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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-217719(P2015-217719A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】車両用ニーエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/206 20110101AFI20151110BHJP
   B60R 21/2338 20110101ALI20151110BHJP
   B60R 21/2342 20110101ALI20151110BHJP
【FI】
   B60R21/205 100
   B60R21/231 300
   B60R21/231 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-100884(P2014-100884)
(22)【出願日】2014年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 傑
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA08
3D054AA14
3D054BB18
3D054CC10
3D054CC11
3D054CC34
3D054CC42
(57)【要約】
【課題】袋体の展開動作について確実性が高いニーエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】第1縫合部(64)は、インフレータ(30)側の端部から先端部(46)に向かって、一方の布(51)に縫合されることにより形成され、第2縫合部(65)は、インフレータ(30)側の端部から先端部(46)に向かって、他方の布(52)に縫合されることにより形成される。第3縫合部(66)は、インフレータ(33)側の端部から先端部(46)側の端部まで、連続的又は間欠的に、テザー同士を縫合することにより形成される。袋体(40)は、インフレータ(30)側の端部において、第1縫合部(64)及び第2縫合部の(65)両方から離間した部位が縫合され、先端部(46)側の端部において、第1縫合部(64)の近傍と第2縫合部(65)の近傍とが縫合されることにより、先端部(46)に向かうにつれての開き量が少なくなる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストルメントパネルの内部にインフレータが取り付けられ、このインフレータのガス圧によって乗員の膝の前方に展開可能な袋体が、2枚の布を袋状に縫合することにより形成され、前記袋体の内部にテザーが縫合されている車両用ニーエアバッグ装置において、
前記テザーは、前記袋体のなかのインフレータ側の端部から、前記袋体の展開方向の先端部に向かって配置されていると共に、第1〜第3縫合部によって縫合され、
前記第1縫合部は、前記インフレータ側の端部から前記先端部に向かって、前記2枚の布の一方の布に縫合されることにより形成され、
前記第2縫合部は、前記インフレータ側の端部から前記先端部に向かって、前記2枚の布の他方の布に縫合されることにより形成され、
前記第3縫合部は、
前記インフレータ側の端部から前記先端部側の端部まで、連続的又は間欠的に、前記テザー同士を縫合することにより形成された部位であり、
前記インフレータ側の端部において、前記第1縫合部及び前記第2縫合部の両方から離間した部位が縫合され、
前記先端部側の端部において、前記第1縫合部の近傍と前記第2縫合部の近傍とが縫合されることにより、
前記インフレータからガスが供給された際に、前記先端部に向かうにつれて前記袋体の開き量が少なくなるよう構成されていることを特徴とする車両用ニーエアバッグ装置。
【請求項2】
前記第3縫合部は、前記袋体の内圧が所定の値を超えることにより、破断することを特徴とする請求項1記載の車両用ニーエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された車両用ニーエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの車両において、運転手が操作するステアリングホイールの前方に、車幅方向に亘ってインストルメントパネルが形成されている。このような車両の一部には、インストルメントパネルの内部に、乗員の膝を保護可能なニーエアバッグ装置が収納されているものがある。ニーエアバッグ装置は、インストルメントパネルの内部に取り付けられたインフレータと、このインフレータのガス圧によって乗員の膝の前方に展開可能な袋体とからなる。
