許容できる物理化学、安定性、製造可能性、および/または生物学的機能特性を示す、固体形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルを提供すること。
本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)として有用である、新規な結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル、およびその組成物、ならびにその適した調製方法に関する。
2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す、請求項1または2に記載の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル。
2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピーク、ならびに2θ度(±0.2°2θ)で表される、17.1、17.3、および18.5からなる群から選択される1つまたは複数の特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す、請求項3に記載の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル。
2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、17.3、および18.5にある特徴的なピークを有するPXRDパターンを示す、請求項3または4のいずれか一項に記載の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル。
ppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示し、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、17.3、および18.5からなる群から選択される1つまたは複数の特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、かつ/またはcm−1(±2cm−1)で表される、708、1555、および2230からなる群から選択される1つまたは複数の特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す、請求項1または2のいずれか一項に記載の結晶質形態。
無水である、請求項1から8のいずれか一項に記載の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル。
請求項1から9のいずれかに記載の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルと、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物。
その必要のある対象において、アンドロゲン受容体の活性を調節する方法であって、前記アンドロゲン受容体を、有効量の請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物または請求項10から12のいずれか一項に記載の医薬組成物と接触させ、それによって、前記アンドロゲン受容体の活性を調節することを含む方法。
対象において障害または状態を治療する方法であって、前記障害または状態が、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗の中から選択され、前記対象に、有効量の請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物または請求項10から12のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与し、それによって、前記障害または状態を治療することを含む方法。
請求項1から9のいずれか一項に記載の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルの調製方法であって、前記結晶質形態を溶媒から結晶化するステップを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルに関する。
【0018】
本発明によれば、6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルは、その遊離塩基形態である。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、形態(1)である、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルに関する。
【0020】
固体形態、特に結晶質固体形態を分析するのに当業者が使用できる分析方法は、いくつか存在する。本明細書で使用する用語「分析する」とは、固体形態の固体状態構造についての情報を得る意味であると解釈されるものとする。たとえば、異なる結晶質形態は、異なるX線粉末パターンを示すので、X線粉末回折は、非晶質固体形態を結晶質固体形態と区別し、結晶質固体形態を特徴付けし、同定するのに適する、そのような一技術である。X線粉末回折パターンの理論についての論述は、その全体が参照により援用される、Clearfield、Reibenspies、およびBhuvanesh(編)、Principles and Applications of Powder Diffraction:第1版、Wiley,John&Sons,Incorporated(2008)において見ることができる。
【0021】
計器、サンプル、およびサンプル調製の違いにより、分光技術におけるピーク値の軽微なばらつきが生じる場合がある。X線粉末回折パターンにおいて、X線粉末パターンのx軸2θ値の典型的な精度は、プラスマイナス0.2°2θ程度である。そのため、9.2°2θであると報告されたピーク値は、大抵のX線回折計において大抵の条件下で測定したとき、9.0°2θ〜9.4°2θの間のどこに存在してもよいことになる。FT−ラマンスペクトルにおいて、ラマンシフトの典型的な精度は、プラスマイナス2cm
−1程度である。固体NMRにおいて、
13Cピークシフトの典型的な精度は、プラスマイナス0.2ppm程度である。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピーク、ならびに2θ度(±0.2°2θ)で表される、17.1、17.3、および18.5からなる群から選択される1つまたは複数の追加の特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0024】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、および17.1にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0025】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、および17.3にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0026】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、および18.5にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0027】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、および17.3にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0028】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、および18.5にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0029】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.3、および18.5にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、17.3、および18.5にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0031】
