【実施例】
【0023】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
(グラフェン酸化物コロイド(GOC)の調製)
GOCは、KMnO
4,H
2SO
4およびH
3PO
4を用いる方法により、天然黒鉛(米国ミシガン州からのBay carbon graphiteおよびマダガスカルからのマダガスカル黒鉛)から調製された(ACS Nano 2010;4(8):4806-4814)。濃H
2SO
4(96%、200mL,和光純薬工業)およびH
3PO
4(85%、25mL,和光純薬工業)および黒鉛(5g)がビーカーに添加され、ついでKMnO
4(25g、和光純薬工業)が徐々に添加された。混合物は、35〜40℃に保持され、250rpmで2時間撹拌された。反応後に、蒸留水500mLが混合物に徐々に添加され、ついで10%過酸化水素溶液100mLが添加された。酸化生成物は、1M 塩酸および蒸留水でそれぞれ洗浄され、ついで遠心段階で上清が除去された。酸洗浄処理において、酸化生成物は非常に濃縮され、遠心後に遠心管内で小さな容量を占め、液体残留物は少なく、金属イオン除去は効率的であった。水洗浄処理中、酸化生成物は剥離を開始し、比較的大きな容量を占め、比較的大きな量の液体残留物を保持し、金属イオン除去は比較的効率的ではなくなった。ここでは、分類が必要なとき1回の酸洗浄後のグラフェン酸化物(GO)はGO-I(不純なGO)と名付けられ、一方5回の酸洗浄後はGO-P(非常に純粋なGO)と名付けられる;GO-Pは分類なしで用いられた。酸洗浄後に、GO-IおよびGO-Pはさらに蒸留水で5回洗浄された。
(非常に多孔性の還元されたGOモノリスの調製)
GOモノリスは、他の材料の製造に用いられる一方向凍結乾燥法(Chem.Commun. 2004;874-875)法を用いて、GOCを液体窒素で0℃以下に冷却して製造された。
【0024】
得られたモノリスは、1.5℃/分の速度で300℃まで加熱され、ついで還元されたGO(RGO)モノリスが得られた。不純なグラフェン酸化物からのRGOは、RGO-Iと名付けられ、非常に純粋なグラフェン酸化物からのRGOは、RGO-Pと名付けられる。異なる黒鉛から製造されたGO懸濁液の性質は互いに非常に異なる。酸化処理後、マダガスカル黒鉛からのGOは、水中で容易に剥離して比較的大きな容量のGO懸濁液を形成する。そのうえに、この方法により製造されたGO懸濁液は、非常に粘性があるので、遠心分離後でさえも非常に濃縮されたGO懸濁液を得るのは困難であり;得られたモノリスは比較的低い炭素密度を有し、効率的な賦活処理には不適である。一方、Bay黒鉛から製造されたGO懸濁液は、粘性が小さく、遠心分離後に非常に濃縮された沈殿物を形成した。しかし、このような条件下で製造されたモノリスは、一定の形状を維持するには弱すぎた。この課題を解決するために、マダガスカル黒鉛に対するBay黒鉛の炭素モル比2〜1で、2種類のGO懸濁液の混合物からRGOモノリスを製造した。
【0025】
RGOモノリスは、次のように賦活された。モノリスは、10℃/分の昇温速度で室温から目的温度まで純アルゴン(200ml/分)流通下に加熱された。賦活は、200ml/分の合計流通速度で、アルゴンで希釈された30%CO
2を供給して実施され、賦活時間および温度は変動された。ついで、試料は、室温まで冷却する間、純アルゴンで排気された。塩化亜鉛、リン酸および水酸化カリウムを用いる薬品賦活が1段賦活法により実施された。GOモノリスの調製前に、薬品がGO-P懸濁液と予め混合され、ついで還元されたGOモノリスが、一方向凍結乾燥法を用いて混合物から製造され、上述のように還元されて、製造された。薬品で調製されたGOモノリスは、薬品の添加の際のGOコロイドの凝集のために、凍結乾燥処理後に収縮した。これは、コロイドへの薬品の添加は、反対イオンを有するイオンの吸着によるGOコロイドの有効電荷を除去し、凝集を生じさせるからである。得られたモノリスは、1.5℃/分の昇温速度で室温から300℃に、ついで30℃/分の昇温速度で目的温度に、加熱された。試料は、室温まで冷却される前に1時間、目的温度で保持された。その系は、全プロセスの間、400mL/分のアルゴン流で排気された。生成物は、蒸留水に4時間、浸漬され、ついでそのような洗浄が4回繰り返された。4回目の洗浄後に、上清の電気抵抗は(1.3±0.1)×10
