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特開2015-220511配信装置、配信方法及び配信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-220511(P2015-220511A)
(43)【公開日】2015年12月7日
(54)【発明の名称】配信装置、配信方法及び配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20151110BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20151110BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20151110BHJP
【FI】
   H04N21/262
   G06Q30/08
   G06Q30/02 150
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-100967(P2014-100967)
(22)【出願日】2014年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100125612
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 壮太郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 周
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 嘉男
(72)【発明者】
【氏名】井上 真吾
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164MA05S
5C164SA52S
5C164SB29S
5C164SB31S
5C164SB41S
5C164SC23P
5C164TA08S
5C164YA21
5L049BB08
5L049BB73
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配給側の広告配信に関する手続きを容易にする配信装置、配信方法及び配信プログラムを提供する。
【解決手段】配信装置は、取得部と、配信部とを備える。取得部は、第1コンテンツを提供する施設で第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツの枠に関する情報を取得する。配信部は、施設以外の媒体に提供するための他のコンテンツを枠で提供される第2コンテンツとして施設に配信する。取得部は、枠の販売状況に関する情報を取得する。配信部は、取得部によって取得された販売状況に関する情報に基づいて他のコンテンツを施設に配信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンテンツを提供する施設で前記第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツの枠に関する情報を取得する取得部と、
前記施設以外の媒体に提供するための他のコンテンツを前記枠で提供される第2コンテンツとして前記施設に配信する配信部と、
を備えたことを特徴とする配信装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記枠に関する情報として、前記枠の販売状況に関する情報を取得し、
前記配信部は、
前記取得部によって取得された前記販売状況に関する情報に基づいて前記他のコンテンツを前記施設に配信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
【請求項3】
前記配信部は、
前記販売状況に関する情報に基づいて、購入者が決定されていない枠に提供される第2コンテンツとして前記他のコンテンツを前記施設に配信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の配信装置。
【請求項4】
前記配信部は、
前記施設からの前記枠で前記他のコンテンツを提供させる旨の要望に応じて、当該他のコンテンツを前記施設に配信する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項5】
前記配信部は、
前記施設以外の媒体であるウェブサイト向けに提供される前記他のコンテンツを配信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項6】
前記配信部は、
前記ウェブサイト向けに提供される前記他のコンテンツのウェブサイトにおける掲載状況に基づいて、当該他のコンテンツを配信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の配信装置。
【請求項7】
前記ウェブサイト向けに提供される前記他のコンテンツが前記枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、当該他のコンテンツの提供料金を算出する算出部、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の配信装置。
【請求項8】
前記算出部は、
前記ウェブサイト向けに提供される前記他のコンテンツが前記枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、当該他のコンテンツが所定の回数だけウェブサイトに掲載されたものとして、当該他のコンテンツの提供料金を算出する、
ことを特徴とする請求項7に記載の配信装置。
【請求項9】
前記配信部は、
前記他のコンテンツであって、前記枠で提供されることに当該他のコンテンツの提供主が同意した当該他のコンテンツを前記施設に配信する、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項10】
前記取得部が取得する前記枠に関する情報と前記他のコンテンツの属性とに基づいて、前記枠で提供される当該他のコンテンツを抽出する抽出部をさらに備え、
前記配信部は、
前記抽出部が抽出する当該他のコンテンツを前記施設に配信する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項11】
前記抽出部は、
前記枠に関する情報として、前記枠に係る第1コンテンツのタイトル、ジャンル、及び、出演者、又は、第1コンテンツの制作者、監督、配給会社、及び、制作者の国籍の少なくとも1つに基づいて、前記他のコンテンツを抽出する、
ことを特徴とする請求項10に記載の配信装置。
【請求項12】
前記抽出部は、
前記枠に関する情報として、前記他のコンテンツが提供される枠の前後の枠において提供される前記第2コンテンツの内容、又は、提供主に関する情報に基づいて、前記他のコンテンツを抽出する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の配信装置。
【請求項13】
前記抽出部は、
前記枠に関する情報として、前記枠に係る前記施設の利用者の属性、又は、予測される動員数に基づいて、前記他のコンテンツを抽出する、
ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項14】
前記抽出部は、
前記他のコンテンツが画像で構成されている場合に、当該他のコンテンツの画質が前記施設で提供可能な水準である当該他のコンテンツを抽出する、
ことを特徴とする請求項10〜13のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する配信方法であって、
第1コンテンツを提供する施設で前記第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツの枠に関する情報を取得する取得工程と、
