特開2015-217624(P2015-217624A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-217624(P2015-217624A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】インクジェットヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/16 20060101AFI20151110BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20151110BHJP
【FI】
   B41J2/16 301
   B41J2/14 301
   B41J2/16 509
   B41J2/16 507
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-103773(P2014-103773)
(22)【出願日】2014年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 貴之
(72)【発明者】
【氏名】室地 伸昭
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF67
2C057AF93
2C057AG14
2C057AG45
2C057AP22
2C057AP31
2C057AP47
2C057AQ06
2C057BA05
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】露光の際、インクの供給孔や排出孔の側壁では、上部から下部へ徐々に露光量が弱まり、レジスト膜が剥がれやすくなる。
【解決手段】一実施形態によれば、基板上面および基板下面を有する絶縁性のベース基板と、このベース基板の前記基板上面に設けられた圧電部材と、それぞれこの圧電部材に形成された底面、前記底面から起立する両側壁面および前記基板上面に対して傾斜する一対の傾斜端面を有する複数の隔壁と、各隔壁の前記底面および前記両側壁面により囲まれる空間毎に設けられ、これらの底面、両側壁面、前記一対の傾斜端面および前記基板上面の間を導通する前記ベース基板上の導体パターンと、前記導体パターンが形成された前記基板上面から前記基板下面へかけて縮小するテーパ状の孔直径を有し、前記ベース基板に貫通形成された複数のインク孔と、を備えるインクジェットヘッドが提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上面および基板下面を有する絶縁性のベース基板と、
このベース基板の前記基板上面に設けられた圧電部材と、
この圧電部材にそれぞれ形成され、溝状の底面、前記底面から起立する両側壁面および前記基板上面に対して傾斜する一対の傾斜端面を有する複数の隔壁と、
各隔壁の前記底面および前記両側壁面により囲まれる空間毎に設けられ、これらの底面、両側壁面、前記一対の傾斜端面および前記基板上面の間を導通する前記ベース基板上の導体パターンと、
前記導体パターンが形成された前記基板上面から前記基板下面へかけて縮小するテーパ状の孔直径を有し、前記ベース基板に貫通形成された複数のインク孔と、
を備えるインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記導体パターンの形成はフォトリソグラフィ法を用いる請求項1記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記フォトリソグラフィ法はポジ型レジストを用いる請求項2記載のインターネット。
【請求項4】
前記インク孔は、このインク孔の傾斜する孔内壁面上に金属膜を成膜し、前記金属膜上に塗布されたレジスト膜に対して露光し、露光パターンを現像し、エッチングにより前記レジスト膜を除去して製造され、
前記インク孔の前記孔内壁面上の前記レジスト膜上の任意の一点およびこの点位置から直下方向に前記孔内壁面上の到達した点間の距離をDとし、前記レジスト膜の膜厚をxとし、前記基板下面および前記孔内壁面が交差するテーパ角度をθとすると、θ=cos-1(x/D)であり、
与えられた前記xおよび前記Dに対して、前記インク孔の前記テーパ角度は前記θ以下である請求項1記載のインクジェットヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一実施形態はインクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドはセラミックスからなる絶縁性のベース基板上に、複数の圧電セラミックス製の圧電部材を設けており、複数の隔壁を所定の間隔で形成し、各隔壁間をインクの流路としている(例えば特許文献1参照)、インクジェットヘッドは各隔壁の側面には駆動用電極を備え、隔璧端面をその頂部から底部にかけて外側に広がる傾斜面とするとともに上記隔壁の傾斜面およびベース基板に上記駆動用電極の引出線を形成している。
【0003】
