特開2015-217495(P2015-217495A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2015217495-着脱装置 図000003
  • 特開2015217495-着脱装置 図000004
  • 特開2015217495-着脱装置 図000005
  • 特開2015217495-着脱装置 図000006
  • 特開2015217495-着脱装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-217495(P2015-217495A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】着脱装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/06 20060101AFI20151110BHJP
【FI】
   B23P19/06 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-104403(P2014-104403)
(22)【出願日】2014年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】吉川 晶洋
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊之
(72)【発明者】
【氏名】難波 伸広
(72)【発明者】
【氏名】八田 禎之
(57)【要約】
【課題】アクチュエータ等の複雑な構成要素を必要とすることなく、簡素な構成で容易且つ効率的に交換ツールを交換することが可能な着脱装置を提供する。
【解決手段】着脱装置10は、挿入穴26に挿入された交換ツール18を拘束する拘束位置と解放する解放位置との間を移動する移動部材22と、移動部材22を拘束位置に向かって弾発付勢する第1コイルスプリング24とを有するナットホルダ12に対して、交換ツール18を着脱する。具体的には、着脱装置10は、交換ツール18を保持する保持機構48と、収縮して移動部材22を解放位置に弾発付勢する第2付勢手段42と、第2付勢手段42の復元を遅延させるダンパ50と、収縮して交換ツール18を挿入穴26内に向かって弾発付勢する第3付勢手段52とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装着部材の挿入穴に挿入された交換ツールを拘束する拘束位置と解放する解放位置との間を前記挿入穴の外壁に沿って移動する移動部材と、前記移動部材を拘束位置に向かって弾発付勢する第1付勢手段とが設けられた前記被装着部材に対して前記交換ツールを着脱する着脱装置であって、
前記交換ツールを保持する保持機構と、
前記保持機構に接近する接近方向に変位した前記被装着部材の前記移動部材が当接することで収縮するとともに、前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記移動部材を前記解放位置に弾発付勢する第2付勢手段と、
収縮した前記第2付勢手段の復元を遅延させる遅延手段と、
前記保持機構に保持される前記交換ツールが着座し、前記接近方向に変位した前記被装着部材が前記交換ツールを押圧することで収縮するとともに、前記交換ツールを前記挿入穴内に向かって弾発付勢する第3付勢手段と、
を備えることを特徴とする着脱装置。
【請求項2】
請求項1記載の着脱装置において、
前記被装着部材から前記交換ツールを取り外すとき、前記第2付勢手段が前記移動部材を前記解放位置に移動させるまで、前記被装着部材を前記保持機構に接近させた後、前記第3付勢手段が収縮する前に前記被装着部材を前記保持機構から離間させ、
前記被装着部材に前記交換ツールを装着するとき、前記第2付勢手段及び前記第3付勢手段が収縮状態となるまで前記被装着部材を前記保持機構に接近させた後、前記被装着部材を前記保持機構から離間させることを特徴とする着脱装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の着脱装置において、
前記被装着部材は、前記挿入穴の径方向に移動可能にボールが係合された係合孔が、前記挿入穴の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成され、
