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特開2015-219921少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-219921(P2015-219921A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20151110BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20151110BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20151110BHJP
【FI】
   G08G1/16 D
   G08G1/09 D
   G08G1/09 H
   B60R21/00 628B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-99722(P2015-99722)
(22)【出願日】2015年5月15日
(31)【優先権主張番号】10 2014 209 281.7
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フューラー
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181BB05
5H181FF04
5H181FF13
5H181LL14
5H181MB02
5H181MB12
(57)【要約】
【課題】灯火信号機の位置を道路関連情報として求めることができる、少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法を提供すること。
【解決手段】通信ネットワークの移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を、前記移動加入者の位置データに基づいて求めるステップと、前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるステップと、前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるステップとを含むようにする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法であって、
通信ネットワークの移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を、前記移動加入者の位置データに基づいて求めるステップ(101)と、
前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるステップ(103)と、
前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるステップ(105)とを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記横断前、及び/又は、前記横断中、及び/又は、前記横断後に、前記移動加入者の速度を求め、前記求められた移動加入者速度に基づいて、灯火信号機のタイプを、道路関連情報として求める、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記移動加入者の横断方向を求め、前記求められた横断方向に基づいて、灯火信号機の配向状態を、道路関連情報として求める、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記求められた待機時間に基づいて、灯火信号機の赤信号フェーズの持続時間を、道路関連情報として求める、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記移動加入者が道路を横断するのに必要となる横断時間を求める、請求項1から4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記求められた待機時間に対応する日付データを求める、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
複数の移動加入者のもとで、さらなる移動加入者が横断を前にして再び待機せざるを得なくなる前にまだ道路を渡りきることができた、最初の移動加入者と最後の移動加入者との間の経過時間を求め、前記求められた経過時間に基づいて、前記灯火信号機の青信号フェーズの持続時間を、道路関連情報として求める、請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの道路関連情報を求めるためのシステム(201)であって、
通信ネットワークの移動加入者の位置データに基づいて、前記移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を求めるように構成されている処理装置(205)を含み、
前記処理装置(205)は、前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるように構成され、
前記処理装置(205)は、前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるように構成されていることを特徴とするシステム(201)。
【請求項9】
前記移動加入者の位置データを、前記通信ネットワークを介して受信するための通信インターフェース(203)をさらに含んでいる、請求項8記載のシステム(201)。
【請求項10】
コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムであって、請求項1から7いずれか1項記載の方法を実施するためのプログラムコードが含まれていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法およびシステムに関している。本発明はさらにコンピュータプログラムに関している。
【背景技術】
【0002】