【0003】
このようなニーエアバッグ装置について、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1によれば、車両の衝突時、インフレータにより発生されたガスは袋体に導入される。折りたたまれ収納状態にあった袋体は、ステアリングホイールに向かい、インストルメントパネルに沿って展開される。袋体はインストルメントパネルと乗員の膝との間に入り込み、乗員の膝は保護される。
【0004】
ここで、展開時において、袋体は膨張しつつ展開される。インストルメントパネルと乗員の脚とは近接しているため、袋体が展開する際に、乗員の脚が干渉する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−186887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、袋体の展開動作について確実性が高いニーエアバッグ装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1による発明によれば、
インストルメントパネルの内部にインフレータが取り付けられ、このインフレータのガス圧によって乗員の膝の前方に展開可能な袋体が、2枚の布を袋状に縫合することにより形成され、前記袋体の内部にテザーが縫合されている車両用ニーエアバッグ装置において、
前記テザーは、前記袋体のなかのインフレータ側の端部から、前記袋体の展開方向の先端部に向かって配置されていると共に、第1〜第3縫合部によって縫合され、
前記第1縫合部は、前記インフレータ側の端部から前記先端部に向かって、前記2枚の布の一方の布に縫合されることにより形成され、
前記第2縫合部は、前記インフレータ側の端部から前記先端部に向かって、前記2枚の布の他方の布に縫合されることにより形成され、
前記第3縫合部は、
前記インフレータ側の端部から前記先端部側の端部まで、連続的又は間欠的に、前記テザー同士を縫合することにより形成された部位であり、
前記インフレータ側の端部において、前記第1縫合部及び前記第2縫合部の両方から離間した部位が縫合され、
前記先端部側の端部において、前記第1縫合部の近傍と前記第2縫合部の近傍とが縫合されることにより、
前記インフレータからガスが供給された際に、前記先端部に向かうにつれて前記袋体の開き量が少なくなるよう構成されていることを特徴とする車両用ニーエアバッグ装置が提供される。
【0008】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、
前記第3縫合部は、前記袋体の内圧が所定の値を超えることにより、破断する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明の一部を構成するテザーは、袋体の内部で、インフレータ側の端部から袋体の展開方向の先端部に向かって配置されている。このテザーは、インフレータ側の端部から袋体の展開方向の先端部に向かって、2枚の布の一方の布に縫合されることにより形成される第1縫合部と、インフレータ側の端部から先端部に向かって2枚の布の他方の布に縫合されることにより形成される第2縫合部とを有する。
【0010】
そのため、インフレータからガスが供給された際における袋体の開き量(袋体の厚み)は、テザーの第1縫合部から第2縫合部までの寸法で決まる。
【0011】
ここで、テザーは、さらに、インフレータ側の端部から先端部側の端部まで、連続的又は間欠的に、テザー同士を縫合することにより形成された第3縫合部も有する。この第3縫合部のうち、インフレータ側の端部においては、第1縫合部及び第2縫合部の両方から離間した部位が縫合されている。一方、先端部側の端部においては、第1縫合部の近傍及び第2縫合部の近傍とが縫合される。
【0012】
そのため、インフレータから袋体にガスが供給された場合、先端部側の端部における第1縫合部から第2縫合部までの寸法は、インフレータ側の端部における第1縫合部から第2縫合部の寸法よりも短い。結果、袋体の開き量は、先端部に向かうにつれて少なくなる。
【0013】
