【課題】ヒートポンプとガスファーネスを用いて暖房を行う場合に、ヒートポンプにおいてデフロストを行う時であっても室内の快適性を維持することが可能に空調システムを提供する。
【解決手段】ヒートポンプユニット6とガスファーネスユニット50と共通ファン41を備える空調システム100において、ガスファーネスユニット50による暖房とヒートポンプユニット6による暖房を行うことができ、ヒートポンプユニット6による暖房中にデフロスト開始条件を満たした場合に、ガスファーネスユニット50を起動させてファーネス熱交換器58における暖房能力が十分に確保された状態にした後でヒートポンプユニット6において四路切換弁72の接続状態を切り換えて、デフロスト運転を開始する。
前記制御部は、前記ヒートポンプ運転制御中に前記デフロスト開始条件を満たした時点から再度前記ヒートポンプ運転制御を開始するまでの間は、前記ガスファーネスを駆動していることで前記設定温度を超えた場合であっても前記ガスファーネスの駆動状態を維持する、
請求項1に記載の空調システム。
前記制御部は、前記ヒートポンプ運転制御中に前記デフロスト開始条件を満たした時点から再度前記ヒートポンプ運転制御を開始するまでの間は、前記圧縮機の駆動周波数を上げない、
請求項1または2に記載の空調システム。
前記制御部は、前記デフロスト運転中に所定のデフロスト終了条件を満たした場合に、前記ヒートポンプにおいて冷媒の循環向きを反転させて前記ヒートポンプ運転制御が行われている状態にした後で前記ガスファーネスを停止させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空調システム。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような特許文献1に示された例では、ヒートポンプを駆動させた状態で蒸発器に付着した霜を除去する運転についてなんら検討されていない。
【0005】
このため、ヒートポンプにおいて冷媒回路を流れる冷媒の向きを反転させて、蒸発器に対してホットガスを供給することでデフロストを行う場合には、室内を暖房することができず、不快な環境になってしまう。
【0006】
これに対して、例えば、ヒートポンプとガスファーネスの2つの熱源を切り換えて用いている場合には、ヒートポンプにおいてデフロスト運転を行う際にガスファーネスを駆動させ、室内の暖房を係属させることも考えられる。
【0007】
ところが、ガスファーネスを起動したとしても瞬時に暖房能力を発揮することは難しく、ヒートポンプにおいてデフロスト運転を開始すると同時にガスファーネスを起動したとしても、室内を暖房する能力が一時的に不足して、不快になってしまうおそれがある。
【0008】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ヒートポンプとガスファーネスを用いて暖房を行う場合に、ヒートポンプにおいてデフロストを行う時であっても室内の快適性を維持することが可能に空調システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1観点に係る空調システムは、室内を暖房することが可能な空調システムであって、ヒートポンプと、ガスファーネスと、送風機と、制御部と、を備えている。ヒートポンプは、駆動周波数の調整が可能な圧縮機と、冷媒の放熱器と、膨張弁と、冷媒の蒸発器と、を含んでおり、冷媒を循環させる。ガスファーネスは、燃焼による加熱器を含んでいる。送風機は、放熱器および加熱器を通った空気を室内に送風する。制御部は、少なくとも、ヒートポンプを停止させた状態でガスファーネスを駆動させて設定温度に応じて室内の暖房を行うガスファーネス運転制御と、ガスファーネスを停止させた状態でヒートポンプを駆動させて設定温度に応じて室内の暖房を行うヒートポンプ運転制御と、を行う。制御部は、ヒートポンプ運転制御中に所定のデフロスト開始条件を満たした場合に、ガスファーネスが起動した後であって暖房能力が所定能力条件を満たした状態でヒートポンプにおいて冷媒の循環向きを反転させるデフロスト運転を開始する。
【0010】
この空調システムでは、ヒートポンプにおいて冷媒の循環向きを変えてデフロストを行う時であっても、ガスファーネスが駆動した状態になっているため室内を暖房し続け快適性を維持することが可能になる。
【0011】
第2観点に係る空調システムは、第1観点に係る空調システムであって、制御部は、ヒートポンプ運転制御中にデフロスト開始条件を満たした時点から再度ヒートポンプ運転制御を開始するまでの間は、ガスファーネスを駆動していることで設定温度を超えた場合であってもガスファーネスの駆動状態を維持する。
【0012】
この空調システムでは、デフロスト運転中に一時的に室内の設定温度を超える状況になったとしても、室内の温度が上がることでデフロスト運転の除霜効率が高まり、デフロスト運転による除霜に要する時間を短縮化させ、早期にヒートポンプ運転制御による暖房を再開させることが可能になる。
【0013】
第3観点に係る空調システムは、第1観点または第2観点に係る空調システムであって、制御部は、ヒートポンプ運転制御中にデフロスト開始条件を満たした時点から再度ヒートポンプ運転制御を開始するまでの間は、圧縮機の駆動周波数を上げない。
【0014】
