【解決手段】商用電源からの電力の供給を受けて駆動されるモータ駆動型圧縮機10と,停電時における圧縮空気の予備供給源としてエンジン駆動型圧縮機20を設けると共に,エンジン駆動型圧縮機20の始動を制御する制御装置30と,該制御装置30の電源となるバッテリ40を設ける。前記制御装置30には更に停電の発生を検知して停電検知信号を発生する停電検知手段31と,停電検知信号を受信してエンジン駆動型圧縮機20に対し始動信号を出力する制御部32を設けると共に,始動信号を受信してエンジンの始動処理を開始する運転制御装置21をエンジン駆動型圧縮機20に設ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
工場設備の中には,製造等している製品の製造方法上の理由により,或いは品質維持の観点から,所定の製造工程が終了する迄,あるいはロット単位等での製品の加工等が終了する迄の間は稼働を停止することができないものもあり,このような設備の稼働を維持するためには前述した空圧機器に対する継続的な圧縮空気の供給を確保することが必要となる。
【0007】
しかし,工場設備等に設けられる圧縮空気供給システムでは,圧縮空気の発生源として商用電源からの電力の供給を受けて運転されるモータ駆動型圧縮機を採用するのが一般的であるから,停電の発生によって電力の供給が断たれると,モータ駆動型圧縮機が停止して空圧機器に対する圧縮空気の供給ができなくなり,所定の製造工程中,あるいはロットの途中で加工等が中断された製品は,製造方法上あるいは品質管理上の理由により廃棄や再加工が必要となる場合があり,大きな損失となる。
【0008】
そのため,停電が発生した場合であっても,圧縮空気供給システムの運転を維持し,継続的な圧縮空気の供給を確保することが要望される。
【0009】
このような停電に対する対策として,一例として
図5に示すように前述の圧縮空気供給システム100に,予備電源としてエンジン駆動型発電機170を設け,電源自動切替装置130に設けた停電検知制御装置131が停電の発生を検知した時,エンジン駆動型発電機170を始動すると共に,電源自動切替手段132がエンジン駆動型発電機170で発生した電力をモータ駆動型圧縮機110に供給してモータ駆動型圧縮機110を運転することも考えられる。
【0010】
しかし,圧縮空気供給システムの消費電力は,一般に工場設備の全消費電力に対し30%にあたると言われている程の膨大なものであり,しかも,モータ駆動型圧縮機110に使用されている三相交流モータは定格運転時に比較して始動時には3倍程度の大電力を必要とする。
【0011】
そのため,エンジン駆動型発電機170を予備電源として,停電時に圧縮空気供給システム100のモータ駆動型圧縮機110に対する電力の供給をこのエンジン駆動型発電機170によって行おうとした場合,普段は使用されることがない,停電時においてのみ使用される予備電源として,高価な大型のエンジン駆動型発電機170を常備することが必要で,多額の初期投資が必要になると共に,このような大型のエンジン駆動型発電機170を設置するためのスペースの確保,維持・管理に対する費用と労力の負担が必要となる。
【0012】
仮に上記の問題をクリアして予備電源として大型のエンジン駆動型発電機170を設置したとしても,停電が発生してから予備電源であるエンジン駆動型発電機170が始動して所定電圧に立ち上がって安定した電力の供給を開始できるようになる迄には所定の時間を必要とするため,その間,モータ駆動型圧縮機110に対する電力の供給が断たれる。
【0013】
また,予備電源からの電力の供給を受けてモータ駆動型圧縮機110を再始動し,吐出側の圧力が所定の圧力に迄上昇して安定した圧縮空気の供給を再開できるようになる迄にも所定の時間が必要で,その結果,停電の発生から圧縮空気の供給が再開される迄には比較的長時間を要し,この間,空圧機器160が停止する。
【0014】
特に,電力の供給を絶たれて停止したモータ駆動型圧縮機110を再始動させるために,モータ駆動型圧縮機110の操作パネル等に設けられたスイッチ類を手動操作する等の煩雑な操作が必要である場合には,停電発生から圧縮空気の供給を再開するまでに要する時間は更に長くなる。
【0015】
なお,特許文献2として紹介したように,モータ駆動型圧縮機に対する電力の供給が停止した場合であっても,この電力の供給停止が「瞬停」である場合,モータ駆動型圧縮機の再始動を自動で行うことができるようにした圧縮機の再始動装置が提案されていることから,この再始動装置を
図5のエンジン駆動型発電機170を予備電源として設けた圧縮空気供給システム100に適用して,停電の発生後,予備電源からの電力供給が一定時間内に開始された場合に,モータ駆動型圧縮機110の再始動を自動で行えるようにすることも考えられる。