これにより、袋体の展開時において、互いに近接しているインストルメントパネルと乗員の脚との間においても確実に袋体を展開することができる。そのため、袋体の展開動作について確実性が高いニーエアバッグ装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明において、第3縫合部は、袋体の内圧が所定の値を超えることにより、破断する。詳細には、袋体は、先端部に向かうにつれて薄くなった状態で展開され、さらにインフレータによりガスが供給されることにより、袋体内の圧力が高まる。その後、袋体の内圧が所定の値を超えたときに、第3縫合部は破断する。第3縫合部が破断すると、互いに縫合されていたテザーが開き、テザーの第1縫合部から第2縫合部までの寸法は長くなる。すなわち、テザーのうち、袋体の開き量を規制していた箇所の寸法が長くなるため、袋体の開き量も大きくなる。
【0015】
袋体の開き量が大きくなることにより、乗員と袋体との密着度が高まる。そのため、乗員の保護性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1によるニーエアバッグ装置を有する車両の模式図である。
図2図1に示された袋体の分解斜視図である。
図3図1に示された袋体の平面図である。
図4図1に示された袋体の斜視図である。
図5図4の示された袋体の断面図である。
図6】実施例1によるニーエアバッグ装置の袋体が乗員の膝の前方に展開されるまでを説明する作用図である。
図7図6に示された袋体がさらに展開されるまでを説明する作用図である。
図8】本発明の実施例2によるニーエアバッグ装置を構成する袋体の模式図である。
図9】本発明の実施例3によるニーエアバッグ装置を構成する袋体の模式図である。
図10】本発明の実施例4によるニーエアバッグ装置を構成する袋体の模式図である。
図11】本発明の実施例5によるニーエアバッグ装置を構成する袋体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Lは乗員から見て左、Rは乗員から見て右、Upは上、Dwは下を示している。
<実施例1>
【0018】
実施例1によるニーエアバッグ装置の構造について、図1から図7に基づき説明する。
【0019】
図1に示されるように、車両10は、ウインドシールド11を境にして車室12が形成されている。この車室12内の前方には、車幅方向に亘って、インストルメントパネル13が取り付けられている。インストルメントパネル13には、ステアリングコラムカバー14が取り付けられている。このステアリングコラムカバー14に回転軸を覆われて、乗員Mnが操作するステアリングホイール15は、設けられている。
【0020】
インストルメントパネル13の内部には、乗員Mnの膝Knを保護するニーエアバッグ装置20が収納されている。ニーエアバッグ装置20は、車両10の衝突時にガスを発生させるインフレータ30と、このインフレータ30のガス圧によって乗員Mnの膝Knの前方に展開可能な袋体40とを主な構成要素とする。袋体40は、折りたたまれ、インストルメントパネル13の内部に収納されている。
【0021】
図2及び図3に示されるように、袋体40は、2枚の布51,52の縁が縫合されることにより、袋状に形成されてなる。袋体40の内部には、袋体40の開き量及び袋体40の展開時のガスの流れを方向付ける第1テザー60、第2テザー70が縫合される。
【0022】
特に、図3に示されるように、袋体40は、インフレータ(図1、符号30)に接続される基端部41と、この基端部41の両端からそれぞれが離れるように延びる拡張部42,42と、それぞれの拡張部42,42の先端から互いに平行に延びる平行部44,44と、平行部44,44の先端を結ぶように基端部41に平行に延びる先端部46とからなる。平行部44,44は、共に、基端部41及び先端部46に対して略垂直に延びる。また、平行部44,44の間には中央部47がある。
【0023】
図2を再び参照し、布51,52は共に、矩形の隣り合う2つの角を切り落とした、略六角形状を呈する。一方の布51は、インストルメントパネル(図1、符号13)に対向して展開する。一方の布51を、適宜第1の布51という。他方の布52は、乗員(図1、符号Mn)に対向して展開する。他方の布52を、適宜第2の布52という。
【0024】
第1テザー60は、矩形の布を短手方向の寸法が半分となるように折り返すことにより形成される。結果、第1テザー60には、第1矩形部61と第2矩形部62と折り返し線63とが形成される。第1矩形部61と第2矩形部62とは互いに縫い合わされている。この縫合部(第3縫合部66)の詳細については図4以降に説明する。
【0025】
第2テザー70も第1テザー60と同様に、第1矩形部71と第2矩形部72と折り返し線73とが形成される。また、第1矩形部71と第2矩形部72とは互いに縫い合わされて(第3縫合部76)いる。