前記施設以外の媒体に提供するための他のコンテンツを前記枠で提供される第2コンテンツとして前記施設に配信する配信工程と、
を含んだことを特徴とする配信方法。
【請求項16】
第1コンテンツを提供する施設で前記第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツの枠に関する情報を取得する取得手順と、
前記施設以外の媒体に提供するための他のコンテンツを前記枠で提供される第2コンテンツとして前記施設に配信する配信手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信装置、配信方法及び配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、施設で提供されるコンテンツには、そのコンテンツの本編前に組み込まれる広告が上映される広告枠が設けられていることがある。例えば、映画館においては、上映される映画の本編前に数分間の広告枠が設定される。
【0003】
このような広告配信に関する技術として、上映場所の視聴者に対して動画及びプロモーション用コンテンツをスケジューリングする技術が知られている。具体的には、この技術では、プロモーション用コンテンツを提示するタイムスロットに広告プロバイダから入札を求め、受信した入札に応じて広告プロバイダからの広告をタイムスロットに関連付け、その広告プロバイダから電子的に広告を取得する。また、上映者は、最も高い入札者に対して利用可能な広告又はプロモーション時間を競売することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−505393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、配給側の広告配信に関する手続きを容易にすることができるとは限らない。具体的には、上記の従来技術では、タイムスロットに対して広告主側から入札を受け付ける。また、任意のタイムスロットに広告プロバイダから入札がなされない場合、配給側は、改めて条件を提示して広告プロバイダを募らねばならない。このように、配給側にとっては、広告枠への広告コンテンツの割り当てなどの広告配信に関する手続きが煩雑となる。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、配給側の広告配信に関する手続きを容易にすることができる配信装置、配信方法及び配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る配信装置は、第1コンテンツを提供する施設で前記第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツの枠に関する情報を取得する取得部と、前記施設以外の媒体に提供するための他のコンテンツを前記枠で提供される第2コンテンツとして前記施設に配信する配信部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、配給側の広告配信に関する手続きを容易にすることができる配信装置、配信方法及び配信プログラムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る配信処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る配信処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る広告装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る広告枠テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る本編テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る広告装置による配信処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、変形例に係る広告コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図9図9は、変形例に係る配信処理システムの構成例を示す図である。
図10図10は、広告装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る配信装置、配信方法及び配信プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、配信方法及び配信プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.配信処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る配信処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る配信処理の一例を示す図である。図1では、本願に係る配信装置に対応する広告装置100によって、第1コンテンツを提供する施設で第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツの枠に、当該施設以外の媒体に提供するための他のコンテンツを配信する配信処理が行われる例を示す。なお、以下では、施設として映画館を例に挙げ、施設で提供される第1コンテンツとして映画を例に挙げ、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツとして映画館用広告コンテンツを例に挙げ、他のコンテンツとしてウェブサイト用広告コンテンツを例に挙げて説明する。
【0012】
図1に示す例において、広告装置100は、ウェブサイト用広告コンテンツを管理するウェブサーバである。広告装置100は、例えば、所定の情報処理端末装置にインストールされたブラウザからの命令に従い、ウェブサイト用広告コンテンツを情報処理端末装置に配信する。
【0013】
また、図1に示すように、映画館には、映画館装置20が備えられる。映画館装置20は、映画館における映画の編成に係る情報等を処理するために映画館の管理者によって操作される情報処理装置である。また、映画館で上映される映画には、本編の前に映画館用広告コンテンツが上映されるための数分間の時間が設けられる。
【0014】
そして、映画館用広告コンテンツが上映されるための数分間の時間は所定の時間で分割され、映画館用広告コンテンツの提供のための枠が設けられる。例えば、かかる枠は、30秒単位を1枠として設けられる。以下、このような映画館用広告コンテンツの提供のための枠を「広告枠」と表記する。図1に示す例では、「2014年5月10日9:00」から上映される映画であって、本編タイトル「M1」の映画には、広告枠C111、C112、C113、C114及びC115が設けられていることを示す。映画館側は、広告枠で映画館用広告コンテンツを提供させる権利を広告主に販売することで広告収益を得る。なお、以下では、「広告枠」といった表記は、かかる広告枠で広告コンテンツを提供させるための権利についての概念を含む場合がある。例えば、所定の広告枠で広告コンテンツを提供させるための権利を広告主に販売することを、「広告枠を販売する」と表記することがある。
【0015】
以下に、広告装置100が行う配信処理について流れに沿って説明する。まず、広告装置100は、ウェブサイトで広告コンテンツを提供させる広告主からウェブサイト用広告コンテンツの入稿を受け付ける(ステップS10)。例えば、広告装置100は、広告主が操作する広告主端末10からウェブサイト用広告コンテンツのデータを受信することにより、ウェブサイト用広告コンテンツの入稿を受け付ける。
【0016】