この空調システムでは、デフロスト開始条件を満たした後は、設定温度に満たない状態になったとしてもヒートポンプの圧縮機の駆動周波数を上げないことで、早期にデフロスト運転を開始できる状況にすることが可能になる。
【0015】
第4観点に係る空調システムは、第1観点から第3観点のいずれかに係る空調システムであって、制御部は、デフロスト運転中に所定のデフロスト終了条件を満たした場合に、ヒートポンプにおいて冷媒の循環向きを反転させてヒートポンプ運転制御が行われている状態にした後でガスファーネスを停止させる。
【0016】
この空調システムでは、デフロストが終了してガスファーネスを停止する場合であっても、ヒートポンプが駆動した状態になっているため室内を暖房し続け快適性を維持することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
第1観点に係る空調システムでは、デフロストを行う時であっても室内の快適性を維持することが可能になる。
【0018】
第2観点に係る空調システムでは、早期にヒートポンプ運転制御による暖房を再開させることが可能になる。
【0019】
第3観点に係る空調システムでは、早期にデフロスト運転を開始できる状況にすることが可能になる。
【0020】
第4観点に係る空調システムでは、デフロストが終了してガスファーネスを停止する時も室内の快適性を維持することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る冷凍装置の室外ユニットについて、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
(1)空調システム100の設置例
図1は、本実施形態に係る空調システム100が建物1に対して設置された例を示す概略図である。
図2は、空調システム100の回路等の概略構成図である。
図3は、空調システム100のブロック構成図である。
【0024】
この空調システム100が設置された例の建物1は、1階の第1部屋2aおよび第2部屋2b、2階の第3部屋2cおよび第4部屋2d、地下室2e、天井裏2fを有する住宅である。
【0025】
このうち、地下室2eには、後述するヒートポンプガスファーネス一体ユニット30が設置されている。また、建物1の屋外には、後述するヒートポンプユニット6の一部である室外ユニット70が設置されている。
【0026】
地下室2eのヒートポンプガスファーネス一体ユニット30で作られた調和空気は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の吹出口側から延びるように設けられている給気ダクト31を介して、第1部屋2a、第2部屋2b、第3部屋2c、第4部屋2dにそれぞれ供給される。具体的には、給気ダクト31は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の吹出口側とは反対側が複数に分岐するように構成されており、分岐部分の一部である第1吹出分岐部分31aが第1部屋2a内に位置しており、分岐部分の一部である第2吹出分岐部分31bが第2部屋2b内に位置しており、分岐部分の一部である第3吹出分岐部分31cが第3部屋2c内に位置しており、分岐部分の一部である第4吹出分岐部分31dが第4部屋2d内に位置している。
【0027】
また、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30が調和する対象となる空気は、還気ダクト39を介して、各第1部屋2a、第2部屋2b、第3部屋2c、第4部屋2dから集められる。具体的には、還気ダクト39は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の吸込口側とは反対側が複数に分岐するように構成されており、分岐部分の一部である第1吸込分岐部分39aが第1部屋2a内に位置しており、分岐部分の一部である第2吸込分岐部分39bが第2部屋2b内に位置しており、分岐部分の一部である第3吸込分岐部分39cが第3部屋2c内に位置しており、分岐部分の一部である第4吸込分岐部分39dが第4部屋2d内に位置している。
【0028】
(2)空調システム100の概略構成
空調システム100は、温度調節された空気を作り出して、空調対象空間に対して供給するためのシステムであり、ファンユニット40、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50、コントロールインターフェイス10、室内温度センサ62、メインコントローラ20、上述の給気ダクト31、還気ダクト39等を有している。
【0029】
このうち、ヒートポンプユニット6は、液冷媒連絡配管76およびガス冷媒連絡配管77を介して互いに接続される利用ユニット60と室外ユニット70を有して構成されている。
【0030】
ファンユニット40と、ガスファーネスユニット50と、ヒートポンプユニット6のうちの利用ユニット60は、
図2に示すように、一体化されることでヒートポンプガスファーネス一体ユニット30を構成している。
【0031】
ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30は、筐体30aを有している。筐体30aの内部では、ファンユニット40とヒートポンプユニット6のうちの利用ユニット60とガスファーネスユニット50が直線状に並ぶように収容されている。本実施形態では、ファンユニット40が最も下に配置されており、ガスファーネスユニット50と利用ユニット60がこの順でファンユニット40の上方に並んで配置されている。
【0032】
コントロールインターフェイス10は、特に限定されないが、本実施形態では建物1の第1部屋2aに設けられている。コントロールインターフェイス10は、ユーザからの設定温度等の運転設定情報の入力を受け付ける。さらに、コントロールインターフェイス10は、空調システム100の運転開始および運転停止の指示を、ユーザから受け付ける。また、コントロールインターフェイス10は、運転状態の情報を表示するための表示部(図示せず)を有している。コントロールインターフェイス10は、地下室2eに配置されたメインコントローラ20と通信可能に接続されている。
【0033】
室内温度センサ62は、特に限定されないが、本実施形態では建物1の第1部屋2aに配置され、第1部屋2aの温度(第1吹出分岐部分31aや第1吸込分岐部分39aから離れた場所での温度)を検知している。室内温度センサ62は、地下室2eに配置されたメインコントローラ20と接続されており、メインコントローラ20に対して現在の第1部屋2aの温度を知らせることが可能になっている。
【0034】
メインコントローラ20は、コントロールインターフェイス10を介してユーザから受け付けた情報と、室内温度センサ62が検知した室内温度と、室外ユニット70の外気温センサ78bが検知した室外温度等に基づいて、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50、ファンユニット40等を制御する。このメインコントローラ20は、CPU20aやメモリ20bを有している。CPU20aは、メモリ20bが有しているデータ等に基づいて各種の制御を行う。メモリ20bには、コントロールインターフェイス10を介してユーザから受け付けた設定温度の情報等が格納されている。
【0035】
以下、ヒートポンプユニット6、ガスファーネスユニット50、ファンユニット40等について、それぞれ説明する。
【0036】
(3)ヒートポンプユニット6
ヒートポンプユニット6は、
図2に示すように、利用ユニット60、室外ユニット70、液冷媒連絡配管76およびガス冷媒連絡配管77を有して構成された蒸気圧縮式の空気調和装置である。本実施形態のヒートポンプユニット6は、冷房運転と暖房運転の両方を切り換えによって実行可能に構成されている。
【0037】
利用ユニット60と室外ユニット70は、液冷媒連絡配管76を介して接続された部分と、ガス冷媒連絡配管77を介して接続された部分を有している。
【0038】
利用ユニット60は、利用側熱交換器61と利用側熱交温度センサ63を有している。利用側熱交換器61は、内部を通過する冷媒と、外部を通過する空気との間で熱交換を行わせる。この利用側熱交換器61は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30aの内部の鉛直方向に延びる通路を埋めるように配置されている。利用側熱交換器61内の一端には、液冷媒連絡配管76が接続されており、他端にはガス冷媒連絡配管77が接続されている。利用側熱交温度センサ63は、利用側熱交換器61の内部を流れる冷媒の温度を検知する。この利用側熱交温度センサ63で検知された温度情報は、メインコントローラ20や室外ユニットコントローラ79に伝えられる。
【0039】
室外ユニット70は、建物1の屋外に設置されており、圧縮機71、四路切換弁72、室外熱交換器73、室外ファン74、電動膨張弁75、室外熱交温度センサ78a、外気温センサ78b、および、室外ユニットコントローラ79を有している。圧縮機71は、電気エネルギーを使って駆動されるインバータ機を有している。圧縮機71は、このインバータ機の駆動周波数を変化させることで容量を変えることができる。室外ユニットコントローラ79は、この圧縮機71と接続され、インバータ機の駆動周波数を制御するインバータ制御部71aを有している。室外熱交換器73は、室外ファン74によって供給される屋外空気と、内部を流れる冷媒との間で熱交換を行わせる。室外ファン74は、風量を制御するための室外ファンモータ74aを有している。この室外ファンモータ74aは、室外ユニットコントローラ79によって制御される。電動膨張弁75は、弁開度を変化させることで通過する冷媒量を変えることができる。圧縮機71、四路切換弁72、室外熱交換器73、電動膨張弁75、利用側熱交換器61は、互いに接続されることで、内部を冷媒が循環する冷媒回路6aを構成している。
【0040】
四路切換弁72は、接続状態を切り換えることで、冷媒回路6aにおける冷媒流れ方向を暖房運転状態と冷房運転状態もしくはデフロスト運転状態とに切り換えることができる。暖房運転状態(
図2の実線で示す接続状態)では、圧縮機71を駆動させて冷媒回路6a内に冷媒を循環させることにより、圧縮機71の吐出側、四路切換弁72、利用側熱交換器61、電動膨張弁75、室外熱交換器73、四路切換弁72、圧縮機71の吸入側の順に冷媒を流し、利用側熱交換器61を冷媒の放熱器として機能させつつ、室外熱交換器73を冷媒の加熱器として機能させる。これにより、建物1の外の空気から熱を奪って建物1の中へ熱を供給することができる。冷房運転状態(