【0026】
袋体40内において、第1テザー60と第2テザー70は、互いの折り返し線63,73が対向し、基端部41の中央から先端部46の角に向かって略Vの字を描くよう配置されている。
【0027】
図4も合わせて参照し、第1テザー60の第1矩形部61の長手方向の側端61aと第1の布51とは互いに縫合され、第1縫合部64が形成される。また、第2矩形部62の長手方向の側端62aと第2の布52とは互いに縫合され、第2縫合部65が形成される。
【0028】
第2テザー70も同様に、矩形部71,72の長手方向それぞれの側端71a,72aが、布51,52に縫合され、第1縫合部74と第2縫合部75とが形成される。
【0029】
次に、第1テザー60の第1矩形部61及び第2矩形部62が互いに縫合されることにより形成される第3縫合部66について説明する。第3縫合部66は、基端部41側から袋体の展開方向にある先端部46側に向かうに連れて、折り返し線63から離れるように形成されている。
【0030】
換言すると、第3縫合部66は、少なくとも、インフレータ(図1、符号30)側の端部60aにおいて、第1縫合部64及び第2縫合部65の両方から離間した部位に形成され、先端部46側の端部60bにおいて、第1縫合部64の近傍と第2縫合部65の近傍とに形成されている。
【0031】
また、第2テザー70の矩形部71,72とが互いに縫合されることにより形成される第3縫合部76も、第1テザー60の第3縫合部66と同様に形成される。
【0032】
即ち、第3縫合部76は、少なくとも、インフレータ側の端部70aにおいて、第1縫合部74及び第2縫合部75の両方から離間した部位に形成され、先端部46側の端部70bにおいて、第1縫合部74の近傍と第2縫合部75の近傍とに形成されている。
【0033】
次に本発明の作用について説明する。図6に示されるように、車両10の衝突時、インフレータ30は袋体40にガスを供給し、収納状態にあった袋体40は、乗員Mnの膝Knの前方に展開される。以下、袋体40の展開を、袋体40の開き量(袋体40の厚み)及び袋体40内でのガスの流れに分けて説明する。
【0034】
はじめに袋体40の開き量について説明する。図4に示されるように、第1テザー60の第1矩形部61の長手方向の側端61aと第1の布51とは互いに縫合され、第1縫合部64が形成される。また、第2矩形部62の長手方向の側端62aと第2の布52とは互いに縫合され、第2縫合部65が形成される。(第2テザー70については、第1テザーと同様の構成であり以下、説明を省略する。)
【0035】
袋体40は、第1縫合部64及び第2縫合部65を介して第1テザー60に縫合されているため、袋体40の開き量は、第1縫合部64から第2縫合部65までの寸法で決まる。
【0036】
ここで、第1テザー60には、第1矩形部61と第2矩形部62とが互いに縫合されることにより第3縫合部66も形成されている。詳細には、第3縫合部66は、基端部41側から袋体40の展開方向にある先端部46側に向かうに連れて、折り返し線63から離れるように形成されている。すなわち、第3縫合部66は、先端部46側に向かうに連れて、第1縫合部64及び第2縫合部74の双方に近接していく。
【0037】
換言すると、図5に示されるように、図5(a)に示された基端部41側から図5(b),(c)示された先端部46側に向かうに連れて、第1矩形部61と第2矩形部62の重ね合わされた寸法は大きくなっていき、第1の布51と第2の布52とは互いに近接するように袋体40内側に向かって引っ張られていく。また、図5(b),(c)に示される先端部46側ほど、袋体の平行部44,44は、弛んだ状態となる。
【0038】
そのため、図6に示されるように、袋体40の開き量は、先端部46側に向かうに連れて少なくなる。したがって、袋体40の展開時において、互いに近接しているインストルメントパネル13と乗員Mnの脚との間においても確実に袋体を展開することができる。
【0039】
また、本発明のニーエアバッグ装置20では、図6に示されるように袋体40がインストルメントパネル13と乗員Mnの膝Knとの間に入り込んだ後にも、インフレータ30による袋体40へのガスの供給は続けられる。ガスの供給が続くと、袋体40内の圧力が高まり、袋体40の内圧が所定の値を超えたときに、第3縫合部(図5,符号66)は破断する。
【0040】
