特開2015-219966(P2015-219966A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015219966-点灯装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-219966(P2015-219966A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】点灯装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20151110BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-100385(P2014-100385)
(22)【出願日】2014年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 丈裕
(72)【発明者】
【氏名】相場 明穂
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA04
3K273BA20
3K273BA25
3K273BA26
3K273CA02
3K273CA03
3K273DA08
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA03
3K273FA07
3K273FA13
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA27
3K273FA33
3K273FA40
3K273FA41
3K273GA02
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA15
3K273GA18
3K273GA25
(57)【要約】
【課題】大型のスイッチを用いなくとも確実な消灯を実現することができる点灯装置を提供する。
【解決手段】コンバータ回路60は、スイッチング素子Q1と、バックコンバータを構成する図示しないインダクタ(チョークコイル)などの回路要素と、駆動用制御IC61と、FB回路62とを備える。マイコン40は、調光器28からの調光信号および負荷電流の値からFB目標出力値VFBinを生成し、FB回路62にFB目標出力値VFBinを供給する。FB回路62は、検出抵抗53で検出した負荷電流をFB目標出力値VFBinに近づけるように、駆動用制御IC61への出力値VFBoutを調節してスイッチング素子Q1のオンオフを調整する。コンバータ回路60は消灯スイッチ63を備えている。消灯スイッチ63は、FB回路62と駆動用制御ICの間の接続点Pを選択的に消灯レベルに接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を変換するためのスイッチング素子、および前記スイッチング素子を駆動するための駆動回路を含むコンバータ回路と、
負荷電流を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した負荷電流が目標出力値に近づくように前記スイッチング素子のオンオフを調整する信号を前記駆動回路に与えるフィードバック回路と、
前記フィードバック回路に前記目標出力値を供給する制御回路と、
前記フィードバック回路と前記駆動回路の接続点に接続し、前記接続点を選択的に消灯レベルに接続する消灯スイッチと、
を備える点灯装置。
【請求項2】
点灯開始時には、前記消灯スイッチをオフに切り替えた後に、前記制御回路が前記目標出力値の出力を開始する請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
消灯時には、前記制御回路が前記目標出力値を下限まで低下させた後に、前記消灯スイッチをオンに切り替える請求項1または2に記載の点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載されているように、オペアンプ等の比較器を用いてフィードバック(FB)制御を実施する点灯装置が知られている。オペアンプ等の比較器が所定のオフセット電圧(約10mV)を有していることなどに起因して、消灯制御時の目標レベルが実際の消灯レベルより高くなってしまう場合がある。この場合、消灯制御を実施しているにも関わらず微弱な電流がLEDに流れてしまうので、消灯が確実になされないという問題がある。この問題を解決する方法として、例えば、下記の特許文献2に記載されたLED電流遮断方法が知られている。特許文献2にかかるLED電流遮断方法においては、LEDに流れる電流を遮断するためのスイッチ回路を設けている。なお、下記の非特許文献1には、点灯装置用に現在販売されている制御用マイコンの一例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−176911号公報