6Ωcmであった。最後に、製品は、120℃で24時間、乾燥された。その賦活されたRGOはA-RGOと名付けられる。
(評価方法)
製造されたままのGOモノリス、300℃(573K)および600℃(873K)で還元されたGOモノリス、およびKOHで賦活されたRGOモノリスのC
1sの電子状態が、X線光電子分光法(XPS:JEOL JPS-9010MX,日本)により試験された;印加電圧および電流は、それぞれ10kVおよび10mAであった。GOモノリスの還元状態が、内部電極距離5cmで2点電極法を用いてモノリスの定性電気抵抗測定(?)により試験された。多孔性分析が、Micromeritics ASAP 2020表面分析計で−196℃における窒素吸着により実施された。試料は、窒素吸着前に200℃で3時間、予備排気された。全表面積および外部表面積が、窒素吸着等温線の高解像α
sプロットを用いて細孔効果減算(SPE)法により測定された。表面積も、BET分析は過大評価された表面積を与えるが。比較のために0.05〜0.30の早退圧範囲でBET法により測定された。直線領域は、微細孔材料においては比較的低い相対圧力に変動することがある。試料のミクロポア容量は、Dubinin-Radushkevich(DR)式により評価され、そしてメソポア容量はDollimore-Heal(DH)法により相対圧力0.95で測定された。
【0026】
いくつかの試料は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM:JEOL,JSM-6330F,日本)および高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM:JEOL,JEM2100,日本)により観察された。
(グラフェン酸化物(GO)モノリス、還元されたグラフェン酸化物(RGO)モノリスおよび賦活されたRGO(A‐RGO)モノリス)
図1(a)は、製造されたままのGOモノリス、(b)および(c)は、それぞれ300℃および600℃で還元されたGOモノリスのC
1sXPSスペクトルを示す。主たるピークは、Shirley法でバックグラウンドを減算した後にVoigt関数を用いて畳み込みを解いて得られる。284.4eVにおけるピークは、GOおよびRGOの二重結合炭素に起因し、「C=C」(図中の1)と名付けられる。285.5eVにおけるピークは、GOおよびRGOの単結合炭素に起因し、「C‐C」(図中の2)と名付けられる。酸素官能基に起因するいくつかの他のピークは、比較的高い結合エネルギー領域で観察される。それらは286.1eVにおけるC-O(図中の3),287.0eVにおけるC=O(図中の4),および289.0eVにおけるCOO(図中の5)である。熱還元処理後に、高い結合エネルギー領域における目立った減少が観察され、酸素官能基が熱処理の際に分解されたことを示す。
【0027】
表1は、異なる温度で処理されたGOおよびRGOにおける各炭素状態の%を示す。300℃で処理されたRGOの表面官能基の量は、600℃で処理されたRGOの表面官能基の量に類似する。300℃での熱処理でさえもGOを十分に還元し得、そしてそれにより300℃での加熱は、すべてのGO試料の還元に使用される。
図1(d)は、後述のとおり、KOH賦活(KOH/C=5,800℃、1時間)から調製された高表面積A-RGOのXPSスペクトルを示す。
【0028】
【表1】
【0029】