【0016】
しかし,仮にモータ駆動型圧縮機110の再始動を自動で行うことができたとしても,停電の発生後,予備電源からの電力供給が開始される迄の間,モータ駆動型圧縮機110は停止することとなるから,モータ駆動型圧縮機110の停止後,再始動して安定的に圧縮空気の供給ができるようになる迄の間,空圧機器160に対する圧縮空気の供給が停止することには変わりがない。
【0017】
しかも,停電の発生から予備電源による電力の供給開始迄の時間が「瞬停」を超えて長時間に及んだ場合,再始動を自動で行うこともできなくなる。
【0018】
なお,圧縮空気供給システム100では,空圧機器160が停止して圧縮空気が消費されていない時にはモータ駆動型圧縮機110を停止させており,空圧機器160が始動して圧縮空気の消費が再開されると,モータ駆動型圧縮機110を再始動させて圧縮空気の供給を再開する制御が行われることから,空圧機器160が作動を再開した後,モータ駆動型圧縮機110が停止状態から全負荷運転に移行する迄の間は,圧縮空気の供給不足が生じて空圧機器160に供給される圧縮空気の圧力が一時的に低下する。
【0019】
そのため,このような圧縮空気の圧力低下が生じた場合であっても,空圧機器160に対し供給される圧縮空気の圧力が所定の圧力(例えば,空圧機器の動作を維持するために必要な,空圧機器の最低作動圧力)以下に低下することがないように,
図5に示すようにモータ駆動型圧縮機110と空圧機器160を接続する供給配管系統150中に集合タンク153を設け,集合タンク153を含む供給配管系統150の貯留容積を増やすことで,空圧機器160による圧縮空気の消費が再開された場合であっても,供給配管系統150内の圧力が直ぐには所定の圧力(空圧機器の最低作動圧力)以下に低下することがないように構成している。
【0020】
従って,圧縮空気供給システム100に設ける前述の集合タンク153として,停電の発生後,予備電源からの電力の供給が開始されモータ駆動型圧縮機110が再始動して全負荷運転に移行する迄の間,空圧機器160に対する圧縮空気の供給を維持できる程の大容量のものを設ければ,理論上,停電の発生によっても空圧機器160を停止させることなく工場設備等の稼働を継続させることが可能となる。
【0021】
しかし,停電の発生後,エンジン駆動型発電機170の始動と安定した電力の供給を開始できるまでの間,更に,その後に行われるモータ駆動型圧縮機の再始動と安定した圧縮空気の供給が再開される迄の比較的長時間に渡り,空圧機器160に対する圧縮空気の供給を賄える程の容量を備えた集合タンク153を設けようとすれば,設備の規模に応じた大型の集合タンク153の設置が必要となり,圧縮空気供給システム100のコスト高を招くと共に,大型の集合タンク153を設置するための設置スペースの確保も必要となる。
【0022】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,停電の発生時,自動的に且つ速やかに,途切れることなく空圧機器に対して圧縮空気を供給することができる圧縮空気供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0024】
上記目的を達成するために,本発明の圧縮空気供給システム1は,
商用電源からの電力の供給を受けて駆動されるモータ駆動型圧縮機10を圧縮空気の供給源として備える圧縮空気供給システム1において,
停電時における圧縮空気の予備供給源としてエンジン駆動型圧縮機20を設けると共に,前記エンジン駆動型圧縮機20の始動を制御する制御装置30と,前記制御装置30の電源となるバッテリ40を設け,
前記制御装置30に,
前記商用電源からの送電の停止を検知する停電検知手段31と,
前記停電検知手段31からの停電検知信号の受信を条件として前記エンジン駆動型圧縮機20に対し始動信号を出力する制御部32を設けると共に,
前記エンジン駆動型圧縮機20に,前記制御部32からの始動信号の受信を条件として前記エンジン駆動型圧縮機20のエンジンの始動処理を開始する運転制御装置21を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0025】
上記構成の圧縮空気供給システム1には,更に,前記商用電源より供給された電力によって前記バッテリ40を充電する充電器33を例えば前記制御装置30に設けることができる(請求項2)。
【0026】
更に,空圧機器60に供給される圧縮空気の圧力を検知する圧力検知手段Ps2を設けると共に,