また、広告装置100は、映画館装置20から映画館における広告枠の情報を取得する(ステップS11)。例えば、映画館装置20は、所定の時点で映画館において広告枠が売れ残っている場合に、広告装置100に広告配信に関するリクエストを送信する。売れ残っている広告枠とは、かかる広告枠で映画館用広告コンテンツを提供させる広告主が決定していない広告枠(以下、「空き広告枠」と表記する)のことをいう。図1においては、広告枠C111が空き広告枠であるものとする。また、広告配信に関するリクエストとは、例えば、空き広告枠C111に対して所定の広告コンテンツの配信を希望する旨を意味する。すなわち、映画館装置20は、かかるリクエストによって、空き広告枠C111を映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツに開放する旨を示す。そして、広告装置100は、かかるリクエストに応答して、広告枠の販売状況に関する情報を取得する。
【0017】
なお、広告装置100は、広告枠に関する情報として、映画館が所在する地域や、映画館の観客収容数や、映画館が備えるスクリーン数や、スクリーン毎の座席数など、施設としての映画館の情報についても適宜取得する。同様に、広告装置100は、映画に関する情報として、例えば、映画の制作者や、映画の出演者や、映画が制作された国名などに関する情報についても適宜取得する。
【0018】
続いて、広告装置100は、保持するウェブサイト用広告コンテンツのうち、空き広告枠C111への配信に適するウェブサイト用広告コンテンツを抽出する(ステップS12)。具体的には、広告装置100は、空き広告枠C111とともに映画館で上映される本編タイトルM1の映画に関する情報や、空き広告枠C111とともに設けられている広告枠C112〜C115で提供される映画館用広告コンテンツの情報や、空き広告枠C111で提供される広告コンテンツを視聴すると想定される客層の情報などを参照し、空き広告枠C111への配信に適するウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。また、広告装置100は、配信しようとするウェブサイト用広告コンテンツの属性についても判定する。ここで、ウェブサイト用広告コンテンツの属性とは、かかるウェブサイト用広告コンテンツが映画館で提供されることについて広告主から同意を受けているか、ウェブサイト用広告コンテンツを構成する素材が動画像であるか、ウェブサイト用広告コンテンツを構成する画質が映画館での提供に耐えうるものか、などウェブサイト用広告コンテンツが備える仕様や設定のことをいう。
【0019】
そして、広告装置100は、抽出されたウェブサイト用広告コンテンツを映画館装置20に配信する(ステップS13)。そして、映画館装置20は、配信されたウェブサイト用広告コンテンツを空き広告枠C111で観客に提供するよう処理する。
【0020】
このように、実施形態に係る広告装置100は、映画館から広告枠に関する情報を取得し、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツ(例えば、ウェブサイト用広告コンテンツ)を広告枠で提供される映画館用広告コンテンツとして映画館に配信する。
【0021】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、配給側(例えば、映画館側)の広告配信に関する手続きを容易にすることができる。具体的には、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主が決定していない広告枠について、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツを提供する広告主に開放される。このため、映画館側は、広告主が決定していない広告枠について改めて条件を提示して広告主を募ることを要しない。さらに、実施形態に係る広告装置100は、空き広告枠に対して、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツのうち、映画館での提供に適切な広告コンテンツを配信する。このため、映画館側は、広告枠の広告コンテンツの編成について煩雑な作業を行うことを要せずに、映画館で広告コンテンツを提供させることができる。すなわち、実施形態に係る広告装置100によれば、映画館側は、広告配信に関する手続きを容易にすることができる。
【0022】
また、実施形態に係る広告装置100は、広告主の特段の手間を要することなく、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツを個々の映画館で提供させる。すなわち、広告主は、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツを映画館のために入稿し直すという煩雑な作業を行うことを要せずに、映画館で他のコンテンツを提供させることができる。この場合、広告主は、映画館で広告配信の環境を得ることができるので、広告コンテンツの宣伝内容を広く需要者に周知させることができる。このため、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主は、他の広告コンテンツの広告効果を高めることができるという利点がある。
【0023】
なお、上記の配信処理において、実施形態に係る広告装置100が映画の情報等に基づき適切な他のコンテンツを抽出する例を示した。しかし、広告装置100は、上記抽出処理を行わず、例えばランダムに他のコンテンツを映画館に配信してもよい。
【0024】
〔2.配信処理システムの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る配信処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る配信処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、配信処理システム1には、広告主端末10と、映画館装置20と、広告装置100とが含まれる。広告主端末10、映画館装置20、及び広告装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した配信処理システム1には、複数台の広告主端末10や、複数台の映画館装置20が含まれてもよい。
【0025】
広告主端末10は、広告コンテンツを提供させることを所望する広告主によって利用される情報処理装置である。具体的には、広告主端末10は、広告主による操作に従って、ウェブサイト用広告コンテンツを広告装置100に入稿したり、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館で提供させることに同意する旨を広告装置100に送信したりする。
【0026】
なお、広告主は、広告主端末10を用いて、ウェブサイト用広告コンテンツを広告装置100に入稿せずに、かかる入稿を代理店に依頼する場合もある。この場合、かかる入稿を広告装置100に行うのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0027】
映画館装置20は、映画館の管理者によって利用される情報処理装置である。かかる映画館装置20は、例えば、広告枠に関する情報を広告装置100に送信したり、広告装置100から配信されるウェブサイト用広告コンテンツを受信したりする。また、映画館装置20は、映画の上映に係る編成情報の管理や、映画館用及びウェブサイト用広告コンテンツを映画館で提供するための処理などを行う。
【0028】
広告主端末10や、映画館装置20は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。以下では、「広告主」といった表記は、広告主によって操作される「広告主端末10」による処理等も含むものとする。同様に、「映画館」といった表記は、映画館の管理者によって操作される「映画館装置20」による処理等も含むものとする。例えば、「広告主によって指定された」といった表記は、「広告主端末10によって指定された」という概念を含みうるものとする。
【0029】