このような構成のインクジェットプリンタヘッドは形状が複雑であるため、電極は無電解めっき法で形成することが好適である。この方法はベース基板および圧電セラミックスPZT(lead zirconate titanateチタン酸ジルコン酸鉛)上に駆動電極および配線となる金属膜を形成し、レーザー加工またはフォトリソグラフィによって配線パターンを形成している。ベース基板上のインクの供給孔、排出孔の側壁にも金属膜が形成され、レジスト膜が積層される。配線パターン形成をフォトリソグラフィによって行う場合、基板面に対して垂直方向の光源から露光処理がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−37057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし露光の際、供給孔や排出孔の側壁では、上部から下部へ徐々に露光量が弱くなる。金属膜又はベース基板と、レジスト膜との間の密着力が低いため、レジスト膜が剥がれやすくなる。このため現像し、エアーブローで水切りすると、レジスト膜は残渣としてベース基板、もしくは圧電部材上のレジストパターン上に再付着し、配線ショートの引き金になるという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するため、一実施形態によれば、基板上面および基板下面を有する絶縁性のベース基板と、このベース基板の前記基板上面に設けられた圧電部材と、それぞれこの圧電部材に形成された底面、前記底面から起立する両側壁面および前記基板上面に対して傾斜する一対の傾斜端面を有する複数の隔壁と、各隔壁の前記底面および前記両側壁面により囲まれる空間毎に設けられ、これらの底面、両側壁面、前記一対の傾斜端面および前記基板上面の間を導通する前記ベース基板上の導体パターンと、前記導体パターンが形成された前記基板上面から前記基板下面へかけて縮小するテーパ状の孔直径を有し、前記ベース基板に貫通形成された複数のインク孔と、を備えるインクジェットヘッドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係るインクジェットヘッドの斜視図である。
図2】実施の形態に係るインクジェットヘッドのヘッド本体の上面斜視図である。
図3】実施の形態に係るインクジェットヘッドのヘッド本体の図2中のAA´に沿う縦断面図である。
図4】実施の形態に係るインクジェットヘッドのヘッド本体の図2中のBB´に沿う縦断面図である。
図5】実施の形態に係るインクジェットヘッドの圧電部材の図4中のCC´に沿う縦断面図である。
図6】実施の形態に係るインクジェットヘッドの複数の隔壁の斜視図である。
図7】実施の形態に係るインクジェットの製造時の断面構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態に係るインクジェットヘッドについて、図1乃至図7を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0009】
(一実施形態)
図1は実施の形態に係るインクジェットヘッドの斜視図である。本実施形態に係るインクジェットヘッドは、ノズル配列方向に配列された複数の吐出口10を有するヘッド本体11と、このヘッド本体11にインクを供給しインクを排出するマニフォールド部12と、それぞれドライバIC13によりヘッド本体11を吐出駆動する一対の駆動回路14と、ヒートシンク15、16とを備えている。
【0010】
図2はヘッド本体11の上面斜視図である。図3図2中のAA´に沿うヘッド本体11の縦断面図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。本実施形態に係るインクジェットヘッドは、基板上面17および基板下面18を有する絶縁性のベース基板19と、このベース基板19の基板上面17に設けられた圧電部材20と、この圧電部材20に形成されそれぞれ溝状の底面21、底面21から両側に起立する側壁面22、23および基板上面17に対して傾斜する一対の傾斜端面24、25を有する複数の隔壁26と(同図では1つの隔壁26のみ表示)を備えている。このインクジェットヘッドは各隔壁26の底面21および側壁面22、23により囲まれる空間毎に設けられ、これらの底面21、側壁面22、23、一対の傾斜端面24、25および基板上面17の間を導通するベース基板19上の導体パターン27と、導体パターン27が形成された基板上面17から基板下面18へかけて縮小するテーパ状の孔直径を有し、ベース基板19に貫通形成されたインク孔28、29とを備えている。底面21、側壁面22、23及びノズル基板30によって圧力室31が形成されるようになっている。
【0011】
図4図2中のBB´に沿うヘッド本体11の縦断面図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。ベース基板19には例えばアルミナ(Al)が用いられる。ベース基板19と、このベース基板19上に接着された枠部材32と、この枠部材32に囲まれた圧電部材20と、この圧電部材20を上方から覆うノズル基板30とによりヘッド本体11が構成される。また、ベース基板19、枠部材32およびノズル基板30によってインクの共通液室33、34、35が形成されている。同図では隔壁26の列が2列に形成されており、左方の一つの圧力室31が一方の列の隔壁26間によって形成され、右方の他の一つの圧力室31が他方の列の隔壁26間によって形成される。圧力室31は共通液室33、34、35との間で連通し、インクの流路を形成している。
