特開2015-219987(P2015-219987A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-219987(P2015-219987A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】シールドコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20151110BHJP
【FI】
   H01R13/6581
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-100836(P2014-100836)
(22)【出願日】2014年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平島 大介
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB14
5E021FC21
5E021FC23
5E021FC33
5E021LA09
5E021LA15
(57)【要約】
【課題】複数の挿入口を横並びに一体に備えることで占有スペースを小さくするとともに、それぞれの挿入口における良好なシールド性能を有するシールドコネクタを得ること。
【解決手段】複数の挿入口2aが横並びに正面側へ向けて開口して形成されたハウジング2と、筒状に形成され各々の挿入口2aの内部に配置されている内側シールド3と、ハウジング2の外側を一体で覆う外側シールド4と、内側シールド3の内部に配設されたコンタクト5とを有するシールドコネクタ1において、外側シールド4から一体に形成され、内側シールド3に接触して電気的導通を得るための複数の接触片4c,4dを備え、各々の内側シールド3が少なくとも2つの接触片4c,4dを介して外側シールド4と電気的に導通している。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適合する相手側コネクタが挿入される複数の挿入口が、横並びに、正面側へ向けて開口して形成されたハウジングと、
導電性金属板によって筒状に形成され、相手側コネクタが挿入される方向に沿って各々の前記挿入口の内部に配置されて前記ハウジングに保持されている内側シールドと、
弾性を有する導電性金属板によって形成され、前記ハウジングの外側を一体で覆う外側シールドと、
前記内側シールドの内部に配設されて前記ハウジングに保持され、相手側コネクタに接触して電気的導通を得るためのコンタクトと、
を有するシールドコネクタにおいて、
前記外側シールドから一体に形成され、前記内側シールドに接触して電気的導通を得るための複数の接触片を備え、
各々の前記内側シールドが、少なくとも2つの接触片を介して外側シールドと電気的に導通していることを特徴とするシールドコネクタ。
【請求項2】
前記コンタクトは、各々の前記内側シールドの内部に複数配設されており、
前記内側シールドは、前記コンタクトが配設されている方向に対して直交し、かつ、内部に配設されている前記コンタクトの近傍の両側に位置する2つの接触壁部を有し、
前記接触片は、前記接触壁部と接触するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のシールドコネクタ。
【請求項3】
前記接触片のうち、複数の前記挿入口の間に位置する中間接触片は、前記外側シールドを構成する面の一部を延設して背面に沿うように屈曲させ、その先端を正面側へ向けてさらに屈曲させて形成されており、
前記中間接触片は、対応する前記接触壁部に対して、導電性金属板の破断面で接触していることを特徴とする請求項2に記載のシールドコネクタ。
【請求項4】
前記内側シールドは、前記挿入口内において正面側から背面側へ向けてハウジングに挿入されて、所定の位置に保持されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシールドコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシールドコネクタに関するものであって、さらに詳しくは、内側シールドと外側シールドとからなる二重のシールドを備え、かつ、横並びに複数の挿入口を備えるシールドコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内側に配置された内側シールドと、外側に配置された外側シールドとからなる二重のシールドを備えるシールドタイプのコネクタが知られている。これらのシールドは、通常、回路上のグランド電位に接続され、シールドコネクタを通る電気信号から発せられる電気的ノイズが外部へ放射されること、あるいは、シールドコネクタの外部から内部へ向けて電気的ノイズが侵入することを防ぐ役割を果たし、外側シールドのみからなる一重のシールドを備えるシールドコネクタよりも良好なシールド性能を得ることができる。
【0003】