広告装置100は、上述のように、映画館装置20から送信される広告枠に関する情報に基づいて、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館で提供させる映画館用広告コンテンツとして映画館に配信するウェブサーバである。
【0030】
〔3.広告装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る広告装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る広告装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、広告装置100は、通信部110と、広告コンテンツ記憶部121と、映画館情報記憶部122と、制御部130とを有する。なお、広告装置100は、広告装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0031】
〔3−1.通信部〕
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、広告主端末10や映画館装置20との間で情報の送受信を行う。
【0032】
〔3−2.記憶部〕
広告コンテンツ記憶部121及び映画館情報記憶部122は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0033】
〔3−3.広告コンテンツ記憶部〕
広告コンテンツ記憶部121は、広告主から入稿されたウェブサイト用広告コンテンツに関する情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部121の一例を示す。図4は、広告コンテンツ記憶部121の一例を示す図である。図4に示した例では、広告コンテンツ記憶部121は、「広告主ID」、「広告コンテンツID」、「広告タイプ」、「配信時間」、「宣伝ジャンル」、「配信許可」、「画質条件」などといった項目を有する。
【0034】
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末10を識別するための識別情報を示す。また、「広告コンテンツID」は、ウェブサイト用広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。ここで、実際に映画館に配信されるウェブサイト用広告コンテンツのデータは、広告装置100の広告コンテンツ記憶部121に記憶されてもよいし、広告装置100とは別に備えられたウェブサイト用広告コンテンツを記憶するストレージサーバに記憶されてもよい。この場合、広告装置100は、広告コンテンツ記憶部121に記憶された広告コンテンツIDに基づいて、外部のストレージサーバに記憶されたウェブサイト用広告コンテンツを特定する。そして、広告装置100は、ストレージサーバに対して、特定されたウェブサイト用広告コンテンツを映画館に対して配信するよう制御する。
【0035】
「広告タイプ」とは、ウェブサイト用広告コンテンツの広告タイプを示す。具体的には、広告タイプとは、ウェブサイト用広告コンテンツがビデオ広告であるか、静止画であるかといった広告の種類の区別を示す。例えば、ビデオ広告とは、ウェブページにおけるウェブサイト用広告コンテンツ表示用のフレーム内で、動画像として提供される広告コンテンツを意味する。また、静止画とは、ウェブページにおいて一枚絵として表示される広告コンテンツを意味する。
【0036】
「配信時間」は、ウェブサイト用広告コンテンツの時間長を示す。図4の例では、配信時間の単位は秒とする。例えば、広告コンテンツIDがA11であるウェブサイト用広告コンテンツは、「30秒」の時間長を持つコンテンツであることを示す。なお、ウェブサイト用広告コンテンツが静止画などで構成されており時間長を持たないコンテンツである場合は、配信時間の項目に情報は記載されなくてもよい。
【0037】
「宣伝ジャンル」は、ウェブサイト用広告コンテンツの宣伝する内容について、いずれのジャンルに属するかの情報を示す。図4の例では、宣伝ジャンルには、「玩具」、「美容」、「遊技場」などのジャンルがあることを示している。
【0038】
「配信許可」は、ウェブサイト用広告コンテンツについて映画館で提供させることに広告主が同意しているか否かを示す。図4の例では、広告主が同意しているウェブサイト用広告コンテンツについては「Y」が、同意していない場合には「N」が設定されることを示している。配信許可の項目が「N」であるウェブサイト用広告コンテンツは、映画館で提供されることはないものとする。
【0039】
「画質条件」は、ウェブサイト用広告コンテンツを構成する画質が映画館での提供に耐えうるものか否かを示す。すなわち、ウェブサイト用広告コンテンツが動画像等で構成されている場合に、かかる画質が映画館で提供可能な水準であるか否かを示す。図4の例では、映画館で提供可能な水準であるウェブサイト用広告コンテンツについては「Y」が、提供可能でない場合には「N」が設定されることを示している。なお、ウェブサイト用広告コンテンツが動画像等で構成されていない場合や、配信許可の項目がNである場合などには、画質条件の項目に情報が記載されなくてもよい。
【0040】
すなわち、図4では、広告主ID「CL11」によって識別される広告主が、広告コンテンツID「A11」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツを入稿していることを示す。また、広告コンテンツID「A11」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツは、広告タイプが「ビデオ広告」であり、配信時間が「30秒」であり、宣伝ジャンルが「玩具」に関するものである。また、広告コンテンツID「A11」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツは、映画館での提供に広告主CL11が同意しており(配信許可「Y」)、また映画館で提供可能な水準の画質を備える画像で構成されている(画質条件「Y」)ことを示す。
【0041】
〔3−4.映画館情報記憶部〕
映画館情報記憶部122は、映画館に関する情報を記憶する。映画館情報記憶部122は、情報を記憶するデータテーブルとして、広告枠テーブル122aと、本編テーブル122bとを有する。以下、個々のテーブルについて説明する。
【0042】
〔3−4(1).広告枠テーブル〕
広告枠テーブル122aは、広告枠に関する情報を記憶するデータテーブルである。具体的には、広告枠テーブル122aは、広告枠が設けられる映画の編成に関する情報や、映画を上映する映画館の施設としての情報や、広告枠を購入している広告主に関する情報などを記憶する。
【0043】
ここで、図5に、実施形態に係る広告枠テーブル122aの一例を示す。図5は、実施形態に係る広告枠テーブル122aの一例を示す図である。図5に示した例では、広告枠テーブル122aは、「映画館」、「スクリーン」、「座席数」、「本編タイトル」、「配信日程」、「広告枠ID」、「配信時間」、「広告主ID」、「広告コンテンツID」、「宣伝ジャンル」といった項目を有する。
【0044】
「映画館」は、映画館の名称を示す。また、図4に図示することは省略しているが、映画館の項目には、映画館の所在地の情報なども含むものとする。また、「スクリーン」は、映画館における、映画を投射できるスクリーンと観客席を備えた上映室を示す。図4において、映画館「TH1」におけるスクリーン「SC1」とスクリーン「SC2」は異なる上映室を示しており、上映される映画や座席数が異なることがある。
【0045】
「座席数」は、上映場所に備えられた観客席の数であり、観客を収容することのできる数を示す。座席数はスクリーン毎に異なる場合がある。また、「本編タイトル」は、映画館で上映される映画のタイトルを示す。例えば、本編タイトル「M1」と本編タイトル「M2」とは異なる映画を示す。
【0046】