前記制御装置30の前記制御部32が,前記停電検知手段31からの停電検知信号の受信に加え,更に,前記圧力検出手段Ps2が所定の始動圧力(例えば,全負荷運転復帰圧力PL)以下の圧力を検知したことを条件として前記始動信号を出力するものとしても良い(請求項3)。
【0027】
また,前記制御装置30の前記停電検知手段31を,前記商用電源からの電力の供給再開を検知して復電検知信号を出力可能に構成すると共に,
前記制御部32を,前記停電検知手段31からの前記復電検知信号の受信を条件に前記エンジン駆動型圧縮機に対し停止信号を出力可能に構成し,
前記エンジン駆動型圧縮機20の前記運転制御装置21が,前記停止信号の受信を条件として該エンジン駆動型圧縮機のエンジンの停止処理を開始するようにすることもできる(請求項4)。
【0028】
この場合,空圧機器60に供給する圧縮空気の圧力を検知する圧力検知手段Ps2を設けると共に,
前記制御装置30の前記制御部32が,前記停電検知手段31からの復電検知信号の受信に加え,更に,前記圧力検出手段Ps2が所定の停止圧力(例えば無負荷運転開始圧力PH)以上の圧力を検知したことを条件として前記停止信号を出力するようにしても良い(請求項5)。
【発明の効果】
【0029】
以上で説明した本発明の構成により,本発明の圧縮空気供給システム1によれば,以下の顕著な効果を得ることができた。
【0030】
停電によってモータ駆動型圧縮機10の運転が停止すると,圧縮空気の予備供給源として設けられたエンジン駆動型圧縮機20を自動的に,且つ,速やかに始動して空圧機器60に対し圧縮空気を供給することができる圧縮空気供給システム1を提供することができた。
【0031】
その結果,停電が発生した場合であっても空圧機器60に対する圧縮空気の供給を停止することなく,且つ,供給する圧縮空気の圧力低下を最小限に抑えた状態で圧縮空気の供給を継続することができた。
【0032】
また,モータ駆動型圧縮機10の停止後,エンジン駆動型圧縮機20が速やかに始動して圧縮空気の供給の引き継ぎが行われることから,停電の発生後,エンジン駆動型圧縮機20による引き継ぎが行われる迄の間に生じる供給圧力の低下を比較的小さく抑えることができ,供給配管系統50の容量,具体的には集合タンク53の容量を小さくした場合であっても,空圧機器60に供給される圧縮空気の圧力が空圧機器60の作動に必要な所定の圧力(最低作動圧力)よりも低下することを好適に防止することができ,圧縮空気供給システムの導入経費を削減することができると共に,設置面積の縮小が可能となった。
【0033】
また,圧縮空気の主供給源として設けられているモータ駆動型圧縮機10を予備電源であるエンジン駆動型発電機からの電力によって駆動するのではなく,圧縮空気の予備供給源として設けたエンジン駆動型圧縮機20によって圧縮空気の供給を引き継ぐ構成としたこと,及び,制御装置30の電源となるバッテリ40を内蔵したことにより,予備電源としてエンジン駆動型発電機を設ける必要がなく,また,停電時に外部からの如何なる電力の供給を行う必要が無い。
【0034】
その結果,工場設備等に設ける予備電源による電力の供給対象から圧縮空気供給システムを除外することができ,予備電源を大幅に小型化することができた。
【0035】
なお,空圧機器60に対して供給される圧縮空気の圧力を検知する圧力検知手段Ps2を設け,停電検知信号の受信後,圧力検知手段Ps2が所定の圧力(例えば全負荷運転復帰圧力PL)以下の圧力を検知した時に制御装置30の制御部32が始動信号を出力する構成とした場合には,空圧機器60が停止しており圧縮空気の消費が行われていない場合等に,エンジン駆動型圧縮機20を無駄に始動させることを防止できた。
【0036】
また,復電検知信号の受信後,圧力検知手段Ps2が所定の圧力(例えば無負荷運転開始圧力PH)以上の圧力を検知した時に,制御装置30の制御部32が停止信号を出力する構成とした場合には,再始動したモータ駆動型圧縮機10が圧縮空気の安定供給を行うことができる状態になる迄,エンジン駆動型圧縮機20の運転を継続させることで,空圧機器60に対して供給される圧縮空気の圧力が所定の圧力,例えば空圧機器60の最低作動圧力よりも低下することを防止することができた。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に,添付図面を参照しながら本発明の圧縮空気供給システム1について説明する。
【0039】
〔全体構成〕
図1において,符号1は本発明の圧縮空気供給システムを示し,この圧縮空気供給システム1は,通常運転時における圧縮空気の供給源(主供給源)として使用され,商用電源からの電力によって駆動されるモータ駆動型圧縮機10と,停電時における圧縮空気の供給源(予備供給源)として使用され,内蔵したエンジン(図示せず)によって駆動されるエンジン駆動型圧縮機20と,停電発生時に前記エンジン駆動型圧縮機20の始動を制御する制御装置30,及び停電時における前記制御装置30の電源となるバッテリ40とを備え,停電が発生してモータ駆動型圧縮機10が停止すると,制御装置30が自動でエンジン駆動型圧縮機20を始動することで,継続的な圧縮空気の供給を行うことができるように構成したものである。
