特開2015-220495(P2015-220495A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-220495(P2015-220495A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 29/14 20060101AFI20151110BHJP
   H02M 7/483 20070101ALI20151110BHJP
   H02M 7/49 20070101ALI20151110BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20151110BHJP
   H04L 12/437 20060101ALI20151110BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20151110BHJP
【FI】
   H04L13/00 311
   H02M7/483
   H02M7/49
   H02M7/48 E
   H04L12/437 B
   H02M7/48 M
   H02M1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-100573(P2014-100573)
(22)【出願日】2014年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 一秋
(72)【発明者】
【氏名】川上 紀子
(72)【発明者】
【氏名】飯島 由紀久
【テーマコード(参考)】
5H007
5H740
5K031
5K035
【Fターム(参考)】
5H007AA06
5H007BB06
5H007CA01
5H007CB02
5H007CB05
5H007CC04
5H007CC06
5H007CC23
5H007DA06
5H007DB01
5H740BA11
5H740BB05
5H740KK05
5K031AA08
5K031BA03
5K031DA12
5K031EA01
5K031EB15
5K035AA03
5K035CC03
5K035CC09
5K035DD01
5K035EE01
5K035LL18
(57)【要約】
【課題】シリアル通信での回線異常に対する運転継続性の高い電力変換装置を提供することにある。
【解決手段】シリアル通信を行うセル1a〜1cは、制御に用いる第1の受信データDr1を受信し、受信した第1の受信データDr1を第1の送信データDt1として送信し、制御に用いる第2の受信データDr2を受信し、受信した第2の受信データDr2を第2の送信データDt2として送信し、第1の受信データDr1の受信による異常を検出した場合、受信した第2の受信データDr2を、第1の送信データDt1として送信するように経路を切り替え、第2の受信データDr2の受信による異常を検出した場合、受信した第1の受信データDr1を、第2の送信データDt1として送信するように経路を切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル通信を行う電力変換装置であって、
制御に用いる第1の受信データを受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信した前記第1の受信データを第1の送信データとして送信する第1の送信手段と、
制御に用いる第2の受信データを受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信した前記第2の受信データを第2の送信データとして送信する第2の送信手段と、
前記第1の受信手段による受信の異常を検出する第1の異常検出手段と、
前記第1の異常検出手段により異常を検出した場合、前記第2の受信手段により受信した前記第2の受信データを、前記第1の送信手段により、前記第1の送信データとして送信するように経路を切り替える第1の切替手段と、
前記第2の受信手段による受信の異常を検出する第2の異常検出手段と、
前記第2の異常検出手段により異常を検出した場合、前記第1の受信手段により受信した前記第1の受信データを、前記第2の送信手段により、前記第2の送信データとして送信するように経路を切り替える第2の切替手段と
を備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
シリアル通信をする複数の変換器と、
前記複数の変換器をデイジーチェーン接続して2重ループで伝送する伝送手段とを備え、
前記変換器は、
制御に用いる第1の受信データを受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信した前記第1の受信データを第1の送信データとして送信する第1の送信手段と、