第3縫合部66が破断すると、図7(b)に示されるように、互いに縫合されていた第1矩形部61と第2矩形部62とは互いに離れるように開き、折り重ねられていた矩形部がなくなる。結果、第1テザー61の第1縫合部64から第2縫合部65までの寸法は長くなる。袋体40の平行部44,44に生じていた弛みもなくなり、袋体40の開き量も大きくなる。
【0041】
したがって、袋体40の開き量が大きくなることにより、図7(a)に示されるように乗員Mnと袋体40との密着度が高まる。そのため、乗員Mnの保護性能を高めることができる。
【0042】
なお、図3に示されるように、第3縫合部66は、基端部41側の端部60aにおいて、第1縫合部64及び第2縫合部65の両方から離間した部位が縫合されつつ、先端部46側の端部60bにおいて、第1縫合部64の近傍と第2縫合部65の近傍とが縫合されていればよい。本実施例では、第3縫合部66は、基端部41側から先端部46側に向かって連続的に形成されているが、間欠的に形成されていてもよい。
【0043】
また、本実施例では、袋体40内において第1のテザー60と第2のテザーの2つのテザーを配置したが、テザーは1つ又は3つ以上であっても良い。
【0044】
次に袋体40内でのガスの流れについて説明する。図3に示されるように、第1テザー60と第2テザー70とは、互いの折り返し線63,73が対向し、基端部41の中央から先端部46の角に向かって略Vの字を描くよう配置されている。
【0045】
そのため、インフレータ(図6、符号30)から袋体40にガスが供給された場合、第1テザー60の端部60a及び第2テザー70の端部70a近傍が障壁となり、ガスは、インフレーター(図6、符号30)の供給口の延長線上を流れにくくなる。一方で、ガスは、Vの字の外側面(平行部44側)を流れやすくなる。その後、ガスは、袋体40の先端部46の両端に到達し、折り返すように袋体40の中央に流れ込む。そのため、袋体40の中央部47は、袋体40の両端となる平行部44,44近傍よりも遅れて膨れることとなる。
【0046】
このように、平行部44,44よりも中央部47が遅れて膨れる袋体40は、例えば、ステアリングコラムカバー14がより足元側に設けられている車両などに適する。
【0047】
例えば、ステアリングコラムカバー14がより下方に設けられた場合、袋体40の展開時、ステアリングコラムカバー14が凸部となり展開中の袋体40と干渉するおそれがある。しかし、中央部47が遅れて膨らむ、すなわち、中央部47が凹んでいれば、ステアリングコラムカバー14と袋体40との間にスペースが生まれる。そのため、近接しているインストルメントパネル13と乗員Mnの脚との間においても確実に袋体40を展開することができる。
<実施例2>
【0048】
次に、本発明の実施例2を図8に基づいて説明する。図8に示されるように、袋体40A内において、第1〜第4テザー60A,70A,80A,90Aは、基端部41の中央から先端部46に向かってWの字を描くよう配置されている。その他の基本的な構成については、実施例1によるニーエアバッグ装置と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0049】
テザーがWの字を描くように配置された場合、ガスは、Wの字を描いた第1〜第4テザー60A,70A,80A,90Aの側面、すなわち、袋体40A内の平行部44,44と中央部47とを流れる。
【0050】
ガスが袋体40Aの平行部44,44、すなわち袋体40の縁を流れることにより、折りたたまれて収納状態にあった袋体40Aは全体の形状が短時間で形成される。また、同時に中央部47にもガスは流れるため、平行部44,44と中央部47は同時に膨らむ。そのため、本実施例における第1〜第4テザー60A,70A,80A,90Aの配置は、短時間でかつ、袋体の厚みを均一に展開したい場合に適する。
<実施例3>
【0051】
次に、本発明の実施例3を図9に基づいて説明する。図9に示されるように、第1のテザー60Bと第2のテザー70Bは、基端部41の中央から先端部46の角に向かって逆Vの字を描くよう配置されている。その他の基本的な構成については、実施例1によるニーエアバッグ装置と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0052】
テザーが逆Vの字を描くよう配置されている場合、ガスは袋体40Bの中央部47を流れ、先端部46に到達した後に袋体40Bの両端となる平行部44に向かって流れる。そのため、平行部44は、中央部47よりも遅れて膨れる。
【0053】
このように展開される袋体40Bは、例えば、車両の設計上、コラムカバーの左右に凸部が形成されているようなインストルメントパネルに適する。
<実施例4>