道路交通網において、一般に灯火信号機の位置を識別することは、法を遵守したナビゲーションのためにも重要である。複数のデジタルマップを含んだ多くのナビゲーションシステムが公知ではあるが、しかしながらそれらのデジタルマップは往々にして不完全であるかまたはエラーを含んでいる可能性が高い。
【0003】
そのため、灯火信号機の位置や特に灯火信号機のフェーズ(信号フェーズ)を求める需要が生まれてきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、灯火信号機の位置を道路関連情報として求めることができる、少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法を提供することである。
【0005】
また本発明の課題は、対応するシステムを提供することである。
【0006】
さらに本発明の課題は、対応するコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、独立請求項に記載されたそれぞれの本発明によって解決される。本発明の別の有利な構成例は、従属請求項にも記載されている。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法が提供され、この方法は、以下のステップ、すなわち、
通信ネットワークの移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を、前記移動加入者の位置データに基づいて求めるステップと、
前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるステップと、
前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるステップとを含んでいる。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、少なくとも1つの道路関連情報を求めるためのシステムが提供され、このシステムは、
通信ネットワークの移動加入者の位置データに基づいて、前記移動加入者が道路を横断したときの出発点となる道路上の1つの地点位置を求めるように構成されている処理装置を含み、
前記処理装置は、前記移動加入者が前記道路を横断する前に、前記移動加入者が前記1つの地点位置において待機しなければならなかった待機時間を求めるように構成され、
前記処理装置は、前記求められた待機時間と、前記求められた地点位置とに基づいて、灯火信号機の位置を、道路関連情報として求めるように構成されている。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、このプログラムは、コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムであって、本発明による方法を実施するためのプログラムコードが含まれている。
【0011】
本発明では、特に、道路の横断が可能になる前に、通常は灯火信号機の前で待機しなければならないという知識に基づいている。それにより、有利には簡単な方法で、ある地点若しくはその周辺での灯火信号機の存在を推論することが可能になる。この知識は、例えば、デジタルマップを更新するのに、あるいはデジタルマップ内の既存の灯火信号機の位置を検証若しくは確認するのに有利に利用することが可能である。そのような有利な形態のデジタルマップに基づいて最終的には、ナビゲーションの信頼性が高められる。特に有利には、灯火信号機の存在に関する当該情報は、様々な交通参加者が入手可能になるので、相応に自身のナビゲーションも最適に適応化可能となる。それにより、例えば道路上の交通の流れも最適化可能である。これにより有利には、個々の交通参加者のそれぞれの旅行時間も短縮できるようになる。とりわけ既存の灯火信号機に合わせて適応化された走行様式は、燃費が最小となるように車両誘導を適応化させる。
【0012】
有利な実施形態によれば、複数の道路関連情報が求められる。これらの情報は特に同じように形成されるか、または、有利には種々異なって形成される。
【0013】
別の有利な実施形態によれば、前記通信ネットワークは、移動無線ネットワークであってもよい。
【0014】
別の有利な実施形態によれば、前記通信ネットワークは、インターネットであってもよい。
【0015】
別の実施形態によれば、複数の移動加入者が存在していてもよい。一人の加入者に係る実施例は、複数の加入者に対しても同じ様に有効であり、その逆も当て嵌まる。すなわちこの実施形態では、複数の加入者のそれぞれの位置データが入手可能になる。すなわち、特に、各加入者毎のそれらの位置データに基づいて所定の地点が求められる。特に各加入者毎にそれぞれの待機時間が求められる。灯火信号機の位置は、特にそのつど求められた待機時間と、そのつど求められた位置データとに基づいて求められる。つまり、複数の加入者のもとでは、それらの位置データの統計的な評価が実施される。そのため、灯火信号機の位置が特に高い信頼性のもとで求められる。灯火信号機の存在を所定の確率で推論するために必要な加入者の数は、具体的な個々のケースに依存する。特にそれらの正確な数は、加入者が道路を横断するのに費やした期間に依存している。例えば、少なくとも10人の加入者が、所定の地点から道路を横断しなければならない。それによって灯火信号機に対する推論が統計的に行われるようになる。特に、1つの灯火信号機の存在を相応に推論するためには、少なくとも12時間の期間が監視されなければならない。
【0016】
有利な実施形態によれば、前記移動加入者は、移動端末、特に移動無線機であってもよい。
【0017】
加入者が道路を横断することを文言化することによって、特定の加入者が、道路を横断するユーザーまたは車両によって運ばれるケースも含まれる。ここでのユーザーないし車両とは、交通参加者である。
【0018】
有利な実施形態によれば、加入者速度が横断前、及び/又は、横断中、及び/又は、横断後に求められ、求められた加入者速度に基づいて灯火信号機のタイプが道路関連情報として求められる。この加入者速度は、特に道路を横断するユーザー又は車両の速度に相応している。
【0019】
