【課題】カラー部材の組付け性を向上させることができると共に、異なる材質のカラー部材を使用することができ、更に製造コストを低くすることができる杭の振れ止め装置を提供すること。
【解決手段】振れ止め装置FDは、ベース部材40と、鋼管杭30の周りを挟み込む一対の挟持部材50A,50Bと、水平断面が円弧状に形成されている各樹脂製カラー80を備える。各挟持部材50A,50Bの上下に、水平状の上側プレート60A,60Bと水平状の下側プレート70A,70Bが着脱可能に取付けられ、上側プレート60A,60Bと下側プレート70A,70Bは、円弧状の内側部60a,70aを有する。各樹脂製カラー80は、上側プレート60A,60Bの内側部60aに形成された上下方向に延びる上側突片60bと、下側プレート70A,70Bの内側部70aに形成された上下方向に延びる下側突片70bとによって、上下に挟み込まれて保持されている。
【背景技術】
【0002】
杭打機による埋設作業では、先ず掘削ロッドである鋼管杭が上下方向に延びるように、鋼管杭を地盤に立てる。そして、鋼管杭の下端部を杭の振れ止め装置にセットし、鋼管杭の鉛直精度を確保する。その後、オーガによって鋼管杭を回転駆動させ、杭の振れ止め装置によって鋼管杭の水平方向の振れを抑えながら、鋼管杭を地盤に埋設するようになっている。
【0003】
従来から杭の振れ止め装置として様々なものが提案されていて、例えば下記特許文献1に記載された杭の振れ止め装置がある。下記特許文献1の杭の振れ止め装置(以下「従来の振れ止め装置」と呼ぶ)では、
図10に示すように、ベース部材340がリーダ(図示省略)の下端部に取付けられていて、一対の挟持部材350A,350Bがベース部材340の両端部340a,340bに支持ピン345を介して水平方向に回転可能に取付けられている。各挟持部材350A,350Bは、それぞれ先端部351bに形成されている各挿通孔351b1に固定ピン352Pが挿通されることで、回転が規制された状態で鋼管杭330の周りを挟み込んでいる。
【0004】
ここで、
図11(A)に示すように、挟持部材350A(350B)は、円弧状の上側プレート部351とブロック部352と下側プレート部353を有し、これら上側プレート部351とブロック部352と下側ブロック部353とは一体的に構成されている。上側プレート部351の径内方向端部351aと下側プレート部353の径内方向端部353aは、ブロック部352より径内方向へ飛び出ていて、円弧状の樹脂製カラー(樹脂ライナー)380を組付けるための第1凹部391が形成されている。また、上側プレート部351の周方向の両端部351b,351cと下側プレート部353の周方向の両端部353b,353cは、ブロック部352より周方向へ飛び出ていて、固定部材370を組付けるための第2凹部392及び第3凹部393が形成されている。
【0005】
こうして、
図11(A)から
図11(B)に示すように、先ず樹脂製カラー380を第1凹部391に組付ける。このとき、樹脂製カラー380の径内方向端面380aは、上側プレート部351及び下側プレート部353より僅かに径内方向へ飛び出た状態になる。その後、この状態において各固定部材370を第2凹部392と第3凹部393に組付けて、ボルト371をブロック部352の周方向の両端部に形成されているネジ孔352a,352bに螺着させる。これにより、樹脂製カラー380が挟持部材350A(350B)に保持されるようになっている。
【0006】
従来の振れ止め装置FD3では、上述したように樹脂製カラー380が保持されている状態で、回転駆動する鋼管杭330が樹脂製カラー380の径内方向端面380aに当接する。これにより、鋼管杭330に傷が付くことを防止しつつ、鋼管杭330の水平方向の振れを抑えている。そして、従来の振れ止め装置FD3は、鋼管杭330の水平方向の振れを抑える構造として、円弧状の樹脂製カラー380を用いていて、回転する鋼管杭330に接触しながら回転する従動ローラ等の回転機構を用いていない。
【0007】
つまり、仮に従動ローラ等の回転機構を用いると鋼管杭330の周りの構造が大きくなるのに対して、円弧状の樹脂製カラー380や挟持部材350A,350Bを用いることで、鋼管杭330の周りの構造を小さくしている。従って、従来の振れ止め装置FD3は、杭の振れ止め装置として比較的コンパクトな構成になっていて、施工スペースの余裕が少ない現場でも適用できるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の振れ止め装置FD3には、以下の問題点があった。先ず、円弧状の樹脂製カラー380を挟持部材350A,350Bに保持させることが難しいという問題点があった。即ち、ブロック部352は円弧状であるため、ブロック部352の周方向の両端部には角度が付いている。このため、ブロック部352の周方向の両端部に対して正確にネジ孔352a,352bを形成することが難しい。また、第2凹部392及び第3凹部393でも角度が付いているため、固定部材370を第2凹部392と第3凹部393に組付ける際に、固定部材370とネジ孔352a,352bとの位置関係がずれる可能性がある。この結果、ボルト371をネジ孔352a,352bに螺着させることが難しく、樹脂製カラー380の組付け性に改善の余地があった。