前記交換ツールの外周を周回する係合溝と前記係合孔とが前記挿入穴内で連通するとき、前記ボールは、前記係合孔から前記径方向の内側に突出して前記係合溝内に移動可能となり、
前記被装着部材の外周を囲む環状の前記移動部材が前記拘束位置にあるとき、前記移動部材の内壁が前記ボールに接触することで、前記ボールを前記係合孔から前記径方向の内側に突出させた状態で位置決め固定することを特徴とする着脱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被装着部材に対して交換ツールを着脱する着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、1個のナットランナを用いて複数のサイズのナットを締結する場合、締結するナットのサイズに応じて、ナットランナに装着するソケットを交換する必要がある。そこで、例えば、特許文献1に示すように、ナットランナの回転軸の先端に設けられたソケットホルダ(被装着部材)に対して、ソケット(交換ツール)を着脱して交換する着脱装置が提案されている。
【0003】
この着脱装置は、ソケット置き台と、ホルダ受け部と、ソケット脱着機構とを備えている。ソケット置き台は、ナットランナによってソケットをねじ込んで保持しておくための受けボルトを有している。ホルダ受け部は、ソケット置き台上でソケットホルダを受ける。ソケット脱着機構は、流体圧シリンダを有し、該流体圧シリンダの伸長又は収縮動作によってホルダ受け部を上昇又は下降させる。
【0004】
ソケットホルダは、ナットランナの回転軸がボールネジ機構に駆動されて上昇又は下降することに伴い、ソケット置き台上のホルダ受け部に対して接近又は離間する。従って、ソケットホルダをホルダ受け部に接近させた状態で、ソケット脱着機構によって、ホルダ受け部を上昇又は下降させることで、ソケットホルダにホルダ受け部を押圧又は押圧解除することができる。ソケットホルダにホルダ受け部が押圧されるとき、ソケットホルダが解放状態となりソケットの拘束が解放される一方、押圧解除されるとき、ソケットホルダが拘束状態となりソケットが拘束される。
【0005】
この着脱装置によって、ソケットを交換するべく、ソケットホルダに装着されたソケットを取り外す場合、先ず、ソケットを保持するための空のソケット置き台にソケットホルダを接近させて、受けボルトにソケットをねじ込む。次に、ソケット脱着機構の流体圧シリンダによって、ホルダ受け部を上昇させてソケットホルダに押圧する。このようにソケットホルダを解放状態にして、ナットランナをホルダ受け部から離間させることで、ソケットホルダからソケットが取り外される。
【0006】
次に、ソケットホルダに新たにソケットを装着する場合、該ソケットを保持するソケット置き台を、ソケットホルダの下方に配置する。そして、このソケット置き台上のホルダ受け部にソケットホルダを接近させる。この際、上記の通り、ホルダ受け部が流体圧シリンダによって上昇したままであるため、ホルダ受け部にソケットホルダが押圧されることになる。これによって、解放状態のソケットホルダ内に、受けボルトにねじ込まれたソケットが挿入される。
【0007】
次に、流体圧シリンダによって、ホルダ受け部を下降させ、ソケットホルダを拘束状態にすることで、ソケットホルダに新たなソケットが拘束される。このため、受けボルトとの螺合を解く方向にソケットを回転させつつ、ソケットホルダをホルダ受け部から離間させることで、ソケットホルダに新たなソケットが装着される。以上により着脱装置による一連のソケット交換動作が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の通り、ソケットホルダにソケットを装着するためには、先ず、ソケットホルダを解放状態として、ソケットを挿入した後、該ソケットホルダを拘束状態に変化させてソケットを拘束する必要がある。従って、上記の着脱装置では、ソケットの装着時に、流体圧シリンダを用いて、ホルダ受け部を上昇させた状態から下降させた状態へと移動させている。
【0010】
しかしながら、このように流体圧シリンダ等のアクチュエータを備える着脱装置では、構成が複雑化し易く、コストが高騰する懸念がある。また、アクチュエータを駆動するためには、その制御部との間で信号を送受信することによって、該アクチュエータ等の作動状態を確認しつつ制御を行う必要がある。従って、上記の信号の送受信に時間を要する分、着脱装置によって効率的にソケット交換を行うことが困難になる懸念がある。
