【解決手段】コネクタAは、ホルダ10に第1ハウジング30を移動可能に設け、ホルダ10に形成した弾性係止片18と、第1ハウジング30に形成したストッパ42との係止により、第1ハウジング30が移動規制されている。第1機器Bと第2機器Lの組付けが進む過程では、第1ハウジング30と第2ハウジング50が正規嵌合するとともに、係止解除部53が弾性係止片18をストッパ42から解離させるように弾性撓みさせ、弾性係止片18とストッパ42の係止が解除されると、第1機器Bと第2機器Lの組付けが進むのに伴い、第1ハウジング30が、第2ハウジング50と正規嵌合した状態を保ったままホルダ10に対して相対移動する。
前記ホルダが、前記第1ハウジングを包囲する周壁部を有しており、前記弾性係止片が、前記周壁部の内側に位置するように前記ホルダに形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
前記ホルダと前記第1ハウジングのうち前記ストッパが形成されている側には、前記係止解除部によって弾性撓みさせられた前記弾性係止片が、前記第1機器と前記第2機器との組付けが進む過程で弾性復帰することを許容する許容空間が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
前記係止解除部が前記弾性係止片とは反対側へ変位することを規制する変位規制部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のコネクタ。
前記係止解除部が、前記第2ハウジングの外面に沿うように形成されたロックアームを挟むように配されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のコネクタは、収容部内でインナハウジングの移動を許容しつつ、この移動可能なインナハウジングに対し相手側コネクタを確実に嵌合させるための手段として、インナハウジングを収容部の開口側に付勢するバネ部材を設けている。しかし、バネ部材を設けたことにより、部品点数が増えるという問題がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、部品点数を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
第1機器に対し、前記第1機器と第2機器との組付け方向において一体的に移動するように取り付けられるホルダと、
前記ホルダに対し、前記第1機器に対する第2機器の組付け方向と略同方向へ移動し得るように設けた第1ハウジングと、
前記ホルダと前記第1ハウジングのうちいずれか一方に形成された弾性撓み可能な弾性係止片と
前記ホルダと前記第1ハウジングのうち他方に形成され、前記弾性係止片を係止させることで前記ホルダに対する前記第1ハウジングの相対移動を規制するストッパと、
前記第2機器に対し、前記第1機器と前記第2機器との組付け方向において一体的に移動するように取り付けられる第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに形成された係止解除部とを備え、
前記第1機器と前記第2機器の組付けが進む過程では、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが正規嵌合するとともに、前記係止解除部が前記弾性係止片を前記ストッパから解離させるように弾性撓みさせ、
前記弾性係止片と前記ストッパの係止が解除されると、前記第1機器と前記第2機器の組付けが進むのに伴い、前記第1ハウジングが、前記第2ハウジングと正規嵌合した状態を保ったまま前記ホルダに対して相対移動するようになっているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ホルダに対して第1ハウジングが相対移動することを許容しつつ、この移動可能な第1ハウジングに対し第2ハウジングを確実に嵌合させるための手段として、ホルダと第1ハウジングのうちいずれか一方に弾性係止片を形成するとともに他方にストッパを形成しているので、別部品が不要である。したがって、部品点数を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明は、前記ホルダが、前記第1ハウジングを包囲する周壁部を有しており、前記弾性係止片が、前記周壁部の内側に位置するように前記ホルダに形成されていてもよい。
この構成によれば、周壁部によって、弾性係止片を異物の干渉等から保護することができる。
【0010】
(2)本発明は、前記ホルダと前記第1ハウジングのうち前記ストッパが形成されている側には、前記係止解除部によって弾性撓みさせられた前記弾性係止片が、前記第1機器と前記第2機器の組付けが進む過程で弾性復帰することを許容する許容空間が形成されていてもよい。
