(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-217906(P2015-217906A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】車室内照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/02 20060101AFI20151110BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20151110BHJP
【FI】
B60Q3/02 C
F21V23/04 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-105111(P2014-105111)
(22)【出願日】2014年5月21日
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岩 淳
(72)【発明者】
【氏名】藤田 裕久
(72)【発明者】
【氏名】永田 卓嗣
(72)【発明者】
【氏名】河合 耕一
【テーマコード(参考)】
3K014
3K040
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA02
3K040AA01
3K040CA05
3K040DA03
3K040EB03
3K040FB03
3K040GA03
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】レンズの電極除去部に加工処理を施すことなく、その電極除去部が車室側から視認不能とされる車室内照明装置を提供することである。
【解決手段】車室内照明装置1は、車室内を照明する複数個の光源と、各光源を個々に取り囲んで各光源の照明範囲を規定する仕切り壁14を有するハウジング10と、ハウジングに対して車室側から各光源を被うように取付けられたレンズ20と、各光源と対応する箇所に触れることでその光源をオンオフするためのタッチスイッチとを備えている。タッチスイッチは、レンズに設けられた電極部30を備えている。レンズは、各光源用に電極部を区分するための電極除去部32を備え、この電極除去部はハウジングの仕切り壁と対応する位置に配置されている
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に取付けられ、車室内を照明する複数個の光源と、
各光源を個々に取り囲んで各光源の照明範囲を規定する仕切り壁を有するハウジングと、
ハウジングに対して車室側から各光源を被うように取付けられたレンズと、
各光源と対応する箇所に触れることでその光源をオンオフするためのタッチスイッチとを備えた車室内照明装置であって、
タッチスイッチは、レンズに設けられた電極を備え、
レンズは、各光源用に電極を区分するための電極除去部を備え、この電極除去部はハウジングの仕切り壁と対応する位置に配置されていることを特徴とする車室内照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内照明装置に関する。詳しくは、車室内を照明する複数個の光源と、これらの各光源を個別にオンオフするためのタッチスイッチとを備えた車室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車室内照明装置においては、その一例が特許文献1に開示されている。この車室内照明装置においては、2個の光源を備え、これらの各光源を車室側から被うようにレンズが取付けられている。レンズの光源側の面にはタッチスイッチを構成するための電極が成膜されている。電極は、各光源用に電極を区分するための電極除去部で2つに区分されている。そして、人体がレンズの車室側の面から各電極部分に対応する箇所に触れると、それらの各電極部分と人体との間の静電容量の変化が検知されて、各光源が個別にオンオフされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−230450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レンズの電極除去部は、それが車室側から視認されるとレンズの電極部分の間に区分け線を形成するように見えて、車室内照明装置の意匠性を損ねる。この対策として、従来は、レンズの電極除去部に着色を施すもしくは該電極除去部にリブを形成するといった加工処理が施され、それによって該電極除去部が車室側から視認不能とされていた。しかし、これらの加工処理には手間がかかる。また、これらの加工処理を施すと、その処理部分によって光源からの光が遮られて車室内への光量が減少したり、車室内照明装置の意匠性が損なわれたりする。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするものであって、その目的は、レンズの電極除去部に加工処理を施すことなく、その電極除去部が車室側から視認不能とされる車室内照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
【0007】
車室内照明装置は、車室に取付けられ、車室内を照明する複数個の光源と、各光源を個々に取り囲んで各光源の照明範囲を規定する仕切り壁を有するハウジングとを備えている。また、車室内照明装置は、ハウジングに対して車室側から各光源を被うように取付けられたレンズと、各光源と対応する箇所に触れることでその光源をオンオフするためのタッチスイッチとを備えている。タッチスイッチは、レンズに設けられた電極を備えている。レンズは、各光源用に電極を区分するための電極除去部を備え、この電極除去部はハウジングの仕切り壁と対応する位置に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、レンズの電極除去部がハウジングの仕切り壁と対応する位置に配置されていることから、車室側からレンズを視た際、仕切り壁が電極除去部の背後に位置して電極除去部が顕わにならない。そのため、レンズの電極除去部に対して、例えば着色やリブを形成するといった加工処理を施すことなく、この電極除去部を車室側から視認不能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】車室内照明装置のハウジングを車室側から視た斜視図。
【
図3】車室内照明装置のレンズを天井側から視た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1に示す車室内照明装置1は、車室の天井面に取付けられてルームランプを構成している。
【0011】
車室内照明装置1は、ハウジング10とレンズ20とを外殻としている(
図1参照)。ハウジング10は、レンズ20に対して車室の天井側に配置されている。ハウジング10は車幅方向に沿ってソケット部12を計3個備え、各ソケット部12にバルブLが取付けられている(
図2参照)。ハウジング10は、各バルブLを個別に取り囲む仕切り壁14を有する。仕切り壁14は、車室側へ張り出し、各バルブLの照明範囲を規定している。ハウジング10の仕切り壁14は有色(例えば黒)である。
【0012】
バルブLは車室内を照明する光源であり、例えばLEDで構成されている。各バルブLは、ハウジング10のソケット部12を介して配線基板(図示省略)に接続されている。配線基板には電気回路が形成されており、配線基板から各バルブLに電力が供給される。
【0013】
レンズ20は、ハウジング10に対して車室側から各バルブLを被うように取付けられている(
図1参照)。レンズ20は透光性を有する。レンズ20における天井側の面にはタッチスイッチを構成するための電極部30が設けられている(
図3,4参照)。電極部30は各バルブL用に電極除去部32で3つに区分されている。電極除去部32は、ハウジング10の仕切り壁14に対応する位置に配置されている(
図4参照)。
【0014】
レンズ20に設けられた各電極部30(
図3,4参照)は図示しない導電手段(図示省略)によって個別に配線基板と接続されている。配線基板は制御手段(図示省略)と接続されている。制御手段は、人体がレンズ20の車室側の面における各電極部30に対応する箇所に触れると、その電極部30と人体との間の静電容量の変化を検知して、対応するバルブLをオンオフする。このタッチスイッチによって、各バルブLは、車室内側から個別にオンオフされる。
【0015】
つづいて、レンズ20(
図3,4参照)に各電極部30を形成する方法を説明する。各電極部30は、レンズ20の天井側の面に対して、スプレー、蒸着、スパッタリング等によって透光性の導電性物質を成膜することで形成される。各電極部30を成膜させる際、レンズ20におけるハウジング10の仕切り壁14に対応した位置には適宜の手段で予めマスクキングを施して、電極が形成されないようにしておく。この状態で、導電性物質が例えばスプレー噴射されることで、ハウジング10の仕切り壁14と対応した位置に電極除去部32が配置され、電極除去部32を挟んで各電極部30が形成される(
図3,4参照)。なお、レンズ20の天井側の面全体に電極を成膜し、その後で、ハウジング10の仕切り壁14と対応した位置の電極を例えばレーザーやエッチングによって取ってもよい。
【0016】
本発明では、レンズ20の電極除去部32がハウジング10の仕切り壁14と対応する位置に配置されていることから、車室側からレンズ20を視た際、ハウジング10の仕切り壁14が電極除去部32の背後に位置して電極除去部32が顕わにならない。そのため、レンズの電極除去部32に対して、例えば着色やリブを形成するといった加工処理を施すことなく、この電極除去部32を車室側から視認不能にできる。
【0017】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更できるものである。例えば、車室内照明装置1を、車室の天井面に取付けられたオーバーヘッドコンソールに組付けてもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 車室内照明装置
10 ハウジング
14 仕切り壁
20 レンズ
30 電極部
32 電極除去部
L バルブ(光源)