図2の点線で示す接続状態)では、圧縮機71を駆動させて冷媒回路6a内に冷媒を循環させることにより、圧縮機71の吐出側、四路切換弁72、室外熱交換器73、電動膨張弁75、利用側熱交換器61、四路切換弁72、圧縮機71の吸入側の順に冷媒を流し、利用側熱交換器61を冷媒の加熱器として機能させつつ、室外熱交換器73を冷媒の放熱器として機能させる。これにより、建物1の中の空気から熱を奪って建物1の外へ熱を放出することができる。この四路切換弁72は、室外ユニットコントローラ79によって接続状態が切り換えられる。なお、デフロスト運転状態も、冷房運転状態と同様に、四路切換弁72は、圧縮機71の吐出側が室外熱交換器73側に接続されて圧縮機71の吸入側が利用側熱交換器61に接続された接続状態となる。この接続状態で圧縮機71を駆動させて冷媒回路6a内に冷媒を循環させることにより、圧縮機71の吐出側、四路切換弁72、室外熱交換器73、電動膨張弁75、利用側熱交換器61、四路切換弁72、圧縮機71の吸入側の順に冷媒を流し、室外熱交換器73に対して高温高圧冷媒を供給し、室外熱交換器73に付着している霜を融かす。この四路切換弁72は、室外ユニットコントローラ79によって接続状態が切り換えられる。
【0041】
室外熱交温度センサ78aは、室外熱交換器73の内部を流れる冷媒の温度を検知する。この室外熱交温度センサ78aで検知された温度情報は、室外ユニットコントローラ79に伝えられる。
【0042】
外気温センサ78bは、室外熱交換器73を通過する前の屋外の空気の温度を検知する。この外気温センサ78bで検知された温度情報は、室外ユニットコントローラ79に伝えられる。
【0043】
冷房運転状態では、室外ユニットコントローラ79は、メインコントローラ20からの指令を受けて、室内温度センサ62の検知温度および外気温センサ78bの検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、室外ファンモータ74aおよび電動膨張弁75の制御を行うとともに、インバータ制御部71aによって圧縮機71の駆動周波数を制御して、冷房の能力を調節する。
【0044】
暖房運転状態では、室外ユニットコントローラ79は、メインコントローラ20からの指令を受けて、室内温度センサ62の検知温度および外気温センサ78bの検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、室外ファンモータ74aおよび電動膨張弁75の制御を行うとともに、インバータ制御部71aによって圧縮機71の駆動周波数を制御して、暖房の能力を調節する。
【0045】
デフロスト運転状態では、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくか否かとは無関係に、電動膨張弁75の弁開度とインバータ制御部71aによる圧縮機71の駆動周波数を制御して室外熱交換器73に付着した霜を積極的に融解させる。なお、このとき、室外ファンモータ74aは停止させる。
【0046】
なお、ヒートポンプユニット6は、外気温度が極低温の場合等のように室外熱交換器73において冷媒を蒸発させる能力が不足する等して効率的な運転や能力を十分に発揮させる運転が困難な外気温度範囲は存在するが、外気温度が当該極低温よりも高い場合には、ガスファーネスユニット50よりもCOP(Coefficient of Performance;成績係数やエネルギー消費効率と呼ばれる指標)が良好な運転が可能な装置である。ここで、COPとは、加熱または冷却の能力Qを、その能力Qを得るための消費エネルギーLで割った値である。
【0047】
(4)ガスファーネスユニット50
ガスファーネスユニット50は、
図2に示すように、ガスファーネスコントローラ51、燃料調節弁54、ファーネスファン56、燃焼室57、ファーネス熱交換器58、排気管59等を有して構成されたガス燃焼式暖房機である。
【0048】
ガスファーネスコントローラ51は、メインコントローラ20と通信可能に接続されており、メインコントローラ20からの指令に基づいて、燃料調節弁54を通過させる燃料の量や、ファーネスファンモータ56aを制御する。
【0049】
燃焼室57には、ガスバーナ57aが設けられている。燃焼室57には、燃焼ガス供給管53を介して燃料ガスが供給され、空気供給管55を介して空気が供給される。ここで、燃焼ガスとしては、特に限定されないが、例えば、天然ガス等が用いられる。
【0050】
燃焼ガス供給管53には、燃焼室57に供給される燃焼ガスの量を調節するための燃料調節弁54が途中に設けられている。この燃料調節弁54の開度が開けられることで燃焼室57に燃焼ガスが供給される。この燃料調節弁54の弁開度も、上述したように、ガスファーネスコントローラ51によって制御される。
【0051】
空気供給管55と燃焼室57との間には、ファーネスファン56が設けられている。このファーネスファン56が回転駆動することによって、空気が燃焼室57まで送られる。このファーネスファン56は、回転数可変式のファーネスファンモータ56aを備えている。このファーネスファンモータ56aも、上述したように、ガスファーネスコントローラ51によって制御される。
【0052】