本発明のさらに好ましい実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、表1に示すとおりの特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
【0032】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す。
【0033】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、cm
−1(±2cm
−1)で表される、表2に示すとおりの特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す。
【0034】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3および136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0035】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3、136.6、および143.2にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0036】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、ppm(±0.2ppm)で表される、表3に示すとおりの特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0037】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8および10.9にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230からなる群から選択される1つまたは複数の特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す。
【0038】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8および10.9にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す。
【0039】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す。
【0040】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8および10.9にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0041】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0042】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3および136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0043】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0044】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3および136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0045】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3および136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0046】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8および10.9にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターン、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、pm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0047】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8および10.9にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターン、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3および136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0048】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、および15.2にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターン、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、ppm(±0.2ppm)で表される、15.3および136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0049】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8および10.9にある特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230からなる群から選択される1つもしくは複数の特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトル、ならびに/またはppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0050】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、cm
−1(±2cm
−1)で表される、708および2230にある特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示し、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、17.3、および18.5からなる群から選択される1つもしくは複数の特徴的なピークを有するX線粉末回折パターン、ならびに/またはppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示す。
【0051】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、ppm(±0.2ppm)で表される、136.6にある特徴的なピークを有する固体NMRスペクトルを示し、2θ度(±0.2°2θ)で表される、7.8、10.9、15.2、17.1、17.3、および18.5からなる群から選択される1つまたは複数の特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを示し、かつ/またはcm
−1(±2cm
−1)で表される、708、1555、および2230からなる群から選択される1つまたは複数の特徴的なピークを有するFT−ラマンスペクトルを示す。
【0052】
本発明の好ましい実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルは、無水である。
【0053】
本発明の別の実施形態では、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)は、無水である。
【0054】
本明細書で使用するとき、用語「無水」とは、結晶質形態が、結晶化溶媒または水を約5%w/w未満、より好ましくは約1%w/w未満、さらに好ましくは約0.5%w/w未満しか含有しない意味であると解釈されるものとする。別の実施形態では、用語「無水」とは、結晶質形態が、結晶化溶媒または水を約1%w/w未満しか含有しない意味であると解釈されるものとする。
【0055】