【0012】
図5図4中のCC´に沿う圧電部材20の縦断面図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。圧電部材20は2枚の圧電板20a、20bが厚さ方向で張り合わせられて構成されている。圧電板20a、20bは圧電素子であり、互いに分極方向が板厚方向で逆向きの関係にある分極特性を有する。圧電板20a、20bには例えば圧電定数が高いPZTが用いられている。隔壁26及び圧力室31は、機械的な溝の切削加工によって形成される。
【0013】
図6は複数の隔壁26の斜視図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。同図にはノズル基板30により覆われる前の単体例が示されている。圧電部材20の傾斜端面24側から見た圧力室31が示されている。隣接する2つの隔壁26による圧力室31の開口部分が傾斜端面24上に並列している。隔壁26は図3の側壁面22(又は側壁面23)によって示されるように台形状である。この隔壁26の構造と同じ構造を他の隔壁26も有する。
【0014】
また、一本の導体パターン27は圧力室31の底面21、側壁面22、23、傾斜端面24上の開口部分周り、及び基板上面17の間を引き回され、配線電極を形成している。この導体パターン27は、図3に示すように、圧力室31の左右から傾斜端面24及び傾斜端面25上をそれぞれ這って基板上面17上に導かれてフレキシブルプリント配線板(FPC)37に接続されている。隔壁26の左右のうち左方の導体パターン27は、基板上面17上に形成された他の導体パターン36及びフレキシブルプリント配線板37を介してドライバIC13に接続される。他の導体パターン36も導体パターン27の配線経路と同じ配線経路を有する。何れかの圧力室31は、ドライバIC13によって対応の導体パターン36、27から電圧駆動され変形し、インクを吐出口10から吐出可能になっている。インクはマニフォールド12のインク供給路38から共通液室34へ供給され、圧力室31を通って共通液室33からインク排出路39より排出されるようになっている。
【0015】
また、インクジェットヘッドの製造方法は、最初にベース基板19上に圧電部材20を接着し、圧電部材20に複数の隔壁26(図6)を形成し、ベース基板19上これらの隔壁26間の底面21および側壁面22、23に無電解めっきにより例えばNi(ニッケル)のめっき膜を成膜する。ベース基板19にはインク孔28、29が形成されたものが用いられており、成膜によってこのベース基板19上及び隔壁26の内側がめっき膜により覆われる(図5の導体パターン27参照)。圧力室31となる空間については空間毎に隔壁26の上端部のめっき膜は除去される。その後、ベース基板19に無電解めっきを実施する。パターニング方法としては、フォトリソグラフィを用いる。
【0016】
図7は本実施形態に係るインクジェットの製造時の断面構造例を示す図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。引き続きベース基板19上及び圧電部材20の隔壁26を覆うように、感光性のレジスト膜41が形成される。続いて露光装置は焦点をベース基板19の基板上面17に合わせてレジスト膜41を露光する。ポジ型レジスト処理は、現像液に浸けた対象基板への現像処理により、電極を形成したい部分以外のレジスト膜41を除去する。同図に示すように、インク孔28のテーパ状の傾斜する孔壁面42には、ベース基板19の基板上面17と連続的にレジスト膜41が形成されており、露光装置からの露光によって基板上面17上で段差を有するレジストパターンが形成され、現像及びエッチングを経て複数本の導体パターン36、27(図3)が生成される。インク孔29もインク孔28の例と同様である。
【0017】
次に上述の構成の本実施形態に係るインクジェットヘッド(図3)の作用動作について述べると、プリンタ本体からの駆動信号を駆動回路14が受信し、何れかのドライバIC13は圧力室31への導体パターン27によってパルス電圧信号を印可する。圧力室31内で電界が発生し、この圧力室31内の隔壁26が変形する。この変形では電界発生によって圧電素子20a、圧電素子20bが互いに逆向きに屈曲して圧力室31の側壁面22、23がこの圧力室31内方へ出っ張り変形し、電界消滅によって変形が元に戻る。圧力室31の容積が拡張し縮小することにより、インクが加圧され、ヘッド本体11は液滴を吐出口10から吐出し液弾が被記録媒体へ発射される。マニフォールド部12から供給されたインクは図3のように共通液室34から左右の全ての圧力室31に充填され、これらの圧力室31を通過したインクは左右の共通液室33、35を経て排出される。
【0018】