還元なしのGOモノリスの電気抵抗は、高抵抗のために測定され得なかった。300℃および600℃で処理されたRGOモノリスの電気抵抗は、それぞれ(1.5±0.3)kΩおよび(1.4±0.3)kΩであった。電気抵抗測定値は、300℃での熱処理がGOを十分に還元し得ることを支持する。このように、低密度グラフェンモノリス試料が得られる;300℃および600℃で処理されたRGOモノリスの見かけ密度は、それぞれ(1.1±0.1)×10
−2g/cm
3および(1.0±0.1)×10
−2g/cm
3であった。
(KOH賦活)
水酸化カリウムによる薬品賦活の機構は、塩化亜鉛またはリン酸と異なる。塩化亜鉛またはリン酸によるセルロース等の脱水効果による多孔性の発達に代えて、水酸化カリウム賦活は、一連のレドックス反応からなり、炭素は、一酸化炭素、二酸化炭素および炭酸塩に酸化され、水酸化カリウムは炭酸カリウムまたは金属カリウムに還元される。多孔性は、黒鉛構造におけるグラフェン層のガス化および分離から進展され得る。したがって、水酸化カリウム賦活は、RGOの賦活にもっと有望なルートであるようにみえる。そこで、賦活温度、炭素に対するKOH量および反応温度が多孔性の発達に大きな効果を有することを試験した。
1.RGOモノリスの賦活時の構造変化
図2(a)〜(d)は、賦活前のRGO試料および異なるKOH/C比で800℃で賦活されたRGOのSEM画像を示す。(a)は賦活前、(b)〜(d)はそれぞれKOH/C=1、3、5の場合を示す。RGOは、多くの折りたたまれたシートからなり、互いに引き離され、多くのマクロポア空間を形成する。シートは一次凝集し、さらに二次凝集して、シート表面はKOH/C=1でのKOH賦活によりもっと折りたたまれる。厚い壁構造がKOH/C=3で観察され得、高度に一次凝集された構造の形成を示す。壁構造の厚さは、KOH/C=5の場合にさらに増大する。生き話されたグラフェンシートから厚い層状構造への形態変化は、KOHでの表面電荷の中和により生じるGO懸濁液の凝集に由来するであろう。一方、高温でのKOH賦活の効果も表面ナノ構造を修飾し得、窒素吸着装置で分析され得る。
2.RGOモノリスの賦活時の多孔性変化
図3(a)は、異なる温度で、KOH/C=1で1時間、KOH賦活されて調製されたRGO-Iについての窒素吸着等温線を示す。窒素吸着等温線は、IUPAC分類によるタイプIVにタイプIをすこし組み合わせたものであり、RGOは少量のメソ多孔性を含み、ほとんどミクロ多孔性がないが、KOH賦活試料へのミクロ多孔性の少しの貢献で、目立ったメソポアの存在を示す。KOH賦活は、全相対圧力範囲で、N
2取り込みの明白な増大を示す。さらに、800℃で調製されたRGOは、700℃および750℃で調製されたものより少し高いN
2取り込みを示す。KOH/C=1の場合において、マクロポアの骨組みはもっと小さく、ランダムに配列された片に壊れ、メソ多孔性の増加をもたらす。KOHと炭素種との間のレドックス反応から製造された金属カリウムは、グラフェン壁の間にインターカレートされ得、ミクロ多孔性の発達がまださほど目立たなくても、グラフェン層の分離、ガス化および分解によるミクロ多孔性の発達の原因となる。
【0030】
図3(b)は、異なる温度で、KOH/C=2で1時間、KOH賦活されて調製されたRGO-IについてのタイプI窒素吸着等温線を示し、KOH/C=1のものとは異なる。これは、ミクロポアはさらに発達するが、メソポアは劣化されることを示す。わずかな吸着増加がすべての吸着等温線でP/P
0=1付近で観察され、それにより、いくつかの広いメソポアおよび/またはマクロポアがこの賦活後にもなお残っている。KOH/C=3で賦活されたRGOの吸着等温線は、
図3(c)に示されるように、低相対圧力範囲でのN
2取り込みの有意の増大を有し、ミクロポアの目立つ発達を示す。緩やかな吸着増加が、0.4までのP/P
0範囲で観察され、それは比較的大きなミクロポアの存在から生じる。その吸着は、P/P
0=5を超えるとほとんど飽和し、広いメソポアおよびマクロポアの消失を示す。他方、ヒステリシスループは、750℃および800℃で賦活されたRGOについて、P/P