【0040】
この圧縮空気供給システム1には,前述のモータ駆動型圧縮機10,及びエンジン駆動型圧縮機20で発生した圧縮空気を空圧機器60に対して供給するための供給配管系統50が設けられており,図示の実施形態にあってはモータ駆動型圧縮機10に連通された吐出配管51とエンジン駆動型圧縮機20に連通された吐出配管52を共に集合タンク53に連通して集合タンク53内に圧縮空気を貯溜することができるよう構成すると共に,集合タンク53に連通した供給配管54を介して空圧機器60に対し圧縮空気を供給できるように構成しており,前述の吐出配管51,52,集合タンク53,及び供給配管54によって,前述の供給配管系統50が構成されている。
【0041】
なお,図示の実施形態にあっては,エンジン駆動型圧縮機20に搭載されたエンジン(図示せず)始動用バッテリ40を制御装置30の電源としても使用する構成しているが,制御装置30用のバッテリ40をエンジン駆動型圧縮機20のエンジン始動用のバッテリとは別に,例えば制御装置30内に設けるものとしても良く,又は,エンジン駆動型圧縮機20にバッテリを設けずに制御装置30内に設けたバッテリによりエンジン駆動型圧縮機20のエンジンを始動するように構成しても良い。
【0042】
〔モータ駆動型圧縮機〕
モータ駆動型圧縮機10は,商用電源によって電力の供給が行われている通常運転時における圧縮空気の供給源(主供給源)として使用されるもので,商用電源からの電力の供給によって駆動されるモータ11と,前記モータ11によって駆動される圧縮機本体(図示せず)を備え,モータ11によって駆動された圧縮機本体が外気を吸入すると共に圧縮して吐出することにより,圧縮空気の供給を行うことができるように構成されている。
【0043】
このようなモータ駆動型圧縮機10としては,既知の各種構成のものを使用することができる。
【0044】
本実施形態にあっては,モータ駆動型圧縮機10として既知の油冷式のモータ駆動型圧縮機を採用しており,この構成の圧縮機では,圧縮機本体の潤滑・密封・冷却のために圧縮作用空間内に導入された冷却油と,吸入した外気を圧縮した圧縮空気との気液混合流体として吐出する構造となっていることから,この圧縮機本体が気液混合流体として吐出した圧縮流体を貯留して冷却油と圧縮空気とに分離するためのレシーバタンク12を備えている。
【0045】
そして,このレシーバタンク12内で冷却油が分離された圧縮空気を,前述の吐出配管51,集合タンク53及び供給配管54を介して空圧機器60に供給している。
【0046】
このモータ駆動型圧縮機10には,空圧機器60側に常に一定範囲の圧力で圧縮空気を供給することができるようにするために,既知の容量制御を行う容量制御装置13が設けられており,この容量制御装置13が圧縮機本体の吸気弁(図示せず)の開閉制御及び/又は前記モータ11の回転速度制御を行うことにより,圧力センサ等によって構成された圧力検知手段(Ps3)が検知する圧縮機本体の吐出側圧力(図示の例ではレシーバタンク12内の圧力)が,空圧機器60の最低作動圧力(P1)よりも高い圧力に設定された所定の全負荷運転復帰圧力(PL)と,前記全負荷運転復帰圧力(PL)よりも高い圧力に設定された所定の無負荷運転開始圧力(PH)の間の圧力に維持されるよう容量制御を行うように構成されている。
【0047】
なお,図示の実施形態にあってはモータ駆動型圧縮機10の吐出側圧力をレシーバタンク12内の圧力を測定することにより得ているが,モータ駆動型圧縮機10の吐出側圧力は,このレシーバタンク12内の圧力の測定により得る構成に限定されず,モータ駆動型圧縮機10から空圧機器60に至る供給配管系統50内,例えば吐出配管51,集合タンク53,供給配管54に圧力検知手段を設けて検知するものとしても良い。
【0048】
また,
図1に記載の構成では,圧力検知手段(Ps3)からの検知信号に基づいて,電子制御手段である容量制御装置13が出力した制御信号に基づいて圧縮機本体の吸気口の開閉制御とモータ11の回転速度制御を電気的に制御するよう構成しているが,このような電気的な制御に代えて,例えば圧縮機本体の吐出側圧力により作動するレギュレータ類を使用した既知の機械的な制御によって前述の容量制御を行うものとしても良い。
【0049】
