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特開2015-220464コモンモードフィルタ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-220464(P2015-220464A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】コモンモードフィルタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20151110BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20151110BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20151110BHJP
【FI】
   H01F17/00 B
   H01F17/00 D
   H01F17/04 F
   H01F41/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-101190(P2015-101190)
(22)【出願日】2015年5月18日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0059857
(32)【優先日】2014年5月19日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】セウン−ウック パク
(72)【発明者】
【氏名】ウォン−チュル シム
(72)【発明者】
【氏名】ホン−リュル リー
【テーマコード(参考)】
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E062DD04
5E062FF01
5E070AA20
5E070AB03
5E070BA11
5E070BB03
5E070CB02
5E070CB12
5E070CB13
(57)【要約】
【課題】コモンモードフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一側面によるコモンモードフィルタは、基板と、コイル及び絶縁層を含み、基板上に配置されて信号ノイズを除去するフィルタ層と、フィルタ層に積層される磁性層と、を含み、フィルタ層は、磁性層と接合する面にコイルの一面が露出するようにコイルが埋め込まれ、磁性層と接合する面が平坦に形成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
コイル及び絶縁層を含み、前記基板上に配置されて信号ノイズを除去するフィルタ層と、
前記フィルタ層に積層される磁性層と、を含み,
前記フィルタ層は、前記磁性層と接合する面に前記コイルの一面が露出するように前記コイルが埋め込まれ、前記磁性層と接合する面が平坦に形成されるコモンモードフィルタ。
【請求項2】
前記フィルタ層は、
コアの一面に前記コイルを形成し、その後前記コイルをカバーするために前記コアの一面に前記絶縁層を積層して形成され、
前記フィルタ層から前記コアを除去した面に前記磁性層を接合する請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項3】
前記磁性層は、磁性物質を含有した複合材シートで形成される請求項1または請求項2に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項4】
前記コイルは、前記磁性層と接合する前記絶縁層の面より前記絶縁層の内部に陥入されるように埋め込まれる請求項1または請求項2に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項5】
コアの一面にコイルを形成するステップと、
前記コイルをカバーするために前記コアの一面に絶縁層を積層してフィルタ層を形成するステップと、
前記フィルタ層から前記コアを除去するステップと、
前記フィルタ層から前記コアを除去した面に磁性層を積層し、その反対面に基板を接合するステップと、
を含むコモンモードフィルタの製造方法。
【請求項6】
前記磁性層が、磁性物質を含有した複合材シートで形成される請求項5に記載のコモンモードフィルタの製造方法。
【請求項7】
前記コイルは、前記磁性層と接合する前記絶縁層の面より前記絶縁層の内部に陥入されるように埋め込まれる請求項5に記載のコモンモードフィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コモンモードフィルタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の発展により携帯電話、家電製品、PC、PDA、LCDなどのような電子機器がアナログ方式からデジタル方式に変化し、処理するデータ量の増加により電子機器が高速化されつつある。
【0003】
このように、デジタル化及び高速化される電子機器は、外部からの刺激に対して敏感である。すなわち、外部からの小さな異常電圧や高周波ノイズが電子機器の内部回路に流入される場合、回路が破損したり、信号が歪む場合が生じる。
【0004】
この場合、電子機器の回路の破損、信号の歪みを発生させる異常電圧やノイズの原因としては、落雷、人体に帯電した静電気放電、回路内で発生するスイッチング電圧、電源電圧に含まれた電源ノイズ、不要な電磁気信号または電磁気雑音などが挙げられる。
【0005】
このような、電子機器の回路の破損や信号の歪みの発生を抑えるためには、フィルタを設け、異常電圧と高周波ノイズが回路に流入されることを防止する必要がある。特に、高速差動信号ラインなどにはコモンモードノイズを除去するためにコモンモードフィルタを用いることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2012−0033644号 (2012.04.09.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コイルのマグネティックフラックスを損失することなく、効果的にフィルタ層に磁性層を積層できるコモンモードフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、基板と、コイル及び絶縁層を含み、基板上に配置されて信号ノイズを除去するフィルタ層と、フィルタ層に積層される磁性層と、を含み、フィルタ層は、磁性層と接合する面にコイルの一面が露出するようにコイルが埋め込まれ、磁性層と接合する面が平坦に形成されることを特徴とするコモンモードフィルタが提供される。