このようにして燃焼室57に供給された燃焼ガスと空気とは混ざり合い、ガスバーナ57aによって燃焼し、高温ガスを生じさせる。この高温ガスは、ファーネス熱交換器58に送られる。
【0053】
ファーネス熱交換器58は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内であって、利用ユニット60の鉛直下方に配置されている。このファーネス熱交換器58は、内部を通過する加熱ガスと、外部をヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30aを上方に向けて通過する空気と、の間で熱交換を行わせる。これにより、ファーネス熱交換器58の外部を通過した空気は、暖められる。
【0054】
排気管59は、ファーネス熱交換器58の燃焼室57側とは反対側の端部に接続されている。排気管59のファーネス熱交換器58との接続部分には、排気ヘッダ59aが設けられている。
【0055】
(5)ファンユニット40
ファンユニット40は、
図2に示すように、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内のうち、利用ユニット60およびガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58の下方に配置され、筐体30a内に下から上に向かう空気流れを生じさせる共通ファン41を有している。
【0056】
この共通ファン41は、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内の流路において、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58および利用ユニット60の利用側熱交換器61が直線状に並べられている。これにより、共通ファン41が駆動するだけで、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58と利用ユニット60の利用側熱交換器61の両方に対して空気流れを供給することが可能になっている。すなわち、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58に対応したファンと、利用ユニット60の利用側熱交換器61に対応したファンと、を個別に設ける必要が無くなっている。
【0057】
共通ファン41は、回転数可変式の共通ファンモータ41aを備えており、ヒートポンプガスファーネス一体ユニット30の筐体30a内を通過させる空気の量を調節することが可能になっている。この共通ファンモータ41aは、メインコントローラ20によって制御される。
【0058】
(6)空調システム100の制御
空調システム100では、メインコントローラ20によって、冷房運転の制御、暖房運転の制御、および、デフロスト運転の制御が行われる。
【0059】
(6−1)冷房運転の制御
空調システム100では、冷房運転時は、ガスファーネスユニット50の運転は停止し、ヒートポンプユニット6を四路切換弁72が冷房運転状態に切り換えられた状態で駆動させて、ファンユニット40の共通ファン41を駆動させることで、第1〜第4部屋2a〜2dに対して冷風を供給する。
【0060】
ここで、ヒートポンプユニット6の圧縮機71、室外ファンモータ74a、電動膨張弁75および共通ファンモータ41aは、室内温度センサ62の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、メインコントローラ20および室外ユニットコントローラ79によって制御される。
【0061】
(6−2)暖房運転の制御
空調システム100では、暖房運転時は、ガスファーネスユニット50とヒートポンプユニット6のいずれか一方を用いて温かい空気を作り、ファンユニット40の共通ファン41を駆動させること第1〜第4部屋2a〜2dに対して温風を供給する。
【0062】
ここで、ヒートポンプユニット6を効率良く運転させることが困難であるかもしくは能力を十分に発揮させることが困難な程度に外気温度が極低温になった場合や暖房負荷が大きい場合には、ヒートポンプユニット6が停止し、ガスファーネスユニット50のみが駆動するガスファーネス暖房運転が行われる。他方、ヒートポンプユニット6を効率良く運転させることが可能であり能力を十分に発揮させることも可能な外気温度の場合や暖房負荷が小さい場合には、ガスファーネスユニット50が停止し、ヒートポンプユニット6のみが駆動するヒートポンプ暖房運転が行われる。この極低温、すなわち、ヒートポンプユニット6を効率良く運転させることが困難であるかもしくは能力を十分に発揮させることが困難な程度に低い外気温度は、高基準温度T1として予め定められてメモリ20bに格納されている。ここで、この極低温(高基準温度T1)よりもさらに低温ではあるが、ガスファーネスユニット50を運転させる場合と比べると、より効率的にヒートポンプユニット6を運転させることが可能である程度に暖房負荷が小さい場合が存在する。このように暖房負荷が小さい場合にヒートポンプユニット6の運転を優先させる基準となる温度は、上記の高基準温度T1よりも低い温度である低基準温度T2として予め定められてメモリ20bに格納されている。なお、ヒートポンプユニット6が暖房運転を行う場合は、四路切換弁72が暖房運転状態に切り換えられた状態で駆動される。
