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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-219967(P2015-219967A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/688 20110101AFI20151110BHJP
【FI】
   H01R13/688
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-100387(P2014-100387)
(22)【出願日】2014年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 詩朗
(72)【発明者】
【氏名】林 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】西島 誠道
(72)【発明者】
【氏名】前川 文隆
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC33
5E021MA11
(57)【要約】
【課題】ヒューズが収容された接続装置の小型化を図ること。
【解決手段】接続装置1は、内部に収容空間12Aを有し、収容空間12Aが第1の収容空間12A1と第2の収容空間12A2と第3の収容空間12A3とに区画されたハウジング10と、軸状に延伸し、その延伸方向の両端部にそれぞれ端子50が設けられるとともに、第1の収容空間12A1内に収容されるヒューズ40であって、延伸方向についてヒューズ40の一端部から他端部に至るまでの範囲内で、端子50の各々から第1の収容空間12A1と第2の収容空間12A2とに跨る形でそれぞれ伸びる一対の締結部54を有するヒューズ40と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容空間を有し、該収容空間が第1の収容空間と第2の収容空間と第3の収容空間とに区画されたハウジングと、
軸状に延伸し、その延伸方向の両端部にそれぞれ端子が設けられるとともに、前記第1の収容空間内に収容されるヒューズであって、前記延伸方向について該ヒューズの一端部から他端部に至るまでの範囲内で、前記端子の各々から前記第1の収容空間と前記第2の収容空間とに跨る形でそれぞれ伸びる一対の締結部を有するヒューズと、
を備える接続装置。
【請求項2】
前記第2の収容空間内に収容される一対の収容部と、
前記一対の収容部にそれぞれ収容されるとともに、前記締結部の各々を前記収容部に対してそれぞれ締結する一対の締結部材と、を備え、
前記一対の収容部の各々が前記ハウジングと別体とされている、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
少なくとも一方の前記収容部が、前記第3の収容空間側に張り出す張出部を有する、請求項2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記一対の収容部が一体とされている、請求項2又は請求項3に記載の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される技術は、接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器側の端子と電線との間を接続する接続装置において、電線側に過電流が流れることを防止するため、内部に設けられた収容空間内にヒューズが収容されたものが知られている。このような接続装置の一例として、例えば特許文献1に記載のコネクタが知られている。このコネクタでは、ヒューズの両端部にそれぞれ接続端子部が設けられ、各接続端子部に形成されたボルト挿通孔にボルトが挿通されることで、コネクタの収容空間内にヒューズがボルト締結された状態で収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−222398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような接続装置では、収容空間内に収容される各部材の中でヒューズが特に大きな部材とされる。