「配信日程」は、広告枠で広告コンテンツが観客に提供される日時を示す。図5に示した例では、配信日程を広告提供の開始時刻として、広告枠順に、対応するスクリーンにて広告コンテンツが提供される。
【0047】
「広告枠ID」は、広告枠を識別するための識別情報を示す。また、「配信時間」は、映画館で映画館用広告コンテンツを提供させる時間長を示す。図5の例では、配信時間の単位は秒とする。例えば、広告枠C111には、配信時間として「30秒」が割り当てられていることを示す。
【0048】
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末10を識別するための識別情報を示す。ここで、図5における広告主IDは、広告枠と対応付けて記憶されている。すなわち、図5では、対応する広告枠で映画館用広告コンテンツを提供させる権利を購入した広告主を識別するための広告主IDが記憶されている例を示している。同様に、図5における「広告コンテンツID」は、対応する広告枠で提供が予定されている広告コンテンツを識別するための識別情報を示している。また、図5における「宣伝ジャンル」は、対応する広告枠で提供が予定されている広告コンテンツが宣伝する内容について、いずれのジャンルに属するかの情報を示している。
【0049】
すなわち、図5では、広告枠「C111」が、映画館「TH1」におけるスクリーン「SC1」で上映される本編タイトル「M1」である映画に設けられている例を示す。このとき、広告枠「C111」に係る広告コンテンツは、「2014年5月10日9時00分00秒」から「30秒」間だけ配信されることを示している。なお、広告枠「C111」で映画館用広告コンテンツを提供させる広告主が未だ決定されておらず、配信する映画館用広告コンテンツについても決定されていないことを示す。
【0050】
〔3−4(2).本編テーブル〕
本編テーブル122bは、映画館で上映される映画本編に関する情報を記憶するテーブルである。ここで、図6に、実施形態に係る本編テーブル122bの一例を示す。図6は、実施形態に係る本編テーブル122bの一例を示す図である。図6に示した例では、本編テーブル122bは、「本編タイトル」、「ジャンル」、「制作国」、「客層」、「その他」といった項目を有する。
【0051】
「本編タイトル」は、映画館で上映される映画のタイトルを示す。また、「ジャンル」は、映画の内容を示す。ジャンルの項目には、例えば、「アクション」や「ドラマ」などの映画の内容を示す情報が記憶される。
【0052】
「制作国」は、映画が制作された国名を示す。また、「客層」は、かかる映画がメインターゲットとする客層を示す。客層の項目には、例えば、年齢や性別などの情報が記憶される。
【0053】
「その他」は、上記項目以外の映画本編に関する情報を示す。その他に含まれる情報としては、例えば、映画の出演者や、映画の制作者や、映画の監督の名前や、映画の配給会社などの情報である。その他、映画の人気度を表す指標として、映画に関する検索クエリ数や、かかる映画の公式ホームページへのアクセス数などが適宜記憶されてもよい。
【0054】
すなわち、図6では、本編タイトル「M1」で示される映画は、ジャンルが「アクション」であり、「アメリカ」で制作され、メインターゲットの客層は「10〜30歳代、男性」であること示されている。
【0055】
〔3−5.制御部〕
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(配信プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0056】
図3に示すように、制御部130は、入稿受付部131と、取得部132と、抽出部133と、配信部134と、算出部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0057】
〔3−5(1).入稿受付部〕
入稿受付部131は、広告コンテンツの入稿を受け付ける。具体的には、実施形態に係る入稿受付部131は、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツの入稿を受け付ける。例えば、入稿受付部131は、ウェブサイトで提供するためのウェブサイト用広告コンテンツの入稿を広告主から受け付ける。そして、入稿受付部131は、かかるウェブサイト用広告コンテンツを広告コンテンツ記憶部121に記憶させる。
【0058】
〔3−5(2).取得部〕
取得部132は、映画館で映画とともに提供される映画館用広告コンテンツの枠に関する情報を取得する。具体的には、実施形態に係る取得部132は、映画館用広告コンテンツの枠である広告枠に関する情報として、広告枠の販売状況に関する情報を取得する。そして、取得部132は、かかる情報を映画館情報記憶部122内の対応するテーブルに記憶させる。
【0059】
また、取得部132は、広告枠に関する情報として、広告枠の販売状況に関する情報のみならず、映画館で提供される映画の題名である本編タイトルや、映画が上映される上映場所であるスクリーンや、映画が上映される日程、及び、所定期間における映画の上映回数など映画の編成に係る情報などを取得する。なお、取得部132は、広告枠に関する情報として、映画館が所在する地域や、映画館の観客収容数や、映画館が備えるスクリーン数や、スクリーン毎の座席数など、施設としての映画館の情報について取得する。同様に、取得部132は、映画に関する情報として、例えば、映画の制作者や、映画の出演者や、映画が制作された国名などに関する情報について取得する。
【0060】
また、取得部132は、広告枠に関する情報として、映画館における映画の上映日程の変更などの情報を映画館装置20から速やかに取得する。この場合、取得部132は、かかる変更に基づいて映画館情報記憶部122に記憶された情報を更新する。
【0061】
なお、取得部132は、映画の人気度の指標に関する情報を取得してもよい。具体的には、取得部132は、検索サービスを提供するウェブサーバから映画に関する検索クエリの数を取得する。すなわち、取得部132は、検索サービスを提供するウェブサーバにアクセスすることで、映画タイトルそのものや、映画に関係する制作者、出演者などの名称について検索クエリの数を取得する。なお、取得部132は、検索サービスを提供するウェブサーバに限られず、ネットワークN上の所定のウェブサーバから映画の人気度の指標に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部132は、所定の映画の公式ホームページへのアクセス数などの情報を取得する。
【0062】
また、取得部132は、広告枠に関する情報として、映画館における実績に関する情報を取得してもよい。すなわち、取得部132は、広告枠でウェブサイト用広告コンテンツが提供された場合、映画館の実際の観客の人数である動員数に関する情報を映画館(例えば、映画館装置20)から取得する。取得部132は、取得した実際の動員数に関する情報を、映画館情報記憶部122内に適宜記憶する。
【0063】
なお、映画館(例えば、映画館装置20)は、チケットを販売する販売端末から得られる情報に基づいて、動員数を求めることができる。ただし、この例に限られず、映画館には、例えば、映画館に実際に来場した観客の情報を取得するための観客情報取得装置が設けられる。この観客情報取得装置は、例えば、カメラ、アクセスポイントなどの少なくとも一つ以上の機器に該当する。観客情報取得装置にカメラが含まれる場合には、このカメラは、例えば、映画館内を撮像する。これにより、映画館装置20は、観客情報取得装置により撮像された画像から動員数を求めることができる。また、観客情報取得装置にアクセスポイントが含まれる場合には、このアクセスポイントは、Wifi(Wireless Fidelity)(登録商標)などの無線通信により、個々の観客が保持する携帯端末と通信する。これにより、映画館装置20は、観客情報取得装置と通信された携帯端末の台数を計数することで動員数を求めることができる。