0=0.4〜0.6で観察され得、これは小さなメソメソポアの存在から生じる。新たに発達した、小さなメソ多孔性は、グラフェンユニットの分解およびガス化によるミクロポアの連続的増大に起因される。さらに、P/P
0=5であるとき、低相対圧力範囲での最初のN
2取り込みは、P/P
0=3であるときよりも大きく、さらなるミクロ多孔性の発達を示す。700℃で賦活されたRGOについて、P/P
0=0.4で目立った取り込みは観察されず、その構造は主にミクロ多孔性からなる。これに対し、750℃および800℃での賦活は、P/P
0=0.4を超えても目立つヒステリシスループを有して、連続したN
2吸着増加を導き、ミクロポアの連続した増加からメソ多孔性の目立つ発達を示す。その吸着ヒステリシスループは、IUPAC分類によるタイプH2に属する。H2ループは、従来、狭い首部と胴体部を有するポア(「インクビン」ポア)において生じる、凝縮および蒸発プロセスにおける異なる機構により生じたものである。しかし、このモデルは、メソポアのネットワーク効果を無視しており、したがってこれらのRGOが「インクビン」タイプのメソポアを有していると明確には結論できない。
【0031】
図3(d)は、KOH/C=5で1時間、KOH賦活されて調製されたRGO-Iについての窒素吸着等温線を示す。
【0032】
KOHで異なる条件で賦活されたRGOの多孔性パラメータは、表2に示される。
【0033】
【表2】
【0034】
ここで、S
αsおよびS
BETは、それぞれSPEおよびBET表面積を示す;V
DRおよびV
DHは、それぞれDRプロットからのミクロポア容量およびDH法からのメソポア容量を示す。
【0035】
図4(a)〜(d)は、賦活温度およびKOH/Cの関数としての多孔性パラメータを示す。
【0036】
α
sプロットからの表面積は、同一賦活温度において、KOH/C比とともに増加するが、表面積は同一KOH/C比において、賦活温度とともに増加する。KOH/C比2および3で調製された試料間の険しい飛躍は、このKOH/C比の範囲内でのミクロ多孔性の著しい発達を示す。α
sプロットからの外部表面積は、
図4(b)に示される。外部表面積は、同一賦活温度において、低下し、ついでKOH/C比の増加とともに増加する。将来の用途のために、比較的高表面積で比較的低外部表面積を有するグラフェンが好ましいので、
図4(a)および(b)から有望な賦活条件を選定し得る;800℃およびKOH/C比=3での賦活は、たとえば高性能吸着剤の製造に適切であり得る。
図4(c)は、ミクロポア容量の変化を示す。ミクロポア容量は、賦活温度およびKOH/C比とともに増加する;KOH/C比2および3の間に険しい飛躍がある。
図4(d)は、メソポア容量の変動を示す。一般的には、メソ多孔性は、KOH/C比=5で賦活されたRGOを除けばミクロ多孔性と比較して顕著ではない。メソポア容量は、KOH/C比=5で、賦活温度とともに著しく増加する。800℃およびKOH/C比=5で賦活されたRGOは、最大のメソ多孔性およびミクロ多孔性を有し、大きな適用可能性を有する。
【0037】
図5(a)〜(c)は、
図4で最大表面積を有する、800℃およびKOH/C比=5で賦活されたRGOから得られたグラフェンモノリスの高解像度TEM画像および写真を示す。絡み合い、折り重ねられた構造を有する炭素シートの三次元ネットワークが観察され、それはメソ多孔性およびミクロ多孔性の存在の原因となる。炭素シートは、かなり大きなサイズの単層または複層グラフェンシートから主になり、高々数nmの小さな炭素ユニットから主になる、高表面積の従来の活性炭(または活性炭素繊維)とは非常に異なる。本発明のグラフェン系フレームワークは、もっと機械的および化学的に安定であることが期待される。800℃およびKOH/C比=5で賦活されたグラフェンモノリスは、1760m
2/gの表面積を有し、