【0063】
ここで、ガスファーネス暖房運転時には、燃料調節弁54およびファーネスファンモータ56aは、室内温度センサ62の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、メインコントローラ20およびガスファーネスコントローラ51によって制御される。
【0064】
また、ヒートポンプ暖房運転時には、圧縮機71、室外ファンモータ74a、電動膨張弁75および共通ファンモータ41aは、室内温度センサ62の検知温度に基づいて、室内温度センサ62の検知温度が設定温度に近づくように、メインコントローラ20および室外ユニットコントローラ79によって制御される。具体的には、室内温度センサ62の検知値が設定温度に満たない場合には、圧縮機71の駆動周波数を上げる等の制御が行われる。
【0065】
(6−3)デフロスト運転の制御
空調システム100では、ガスファーネスユニット50ではなくヒートポンプユニット6を用いて温かい空気を作り共通ファン41によって第1〜第4部屋2a〜2dに温風を供給する暖房運転が行われている際に、所定のデフロスト開始条件を満たした場合に、ヒートポンプユニット6の四路切換弁72の接続状態を切り換えて、室外熱交換器73に付着した霜を融解させるデフロスト運転が行われる。
【0066】
このデフロスト運転では、ヒートポンプユニット6の四路切換弁72の接続状態を冷房運転時の接続状態と同様の接続状態に切り換えて圧縮機71を駆動させることで、室外熱交換器73に対して高温高圧の冷媒を供給する。これにより、室外熱交換器73の外表面に付着していた霜を融解させることができる。
【0067】
ここで、デフロスト運転では、ヒートポンプユニット6の四路切換弁72の接続状態が冷房運転時と同様の接続状態になることで、利用側熱交換器61を冷媒の放熱器として機能させることができない。このため、デフロスト運転時には、ガスファーネスユニット50を駆動させて暖かい空気を作りつつ、ファンユニット40の共通ファン41を駆動させること第1〜第4部屋2a〜2dに対する温風の供給を継続させている。
【0068】
なお、デフロスト運転は、所定のデフロスト終了条件を満たした場合に、室外熱交換器73に付着している霜が融解したとして、ヒートポンプユニット6の四路切換弁72の接続状態を切り換えて、暖房運転時の接続状態に戻す。
【0069】
このように、デフロスト運転は、暖房運転が行われている間、所定のデフロスト開始条件を満たす度に開始され、所定のデフロスト終了条件を満たす度に終了する。
【0070】
(7)暖房運転とデフロスト運転との切り換え制御
上述のように、デフロスト運転は、暖房運転が行われている間、所定のデフロスト開始条件を満たす度に開始され、所定のデフロスト終了条件を満たす度に終了するが、デフロスト運転時にはヒートポンプユニット6の利用側熱交換器61は冷媒の放熱器として機能しないため、代わりにガスファーネスユニット50を駆動させて暖かい空気を作り、第1〜第4部屋2a〜2dへの温風の供給を継続させるようにしている。
【0071】
ここで、ガスファーネスユニット50を起動させる場合には、ガスファーネスコントローラ51が、ファーネスファン56のファーネスファンモータ56aを駆動させつつ、燃焼ガス供給管53に設けられている燃料調節弁54の弁開度を上げることで、燃焼ガス供給管53を介して燃焼ガスを燃焼室57まで送り、空気供給管55を介して空気を燃焼室57まで送る。そして、燃焼室57では、燃焼ガスと空気が混ざり合う。ここで、燃焼ガスと空気との混合ガスが燃焼濃度に達した状態にして、ガスバーナ57aによって燃焼させることで高温ガスを生じさせる。このようにして生じた高温ガスは、ファーネスファン56の駆動によってファーネス熱交換器58に送られる。以上の工程を経て、ファーネス熱交換器58の内部を流れる高温ガスによってファーネス熱交換器58の外部を通過する空気を暖めはじめることが可能になる。このように、ガスファーネスユニット50を起動させる場合には、ガスファーネスコントローラ51が起動の指示を受け付けた時点から実際にファーネス熱交換器58の外部を通過する空気を暖められた状態になる時点までは、タイムラグがある。
【0072】
これに対して、本実施形態の空調システム100では、メインコントローラ20が、ヒートポンプユニット6においてデフロスト運転が開始される時点でガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58による暖房能力が確保された状態となるように、デフロスト運転が開始されるよりも前の時点からガスファーネスユニット50を起動させ始めるようにしている。これにより、ガスファーネスユニット50を起動し始めてから実際にファーネス熱交換器58の外部を通過する空気が暖められた状態になるまでにタイムラグがあっても、デフロスト運転の開始時においても第1〜第4部屋2a〜2dへの温風の供給を継続させることが可能になっている。
【0073】
具体的には、
図4のフローチャートに示すように、暖房運転とデフロスト運転との切り換え制御が行われる。以下では、暖房運転が行われている状態からの処理を説明する。
【0074】