このため、上記のような接続装置において、接続装置の小型化を図るべく、コネクタの収容空間内に各部材を密集させた形で収容する場合、収容空間内の大部分をヒューズが占めることとなる。そこで、接続装置の小型化を図るためには、コネクタの収容空間をヒューズの延伸方向についてなるべく小さい寸法とすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のコネクタでは、ヒューズの両端部に設けられた各接続端子部が、ヒューズの延伸方向に沿ってヒューズの外側に延伸する形で設けられている。このため、コネクタの収容空間をヒューズの延伸方向について小さい寸法とすることが難しく、コネクタの小型化を図り難いという問題があった。
【0006】
本明細書で開示される技術は、上記の課題に鑑みて創作されたものであって、ヒューズが収容された接続装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で開示される技術は、内部に収容空間を有し、該収容空間が第1の収容空間と第2の収容空間と第3の収容空間とに区画されたハウジングと、軸状に延伸し、その延伸方向の両端部にそれぞれ端子が設けられるとともに、前記第1の収容空間内に収容されるヒューズであって、前記延伸方向について該ヒューズの一端部から他端部に至るまでの範囲内で、前記端子の各々から前記第1の収容空間と前記第2の収容空間とに跨る形でそれぞれ伸びる一対の締結部を有するヒューズと、を備える接続装置に関する。
【0008】
上記の接続装置では、ハウジングの第1の収容空間内にヒューズが収容され、ヒューズの両端部に設けられた各端子の締結部が、ヒューズの延伸方向についてヒューズの一端部から他端部に至るまでの範囲内で伸びている。このため、各端子の締結部がヒューズの延伸方向についてヒューズの外側にはみ出すことがなく、第1の収容空間のヒューズの延伸方向についての寸法を、ヒューズの延伸方向の寸法に近い大きさとすることができる。さらに、各端子の締結部は第1の収容空間と第2の収容空間とに跨る形で伸びているので、第2の収容空間内において各端子の締結部をボルト等によってハウジングに対して締結することができ、第1の収容空間内に各端子の締結部を締結するためのスペースを別途確保する必要がない。
【0009】
以上のように上記の接続装置では、ヒューズが収容されるハウジングの第1収容空間のヒューズの延伸方向についての寸法を、ヒューズの延伸方向の寸法に近い寸法とすることができる。その結果、ハウジングに対してヒューズを締結するための締結部が、ヒューズの両端部からヒューズの延伸方向の外側に向かって延伸する従来の構成と比べて、接続装置の小型化を図ることができる。なお、第3の収容空間内には、例えばヒューズが接続されない導電部材等を収容することができる。
【0010】
上記の接続装置において、前記第2の収容空間内に収容される一対の収容部と、前記一対の収容部にそれぞれ収容されるとともに、前記締結部の各々を前記収容部に対してそれぞれ締結する一対の締結部材と、を備え、前記一対の収容部の各々が前記ハウジングと別体とされていてもよい。
【0011】
一対の締結部材を収容するための一対の収容部の各々がハウジングと一体とされていると、接続装置の組み付け工程において、例えば第3の収容空間内に部材を収容する際に、各収容部による段差によって当該部材が各収容部と干渉することがあり、当該部材を第3の収容空間内に収容し難いことがある。上記の構成によると、各収容部がハウジングと別体とされているので、接続装置の組み付け工程において、先に例えば第3の収容空間内に部材を収容し、その後に第2の収容空間内に各収容部を収容することができる。このため、第3の収容空間内に部材を収容する際に、当該部材が各収容部と干渉することがなく、接続装置の組み付け易さを向上させることができる。
【0012】
上記の接続装置において、少なくとも一方の前記収容部が、前記第3の収容空間側に張り出す張出部を有してもよい。
【0013】
この構成によると、接続装置の組み付け工程において、先に例えば第3の収容空間内に部材を収容し、その後に第2の収容空間内に各収容部を収容することで、当該部材を収容部から張り出す張出部とハウジングとの間に挟み込むことができる。これにより、第3の収容空間内に収容される部材をハウジングに対して保持することができる。
【0014】