【0010】
また、従来の振れ止め装置FD3では、上側プレート部351とブロック部352と下側ブロック部353とが一体的に構成されているため、第1凹部391の形状及び寸法が必然的に決まってしまう。このため、樹脂製カラー380であれば予め行う加工によって第1凹部391に組付けることができるものの、従来から多く用いられている鉄製カラーでは第1凹部391に組み付けることができない可能性が高い。従って、ユーザにとって異なる材質のカラー部材を使用することができなくて、既存の鉄製カラーも使用できるように使い勝手を向上できることが求められていた。
【0011】
更に、従来の振れ止め装置FD3では、上述したように樹脂製カラー380を保持させることが難しいことから、第1凹部391、第2凹部392、第3凹部393、ネジ孔352a,353bを極めて高い寸法精度で成形しなければならない。このため、樹脂製カラー380を保持させる部分の加工コストが高くなる。また、樹脂製カラー380が外れないようにするために、第1凹部391の深さはある程度の寸法が必要であるため、第1凹部391に組付ける樹脂製カラー380の寸法の自由度が小さい。ここで、樹脂製カラー380の素材である円筒状の樹脂材は比較的高価なものであり、市場寸法が予め決まっている。従って、樹脂製カラー380の寸法を設計都合で決めてしまい、市場寸法が決まっている樹脂材から円弧状の樹脂製カラー380を製造すると、無駄な樹脂材が多く出てしまう。つまり、歩留まりが悪く、樹脂製カラー380が非常に高価な消耗品部材となってしまう。以上により、従来の振れ止め装置FD3の製造コストが高いという問題点もあった。
【0012】
そこで、本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、カラー部材の組付け性を向上させることができると共に、異なる材質のカラー部材を使用することができ、更に製造コストを低くすることができる杭の振れ止め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る杭の振れ止め装置は、杭打機に取付けられるベース部材と、前記ベース部材に水平方向へ回転可能に取付けられて上下方向に延びる杭の周りを挟み込む一対の挟持部材と、水平断面が円弧状に形成されていて前記各挟持部材より杭の軸中心側に配置される各カラー部材とを備え、前記各カラー部材に杭が当接することにより杭の水平方向の振れを抑えるものであって、前記各挟持部材の上下には、水平状の上側プレートと水平状の下側プレートとが着脱可能に取付けられ、前記上側プレートと前記下側プレートは、前記各挟持部材から杭の軸中心側へ飛び出る円弧状の内側部を有し、前記上側プレートの内側部に形成された上下方向に延びる上側突片と、前記下側プレートの内側部に形成された上下方向に延びる下側突片とによって、前記カラー部材を上下に挟み込んで保持していることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る杭の振れ止め装置によれば、上側プレートの内側部に形成された上側突片と、下側プレートの内側部に形成された下側突片とによってカラー部材を上下に挟み込んで保持する。このため、カラー部材を保持し易くなり、カラー部材の組付け性を向上させることができる。また、上側プレートと下側プレートは、挟持部材の上下に着脱可能であるため、様々な寸法の上側プレート及び下側プレートを挟持部材に取付けることができる。従って、樹脂製カラーの寸法に合う上側プレート及び下側プレートに交換したり、既存の鉄製カラーの寸法に合う上側プレート及び下側プレートに交換することにより、異なる材質のカラー部材であっても使用することができる。つまり、既存の鉄製カラーも使用することができて、使い勝手を向上させることができる。
【0015】
更に、上側突片と下側突片とによってカラー部材を上下に挟み込む構造であるため、上側突片、下側突片、上側プレート、下側プレートを高い寸法精度で成形していなくても、カラー部材を的確に保持させることができる。即ち、カラー部材を保持させる部分の加工コストが高くならない。また、カラー部材として例えば樹脂製カラーを用いる場合、様々な寸法の上側プレート及び下側プレートを挟持部材に取付けることができるため、組付ける樹脂製カラーの寸法の自由度が大きい。このため、樹脂製カラーの寸法を、予め決まっている樹脂材の市場寸法付近に合わせることで、樹脂材から樹脂製カラーを製造する際の材料費を抑えることができる。こうして、本発明に係る杭の振れ止め装置によれば、従来の杭の振れ止め装置に比べて、大幅に製造コストを低くすることができる。
【0016】