制御に用いる第2の受信データを受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信した前記第2の受信データを第2の送信データとして送信する第2の送信手段と、
前記第1の受信手段による受信の異常を検出する第1の異常検出手段と、
前記第1の異常検出手段により異常を検出した場合、前記第2の受信手段により受信した前記第2の受信データを、前記第1の送信手段により、前記第1の送信データとして送信するように経路を切り替える第1の切替手段と、
前記第2の受信手段による受信の異常を検出する第2の異常検出手段と、
前記第2の異常検出手段により異常を検出した場合、前記第1の受信手段により受信した前記第1の受信データを、前記第2の送信手段により、前記第2の送信データとして送信するように経路を切り替える第2の切替手段とを備えること
を特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
シリアル通信を行う電力変換装置の制御方法であって、
制御に用いる第1の受信データを受信し、
受信した前記第1の受信データを第1の送信データとして送信し、
制御に用いる第2の受信データを受信し、
受信した前記第2の受信データを第2の送信データとして送信し、
前記第1の受信データによる異常を検出した場合、受信した前記第2の受信データを前記第1の送信データとして送信するように経路を切り替え、
前記第2の受信データによる異常を検出した場合、受信した前記第1の受信データを前記第2の送信データとして送信するように経路を切り替えること
を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
【請求項4】
2重ループでシリアル通信をするデイジーチェーン接続された複数の変換器を備える電力変換装置の制御方法であって、
前記変換器は、
制御に用いる第1の受信データを受信し、
受信した前記第1の受信データを第1の送信データとして送信し、
制御に用いる第2の受信データを受信し、
受信した前記第2の受信データを第2の送信データとして送信し、
前記第1の受信データによる異常を検出した場合、受信した前記第2の受信データを前記第1の送信データとして送信するように経路を切り替え、
前記第2の受信データによる異常を検出した場合、受信した前記第1の受信データを前記第2の送信データとして送信するように経路を切り替えること
を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自励式電力変換装置として、MMC(modular multilevel converter)が知られている。MMCは、複数のセル(単位変換器)で構成された電力変換装置である。MMCは、各セルに入力されるゲートパルス(ゲート信号)により制御される。ゲートパルスの伝送には、光ファイバケーブルが用いられる。この光ファイバケーブルを短縮するために、各セルを光ファイバケーブルでデイジーチェーン接続して、各セルに光シリアル信号を伝送することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−24393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のセルにゲート信号をシリアル通信すると、伝送する回線に異常が生じた場合、自励式電力変換装置の運転継続に対する支障が大きくなる。例えば、全てのセルに1回線でゲート信号をシリアル通信していた場合、この1回線が異常になると、全てのセルと通信できなくなる。従って、自励式電力変換装置の運転が継続できなくなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、シリアル通信での回線異常に対する運転継続性の高い電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の観点に従った電力変換装置は、シリアル通信を行う電力変換装置であって、制御に用いる第1の受信データを受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により受信した前記第1の受信データを第1の送信データとして送信する第1の送信手段と、制御に用いる第2の受信データを受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段により受信した前記第2の受信データを第2の送信データとして送信する第2の送信手段と、前記第1の受信手段による受信の異常を検出する第1の異常検出手段と、前記第1の異常検出手段により異常を検出した場合、前記第2の受信手段により受信した前記第2の受信データを、前記第1の送信手段により、前記第1の送信データとして送信するように経路を切り替える第1の切替手段と、前記第2の受信手段による受信の異常を検出する第2の異常検出手段と、前記第2の異常検出手段により異常を検出した場合、前記第1の受信手段により受信した前記第1の受信データを、前記第2の送信手段により、前記第2の送信データとして送信するように経路を切り替える第2の切替手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シリアル通信での回線異常に対する運転継続性の高い電力変換装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る自励式電力変換装置の通信回路の構成を示す構成図。