【0064】
〔3−5(3).抽出部〕
抽出部133は、取得部132が取得する広告枠に関する情報と映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツの属性とに基づいて、広告枠で提供される他のコンテンツを抽出する。具体的には、実施形態に係る抽出部133は、広告枠で提供する他のコンテンツとしてウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。
【0065】
まず、抽出部133は、広告コンテンツ記憶部121に記憶されているウェブサイト用広告コンテンツの属性に基づいて、映画館で提供させるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。具体的には、抽出部133は、広告コンテンツ記憶部121に記憶されているウェブサイト用広告コンテンツについて、配信許可が「Y」であるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。すなわち、抽出部133は、広告主が映画館での提供に同意しているウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。また、抽出部133は、画質条件が「Y」であるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。すなわち、抽出部133は、ウェブサイト用広告コンテンツが画像で構成されている場合に、かかる画質が映画館で提供可能な水準であるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。
【0066】
続いて、抽出部133は、広告枠に関する情報に基づいて、上記処理で抽出されたウェブサイト用広告コンテンツの中から、映画館に配信することに適したコンテンツをさらに抽出する。
【0067】
例えば、抽出部133は、広告枠に関する情報として、広告枠が設けられる映画の本編タイトル、ジャンル、及び、出演者、又は、映画の制作者、監督、配給会社、及び、制作者の国籍の少なくとも1つに基づいて、映画館に配信するウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。すなわち、抽出部133は、ウェブサイト用広告コンテンツと広告枠が設けられる映画本編との適合性に基づいて、抽出処理を行う。例えば、抽出部133は、ウェブサイト用広告コンテンツの宣伝内容が映画の内容や出演者と関連するものであるかなどに基づき、映画館で提供された場合に広告効果が高くなると想定されるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。
【0068】
また、例えば、抽出部133は、広告枠に関する情報として、ウェブサイト用広告コンテンツが提供される枠の前後の枠において提供される映画館用広告コンテンツの内容、又は、広告主に関する情報に基づいて、映画館に配信するウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。すなわち、抽出部133は、ウェブサイト用広告コンテンツと、配信予定の広告枠の前後の広告枠におけるコンテンツの内容又は広告主との適合性に基づいて、抽出処理を行う。例えば、抽出部133は、ウェブサイト用広告コンテンツの宣伝内容が前後の映画館用広告コンテンツの内容と関連するものであるかなどに基づき、映画館で提供された場合に広告効果が高くなると想定されるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。一方、抽出部133は、前後の映画館用広告コンテンツの内容や広告主との関係において、映画館での提供に適さないとされるものを抽出しない処理をしてもよい。例えば、抽出部133は、競合関係にある広告主に係るコンテンツが前後の広告枠で提供されないように抽出処理を行ってもよい。
【0069】
また、例えば、抽出部133は、広告枠に関する情報として、広告枠に係る映画館の利用者の属性、又は、予測される動員数に基づいて、映画館に配信するウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。すなわち、抽出部133は、広告枠が設けられる映画において想定される客層や動員数との適合性に基づいて、抽出処理を行う。例えば、抽出部133は、ウェブサイト用広告コンテンツの宣伝内容が想定される客層にマッチングしているか、また、広告主が希望する視聴人数に適するかなどに基づき、映画館で提供された場合に広告効果が高くなると想定されるウェブサイト用広告コンテンツを抽出する。
【0070】
その他にも、抽出部133は、例えば、映画館が所在する地域や、検索クエリ数などの指標に基づいて、映画館に配信するウェブサイト用広告コンテンツを抽出してもよい。また、抽出部133は、上記のような抽出処理について適宜組み合わせてもよい。
【0071】
〔3−5(4).配信部〕
配信部134は、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツを広告枠で提供される映画館用広告コンテンツとして映画館に配信する。具体的には、実施形態に係る配信部134は、取得部132によって取得された広告枠の販売状況に関する情報に基づいて、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する。すなわち、配信部134は、広告枠の販売状況に関する情報に基づいて、購入者が決定されていない広告枠で提供される映画館用広告コンテンツとして、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する。
【0072】
なお、配信部134は、映画館からの、広告枠で映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツを提供させる旨の要望に応じて、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する。すなわち、配信部134は、上述のような映画館からのリクエストに応じて、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツのために開放された広告枠に対して、ウェブサイト用広告コンテンツを配信する。
【0073】
また、配信部134は、ウェブサイト用広告コンテンツであって、広告枠で提供されることにかかるウェブサイト用広告コンテンツの広告主が同意したウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する。すなわち、配信部134は、抽出部133が抽出するウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する。言い換えれば、配信部134は、映画館で提供するのに適したウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する。
【0074】
〔3−5(5).算出部〕
算出部135は、コンテンツの提供に関する料金を算出する。具体的には、実施形態に係る算出部135は、ウェブサイト向けに提供される広告コンテンツが広告枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、ウェブサイト用広告コンテンツの提供料金を算出する。
【0075】
一般に、ウェブサイト用広告コンテンツは、ウェブサイトに掲載された回数に基づいて提供料金が算出される。例えば、ウェブサイト用広告コンテンツには、CPM(Cost Per Mille)が設定される。CPMとは、ウェブサイト用広告コンテンツがウェブサイトに1000回掲載された場合の料金を示す。
【0076】