上記の接続装置において、前記一対の収容部が一体とされていてもよい。
【0015】
この構成によると、接続装置の組み付け工程において、各収容部を第2収容空間内に一括して収容することができるので、接続装置の組み付け易さを一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本明細書で開示される技術によれば、ヒューズが収容された接続装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1に係る接続装置の斜視図
図2】接続装置の前面図
図3】接続装置の後面図
図4図3におけるIV−IV断面の断面構成であって、接続装置の平断面図
図5】後方カバーが外された状態の接続装置の後面図
図6】後方カバーが外された状態の接続装置を後面側から視た斜視図
図7】接続装置の分解斜視図
図8】ヒューズの平面図
図9】ヒューズの側面図
図10】接続装置の組み付け工程(1)を示す後面図
図11】接続装置の組み付け工程(2)を示す後面図
図12】接続装置の組み付け工程(3)を示す後面図
図13】接続装置の組み付け工程(4)を示す後面図
図14】接続装置の組み付け工程(5)を示す後面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して実施形態を説明する。本実施形態では、インバータ等の電気機器(不図示)側に設けられた端子と電線(不図示)との間を接続する接続装置1を例示する。この接続装置1は、その内部に後述するヒューズ40が収容されており、電気機器側から電線側に過電流が流れることを防止する。以下では、電気機器側の端子との接続側、即ち図1の左側下方を接続装置1の前方とし、電線との接続側、即ち図1の下方を接続装置1の下方として説明する。また、接続装置1の前後方向と上下方向との両者に直交する方向を接続装置1の左右方向とする。
【0019】
接続装置1は、図1から図3に示すように、ハウジング10と、電気機器側の端子に接続される一対の平板状(タブ状)の機器側接続部20,21と、上下に伸びる形で配され、その下端部が電線に接続される円柱状(ピン状)の一対の電線側接続部30,31と、軸状に延伸するヒューズ40(図5参照)と、ヒューズ40の延伸方向における両端部に設けられた一対の端子50とを備えている。なお、以下では、一対の機器側接続部20,21について、その一端部側を電気機器側の端子と接続される側として説明し、一対の電線側接続部30,31について、その下端部側を電線と接続される側として説明する。
【0020】
ハウジング10は、図2に示すように、正面視矩形状の箱型である本体部12と、本体部12の上側前面から前方に向かって横長の筒状に伸びる機器側フード部14と、本体部12の底面から下方に向かって横長の筒状に伸びる電線側フード部16と、からなっている。このうち機器側フード部14は、一対の機器側接続部20,21の一端部側を、所定の間隔を空けつつ取り囲む形で設けられている(図2参照)。電線側フード部16は、本体部12から下方に伸びる一対の電線側接続部30,31の一部を、所定の間隔を空けつつ取り囲む形で設けられている。
【0021】
なお、電線側フード部16の内側に形成された空間には、図7に示すように、一対の挿通孔を有するシール部材S1と、シール部材S1の下方に配され、一対の挿通孔を有する蓋体C1とがそれぞれ配されている。シール部材S1及び蓋体C1は、一対の挿通孔にそれぞれ一対の電線側接続部30,31が挿通された状態で電線側フード部16の内側に配されることで、電線側フード部16の下方側をシールする。
【0022】
ハウジング10の本体部12は、その内部に収容空間12A(図5参照)を有している。また、ハウジング10の本体部12の後方側には、図3に示すように、後方カバー18が装着されている。この後方カバー18は、接続装置1の組み付け作業を容易にするためのものであり、その外周面に本体部12の内部をシールするためのゴムリング19(図4参照)を備えている。この後方カバー18が外された状態では、図5に示すように、収容空間12A内に収容された各部材が外部に臨むものとされる。
【0023】