なお,前述したように,容量制御装置13を電子制御装置によって構成した場合,この容量制御装置13にモータ駆動型圧縮機10の保護回路の機能を持たせるものとしても良く,モータ駆動型圧縮機10が予め設定された警報,非常停止条件に該当する運転状態になると,モータ駆動型圧縮機10の操作パネル(図示せず)に設けられた液晶モニタパネルや表示灯等により警告等の表示を行うと共に,非常停止条件に該当する時にはモータ駆動型圧縮機10を非常停止させるように構成しても良い。
【0050】
このようなモータ駆動型圧縮機10の警報表示または非常停止の条件としては,例えば,圧縮機本体内の潤滑油量の低下,該潤滑油の油温上昇,フィルタ目詰まり,過負荷などがある。
【0051】
〔エンジン駆動型圧縮機〕
エンジン駆動型圧縮機20は,停電発生時における圧縮空気の供給源(予備供給源)として使用するもので,電力の供給が無くとも自立して稼働することができるよう,ディーゼルエンジン(図示せず)を備えていると共に,このエンジンによって駆動される圧縮機本体(図示せず),前記エンジンを始動させるスタータ23,及び該エンジン駆動型圧縮機20の運転を制御する運転制御装置21を備えており,エンジンによって駆動された圧縮機本体が外気を吸入すると共に圧縮・吐出することで,商用電源の供給が絶たれた停電時においても,前述したモータ駆動型圧縮機10に代わり空圧機器60に対して圧縮空気の供給を行うことができるものとなっている。
【0052】
このようなエンジン駆動型圧縮機20としては既知の各種の構成のものを使用することができ,例えば自立して稼働させるために必要な構成機器,例えばエンジン,燃料タンク,圧縮機本体,バッテリ,スタータ,各種制御装置類等をボンネット内に収容した,「パッケージ型」と呼ばれる既知のエンジン駆動型圧縮機を使用するものとしても良い。
【0053】
本実施形態では,前述したモータ駆動型圧縮機10と同様,エンジン駆動型圧縮機20としても油冷式のものを使用しており,従って,エンジン駆動型圧縮機20には,冷却油との気液混合流体として吐出された圧縮空気を導入して冷却油を分離するためのレシーバタンク22を備えている。
【0054】
また,エンジン駆動型圧縮機20が,消費側に一定圧力の圧縮空気を供給することができるよう,レシーバタンク22内の圧力が,前述したモータ駆動型圧縮機10の全負荷運転復帰圧力(PL)と無負荷運転開始圧力(PH)の間に保持されるように容量制御を行うよう構成されている。
【0055】
なお本実施形態にあっては,エンジン駆動型圧縮機20の運転を制御する運転制御装置21は,エンジンの始動・停止動作,及びレシーバタンク22内の圧力に応じて圧縮機本体の吸気口の開閉制御及び/又はエンジンの回転速度の増減を行う容量制御装置としての機能を有するが,容量制御装置は,例えばレギュレータ等を使用した既知の機械的な制御によるものとしても良く,または、各種センサ等を使用した電子制御によるもの,あるいは,前記電子制御と前記機械的制御を組み合わせる等の手法を用いることができる。
【0056】
エンジン駆動型圧縮機20に設けられた前述の運転制御装置21は,後述する制御装置30からの始動信号を受信して,所定の手順に従いエンジン駆動型圧縮機20を始動すると共に,エンジン駆動型圧縮機20の運転状態をエンジンに装備されたオルタネータ(発電機)の発電信号,エンジン油圧を検知する油圧検知手段の検知信号,エンジンの回転速度を検知する回転速度検知手段,圧縮機本体の吐出側圧力を検知する圧力検知手段Ps1等の検知信号に基づいて監視し,その結果を後述する制御装置30に出力する。
【0057】
また,後述する制御装置30の制御部32が停止信号を出力した時に,この停止信号を運転制御装置21が受信してエンジン駆動型圧縮機20を所定の手順に従い停止するように構成しても良い。
【0058】
運転制御装置21より制御装置30に対して行われる出力としては,エンジンが所定の回転速度に達したことを示す「エンジン運転信号」,圧縮機本体の吐出側圧力が所定の圧力(一例とし0.15MPa)を超えたことを示す「圧力確立信号」の他,エンジン駆動型圧縮機の異常を示す「警報信号」,「非常停止信号」等を出力する。
【0059】
なお,前記運転制御装置21には「警報信号」,「非常停止信号」の出力時にエンジン駆動型圧縮機を非常停止させる保護回路の機能を持たせるものとしても良く,エンジン駆動型圧縮機20の運転状態の監視により,前述した警報信号,非常停止信号の出力条件に該当する運転状態に達すると,制御装置30の制御部32へ警報信号,非常停止信号を出力すると共に,エンジン駆動型圧縮機20を非常停止する制御を行うように構成しても良い。
【0060】
このような警報または非常停止条件としては,例えば,エンジン駆動型圧縮機20に設けられているエンジンの潤滑油の油圧低下,該潤滑油の油量低下,該潤滑油の油温上昇,エンジンの冷却水温上昇,エンジン回転速度の低下,燃料の残量不足(ガス欠),圧縮機本体の潤滑油の油量低下,該潤滑油の油温上昇等がある。