様々な交通参加者は、様々な速度を有している。これらの交通参加者は、例えば車両、歩行者、または自転車であってもよい。前記車両とは、例えば自家用自動車、商用自動車、二輪車であってもよい。これらの交通参加者は、移動加入者を同伴し得るので、前記加入者速度に応じて、当該移動加入者が歩行者なのか、車両ドライバー又は二輪車によって運ばれているのかがわかる。すなわち、加入者速度に依存して、移動加入者を同伴したどの交通加入者に所属するのかが分類できる。例えば加入者速度が3km/h乃至5km/hの間であるならば、歩行者であることが推論できる。また加入者速度が5km/h乃至60km/hの間であるならば、車両ドライバー、例えば自家用自動車のドライバーであることが推論できる。さらに加入者速度が5km/h乃至25km/hの間であるならば、自転車運転者であることが推論できる。
【0020】
別の有利な実施形態によれば、前記加入者の横断方向を求め、前記求められた横断方向に基づいて、灯火信号機の配向状態を道路関連情報として求める。
【0021】
それにより、特に灯火信号機が、どの走行方向に対して、またはどの走行レーンに対して交通を制御しているのかがわかる、技術的効果が奏される。別の実施形態によれば、求められる待機時間に基づいて、灯火信号機の赤信号フェーズの持続時間が道路関連情報として求められる。
【0022】
それにより、例えば、赤信号フェーズの持続時間を検出する簡単な手段が得られる効果が奏される。
【0023】
さらに別の実施形態によれば、加入者が道路を横断するのに要する横断時間が求められる。
【0024】
それにより、例えば灯火信号機のフェーズを評価して調整することが可能になる技術的効果が奏される。とりわけ青信号フェーズの持続時間は、青信号フェーズ中に道路を横断できる所定の加入者数に関して最適化され得る。
【0025】
別の実施形態によれば、求められた待機時間に対する日付データが求められてもよい。
【0026】
それにより、例えば、日中による評価が可能となる技術的効果が奏される。とりわけ、灯火信号機が動作を停止している日中時間が識別できる。動作していない灯火信号機は、特に、待機時間がゼロであるか、または、例えば動作中の灯火信号機の最小待機時間よりも短いことによって識別される。日付データには、例えば日中時間、すなわち一般的な時刻及び/又は周日が含まれる。
【0027】
さらに別の有利な実施形態によれば、複数の移動加入者のもとで、別のさらなる移動加入者自身が横断を前にして再び待機せざるを得なくなる前にまだ道路を渡りきることができた最初の移動加入者と最後の移動加入者との間の経過時間を求め、前記求められた経過時間に基づいて、前記灯火信号機の青信号フェーズの持続時間を、道路関連情報として求める。
【0028】
これにより、特に青信号フェーズの持続時間が求められる技術的効果が奏される。
【0029】
前述してきた実施例によれば、すなわち例示的な実施形態において有利には、灯火信号機の複数のフェーズ(信号フェーズ)が求められるか又は確定され、とりわけ赤信号フェーズ及び/又は青信号フェーズ、つまりこれらのフェーズの各持続時間が求められる。
【0030】
さらに別の実施形態によれば、通信インターフェースが通信ネットワークを介した加入者位置データの受信のために設けられる。これにより特に加入者自身が位置データを直接システムに送信できる技術的効果が奏される。
【0031】
以下では本発明を有利な実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法のフローチャート
図2】少なくとも1つの道路関連情報を求めるためのシステムを示した概略図
図3】交差点を示した図
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には、少なくとも1つの道路関連情報を求めるための方法のフローチャートが示されている。
【0034】
ここではステップ101に従って、通信ネットワークの移動加入者が道路を横断したときの出発点となる、道路上の1つの地点の位置が求められる。この検出は、前記加入者の位置データに基づいて実施される。ステップ103では、前記加入者が道路を横断する前に、前記1つの地点にて当該加入者が待機しなければならなかった待機時間が求められる。ステップ105では、道路関連情報として灯火信号機の位置が、前記求められた待機時間と前記求められた位置とに基づいて求められる。
【0035】
図2には、少なくとも1つの道路関連情報を求めるためのシステム201が示されている。
【0036】
このシステム201は、移動加入者の位置データを、通信ネットワークを介して受信するための通信インターフェース203を含んでいる。さらにこのシステム201は、処理装置205を含んでおり、この処理装置205は、本発明による方法を実施できるように構成されている。なお図示されていない実施形態において、前記システム201に、通信インターフェース203を含ませない構成も可能である。
【0037】
図3には、4つの道路303,305,307,309が交差している交差点301が示されている。ここでは右側通行が行われている。符号310は、道路307の当該交差点301前の停止線を示している。符号311は、道路305を横断する前の第1の地点を示している。この第1の地点311は、地点“A”とも称し、以下では単に符号“A”で示される。符号313は、前記道路305の、前記第1の場所311とは反対側の通り沿いに存在している第2の地点を示す。つまりこの第2の場所313は、道路305を横断した後に到達する地点である。この第2の場所313は、地点Bとも称し、以下では単に符号“B”で示される。停止線310においては灯火信号機が設けられており、この灯火信号機は交通整理を実施している。ただしこの灯火信号機は、ここでは図を見易くする理由から示していない。その他のさらなる道路303,305,309においても有利には灯火信号機が交通整理のために設けられていてもよい。
【0038】