本体部12の収容空間12Aは、図5に示すように、左右方向に亘って第1の収容空間12A1と第2の収容空間12A2と第3の収容空間12A3とに区画されている。このうち第3の収容空間12A3は、その左右方向の寸法が第1の収容空間12A1及び第2の収容空間12A2と比べて小さくなっている。また、本体部12の上下方向の寸法は、ヒューズ40の延伸方向の寸法に近い寸法となっている。
【0024】
本体部12において、第1の収容空間12A1内には、ヒューズ40が収容されている。第2の収容空間12A2内には、一対の収容部60と、一対のボルト(締結部材の一例)62と、一対のナット(締結部材の一例)64(図7参照)とがそれぞれ収容されている。第3の収容空間12A3内には、互いに接続された他方の機器側接続部21の他端部側と他方の電線側接続部31の上端部とが上下方向に伸びる形でそれぞれ収容されている。本体部12の収容空間12A内には、これらの各部材が密集した形で収容されている。なお、収容空間12A内に収容された各部材の構成、収容態様、接続態様等については、後で詳しく説明する。
【0025】
ハウジング10において、本体部12の収容空間12Aと機器側フード部14の内側に形成された空間との間には、図10に示すように、両空間を連通するとともに開口が矩形状である一対の第1連通孔70が設けられている。各第1連通孔70は、その開口の大きさが一対の機器側接続部20,21の断面の大きさとほぼ同等とされている。また、本体部12の収容空間12Aと電線側フード部16の内側に形成された空間との間には、図6に示すように、両空間を連通する第2連通孔72が設けられている。
【0026】
接続装置1では、図5に示すように、一方の機器側接続部20と一方の電線側接続部30とが、ヒューズ40及び一対の端子50を介して互いに接続されている。即ち、一方の機器側接続部20は、その他端部側が第1連通孔70を貫通して収容空間12A内まで伸びており、第2の収容空間12A2内において後述する一方の端子50の締結部54と接続されている。一方の機器側接続部20の他端部には、図7に示すように、ボルト62が挿通される円形の機器側ボルト挿通孔20Aが形成されている。
【0027】
そして、一方の電線側接続部30は、その上側部分が第2連通孔72を貫通して収容空間12Aまで伸びるともに、第2の収容空間12A2内において後述する他方の端子50の締結部54と接続されており、その下側部分が電線側フード部16の下端からハウジング10の外側に露出して下方側に伸びている。一方の電線側接続部30の上端部には、金属製のタブが取り付けられており、その先端部には、ボルト62が挿通される円形の電線側ボルト挿通孔30Aが形成されている(図7参照)。
【0028】
一方、接続装置1では、図5に示すように、他方の機器側接続部21と他方の電線側接続部31とが直接接続されている。即ち、他方の機器側接続部21は、その他端部側が第1連通孔70を貫通して収容空間12A内まで伸びており、第3の収容空間12A3内において他方の電線側接続部31の上端部と接続されている。他方の電線側接続部31は、その下側部分が電線側フード部16の下端からハウジング10の外側に露出して下方側に伸びている。
【0029】
なお、一対の機器側接続部20,21では、図7に示すように、それぞれその一端部が他の部位に対して略直角に屈曲されている。このため、本実施形態では、一対の機器側接続部20,21の一端部をそれぞれ接続装置1の前方に露出させながら、本体部12の収容空間12A内において、一対の機器側接続部20,21の他端部を下方へと引き出すことができるようになっている。
【0030】
続いてハウジング10における本体部12の収容空間12A内に収容された各部材の構成、収容態様、接続態様等について説明する。第1の収容空間12A1内に収容されたヒューズ40は、内部に消弧砂が充填された公知のもの(例えば限流ヒューズ)であり、その延伸方向が上下方向に沿った姿勢で配され、図4に示すように、その延伸方向(上下方向)から視た断面が円形とされている。第1の収容空間12A1の左右方向の寸法は、ヒューズ40の幅(左右方向の寸法)とほぼ同等となっており、ヒューズ40が収容される第1の収容空間12A1内において、左右方向について余分なスペースが生じないようになっている。ヒューズ40は、その上下方向における両端部に一対の端子50が取り付けられることで、一対の端子50の間を電気的に接続している。
【0031】