【0009】
ここで、フィルタ層は、コアの一面にコイルを形成し、その後コイルをカバーするためにコアの一面に絶縁層を積層して形成され、フィルタ層からコアを除去した面に磁性層を接合することができる。
【0010】
磁性層は、磁性物質を含有した複合材シートで形成することができる。
【0011】
そして、コイルは、磁性層と接合する絶縁層の面よりも絶縁層の内部に陥入されて、埋め込まれることができる。
【0012】
本発明の他の側面によれば、コアの一面にコイルを形成するステップと、コイルをカバーするためにコアの一面に絶縁層を積層してフィルタ層を形成するステップと、フィルタ層からコアを除去するステップと、フィルタ層からコアを除去した面に磁性層を積層し、その反対面に基板を接合するステップと、を含むコモンモードフィルタの製造方法が提供される。
【0013】
ここで、磁性層は、磁性物質を含有した複合材シートで形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例によれば、フィルタ層は、磁性層と接合する面にコイルの一面が露出するようにコイルが埋め込まれ、磁性層と接合する面が平坦に形成されるので、コイルのマグネティックフラックスを損失することなく、効果的にフィルタ層に磁性層を積層することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタを概略的に示す図面である。
図2】本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタを概略的に示す図面である。
図3】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法を示す工程図である。
図4】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法において主要ステップを示す図面である。
図5】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法において主要ステップを示す図面である。
図6】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法において主要ステップを示す図面である。
図7】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法において主要ステップを示す図面である。
図8】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタに対する実験結果を示す図面である。
図9】本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタに対する実験結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るコモンモードフィルタ及びその製造方法の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明し、添付図面に基づいて説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0017】
また、以下で使用する「第1」、「第2」などの用語は、同一または対応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または対応する構成要素が、第1、第2などの用語により限定されるものではない。
【0018】
また、「結合」、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触される場合のみを意味することではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、該他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合まで包括する概念として使用する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタを概略的に示す図面である。図8及び図9は、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタに対する実験結果を示す図面である。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ1000は、基板100、フィルタ層200、及び磁性層300を含む。
【0021】
基板100は、フィルタ層200を支持するものであり、磁性層300と磁場を形成することができる。 この場合、基板100は、フィルタ層200を支持する機能を果たし、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000においては下部に配置されることができる。
【0022】
ここで、基板100は、磁性物質を含み、閉磁路(closed magnetic circuit)としての役割を果たすことができる。例えば、基板100は、焼結されたフェライト(ferrite)を含むか、フォルステライト(forsterite)などのセラミックス物質を含むことができる。このような基板100は、コモンモードフィルタの形状に応じて予め設定された面積または厚さで形成することができる。
【0023】
フィルタ層200は、コイル210、211と、絶縁層220、221とを含み、基板100上に配置されて信号ノイズを除去するものであって、図1に示すように、積層された複数の絶縁層220、221と複数のコイル210、211とを含むことができる。
【0024】
すなわち、フィルタ層200は、基板100の上面に順次積層された複数の絶縁層220、221と、各絶縁層220、221の間に介在された複数のコイル210、211とを含むことができる。この場合、必要によって、各絶縁層220、221は互いに異なる材質からなることができる。
【0025】
一方、フィルタ層200は、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000の側面または上面に形成される外部端子と電気的に接続されることができる。
【0026】
磁性層300は、フィルタ層200に積層されるものであって、基板100と磁場を形成することができる。また、磁性層300は、基板100とともにフィルタ層200を保護することができる。このような磁性層300は、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000の実装面または底面を構成することができる。 一方、フィルタ層200の一部にキャビティ(cavity)が形成される場合、磁性層300がキャビティを満たしながらフィルタ層200に積層されることも可能である。