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)を含めた、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルは、市販品として入手可能な出発材料、文献で知られている化合物、または容易に調製される中間体から、本明細書で提供する一般反応スキームを、当業者に知られている標準の合成方法および手順と併せて用いることにより調製できる。有機分子の調製ならびに官能基変換および操作のための標準の合成方法および手順は、該当する科学文献から、または当分野の標準教本から、容易に入手することができる。典型的または好ましい工程条件(すなわち、反応温度、時間、モル比、または反応物、溶媒、圧力など)が述べられている場合では、別段記載しない限り、当業者が、それらに代えて代替工程条件を用いてもよいことは理解されよう。最適な反応条件は、特定の反応物または使用する溶媒によって様々となりうる。当業者なら、本明細書に記載の化合物の生成を最適化する目的で、示した合成ステップの性質および順序を変更してよいことは承知されよう。
【0056】
本明細書で提供する一般反応スキームでは、6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(式I)の調製を例示する。
【0058】
出発材料の臭化物を、Pd触媒によるカップリング条件などのカップリング条件下で、アミノアルコールIIと結合させる。化合物IIIのヒドロキシル基を、塩基の存在下、他の方法の中でもメシレート生成によって脱離基として活性化させて、化合物IVを生じさせる。化合物IVを試薬Vで処理すると、Boc保護された中間体VIが生じる。Boc基の脱保護の後、中間体NH化合物をアルキル化またはアシル化すると、式Iの化合物を生成する合成が完了する。
【0059】
形態(1)を含めた、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルは、次いで、式Iの化合物を、溶媒、好ましくはアセトンを含む溶媒から、または代替実施形態では、アセトンと水を含む溶媒から結晶化することにより調製できる。一実施形態では、溶媒は、アセトンである。別の実施形態では、溶媒は、アセトンと水である。このように調製された結晶質形態は、好ましくは真空下でさらに乾燥させて、無水形態にすることができる。
【0060】
したがって、本発明はまた、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルの調製方法であって、6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルを溶媒から結晶化するステップを含み、溶媒は、アセトンを含むことが好ましい、調製方法に関する。代替実施形態では、溶媒は、アセトンと水を含む。
【0061】
したがって、本発明はまた、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)の調製方法であって、6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルを溶媒から結晶化するステップを含み、溶媒は、アセトンを含むことが好ましい、調製方法に関する。代替実施形態では、溶媒は、アセトンと水を含む。
【0062】
本発明はまた、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルと、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物、ならびにこのような医薬組成物の調製方法に関する。
【0063】
別の実施形態では、本発明はまた、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物、ならびにこのような医薬組成物の調製方法に関する。
【0064】
本明細書で使用するとき、用語「添加剤」とは、医薬組成物中の、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル以外の任意の成分を意味すると解釈される。添加剤の選択は、特定の投与モード、添加剤が溶解度および安定性に与える効果、剤形の性質などの要素によるところが大きく、こうした要素は、当業者によく知られている。用語「添加剤」は、賦形剤、担体、または佐剤を包含する。
【0065】
結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルの送達に適する医薬組成物、およびその調製方法は、当業者が容易に決定することができる。このような組成物および調製方法は、たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版(Mack Publishing Company、1995)において見ることができる。
【0066】
本発明の好ましい医薬組成物は、経口の投与に適するものである。経口投与は、薬学的活性成分が胃腸管に入るように嚥下を含んでもよく、または別法として、経口投与は、薬学的活性成分が直接口から血流に入る頬側または舌下投与を含んでもよい。経口投与に適する製剤には、固体製剤、たとえば、錠剤;微粒子、液体、または粉末を含有するカプセル剤;口中錠(液体充填型を含める)、咀嚼剤、マルチおよびナノ微粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム、オビュール、スプレー、ならびに液体製剤が含まれる。
【0067】
経口投与に適する錠剤製剤は、通常、用量に応じて、剤形の約0.1%w/w〜約80%w/w、より典型的には5%w/w〜約60%w/wの活性医薬成分を含む。当業者なら、経口投与用の錠剤に含めるのに適する活性医薬成分のレベルを決定するときに考慮に入れる要素の1つが、患者への十分な投薬を確実にするのに必要な要素であることは理解されよう。たとえば、効力のあるまたは効力の強い活性成分を扱うとき、経口投与に適する錠剤製剤は、少なめの量の活性医薬成分、たとえば、約0.1%w/w〜約20%w/wの活性医薬成分を含んでよい。
【0068】
経口投与に適する錠剤は、活性医薬成分に加えて、次の添加剤の1種または複数も含む。錠剤は、一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、約1%w/w〜約25%w/wを占める。本発明の一実施形態では、崩壊剤は、剤形の約5%w/w〜約20%w/wを占める。結合剤は、一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を付与するのに使用される。適切な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、賦形剤、たとえば、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、リン酸水素カルシウム二水和物も含有してよい。錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの流動促進剤も、場合により含んでよい。存在するとき、界面活性剤は、錠剤の約0.2%w/w〜約5%w/wを占めてよく、流動促進剤は、錠剤の約0.2%w/w〜約1%w/wを占めてよい。錠剤は、一般に、滑沢剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物も含有する。滑沢剤は、一般に、約0.25%w/w〜約10%w/wを占める。本発明の一実施形態では、滑沢剤は、錠剤の約0.5%w/w〜約3%w/wを占める。考えられる他の成分としては、酸化防止剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が挙げられる。
【0069】
たとえば、例示的な錠剤製剤は、約80%w/wまでの活性医薬成分、約0%w/w〜約90%w/wの結合剤、約0%w/w〜約95%w/wの賦形剤、約1%w/w〜約25%w/wの崩壊剤、および約0.25%w/w〜約10%w/wの滑沢剤を含む。
【0070】
錠剤ブレンドは、直接またはローラーによって圧縮して、錠剤にすることができる。別法として、錠剤ブレンド、またはブレンドの諸部分を、湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固、または押出にかけてから、打錠してもよい。最終的な製剤は、1つまたは複数の層を含んでもよく、コーティングされていてもされていなくてもよく、カプセルに入れられていてさえよい。錠剤の製剤については、H.LiebermanおよびL.LachmanによるPharmaceutical dosage forms:Tablets、第1巻(Marcel Dekker、ニューヨーク、1980)で論述されている。
【0071】