図2】実施形態に係る自励式電力変換装置の電気回路の構成を示す構成図。
図3】実施形態に係るセルの回路の構成を示す回路図。
図4】実施形態に係る自励式電力変換装置に回線異常が生じた場合の通信状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る自励式電力変換装置10の通信回路の構成を示す構成図である。図2は、本実施形態に係る自励式電力変換装置10の電気回路の構成を示す構成図である。なお、図面における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
【0011】
自励式電力変換装置10は、直流電源2、制御装置3、6つのアーム4up,4um,4vp,4vm,4wp,4wm、三相分のリアクトル5u,5v,5w、及び三相分の連系リアクトル6u,6v,6wを備えている。自励式電力変換装置1は、交流電源及び交流負荷を備える交流系統7u,7v,7wに三相交流電力を供給する。
【0012】
直流電源2は、発電した直流電力を6つのアーム4up〜4wmで構成される電力変換回路に供給する。直流電源2は、自ら発電する装置に限らず、交流電力を直流電力に変換するコンバータ又は二次電池等でもよい。
【0013】
制御装置3は、アーム4up〜4wm毎に、アーム4up〜4wmを構成するセル1a,1b,1cとシリアル通信する。制御装置3は、アーム4up〜4wm毎にそれぞれゲート信号を含むデータD1,D2を送信することで、電力変換回路を制御する。
【0014】
6つのアーム4up〜4wmは、直流電力を三相交流電力に変換する電力変換回路を構成する。各アーム4up〜4wmは、直列に接続された3つのセル1a〜1cで構成されている。セル1a〜1cは、電力変換回路を構成する最小単位の電力変換装置(単位変換器)である。アーム4upは、電力変換回路のU相の正極側を構成する。アーム4umは、電力変換回路のU相の負極側を構成する。アーム4vpは、電力変換回路のV相の正極側を構成する。アーム4vmは、電力変換回路のV相の負極側を構成する。アーム4wpは、電力変換回路のW相の正極側を構成する。アーム4wmは、電力変換回路のW相の負極側を構成する。各セル1a〜1cは、制御装置3から受信したデータD1,D2に含まれるゲート信号で動作する。
【0015】
ここで、図3を参照して、本実施形態に係るセル1の回路について説明する。図3に示すセル1の回路は、各アームを構成するセル1a〜1cの回路と同一である。以降では、全てのセル1a〜1cに共通する事項については、セル1として説明する。
【0016】
セル1は、二重スターチョッパである。セル1は、2つのスイッチング素子SW1,SW2、2つの逆並列ダイオードDI1,DI2、及びコンデンサCDにより構成された回路である。スイッチング素子SW1,SW2は、制御装置3から受信したゲート信号により、スイッチング(駆動)する。2つのスイッチング素子SW1,SW2は、直列に接続されている。2つのスイッチング素子SW1,SW2には、それぞれ逆並列ダイオードDI1,DI2が接続されている。コンデンサCDは、2つの直列に接続されたスイッチング素子SW1,SW2と並列に接続されている。2つのスイッチング素子SW1,SW2の接続点がセル1の正極端子となる。負極側に位置するスイッチング素子SW2の負極側の端子(エミッタ)は、セル1の負極端子となる。
【0017】
U相のリアクトル5uは、U相の正極側のアーム4upとU相の負極側のアーム4umとの間に設けられている。リアクトル5uの中間点は、交流電力のU相の出力点となる。リアクトル5uの中間点は、連系リアクトル6uを介して、交流系統7uのU相に接続される。リアクトル5uは、U相の正極側のアーム4up及びU相の負極側のアーム4umに流れる循環電流の直流成分を抑制するために設けられている。
【0018】
V相のリアクトル5vは、V相の正極側のアーム4vpとV相の負極側のアーム4vmとの間に設けられている。リアクトル5vの中間点は、交流電力のV相の出力点となる。リアクトル5vの中間点は、連系リアクトル6vを介して、交流系統7vのV相に接続される。リアクトル5vは、V相の正極側のアーム4vp及びV相の負極側のアーム4vmに流れる循環電流の直流成分を抑制するために設けられている。