一対の端子50は、図5図8及び図9に示すように、それぞれ円筒部52と締結部54とを有しており、互いに鏡面対称の形状とされる。各端子50の円筒部52は、円筒状であり、ヒューズ40の両端部に直接取り付けられている。各端子50の締結部54は、各円筒部52のうち、ヒューズ40の延伸方向におけるヒューズ40の中央側寄りの端部から、ヒューズ40の延伸方向(上下方向)についてヒューズ40の一端部から他端部に至るまでの範囲R1内で(図5参照)、ヒューズ40の延伸方向と略直交する方向に伸びている。また、各締結部54は、その板面がヒューズ40の延伸方向に沿った形で平板状に伸びている(図5参照)。各締結部54において、円筒部52から伸びる先端部には、ボルト62が挿通される円形の端子側ボルト挿通孔54Aが形成されている(図8参照)。
【0032】
ヒューズ40は、図5に示すように、その延伸方向が上下方向に沿うともに、ヒューズ40の両端部に取り付けられた各端子50の締結部54がその板面を前後方向に向けた形で本体部12の後方側に位置するような姿勢で、第1の収容空間12A1内に収容されている。そして、ヒューズ40が第1収容空間12A内に収容された状態では、図5に示すように、各端子50の締結部54は、第1の収容空間12A1と第2の収容空間12A2とに跨る形で左右方向に伸びている。従って、各端子50の締結部54に形成された端子側ボルト挿通孔54Aは、第2の収容空間12A2内に位置している。
【0033】
上記のように各端子50の締結部54が本体部12の後方側に位置することで、第2の収容空間12A2内に位置する各締結部54の端子側ボルト挿通孔54Aは、前後方向について、本体部12の前方側壁からヒューズ40の幅以上に離れた状態となっている。そして、上述した一対の収容部60は、第2収容空間12A2内において、各端子側ボルト挿通孔54Aと本体部12の前方側壁との間の隙間に収容されている。一対の収容部60の間隔は、各締結部54の間隔とほぼ等しくなっている。
【0034】
一対の収容部60は、図7及び図12に示すように、いずれも一方が略正方形状に開口する略箱型であり、内部に収容空間が設けられている。一対の収容部60は、各端子側ボルト挿通孔54Aと本体部12の前方側壁との間において、その開口を後方側に向けるととともに上下に隣接した形で、第2の収容空間12A2内に収容されている。一対の収容部60の内部には、上述したナット64がそれぞれ収容されている。これらのナット64は、円筒状であり、その筒軸方向が前後方向に沿った姿勢で各収容部60の内部に圧入によって収容されている(図4参照)。なお、第2の収容空間12A2の左右方向の寸法は、各収容部60の幅とほぼ同等となっており、各収容部60が収容される第2の収容空間12A2内において、左右方向について余分なスペースが生じないようになっている。また、一対の収容部60は、ハウジング10とは別体とされている。
【0035】
上述した一対のボルト62のうち一方のボルト62は、図5及び図7に示すように、ヒューズ40の上端部に取り付けられた一方の端子50の端子側ボルト挿通孔54Aと機器側ボルト挿通孔20Aとに挿通されるとともに、上下に並列配置された一対の収容部60のうち上側に配された収容部60内のナット64に螺合されている。これにより、一方の端子50と一方の機器側接続部20との間で電気的な接続が図られている。
【0036】
一方、上述した一対のボルト62のうち他方のボルト62は、図5及び図7に示すように、ヒューズ40の下端部に取り付けられた他方の端子50の端子側ボルト挿通孔54Aと電線側ボルト挿通孔30Aとに挿通されるとともに、上下に並列配置された一対の収容部60のうち下側に配された収容部60内のナット64に螺合されている。これにより、他方の端子50と一方の電線側接続部30との間で電気的な接続が図られている。
【0037】
第3の収容空間12A3のうち上側部分には、図11に示すように、他方の機器側接続部21の他端部側が収容されている。また、第3の収容空間12A3のうち下側部分には、他方の電線側接続部31の上端部が収容されている。他方の電線側接続部31の上端部は、板状に成形された溶接部31Aとされている(図7参照)。他方の機器側接続部21の他端部と他方の電線側接続部31の溶接部31Aは、第3の収容空間12A3の上下方向における略中央の位置において、抵抗溶接によって接続されている。図5に示すように、互いに接続された他方の機器側接続部21と他方の電線側接続部31は、第3の収容空間12A3内において、一対の収容部60を迂回する形で配されている。