この構成によれば、弾性係止片が弾性撓みしたままにならずに済む。
【0011】
(3)本発明は、前記係止解除部が前記弾性係止片とは反対側へ変位することを規制する変位規制部を備えていてもよい。
この構成によれば、係止解除部が、弾性係止片をストッパから解離する方向へ確実に弾性撓みさせることができる。
【0012】
(4)本発明は、前記係止解除部が、前記第2ハウジングの外面に沿うように形成されたロックアームを挟むように配されていてもよい。
この構成によれば、第2ハウジングの外面とロックアームとの隙間に異物が侵入することを、係止解除部によって防止できる。
【0013】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を
図1〜
図11を参照して説明する。本実施例1のコネクタAは、固定して設けた第1機器B(例えば、自動車のボディ)に設けられる待受側の第1コネクタMと、第1機器Bに対して前後方向に接近させるようにして組み付けられる可動側の第2機器L(例えば、ランプモジュール)に設けられる第2コネクタFとを備えて構成されている。第1機器Bと第2機器Lを接近させるように組み付けると、第1コネクタMと第2コネクタFが嵌合されるようになっている。
【0014】
第1コネクタMは、合成樹脂製のホルダ10と、合成樹脂製の第1ハウジング30と、第1ハウジング30に取り付けた複数の第1端子金具46とを備えて構成されている。ホルダ10は、角筒状の周壁部11と、周壁部11に一体に形成した左右一対の弾性係止片18とを備えて構成されている。周壁部11は、下壁部12と、下壁部12左右両側縁から立ち上がる左右対称な一対の側壁部13と、左右両側壁部13の上端縁同士を連結する上壁部14とから構成されている。上壁部14の後端縁部(
図5,6における右側の端縁部)には、下方へ板状に突出した形態の後退規制部15が形成されている。後退規制部15は、ホルダ10に対する第1ハウジング30の前後方向への相対移動範囲の後端位置を規定する。
【0015】
角筒部の前端縁からは、各壁部12,13,14と略直角をなす正面視方形のフランジ部16が、一体に形成されている。ホルダ10は、フランジ部16の外周縁を第1機器Bの保持溝Gに嵌合することにより、第1機器Bに対して前後方向(第1機器Bと第2機器Lとの組付け方向と平行な方向)への相対移動を規制された状態に取り付けられている。つまり、ホルダ10は、第1機器Bに対して前後方向においして一体に移動するようになっている。また、ホルダ10は、第1機器Bに対し、第2機器Lとの組付け方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)への相対移動を許容されている。
【0016】
ホルダ10を構成する左右対称な一対の側壁部13は、単一な平板状ではなく、正面視形状が段差状をなすように屈曲している。即ち、側壁部13の略上半分領域は、下半分領域に対し幅方向(左右方向)外側へずれた位置に配置されている。この段差形状により、左右両側壁部13の内面における略上半分領域には、前後方向に長く、ホルダ10の前端面に開放された左右対称な一対の凹部17が形成されている。そして、左右両凹部17内には、凹部17の後端面から前方へ片持ち状に延出した形態の弾性係止片18が、左右対称に一対形成されている。つまり、左右一対の弾性係止片18は、周壁部11によって包囲されている。凹部17のうち弾性係止片18の外側面よりも幅方向外方の空間は、弾性係止片18がその後端部を支点として幅方向外方へ弾性撓みすることを許容する撓み空間19となっている。
【0017】
弾性係止片18の前端部(延出端部)には、その内側面から幅方向内側(幅方向において撓み空間19とは反対側)へ突出した形態の係止突起20が形成されている。係止突起20の前面のうち幅方向外側の領域には、弾性係止片18の延出方向(ホルダ10に対する第1ハウジング30の移動方向と平行な方向)と直角な受け面21が形成されている。係止突起20の前面のうち幅方向内側(係止突起20が突出する方向)の領域は、弾性係止片18の延出方向及び弾性係止片18の弾性撓み方向の両方向に対して傾斜したテーパ状の受圧面22となっている。
【0018】
第1ハウジング30は、ブロック状をなす端子収容部31と、端子収容部31の前端部(