本発明の医薬組成物を調製するとき、結晶質活性医薬成分の体積平均粒子径および/または粒度分布を調整して、その物理化学的性質、または安定性、製造可能性、および/もしくは生物学的機能などの他の性質をさらに最適化することが必要な場合もある。たとえば、ある場合では、粒径を小さくして、溶解速度を増大させることが所望されるかもしれない。粒径の縮小は、時に、活性医薬成分の配合が非常に少ない製剤について、中身の均一性を確実にするのにも使用される。本発明では、活性医薬成分の結晶質形態は、標準技術を使用する乾式分散でのレーザー回折法によって測定したとき、体積平均径が50μm以下であり、またサンプル体積粒子の95%が130μm以下の直径を有するような粒度分布を有することが好ましい。
【0072】
経口投与に適する製剤には、LangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載されているものなどの急速溶解または急速崩壊型用量形態も含まれる。
【0073】
経口投与用の固体製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤してもよい。変更型の放出には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム放出が含まれる。本発明の目的に適する変更放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液、ならびに浸透性粒子、およびコーティング粒子などの、適切な他の放出技術の細目は、VermaらによるPharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001)に見られる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO−A−00/35298に記載されている。
【0074】
経口投与に適する本発明の他の医薬組成物として、可食経口フィルムが挙げられる。これらは通常、急速溶解性でも粘膜付着性でよい、水溶性または水膨潤性の柔軟性薄フィルム剤形であり、通常は、皮膜形成ポリマー、結合剤、溶媒、保水剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度変性剤、および溶媒を含む。製剤の一部の構成要素は、2つ以上の機能を果たすこともある。皮膜形成ポリマーは、天然多糖、タンパク質、または合成親水コロイドから選択することができ、組成物中に含めるとき、皮膜形成ポリマーは通常、約0.01%w/w〜約99%w/wの範囲、より典型的には約30%w/w〜約80%w/wの範囲で存在する。考えられる他の成分としては、酸化防止剤、着色剤、着香剤および風味剤、保存剤、唾液腺刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含める)、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、および矯味剤が挙げられる。本発明によるフィルムは通常、裏当ての可剥性支持体または紙に塗布された水性薄フィルムを蒸発乾燥して調製される。これは、乾燥オーブンもしくはトンネル、通常は複合塗工乾燥機において、または凍結乾燥もしくは減圧処理によって行うことができる。
【0075】
本発明の適切な他の医薬組成物には、液体製剤も含まれる。液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。このような製剤は、軟もしくは硬カプセル中に充填剤として用いることができ、通常は、担体、たとえば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、固体を、たとえばサシェ剤から復元させることにより調製してもよい。
【0076】
本発明の医薬組成物は、活性薬が直接血流中、筋肉中、または内臓に投与されるように適合させてもよい。このような非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下投与が含まれる。非経口投与に適するデバイスとしては、針(微細針を含める)注射器、無針注射器、および注入技術が上げられる。適切な医薬組成物には、皮膚もしくは粘膜に、すなわち、皮膚上に、または経皮的に局所投与するためのものも含まれる。
【0077】
本発明の適切なさらに別の医薬組成物は、通常は、(単独、またはたとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用し、もしくは使用せずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーから、エアロゾルスプレーとして、または点鼻薬として、鼻腔内投与または吸入に適合させたものである。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、薬学的活性成分の溶液または懸濁液を含有し、その溶液または懸濁液はまた、たとえば、エタノール、エタノール水溶液、または化合物を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を延長するのに適する別の薬剤と、溶媒としての噴射剤と、任意の界面活性剤、たとえば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、オリゴ乳酸などを含む。乾燥粉末または懸濁液製剤中に使用する前に、薬物製品は、吸入による送達に適する大きさ(通常は5μm未満)に微粒子化される。これは、スパイラルジェット微粉砕、流動床ジェット微粉砕、ナノ粒子を生成する超臨界流体処理、高圧均質化、または噴霧乾燥などの、適切などんな微粉砕法によって実現してもよい。吸入器または注入器に入れて使用されるカプセル(たとえば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製のもの)、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物と、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤と、l−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤とからなる、粉末ミックスを含有するように製剤することができる。ラクトースは、無水でも、または一水和物の形でもよく、後者が好ましい。適切な他の添加剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられる。鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを使用して、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤してもよい。変更型の放出には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0078】
本発明の医薬組成物には、通常は、pH調整された等張性滅菌食塩水中の微粒子化懸濁液または溶液である滴剤の形で、直接眼または耳に投与されるように製剤されたものも含まれる。
【0079】
本発明の医薬組成物は、場合により着香剤を含む。適切な、メントールやレボメントールなどの着香剤、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの甘味剤を加えてよい。
【0080】
本発明の医薬組成物は、前述の投与方式のいずれかを使用するとき、活性成分の溶解度、溶解速度、味、生物学的利用能、および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性巨大分子実体も、場合により含む。たとえば、薬物−シクロデキストリン錯体は、大半の剤形および投与経路に一般に有用であることがわかっている。包接および非包接のどちらの錯体も使用してよい。薬物との直接の錯化に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助添加剤として、すなわち、担体、賦形剤、または可溶化剤として使用してもよい。こうした目的のために最もよく使用されるのは、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許公開WO−A−91/11172、WO−A−94/02518、およびWO−A−98/55148において見ることができる。
【0081】
本発明の好ましい医薬組成物は、経口投与に適するものである。本発明の医薬組成物は、経口投与に適し、錠剤またはカプセル剤の形態であることがより好ましい。
【0082】