【特許文献2】特許第4568052号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】BL0200-DS Rev.2.2、データシート、SANKEN ELECTRIC CO.,LTD.[平成26年5月1日検索]、インターネット〈URL:http://www.semicon.sanken-ele.co.jp/sk_content/bl0202c_ds_jp.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、LEDの負荷電流は数百mA〜数Aである。特許文献2のようにLEDの負荷電流経路に挿入したスイッチを用いてその経路を直接に遮断するためには、大型のスイッチが必要となるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、大型のスイッチを用いなくとも確実な消灯を実現することができる点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる点灯装置は、入力電圧を変換するためのスイッチング素子、および前記スイッチング素子を駆動するための駆動回路を含むコンバータ回路と、前記負荷電流を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した負荷電流が目標出力値に近づくように前記スイッチング素子のオンオフを調整する信号を前記駆動回路に与えるフィードバック回路と、前記フィードバック回路に前記目標出力値を供給する制御回路と、前記フィードバック回路と前記駆動回路の接続点に接続し、前記接続点を選択的に消灯レベルに接続する消灯スイッチと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フィードバック回路の出力値を消灯レベルに選択的に接続する消灯スイッチを設けたので、大型のスイッチを用いなくとも確実な消灯を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態にかかる点灯装置の回路図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる点灯装置の動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態にかかる点灯装置1の回路図であり、この点灯装置1を備えた照明器具100もあわせて図示している。照明器具100は、複数のLED26を備えるLEDモジュール27と、点灯装置1と、この点灯装置1に接続された調光器28と、を備えている。調光器28が調光率に応じたPWM信号を後述するマイコン40へと入力する。なお、LEDモジュール27を、有機EL素子を用いた有機ELモジュールに置換してもよい。
【0011】
点灯装置1は、コンバータ回路60と、マイコン40と、整流回路8と、抵抗31、32が直列接続した分圧回路と、抵抗51、52が直列接続した分圧回路と、検出抵抗53とを備えている。コンバータ回路60は、本実施形態では一例としてバックコンバータ回路であるものとする。整流回路8は、交流電源7と接続している。整流回路8の出力端子と並列に、抵抗31、32からなる分圧回路が接続している。抵抗31、32からなる分圧回路で分圧された電圧は、入力電圧Vinとしてマイコン40に入力される。入力電圧Vinを検出することで、交流電源7の電圧レベルを検出する。コンバータ回路60の出力側には抵抗51、52からなる分圧回路が接続しており、この分圧回路で分圧した電圧に基づいてコンバータ回路60の出力電圧(言い換えるとLEDの負荷電圧)を検出することができる。検出抵抗53は、LEDモジュール27のカソードに直列に接続されている。検出抵抗53は、LEDモジュール27に流れるLED電流(すなわち負荷電流)を検出するためのものである。これらの負荷電圧および負荷電流はマイコン40に入力される。
【0012】
コンバータ回路60は、スイッチング素子Q1と、このスイッチング素子Q1とともにバックコンバータを構成する図示しないインダクタ(チョークコイル)、ダイオード、およびコンデンサなどの回路要素と、駆動用制御IC61と、フィードバック回路(以下、FB回路)62とを備えている。なお、ここではコンバータ回路60が有するバックコンバータ部分についてのみ説明しているが、コンバータ回路60に昇圧チョッパ回路がさらに含まれていてもよい。この昇圧チョッパ回路は、整流回路8からの直流電圧を受けて力率改善を行い、次段のバックコンバータへ直流電圧を供給する。また、整流回路8の出力端子と並列に入力コンデンサが設けられていてもよい。このような入力コンデンサ、昇圧チョッパ回路、およびバックコンバータ回路が順次接続した点灯回路は既に公知であり、新規な事項ではないので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0013】