【0027】
この場合、フィルタ層200は、磁性層300と接合する面にコイル211の一面が露出するようにコイル211が埋め込まれ、磁性層300と接合する面が平坦に形成されることができる。すなわち、図1に示されたフィルタ層200の最上面は、絶縁層221と、これに埋め込まれたコイル211の一面とが平坦に形成されて、磁性層300と接合することができる。
【0028】
仮に、フィルタ層200の最上面が平坦ではないと、磁性層300との接合力が低下したり、界面剥離が発生したりするおそれがある。また、平坦ではないフィルタ層200の面を補うために別途の層をフィルタ層200と磁性層300との間に介在する必要がある。
【0029】
したがって、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000においてフィルタ層200は、磁性層300と接合する面を平坦に形成することにより、より容易にフィルタ層200に磁性層300を積層することができる。
【0030】
これにより、コモンモードフィルタ1000の製作が容易となり、界面剥離などによる性能低下を防止することができる。
【0031】
一方、図8及び図9に示すように、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000は、インピーダンス値が上昇することが分かる。この場合、図8は、コイルの一面が露出されず、絶縁層にコイルが完全に埋め込まれた場合のインピーダンス値を示す結果であり、図9は、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000のように、コイル211の一面が露出し、磁性層300とコイル211とが直接的に接合された場合のインピーダンス値を示す結果である。
【0032】
このように、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000のインピーダンス値が上昇する現象は、磁性層300とコイル211とが直接的に接合することで、コイル211のマグネティックフラックス(Magnetic Flux)の損失が最小化されることによる結果であり、これにより、インピーダンス効率を改善できるなどの構造的デザインに有利となる。
【0033】
上記のように、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000において、フィルタ層200は、磁性層300と接合する面にコイル211の一面が露出するようにコイル211が埋め込まれ、磁性層300と接合する面が平坦に形成されるので、コイル211のマグネティックフラックスを損失することなく、効果的にフィルタ層200に磁性層300を積層することができる。
【0034】
本実施例に係るコモンモードフィルタ1000において、フィルタ層200は、図4のコア10の一面にコイル211を形成し、その後コイル211をカバーするためにコア10の一面に絶縁層221を積層して形成され、フィルタ層200からコア10を除去した面に磁性層300を接合することができる。
【0035】
この場合、コア10は、フィルタ層200の形成においてのフィルタ層200を支持するための板状の部材であって、フィルタ層200と接合する面が平坦に形成されることができる。
【0036】
これにより、コア10の一面にコイル211を形成し、その後コイル211をカバーするためにコア10の一面に絶縁層221を積層する場合、コア10の一面の平坦度によりコア10の一面と接するフィルタ層200の平坦度を均一に確保することができる。
【0037】
したがって、均一な平坦度の確保されたフィルタ層200の面からコア10を除去し、磁性層300を接合すれば、フィルタ層200と磁性層300との接合面を平坦に形成することができる。そして、これにより、フィルタ層200と磁性層300とが接合される面にコイル211の一面が露出され得る。
【0038】
以上のように、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000は、コア10を用いてより効果的にフィルタ層200と磁性層300とが接合される面にコイル211の一面を露出させながら、フィルタ層200と磁性層300との接合面を平坦に形成することができる。
【0039】
一方、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000において、磁性層300を、磁性物質を含有した複合材シートで形成する場合、コモンモードフィルタ1000の製作をより効果的に行うことができる。例えば、磁性層300は、フェライトパウダを含有したエポキシ樹脂などで形成したシート構造であってもよい。
【0040】
すなわち、上述したように、フィルタ層200と磁性層300とが接合される面を平坦に形成すれば、シート状である複合材シートをフィルタ層200の上面に付着することがより容易となる。
【0041】
したがって、本実施例に係るコモンモードフィルタ1000は、磁性層300をフィルタ層200に塗布または充填する複雑な工程を行わずに、複合材シートをフィルタ層200の上面に付着することだけで十分であるため、コモンモードフィルタ1000の製作がさらに容易となる。
【0042】
一方、磁性層300は、必要によって絶縁層220、221で代替可能であり、ペーストで形成されることもできる。
【0043】
図2は、本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタを概略的に示す図面である。
【0044】
図2に示すように、本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタ2000において、コイル211は、磁性層300と接合する絶縁層221の面よりも絶縁層221の内部に陥入されて、埋め込まれてもよい。
【0045】
すなわち、図2に示された方向を基準にして、コイル211の最上面は、絶縁層221の最上面より低く形成されることができる。この場合、コイル211の最上面は、別途のエッチングなどの工程を経て絶縁層221の最上面より低く形成することができる。
【0046】