算出部135は、ウェブサイト用広告コンテンツが映画館で提供された場合には、単にCPMを用いることによっては課金額を算出することができない。そこで、算出部135は、ウェブサイト用広告コンテンツが広告枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、ウェブサイト用広告コンテンツが所定の回数だけウェブサイトに掲載されたものとして、ウェブサイト用広告コンテンツの広告主への課金額を算出する。
【0077】
一例としては、算出部135は、ウェブサイト用広告コンテンツが動画である場合、映画館で「0.1秒」提供された場合に、ウェブサイトでは「1回」掲載されたものとして計数する。そして、算出部135は、上記計数された数値と、実際に広告枠でウェブサイト用広告コンテンツが提供された際の動員数とを乗じる。通常、ウェブサイトを閲覧する人数は一人であることが想定されるため、ウェブサイトにおける掲載回数と視聴回数は同じものと考える。しかし、映画館のように、一度の掲載で多人数が視聴する場合には、掲載回数に人数を乗じた数値が視聴回数であると考えられる。なお、以下では、かかる視聴回数を「インプレッション数」と表記する場合がある。ここでは、ウェブサイトにおける掲載回数とインプレッション数とは等しい概念であるものとする。
【0078】
そして、算出部135は、上記乗じた数値をウェブサイトでの掲載回数(すなわち、インプレッション数)として、上記のCPMにあてはめて広告主への課金額を算出する。具体例として、所定のウェブサイト用広告コンテンツにCPMとして「1000円」が設定されており、かかるウェブサイト用広告コンテンツが、映画館で「100人」に対して「30秒」提供されたとする。この場合、算出部は、「30秒」から導かれる「300」と「100人」とを乗じて、「30000」というインプレッション数を計数する。すなわち、算出部135は、かかるウェブサイト用広告コンテンツがウェブサイトで30000回掲載されたものとして、広告主への課金額を算出する。この例においては、算出部135は、かかるウェブサイト用広告コンテンツのCPM「1000円」と「30000」のインプレッション数とを用いて、広告主への課金額を「30000円」と算出する。
【0079】
そして、算出部135は、算出した情報について、広告コンテンツ記憶部121内に適宜記憶する。なお、算出部135は、広告主端末10や映画館装置20に算出した課金額を通知してもよい。
【0080】
〔4.配信処理手順〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る広告装置100による配信処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る広告装置100による配信処理の手順を示すフローチャートである。
【0081】
図7に示すように、入稿受付部131は、広告主からウェブサイト向けの広告コンテンツの入稿を受け付ける(ステップS101)。そして、取得部132は、映画館から広告配信のリクエストを受信したか否かを判定する(ステップS102)。
【0082】
そして、取得部132は、映画館からリクエストを受信しない場合には、受信するまで待機する(ステップS102;No)。映画館からリクエストを受信した場合(ステップS102;Yes)、取得部132は、映画館から広告枠の情報を取得する(ステップS103)。
【0083】
そして、抽出部133は、映画館に配信可能なウェブサイト用広告コンテンツを抽出する(ステップS104)。そして、配信部134は、抽出部133により抽出されたウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する(ステップS105)。
【0084】
その後、算出部135は、映画館での広告配信に係る課金額を算出する(ステップS106)。以上により、実施形態に係る広告装置100による配信処理は終了する。
【0085】
〔5.変形例〕
上述した広告装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告装置100の他の実施形態について説明する。
【0086】
〔5−1.配信処理〕
上記の実施形態では、配信部134は、抽出部133が広告枠に関する情報とウェブサイト用広告コンテンツの属性とに基づいて抽出したウェブサイト用広告コンテンツを配信する例を示した。ここで、配信部134は、ウェブサイト用広告コンテンツのウェブサイトにおける掲載状況に基づいてウェブサイト用広告コンテンツを配信してもよい。この点について、図8を用いて以下に説明する。
【0087】
図8は、変形例に係る広告コンテンツ記憶部121の一例を示す図である。なお、図4と対応する項目については、説明を省略する。図8に示した例において、変形例に係る広告コンテンツ記憶部121は、「指定インプレッション数」、「残りインプレッション数」、「CPM」の項目を有する。
【0088】
「指定インプレッション数」は、ウェブサイト用広告コンテンツがウェブサイトに掲載される回数であるインプレッション数について、広告主が指定した数値である。すなわち、広告主は、指定インプレッション数だけウェブサイトにおいて入稿したウェブサイト用広告コンテンツが掲載されることが保証される。
【0089】
「残りインプレッション数」は、指定インプレッション数から実際に掲載された回数を差し引いた数値である。また、「CPM」は、上述のように、1000インプレッション数あたりに広告主に課金される金額である。CPMは、入稿時の指定インプレッション数によって異なる値が設定されることがある。
【0090】
すなわち、図8の例では、広告主ID「CL31」で識別される広告主が、広告コンテンツID「A31」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツを入稿していることを示す。また、広告主ID「CL31」で識別される広告主は、入稿に際し、インプレッション数を「100万回」と指定し、残りのインプレッション数は「30万回」である。また、広告コンテンツID「A31」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツに設定されているCPMは「1000円」であることを示す。
【0091】
ここでは、抽出部133により、図8に示す広告コンテンツID「A31」、「A32」、「A33」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツが、映画館で提供されるウェブサイト用広告コンテンツとして抽出されたものとする。この場合、配信部134は、ウェブサイトにおける掲載状況に基づいて、映画館にウェブサイト用広告コンテンツを配信してもよい。
【0092】
例えば、配信部134は、残りインプレッション数が多いウェブサイト用広告コンテンツを優先的に映画館に配信してもよい。これにより、広告装置100は、ウェブサイトへの掲載のみでは減少しにくいウェブサイト用広告コンテンツに係る残りインプレッション数を減らすことができるので、早期に指定インプレッション数分の掲載を達成することができる。
【0093】
あるいは、配信部134は、CPMの高いウェブサイト用広告コンテンツから優先的に映画館に配信してもよい。すなわち、広告装置100は、収益率の高いウェブサイト用広告コンテンツを優先的に配信する。図8の例では、広告コンテンツID「A33」で識別されるウェブサイト用広告コンテンツを優先的に配信する。これにより、広告装置100は、高い広告収益を得ることができる。
【0094】
〔5−2.管理装置〕
また、上記の実施形態では、取得部132は、映画館装置20から広告枠に関する情報を取得する例を示した。また、配信部134は、映画館装置20に広告コンテンツを配信する例を示した。しかし、例えば、広告装置100が複数の映画館に対して広告配信に関する処理をする場合、それぞれの映画館と個別に処理を行うことは負担が大きい。そこで、広告装置100は、映画館装置20とではなく、例えば、複数の映画館を管理する映画館管理装置50に対して、同様の処理を行うことができる。この点について図9を用いて説明する。なお、以下では、複数の映画館装置20について、映画館装置20、20及び20として表記する。