また、本発明に係る杭の振れ止め装置において、前記カラー部材の上側には、径外方向端部が上方に突出する上側段部が形成され、前記カラー部材の下側には、径外方向端部が下方の突出する下側段部が形成されていて、前記上側突片が前記上側段部に係止すると共に、前記下側突片が前記下側段部に係止することによって、前記カラー部材が保持されていることが好ましい。
この場合には、カラー部材を挟持部材に組付ける際に、先ず下側プレートを挟持部材に取付けた状態で、カラー部材の下側段部が下側プレートの下側突片に係止するように、カラー部材を嵌め込む。そして、上側プレートの上側突片がカラー部材の上側段部に係止するように、上側プレートを挟持部材に取付ける。こうして、カラー部材の上側段部及び下側段部を利用することで、カラー部材を挟持部材に対して比較的容易に組付けることができると共に、カラー部材を強固に保持することができる。
【0017】
また、本発明に係る杭の振れ止め装置において、前記カラー部材は、樹脂製カラーであり、前記樹脂製カラーは、円筒状の樹脂材から水平断面が円弧状の湾曲部材を切り取り、前記湾曲部材の径内方向端部の上側と下側を切り欠くことによって前記上側段部と前記下側段部を形成して、製造されたものであると良い。
この場合には、杭打機による掘削作業や埋設作業等において、回転駆動する杭が樹脂製カラーに当接するため、杭に傷が付くことを防止できると共に、杭の回転駆動を妨げる摩擦抵抗を低減することができる。更に、樹脂製カラーは、円筒状の樹脂材から湾曲部材を切り取って、湾曲部材の径内方向端部の上側と下側とを切り欠くだけで製造されたものである。従って、加工する部分が少なくて歩留まりが良くなり、樹脂製カラーを製造するための加工コストを低くすることができる。
【0018】
また、本発明に係る杭の振れ止め装置において、前記各挟持部材には、前記カラー部材の周方向の両端部より周方向外側の位置で、前記カラー部材の周方向の両端部に対向する対向部がそれぞれ設けられていることが好ましい。
この場合には、各挟持部材に設けられている各対向部によって、カラー部材を組付ける際にカラー部材の周方向の位置決めを行うことができると共に、杭打機による掘削作業や埋設作業等においてカラー部材が周方向にずれることを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の杭の振れ止め装置によれば、カラー部材の組付け性を向上させることができると共に、異なる材質のカラー部材を使用することができ、更に製造コストを低くすることができる
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る杭の振れ止め装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の杭の振れ止め装置FDを適用した杭打機1を示した図である。
図1に示すように、杭打機1は上部旋回体2と下部走行体3とを備え、上部旋回体2がクローラによって走行可能な下部走行体3の上に旋回可能に搭載されている。上部旋回体2の前方(
図1の左側)には、バックステーシリンダ4によって支持されたリーダ10が立設されている。
【0022】
リーダ10は、起立している状態からバックステーシリンダ4の収縮によって後方に倒伏するように構成されている。リーダ10の前方には、作業装置としてのオーガ20が取付けられていて、リーダ10の下端部には、杭の振れ止め装置FD(以下、単に「振れ止め装置FD」と呼ぶ)が取付けられている。
【0023】
オーガ20は、リーダ10のガイドパイプ11を挟み込むガイドギブ21を備え、ガイドギブ21によってガイドパイプ11に沿って摺動可能になっている。そして、オーガ20は、リーダ10に沿って自力で昇降できるように油圧モータ(図示省略)を備え、油圧モータによって回転するピニオンギヤとリーダ10に形成されたラックギヤ12とが噛合している。こうして、油圧モータがピニオンギヤを正逆回転させると、ピニオンギヤがラックギヤに沿って転動して、オーガ20がリーダ10に沿って昇降することができる。
【0024】
杭打機1では、鋼管杭30を埋設する場合に、鋼管杭30をオーガ20に取付ける。そして、鋼管杭30が上下方向(鉛直方向)に延びるように地盤に立てた状態で、杭心を合わせる。杭心が合った後、鋼管杭30の下端部を振れ止め装置FDにセットし、鋼管杭30の鉛直精度を確保する。その後、鋼管杭30はオーガ20から回転トルクを与えられて回転し、オーガ20を油圧モータの回転駆動によってリーダ10に沿って下降させることにより、鋼管杭30を埋設する。
【0025】
ここで、発明が解決しようとする課題で説明したように、従来の振れ止め装置FD3は、円弧状の樹脂製カラー380を挟持部材350A,350Bに保持させ難くて、樹脂製カラー380の組付け性に改善の余地があった。そして、既存の鉄製カラーも使用できるように異なる材質のカラー部材を使用できることが求められていた。更に、従来の振れ止め装置FD3は、製造コストが高い構造になっているという問題点があった。
【0026】
そこで、本実施形態の振れ止め装置FDは、上記した問題点を解決できるように構成されている。以下
図2〜