【0019】
W相のリアクトル5wは、W相の正極側のアーム4wpとW相の負極側のアーム4wmとの間に設けられている。リアクトル5wの中間点は、交流電力のW相の出力点となる。リアクトル5wの中間点は、連系リアクトル6wを介して、交流系統7wのW相に接続される。リアクトル5wは、W相の正極側のアーム4wp及びW相の負極側のアーム4wmに流れる循環電流の直流成分を抑制するために設けられている。
【0020】
連系リアクトル6u,6v,6wは、交流系統7u,7v,7wと系統連系するために設けられたリアクトルである。U相の連系リアクトル6uは、U相の交流系統7uとU相のリアクトル5uの中間点との間に設けられている。V相の連系リアクトル6vは、V相の交流系統7vとV相のリアクトル5vの中間点との間に設けられている。W相の連系リアクトル6wは、W相の交流系統7wとW相のリアクトル5wの中間点との間に設けられている。なお、三相分の連系リアクトル6u,6v,6wの代わりに、三相分の連系変圧器を設けてもよい。
【0021】
図1を参照して、自励式電力変換装置10の通信回路について説明する。ここで、制御装置3と各アーム4up〜4wmとをそれぞれ接続する通信回路の構成は、全て同じである。従って、ここでは、制御装置3と各アーム4up〜4wmを代表する1つのアーム4との通信回路の構成について説明する。
【0022】
制御装置3とアーム4は、2重ループ回線を構成する伝送路L11,L12,L13,L14,L21,L22,L23,L24で接続されている。伝送路L11〜L24は、光ファイバケーブル及び中継器などにより構成される。
【0023】
第1のループ回線は、4つの伝送路L11〜L14で構成されている。伝送路L11〜L14は、各セル1a〜1cをデイジーチェーン接続する。第1のループ回線では、セル1a、セル1b及びセル1cの順に、第1のデータD1が伝送される。伝送路L11は、制御装置3からセル1aにデータを伝送する経路である。伝送路L12は、セル1aからセル1bにデータを伝送する経路である。伝送路L13は、セル1bからセル1cにデータを伝送する経路である。伝送路L14は、セル1cから制御装置3にデータを伝送する経路である。
【0024】
第2のループ回線は、4つの伝送路L21〜L24で構成されている。伝送路L21〜L24は、各セル1a〜1cをデイジーチェーン接続する。第2のループ回線では、第1のループ回線とは逆の順番で、セル1c、セル1b及びセル1aの順に、第2のデータD2が伝送される。第2のデータD2の内容は、第1のデータD1の内容と基本的に同じである。伝送路L21は、制御装置3からセル1cにデータを伝送する経路である。伝送路L22は、セル1cからセル1bにデータを伝送する経路である。伝送路L23は、セル1bからセル1aにデータを伝送する経路である。伝送路L24は、セル1aから制御装置3にデータを伝送する経路である。
【0025】
次に、セル1aの内部の通信回路について説明する。なお、他のセル1b,1cについては、セル1aと同様に構成されているため、詳しい説明を省略する。
【0026】
セル1aには、2つの異常検出部11a,12a及び2つの切替スイッチ13a,14aが設けられている。2つの切替スイッチ13a,14aは、正常時(通常)は開いている。第1の異常検出部11aにより異常を検出すると、第1の切替スイッチ13aが閉じる。第2の異常検出部12aにより異常を検出すると、第2の切替スイッチ14aが閉じる。
【0027】
セル1cにおいて、2つの異常検出部11c,12cは、それぞれセル1aの2つの異常検出部11a,12aに相当し、2つの切替スイッチ13c,14cは、それぞれセル1aの2つの切替スイッチ13a,14aに相当する。
【0028】
自励式電力変換装置10が正常の場合について説明する。
【0029】
セル1aは、伝送路L11からデータD1を受信すると、第1の受信データDr1として受信する。セル1aは、受信した第1の受信データDr1を第1の送信データDt1として伝送路L12に出力する。
【0030】
セル1aは、伝送路L23からデータD2を受信すると、第2の受信データDr2として受信する。セル1aは、受信した第2の受信データDr1を第2の送信データDt2として伝送路L24に出力する。
【0031】
第1の異常検出部11aにより異常を検出した場合について説明する。
【0032】
第1の異常検出部11aは、第2の受信データDr2を監視している。第1の異常検出部11aは、第2の受信データDr2が異常であると判断した場合、異常を検出する。例えば、第1の異常検出部11aは、第2の受信データDr2を受信しない場合又は受信した第2の受信データDr2に異常が見られる場合に、異常を検出する。第1の異常検出部11aは、異常を検出すると、第1の切替スイッチ13aを閉じる。
【0033】