別の態様では、本発明は、その必要のある対象において、アンドロゲン受容体の活性を調節する方法であって、前記アンドロゲン受容体を、有効量の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物と接触させ、それによって、前記アンドロゲン受容体の活性を調節することを含む方法に関する。
【0083】
別の態様では、本発明は、その必要のある対象において、アンドロゲン受容体の活性を調節する方法であって、前記アンドロゲン受容体を、有効量の結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物と接触させ、それによって、前記アンドロゲン受容体の活性を調節することを含む方法に関する。
【0084】
本発明はまた、対象において、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態を治療する方法であって、対象に、治療有効量の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
【0085】
本発明はまた、対象において、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態を治療する方法であって、対象に、治療有効量の結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
【0086】
さらに別の態様では、本発明は、対象において障害または状態を治療する方法であって、障害または状態は、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗の中から選択され、前記対象に、有効量の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物を投与し、それによって、前記障害または状態を治療することを含む方法に関する。
【0087】
さらに別の態様では、本発明は、対象において障害または状態を治療する方法であって、障害または状態は、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗の中から選択され、前記対象に、有効量の結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物を投与し、それによって、前記障害または状態を治療することを含む方法に関する。
【0088】
本発明はまた、医薬として使用するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物に関する。
【0089】
本発明はまた、医薬として使用するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物に関する。
【0090】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態の治療において使用するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物に関する。
【0091】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態医薬の治療において使用するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物に関する。
【0092】
本発明はまた、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗からなる群から選択される障害または状態の治療において使用するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物に関する。
【0093】
本発明はまた、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗からなる群から選択される障害または状態の治療において使用するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物に関する。
【0094】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態を治療する医薬を製造するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物の使用に関する。
【0095】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態を治療する医薬を製造するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物の使用に関する。
【0096】
本発明はまた、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗からなる群から選択される障害または状態の治療のための医薬を製造するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物の使用に関する。
【0097】
本発明はまた、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗からなる群から選択される障害または状態の治療のための医薬を製造するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)またはその医薬組成物の使用に関する。
【0098】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態を治療するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルを含む医薬組成物に関する。
【0099】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の調節不全に関連する障害または状態を治療するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)を含む医薬組成物に関する。
【0100】
本発明はまた、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗からなる群から選択される障害または状態を治療するための、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルを含む医薬組成物に関する。
【0101】
本発明はまた、貧血、食欲不振、関節炎、骨疾患、筋骨格機能障害、悪液質、虚弱、高齢者における加齢関連機能低下、成長ホルモン欠乏症、造血障害、ホルモン補充、性腺機能低下症、筋力および/または筋機能の低下、筋ジストロフィー、手術後の筋肉量減少、筋萎縮症、神経変性疾患、神経筋疾患、肥満、骨粗鬆症、慢性閉塞性肺疾患におけるサルコペニアを含めたサルコペニア、ならびに筋肉の消耗からなる群から選択される障害または状態を治療するための、結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)を含む医薬組成物に関する。
【0102】
本明細書で使用するとき、用語「治療有効」とは、化合物または医薬組成物の量、または併用療法の場合における活性成分の合算量を修飾するものである。この量または合算量によって、当該状態を治療するという目標が実現される。
【0103】
本明細書で使用するとき、用語「治療する」、「治療」、または「治療すること」とは、化合物、医薬組成物、または組合せの投与によって、予防的、対症的、支持的、回復推進的、または治癒的治療がなされることを意味すると解釈されるものとする。用語「治療」は、当該状態または疾患を有する対象における客観的または主観的ないかなる改善も包含する。
【0104】
本明細書で使用するとき、用語「予防的治療」とは、化合物、医薬組成物、または組合せを対象に投与して、対象において、特に、当該状態の素因が有意にある対象または集団の一員において、当該状態が生じるのを抑制または阻止することを意味すると解釈されるものとする。
【0105】
ヒト患者への投与について、結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルの合計日用量は、当然のことながら、投与方式、および、当業者にはよく知られ、標準の方法を使用して容易に決定することのできる他のパラメーターに応じて、通常は約0.01mg〜約500mgの範囲である。本発明の別の実施形態では、合計日用量は、約0.1mg〜約300mgの範囲である。合計日用量は、単一または分割の用量で投与することができ、医師の裁量で、本明細書に示す典型的な範囲を逸脱してもよい。こうした投与量は、体重が約65kg〜約70kgである平均的なヒト対象に基づく。医師は、乳幼児や高齢者などの、体重がこの範囲外にある対象のための用量を、容易に決定することができる。