一例として、引用文献1には、コンタクト100,200を保持する内部ハウジング300と、外部ハウジング600と、第1のシェル400と第2のシェル500とから構成される内シェル(内側シールド)と、外シェル700(外側シールド)から構成されるシールドコネクタ100において、第2のシェルに設けられた弾性部550によって内シェルと外シェルとの間を接続することで、グランド機能を強化したシールドコネクタが開示されている。(本願、図5参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−38725(段落0023,図1など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、シールドコネクタを介して伝達される電気信号の伝送速度が高速化してきていることに伴って、上述したような二重のシールドによって良好なシールド性能を有するシールドコネクタが必須となる場合が増えてきている。その一方で、このような二重のシールドを有するシールドコネクタを備える電子機器の小型化の要求が強まっており、これを実現するために、二重のシールドを有するシールドコネクタが占有するスペースを小さくすることが求められている。
【0006】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであって、複数の挿入口を一体的に備えることで、従来の挿入口を一つだけ備えるシールドコネクタを複数配置するよりも占有スペースを小さくできるとともに、それぞれの挿入口における良好なシールド性能を有するシールドコネクタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明によるシールドコネクタは、適合する相手側コネクタが挿入される複数の挿入口が、横並びに、正面側へ向けて開口して形成されたハウジングと、導電性金属板によって筒状に形成され相手側コネクタが挿入される方向に沿って各々の前記挿入口の内部に配置されて前記ハウジングに保持されている内側シールドと、弾性を有する導電性金属板によって形成され、前記ハウジングの外側を一体で覆う外側シールドと、前記内側シールドの内部に配設されて前記ハウジングに保持され、相手側コネクタに接触して電気的導通を得るためのコンタクトと、を有するものであって、前記外側シールドから一体に形成され、前記内側シールドに接触して電気的導通を得るための複数の接触片を備え、各々の前記内側シールドが少なくとも2つの接触片を介して外側シールドと電気的に導通していることを特徴とする。
【0008】
二重のシールドを有するシールドコネクタにおいて、横並びに複数の挿入口を設けることで、従来の挿入口を一つだけ備えるシールドコネクタを複数配置するよりも占有スペースが小さくなる。また、各々の挿入口において、内側シールドと外側シールドとの間を少なくとも2か所で電気的に導通させることで、内側シールドと外側シールドとの間の電気的接続に係るインピーダンスを低下させることができるので、各々の挿入口において良好なシールド性能を得ることができる。
【0009】
また、本発明によるシールドコネクタは、前記コンタクトが、各々の前記内側シールドの内部において複数配設されており、前記内側シールドは、前記コンタクトが配設されている方向に対して直交し、かつ、内部に配設されている前記コンタクトの近傍の両側に位置する2つの接触壁部を有しており、前記接触片は前記接触壁部と接触するように配設されていることを特徴とする。
【0010】
シールド性能をより高めるためには、高速伝送される電気信号が通過するコンタクトに極力近い位置にシールドを配置して、かつ、特にコンタクトに近い部分におけるシールドのインピーダンスを低下させることが必要である。本発明によるシールドコネクタの内側シールドにおいて、コンタクトの近傍の両側に接触壁部を設け、この接触壁部と接触片とが接触して外側シールドと電気的に導通することで、シールドとしての機能をも果たす2つの接触壁部がコンタクトを挟み込むような位置関係で配置され、かつ、少なくともこの2つの接触壁部で内側シールドと外側シールドとの間が電気的に導通するので、この部分の電気的接続に係るインピーダンスを効果的に低下させることができる。この結果、各々の挿入口において、極めて良好なシールド性能を得ることができる。
【0011】
また、本発明によるシールドコネクタは、前記接触片のうち、複数の前記挿入口の間に位置する中間接触片が、前記外側シールドを構成する面の一部を延設して背面に沿うように屈曲させ、その先端を正面側へ向けてさらに屈曲させて形成されており、前記中間接触片は、対応する前記接触壁部に対して、導電性金属板の破断面で接触していることを特徴とする。
【0012】
中間接触片を形成するに当たっては、外側シールドを構成する面の一部を延設して、シールドコネクタの背面に沿うように屈曲させ、さらにその先端部分をシールドコネクタの正面側へ向けて屈曲させることによって、この先端部分を中間接触片として機能させることが好適である。しかしながら、この場合において、中間接触片と接触壁部とを互いの板面が対向するように接触させようとすると、正面側へ向けて屈曲させた部分の板面を90°捩じる加工を施す必要が生じる。このような捩じり加工は、外側シールドの生産性を低下させるばかりでなく、シールドコネクタの製造コストの増大をも来す。
【0013】
同様に中間接触片を形成する場合において、中間接触片が、その破断面で対応する前記接触壁部に対して接触させるようにすることで捩じり加工が不要となるので、外側シールドの生産性の低下や、シールドコネクタの製造コストの増大を回避することができる。
【0014】