図5(c)に示されるように、なお自立型の性質を維持する。自立型モノリスは、触媒、電気化学、センサー、エネルギー貯蔵および環境技術のような適用分野に非常に有望である。この態様において、将来、高表面積の強固なグラフェンモノリスを設計する必要がある。この試料の灰分含量は、わずか1.4wt%であり、RGO−Pの1.3wt%に非常に近く、賦活時にグラフェン層内にインターカレートされたKOHは単なる水洗により大部分が除去され得ることを示す。高表面積A−RGOの表面化学分析が、
図1(d)および表1に示される。A−RGOは、600℃で還元されたGOのものと類似する、少量の酸素官能基を有する。高表面積A−RGOモノリスの見かけ密度は、調製および賦活条件に依存して、30〜65mg/cm
3に及ぶ。これらの密度は、前述のように、調製段階におけるモノリスの圧密のために非賦活RGOモノリスの密度より大きい。A−RGOがかなり高い導電性を有することが注目されるべきである(電気抵抗:(1.5±0.3)kΩであり、非賦活RGOモノリスの電気抵抗に近い。このA−RGOモノリスの見かけ密度は、非賦活のものの約3倍である。)。
3.還元されたグラフェン酸化物のKOH賦活モデル
KOH賦活したRGO試料のミクロ多孔性およびメソ多孔性の変化は、RGOの賦活モデルを提案することを可能にする。
図6(a)〜(e)は、細孔発達のモデルを示し、(a)は未賦活、(b)〜(e)はそれぞれKOH/C比=1、2、3および5で、1時間、800℃でKOH賦活された場合である。単層グラフェンが厚さ0.355nmとしてユニットプレートを仮定する。非賦活RGOは、
図6(a)に示されるように、多くの積層グラフェン層を有するランダムに橋架けされた炭素シートからなる。そのようなランダムに橋架けされた炭素シートは、小さな表面積を与えるN
2吸着で分析するには大きすぎる。KOH/C比=1での賦活は、
図6(b)に示されるように、厚い炭素シートをもっと薄くて微細なグラフェン層に分離し、同様にマクロ多孔性フレームワークをもっと小さな隙間に崩壊させ、メソ多孔性の形成をもたらす。炭素シートは、もしいくつかのメソ多孔性の空間がこの賦活条件下に残っていても、
図6(c)に示されるように、KOH/C比=2でもっと少ないグラフェン層を持つはるかに小さい片を分離し始める。分離された薄いグラフェン層は、部分的な相互積層のために非常に多孔質の集まりを形成し得る。主な表面積はグラフェンシートの基面に由来するので、平均グラフェン層数は、表面積からこの段階で6.5と見積もられる。残されたメソ多孔性空間は、
図6(d)に示されるように、KOH/C比=3であるとき、グラフェンの新たに製造された単層および/または数層で満たされる。この場合、表面積は1.6総のグラフェンを与え、このモデル構造を支持する。KOH/C比=5の条件でのKOH賦活は、その数層のグラフェン層を単一層に剥離させる。同時に、ガス化は、
図6(e)に示されるように、非常に薄いグラフェン層の端部から進行してメソポアを形成する。KOH/C比=10条件を用いる、もっと強い賦活は、表2に示されるように、メソ多孔性およびミクロ多孔性の両方を増加させる。このように、この賦活モデルは、多孔性およびTEM観察についての全実験結果を説明し得る。したがって、このモデルは、目標多孔性のための最適賦活処理を設計するのに有用である。このモデルは明確なユニット炭素構造から製造されない、従来の活性炭には適用され得ない。
【0038】
本発明の活性化グラフェンモノリスの製造において、還元されたグラフェン酸化物モノリスの、たとえば特にKOH賦活による多孔性の発達は、次のような賦活スキームに基づくと推測される。
1.比較的薄いグラフェンシートの再構成を伴う、厚いグラフェン層シートの部分的剥離によるメソ多孔性の発達。
2.単一層および/または数層のグラフェンシートで、ボイド空間を埋めることによる著しいミクロ多孔性の発達。
3.グラフェンシートの端部の、さらなる剥離および部分的ガス化のために、メソ多孔性およびミクロ多孔性を持つバイモーダルポア構造のグラフェン系炭素の形成。