【0054】
次に、本発明の実施例4を図10に基づいて説明する。図10に示されるように、袋体40C内において、第1〜第4テザー60C,70C,80C,90Cは、基端部41の中央から先端部46に向かってWの字を描くよう配置されている。その他の基本的な構成については、実施例1,2によるニーエアバッグ装置と共通する。実施例1,2と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0055】
テザーがWの字を描くように配置された場合、ガスは、Wの字を描いた第1〜第4テザー60C,70C,80C,90Cの側面、すなわち、袋体40D内の平行部44,44と中央部47とを流れる。
【0056】
また、第1〜第4テザー60C〜90Cの端部60Cb,70Cb,80Cb,90Cbは、袋体40Cの先端部46と接している。そのため、平行部44,44を通り、先端部46の両端に達したガスは、中央に流れ込まない。さらに、第1,第2テザー60C,70Cの端部60Ca,70Caは、互いに重なり合うように配置されている。第3,第4テザー80C,90Cの端部80Ca,90Caも同様である。そのため、ガスはこの重なり合った端部から先端部46に向かって流れ込みにくくなる。
【0057】
すなわち、本実施例では、実施例2と比較すると、さらに、平行部44,44と中央部47のみにガスが流れ込みやすくなる。そのため、実施例2と比較して、本実施例は、より短時間でかつ、袋体の厚みを均一に展開したい場合に適する。
【0058】
加えて、第1〜第4テザー60C〜90Cには、折り返し線63C,73C,83C,93Cに沿って、半円状の開口部67C,77C,87C,97Cが形成されている。第3縫合部66C,76C,86C,96Cの破断後、第1〜第4テザー60C〜90Cは開き、開口部67C,77C,87C,97Cは円形状となる。ガスは、この円形状となった開口部67C〜97Cを通じて、第1〜第4テザー60C〜90C及び先端部46とに囲まれた空間に入り込み、袋体40Cの展開が完了する。
【0059】
なお、端部60Caと70Ca,80Caと90Caは、重なり合わずに、離れて配置されてもよい。さらに、開口部67C,77C,87C,97Cの形状は矩形状であってもよく、開口部の数も増減することができる。このように、テザーの配置、開口部の形状及び数を適宜、変更し、組み合わせることにより、袋体の展開の挙動を変更することができる。
<実施例5>
【0060】
次に、本発明の実施例5を図11に基づいて説明する。図11に示されるように、第1のテザー60Dと第2のテザー70Dは、基端部41の中央から先端部46の角に向かって逆Vの字を描くよう配置されている。その他の基本的な構成については、実施例1,3,4によるニーエアバッグ装置と共通する。実施例1,3,4と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施例において、第1テザー60Dの端部60Db,第2テザー70Dbは、袋体40Dの先端部46と接している。そのため、ガスは、袋体40Dの中央部47を流れるが、先端部46に到達しても、平行部44,44に向かっては流れない。
【0062】
実施例3と比較すると、中央部47のみにガスが流れ込むため、実施例3よりも短時間に袋体40Dを展開させることができる。
【0063】
加えて、第1テザー60D,第2テザー70Dには、折り返し線63D,73Dに沿って、半円状の開口部67D,77Dが形成されている。第3縫合部66D,76Dの破断後、第1テザー60Dと第2テザー70Dは開き、開口部67D,77Dは円形状となる。ガスは、この円形状となった開口部67D,77Dを通じて平行部44,44に流れ込み、袋体40Dの展開が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明による車両用ニーエアバッグ装置は、乗用車に好適である。
【符号の説明】
【0065】
13…インストロメントパネル
20…ニーエアバッグ装置
30…インフレータ
40…袋体
41…基端部
46…先端部
51…第1の布(一方の布)
52…第2の布(他方の布)
60,60A…第1テザー
64…第1縫合部
65…第2縫合部
66…第3縫合部
67C…開口部
70,70A…第2テザー
74…第1縫合部
75…第2縫合部
76…第3縫合部
80A…第3テザー
90A…第4テザー
Mn…乗員
Kn…膝部
図1
図2
図3
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図9
図10
図11