入力電圧を変換するためのスイッチング素子Q1は、本実施形態ではMOSFETであり、第1端子(本実施形態では例えばドレイン)、第2端子(本実施形態では例えばソース)および第1、2端子間をスイッチングするための制御端子(本実施形態ではゲート)を備えている。駆動用制御IC61は、スイッチング素子Q1をオンオフ駆動するためのパルス信号(具体的にはPWM信号)を、FB回路62からの入力信号に基づいて生成する。マイコン40は、調光器28からの調光信号および負荷電流の値からFB目標出力値VFBinを生成し、このFB目標出力値VFBinをFB回路62に供給する。FB回路62は、その内部に比較器を有しており、この比較器に検出抵抗53で検出される負荷電流およびマイコン40からのFB目標出力値VFBinが入力される。FB回路62は、検出抵抗53で検出した負荷電流をFB目標出力値VFBinに近づけるように、駆動用制御IC61への出力値VFBoutを調節して、スイッチング素子Q1のオンオフを調整する。
【0014】
本実施形態では、消灯スイッチ63がコンバータ回路60内に設けられている。消灯スイッチ63は、一方の端子、他方の端子、およびこれら一方と他方の端子間の電気的接続をオンオフする制御端子を備えている。マイコン40は、消灯スイッチ63の制御端子にオンオフの切り替え信号を伝達する。消灯スイッチ63の一方の端子が接続点Pに接続され、消灯スイッチ63の他方の端子が接地されている。接続点Pは、FB回路62と駆動用制御IC61との接続点である。消灯スイッチ63は、例えば、バイポーラトランジスタおよびベース入力抵抗を内蔵したいわゆるデジタルトランジスタを用いてもよい。
【0015】
消灯スイッチ63は、接続点Pを選択的に「消灯レベル」に接続する。この消灯レベルは、予め定めた所定電位であり、点灯閾値Vthよりも低い。点灯閾値Vthは、駆動用制御IC61がスイッチング素子Q1を駆動してLEDモジュール27を点灯させはじめる閾値である。消灯レベルを点灯閾値Vthよりも低い電位に設定することで、駆動用制御IC61の起動中においても、確実な消灯を実現することができる。本実施の形態では消灯スイッチ63の他方の端子を接地させているので、消灯レベルは接地電位である。消灯レベルは、接地電位以外の他の基準電位としてもよいが、消灯を確保するためには接地電位と同様に十分に低い電位とすることが好ましい。
【0016】
なお、消灯スイッチ63は駆動用制御IC61に入力される電圧を消灯レベルに選択的に切り替えることができればよく、消灯スイッチ63の配置箇所および具体的構造などは本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変形してもよい。つまりFB回路62と駆動用制御IC61の間に1つの部品として消灯スイッチ63としてデジタルトランジスタを設ける実施形態のほか、FETなどの他のスイッチング素子がFB回路62の出力端から駆動用制御IC61の入力端までのいずれかの箇所に設けられてもよい。
【0017】
なお、本実施の形態ではコンバータ回路60を一例としてバックコンバータ回路であるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。定電流フィードバックが実施されるLED電源用の他のコンバータ回路、例えば、フライバックコンバータ回路、SEPICコンバータ(Single Ended Primary Inductor Converter)回路、あるいはHブリッジコンバータ回路などを用いてもよい。これらの回路においても、定電流フィードバック制御を実施するFB回路と、フィードバック制御されるスイッチング素子と、このスイッチング素子と接続することでスイッチング方式のコンバータを構成するインダクタ、ダイオード、およびコンデンサなどの回路要素と、このスイッチング素子を制御する駆動用制御ICとを設けるとともに、本実施の形態と同様に消灯スイッチ63を設けることができる。
【0018】