図5,6における左側の端部)から前方へ角筒状に突出した形態のフード部33とを一体に形成して構成されている。端子収容部31には雄型をなす複数の第1端子金具46が取り付けられていて、これら複数の第1端子金具46の前端部に形成されているタブ47が、フード部33により一括して包囲されている。端子収容部31の下面には、抜止め突起32が形成されている。上板部38の前端部には、その幅方向における中央位置から下方(フード部33の内側)へ突出した形態のロック受け部34が形成されている。フード部33の前端の開口縁部には、前方に向かって拡がるように傾斜した誘導面35が形成されている。
【0019】
フード部33は、下板部36と、下板部36の左右両側縁から立ち上がる左右対称な一対の側板部37と、左右両側板部37の上端縁同士を連結する上板部38とを備えて構成されている。下板部36は、端子収容部31の下面に対しほぼ面一状に連なり、左右両側板部37も、端子収容部31の左右両外側面に対しほぼ面一状に連なっている。また、上板部38は、端子収容部31の上面と平行であるが、端子収容部31の上面よりも一段高い位置に配置されている。そして、上板部38の後端縁と端子収容部31の上面前端縁とは、後板部39によって連結されている。
【0020】
フード部33の上端部(つまり、端子収容部31の上面よりも上方の領域)には、その左右両側板部37の後端部から後板部39の左右両端部に亘って切欠した形態の切欠部40が、左右対称に一対形成されている。切欠部40は、フード部33の外面(外部)と内面(内部)とを連通させている。また、側板部37の上端部のうち切欠部40と同じ高さで、且つ切欠部40よりも前方の領域には、前後方向に細長く切欠した形態の許容空間41が、左右対称に一対形成されている。許容空間41は、フード部33の外面(外部)と内面(内部)とを連通させている。
【0021】
側板部37のうち切欠部40の前端と許容空間41の後端との間に残った部分は、第1ハウジング30がホルダ10に対して相対移動するのを規制するためのストッパ42として機能する。ストッパ42のうち切欠部40に臨む後面は、第1ハウジング30の相対移動方向と直角な当接面43となっている。この第1ハウジング30に形成したストッパ42と上記ホルダ10に形成した弾性係止片18は、第1ハウジング30をホルダ10に対し待ち受け位置に保持するための係止手段を構成する。
【0022】
第1機器Bと第2機器Lを組み付ける前の状態では、第1ハウジング30は、ホルダ10に対しその前方から取り付けられる。取付けは、端子収容部31を周壁部11内に嵌入させることによって行うが、弾性係止片18は端子収容部31の上面よりも高い位置に配置されているので、取付けの過程で、係止突起20が第1ハウジング30の外側面と干渉することはない。したがって、弾性係止片18が弾性撓みすることもない。
【0023】
そして、第1ハウジング30が待ち受け位置に到達すると、係止突起20が切欠部40内に入り込み、第1ハウジング30のストッパ42の当接面43が、弾性撓みしていない弾性係止片18の受け面21に対し前方から当接する。これにより、第1ハウジング30がホルダ10に対して後方(ホルダ10に取り付ける方向)への相対移動を規制される。また、抜止め突起32がホルダ10の下壁部12の後端縁に対し後方から係止することにより、第1ハウジング30はホルダ10に対し前方への相対移動を規制される。以上により、第1ハウジング30は待ち受け位置に保持される。この状態では、第1ハウジング30の後板部39とホルダ10の後退規制部15との間に、第1ハウジング30がホルダ10に対して後方へ相対移動することを許容するためのスペースが確保されている。
【0024】
また、第1ハウジング30が待ち受け位置に保持され、弾性係止片18が弾性撓みしていない自由状態にあるときには、係止突起20の突出端部が、後板部39の前面(フード部33の奥端面)よりも前方に突き出し、且つ側板部37の内側面よりも内側に突き出した位置にある。この係止突起20の突出端部が突き出して受圧面22が斜め前方に臨む空間には、第1ハウジング30と第2ハウジング50が正規嵌合したときに、第2ハウジング50の係止解除部53が進入するようになっている。
【0025】
フード部33を構成する上板部38には、その下面(内面)から下方へ突出した形態のリブ状の変位規制部44が、左右対称に一対形成されている。変位規制部44は、前後方向(第1ハウジング30と第2ハウジング50の嵌合方向と平行な方向)に直線状に延びた形態である。上下方向において変位規制部44は、切欠部40及び許容空間41と同じ高さに位置する。側板部37の内側面と変位規制部44の外側面との間には、係止解除部53を進入させるための進入空間45が確保されている。変位規制部44は、両ハウジング30,50を嵌合する過程でこじりを防止して嵌合動作の円滑化を図るこじり防止機能と、係止解除部53の変形を規制してその係止解除機能の信頼性を高める補強機能とを兼ね備えている。