図5を参照して、振れ止め装置FDの構成について詳細に説明する。
図2は
図1に示した振れ止め装置FDの拡大図であり、
図3は
図2に示した振れ止め装置FDの平面図である。
図2及び
図3に示すように、振れ止め装置FDは、ベース部材40と、一対の挟持部材50A,50Bと、上側プレート60A,60Bと、下側プレート70A,70Bと、樹脂製カラー80とを備えている。ここで、
図4は
図3に示したベース部材40及び挟持部材50Aの斜視図である。
【0027】
ベース部材40は、一対の挟持部材50A,50Bを水平方向に回転可能に支持するものである。このベース部材40は、
図2〜
図4に示すように、鉛直方向に延びる鉛直部41でボルト42を介してリーダ10の下端部に取付けられている。そして、ベース部材40には、鉛直部41の上方側から水平状に延びる上側水平部43と、鉛直部41の下方側から水平状に延びる下側水平部44とが形成されている。上側水平部43及び下側水平部44は、
図3の上下方向に延びていて、一端部(
図3の上端部)43a(44a)で支持ピン45を介して挟持部材50Aを回転可能に支持し、他端部(
図3の下端部)43b(44b)で支持ピン45を介して挟持部材50Bを回転可能に支持している。
【0028】
挟持部材50A,50Bは、
図3に示すように、水平方向の回転が規制された状態で、上下方向に延びる鋼管杭30を挟み込むものである。挟持部材50Aの構成と挟持部材50Bの構成は、
図3の上下に対称的になっていて、実質的に同様である。そのため、挟持部材50Aの各構成部分を代表して説明し、挟持部材50Bの各構成部分については、挟持部材50Aの各構成部分と同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
挟持部材50Aは、弓形状に湾曲している上側湾曲部51と下側湾曲部52とを有し、上側湾曲部51及び下側湾曲部52は平行に配置されている。上側湾曲部51は薄板状になっていて、基端部(
図3の右端部)51a側を支点に水平方向に回転可能であり、先端部51b(
図3の左端部)に挿通孔51b1を有している。同様に、下側湾曲部52も薄板状になっていて、基端部(図示省略)側を支点に水平方向に回転可能であり、
図4に示すように、先端部52bに挿通孔52b1を有している。
【0030】
こうして、
図3に示すように、鋼管杭30を振れ止め装置FDにセットする場合には、各挟持部材50A,50Bの上側湾曲部51の先端部51b同士を重ね合わせると共に、下側湾曲部52の先端部52b同士を重ね合わせる。そして、各挿通孔51b1,52b1に固定ピン52Pを挿通する。これにより、各挟持部材50A,50Bの水平方向の回転が規制されて、鋼管杭30が各挟持部材50A,50Bによって挟み込まれることとなる。
【0031】
また、挟持部材50Aには、
図4に示すように、後述する樹脂製カラー80の周方向の両端部80c,80dより周方向外側の位置で、樹脂製カラー80の周方向の両端部80c,80dに対向する板材(対向部)53a,53bがそれぞれ設けられている。各板材53a,53bは、樹脂製カラー80の周方向の位置決めを行うと共に、樹脂製カラー80が周方向にずれることを防止するものである。これら板材53a,53bは、起立した状態で挟持部材50Aに溶接等によって固定されている。なお、樹脂製カラー80の対向部は、板状の板材53a,53bに限られるものではなく、例えば突起であっても良く、対向部の形状は適宜変更可能である。
【0032】
上側プレート60A及び下側プレート70Aは、
図4に示すように、挟持部材50A側で樹脂製カラー80を保持するものであり、上側プレート60B及び下側プレート70Bは、挟持部材50B側で樹脂製カラー80を保持するものである。上側プレート60A及び下側プレート70Aの構成と、上側プレート60B及び下側プレート70Bの構成は、
図3の上下に対称的になっていて、実質的に同様である。そのため、上側プレート60A及び下側プレート70Aの各構成部分を代表して説明し、上側プレート60B及び下側プレート70Bの各構成部分については、上側プレート60A及び下側プレート70Aの各構成部分と同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
上側プレート60Aは、
図3に示すように、水平状で円弧状に形成されているプレートであり、ボルト61及びナット62(
図2参照)を介して挟持部材50Aの上側湾曲部51に着脱可能に取付けられている。この上側プレート60Aは、鋼管杭30より外側で、鋼管杭30の周方向に約150度の範囲に配置されていて、上側湾曲部51より鋼管杭30の軸中心O1側(径内方向側)へ飛び出る内側部60aを有している。そして、円弧状の内側部60aには、上下方向に延びる上側突片60bが形成されている。上側突片60bは、周方向に約150度の範囲に設けられていて、後述するように、樹脂製カラー80の上側段部80Uに係止するものである。
【0034】