ステップS10では、メインコントローラ20が、所定のデフロスト開始条件を満たしているか否か判断する。ここで、所定のデフロスト開始条件は、室外熱交換器73に霜が付着していると思われる温度条件として予め設定されており、特に限定されないが、本実施形態では、室外熱交温度センサ78aが検知する温度が所定デフロスト開始温度以下となることを条件としている。
【0075】
ステップS11では、メインコントローラ20は、室外ユニット70においてデフロスト運転を開始させることなく、ガスファーネスコントローラ51にガスファーネスユニット50を起動させ始める。具体的には、ガスファーネスコントローラ51が、ファーネスファン56のファーネスファンモータ56aを駆動させつつ、燃焼ガス供給管53に設けられている燃料調節弁54の弁開度を上げることで、燃焼ガス供給管53を介して燃焼ガスを燃焼室57まで送り、空気供給管55を介して空気を燃焼室57まで送る。そして、燃焼室57において燃焼ガスと空気との混合ガスが燃焼濃度に達した状態にしてガスバーナ57aによって燃焼させ、生じた高温ガスをファーネスファン56の駆動によってファーネス熱交換器58に送る。なお、ここでは、共通ファンモータ41aの駆動状態は維持させる。
【0076】
ここで、メインコントローラ20は、所定のデフロスト開始条件を満たすことでガスファーネスユニット50を起動し始めた後は、ガスファーネスユニット50を駆動していることにより第1〜第4部屋2a〜2dの設定温度を超える状況になったとしても、ガスファーネスユニット50の駆動状態を弱めることなく維持させる。
【0077】
また、室外ユニットコントローラ79は、所定のデフロスト開始条件を満たした後からデフロスト運転を開始するまでの間は、仮に、第1〜第4部屋2a〜2dの設定温度に満たない状態になったとしても、圧縮機71の駆動周波数が上がらないように制限する。
【0078】
ステップS12では、ガスファーネスコントローラ51は、ガスファーネスユニット50が起動を終えたか否かを判断する。ここで、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58が起動されて暖房能力を十分に発揮できるようになっているか否かを判断する。具体的には、特に限定されないが、例えば、ガスファーネスユニット50の起動開始から所定の起動時間が経過したか否かを判断するようにしてもよいし、ファーネス熱交換器58の周囲の温度が所定の温度に達しているか否かを判断するようにしてもよい。起動を終えていると判断した場合には、ガスファーネスコントローラ51は、その旨をメインコントローラ20に知らせる。
【0079】
ステップS13では、メインコントローラ20は、ガスファーネスユニット50の起動が終わり、ガスファーネスユニット50だけで暖房能力を十分に発揮できる状況になったと判断し、室外ユニットコントローラ79にデフロスト運転を開始させる。ここでは、室外ユニットコントローラ79は、冷媒回路6aの圧縮機71の上流側と下流側の冷媒圧力の均圧処理を行い、四路切換弁72の接続状態を、圧縮機71の吐出側が利用側熱交換器61と接続されている暖房運転状態から、圧縮機71の吐出側が室外熱交換器73と接続されている冷房運転状態に切り換える。このような接続状態で、圧縮機71を駆動させ、高温高圧の冷媒を着霜している室外熱交換器73に送る。なお、デフロスト運転では、室外ファン74を停止させるが、第1〜第4部屋2a〜2dに対して温風の供給を続けるために共通ファン41の駆動は続ける。
【0080】
ステップS14では、室外ユニットコントローラ79は、デフロスト終了条件を満たしているか否かを判断する。デフロスト終了条件は、室外熱交換器73に付着している霜が融解したと思われる条件であり、特に限定されないが、本実施形態では、利用側熱交温度センサ63が検知する利用側熱交換器61を流れる冷媒の温度が所定のデフロスト終了温度以上になっているか否か、および、デフロスト運転を開始してから所定のデフロスト時間が経過したか否かが判断される。ここで、いずれかの条件を満たした場合には、室外ユニットコントローラ79は、室外熱交換器73に付着している霜がほとんど融解していると判断してステップS15に移行する。
【0081】
ステップS15では、室外ユニットコントローラ79は、デフロスト終了条件を満たしたとして、ヒートポンプユニット6の四路切換弁72の接続状態を切り換えて、暖房運転時の接続状態に戻す。ここで、ヒートポンプユニット6の冷媒回路6aにおいて、圧縮機71の吐出側の高圧冷媒の圧力が所定の圧力に到達するまでは、室外ユニットコントローラ79は、圧縮機71の駆動周波数が所定の周波数以下で維持されるように、周波数の上昇を制限させる。
【0082】
ステップS16では、室外ユニットコントローラ79は、圧縮機71の吐出側の高圧冷媒の圧力が所定の圧力に到達したか否かを判断し、到達していた場合にはステップS17に移行する。なお、このように高圧圧力を高めることで、ヒートポンプユニット6における暖房能力が確保された状況とすることができる。
【0083】
ステップS17では、ガスファーネスコントローラ51は、ガスファーネスユニット50の駆動を停止させ、ステップS11に戻って繰り返す。
【0084】
(8)本実施形態の特徴
(8−1)
本実施形態に係る空調システム100では、外気温が極低温であったり暖房負荷が大きな状況に対応できるガスファーネスユニット50と、運転効率の高いヒートポンプユニット6の両方を選択的に利用することができる。
