわたり広範に使用される金属である。
【0003】
かかるタンタル素材は、安定した陽極酸化皮膜を形成できる特性により、小型キャパシターの素材として広く用いられており、近年、電子及び情報通信のようなIT産業の急激な発達に伴い、その使容量が毎年急激に増加している。
【0004】
近年、マイクロプロセッサーは、高機能及び多機能化に伴い、トランジスターの集積度が高くなり、消費電流が増加する傾向にあり、電源電圧は、消費電力の節減によって低電圧化している。また、駆動周波数は、処理速度の向上によって高周波数化が進んでいる。
【0005】
上記の理由から、マイクロプロセッサーの電源にはdi/dtの大きい過渡電流が流れ、過渡電流とデカップリングキャパシターのESL(Equivalent Serial Inductance;等価直列インダクタンス)によって電源電圧の変動をもたらした。
【0006】
また、電源電圧の低電圧化に伴い信号波の振幅も小さくなるため、上記マイクロプロセッサーは、上記電源電圧の変動が信号波のしきい値電圧を超える場合、誤動作を起こしうる。
【0007】
通常、上記電源電圧の変動は、キャパシターのESLを低減することで低下させることができるため、上記タンタル素材を用いた小型キャパシターにおいても上記ESLを低減することに関する研究が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2008−0063680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ESLが改善されたタンタルキャパシターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、極性が異なる電極端子がキャパシターの同一側面に引き出される構造を有しており、二つのキャパシター本体をタンタルワイヤーの露出した方向が互いに対向するように配置し、上記タンタルワイヤーの露出方向と交差する方向に上記二つのキャパシター本体が同時に実装されるように二つの陰極リードフレームを配置し、上記二つの陰極リードフレームの間にそれぞれのタンタルワイヤーと接続する二つの陽極リードフレームを配置したタンタルキャパシターを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によると、陽極端子から陰極端子に連結される電流ループ(current loop)の長さを最小化することで、タンタルキャパシターの電気抵抗特性であるESLを低減できる効果がある。
【0012】
本発明の多様且つ有益な利点と効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態に関する説明によってより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターを概略的に示す斜視図である。
図2図1の透明斜視図である。
図3】本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの第1及び第2キャパシター本体と、第1及び第2タンタルワイヤーと、第1及び第2陽極リードフレームと、第1及び第2陰極リードフレームを示す分解斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態によるタンタルキャパシターの第1及び第2キャパシター本体と、第1及び第2タンタルワイヤーと、第1及び第2陽極リードフレームと、第1及び第2陰極リードフレームを示す分解斜視図である。
図5A】本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの製造方法を示す斜視図である。
図5B】本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの製造方法を示す斜視図である。
図5C】本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの製造方法を示す斜視図である。
図5D】本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0015】
本発明の一態様によるタンタルキャパシターは、タンタル粉末を含み、第1及び第2タンタルワイヤーの露出した方向が互いに対向するように配置された第1及び第2キャパシター本体と、上記第1及び第2タンタルワイヤーの露出する方向と交差する方向に沿って互いに離隔して配置され、上記第1及び第2キャパシター本体が同時に実装される第1及び第2陰極リードフレームと、上記第1及び第2陰極リードフレームの間で上記第1及び第2タンタルワイヤーとそれぞれ接続するように配置される第1及び第2陽極リードフレームと、上記第1及び第2陰極リードフレームと上記第1及び第2陽極リードフレームの端部が露出するように上記第1及び第2キャパシター本体を包むモールディング部と、を含む。
【0016】