インクジェットヘッドは製造時、図2のようにセラミックからなるベース基板19上にPZTを接着する。インクジェットヘッドはPZTに複数の隔壁26を所定の間隔で形成しており、各隔壁26間をインクの流路としており、各隔壁26の側面には駆動用電極(図6の導体パターン27)を備えている。インクジェットヘッドは隔壁端面(図6の傾斜端面24)を、その頂部から底部にかけて外側に広がる傾斜面とするとともに、該傾斜面を上記ベース基板19上まで延設し、かつ上記隔壁26の傾斜面およびベース基板19に上記駆動用電極の引出線を形成している。ベース基板19にはインクの流路となる供給孔(インク孔28)の列及び排出孔(インク孔29)の2列を形成する(図2)。孔形状は上部から下部にかけて孔直径が小さくなるようにテーパ状に形成する(図7)。露光量が不十分にならないように、テーパ角度は45度以下が適している。テーパ角度θとは基板下面29と、インク孔28の孔内壁42面との交差角であり、90度よりも小さい角度を指す。
【0019】
図7では、水平に設けられたベース基板19に対してインク孔29の傾斜する孔内壁42がテーパ角度θをもって交差しており、孔内壁42面上で均一な膜厚を有するレジスト膜41が積層している。ここで寸法Dは露光装置から見たみかけ上の膜厚を表し、確実にレジスト膜41を抜くことが可能な露光量を持つ露光装置によって決まる値を持つ。具体的には寸法Dはレジスト膜41上の任意の一点と、この点位置から直下方向に孔内壁42面上の到達点との距離に相当する。レジスト膜41の膜厚をxとすると、寸法Dを斜辺とする三角形ではx=D・cosθで表されるからD=x/cosθである(「・」は乗算記号、「/」は除算記号をそれぞれ表す)。θ=cos-1(x/D)である(cos-1はアークコサイン関数を表す)。xはエッチング限界厚みに相当する。レジスト膜41の孔内壁42上の積層寸法D以下の膜厚の露光に十分な露光装置が選定された場合、現像及びエッチング処理後において孔内壁42上にはレジスト残渣は残存せず、レジスト残渣の除去を確実に行える。インク孔28の例もインク孔29の例と同様である。
【0020】
このように、本実施形態に係るインクジェットによれば、ベース基板19上のインク供給孔、インク排出孔の形状をそれぞれテーパ状に形成し、孔内壁の上部から下部にかけて、孔直径が小さくなるように形成する。テーパ状にすることで、孔内壁面42上のレジスト膜42に対して十分な露光量の光を当てることができ、現像及びエアーブロー水切りの処理でレジスト残渣なく、完全にレジスト残渣を溶解除去できるようになる。レジスト残渣が残存した場合、金属膜40が剥がれて捲れ上がることによって、導体パターン27の生成後、配線ショートを引き起こすことがある。本実施形態に係るインクジェットによれば、この配線ショートを防ぐことができる。
【0021】
インク孔内壁が垂直壁であると、露光時、このインク孔の孔内においては、上方から下方へ向かって徐々に露光量が弱くなる。インク孔内壁下部のレジスト膜は金属膜から剥がれやすくなるため、現像及び水切りの後、レジスト膜は残渣としてベース基板上、もしくは圧電部材上のレジストパターン上に再付着し、配線ショートの引き金になる。
【0022】
これに対して、本実施形態に係るインクジェットでは、インク孔28、29がテーパ状であり、これらのインク孔28、29のそれぞれの内壁下部にまで十分な量の露光が届くため、インク孔28、29の内壁下部においてレジスト膜41は金属膜40又はベース基板19から剥がれない。また、インクジェットヘッドのベース基板19上には隔壁26によって上下方向の段差又は凹凸が多数形成される。高低差が著しい加工を基板面に施されたベース基板19にインク孔28、29をテーパ状にすることで露光、現像及びエッチング後のレジスト残渣をなくすことができる。
【0023】
なお上記実施形態では、θが45度の場合の例であったが、θが45度よりも小さい角度であってもレジスト残渣を除去できる。テーパ状のインク孔28、29の内壁面は平坦面であった。レジスト膜の膜厚寸法Dを確保しつつ孔径が複数段階に分かれて漸次縮径する段付きのテーパ状に形成されてもよい。これらの変更をして実施をしたに過ぎない実施品に対して実施形態に係るインクジェットヘッドの優位性は何ら損なわれるものではない。
【0024】
一つの隔壁26の壁厚及び隔壁26間の間隔は解像度やインクの吐出量、圧力室31の容積及び吐出口10の開口面積等によって決められる。圧電素子20のベース基板19上への接着は例えばエポキシ系接着剤を用いる。図6の形状は一例に過ぎず、例えば接着層を表示させていない例を示したが、傾斜斜面24から基板上面17へ接着層を介して導体パターン27を設けてもよく、これらの変形をして実施したに過ぎない実施品に対して実施の形態に係るインクジェットの優位性は何ら損なわれるものではない。
【0025】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0026】
17…基板上面、18…基板下面、19…ベース基板、20…圧電部材、21…底面、22、23…両側壁面、24、25…傾斜端面、26…隔壁、27…導体パターン、28、29…インク孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7