【0038】
ここで、第2の収容空間12A2内において上下に並列配置された一対の収容部60のうち上側に配された収容部60は、その外周面における前後方向の略中央の位置から外側に張り出す張出部60Aを有している。この張出部60Aは、図5に示すように、その一部が第3の収容空間12A3側に張り出している。また、この張出部60Aは、第3の収容空間12A3内において、他方の機器側接続部21の後方側に位置している。このため、他方の機器側接続部21は、第3の収容空間12A3内において、本体部12の前方側壁と張出部60Aとの間に挟み込まれた状態となっている(図4参照)。
【0039】
以上が接続装置1の構成であり、続いて接続装置1の組み付け方法について説明する。まず、接続装置1の組み付けに先立って、本体部12の第2の収容空間12A2内に収容される各収容部60に圧入によってナット64をそれぞれ収容する。また、他方の機器側接続部21の他端部と他方の電線側接続部31の上端部とを抵抗溶接によって接続する。また、ヒューズ40の両端部に上述したような締結部54が設けられた各端子50をそれぞれ取り付ける。このとき、図8に示すように、各端子50の締結部54が同一平面上に位置する形となるように、ヒューズ40の両端部に各端子50を取り付ける。
【0040】
その後、図10に示すように、本体部12の収容空間12A内が空の状態とされたハウジング10を用意し、本体部12の後方カバー18が外された状態で、各部材を収容空間12A内に収容していく。なお、図10に示すように、本体部12の第2の収容空間12A2には、各収容部60が配置される位置に各収容部60の底面の輪郭に沿って後方にわずかに突出してなる凸部12Cが予め設けられている。また、図7に示すように、第2の収容空間12A2内において各収容部60が収容される部位には、本体部12の前方側壁から、その板面を上下方向に向けた姿勢で板状に伸びる隔離板12Dが予め設けられている。
【0041】
接続装置1の組み付け工程では、まず、図11に示すように、互いに接続された他方の機器側接続部21と他方の電線側接続部31とを電線側フード部16の下方側から本体部12の収容空間12A内へと挿入する。そして、他方の機器側接続部21の一端部を一方の第1連通孔70に貫通させ、機器側フード部14の内側に形成された空間内に露出させる。これにより、図11に示すように、互いに接続された他方の機器側接続部21と他方の電線側接続部31とが第3の収容空間12A3内に収容される。
【0042】
次に、図12に示すように、本体部12の第2の収容空間12A2に設けられた凸部12Cの内側にナット64が収容された各収容部60を収容する。上記のようにこの凸部12Cが各収容部60の底面の輪郭に沿って設けられているので、図4に示すように、凸部12Cの内側に各収容部60の底面近傍の部位を嵌め込むことができる。なお、各収容部60を第2の収容空間12A2内に収容する際には、各収容部60の間にこの隔離板12Dが介在する形で各収容部60を収容する。
【0043】
また、各収容部60を第2の収容空間12A2内に収容する際には、図12に示すように、上下に並んで配置される各収容部60のうち、張出部60Aが設けられた方の収容部60が他方の収容部60の上側に配置される形で収容する。これにより、他方の機器側端子部21が本体部12と張出部60Aの間に挟み込まれ、他方の機器側端子部21が本体部12に対して保持される。
【0044】
次に、図13に示すように、一方の機器側接続部20を、その一端部を第1挿通孔70に貫通させながら、その他端部に設けられた機器側ボルト挿通孔20Aを、一対の収容部60のうち上側に配置された収容部60内のナット64と重ね合わせ、一方の機器側接続部20を第2の収容空間12A2内に収容する。また、図13に示すように、一方の電線側接続部30の上端部を、電線側フード部16の下方側から本体部12の収容空間12A内へと挿入し、その上端部に設けられた電線側ボルト挿通孔30Aを、一対の収容部60のうち下側に配置された収容部60内のナット64と重ね合わせ、一方の電線側接続部30の上端部近傍を第2の収容空間12A2内に収容する。
【0045】