図1は本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターを概略的に示す斜視図であり、図2図1の透明斜視図であり、図3は本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの第1及び第2キャパシター本体と、第1及び第2タンタルワイヤーと、第1及び第2陽極リードフレームと、第1及び第2陰極リードフレームを示す分解斜視図である。
【0017】
図1から図3を参照すると、本実施形態によるタンタルキャパシター100は、第1及び第2キャパシター本体10、20と、第1及び第2タンタルワイヤー11、21と、第1及び第2陰極リードフレーム41、42と、第1及び第2陽極リードフレーム31、32と、モールディング部60と、を含む。
【0018】
以下、本実施形態では、説明の便宜上、モールディング部60の実装面を下面1、下面1と厚さ方向に互いに対向する面を上面2、モールディング部60の長さ方向の両側面を第1及び第2側面3、4、第1及び第2側面3、4と垂直に交差して互いに対向するモールディング部60の幅方向の両側面を第3及び第4側面5、6と定義する。
【0019】
第1及び第2キャパシター本体10、20は、タンタル材質を用いて形成され、陰極として作用する。
【0020】
本実施形態の第1及び第2キャパシター本体10、20において、第1及び第2タンタルワイヤー11、21が第1及び第2キャパシター本体10、20の幅方向の一側面を介してそれぞれ露出することができる。
【0021】
この際、第1及び第2キャパシター本体10、20は、第1及び第2タンタルワイヤー11、21の露出する方向が対向するように幅方向の他側面が互いに対向して配置される。
【0022】
また、第1及び第2キャパシター本体10、20は、多孔質の弁作用金属体からなり、上記多孔質の弁作用金属体の表面に、誘電体層、固体電解質層及び陰電極層を順次形成して作製することができる。
【0023】
一例として、第1及び第2キャパシター本体10、20は、タンタル粉末とバインダーを所定の割合で混合して攪拌し、このように混合した粉末を圧縮して直方体に成形した後、これを高温及び高振動下で焼結して作製してもよい。
【0024】
より具体的には、タンタルキャパシター(Tantalum Capacitor)は、タンタル粉末(Tantalum Powder)を焼結して硬化したときに生じる隙間を利用する構造であって、第1及び第2キャパシター本体10、20は、タンタルの表面に陽極酸化法で酸化タンタル(Ta)を形成し、この酸化タンタルを誘電体としてその上に電解質である二酸化マンガン層(MnO)又は伝導性高分子層を形成し、上記二酸化マンガン層又は伝導性高分子層上にカーボン層及び金属層を形成して作製することができる。
【0025】
また、第1及び第2キャパシター本体10、20は、必要に応じて、表面にカーボン及び銀(Ag)が塗布されてもよい。
【0026】
上記カーボンは、第1及び第2キャパシター本体10、20の表面の接触抵抗を減少させるためのものであり、上記銀(Ag)は、第1及び第2キャパシター本体10、20を第1及び第2陰極リードフレーム41、42上に実装する際に電気連結性を向上させるためのものである。
【0027】
第1及び第2タンタルワイヤー11、21は、陽極として作用する。
【0028】
第1及び第2タンタルワイヤー11、21は、第1及び第2キャパシター本体10、20の内部にそれぞれ位置する第1及び第2挿入領域11b、21bと、第1及び第2キャパシター本体10、20の幅方向の一側面を介してそれぞれ露出する第1及び第2非挿入領域11a、21aと、を含む。
【0029】
また、第1及び第2タンタルワイヤー11、21は、上記タンタル粉末とバインダーが混合された粉末を圧縮する前に、上記タンタル粉末とバインダーの混合物に挿入して装着することができる。
【0030】
すなわち、第1及び第2キャパシター本体10、20は、バインダーを混合したタンタル粉末にタンタルワイヤー11、21を挿入装着して所望の大きさのタンタル素子を成形した後、上記タンタル素子を約1,000〜2,000の高真空(10−5torr以下)雰囲気下で約30分程度焼結して作製することができる。
【0031】
第1及び第2陰極リードフレーム41、42は、第1及び第2キャパシター本体10、20の長さ方向に沿って互いに離隔して配置され、接地端子として機能することができる。
【0032】
また、第1及び第2陰極リードフレーム41、42は、第1及び第2キャパシター本体10、20が同時に実装される中央の第1及び第2実装部41c、42cと、モールディング部60の第1及び第2側面3、4を介して引き出される第1陰極端子部41a、41b及び第2陰極端子部42a、42bと、を含む。
【0033】
この際、第1及び第2陰極端子部41a、41b、42a、42bは、モールディング部60の第1及び第2側面3、4から下面1の一部まで延長するように形成されることができる。
【0034】
また、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の実装部41c、42cと第1及び第2キャパシター本体10、20との間には導電性接着層50が配置されることができる。
