【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、独立請求項に記載されたそれぞれの本発明によって解決される。本発明の別の有利な構成例は、従属請求項にも記載されている。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法が提供され、この方法は、以下のステップ、すなわち、
通信ネットワークの移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を、前記移動加入者の位置データに基づいて求めるステップと、
前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるステップと、
前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるステップとを含んでいる。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、少なくとも1つの道路関連情報を求めるためのシステムが提供され、このシステムは、
通信ネットワークの移動加入者の位置データに基づいて、前記移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を求めるように構成されている処理装置を含み、
前記処理装置は、前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるように構成され、
前記処理装置は、前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるように構成されている。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、このプログラムは、コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムであって、本発明による方法を実施するためのプログラムコードが含まれている。
【0011】
本発明では、特に、道路の横断が可能になる前に、通常は灯火信号機の前で待機しなければならないという知識に基づいている。それにより、有利には簡単な方法で、ある地点若しくはその周辺での灯火信号機の存在を推論することが可能になる。この知識は、例えば、デジタルマップを更新するのに、あるいはデジタルマップ内の既存の灯火信号機の位置を検証若しくは確認するのに有利に利用することが可能である。そのような有利な形態のデジタルマップに基づいて最終的には、ナビゲーションの信頼性が高められる。特に有利には、灯火信号機の存在に関する当該情報は、様々な交通参加者が入手可能になるので、相応に自身のナビゲーションも最適に適応化可能となる。それにより、例えば道路上の交通の流れも最適化可能である。これにより有利には、個々の交通参加者のそれぞれの旅行時間も短縮できるようになる。とりわけ既存の灯火信号機に合わせて適応化された走行様式は、燃費が最小となるように車両誘導を適応化させる。
【0012】
有利な実施形態によれば、複数の道路関連情報が求められる。これらの情報は特に同じように形成されるか、または、有利には種々異なって形成される。
【0013】
別の有利な実施形態によれば、前記通信ネットワークは、移動無線ネットワークであってもよい。
【0014】
別の有利な実施形態によれば、前記通信ネットワークは、インターネットであってもよい。
【0015】
別の実施形態によれば、複数の移動加入者が存在していてもよい。一人の加入者に係る実施例は、複数の加入者に対しても同じ様に有効であり、その逆も当て嵌まる。すなわちこの実施形態では、複数の加入者のそれぞれの位置データが入手可能になる。すなわち、特に、各加入者毎のそれらの位置データに基づいて所定の地点が求められる。特に各加入者毎にそれぞれの待機時間が求められる。灯火信号機の位置は、特にそのつど求められた待機時間と、そのつど求められた位置データとに基づいて求められる。つまり、複数の加入者のもとでは、それらの位置データの統計的な評価が実施される。そのため、灯火信号機の位置が特に高い信頼性のもとで求められる。灯火信号機の存在を所定の確率で推論するために必要な加入者の数は、具体的な個々のケースに依存する。特にそれらの正確な数は、加入者が道路を横断するのに費やした期間に依存している。例えば、少なくとも10人の加入者が、所定の地点から道路を横断しなければならない。それによって灯火信号機に対する推論が統計的に行われるようになる。特に、1つの灯火信号機の存在を相応に推論するためには、少なくとも12時間の期間が監視されなければならない。
【0016】
有利な実施形態によれば、前記移動加入者は、移動端末、特に移動無線機であってもよい。
【0017】
加入者が道路を横断することを文言化することによって、特定の加入者が、道路を横断するユーザーまたは車両によって運ばれるケースも含まれる。ここでのユーザーないし車両とは、交通参加者である。
【0018】
有利な実施形態によれば、加入者速度が横断前、及び/又は、横断中、及び/又は、横断後に求められ、求められた加入者速度に基づいて灯火信号機のタイプが道路関連情報として求められる。この加入者速度は、特に道路を横断するユーザー又は車両の速度に相応している。
【0019】
様々な交通参加者は、様々な速度を有している。これらの交通参加者は、例えば車両、歩行者、または自転車であってもよい。前記車両とは、例えば自家用自動車、商用自動車、二輪車であってもよい。これらの交通参加者は、移動加入者を同伴し得るので、前記加入者速度に応じて、当該移動加入者が歩行者なのか、車両ドライバー又は二輪車によって運ばれているのかがわかる。すなわち、加入者速度に依存して、移動加入者を同伴したどの交通加入者に所属するのかが分類できる。例えば加入者速度が3km/h乃至5km/hの間であるならば、歩行者であることが推論できる。また加入者速度が5km/h乃至60km/hの間であるならば、車両ドライバー、例えば自家用自動車のドライバーであることが推論できる。さらに加入者速度が5km/h乃至25km/hの間であるならば、自転車運転者であることが推論できる。
【0020】
別の有利な実施形態によれば、前記加入者の横断方向を求め、前記求められた横断方向に基づいて、灯火信号機の配向状態を道路関連情報として求める。
【0021】
それにより、特に灯火信号機が、どの走行方向に対して、またはどの走行レーンに対して交通を制御しているのかがわかる、技術的効果が奏される。別の実施形態によれば、求められる待機時間に基づいて、灯火信号機の赤信号フェーズの持続時間が道路関連情報として求められる。
【0022】
それにより、例えば、赤信号フェーズの持続時間を検出する簡単な手段が得られる効果が奏される。
【0023】
さらに別の実施形態によれば、加入者が道路を横断するのに要する横断時間が求められる。
【0024】
それにより、例えば灯火信号機のフェーズを評価して調整することが可能になる技術的効果が奏される。とりわけ青信号フェーズの持続時間は、青信号フェーズ中に道路を横断できる所定の加入者数に関して最適化され得る。
【0025】
別の実施形態によれば、求められた待機時間に対する日付データが求められてもよい。
【0026】
それにより、例えば、日中による評価が可能となる技術的効果が奏される。とりわけ、灯火信号機が動作を停止している日中時間が識別できる。動作していない灯火信号機は、特に、待機時間がゼロであるか、または、例えば動作中の灯火信号機の最小待機時間よりも短いことによって識別される。日付データには、例えば日中時間、すなわち一般的な時刻及び/又は周日が含まれる。
【0027】
さらに別の有利な実施形態によれば、複数の移動加入者のもとで、別のさらなる移動加入者自身が横断を前にして再び待機せざるを得なくなる前にまだ道路を渡りきることができた最初の移動加入者と最後の移動加入者との間の経過時間を求め、前記求められた経過時間に基づいて、前記灯火信号機の青信号フェーズの持続時間を、道路関連情報として求める。
【0028】
これにより、特に青信号フェーズの持続時間が求められる技術的効果が奏される。
【0029】
前述してきた実施例によれば、すなわち例示的な実施形態において有利には、灯火信号機の複数のフェーズ(信号フェーズ)が求められるか又は確定され、とりわけ赤信号フェーズ及び/又は青信号フェーズ、つまりこれらのフェーズの各持続時間が求められる。
【0030】
さらに別の実施形態によれば、通信インターフェースが通信ネットワークを介した加入者位置データの受信のために設けられる。これにより特に加入者自身が位置データを直接システムに送信できる技術的効果が奏される。
【0031】
以下では本発明を有利な実施例に基づいて詳細に説明する。