【0085】
このため、外気温が極低温であったり暖房負荷が大きな状況であっても負荷処理を行うことができ、外気温度が極低温でなかったり暖房負荷が小さい場合には効率のよい運転を行うことが可能になる。
【0086】
(8−2)
また、空調システム100では、ガスファーネスユニット50が起動し始めてから暖房能力を十分に発揮できるようになるまでに時間を要する場合であっても、ヒートポンプユニット6においてデフロスト運転が開始される際には既にガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58における暖房能力が十分に確保されている。
【0087】
このため、室内の暖かさを快適に維持したままでヒートポンプユニット6のデフロスト運転を行うことが可能になる。
【0088】
(8−3)
また、空調システム100では、デフロスト運転中は、ガスファーネスユニット50を駆動していることにより第1〜第4部屋2a〜2dの設定温度を超える状況になったとしても、ガスファーネスユニット50の駆動状態を弱めることなく維持させている。
【0089】
このため、デフロスト運転中に一時的に各部屋の温度が設定温度を超える状況になったとしても、室内の温度が上がることでデフロスト運転における室外熱交換器73の除霜効率を高めることができる。
【0090】
これにより、デフロスト運転による除霜に要する時間を短縮化させ、早期にヒートポンプユニット6による暖房運転を再開させることが可能になる。
【0091】
(8−4)
また、空調システム100では、室外ユニットコントローラ79は、所定のデフロスト開始条件を満たした後からデフロスト運転を開始するまでの間は、仮に、第1〜第4部屋2a〜2dの設定温度に満たない状態になったとしても、圧縮機71の駆動周波数が上がらないように制限している。
【0092】
このため、デフロスト運転を開始する際の四路切換弁72の接続状態の切換え前に行われる均圧処理を行いやすくすることができ、デフロスト運転を開始できる状況にするための時間を短縮化させることが可能になる。
【0093】
(8−5)
また、本実施形態に係る空調システム100では、ガスファーネスユニット50が、燃焼ガスのガスバーナ57に対する供給量を調節する燃料調節弁54を有している。このため、ガスファーネス暖房運転が行われている状態では、大きな暖房負荷を処理しつつ、暖房能力を詳細に調節することが可能になっている。
【0094】
そして、本実施形態に係る空調システム100では、ヒートポンプユニット6が、インバータ制御によって能力を調節できる圧縮機71を有している。このため、ヒートポンプ暖房運転が行われている状態では、効率の良い運転を行いつつ、暖房能力を詳細に調節することが可能になっている。
【0095】
(8−6)
なお、本実施形態に係る空調システム100では、ヒートポンプユニット6の利用側熱交換器61を通過させる空気の量と、ガスファーネスユニット50のファーネス熱交換器58を通過させる空気の量と、を1つの共通ファン41によって調節することが可能になっている。このため、ヒートポンプユニット6のためのファンとガスファーネスユニット50のためのファンを別個に設ける必要が無く、装置をコンパクト化させることが可能になっている。
【0096】
(9)その他の実施形態
上記実施形態では、本発明の実施形態の一例を説明したが、上記実施形態はなんら本願発明を限定する趣旨ではなく、上記実施形態には限られない。本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更した態様についても当然に含まれる。
【0097】
(9−1)
上記実施形態では、下から、ファンユニット40、利用ユニット60、ガスファーネスユニット50の順に配置された場合について説明した。
【0098】
しかし、これらの要素の配置順は、特に限定されない。例えば、ファンユニットは、利用ユニットやガスファーネスユニットの下流側に配置されていてもよいし、利用ユニットとガスファーネスユニットの間に配置されていてもよい。また、利用ユニットとガスファーネスユニットの配置は、空気流れ方向における配置順序が上記実施形態と異なっていてもよく、利用ユニットがガスファーネスユニットの下流側に配置されていてもよい。
【0099】
また、例えば、利用ユニットとガスファーネスユニットが空気流れ方向に並んで設けられること無く、流路の切り換え機構等を備えさせることで、利用ユニットとガスファーネスユニットとのいずれか一方側にのみ空気を通過させるように構成されていてもよい。
【0100】
(9−2)
上記実施形態では、デフロスト運転を開始する際に、四路切換弁72の接続状態を切り換えるための均圧処理を行う場合について説明した。
【0101】
しかし、デフロスト運転を開始する際に行う処理としては、これに限られず、例えば、凝縮器として機能していた利用側熱交換器61に溜まっている液冷媒が圧縮機71の吸入側に接続されることで圧縮機71が液冷媒を吸入することが無いように、当該液冷媒を他の場所に移動させる処理等が行われてもよい。このような液冷媒を他の場所に移動させる処理としては、例えば、冷媒回路がレシーバを備えている場合には、当該レシーバに液冷媒を移動させる処理であってもよい。