これにより、本実施例に係るコモンモードフィルタ2000は、磁性層300の一部が絶縁層221の内部に流入されてアンカー作用などを果たすため、コイル211及び絶縁層221と磁性層300との間の密着力を高めてコモンモードフィルタ2000の信頼性をさらに向上することができ、磁性層300とコイル211とが直接接合することによりインピーダンス値を上昇させることができる。
【0047】
また、コイル211及び絶縁層221と磁性層300との間の密着力を確保するために、必要によって、コイル211が、磁性層300と接合する絶縁層221の面よりも絶縁層221の外部に突出するように埋め込まれることができる。すなわち、コイル211の最上面が、絶縁層221の最上面より高く形成されることもできる。
【0048】
一方、本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタ2000は、上述した構成を除き、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ1000の主要構成と同一または類似するので、重複内容に対する説明は省略する。
【0049】
図3は、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法を示す工程図である。図4から図7は、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法の主要ステップを示す図面である。
【0050】
図3から図7に示すように、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法は、コア10の一面にコイル211を形成するステップS100(図4参照)から始まる。
【0051】
この場合、コイル211は、コア10上にメッキ方式により導電層を形成し、導電層をパターニングするなどの方法により形成することができる。
【0052】
次に、ステップS200で、コイル211をカバーするために、コア10の一面に絶縁層221を積層してフィルタ層200を形成することができる(図5参照)。この場合、フィルタ層200は、コア10の一面に順次積層された複数の絶縁層220、221と、各絶縁層220、221の間に介在された複数のコイル210、211と、を含むことができる。
【0053】
次に、ステップS300で、フィルタ層200からコア10を除去することができる(図6参照)。この場合、コア10は、ルーティング(routing)工程などを通してフィルタ層200から除去されることができる。これにより、フィルタ層200と磁性層300とが接合する面にコイル211の一面が露出することになる。
【0054】
次に、ステップS400で、フィルタ層200からコア10を除去した面に磁性層300を積層し、その反対面に基板100を接合することができる(図7参照)。この場合、コア10の一面の平坦度により、コア10の一面と接していたフィルタ層200の面の平坦度を均一に確保することができる。
【0055】
したがって、均一な平坦度の確保されたフィルタ層200の面に、コア10を除去し、磁性層300を接合すると、フィルタ層200と磁性層300との接合面を平坦に形成することができる。
【0056】
このように、本実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法は、コア10を用いることにより、より効果的にフィルタ層200と磁性層300との接合面にコイル211の一面を露出させながら、フィルタ層200と磁性層300との接合面を平坦に形成することができる。
【0057】
一方、本実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法において磁性層300を、磁性物質を含有した複合材シートで形成すると、コモンモードフィルタの製作をさらに効果的に行うことができる。
【0058】
すなわち、上述したように、フィルタ層200と磁性層300とが接合する面を平坦に形成すれば、シート状である複合材シートをフィルタ層200の上面に付着することがより容易となる。
【0059】
したがって、本実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法は、磁性層300をフィルタ層200に塗布または充填する複雑な工程を行わずに、複合材シートをフィルタ層200の上面に付着することだけで十分であるため、コモンモードフィルタの製作をより容易に行うことができる。
【0060】
ここで、コイル211は、磁性層300と接合する絶縁層221の面よりも絶縁層221の内部に陥入されて、埋め込まれることができる。
【0061】
すなわち、図2に示された方向を基準にして、コイル211の最上面を絶縁層221の最上面より低く形成することができる。この場合、コイル211の最上面は、別途のエッチングなどの工程を経て絶縁層221の最上面より低く形成することができる。
【0062】
これにより、本実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法は、磁性層300の一部が絶縁層221の内部に流入されてアンカー作用などを果たすため、コイル211及び絶縁層221と磁性層300との間の密着力を高め、コモンモードフィルタの信頼性をさらに向上することができ、磁性層300とコイル211とが直接接合することによりインピーダンスを上昇させることができる。
【0063】
また、コイル211及び絶縁層221と磁性層300との間の密着力を確保するために、必要によって、コイル211が、磁性層300と接合する絶縁層221の面よりも絶縁層221の外部に突出するように埋め込まれることができる。すなわち、コイル211の最上面が、絶縁層221の最上面より高く形成されることもできる。
【0064】
一方、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタの製造方法において、主要構成に対する詳細な説明は、本発明の一実施例に係るコモンモードフィルタ1000または本発明の他の実施例に係るコモンモードフィルタ2000で上述したので、重複内容に対する説明は省略する。
【0065】
以上、本発明の実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加することにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえよう。
【符号の説明】
【0066】
10 コア
100 基板
200 フィルタ層
210、211 コイル
220、221 絶縁層
300 磁性層
1000、2000 コモンモードフィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9