下側プレート70Aは、上述した上側プレート60Aと同様の構成である。即ち、下側プレート70Aは、水平状で円弧状に形成されているプレートであり、ボルト71及びナット72(
図2参照)を介して挟持部材50Aの下側湾曲部52に着脱可能に取付けられている。この下側プレート70Aは、鋼管杭30より外側で、鋼管杭30の周方向に約150度の範囲に配置されていて、下側湾曲部52より鋼管杭30の軸中心O1側(径内方向側)へ飛び出る内側部70aを有している。そして、円弧状の内側部70aには、上下方向に延びる下側突片70bが形成されている。下側突片70bは、周方向に約150度の範囲に設けられていて、後述するように、樹脂製カラー80の下側段部80Dに係止するものである。
【0035】
樹脂製カラー80は、挟持部材50A側に配置される上側プレート60A及び下側プレート70Aに保持されると共に、挟持部材50B側に配置される上側プレート60B及び下側プレート70Bに保持されるものである。以下では、上側プレート60A及び下側プレート70Aに保持される樹脂製カラー80を代表して説明する。樹脂製カラー80は回転する鋼管杭30に直接当接するものであり、本実施形態では、耐摩耗性及び摺動性に優れた材質としてMCナイロン(登録商標)が用いられている。
【0036】
ここで、
図5(A)は
図4に示した樹脂製カラー80の平面図を示していて、
図5(B)は
図5のA−A線に沿った断面図を示している。
図5(A)及び
図5(B)に示すように、樹脂製カラー80は、水平断面が円弧状に形成されている部材であり、
図3に示すように、挟持部材50Aより鋼管杭30の軸中心O1側(径内方向側)に配置されている。そして、樹脂製カラー80は、鋼管杭30より外側で、鋼管杭30の周方向に約150度の範囲に配置されている。
図5(B)に示すように、樹脂製カラー80の上側には、径外方向端部80aが上方に突出する上側段部80Uが形成され、樹脂製カラー80の下側には、径外方向端部80aが下方に突出する下側段部80Dが形成されている。
【0037】
次に、樹脂製カラー80を上側プレート60A及び下側プレート70Aに組付ける手順について説明する。先ず、固定ピン52Pが挿通孔51b1,52b1から抜き取られ、各挟持部材50A,50Bの水平方向の回転が許容された状態にしておく。また、下側プレート70Aを下側湾曲部52にボルト71及びナット72で取付けておき、上側プレート60Aを上側湾曲部51から取り外しておく。この状態において、樹脂製カラー80の下側段部80Dが下側プレート70Aの下側突片70bに係止するように、樹脂製カラー80を嵌め込む(
図2及び
図3参照)。これにより、樹脂製カラー80の径外方向端部80aの下側が下側プレート70Aに引っ掛かって、位置決めされる。
【0038】
その後、上側プレート60Aの上側突片60bが樹脂製カラー80の上側段部80Uに係止するように引っ掛けながら、上側プレート60Aを上側湾曲部51にボルト61及びナット62で取付ける。これにより、樹脂製カラー80は、上側突片60bと下側突片70bとによって上下に挟み込まれて、容易に取外れないように保持される。こうして、樹脂製カラー80の上側段部80U及び下側段部80Dを利用することで、樹脂製カラー80を比較的容易に組付けることができると共に、樹脂製カラー80を強固に保持することができる。なお、樹脂製カラー80を上側プレート60B及び下側プレート70Bに組付ける手順については同様であるため、説明を省略する。
【0039】
続いて、振れ止め装置FDによる鋼管杭30の振れ止めについて説明する。上述したように、樹脂製カラー80を組付けた後、各挟持部材50A,50Bの水平方向の回転を規制するために、固定ピン52Pを各挿通孔51b1,52b1に挿通する。こうして、鋼管杭30の下端部を各挟持部材50A,50Bで挟み込んで、振れ止め装置FDにセットする。このとき、
図3に示すように、一対の樹脂製カラー80が、鋼管杭30の周りで周方向に約300度の範囲に配置されることとなる。本実施形態では、鋼管杭30の径D1が318.5mmであるのに対して、樹脂製カラー80の内径E1が328mmになっている。
【0040】
こうして、掘削作業や埋設作業等で鋼管杭30がオーガ20によって回転駆動されるとき、鋼管杭30が樹脂製カラー80の径内方向端部80b(
図5(B)参照)の端面80b1に当接する。これにより、鋼管杭30の水平方向の振れが抑えられる。このとき、本実施形態では鋼管杭30に当接されるカラー部材(樹脂製カラー80)が、耐摩耗性及び摺動性に優れたMCナイロン(登録商標)で構成されているため、鋼管杭30に傷が付くことを防止できると共に、鋼管杭30の回転駆動を妨げる摩擦抵抗を低減することができる。また、
図4に示すように、各挟持部材50A、50Bの各板材53a,53bは、樹脂製カラー80の周方向の両端部80c,80dに対向しているため、掘削作業や埋設作業等による振動によって樹脂製カラー80が周方向にずれることを防止できる。
【0041】