次に、図14に示すように、ヒューズ40の延伸方向を上下方向に沿わせるとともに各端子50の締結部54が本体部12の後方側に位置するように、第1の収容空間12A1内にヒューズ40を収容する。このとき、各端子50の締結部54に設けられた端子側ボルト挿通孔54Aを、機器側ボルト挿通孔20A及び電線側ボルト挿通孔30Aにそれぞれ重ね合わせる形で、ヒューズ40を第1の収容空間12A1内に収容する。
【0046】
次に、図5に示すように、各ナット64にそれぞれボルト62を螺合し、一方の端子50と一方の機器側接続部20、及び他方の端子50と一方の電線側接続部30を、ボルトを介してそれぞれ締結する。その後、電線側フード部16の下方側からシール部材S1及び蓋体C1を順に取り付けるとともに、後方カバー18を本体部12の後方側に取り付けることで、本実施形態の接続装置1が完成する。
【0047】
以上説明したように本実施形態の接続装置1では、ハウジング10の本体部12における第1の収容空間12A1内にヒューズ40が収容され、ヒューズ40の両端部に設けられた各端子50の締結部54が、ヒューズ40の延伸方向(上下方向)についてヒューズ40の一端部から他端部に至るまでの範囲R1内で伸びている。このため、各端子50の締結部54がヒューズ40の延伸方向についてヒューズ40の外側にはみ出すことがなく、第1の収容空間12A1のヒューズ40の延伸方向についての寸法を、ヒューズ40の延伸方向の寸法に近い寸法とすることができる。さらに、各端子50の締結部54が第1の収容空間12A1と第2の収容空間12A2とに跨る形で伸びているので、第2の収容空間12A2内において各端子50の締結部54をボルト62によってハウジング10の本体部12に対して締結することができ、第1の収容空間12A1内に各端子50の締結部54を締結するためのスペースを別途確保する必要がない。
【0048】
このように本実施形態の接続装置1では、ハウジング10の本体部12の収容空間12A内に各部材を密集させた形で収容しながら、ヒューズ40が収容される本体部12の第1の収容空間12A1のヒューズ40の延伸方向についての寸法を、ヒューズ40の延伸方向の寸法に近づけることができる。その結果、ハウジングに対してヒューズを締結するための締結部が、ヒューズの両端部からヒューズの延伸方向の外側に向かって延伸する従来の構成と比べて、接続装置1の小型化を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態では、第3の収容空間12A3の左右方向の寸法が第1の収容空間12A1及び第2の収容空間12A2と比べて小さくなっている。このような構成とされていると、ヒューズ40が接続されない導電部材、即ち互いに接続された他方の機器側接続部21と他方の電線側接続部31(以下、両者を一括して「ヒューズ非接続導電部材」と称する)が一対の収容部60を迂回する形で配されるため、いびつな形状とされる。このため、接続装置1の組み付け工程において、一対の収容部60が第2の収容空間12A2内に予め収容されていると、いびつな形状とされたヒューズ非接続導電部材を第3の収容空間12A3内に収容する際、一対の収容部60による段差によって一対の収容部60を迂回させる形でヒューズ非接続導電部材を収容することが困難となる。
【0050】
この点、本実施形態の接続装置1では、一対の収容部60がハウジング10の本体部12と別体とされているので、接続装置1の組み付け工程において、先に第3の収容空間12A3内にヒューズ非接続導電部材を収容し、その後に第2の収容空間12A2内に各収容部60を収容することができる。このため、接続装置1の組み付け易さを向上させることができる。また、第3の収容空間12A3を第1の収容空間12A1及び第2の収容空間12A2と比べて狭くしながらも、ヒューズ非接続導電部材を第3の収容空間12A3内に収容することができ、接続装置1の一層の小型化を図ることができる。
【0051】
また本実施形態の接続装置1では、一方の収容部60が、第3の収容空間12A3側に張り出す張出部60Aを有している。このため、接続装置1の組み付け工程において、先に第3の収容空間12A3内にヒューズ非接続導電部材を収容し、その後に第2の収容空間12A2内に各収容部60を収容することで、ヒューズ非接続導電部材を収容部60から張り出す張出部60Aとハウジング10の本体部12との間に挟み込むことができる。これにより、第3の収容空間12A3内に収容されるヒューズ非接続導電部材をハウジング10の本体部12に対して保持することができる。