【0106】
本発明の結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物は、第2の活性成分と組み合わせて投与してもよい。本明細書で使用するとき、用語「共投与」、「共投与される」、および「組み合わせて」とは、本発明の結晶性化合物と他の1種または複数の治療薬の組合せに関して、以下のものを包含する。
a. 治療を必要とする患者への、本発明の化合物と別の治療薬のこうした組合せの、同時投与(このとき、このような構成要素は、前記構成要素を前記患者に対して実質的に同時に放出する単一剤形に一緒に製剤される)、
b. 治療を必要とする患者への、本発明の化合物と別の治療薬のこうした組合せの、実質的同時投与(このとき、このような構成要素は、互いに別に製剤されて別個の剤形になり、剤形は、前記患者によって実質的に同時に服用され、その後、前記構成要素は、前記患者に対して実質的に同時に放出される)、
c. 治療を必要とする患者への、本発明の化合物と別の治療薬のこうした組合せの、順次投与(このとき、このような構成要素は、互いに別に製剤されて別個の剤形になり、剤形は、前記患者によって、各投与間に有意な時間間隔を挟んで連続して服用され、その後、前記構成要素は、前記患者に対して実質的に異なる時期に放出される)、および
d. 治療を必要とする患者への、本発明の化合物と別の治療薬のこうした組合せの、順次投与(このとき、このような構成要素は、前記構成要素を制御された要領で放出する単一剤形に一緒に製剤される)。
【0107】
たとえば、特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本発明の結晶性化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてもよいことは、本発明の範囲内である。したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本発明の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルを含む2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分注ボトル、ホイル分包などの、前記組成物を別々に保持する手段とを含む。このようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される、よく知られたブリスターパックである。このようなキットは、たとえば経口と非経口の、異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投薬間隔で投与する、または別個の組成物の量を互いに対して用量調整(titrate)するのに特に適する。服薬遵守を援助するために、キットは、投与についての説明書を通常は含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供してもよい。
【0108】
本発明の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物は、動物用医薬の分野においても有用となりうる。上文でヒト対象について述べた投薬量および剤形は、獣医学分野の技術者によく知られているとおりに調整して、動物の様々な大きさに合わせることができる。別の態様では、本発明は、屠体組成に影響を及ぼす、除脂肪量を増加させる、体脂肪量を減少させる、体脂肪パーセントを低減する、除脂肪:脂肪を増大させる、平均1日増体量(ADG)を増加させる、または動物の飼料対増体比(F:G)を低減する、または動物における飼料効率を上げる方法であって、動物に、有効量の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物を投与することを含む方法も提供する。好ましい実施形態では、動物は、ウシまたはブタである。表現「除脂肪量を増加させる」とは、一般に、動物において筋肉を増加させることを指し、多くの場合、これが、ヒトの食物消費にとってより望ましい屠体と考えられる。「体脂肪量を減少させる」および「体脂肪パーセントを低減する」とは、動物における脂肪産生の減少を指す。たとえば「除脂肪:脂肪を増大させる」にあるような表現「除脂肪:脂肪」とは、一般に、動物の除脂肪量の動物の脂肪量に対する比を指す。動物において除脂肪:脂肪が増大すると、多くの場合、ヒトの食物消費にとってより望ましい屠体が生産されると考えられる。表現「F:G」とは、動物への飼料投入量の、動物の体重増加(生産量)に対する比を指す。F:Gの低減によって、経済の観点からの生産性が向上する。このような獣医学的用途に使用することのできる、剤形、活性成分の有効量、および適切な組成物は、当業者の知るところとなる。
【0109】
本発明の結晶質形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルまたはその医薬組成物は、獣医学分野で知られている他の活性医薬成分とも有益に組み合わせることができる。そのような組合せは、本発明の化合物を、1つの剤形または単位で、本明細書に記載のとおりに動物に投与し、第2の活性医薬成分を、別個の剤形または単位で、別途動物に投与することにより実現できる。動物への別個の2種の剤形の投与は、同時にしても、または任意の順序にしてもよい。別の実施形態では、本発明の化合物と第2の医薬成分(または追加医薬成分)を、同じ剤形中に一緒に組み合わせ、一緒に動物に投与する。獣医学用途のために本発明の結晶性化合物とともに適切に投与できる化合物の例としては、βアドレナリン作動薬もしくはβアドレナリンモジュレーター、抗生物質、またはステロイド剤が挙げられる。
【0110】
本明細書で引用したすべての公表(受入番号、ウェブサイトなどを含める)、特許、および特許出願は、個々に示されているのと同様に、すべての目的でその全体が参照により本明細書に援用される。
【実施例】
【0111】
以下の非限定的な実施例によって、本発明をさらに例示する。
【0112】
別段記載しない限り、出発材料および試薬はすべて、市販品として入手可能である。
【0113】
粉末X線回折
粉末X線回折分析は、Cu放射線源(Kα平均)を備えたBruker AXS D8 ADVANCE回折計を使用して行った。システムは、一次側にGobel Mirrorおよび2.5軸ソーラースリットを備える。二次側には、2.5軸ソーラースリットおよび電動式スリットを利用する。回折した放射線は、Lynx Eye XE検出器によって検出した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データは、CuKα(平均)波長源を用いたθ−2θ配置において、周囲温度で、0.03度のステップサイズおよび1.0秒のステップ時間を使用しながら3.0〜40.0度2θを走査して収集した。サンプルを低バックグラウンドケイ素ホルダーに入れて準備し、収集する間回転させた。Bruker DIFFRAC Plusソフトウェア(バージョン2.0)を使用してデータを収集し、EVA diffract plusソフトウェア(バージョン3.1)によって分析を行った。
【0114】
PXRDデータファイルは、ピーク探索の前に処理しなかった。EVA diffract plusソフトウェア(バージョン3.1)においてピーク探索アルゴリズムを使用して、閾値を1としてピークを選択し、0.3の幅値を使用して、予備的なピーク割当てを行った。当業者の日常業務に従い、自動化された割当ての出力を視覚的に確認して妥当性を確実なものとし、必要なら手作業で調整を行った。一般に、相対強度が10%以上であるピークを選択した。分割されなかった、またはノイズと一致したピークも切り捨てた。PXRDからの、ピーク位置と関連する典型的な誤差は、+/−0.2°2θである。
【0115】
本明細書で使用するとき、用語「PXRD」および「X線粉末回折パターン」は、用語「粉末X線回折パターン」と交換可能であり、同義であるとみなされる。
【0116】
フーリエ変換ラマン(FT−ラマン)
FT−ラマンスペクトル分析は、FT−IRベンチに取り付けたNicolet NXR FT−Raman補機を使用して行った。分光計に、1064nm Nd:YVO
4レーザー、および液体窒素冷却されたゲルマニウム検出器を備え付けた。データ取得の前に、ポリスチレンを使用して、計器性能および校正の検証を行った。サンプルは、スペクトル収集の間スピンにかけられるガラスNMR管において分析した。スペクトルは、0.5Wのレーザー出力および512回の同時走査(co−added scan)を使用して収集した。収集範囲は、3700〜50cm