第1の切替スイッチ13aが閉じると、伝送路L11から受信した第1の受信データDr1を、第2の送信データDt2として伝送路L24に出力するような経路が形成される。この経路により、セル1aは、伝送路L11から受信したデータD1を折り返すように、伝送路L24に出力する。
【0034】
第2の異常検出部12aにより異常を検出した場合について説明する。
【0035】
第2の異常検出部12aは、第1の受信データDr1を監視している。第2の異常検出部12aは、第1の異常検出部11aと同様に、異常を検出する。第2の異常検出部12aは、異常を検出すると、第2の切替スイッチ14aを閉じる。
【0036】
第2の切替スイッチ14aが閉じると、伝送路L23から受信した第2の受信データDr2を、第1の送信データDt1として伝送路L12に出力するような経路が形成される。この経路により、セル1aは、伝送路L23から受信したデータD2を折り返すように、伝送路L12に出力する。
【0037】
次に、自励式電力変換装置10が正常の場合の制御装置3とアーム4との通信について説明する。自励式電力変換装置10が正常の場合、セル1aの2つの切替スイッチ13a,14a及びセル1cの2つの切替スイッチ13c,14cは開いている。
【0038】
制御装置3は、伝送路L11〜L14で構成される第1のループ回線に、各セル1a〜1cのゲート信号を含む第1のデータD1を出力する。これにより、セル1a、セル1b、セル1cの順に、各セル1a〜1cは、第1のデータD1を受信する。制御装置3は、伝送路L21〜L24で構成される第2のループ回線に、各セル1a〜1cのゲート信号を含む第2のデータD2を出力する。これにより、セル1c、セル1b、セル1aの順に、各セル1a〜1cは、第2のデータD2を受信する。各セル1a〜1cは、第1のデータD1又は第2のデータD2に含まれる自己のゲート信号により駆動する。
【0039】
次に、自励式電力変換装置10に回線異常が生じた場合の制御装置3とアーム4との通信について説明する。ここでは、セル1bと通信する回線(ハードウェア又はソフトウェアのいずれでもよい)に異常が発生し、セル1bと通信できない状態になったものとする。
【0040】
セル1aは、回線異常により、伝送路L23から第2の受信データDr2を受信しなくなる。このため、第1の異常検出部11aが異常を検出して、第1の切替スイッチ13aが閉じられる。これにより、セル1aは、伝送路L11から受信した第1のデータD1を伝送路L24に出力する。
【0041】
セル1cは、回線異常により、伝送路L13から第1の受信データDr1を受信しなくなる。このため、第2の異常検出部12cが異常を検出して、第2の切替スイッチ14cが閉じられる。これにより、セル1cは、伝送路L21から受信した第2のデータD2を伝送路L14に出力する。
【0042】
従って、セル1bと通信できない状態の場合、図4に示すように、第1のデータD1及び第2のデータD2が伝送される。即ち、制御装置3から出力された第1のデータD1は、セル1aで折り返すように、制御装置3に戻ってくる。これにより、セル1aは、第1のデータD1に含まれる自己のゲート信号により駆動する。また、制御装置3から出力された第2のデータD2は、セル1cで折り返すように、制御装置3に戻ってくる。これにより、セル1cは、第2のデータD2に含まれる自己のゲート信号により駆動する。
【0043】
本実施形態によれば、任意のセル1a〜1cと通信できない状態になっても、自励式電力変換装置10は、運転を継続することができる。
【0044】
なお、セル1の構成は、図3に示したものに限らない。スイッチング素子を含む変換器であり、自励式電力変換装置の構成として機能するのであれば、どのような回路でもよい。例えば、セル1は、双方向チョッパ又はフルブリッジ変換器でもよい。
【0045】
また、各アーム4up〜4wmは、3つのセル1a〜1cで構成されたものに限らず、2つ以上であればいくつのセルで構成されていてもよい。例えば、各アーム4up〜4wmは、構成の冗長性を確保するために、正常時には使用しないセルが含まれていてもよい。また、自励式電力変換装置10は、6つのアーム4up〜4wmで構成されたものに限らず、いくつのアームで構成されていてもよい。例えば、自励式電力変換装置10を直流電力から三相交流電力に変換する構成として説明したが、直流電力から単相交流電力に変換する構成でもよい。この場合、4つのアームで直流電力を単相交流電力に変換する自励式電力変換装置を構成することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1a,1b,1c…セル、3…制御装置、4…アーム、10…自励式電力変換装置、11a,11c,12a,12c…異常検出部、13a,13c,14a,14c…切替スイッチ、L11〜L24…伝送路
図1
図2
図3
図4