【0035】
導電性接着層50は、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂及び金属粉末を含む導電性接着剤を所定量ディスペンシング又はドッティングして形成されることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
また、上記金属粉末は、銀(Ag)、金(Au)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)の少なくとも一つ以上を含んでもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
一方、図4を参照すると、モールディング部60内で第1及び第2陰極リードフレーム41、42の第1及び第2実装部41c、42cを連結する連結端子43が配置されることができる。
【0038】
連結端子43は、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の第1及び第2実装部41c、42cを電気的に接合することにより、陰極リードフレーム全体の電気抵抗及びインダクタンスを低減し、安定したノイズ除去の効果が得られるようにする。
【0039】
第1及び第2陽極リードフレーム31、32は、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の間で長さ方向に互いに離隔して配置される。
【0040】
また、第1及び第2陽極リードフレーム31、32は、一部がモールディング部60の第1及び第2側面3、4を介してそれぞれ露出する第1及び第2陽極端子部31a、32aと、モールディング部60内で第1及び第2陽極端子部31a、32aの端部から第1及び第2タンタルワイヤー11、21の第1及び第2非挿入領域11a、21aに向かって折り曲げ形成されて第1及び第2非挿入領域と接続する第1及び第2ワイヤー接続部31b、32bと、をそれぞれ含む。
【0041】
この際、第1及び第2陽極端子部31a、32aは、モールディング部60の第1及び第2側面3、4から下面1の一部まで延長するように形成されることができる。
【0042】
また、第1及び第2ワイヤー接続部31b、32bの端部には第1及び第2タンタルワイヤー11、21の第1及び第2非挿入領域11a、21aがそれぞれ嵌合するように第1及び第2凹溝31c、32cがそれぞれ形成されることができる。
【0043】
この際、第1及び第2凹溝には第1及び第2タンタルワイヤー11、21の第1及び第2非挿入領域11a、21aが接合するように導電性接着層がさらに形成されてもよい。
【0044】
上記導電性接着層は、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂及び金属粉末を含む導電性接着剤を所定量ディスペンシング又はドッティングして形成されることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
モールディング部60は、第1及び第2キャパシター本体10、20と第1及び第2タンタルワイヤー11、21の第1及び第2非挿入領域11a、21aを包むように、EMC(エポキシモールディングコンパウンド;epoxy molding compound)などの絶縁性樹脂をトランスファーモールディング(transfer molding)して形成されることができる。
【0046】
この際、モールディング部60は、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の第1及び第2陰極端子部41a、41b、42a、42bと第1及び第2陽極リードフレーム31、32の第1及び第2陽極端子部31a、32aの一部が第1及び第2側面3、4を介して露出するように形成される。
【0047】
かかるモールディング部60は、外部から第1及び第2タンタルワイヤー11、21及び第1及び第2キャパシター本体10、20を保護する機能を果たすだけでなく、第1及び第2キャパシター本体10、20と第1及び第2陽極リードフレーム31、32を互いに絶縁させる役割をする。
【0048】
本実施形態では、陽極端子と陰極端子がタンタルキャパシターの同じ側面を介して引き出されており、二つの陰極端子の間に陽極端子が近接して配置されることで、陽極端子と陰極端子との間に形成される電流ループ(CL、current loop)の長さが最小化し、タンタルキャパシターの高周波特性を支配するESLを低減できる効果がある。
【0049】
さらに、陰極端子の間に陽極端子が近接して配置されることで、陰極端子と陽極端子との間に相互インダクタンス(mutual inductance)が作用して、高周波電流の相殺効果によりESLをさらに低減することができる。
【0050】
また、必要に応じて、陽極端子を接地(GND)配線に接続し、陽極端子をそれぞれ独立した回路に接続することで、第1及び第2キャパシター本体10、20は、それぞれの独立したノイズフィルターとして機能することができる。この際、タンタルキャパシターは、必要に応じて、キャパシターアレイの形態に構成して基板などに実装してもよい。