−1とした。2cm
−1の分解能を使用してAPIスペクトルを記録し、スペクトルすべてにHapp−Genzelアポダイゼーションを利用した。FT−ラマンピークシフトと関連する典型的な誤差は、±2cm
−1である。FT−ラマンと分散ラマンスペクトル技術は似通っているために、FT−ラマン分光法を使用して得た、本明細書で報告するピーク位置は、適切な計器校正を前提として、分散ラマン分光法を使用して観察されるものと一致する見込みがあるであろうと予想される。
【0117】
固体NMR
固体NMR(ssNMR)スペクトル分析は、Varian VNMR 400MHz(1H周波数)NMR分光計の中に配置されたVarian 4mm CPMASプローブにおいて、25℃で行った。サンプルをローターに詰め、ローターをマジック角方向に向け、8.0kHzでスピンにかけた。炭素ssNMRスペクトルは、TOSS(スピニングサイドバンドの完全抑制)スピニングサイドバンド抑制を用いたプロトン脱結合交差分極マジック角スピニング(CPMAS)実験を使用して収集した。交差分極接触時間を3msに、リサイクル遅延(recycle delay)を30秒に設定した。炭素スペクトルは、結晶性アダマンタンの外部標準を、その低磁場共鳴を(無希釈TMSから求められる)38.5ppmに設定して使用して、参考とした。
【0118】
ssNMRデータファイルは、ピーク探索の前に処理した。Bruker−BioSpin TopSpinソフトウェア(バージョン3.1)を使用して、自動ピーク取得を実施した。一般に、ピーク選択には、5%相対強度の閾値を使用した。ssNMRの
13C化学シフト(ppm)x軸値と関連する典型的な誤差は、±0.2ppmである。
【0119】
DSC
DSC測定は、冷却された冷却用付属品を備えたDiscovery DSC(TA instruments)で実施した。およそ2〜5mgの固体サンプルを秤量して標準/Tzeroアルミニウム受皿に入れ、非密閉式にシールした。継続的に乾燥窒素パージを行いながら(50mL/分)、サンプルをセルに入れ、25℃から、10℃/分の加熱速度で250℃に加熱した。セル定数は、インジウムを使用してを求め、温度校正は、インジウムおよびスズを標準物質として使用して行った。実験データは、市販品として入手可能なソフトウェア(TA Universal Analysis 2000/Triosソフトウェア、TA Instruments)を使用して分析した。
【0120】
(実施例1)
【0121】
【化3】
手順:
機械式撹拌機、還流冷却器、および加熱マントル付き熱電対を備えた2Lの3口丸底フラスコに、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)(10mL/g、8.15モル、817mL、702g)に続いて、ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)(0.04当量(モル)、14.0mmol、8.74g)およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(Pd
2(dba)
3)(0.04当量(モル)、14.0mmol、8.07g)を入れた。混合物を、真空吸引および窒素再充填によって3回脱気し、次いで15分間75℃に加熱し、周囲温度に冷却した。別のフラスコにおいて、(S)−3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール(1.60当量、561mmol、50.0g、たとえば、1983年9月21日公開のEP−A−0,089,139で開示されているような文献の方法を使用して調製したもの)を2−メチルテトラヒドロフラン(5mL/g、4.08モル、409mL、351g)に溶解させ、真空吸引および窒素再充填によって3回脱気した。触媒を含有するポットに、6−(ブロモイソキノリン−1−カルボニトリル)(1.00当量、351mmol、81.75g)および炭酸セシウム(1.6当量(モル)、561mmol、185g)を1回で加えた後、アミノアルコールの溶液を添加漏斗で加えた。反応混合物を、真空吸引および窒素再充填によって再び3回脱気した。反応液を3時間70℃に加熱した。反応液を周囲温度に冷却し、Celiteパッドで濾過した。フラスコの中身を100mLずつの3回分の2−メチルテトラヒドロフランですすぎ落とした。濾液を、窒素中にて、熱電対および機械式撹拌機を備えた2Lの丸底フラスコに移した。シリカゲル(Silicylate SiliaMet(登録商標)Thiol)(0.4g/g−pure−LR、544mmol、32.7g)を装入し、フラスコを40℃で終夜撹拌した。翌朝、反応液を30℃より低く冷却し、Celiteで再び濾過した。パッドを100mL(または濾液に黄色が残らなくなるまで)の2−メチルテトラヒドロフランで洗浄した。濾液を、磁気撹拌子、蒸留ヘッド(冷却器および受フラスコ付き)、および熱電対を備えた3Lの丸底フラスコに入れた。混合物を60℃に加熱し、真空下(約450〜500mbar)に置いて、合計1.3Lの2−メチルテトラヒドロフランを留去した。500mLのトルエンを加えて、所望の生成物を沈殿させた。加熱マントルを取り外し、反応液が周囲温度になるようにした。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで、真空濾過によって、焼結ガラス漏斗上に固体を収集した。ケークを、真空下にて漏斗上で終夜乾燥させた。翌朝、固体を琥珀色のボトルに移し、秤量した(71.9g、298mmol)。生成物は、それ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0122】
(実施例2)
【0123】
【化4】
手順:
温度プローブおよびオーバーヘッドスターラーを備えた1Lの反応器に、実施例1の生成物(20.0g、1.00当量、82.9mmol)および2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)(30mL/g−pure−LR、5.98モル、600mL、515g)を加えた。反応混合物を緩やかに40℃に温めて、部分的な溶解性を実現した。反応液を0℃に冷却した。反応液が0℃に達したなら、塩化メタンスルホニル(MsCl)(1.4当量(モル)、116mmol、8.98mL、13.3g)を1回で加えた後、直ちにトリエチルアミン(TEA)(1.4当量(モル)、116mmol、16.2mL、11.7g)を、シリンジで15分かけて滴下した。反応混合物を0℃で30分間さらに撹拌し、次いで60分間23℃に温めた。次いで、生成物(26.47g、1.00当量、82.88mmol、26.47g、100%想定収率)を精製せずにスルホニル化反応に使用した。
【0124】
(実施例3)
【0125】
【化5】
手順:
0℃のt−ブチルアルコール(t−BuOH)(1当量(モル)、116mmol、11.0mL、8.60g)の2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)(1M、1.16モル、116mL、99.6g)溶液に、クロロスルホニルイソシアネート(116mmol、1.00当量、10.1mL、16.4g)を滴下した。均質な溶液を周囲温度で30分間撹拌し、次いでそのままスルホニル化反応において使用した。
【0126】
(実施例4)
【0127】
【化6】
スルホニル化反応手順:
予め調製された、実施例3の生成物(1.4当量(モル)、116mmol、116g)の2−メチルテトラヒドロフラン溶液を、実施例2の生成物(1.00当量、82.89mmol、26.5g)の懸濁液に0℃で加えた。混合物を30分かけて周囲温度に温めた。HPLC分析によって、反応が完了したことが明らかになった。10%炭酸ナトリウム溶液(2当量(モル)、165mmol、101mL、117g)および(塩を溶解させるための)水(5L/kg、7.35モル、132mL、132g)で反応を失活させた。頂部の有機層を除去し、フィルターの炭素充填物(Darco G60)(0.5g/g)に通した。色調の有意な改善(暗橙色から黄色)が認められた。溶液を合計10体積に濃縮し、精製せずに次のステップで使用した。
【0128】
(実施例5)
【0129】
【化7】
手順:
実施例4の生成物(1.00当量、82.9mmol、41.3g)の2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)(10mL/g、4.12モル、413mL、355g)溶液を、オーバーヘッドスターラーおよび温度プローブを備えた1Lの反応器に入れた。次に、炭酸カリウム(K