【0011】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、アクチュエータ等の複雑な構成要素を必要とすることなく、簡素な構成で容易且つ効率的に交換ツールを交換することが可能な着脱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明は、被装着部材の挿入穴に挿入された交換ツールを拘束する拘束位置と解放する解放位置との間を前記挿入穴の外壁に沿って移動する移動部材と、前記移動部材を拘束位置に向かって弾発付勢する第1付勢手段とが設けられた前記被装着部材に対して前記交換ツールを着脱する着脱装置であって、前記交換ツールを保持する保持機構と、前記保持機構に接近する接近方向に変位した前記被装着部材の前記移動部材が当接することで収縮するとともに、前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記移動部材を前記解放位置に弾発付勢する第2付勢手段と、収縮した前記第2付勢手段の復元を遅延させる遅延手段と、前記保持機構に保持される前記交換ツールが着座し、前記接近方向に変位した前記被装着部材が前記交換ツールを押圧することで収縮するとともに、前記交換ツールを前記挿入穴内に向かって弾発付勢する第3付勢手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る着脱装置では、被装着部材が保持機構に接近する際、移動部材に第2付勢手段が当接する。これによって、第1付勢手段の付勢力に抗して移動部材が解放位置に移動したとき、被装着部材に対する交換ツールの拘束を解放することができる。このように、交換ツールの拘束が解放されるまで保持機構に接近した被装着部材が保持機構から離間すると、拘束が解放された交換ツールが第3付勢手段に着座して保持機構内に保持される。従って、被装着部材から交換ツールを取り外すことができる。
【0014】
一方、上記のように、移動部材が第2付勢手段に当接して解放位置に移動した後、さらに第2付勢手段を収縮させつつ、被装着部材が保持機構に接近すると、交換ツールに当接して、第3付勢手段を収縮させることになる。このように、第2付勢手段及び第3付勢手段が収縮するまで保持機構に接近した被装着部材が、保持機構から離間することで、第2付勢手段及び第3付勢手段が復元する。この際、上記の通り、遅延手段によって第2付勢手段の復元を遅延させることができるため、第3付勢手段が挿入穴内に向かって交換ツールを付勢している間に、第1付勢手段に付勢された移動部材が拘束位置に移動する。従って、保持機構に保持されていた交換ツールを被装着部材に装着することができる。
【0015】
すなわち、この着脱装置では、被装着部材に交換ツールを装着する際、先ず、第2付勢手段の付勢力によって、移動部材を解放位置に移動させ、この状態で挿入穴内に交換ツールを挿入する。その後、遅延手段によって第2付勢手段の復元を遅延させることで、移動部材に第1付勢手段の付勢力を作用させて、拘束位置へと移動させる。すなわち、被装着部材に交換ツールを装着するべく、移動部材を解放位置から拘束位置へと移動させる際に、流体圧シリンダ等のアクチュエータを必要としない。
【0016】
このため、例えば、アクチュエータやその制御部等を備える場合に比して、着脱装置を簡素且つ低コストに構成することや、この着脱装置によって容易且つ効率的に交換ツールを交換することが可能になる。
【0017】
上記の着脱装置において、前記被装着部材から前記交換ツールを取り外すとき、前記第2付勢手段が前記移動部材を前記解放位置に移動させるまで、前記被装着部材を前記保持機構に接近させた後、前記第3付勢手段が収縮する前に前記被装着部材を前記保持機構から離間させ、前記被装着部材に前記交換ツールを装着するとき、前記第2付勢手段及び前記第3付勢手段が収縮状態となるまで前記被装着部材を前記保持機構に接近させた後、前記被装着部材を前記保持機構から離間させることが好ましい。
【0018】
この場合、上記の通り、被装着部材に装着された交換ツールを取り外して保持機構に保持すること、及び保持機構に保持された交換ツールを被装着部材に装着することが容易であり、交換ツールを効率的に交換することができる。
【0019】