ところで、本実施形態の振れ止め装置FDでは、各挟持部材50A,50Bの上側湾曲部51に上側プレート60A,60Bが着脱可能に取付けられ、下側湾曲部52に下側プレート70A,70Bが着脱可能に取付けられることに特徴がある。つまり、上側プレート60A,60Bと下側プレート70A,70Bは樹脂製カラー80を組付けるためのものであるが、上側プレート60A,60Bと下側プレート70A,70Bが着脱可能であることによって、上側プレート及び下側プレートを異なる寸法のものに変更することができ、上側プレート及び下側プレートに組付けるカラー部材を異なる寸法のものに変更することができる。以下、この特徴について、振れ止め装置FDの第1変形例と第2変形例を参照して説明する。
【0042】
図6は、第1変形例の杭の振れ止め装置FD1を示した図であり、
図7は、
図6に示した杭の振れ止め装置FD1の平面図である。
図6及び
図7に示すように、第1変形例の振れ止め装置FD1は、上側プレートと下側プレートと樹脂製カラーが異なること以外、上述した本実施形態の振れ止め装置FDと同様の構成である。
【0043】
従って、第1変形例の振れ止め装置FD1において、振れ止め装置FDと同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。そして、第1変形例の上側プレート160A,160Bと下側プレート170A,170Bと樹脂製カラー180は、寸法が異なること以外、本実施形態の上側プレート60A,60Bと下側プレート70A,70Bと樹脂製カラー80と同様の構成であるため、同様の構成部分については100番台の符号を付して説明を省略する。
【0044】
第1変形例では、本実施形態と異なる鋼管杭130の振れ止めを行うようになっている。つまり、第1変形例の鋼管杭130の径D2は、上述した鋼管杭30の径D1と異なり、355.6mmになっている。このように鋼管杭30を鋼管杭130に変更して振れ止めを行う場合、振れ止め装置FDから振れ止め装置FD1に変更することで、柔軟に対応することができる。
【0045】
即ち、上述した本実施形態の振れ止め装置FDに対して、固定ピン52Pを各挿通孔51b1,52b1から抜き取って、各挟持部材50A,50Bの水平方向の回転が許容された状態にする。そして、上側プレート60A,60Bを上側湾曲部51から取り外し、下側プレート70A,70Bを下側湾曲部52から取り外して、樹脂製カラー80を各挟持部材50A,50Bから取り外す。次に、第1変形例の下側プレート170A,170Bをボルト71及びナット72で下側湾曲部52に取付ける。下側プレート170A,170Bは、第1変形例の鋼管杭130の径D2より僅かに大きな径となるように円弧状に形成されたプレートである。
【0046】
続いて、第1変形例の樹脂製カラー180の下側段部180Dが下側プレート170A,170Bの下側突片170bに係止するように、樹脂製カラー180を嵌め込む。第1変形例の樹脂製カラー180は、第1変形例の鋼管杭130の径D2より僅かに大きな径となるように、水平断面が円弧状に形成されたものであり、内径E2が361mmとなっている。その後、上側プレート160A,160Bの上側突片160bが樹脂製カラー180の上側段部180Uに係止するように引っ掛けながら、上側プレート160A,160Bを上側湾曲部51にボルト61及びナット62で取付ける。このようにして、第1変形例の樹脂製カラー180の組付けが完了する。
【0047】
以上の説明から分かるように、異なる寸法の上側プレート160A,160B及び下側プレート170A,170Bを取付けることができるため、組付けるカラー部材の寸法の自由度が大きくなり、異なる寸法の鋼管杭もセットすることができる。即ち、セットする鋼管杭の径に合わせて、上側プレート及び下側プレートの寸法を変更すれば、カラー部材の寸法にある程度の自由度を持たせることができ、様々な寸法のカラー部材を組付けることができる。実際に、第1変形例の振れ止め装置FD1では、樹脂製カラー180の径D2と既存の鉄製カラーの径(361mm)とが同一であり、従来から多く用いられている鉄製カラーでも組付けることができる。従って、ユーザによって異なる材質のカラー部材を使用することができ、既存の鉄製カラーも使用できるように使い勝手が向上している。
【0048】
図8は、第2変形例の杭の振れ止め装置FD2を示した図であり、
図9は、
図8に示した杭の振れ止め装置FD2の平面図である。
図8及び
図9に示すように、第2変形例の振れ止め装置FD2は、上側プレートと下側プレートと樹脂製カラーが異なること以外、上述した本実施形態の振れ止め装置FDと同様の構成である。従って、第2変形例の振れ止め装置FD2において、振れ止め装置FDと同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、第2変形例の樹脂製カラー280は、寸法が異なること以外、本実施形態の樹脂製カラー80と同様の構成であるため、同様の構成部分については200番台の符号を付して説明を省略する。
【0049】