【0061】
なお,エンジン駆動型圧縮機20には,このエンジン駆動型圧縮機20の始動,停止操作を行うためのキースイッチ等が設けられた計器盤(図示せず)を設け,後述する制御装置30の制御部32からの始動信号の有無にかかわらず,前記キースイッチの操作により前述の運転制御装置に対しエンジン駆動型圧縮機の始動操作を行わせることができるように構成しても良い。
【0062】
〔制御装置〕
前述の制御装置30は,商用電源の停電を検知する停電検知手段31と,前記停電検知手段31からの停電検知信号を受信してエンジン駆動型圧縮機20の運転制御装置21に対し始動信号を出力すると共に,運転制御装置21より受信したエンジン駆動型圧縮機20の運転状態に関する監視結果(前述の「エンジン運転信号」,「圧力確立信号」,「警報信号」,「非常停止信号」)に基づいて,エンジン駆動型圧縮機の運転状態,警報等を液晶ディスプレイ等の表示手段34に表示させる制御部32を備えている。
【0063】
なお,
図1では前記停電検知手段31の出力信号として停電検知信号のみを表示しているが,停電検知手段31は,商用電源による電力の供給再開(以下,「復電」という。)を検知して復電検知信号を出力できるように構成しても良く,この場合,停電検知手段31からの復電検知信号を受信した制御部32が,エンジン駆動型圧縮機20の運転制御装置21に対しエンジン駆動型圧縮機20の停止を指令する停止信号を出力できるように構成しても良い。
【0064】
また,制御装置30は,商用電源から供給された電力によって制御装置30の電源となるバッテリ40を充電する充電器33を備えている。
【0065】
図1に示す実施形態にあっては,エンジン駆動型圧縮機20に搭載したエンジン始動用のバッテリ40を制御装置30の電源バッテリと兼用することで,商用電源からの電力の供給時には商用電源によってバッテリ40を充電すると共に,停電時にはエンジン駆動型圧縮機20に設けたオルタネータ(図示せず)により充電を行うことができるようにしている。
【0066】
もっとも,制御装置30用のバッテリは,エンジン駆動型圧縮機20に設けたバッテリとは別に,例えば制御装置30内に設けるものとしても良く,また,エンジン駆動型圧縮機20にバッテリを搭載せずに,制御装置30に搭載したバッテリをエンジン駆動型圧縮機のエンジンの始動に使用するものとしても良い。
【0067】
〔その他の構成〕
図2に示すように,空圧機器60に対して供給される圧縮空気の圧力,例えば供給配管系統50内の圧力,図示の例では集合タンク53内の圧力を検知する圧力検知手段Ps2を設け,制御装置30の制御部32が,この圧力検知手段Ps2の検知信号により空圧機器60に対して供給される圧縮空気の圧力を監視し,停電検知手段31からの停電検知信号又は復電検知信号を受信した場合であっても,空圧機器60に対して供給される圧縮空気の圧力が所定の圧力状態に無い場合,始動信号又は停止信号を出力しないように構成するものとしても良い。
【0068】
具体的には,制御部32は停電検知信号を受信しても,圧力検知手段(Ps2)が検知した圧力が例えばモータ駆動型圧縮機10の全負荷運転復帰圧力(PL)を超えている場合には始動信号を出力せず,全負荷運転復帰圧力(PL)よりも低下した時に始動信号を出力するよう構成することで,例えば空圧機器60が停止していて圧縮空気の消費が行われていない状態にある場合等にエンジン駆動型圧縮機を無駄に始動させることが防止できる。
【0069】
また,制御部32は復電検知信号を受信しても,圧力検知手段(Ps2)が検知した圧力が例えばモータ駆動型圧縮機10の無負荷運転開始圧力(PH)未満の場合には停止信号を出力せず,エンジン駆動型圧縮機20の運転を継続させ,再始動したモータ駆動型圧縮機10による圧縮空気の供給が安定し、無負荷運転開始圧力(PH)以上になった時に停止信号を出力してエンジン駆動型圧縮機20を停止させることで,再始動直後で不安定な運転状態にあるモータ駆動型圧縮機10による圧縮空気の供給不足をエンジン駆動型圧縮機20からの圧縮空気の供給によって補うことができるよう構成しても良い。
【0070】
また,図示は省略するが,圧縮空気供給システム1全体の運転を制御・監視する制御室を設け,この制御室に対し圧縮空気供給システムの作動状況に関する信号を出力できるように構成しても良い。
【0071】
〔動作等〕
(1)通常運転時
以上のように構成された本発明の圧縮空気供給システム1は,商用電源からの電力の供給が行われている通常運転時には,この商用電源からの電力の供給を受けて運転されるモータ駆動型圧縮機10で発生した圧縮空気が供給配管系統50を構成する吐出配管51,集合タンク53,供給配管54を介して空圧機器60に対し供給される。