また、本発明によるシールドコネクタは、前記内側シールドが、前記挿入口内において正面側から背面側へ向けてハウジングに挿入されて、所定の位置に保持されていることを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、シールドコネクタの組み立てが容易になるとともに、内側シールドが所定の位置に達すると同時に外側シールドとの電気的導通を容易に確立することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の挿入口を一体的に備えることで、従来の挿入口を一つだけ備えるシールドコネクタを複数配置するよりも占有スペースを小さくできるとともに、各々の挿入口における良好なシールド性能を有するシールドコネクタを得ることをことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るシールドコネクタの外観を示す正面側斜視図である。
図2】本発明に係るシールドコネクタの外観を示す背面側斜視図である。
図3】本発明に係るシールドコネクタのハウジングを除去して示した図である。
図4】本発明に係るシールドコネクタの要部断面図である。
図5】従来のシールドコネクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例に係るシールドコネクタ1について、図1から図4を用いて説明する。説明の便宜上、図1におけるシールドコネクタ1の手前側の面を正面、奥側の面を背面と称する。
【0019】
図1から図4は、それぞれ、図1は本発明による実施例に係るシールドコネクタ1の正面側から見た外観を示した斜視図、図2図1に示したシールドコネクタ1の背面側から見た外観を示した斜視図、図3図1に示したシールドコネクタ1における内側シールド3と外側シールド4とコンタクト5との関係を説明するためにハウジング2を除去して図2と同方向より見た斜視図、図4図2に示したA−A線に沿うシールドコネクタ1の断面図である。
【0020】
シールドコネクタ1は、適合する相手側コネクタ(図示しない)が挿入される挿入口2aを横並びに二つ備えるものである。シールドコネクタ1は、その下面を印刷配線基板(図示しない)の実装面に対向させた姿勢で実装される。シールドコネクタ1は、ハウジング2、内側シールド3、外側シールド4、コンタクト5、の各部材からなる。
【0021】
ハウジング2は、絶縁性樹脂を射出成形することで形成されている。上述の二つの挿入口2aは、いずれも、シールドコネクタ1の正面側へ向けてハウジング2を筒状に開口させることで形成されている。各々の挿入口2aの内部には、相手側コネクタが挿入される方向、すなわち、挿入口2aが延びる方向と同じ方向に向けて、筒状に形成された内側シールド3が配置されている。
【0022】
挿入口2aの奥部には、内側シールド3を保持するための内側シールド保持穴2bが設けられている(図4を参照)。内側シールド保持穴2bは、後述する内側シールド3の接触壁部3bに対応して、各々の挿入口2aに対して2か所ずつ設けられている。内側シールド保持穴2bの幅は、内側シールド3を形成する導電性金属板の板厚よりもやや狭く形成されており、内側シールド3の一部を正面側から背面側へ向けて内側シールド保持穴2bに所定の位置まで圧入することで、内側シールド3がハウジング2に強固に保持されている。
【0023】
各々の内側シールド3の内部の上側には、ハウジング2の一部が入り込んでいる。そのハウジング2の一部の下面に沿って、各々の内側シールド3に対して4つずつコンタクト5が配設されている。4つのコンタクト5は、シールドコネクタ1の挿入口2aが並んでいる方向(図4における左右方向)に沿って配設されている。
【0024】
ハウジング2の背面側には、コンタクト5を保持するためのコンタクト保持穴2cが設けられている(図2を参照)。コンタクト保持穴2cは、各々の挿入口2aに対して4か所ずつ設けられている。コンタクト保持穴2cの幅は、コンタクト5を形成する導電性金属板の板厚よりもやや狭く形成されており、コンタクト5を背面側から正面側へ向けてコンタクト保持穴2cに圧入することで、コンタクト5はハウジング2に強固に保持されている。
【0025】
内側シールド3は、導電性金属板をプレス加工することによって形成されており、四角形の筒状に形成された筒状部3aと、筒状部3aをなす板面から延設して背面側へ向けて突出させた接触壁部3bとを有している。筒状部3aの長さは、挿入口2aの奥行方向(相手側コネクタが挿入される方向)の長さに対して概ね半分程度に形成されており、筒状部3aによってコンタクト5の先端側部分が覆われた状態となっている。接触壁部3bは、コンタクト5が配設されている方向に対して直交する面と平行に形成され、かつ、図3図4に示すように、内側シールド3の内部に配設されているコンタクト5の近傍の両側に位置して形成されている。
【0026】
外側シールド4は、弾性を有する導電性金属板をプレス加工することによって、ハウジング2の上面から側面にかけてのほぼ全面を覆うように、上面部4aと側面部4bとを有してハウジング2の外形に沿う形状に一体に形成されている。外側シールド4は、シールドコネクタ1の背面側からハウジング2にスライドさせて被せられてハウジング2と係合している。
【0027】