上記の着脱装置において、前記被装着部材は、前記挿入穴の径方向に移動可能にボールが係合された係合孔が、前記挿入穴の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成され、前記交換ツールの外周を周回する係合溝と前記係合孔とが前記挿入穴内で連通するとき、前記ボールは、前記係合孔から前記径方向の内側に突出して前記係合溝内に移動可能となり、前記被装着部材の外周を囲む環状の前記移動部材が前記拘束位置にあるとき、前記移動部材の内壁が前記ボールに接触することで、前記ボールを前記係合孔から前記径方向の内側に突出させた状態で位置決め固定することが好ましい。
【0020】
この場合、移動部材を拘束位置及び解放位置へと移動させることで、装着部材に対して交換ツールを容易且つ高精度に拘束及び拘束解放することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、第2付勢手段を収縮させて解放位置に移動させた状態で挿入穴内に交換ツールを挿入した後、第2付勢手段の復元を遅延させて、移動部材を拘束位置へと移動させることができる。すなわち、被装着部材に交換ツールを装着するべく、移動部材を解放位置から拘束位置へと移動させる際に複雑なアクチュエータを必要としない。このため、着脱装置を簡素で低コストに構成することや、容易且つ効率的に交換ツールを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る着脱装置の要部概略構成図である。
図2図1の着脱装置により、ナットホルダから交換ツールを取り外す工程を説明する概略説明図である。
図3図1の着脱装置により、ナットホルダから交換ツールを取り外す工程を説明する他の概略説明図である。
図4図1の着脱装置により、ナットホルダに交換ツールを装着する工程を説明する概略説明図である。
図5図1の着脱装置により、ナットホルダに交換ツールを装着する工程を説明する他の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る着脱装置につき好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本発明に係る着脱装置は、被装着部材に交換ツールを着脱するものであり、例えば、ナットランナによって締結するナットのサイズに応じて、回転軸に装着するソケットを交換する場合に好適に適用できる。そこで、本実施形態では、被装着部材が、ナットランナの回転軸の先端に設けられたナットホルダであり、交換ツールが、連結軸に連結されたソケットから構成される場合を例に挙げて説明する。しかしながら、特にこれらには限定されず、本発明に係る着脱装置は、上記の例示以外の被装着部材及び交換ツールに対しても同様に適用することが可能である。
【0025】
先ず、図1図5を参照しつつ、本実施形態に係る着脱装置10について説明する。なお、図1図5の例示では、矢印A方向を鉛直方向とし、該鉛直方向の下側を先端側、鉛直方向の上側を後端側とする。
【0026】
着脱装置10は、ナットランナの回転軸(不図示)の先端に設けられたナットホルダ12(被装着部材)に対して、連結軸14の先端にソケット16が連結されて構成される交換ツール18を着脱する。そこで、先ず、ナットホルダ12の構成について説明する。
【0027】
ナットホルダ12は、本体部材20と、移動部材22と、第1コイルスプリング24(第1付勢手段)とを有している。本体部材20には、交換ツール18の連結軸14の後端側が挿入される挿入穴26が形成されている。挿入穴26の周壁には、挿入穴26の径方向に移動可能にボール28が係合された係合孔30が、挿入穴26の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成されている。
【0028】
ここで、連結軸14には、その後端側が挿入穴26の底面に当接するまで挿入された際に、係合孔30と連通する係合溝32と、本体部材20の先端面が当接する第1段部34とが、該連結軸14を周回するようにそれぞれ形成されている。上記の通り、係合溝32と係合孔30とが連通するとき、ボール28は、係合孔30から挿入穴26の径方向内側に向かって突出するように移動可能となり、この突出した部分が係合溝32内に挿入される。
【0029】
また、本体部材20の外壁には、挿入穴26の底面近傍を周回するように、第2段部36が形成され、該第2段部36の鉛直方向下側の端面に第1コイルスプリング24の一端部が着座している。第1コイルスプリング24の他端側は、円環状の移動部材22の内壁から本体部材20の外壁に向かって突出形成された第3段部38の鉛直方向上側の端面に着座している。つまり、第1コイルスプリング24は、本体部材20の外壁と、移動部材22の内壁との間に介在し、該移動部材22を後述する拘束位置に向かって弾発付勢している。なお、第3段部38の鉛直方向下側の端面は、移動部材22が拘束位置にあるときに、本体部材20に設けられたストッパ40に当接する。