【0026】
第2コネクタFは、合成樹脂製の第2ハウジング50と、第2ハウジング50内に設けた複数の雌形の第2端子金具55とを備えて構成されている。第2ハウジング50は、全体としてブロック状をなしている。第2ハウジング50は、第2機器Lの取付孔Hに対し前後方向(両機器B,Lの組付け方向と平行な方向)への相対移動を規制されている。つまり、第2ハウジング50と第2機器Lは、前後方向において一体に移動するようになっている。第2ハウジング50の上面には、後方(
図5,6における左方)へ片持ち状に延出した形態のロックアーム51が形成されている。ロックアーム51の上面にはロック突起52が形成されている。両ハウジング30,50が正規嵌合すると、ロック突起52とロック受け部34との係止により、両ハウジング30,50が正規嵌合状態にロックされるようになっている。
【0027】
第2ハウジング50の上面には、左右対称な一対の係止解除部53が形成されている。一対の係止解除部53は、両ハウジング30,50の嵌合方向と平行なリブ状をなし、第2ハウジング50の外側面に対して面一状となるように上方へ突出している。つまり、一対の係止解除部53は、ロックアーム51を左右両側から挟むように配されており、ロックアーム51の左右両側縁部と係止解除部53の内側面との間には、変位規制部44を進入させるための溝状空間54が形成されている。係止解除部53は、弾性係止片18とストッパ42との係止を解除する係止解除機能と、ロックアーム51に対する異物の干渉を防止する保護機能と、ロックアーム51の下面と第2ハウジング50の上面との隙間に電線等の異物(図示省略)が侵入することを規制する侵入規制機能とを兼ね備えている。
【0028】
次に、本実施例1の作用を説明する。両機器B,Lを前後に接近させながら組み付けていくと、第2ハウジング50がフード部33内に嵌合していく。両機器B,Lの組付けと両ハウジング30,50の嵌合が進む過程では、係止解除部53が進入空間45内に嵌入することにより、両ハウジング30,50の左右方向へのこじりが規制されるので、両ハウジング30,50の嵌合動作が円滑に進む。また、嵌合の過程では、ロック突起52とフード部33の上板部38との摺動摩擦により、第2ハウジング50から第1ハウジング30へ後方(
図5〜11における右方)への押圧力が付与される。しかし、ストッパ42の当接面43が弾性係止片18の受け面21に突き当たっているので、第1ハウジング30はホルダ10に対して相対移動することがない。これにより、第1ハウジング30と第2ハウジング50の嵌合動作が進んでいく。
【0029】
そして、両ハウジング30,50が正規嵌合状態に至る直前で、
図7に示すように、係止解除部53の嵌合方向先端部が係止突起20の受圧面22に当接する。この状態から、更に、両機器B,Lの組付けと両ハウジング30,50の嵌合が進むと、
図8に示すように、両ハウジング30,50が正規の嵌合状態に至るとともに、係止解除部53の先端部から受圧面22に作用する押圧力と、受圧面22の傾斜とにより、
図9に示すように、弾性係止片18が幅方向において係止解除部53の外側面から遠ざかるように弾性撓みする。このとき、係止解除部53の内側面(係止突起20とは反対側の面)に位置する変位規制部44が、係止解除部53の幅方向内方への変形を規制しているので、係止解除部53は弾性係止片18を確実に幅方向外方へ弾性撓みさせることができる。
【0030】
このように両ハウジング30,50が正規嵌合した状態では、
図9に示すように、弾性係止片18の受け面21の全体が、ストッパ42の当接面43に対し幅方向外方へ完全に外れ、当接面43の全体がテーパ状の受圧面22のみと前後に対向する状態となる。したがって、弾性係止片18とストッパ42との係止が解除され、第1ハウジング30は、ホルダ10に対し後方へ相対移動することを許容された状態(つまり、相対移動規制が解除された状態)となる。
【0031】
このように両ハウジング30,50が正規嵌合されて第1ハウジング30の相対移動規制が解除された状態では、第1機器Bと第2機器Lは、未だ、正規の組付け状態には至っていない。そして、第1ハウジング30の相対移動規制が解除された状態から、更に、両機器B,Lの組付け動作が進むと、受圧面22の傾斜により、弾性係止片18が更に幅は方向外側へ弾性撓みし、
図10に示すように、係止突起20がストッパ42の外面に摺接するようになる。この間、第1ハウジング30が、第2ハウジング50との正規嵌合した状態を保ちつつ、ホルダ10に対し後方へ相対移動する。このように第1ハウジング30と第2ハウジング50が一体となって相対移動すると、その直後に、ストッパ42が係止突起20を通過するので、