FB目標出力値VFBinと負荷電流を比較してフィードバック制御する場合に、FB目標出力値VFBinが消灯を指示する値であるにもかかわらず、残留電圧、部品のばらつき、温度特性等に起因して消灯できない場合があるという問題がある。そこで、本実施形態では消灯スイッチ63を設けることで、接続点Pの電圧レベルを、マイコン40によるFB目標出力値VFBinの制御とは別に独立して調節できるようにしている。消灯スイッチ63は、オン(つまり閉)となることで、接続点Pを接地電位に接続する。これにより、接続点Pの電圧レベルを強制的に消灯レベルに維持することができ、駆動用制御IC61への信号伝達を遮断できる。その結果、点灯装置1の消灯を確保することができる。一方、消灯スイッチ63をオフ(つまり開)とすることで、接続点Pが接地電位から切り離され、FB回路62と駆動用制御IC61の間の電気的経路が導通状態となる。これによりFB回路62から駆動用制御IC61への信号伝達が可能となるので、FB回路62からの信号に従って駆動用制御IC61がスイッチング素子Q1を駆動させる。その結果、点灯装置1によりLEDモジュール27を点灯させることができる。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態にかかる点灯装置1の動作を示すタイムチャートである。本実施形態では、より好ましい形態として、マイコン40が、点灯開始時に消灯スイッチ63をオフに切り替えた後にFB目標出力値VFBinの出力を開始する。さらに好ましい形態として、消灯時には、マイコン40は、FB目標出力値VFBinを下限まで低下させた後に消灯スイッチ63をオンに切り替える。ここで、マイコン40は、点灯時および消灯時それぞれにおける消灯スイッチ63のオンオフの切り替えとFB目標出力値VFBinの調節との間に、予め定めた遅延時間Td1、Td2を設けることが好ましい。
【0020】
具体的に図2を用いて説明すると、まず、点灯時に、図2の上段に示すように消灯スイッチ63をオフ(つまり開)して点灯可能状態とする。その後、遅延時間Td1の経過までは、マイコン40はFB目標出力値VFBinを出力しない。遅延時間Td1が経過すると、図2の中段に示すように、マイコン40がFB目標出力値VFBinを現時点での目標点灯状態に対応する値まで増加させる。これに応じて、図2の下段に示すように、FB回路62の出力が徐々に増加し、目標の点灯レベルまで到達する。これにより、点灯時に、FB制御の遅れによるフラッシュを抑制することができる。
【0021】
また、消灯時については、まず、図2の中段に示すように、マイコン40が、FB目標出力値VFBinを消灯に達する下限値まで低下させる。これに応じて、図2の下段に示すように、FB回路62の出力が徐々に減少する。その後、遅延時間Td2が経過してから、消灯スイッチ63をオン(つまり閉じる)ことで消灯を確保する。これにより、消灯時は確実に下限調光までフィードバック制御を実施することができる。なお、本実施の形態では点灯開始時の遅延時間Td1と消灯時の遅延時間Td2を両方を設けたが、本発明はこれに限られず、いずれか一方の遅延時間のみを設けてもよい。
【0022】
以上説明したように、本実施形態によれば、負荷電流とFB目標出力値VFBinを比較しフィードバック制御する点灯装置1において、FB回路62の出力値VFBoutを消灯に制御する消灯スイッチ63を設けている。これにより、確実な消灯を実現することができる。また、図2を用いて説明したように、FB目標出力値VFBinの生成とは時間差をおいて消灯スイッチ63のオンオフが行われる。これにより、LED26のフラッシュを抑制した点灯、および下限調光までフィードバック制御した後の消灯をそれぞれ行うことができる。
【0023】
なお、図2において下段に示した、FB回路62の出力値VFBoutは、点灯開始時において、消灯スイッチ63をオフにしたあと遅延時間Td1の間、点灯閾値Vthと等しくなっている。また、消灯時においては、FB回路62の出力値VFBoutが徐々に低下した後、その低下が点灯閾値Vthで止まっている。このような動作は一例として図示したものであり、本発明を限定するものではない。例えば、FB回路62の出力値VFBoutが、点灯開始時において消灯スイッチ63をオフにしたあと遅延時間Td1の間、点灯閾値Vthより若干高くなる場合、点灯閾値Vthより低くなる場合、あるいは零(つまり接地電位レベル)となることもある。消灯時も同様に、FB回路62の出力値VFBoutが徐々に低下した後、その低下が点灯閾値Vthより若干高い電圧レベルで止まる場合、点灯閾値Vthより低い電圧レベルで止まる場合、あるいは、零(つまり接地電位レベル)まで低下する場合もある。また、常に一定の挙動とならず、毎回異なる場合もある。この点、本実施の形態によれば、消灯スイッチ63を用いることにより、FB回路62の出力値がどのような挙動をとるかにかかわらず確実な消灯を行うことができる。
【符号の説明】
【0024】
1 点灯装置、7 交流電源、8 整流回路、26 LED、27 モジュール、28 調光器、31、32、51、52 抵抗、40 マイコン、53 検出抵抗、60 コンバータ回路、61 駆動用制御IC、62 FB回路、63 消灯スイッチ、100 照明器具、P 接続点、Q1 スイッチング素子、Td1、Td2 遅延時間、VFBin FB目標出力値、VFBout 出力値、Vth 点灯閾値
図1
図2