【0051】
以下、本発明の一実施形態によるタンタルキャパシターの製造方法について説明する。
【0052】
図5A及び図5Bを参照すると、先ず、上側に折り曲げ形成される第1及び第2ワイヤー接続部31b、32bを有する第1及び第2陽極リードフレーム31、32を所定間隔をおいて配置し、第1及び第2陽極リードフレーム31、32を挟んでその両側に第1及び第2陰極リードフレーム41、42を配置する。
【0053】
次に、タンタル粉末を含み、幅方向の一側面を介して第1及び第2タンタルワイヤー11、21が露出する第1及び第2キャパシター本体10、20を準備する。
【0054】
次に、第1及び第2キャパシター本体10、20を第1及び第2タンタルワイヤー11、21の露出する方向が対向するように互いに対向して配置する。
【0055】
次に、第1及び第2タンタルワイヤー11、21を第1及び第2陽極リードフレーム31、32の第1及び第2ワイヤー接続部31a、32aにそれぞれ接続する。
【0056】
この際、第1及び第2ワイヤー接続部31a、32aに第1及び第2凹溝31c、32cをそれぞれ形成し、第1及び第2タンタルワイヤー11、21を第1及び第2凹溝31c、32cにそれぞれ嵌合した後、導電性接着剤で固定することができる。
【0057】
次に、第1及び第2キャパシター本体10、20を第1及び第2陰極リードフレーム41、42の第1及び第2実装部41c、42c上に同時に実装する。
【0058】
この際、第1及び第2キャパシター本体10、20を第1及び第2陰極リードフレーム41、42上に実装する前に、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の第1及び第2実装部41c、42c上に導電性接着剤を塗布して、導電性接着層50を先に形成してもよい。
【0059】
上記導電性接着剤は、エポキシ系の熱硬化性樹脂及び導電性金属粉末を含んで構成されてもよく、かかる導電性接着剤を所定量ディスペンシング又はドッティングして導電性接着層50を形成する。
【0060】
この際、上記導電性金属粉末として、銀(Ag)、金(Au)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)の少なくとも一つ以上を含んでもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0061】
図5C及び図5Dを参照すると、次に、第1及び第2キャパシター本体10、20を包むように、EMC(エポキシモールディングコンパウンド;epoxy molding compound)などの樹脂をトランスファーモールディング(transfer molding)してモールディング部60を形成する。
【0062】
この際、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の両端部と、第1及び第2陽極リードフレーム31、32において第1及び第2ワイヤー接続部31b、32bの端部から折り曲げ形成される部分の一部は、モールディング部60の第1及び第2側面3、4を介して露出するようにモールディング作業を行う。
【0063】
この際、モールドの温度は170℃程度とし、EMCモールディングのための上記温度及びその他の条件は、使用されるEMCの成分と形状に応じて適宜調節してもよい。
【0064】
また、モールディングの後には、必要に応じて、密閉されたオーブンやリフロー硬化条件下で約160℃の温度で30〜60分間硬化を行ってもよい。
【0065】
次に、モールディング部60の形成作業が完了すると、モールディング過程で生じたフラッシュ(flash)を除去するためのデフラッシュ工程をさらに行ってもよい。
【0066】
また、後工程として、必要に応じて、エイジング工程をさらに行ってもよい。
【0067】
上記エイジング工程は、組立工程中に発生した電気的散布を低減する作用をする。
【0068】
次に、第1及び第2陰極リードフレーム41、42の両端部をモールディング部60の第1及び第2側面3、4から下面1の一部まで延長するように折り曲げて第1及び第2陰極端子部41a、41b、42a、42bを形成し、第1及び第2陽極リードフレーム31、32のうちモールディング部60の第1及び第2側面3、4に露出した部分を、モールディング部60の第1及び第2側面3、4から下面1の一部まで延長するように折り曲げて第1及び第2陽極端子部31a、32aを形成する。
【0069】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0070】
10、20 第1及び第2キャパシター本体
11、21 第1及び第2タンタルワイヤー
31、32 第1及び第2陽極リードフレーム
41、42 第1及び第2陰極リードフレーム
50 導電性接着層
60 モールディング部
100 タンタルキャパシター
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D