外側シールド4の両方の側面部4bの背面側には、外側シールド4の側面部4bをなす板面の一部をシールドコネクタ1の内側へ向けて切り起こして外側接触片4cが一体で形成されている。これら外側接触片4cの先端部は、上述した2つの内側シールド3に2つずつ設けられている接触壁部3bのうち、互いにシールドコネクタ1の外側に位置する2つの接触壁部3bに対向する位置に配置されている。外側接触片4cは片持ち梁バネ状に形成されていることで、その先端部が弾性変位可能であり、それぞれが対向している接触壁部3bに対して弾性接触している。
【0028】
外側シールド4の上面部4aの背面側の中央には、上面部4aをなす板面の一部を延設して背面に沿うようにほぼ直角に屈曲させ、さらに、二股形状をなすその先端部分のそれぞれを、シールドコネクタ1の正面側へ向けてほぼ直角に屈曲させて2つの中間接触片4dが外側シールド4一体で形成されている。中間接触片4dは2つの挿入口2aの間に位置しており、その先端部は、上述した2つの内側シールド3に2つずつ設けられている接触壁部3bのうち、互いにシールドコネクタ1の内側に位置する2つの接触壁部3bに対向する位置に配置されている。
【0029】
中間接触片4dは、上述した通り、背面に沿った板面を二股形状に分割して2つの細板状に形成されている。この細板状の部分が、板面に沿う方向と、板面が捩じれる方向に弾性変形することで中間接触片4dの先端部は弾性変位可能なので、それぞれが対向している接触壁部3bに対して、その破断面で弾性接触している。このように破断面で弾性接触させることで、中間接触片4dを形成する板面を捩じる加工を施すことなく良好な電気的導通を得ることができる。
【0030】
各々の内側シールド3が有する2つの接触壁部3bに対して、それぞれ外側シールド4が有する外側接触片4cと中間接触片4dとが弾性接触することで、1つの内側シールド3に対して少なくともこれらの2か所において外側シールド4と電気的に接続される。接触壁部3bはコンタクト5の近傍の両側に位置しているので、この部分における内側シールド3と外側シールド4との電気的接続に係るインピーダンスを効果的に低下させることができ、極めて良好なシールド性能を得ることができる。
【0031】
外側シールド4の側面部4bの下側の四隅の近傍には、下側へ向けて細長く突出させて4つの固定端子4eが形成されている。シールドコネクタ1を印刷配線基板に実装する際には、これら固定端子4eに対応して印刷配線基板に設けられた貫通穴(図示しない)に固定端子4eを挿入してはんだ付けする。このはんだ付け個所は、印刷配線基板の回路におけるグランド電位に接続されている。また、このように固定端子4eをはんだ付けしてシールドコネクタ1を固定することで、相手側コネクタを挿入・抜去する際に生じるシールドコネクタ1のこじりに対して十分な固定強度を得ることができる。
【0032】
コンタクト5は、良好な導電性を有する金属板材料をプレス加工して細長形状に形成されている。コンタクト5は、上述した通り、ハウジング2に保持されて配設されており、シールドコネクタ1に挿入される相手側コネクタに配設されている相手側のコンタクト5と接触して電気的に導通する。コンタクト5は、ハウジング2の背面において背面に沿うようにほぼ直角に下方へ向けて屈曲され、さらにハウジング2の下面と一致する部分において、背面から突出する方向へ向けてほぼ直角に屈曲されている。この背面から突出した部分は、印刷配線基板の実装面上に設けられたランドにはんだ付けされる接続部5aとなる。
【0033】
上述したシールドコネクタ1は、一例として、次のような手順によって容易に組み立てることができる。
・工程1;コンタクト5を、背面側から、ハウジング2のコンタクト保持穴2cに圧入する。
・工程2;外側シールド4を、背面側から、ハウジング2にスライド係合させる。
・工程3;内側シールド3を、正面側から、ハウジング2の内側シールド保持穴2bの所定の位置まで圧入する。
【0034】
ここで、工程3において、内側シールド3が所定の位置に達すると同時に、接触壁部3bと外側接触片4cおよび内側接触片とが弾性接触する。したがって、例えば、内側シールド3と外側シールド4との間のはんだ付けや導電性接着剤による接着など、電気的導通を得るための特段の工程を要さずに、内側シールド3と外側シールド4との間の電気的導通が容易に確立される。
【0035】
なお、本発明の実施例に係るシールドコネクタ1として挿入口を二つ備えるものを例示したが、本発明の範囲は挿入口が二つの場合に限定されず、三つ以上の挿入口が横並びに配置されているものであっても、本実施例と同様な態様で、本発明を好適に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、複数の相手側コネクタを接続可能で、かつ、特に、高速な電気信号を伝送するために用いられるシールドコネクタにおいて好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 シールドコネクタ
2 ハウジング
2a 挿入口
2b 内側シールド保持穴
2c コンタクト保持穴
3 内側シールド
3a 筒状部
3b 接触壁部
4 外側シールド
4a 上面部
4b 側面部
4c 外側接触片
4d 中間接触片
4e 固定端子
5 コンタクト
5a 接続部
図1
図2
図3
図4
図5