概略的に示されている車両315は、道路305ないし交差点領域を横断しようとしている。この車両315は以下では単に“X”とも称する。符号317は自転車の運転者を概略的に表しており、これは以下では単に“Y”とも称する。符号319は歩行者を概略的に表しており、これは以下では単に“Z”とも称する。これらの個々の交通参加者それぞれの通行に係る移動方向は、符号321の付された矢印で表されている。すなわち、これらの個々の交通参加者は、道路305を、地点Aから地点Bへ横断しようとしている(ただし車両315は、歩道の走行は禁止されているので厳密には道路307上を走行している)。そしてこれらの交通参加者の各々、あるいは、前記車両315の少なくとも一人の乗員が、少なくとも一人の移動加入者であり、例えば移動無線機のような移動端末を所持している。別の実施例においては、他の道路の交通参加者が当該交差点301を横断しようと目論んでいてもよい。つまり図3に示されている実施例はあくまでも一例であり、これに限定されることを意図したものではない。
【0039】
移動加入者の各々は、それぞれの現在位置を、交差点301の走行中、道路305の横断中、および道路305の横断後に、本発明によるシステム、例えば図2中のシステム201に、送信する。その後処理装置205は、とりわけ以下に述べるようなステップを実行可能である。
【0040】
同じ場所での少なくともn人の通信ネットワーク加入者/ユーザーを介した、前記交差点301(あるいは別の任意の交差点、合流路、横断歩道、歩道橋)における前述したような交通参加者の待機時間に基づいて、信号機の存在が推論できるため、その結果として本発明による電子マップ(例えばデジタル地図)は、当該信号機情報を補足する。但し前記nは、交差点/信号機毎の所定の時間に亘る統計的な情報となり得るように構成する必要がある(例えば次のような評価:同じ場所の10人のユーザー/12h)。
【0041】
本発明によるデジタルマップ、例えばデジタル市街地図に、既に複数の信号機情報が含まれている場合には、このことがさらに本発明による方法を介して確認でき、あるいは本発明による方法によって、情報力の改善が図られる(これにより信号機に対する学習フェーズは省かれる)。
【0042】
さらに有利には、歩行者として信号機に従って横断するのか、あるいは(乗り物で)移動している交通参加者(車両、自転車)として信号機に従って横断するのかが区別される。このことはまず可能である。なぜなら当該方法は加入者側で例えば移動端末において持続的に実施され、交差点だけで処理されるものではないからである。そのため交差点の横断前後でどの位の速度を伴って前進移動しているかに応じてそれらのタイプを推論できることがわかっている(例えば時速3km乃至5kmは歩行者として、時速5km乃至60kmは自動車のドライバーとして、時速5km乃至25kmは自転車の運転者としての推論が可能)。従って識別される灯火信号機は、歩行者用信号機または車両用信号機である。
【0043】
さらにこの方法の実施形態によれば、交差点や合流路の交差方向と信号機の配向方向を確定するために、GPS情報や追跡情報(加入者の位置データ)が利用される。
【0044】
この方法の実施形態によれば、既知の信号機毎にデータレコードが形成される。ここでは交差点毎に複数の信号機データレコード、例えば地点Aから地点Bへ移動する、歩行者に対するデータレコード(Z,A→B)、エンジン(モーター)駆動式車両に乗った交通参加者に対するデータレコード(X,A→B)、並行する自転車道を走る自転車運転者に対するデータレコード(Y,A→B)が存在している。つまり、交差点毎に、複数の信号機データレコードが形成されるか又は求められ、前記各レコードにはそれぞれ、横断が開始される地点と、横断が終了する地点と、交通参加者のタイプ(歩行者、車両ドライバー、自転車運転者など)とが含まれている。
【0045】
これらの信号機データレコードは、本発明の実施形態によれば、車両、自転車または歩行者が赤信号の前で平均して待たなければならない待機時間について、あるいは交差点が横断できるようになるまでの待機時間について、統計的に補足される。それにより、統計的に必要最小限の、赤信号フェーズの待機時間が求められる(同じ地点/位置における個々のユーザーの待機時間、例えば地点Aにおける歩行者Zの待機時間から)。
【0046】
この方法のさらなる実施形態によれば、信号機データレコードが、青信号フェーズの持続時間によって、つまり、例えばソーシャルネットワークの加入者である最初の歩行者(任意の他の交通参加者でもよい)と、(同じくソーシャルネットワークの加入者であり得る)当該青信号フェーズ中にまだ交差点を横断することができた最後の歩行者との間の持続時間によって補足される。このことは、有利には、既存の信号フェーズ中に確定する。
【0047】
この方法のさらなる別の実施形態によれば、信号機データレコードが、各交通参加者の横断持続時間についても補足される。これらの情報は、信号機フェーズの後からの評価又は後からの調整に対しても有利となる。
【0048】
この方法の改善された実施形態によれば、日中時間に応じた変更に関する分析も含まれる。つまり、有利には、日中時間に依存した変更が分析され、同様にデータレコードに記憶される。この分析によれば、例えば夜22:00から朝6:00までの間の信号機における停止信号フェーズは長くとられ(例えば5分間)、それに対して朝6:00〜夜22:00までの間の信号機の停止信号フェーズは例えば2分間にされる。
【0049】
この方法の別の実施形態によれば、例えば、灯火信号機の動作停止が日中時間に識別されるように拡張されてもよい。例えば、0:00から早朝5:00までの間に、加入者またはクラウドユーザーが信号機のところで待機している時間若しくは停車している時間が一切存在しないならば、信号機装置の動作停止が識別される。
【0050】
要約すれば、本発明は、とりわけ次のような考察を含んでいる。すなわち、交差点、合流路、及び/又は、横断歩道ないし歩道橋における複数の既存情報と、そこに配置されている灯火信号機の前でユーザーが待機した待機時間と、ユーザーの現在位置データ、特にGPS位置データとを、通信ネットワークを介して相関付ける考察である。これらの加入者は、それぞれの位置データを例えばソーシャルネットワークを介して通知し、これによって例えば様々な情報をソーシャルネットワークで求めることが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
301 交差点
303 道路
305 道路
307 道路
309 道路
310 停止線
311 第1の地点(地点A)
313 第2の地点(地点B)
315 車両(X)
317 自転車(Y)
319 歩行者(Z)
321 移動方向
図1
図2
図3