【0030】
移動部材22の外壁には、後述する第2付勢手段42の当接部材44に当接可能なフランジ46が設けられている。また、移動部材22は、本体部材20が摺動自在に挿入され、挿入穴26の外壁に沿って移動可能になっている。具体的には、挿入穴26に挿入された連結軸14(交換ツール18)を拘束する拘束位置と、解放する解放位置との間を移動する。
【0031】
図1に示すように、拘束位置は、移動部材22の第3段部38の内壁が、ボール28に接触することで、係合孔30から挿入穴26の径方向内側にボール28が突出する状態で、該ボール28を位置決め固定する位置である。すなわち、上記の通り、係合孔30と係合溝32とが連通するときに、移動部材22が拘束位置に移動することで、ボール28が係合溝32内に部分的に挿入された状態で固定される。その結果、挿入穴26に対して連結軸14を拘束することができる。これによって、ナットホルダ12に連結軸14を連結して、ナットホルダ12に交換ツール18を装着することができる。
【0032】
移動部材22は、上記の拘束位置から、第1コイルスプリング24の付勢力に抗して、鉛直方向上側に移動することで解放位置に達する。図2に示すように、解放位置では、係合孔30から挿入穴26の径方向外側に突出するようにボール28が移動可能になる。すなわち、移動部材22を解放位置へ移動させることで、上記した挿入穴26に対する連結軸14の拘束を解放すること、又は挿入穴26内に連結軸14の基端側を挿入することが可能になる。
【0033】
以上のように構成されるナットホルダ12を備えるナットランナは、例えば、ロボットのアーム等に取り付けられ、該ロボットによって駆動されることで、鉛直方向に沿って、着脱装置10に対して接近する接近方向又は離間する離間方向に変位する。なお、ロボットに取り付けられたナットランナの構成は、例えば、特開2011−161618号公報にも記載されるように公知であるため、この構成についての詳細な説明は省略する。
【0034】
着脱装置10は、保持機構48と、第2付勢手段42と、ダンパ50(遅延手段)と、第3付勢手段52とを主に備えている。保持機構48は略円筒状であり、内部に挿入された交換ツール18を保持する。この保持機構48は、ナットランナによって締結するナットのサイズに応じて、複数の交換ツール18をそれぞれ保持すべく複数備えられる。なお、図1図5の例示では、複数の保持機構48のうちの1つのみを図示し、その他の図示を省略している。
【0035】
複数の保持機構48は、回転板49上にそれぞれ立設されている。この回転板49は、回転機構(不図示)によって回転角を調整されつつ回転可能になっている。すなわち、回転機構が所定の回転角で回転板49を回転駆動することによって、ナットホルダ12に装着すべき所望の交換ツール18を保持する保持機構48を選択的に当接部材44の下方に配置することができる。
【0036】
第2付勢手段42は、当接部材44と、第2コイルスプリング54とを備えている。当接部材44は、移動部材22の外径よりも大きく且つフランジ46の外径よりも小さい径の略半円形状の切欠56が形成された板形状である。上記の通り、ナットランナが接近方向に変位することで、当接部材44に移動部材22のフランジ46が当接する。従って、当接部材44を介して、移動部材22に第1コイルスプリング24の付勢力に抗する押圧力が加えられると、移動部材22は、拘束位置から解放位置に向かって移動する。
【0037】
また、当接部材44は、連結部材58を介して、連動部材60に連結されている。すなわち、連結部材58は、当接部材44と連動部材60との間を鉛直方向に沿って延在し、互いを連結している。上記の通り、移動部材22が解放位置に移動した後、さらに、ナットランナが接近方向に変位すると、当接部材44がフランジ46に押圧されて鉛直方向下側に移動する。この当接部材44の移動に伴って、連動部材60も鉛直方向下側に移動することになる。
【0038】