【0072】
モータ駆動型圧縮機10の容量制御装置13は,圧力検知手段Ps3の検知信号に基づき圧縮機本体の吐出側圧力(レシーバタンク12内の圧力)が,前述した全負荷運転復帰圧力(PL)と無負荷運転開始圧力(PH)の間に保持されるよう,圧縮機本体の吸気口を開閉制御すると共に,モータ11の回転速度を制御するよう,容量制御手段13によって各部の動作が制御される。
【0073】
具体的には,前記容量制御装置13は,圧力検知手段(Ps3)による検知圧力が全負荷運転復帰圧力(PL)よりも低圧であるとき,圧縮機本体の吸気口を全開と成すと共にモータ11の回転速度を全負荷回転速度(最高回転速度)とする全負荷運転を行い,圧力検知手段(Ps3)の検知圧力が全負荷運転復帰圧力(PL)以上になると,圧縮機本体の吸気口の開閉制御及びモータの回転速度の増減制御を行う。
【0074】
このように商用電源からの電力の供給が行われ,モータ駆動型圧縮機10により圧縮空気の供給が行われている通常運転時,制御装置30は,充電器33によってバッテリ40の充電を行うが,停電検知手段31は停電検知信号を出力せず,制御部32からの始動信号は出力されないことから,エンジン駆動型圧縮機20は停止した状態にある。
【0075】
(2)停電時
以上のように,商用電源からの電力の供給が行われる通常運転に対し,商用電源からの電力の供給が停止した停電時には,モータ駆動型圧縮機10は電力の供給が絶たれて停止する。
【0076】
一方,制御装置30に設けられた停電検知手段31は,商用電源で停電が発生するとこれを検知して制御部32に対し停電検知信号を出力する(
図3のT1)。
【0077】
停電検知手段31からの停電検知信号を受信した制御部32は,エンジン駆動型圧縮機に設けられた運転制御装置21に対し,エンジンの始動を指令する始動信号を出力する(
図3のT2)。
【0078】
制御部32による始動信号の出力は,停電検知手段31からの停電検知信号の受信後直ちに行うものとしても良いが,雷等による瞬停(瞬時停電),および,電源の予期しない電圧変動等によるエンジン駆動型圧縮機20の誤作動を防止するため,停電検知手段31が停電を検知し,停電状態が所定時間(一例として2秒)継続した後にエンジン駆動型圧縮機に対して始動信号を出力する確認機能を設けるものとしても良い(
図3のT1−T2)。
【0079】
また,制御装置30の制御部32が圧力検知手段Ps2によって空圧機器60に供給される圧縮空気の圧力を監視するように構成した
図2に示す構成にあっては,停電検知信号の受信後,圧力検知手段Ps2により検知された圧力が予め設定した所定の圧力,一例として全負荷運転復帰圧力(PL)以下に低下した時,前述の始動信号を出力するように構成しても良く,このように構成することで,圧縮空気の消費が行われていない空圧機器60の停止状態等において,エンジン駆動型圧縮機20の不必要な始動を防止することができる。
【0080】
このようにして,制御装置30の制御部32が始動信号を出力すると,この始動信号を受信した運転制御装置21は,所定の手順に従い,エンジン駆動型圧縮機20の始動処理を行う。
【0081】
エンジン駆動型圧縮機20にディーゼルエンジンを搭載した本実施形態にあっては,運転制御装置21はエンジンに設けられた予熱手段(グロープラグ,エアヒータ等:図示せず)に対し所定時間(一例として5秒)バッテリ電源の通電を行ってエンジンを予熱した後,スタータ23を始動(クランキング)してエンジンを始動する(
図3のT2−T3)。
【0082】
エンジンの始動動作中,運転制御装置21は,エンジンに装備されたオルタネータ(発電機)の発電信号,エンジンの油圧を検知する油圧検知手段の検知信号,エンジンの回転速度を検知する回転速度検知手段からの検知信号等に基づいてエンジンの回転速度を監視し,エンジンが所定の回転速度に達すると,制御装置30の制御部32に対してエンジン運転信号を出力し(
図3のT4),エンジン運転信号を受信した制御部32は,始動信号の出力を停止する。
【0083】
運転制御装置21は,制御部32からの始動信号を受信している間,エンジンが始動して所定の回転速度に達するまでスタータ23の始動(クランキング)を行うよう構成されており,本実施形態にあっては,制御装置30の制御部32は,
図4に示すように始動信号の出力によりエンジンがクランキングを開始して所定時間(一例として10秒)を経過しても運転制御装置21からのエンジン運転信号が受信できない場合には,一旦始動信号の出力を停止し,所定時間(一例として15秒)の待機後,再度,始動信号を出力し,このような始動信号の出力を3回繰り返してもエンジン運転信号が受信できない場合,制御装置30の制御部32は,エンジン駆動型圧縮機20が始動渋滞に陥ったと判断し,前述の表示手段34に対し始動渋滞である旨の表示を行わせるように構成している。