第2変形例では、本実施形態と異なる鋼管杭230の振れ止めを行うようになっている。つまり、第2変形例の鋼管杭230の径D3は、上述した鋼管杭30の径D1と異なり、139.8mmになっている。このように鋼管杭30から、比較的細い鋼管杭230に変更して振れ止めを行う場合であっても、振れ止め装置FDから振れ止め装置FD2に変更することで、柔軟に対応することができる。
【0050】
即ち、第2変形例では、比較的細い鋼管杭230に対応できるように、上側プレート260A,260Bは、円弧状の第1上側プレート261と円弧状の第2上側プレート262とで構成されている。第1上側プレート261は、上述した本実施形態の上側プレート60と同様、ボルト61及びナット62で上側湾曲部51に取付けられている。
【0051】
第2上側プレート262は、第1上側プレート261より鋼管杭230の軸中心O1側(径内方向側)に配置されていて、ボルト263及びナット(図示省略)で第1上側プレート261に取付けられている。この第2上側プレート262は、
図8に示すように、上述した本実施形態の上側プレート60と同様、径内方向側の内側部262aに上側突片262bを有する。上側突片262bは、上下方向に延びていて、樹脂製カラー280の上側段部280Uに係止するものである。
【0052】
同様に、下側プレート270A,270Bは、円弧状の第1下側プレート271と円弧状の第2下側プレート272とで構成されている。第1下側プレート271は、上述した本実施形態の下側プレート70と同様、ボルト71及びナット72で下側湾曲部52に取付けられている。
【0053】
第2下側プレート272は、第1下側プレート271より鋼管杭230の軸中心O1側(径内方向側)に配置されていて、ボルト273及びナット(図示省略)で第1下側プレート271に取付けられている。この第2下側プレート272は、
図8に示すように、上述した本実施形態の下側プレート70と同様、径内方向側の内側部272aに下側突片272bを有する。下側突片272bは、上下方向に延びていて、樹脂製カラー280の下側段部280Dに係止するものである。第2変形例の樹脂製カラー280は、第2変形例の鋼管杭230の径D3より僅かに大きな径となるように水平断面が円弧状に形成されたものであり、内径E3が150mmとなっている。
【0054】
こうして、第2変形例の振れ止め装置FD2では、第1上側プレート261及び第2上側プレート262を着脱可能に取付けると共に、第1下側プレート271及び第2下側プレート272を着脱可能に取付けることで、比較的径が小さい樹脂製カラー280でも保持することができて、鋼管杭230の振れ止めを行うことができる。即ち、セットする鋼管杭の径に合わせて、着脱する上側プレート及び下側プレートの数量を変更すれば、様々な寸法のカラー部材を組付けることができ、様々な径の鋼管杭の振れ止めを行うことができる。
【0055】
次に、本実施形態の振れ止め装置FDの製造コストについて、従来の振れ止め装置FD3(
図10及び
図11参照)と比較して説明する。従来の振れ止め装置FD3では、発明が解決しようとする課題で説明したように、樹脂製カラー380を保持させることが難しいことから、樹脂製カラー380を保持させる部分を高い寸法精度で成形する必要があり、加工コストが高くなる。
【0056】
また、
図11(A)に示すように、上側プレート部351とブロック部352と下側プレート部353とが分解できる構造ではなく、一体的に構成されていて、樹脂製カラー380を組付け固定するための構造を固定部材370、ボルト371、下側プレート部353と角度を持った面に極めて高い寸法精度で形成しなければならずコスト高になる。また、樹脂製カラー380の寸法の自由度が低く、設計都合で決めなければならず、樹脂製カラー380を製造する際に無駄な樹脂材が多く出てしまう。更に、樹脂製カラー380を第1凹部391に嵌め込みつつ、周方向から固定部材370で挟み込んで保持させるため、樹脂製カラー380を的確に保持するためには、樹脂製カラー380の径方向の厚さを十分大きくしなければならない。従って、樹脂製カラー380において、必要以上に径方向の厚さを設けなければならず、樹脂製カラー380が非常に高価な消耗品部材となってしまう。
【0057】
これに対して、本実施形態の振れ止め装置FDでは、上述したように、樹脂製プレート80を上側突片61b及び下側突片71bで挟み込むため、樹脂製プレート80を保持し易い。即ち、従来の振れ止め装置FDのように、樹脂製カラー80を保持させる部分を高い寸法精度で成形しなくても、樹脂製プレート80を的確に保持させることができる。この結果、樹脂製カラー80を保持させる部分の加工コストを低く抑えることができる。
【0058】
また、上側プレート60A,60B、及び下側プレート70A,70Bが着脱可能であるため、様々な寸法の上側プレート及び下側プレートを用意することができる。このため、設計都合で樹脂製カラーの寸法を決める必要がなく、組付ける樹脂製カラーの寸法の自由度が大きい。これにより、本実施形態の樹脂製カラー80では、市場で流通している円筒状の樹脂材(MCナイロン(登録商標))80X(