連動部材60には、ダンパ50のシリンダ62が固定されている。また、シリンダ62と並列に配置された第2コイルスプリング54の一端側が、連動部材60の鉛直方向下側の端面に着座している。第2コイルスプリング54の他端側は、支柱64の下方に取り付けられた第1支持部材66に着座している。この第2コイルスプリング54の内部には、案内軸65が挿通されている。案内軸65は、鉛直方向下側の端部が第1支持部材66に固定され、鉛直方向上側の端部が、支柱64の上端に取り付けられた第2支持部材68に固定されている。
【0039】
また、連動部材60には、第2コイルスプリング54が着座する部位の内側に、案内軸65の外径よりも大きい径の貫通孔70が形成され、該貫通孔70に案内軸65が挿通されている。これによって、連動部材60は、案内軸65に案内されつつ鉛直方向上下側に移動することが可能になっている。
【0040】
ダンパ50のピストンロッド72は、案内軸65の鉛直方向上側の端部とともに、第2支持部材68に固定されている。上記の通り連動部材60の移動に伴って、シリンダ62が鉛直方向に移動すると、該シリンダ62に対する、ピストンロッド72の先端に取り付けられたピストンバルブ74の相対位置が変化することになる。すなわち、連動部材60が鉛直方向下側に移動するとき、シリンダ62の上端側とピストンバルブ74とが接近してダンパ50が伸張する。一方、連動部材60が鉛直方向上側に移動するとき、シリンダ62の下端側とピストンバルブ74とが接近してダンパ50が収縮する。
【0041】
従って、当接部材44に連動して連動部材60が鉛直方向下側に移動するとき、第2コイルスプリング54が収縮するとともに、ダンパ50が伸張する。一方、収縮した第2コイルスプリング54の復元力によって連動部材60が鉛直方向上側に移動するとき、ダンパ50が収縮する。このようにダンパ50が伸縮することで、第2コイルスプリング54の伸縮を減衰させる減衰力が生じる。つまり、ダンパ50は、収縮した第2コイルスプリング54の復元を遅延させることができる。
【0042】
なお、ダンパ50では、伸張時に比して収縮時の減衰力を大きくすることが好ましい。この場合、第2コイルスプリング54を収縮させるために必要な押圧力を増大させることなく、該第2コイルスプリング54の復元を良好に遅延させることが可能になる。
【0043】
第3付勢手段52は、保持機構48内に設けられ、第3コイルスプリング76と、着座部材78とから構成されている。第3コイルスプリング76は、保持機構48内の底面と着座部材78との間に設けられている。着座部材78は、保持機構48内に保持された交換ツール18のソケット16側が着座する。
【0044】
第3コイルスプリング76は、上記の通り、ナットランナが接近方向に変位することで、着座部材78上の交換ツール18を介して押圧される。これによって、収縮した第3コイルスプリング76は、交換ツール18を挿入穴26内(鉛直方向上側)に向かって弾発付勢する。
【0045】
本実施形態に係る着脱装置10は、基本的には以上のように構成される。この着脱装置10を用いて、ナットホルダ12に装着された交換ツール18を取り外す工程について、主に図1図3を参照しつつ説明する。この場合、先ず、上記の交換ツール18を保持する空の保持機構48を当接部材44の下方に配置する。
【0046】
図1に示す通り、移動部材22は、第1コイルスプリング24によって常時付勢されているため、該第1コイルスプリング24の付勢力に抗する力が付与されるまでは拘束位置にある。この拘束位置では、ボール28が係合溝32内に部分的に挿入された状態で固定されているため、挿入穴26内に連結軸14が拘束されている。すなわち、ナットホルダ12に交換ツール18が装着された状態にある。
【0047】
この移動部材22のフランジ46に当接部材44が押圧され、且つナットホルダ12に装着された交換ツール18の先端側が保持機構48内に挿入されるように、上記のロボットがナットランナを接近方向に変位させる。これによって、移動部材22に第1コイルスプリング24の付勢力に抗する押圧力が加えられると、図2に示すように、移動部材22が上記の拘束位置から解放位置に移動する。
【0048】
なお、図2の例示では、フランジ46に当接した当接部材44が、第2コイルスプリング54を収縮させる前に、移動部材22が拘束位置から解放位置に移動するように設定されている。
【0049】
上記の通り、移動部材22が解放位置に移動すると、係合孔30から挿入穴26の径方向外側に突出するようにボール28が移動可能になる。これによって、挿入穴26に対する連結軸14の拘束が解放される。その結果、図3に示すように、ナットホルダ12から交換ツール18が離脱して、着座部材78上に着座することで保持機構48内に保持される。