2CO
3)(325メッシュ)(6当量(モル)、497mmol、69.4g)および水(0.0L/100−g−bulk−LR、459mmol、8.26mL、8.26g)を加え、混合物を40℃(ジャケット温度)に加熱し、終夜撹拌した。反応液を周囲温度に冷却し、水(4L/kg−pure−LR、9.17モル、165mL、165g)を加えた。二相性反応液を23℃で1時間撹拌した。水層を抽出し、除去した。有機層を、使い捨てフィルター中の炭素充填物(Darco G60)(0.5g/g−pure−LR、20.7g)に通した。2−メチルテトラヒドロフラン溶液を、絶え間ない除去および補充蒸留によって、トルエンの10体積溶液に切り替えて、2−メチルテトラヒドロフランを1%以下とした。反応生成物(1.00当量、82.9mmol、33.4g、100%想定収率)のトルエン溶液を、それ以上精製せずにそのまま次のステップで使用した。
【0130】
(実施例6)
【0131】
【化8】
手順:
窒素中にあり、オーバーヘッドスターラーおよび温度プローブを備えた1Lの反応器に、トルエン(10mL/g−pure−LR、3.00モル、317mL、276g)溶液としての実施例5の生成物(1.00当量、78.7mmol、33.4g)を加えた。次に、反応液に、内部温度を30℃未満に保ちながら、トリフルオロ酢酸(TFA)(10当量(モル)、787mmol、59.5mL、89.8g)を1時間かけて加えた。暗赤色の混合物を1時間撹拌した。炭酸ナトリウム(5当量(モル)、394mmol、240mL、278g)を加えて、23℃で反応を失活させた。1時間かけて反応をゆっくりと失活させて、生成物のTFA塩を生成した。装入が完了したなら、混合物を0℃に冷却し、1時間待ち、濾過した。翌朝、固体生成物(その遊離塩基形態の6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル)を秤量し(0.89当量、70.0mmol、21.2g、収率89.0%)、それ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0132】
(実施例7)
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル遊離塩基(形態(1))は、次のとおりに調製した。
【0133】
1Lの3口丸底フラスコに、6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル遊離塩基(1.00当量、70.0mmol、21.2g)、磁気撹拌子、およびアセトン(40mL/g、11.5モル、847mL、669g)を加えた。混合物を加熱還流(およそ57℃)し、1時間撹拌した。混合物を常圧蒸留(65℃に設定した加熱マントル)によって濃縮し、40mLのアセトンをメスシリンダーに集めた。次に、水(25mL/g、29.4モル、530mL、530g)を1時間かけて装入した。混合物を周囲温度で60分間撹拌した後、1℃/分で1時間かけて0℃に冷却した。使い捨て漏斗における濾過によって固体を収集した。結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1)、0.88当量、61.9mmol、18.7g、収率88.3%)を、真空下にて40℃で終夜乾燥させた。結晶化後の典型的な純度は、98%である。
【0134】
(実施例8)
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリルの粉末X線回折パターンを、Cu放射線源を備えたBruker AXS D8 ADVANCE回折計を使用して収集し、次いで上述のとおりに処理した。結果は、
図1に示し、以下の表1に要約する。
【0135】
【表1】
【0136】
(実施例9)
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1))のラマンスペクトルを、上述の実験細目およびデータ処理細目に従い、1064nm Nd:YVO
4レーザーと液体窒素冷却されたゲルマニウム検出器とを備えた、FT−IRベンチに取り付けられたNicolet NXR FT−Raman補機を使用して収集した。結果は、
図2に示し、以下の表2に要約する。
【0137】
【表2】
【0138】
(実施例10)
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1))の固体NMR(ssNMR)スペクトルを、上述の実験細目およびデータ処理細目に従い、Varian VNMR 400MHz(1H周波数)NMR分光計に配置されたVarian 4mm CPMASプローブを使用して、25℃で収集した。結果は、
図3に示し、以下の表3に要約する。
【0139】
【表3】
【0140】
(実施例11)
即時放出錠剤
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1))を含む即時放出錠製剤は、示すとおりに調製することができる。錠剤は、異なる3段階の強さの活性成分(A)を使用して調製することができる。
【0141】
【表4】
【0142】
錠剤製剤は、直接圧縮または湿式もしくは乾式造粒工程を使用して調製することができる。別法として、この製剤を、ハードシェルカプセルまたは他の剤形への充填に使用してもよい。
【0143】
この場合では、錠剤の製造に直接圧縮を使用することができ、ブレンドの調製に、標準のブレンド−微粉砕−ブレンド工程を使用することができる。たとえば、最初に、ステアリン酸マグネシウムを除く成分すべてが、収容器に加えられる。次いで、材料は、十分にブレンドされるまで混合される。次いで、材料は、微粉砕機に通される。次いで、材料は、十分にブレンドされるまで、再び混合される。次いで、混合物にステアリン酸マグネシウムが加えられ、再び混合される。最後に、得られる混合物が、次いで錠剤に圧縮される。
【0144】
(実施例12)
即時放出錠製剤
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1))を含む即時放出錠製剤は、示すとおりに調製することができる。錠剤は、異なる3段階の強さの活性成分(A)を使用して調製することができる。
【0145】
【表5】
【0146】
示した成分を含有する錠剤は、実施例11に記載の直接圧縮法によって調製することができる。別法として、この製剤は、ハードシェルカプセルへの充填に使用してもよく、または湿式もしくは乾式造粒工程を使用して打錠してもよい。
【0147】
(実施例13)
即時放出錠製剤
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1))を含む即時放出錠製剤は、示すとおりに調製することができる。錠剤は、異なる3段階の強さの活性成分(A)を使用して調製することができる。
【0148】
【表6】
【0149】
示した成分を含有する錠剤は、実施例11に記載の直接圧縮法によって調製することができる。別法として、この製剤は、ハードシェルカプセルへの充填に使用してもよく、または湿式もしくは乾式造粒工程を使用して打錠してもよい。
【0150】
(実施例14)
即時放出錠製剤
結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル(形態(1))を含む即時放出錠製剤は、示すとおりに調製することができる。錠剤は、異なる3段階の強さの活性成分(A)を使用して調製することができる。
【0151】
【表7】
【0152】
示した成分を含有する錠剤は、実施例11に記載の直接圧縮法によって調製することができる。別法として、この製剤は、ハードシェルカプセルへの充填に使用してもよく、または湿式もしくは乾式造粒工程を使用して打錠してもよい。
【0153】
本明細書で開示する特徴付けデータによって、6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル遊離塩基形態(1)材料が結晶性の性質であること、またそのため、この材料が医薬の開発に有用な形態であることが確認される。たとえば、結晶性材料は、たとえば、より容易に精製され、より高い収率で調製することができ、濾過および乾燥特性が改善され、流動および取扱特性も改善されているために、原薬製造に有利な形態であると一般に考えられる。結晶性6−[(4R)−4−メチル−1,1−ジオキシド−1,2,6−チアジアジナン−2−イル]イソキノリン−1−カルボニトリル形態(1)はまた、高いDSC融点およびDSCプロファイルによって実証されるその熱安定性や非吸湿性の性質などの、自身を薬物製品製造に有用たらしめる物理化学的性質も示す。