図11に示すように、弾性係止片18が幅方向内側へ弾性復帰し、係止突起20が許容空間41内に進入する。
【0032】
この後は、両機器B,Lが正規の組付け状態に至るまで、両ハウジング30,50がホルダ10に対して後方へ相対移動するとともに、係止突起20が許容空間41内を移動する。そし、両機器B,Lが正規の組付け状態に至ると、両機器B,Lの組付け作業と両ハウジング30,50の嵌合作業が完了する。この作業完了状態では、
図11に示すように、第1ハウジング30の後板部39の後面と、ホルダ10の後退規制部15の前面との間には、クリアランスが確保されている。このクリアランスにより、両機器B,Lが正規の組付け状態に至ることを担保している。
【0033】
上述のように本実施例1のコネクタAは、第1機器Bに対し、第1機器Bと第2機器Lとの組付け方向において一体的に移動するように取り付けられるホルダ10と、ホルダ10に対し、第1機器Bに対する第2機器Lの組付け方向と略同方向へ移動し得るように設けた第1ハウジング30とを備えている。ホルダ10には弾性撓み可能な弾性係止片18が形成され、第1ハウジング30には、弾性係止片18を係止させることでホルダ10に対する第1ハウジング30の相対移動を規制するストッパ42が形成されている。
【0034】
第2機器Lには、両機器B,Lの組付け方向において一体的に移動するように第2ハウジング50が取り付けられ、第2ハウジング50には係止解除部53が形成されている。両機器B,Lの組付けが進む過程では、両ハウジング30,50が正規嵌合するとともに、係止解除部53が弾性係止片18をストッパ42から解離させるように弾性撓みさせる。そして、弾性係止片18とストッパ42の係止が解除されると、両機器B,Lの組付けが進むのに伴い、第1ハウジング30が、第2ハウジング50と正規嵌合した状態を保ったままホルダ10に対して相対移動するようになっている。
【0035】
このコネクタAは、ホルダ10に対して第1ハウジング30が相対移動することを許容しつつ、この移動可能な第1ハウジング30に対し第2ハウジング50を確実に嵌合させるための手段として、ホルダ10と第1ハウジング30のうちいずれか一方に弾性係止片18を形成するとともに他方にストッパ42を形成している。したがって、別部品が不要であり、部品点数が少なくて済んでいる。
【0036】
また、ホルダ10は、第1ハウジング30を包囲する周壁部11を有しており、弾性係止片18が、周壁部11の内側に位置するようにホルダ10に形成されている。この構成によれば、周壁部11によって、弾性係止片18を異物の干渉等から保護することができる。また、第1ハウジング30(つまり、ストッパ42が形成されている側)には、係止解除部53によって弾性撓みさせられた弾性係止片18が、両機器B,Lの組付けが進む過程で弾性復帰することを許容する許容空間41が形成されている。この構成によれば、弾性係止片18が弾性撓みしたままにならずに済む。
【0037】
また、第2ハウジング50には、係止解除部53が弾性係止片18とは反対側(バネ片は方向内側)へ変位することを規制する変位規制部44が形成されている。この構成によれば、係止解除部53が、弾性係止片18をストッパ42から解離する方向へ確実に弾性撓みさせることができる。また、係止解除部53は、第2ハウジング50の外面に沿うように形成されたロックアーム51を挟むように配されている。この構成によれば、第2ハウジング50の外面とロックアーム51との隙間に異物が侵入することを、係止解除部53によって防止することができる。
【0038】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、弾性係止片をホルダに形成し、ストッパを第1ハウジングに形成したが、これとは逆に、弾性係止片を第1ハウジングに形成し、ストッパをホルダに形成してもよい。
(2)上記実施例1では、第1ハウジングをフード部を有する雄形のハウジングとし、第2ハウジングをフード部に嵌入される雌形のハウジングとしたが、これとは逆に、第2ハウジングを、フード部を有する雄形のハウジングとし、第1ハウジングをフード部に嵌入される雌形のハウジングとしてもよい。
(3)上記実施例1では、係止解除部によって弾性撓みさせられた弾性係止片が、第1機器と第2機器の組付けが進む過程で弾性復帰するようにしたが、係止解除部によって弾性撓みさせられた前記弾性係止片が、第1機器と第2機器の組付けが進んでも弾性撓みしたままであってもよい。
(4)上記実施例1では、第1機器を固定して設け、第2機器を第1機器に対して接近させて組み付けるようにしたが、これとは逆に、第2機器を固定して設け、第1機器を第2機器に対して接近させて組み付けるようにしてもよい。