【0084】
以後,エンジン駆動型圧縮機20は,運転制御装置21によって実現される容量制御装置による運転制御が行われ,レシーバタンク22内の圧力がモータ駆動型圧縮機10の全負荷運転復帰圧力(PL)と無負荷運転開始圧力(PH)の間に保持されるよう,圧縮機本体の吸気口を開閉制御すると共に,エンジンの回転速度が制御され,これにより,モータ駆動型圧縮機10の停止によっても,空圧機器60に対し,通常運転時と同様の所定圧力の圧縮空気が継続的に供給される。
【0085】
また運転制御装置21は,エンジン駆動型圧縮機20に設けられている圧縮機本体の吐出側圧力,図示の実施形態にあってはレシーバタンク22内の圧力を,圧力スイッチや圧力センサ等から成る圧力検知手段Ps1の検知信号に基づき監視し,圧縮機本体の吐出側圧力が予め設定された圧力(一例として0.15MPa)を超えると,制御部に対して「圧力確立信号」を発信する(
図3のT5)。
【0086】
更に,運転制御装置21に保護回路の機能を持たせた場合には,運転制御装置21は,エンジン駆動型圧縮機20に設けられたエンジンの潤滑油の油圧低下,該潤滑油の油量低下,該潤滑油の油温上昇,エンジンの冷却水温の上昇,エンジン回転速度の低下,燃料の残量不足(ガス欠),圧縮機本体の潤滑油の油量低下,該潤滑油の油温上昇などを監視し,この監視結果に基づき制御装置30の制御部32に対し警報信号,非常停止信号を出力する(
図6のT6以降)。
【0087】
なお,エンジン駆動型圧縮機20のエンジンが始動してから,エンジンの回転が立ち上がり安定する迄の所定の時間(一例として10秒;
図3のT4−T6)が経過する迄は,運転状態が安定せず,この状態のエンジン駆動型圧縮機20の運転状態を監視して警報表示や非常停止を行う場合,前述の保護回路が誤作動するおそれがあることに鑑み,本実施形態にあっては,エンジン運転信号の出力後,所定時間(一例として10秒)が経過した後,運転制御装置21による保護回路の形成(
図3のT6)を行うものとした。
【0088】
(3)復電時
以上のようにしてエンジン駆動型圧縮機20による圧縮空気の供給が行われている停電状態から,商用電源が復電すると,モータ駆動型圧縮機10に対する電力の供給が再開されてモータ駆動型圧縮機10が再始動する。
【0089】
一方,商用電源の復電を検知した停電検知手段31は,制御部32に対し復電検知信号を出力し(
図3のT7),この復電検知信号を受信した制御部32は,エンジン駆動型圧縮機20の運転制御装置21に対し停止信号を出力する(
図3のT8)。
【0090】
この停止信号の出力は,停電検知手段31からの復電検知信号の受信により直ちに出力するものとしても良いが,復電時において商用電源の電圧が安定するまでの間,エンジン駆動型圧縮機20の運転を継続させるため,停電検知手段31が復電を検知しても,電源の電圧が安定し所定時間(
図3のT7−T8間:一例として10秒)経過した後,エンジン駆動型圧縮機20に対して停止信号の出力を行う確認機能を設けるものとしても良い。
【0091】
また,制御装置30の制御部32が,圧力検知手段Ps2によって空圧機器60に対し供給されている圧縮空気の圧力を監視している
図2に記載の構成では,制御部32は停電検知手段31からの復電検知信号を受信した後,圧力検知手段Ps2が予め設定された所定の停止圧力,例えばモータ駆動型圧縮機の無負荷運転開始圧力(PH)以上になったことを検知した時に,エンジン駆動型圧縮機20に対し停止信号を出力するように構成するものとしても良く,このように構成することで,再始動直後に十分な圧縮空気の供給が行えない状態にあるモータ駆動型圧縮機による圧縮空気の供給を,エンジン駆動型圧縮機からの圧縮空気の供給によって補うことができるようにしても良い。
【0092】
このようにして,制御部32が停止信号を出力すると(
図3のT8),制御部32からの停止信号を受信したエンジン駆動型圧縮機20の運転制御装置21は,所定の処理手順に従いエンジン駆動型圧縮機20の停止処理を行う。
【0093】
一例として本実施形態にあっては,停止信号を受信した運転制御装置21は,圧縮機本体の吸気口を閉じると共にエンジンの回転速度を無負荷回転速度に低下させた無負荷運転を所定時間(
図3のT8−T9間:一例として60秒)行う冷却運転を行った後,エンジンを停止して(
図3のT9),エンジン駆動型圧縮機20を停止させ(
図3のT10),以後,モータ駆動型圧縮機10によって圧縮空気の供給を行う通常運転に移行する。