【0052】
また本実施形態では、ヒューズ40の一端部に設けられた端子50が一方の機器側接続部20に接続され、ヒューズ40の他端部に設けられた端子50が一方の電線側接続部30に接続されている。このため、電気機器側の端子と電線との間を接続するための接続装置を、ヒューズ40を収容するための部材として兼用することができ、ヒューズ40を収容するための部材を別途配する必要がなく、部品点数の増加を抑えることができる。
【0053】
また、仮にヒューズがインバータ等の電気機器の内部に配される構成である場合、ヒューズを交換する度にインバータを分解する必要があり、インバータの内部に塵等が入り込むことが懸念される。この点、本実施形態では、インバータ等の電気機器側の端子と電線との間を接続する接続装置1の内部にヒューズ40が収容されるため、上記のような問題が生じることなく、ヒューズ40を容易に交換することができる。
【0054】
<実施形態の変形例>
次に、実施形態の変形例について説明する。本変形例では、ハウジングの本体部の第2収容空間内に上記隔離板が設けられておらず、当該第2収容空間内に収容される一対の収容部が一体とされている。接続装置のその他の構造、作用については上記の実施形態と同様である。本変形例では、このような構成とされていることで、接続装置の組み付け工程において、各収容部を第2収容空間内に一括して収容することができ、接続装置の組み付け易さを一層向上させることができる。
【0055】
上記の実施形態の他の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の実施形態では、接続装置の前方側が電気機器側の端子と接続される側とされ、電線との接続部が接続装置の下方に伸びるものとされた構成を例示したが、接続装置において、電気機器側の端子と接続される方向、電線との接続部が伸びる方向については、限定されない。
【0056】
(2)上記の実施形態では、接続装置の一例としてインバータ等の電気機器側に設けられた端子と電線との間を接続する接続装置を例示したが、これに限定されない。本明細書で開示される接続装置は、様々な接続装置として適用することができる。
【0057】
(3)上記の実施形態では、ハウジングが本体部と機器側フード部と電線側フード部とを備える構成を例示したが、ハウジングの構成及び形状については限定されない。
【0058】
(4)上記の実施形態では、一対の機器側接続部がいずれも平板状(タブ状)とされた構成を例示したが、機器側接続部の形状については限定されない。例えば機器側接続部の少なくとも一方が円柱状(ピン状)とされた構成であってもよい。
【0059】
(5)上記の実施形態では、本体部の第3の収容空間内にヒューズ非接続導電部材が収容される構成を例示したが、第3の収容空間内に収容される部材については限定されない。
【0060】
(6)上記の実施形態では、ヒューズの一端部に設けられた一方の端子に機器側接続部が接続され、ヒューズの他端部に設けられた他方の端子に電線側接続部が接続された構成を例示したが、両端子がそれぞれ機器側接続部に接続された構成であってもよい。
【0061】
(7)上記の実施形態では、他方の機器側接続部の他端部と他方の電線側接続部の上端部とが抵抗溶接によって接続された構成を例示したが、他方の機器側接続部と他方の電線側接続部との接続方法については限定されない。
【0062】
以上、実施形態及び変形例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…接続装置
10…ハウジング
12…本体部
12A…収容空間
12A1…第1の収容空間
12A2…第2の収容空間
12A3…第3の収容空間
14…機器側フード部
16…電線側フード部
20…(一方の)機器側接続部
21…(他方の)機器側接続部
30…(一方の)電線側接続部
31…(他方の)電線側接続部
40…ヒューズ
50…端子
52…円筒部
54…締結部
60…収容部
62…ボルト
64…ナット
R1…ヒューズの延伸方向についてヒューズの一端部から他端部に至るまでの範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14