図5(A)参照)の寸法に合わせて、以下のように製造することができる。なお、樹脂材80Xは、比較的高価なものであって、市場寸法が予め決められている市販品である。
【0059】
先ず、
図5(A)に示すように、樹脂製カラー80の径D1に近い径の樹脂材80Xが用意される。次に、円筒状の樹脂材80Xから、周方向に約150度の範囲で円弧状の湾曲部材80を二つ切り取り、
図5(B)に示すように、この湾曲部材80の径内方向端部80bの上側と下側とを機械加工等によって切り欠く。これにより、上側段部80Uと下側段部80Dが形成されて、上述した樹脂製カラー80が製造される。
【0060】
このように、本実施形態の樹脂製カラー80は、市場で流通している樹脂材80Xから容易に製造できるものである。つまり、樹脂材80Xから湾曲部材80を切り取って、湾曲部材80の径内方向端部80bの上側と下側とを切り欠くだけで製造されたものである。従って、加工する部分が少なくて、無駄な樹脂材ができるだけ生じないようになっている。この結果、歩留まりが良く、樹脂製カラー80を製造するための材料費を低くすることができる。なお、製造される樹脂製カラー80の径D1に合わせて、上側プレート60A,60B、及び下側プレート70A,70Bが設計されているため、樹脂製カラー80の組付け性に問題はない。
【0061】
また、本実施形態の振れ止め装置FDでは、樹脂製カラー80を上側突片61bと下側突片71bとによって上下に挟み込むため、従来の振れ止め装置FD3のように、樹脂製カラー80を的確に保持するために、樹脂製カラー80の径方向の厚さを十分大きくする必要はない。即ち、樹脂製カラー80において、鋼管杭30の振れ止めの効果を達成できる厚さだけ設ければ良い。従って、従来の振れ止め装置FD3の樹脂製カラー380に比べて、樹脂製カラー80の径方向の厚さを薄くすることができ、樹脂製カラー80自体のコストを低くすることができる。以上により、本実施形態では、従来の振れ止め装置FD3に比べて、樹脂製カラー80を保持させる部分の加工コストや、樹脂製カラー80のコストを低くすることができて、振れ止め装置FD自体の製造コストを大幅に低減できるものになっている。
【0062】
本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の振れ止め装置FDによれば、上側プレート60A,60Bの上側突片61bと、下側プレート70A,70Bの下側突片71bとによって、樹脂製カラー80を上下に挟み込んで保持する。このため、樹脂製カラー80を保持し易くなり、樹脂製カラー80の組付け性を向上させることができる。
【0063】
また、上側プレート60A,60Bと下側プレート70A,70Bは、挟持部材50A,50Bに着脱可能であるため、
図6及び
図7に示す第1変形例、
図8及び
図9に示す第2変形例のように、様々な寸法の上側プレート及び下側プレートを挟持部材50A,50Bに取付けることができる。従って、樹脂製カラーの寸法に合う上側プレート及び下側プレートに交換したり、既存の鉄製カラーの寸法に合う上側プレート及び下側プレートに交換することにより、異なる材質のカラー部材であっても使用することができる。つまり、既存の鉄製カラーも使用することができて、使い勝手を向上させることができる。
【0064】
更に、上側突片61bと下側突片71bとによって樹脂製カラー80を上下に挟み込む構造であるため、上側突片61b、下側突片71b、上側プレート60A,60B、下側プレート70A,70Bを高い寸法精度で成形していなくても、樹脂製カラー80を的確に保持させることができる。即ち、従来の振れ止め装置FD3のように、樹脂製カラー80を保持させる部分の加工コストが高くならない。また、樹脂製カラー80の寸法を、予め決まっている樹脂材80Xの市場寸法付近に合わせることで、樹脂材80Xから樹脂製カラー80を製造する際の材料費を抑えることができる。こうして、本実施形態の振れ止め装置FDによれば、従来の振れ止め装置FD3に比べて、大幅に製造コストを低くすることができる。
【0065】
以上、本発明に係る杭の振れ止め装置の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、樹脂製カラー80はMCナイロン(登録商標)で構成されていたが、カラー部材は、その他の樹脂で構成されていても良い。また、カラー部材は、鉄製カラーでも良く、杭を傷付けない材質として自己潤滑性がある材質で構成されていても良い。
【0066】
また、本実施形態の第2変形例で示すように、上側プレート260は2つのプレート(第1上側プレート261及び第2上側プレート262)で構成され、下側プレート270は二つのプレート(第1下側プレート271及び第2下側プレート272)で構成されていたが、上側プレートを3つ以上のプレートで構成し、下側プレートを3つ以上のプレートで構成しても良い。
なお、本実施形態で説明した各寸法は、あくまで一例として示した各寸法であって、杭打機1の種類や大きさに応じて適宜変更可能である。