【0050】
このようにして、ナットホルダ12から交換ツール18を取り外した後、上記の通りロボットによりナットランナを離間方向に変位させ、保持機構48からナットホルダ12を離間させる。当接部材44からフランジ46が離間するにつれて、移動部材22に第1コイルスプリング24の付勢力が支配的に作用するようになり、該移動部材22が拘束位置に向かって移動する。その結果、ボール28が、係合孔30から挿入穴26の径方向内側に突出する状態で固定される。
【0051】
次に、着脱装置10を用いて、ナットホルダ12に交換ツール18を装着する工程について、主に図4及び図5を参照しつつ説明する。この場合、先ず、前記回転機構によって回転板49を回転させることで、当接部材44の下方に、新たに装着する交換ツール18が保持された保持機構48を配置する。
【0052】
上記の通り、交換ツール18が取り外された後のナットホルダ12では、移動部材22が拘束位置にあるため、ボール28が挿入穴26内に突出している。この状態から、上記の通り、ナットランナを接近方向に変位させることで、移動部材22を解放位置に移動させる。これによって、ボール28を係合孔30から挿入穴26の径方向外側に突出するように移動させることができるため、挿入穴26内に連結軸14の基端側を挿入することが可能になる。
【0053】
上記のようにして移動部材22を解放位置に移動させた後、さらに、ナットランナを接近方向に駆動すると、移動部材22のフランジ46に押圧された当接部材44が第2コイルスプリング54の付勢力に抗して鉛直方向下側に移動する。すなわち、第2コイルスプリング54を収縮させつつ、ナットホルダ12を保持機構48に接近させて、挿入穴26に保持機構48に保持された交換ツール18の連結軸14を挿入することができる。
【0054】
さらに、ナットランナを接近方向に駆動すると、図4に示すように、着座部材78上の交換ツール18を介して第3コイルスプリング76が押圧される。これによって、第3コイルスプリング76が収縮されるまで、ナットランナを接近方向に駆動する。
【0055】
その後、図5に示すように、ナットランナを離間方向に駆動すると、収縮していた第2コイルスプリング54及び第3コイルスプリング76が復元する。この際、上記の通り、ダンパ50によって第2コイルスプリング54の復元を遅延させることができる。これによって、第3コイルスプリング76が挿入穴26内に向かって交換ツール18を付勢している間に、第1コイルスプリング24に付勢された移動部材22が拘束位置に移動する。従って、保持機構48に保持されていた交換ツール18をナットホルダ12に装着することができる。
【0056】
すなわち、この着脱装置10では、ナットホルダ12に交換ツール18を装着する際、先ず、第2コイルスプリング54の付勢力によって、移動部材22を解放位置に移動させ、この状態で挿入穴26内に交換ツール18を挿入する。その後、ダンパ50によって第2コイルスプリング54の復元を遅延させることで、移動部材22に第1コイルスプリング24の付勢力を作用させて、拘束位置へと移動させる。すなわち、ナットホルダ12に交換ツール18を装着するべく、移動部材22を解放位置から拘束位置へと移動させる際に、流体圧シリンダ等のアクチュエータを必要としない。
【0057】
このため、例えば、アクチュエータやその制御部等を備える場合に比して、着脱装置10を簡素且つ低コストに構成することや、この着脱装置10によって容易且つ効率的に交換ツール18を交換することが可能になる。
【0058】
なお、本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
10…着脱装置 12…ナットホルダ
14…連結軸 16…ソケット
18…交換ツール 20…本体部材
22…移動部材 24…第1コイルスプリング
26…挿入穴 28…ボール
30…係合孔 32…係合溝
34…第1段部 36…第2段部
38…第3段部 40…ストッパ
42…第2付勢手段 44…当接部材
46…フランジ 48…保持機構
49…回転板 50…ダンパ
52…第3付勢手段 54…第2コイルスプリング
56…切欠 58…連結部材
60…連動部材 62…シリンダ
64…支柱 65…案内軸
66…第1支持部材 68…第2支持部材
70…貫通孔 72…ピストンロッド
74…ピストンバルブ 76…第3コイルスプリング
78…着座部材
図1
図2
図3
図4
図5