【0095】
図9は、変形例に係る配信処理システム1の構成例を示す図である。なお、図2と対応する構成については、説明を省略する。図9に示すように、配信処理システム1には、映画館管理装置50と、映画館管理装置50が管理する映画館装置20、20及び20が含まれる。なお、図示は省略するが、映画館管理装置50は、さらに多くの映画館装置20(nは任意の数)を管理していてもよい。
【0096】
図9に示した例では、広告装置100は、上述した実施形態に係る配信処理において映画館装置20に対して行う手続きを映画館管理装置50に対して行う。広告装置100は、例えば、映画館装置20を備える映画館の広告枠に関する情報を映画館管理装置50から取得する。なお、映画館管理装置50は、かかる情報について予め映画館装置20から提供を受けているものとする。このように、広告装置100は、一連の処理を映画館管理装置50に対して行うことによっても、上述した実施形態と同様に、ウェブサイト用広告コンテンツの配信処理をすることができる。
【0097】
この場合、実施形態に係る処理に比べ、広告装置100による処理を簡略化できる場合がある。具体的には、上述した実施形態に係る処理において、広告装置100が複数の映画館における広告枠に関する情報を取得するためには、複数の映画館装置20、20及び20からそれぞれ情報を取得する必要がある。また、広告装置100は、それぞれ対応する複数の映画館装置20、20及び20に広告コンテンツを配信する必要がある。
【0098】
一方、上記変形例に係る配信処理において、広告装置100は、映画館管理装置50との間で処理を行うことにより、複数の映画館装置20、20及び20に対して処理を行うことと同様の結果を得る。すなわち、実施形態に係る各処理に比べ、変形例に係る広告装置100は、一連の処理手順を減らすことができるため、各処理を簡略化できる。
【0099】
なお、映画館管理装置50は、例えば、施設である映画館側(配給会社など)によって管理される。この場合、「施設」や「映画館」といった表記は、このような映画館管理装置50を含む概念であるものとする。
【0100】
〔5−3.広告枠の態様〕
また、上記の実施形態では、広告枠が単位時間あたりに分割され、数量によって表される例を示した。しかし、広告枠は、時間で表されてもよい。例えば、広告枠は「5分間」などの態様で設けられてもよい。この場合、広告装置100は、広告枠の時間を適宜分割して取り扱うことができる。また、広告装置100は、映画館から広告枠の順番に係る情報を受け付けてもよい。この場合、広告装置100は、コンテンツが提供される順番についても調整してウェブサイト用広告コンテンツを抽出することができる。
【0101】
〔5−4.広告枠の状況〕
また、上記の実施形態では、映画館は、所定の時点で広告枠が売れ残った場合、すなわち空き広告枠がある場合に広告装置100にリクエストを送信し、広告装置100は空き広告枠でコンテンツを提供させるためにウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信する例を示した。しかし、映画館は、所定の時点の前にリクエストを送信してもよい。すなわち、広告装置100は、空き広告枠のみにウェブサイト用広告コンテンツを映画館に配信することに限られず、通常販売されている広告枠を対象として映画館にウェブサイト用広告コンテンツを配信してもよい。
【0102】
〔5−5.広告枠の位置〕
また、上記の実施形態では、広告枠が映画の本編前に組み込まれる例を示した。言い換えれば、上記の実施形態では、広告コンテンツが映画の本編前に提供される例を示した。しかし、広告コンテンツが提供されるタイミングは上記例に限られない。すなわち、広告コンテンツが映画とともに提供されるとは、映画の本編中に上映されてもよいし、映画の本編後に上映されてもよいことを意味する。また、広告コンテンツには、本編である映画にオーバーレイのように重ねて提供されるようなものも含まれるものとする。
【0103】
〔5−6.販売価格〕
上記の実施形態では、算出部135が、ウェブサイト向けに提供される広告コンテンツが広告枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、ウェブサイト用広告コンテンツの提供料金を算出する例を示した。
【0104】
しかし、算出部135は、常に上記の算出処理をすることを要しない。例えば、広告装置100は、予めウェブサイト用広告コンテンツの提供に係る課金額を定めておき、かかる課金額により広告主に課金してもよい。
【0105】
〔5−7.コンテンツの例〕
また、上記の実施形態では、施設で提供される第1コンテンツとして映画を、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツが映画館用広告コンテンツである例を示した。しかし、この例に限られず、各コンテンツは様々な態様があってもよい。例えば、第1コンテンツとしては、演劇、コンサートなど、観客を動員して行われる様々な催事が含まれてもよい。また、第2コンテンツとしては、個人クリエイタによって制作されたショートフィルムなどが含まれてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態では、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツとして、ウェブサイト用広告コンテンツを例として示した。しかし、この例に限られず、他のコンテンツは様々な態様があってもよい。例えば、他のコンテンツは、街頭に表示される電子看板用の広告コンテンツなどであってもよい。
【0107】
〔5−8.広告配信〕
上記の実施形態では、配信部134が、広告コンテンツ記憶部121に記憶されたウェブサイト用広告コンテンツを映画館装置20に配信する例を示した。しかし、上記例に限られず、広告装置100は、配信に係る処理について、外部の装置を利用して行ってもよい。例えば、広告装置100は、ネットワークN上に存在し、広告主端末10や、映画館装置20と通信可能なサーバである広告配信装置に配信処理を行わせてもよい。
【0108】
この場合、かかる広告配信装置は、広告装置100の制御に従い、広告主端末10からウェブサイト用広告コンテンツの入稿を受け付けたり、ウェブサイト用広告コンテンツを記憶したりする。そして、広告装置100に係る配信部134は、広告コンテンツ記憶部121に記憶された広告コンテンツIDに基づいて、広告配信装置に記憶されたウェブサイト用広告コンテンツを特定する。そして、広告装置100に係る配信部134は、広告配信装置に対して、特定されたウェブサイト用広告コンテンツを映画館装置20に対して配信するよう制御する。
【0109】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0110】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0111】
例えば、図3に示した広告コンテンツ記憶部121や映画館情報記憶部122が記憶する情報は、広告装置100が保持せずに、図示しないストレージサーバ等が保持してもよい。この場合、広告装置100は、映画館テーブル121等の各データテーブルに記憶されている情報を適宜取得するものとする。
【0112】
また、上記実施形態においては、映画館は動員数を取得するため観客情報取得装置を備える例を示した。しかし、映画館は、さらに別の装置を備えてもよい。例えば、映画館は、映画館で広告が上映されたことを示す情報を取得する装置を備える。具体的には、映画館には、実際に映画館で広告が流れている音声を集音する集音装置が設けられる。広告装置100は、例えば、映画館装置20から、かかる集音された音声データを受け付け、広告主に情報として提示することができる。これにより、広告装置100は、実際に映画館で広告が上映されたか確認したいという広告主の要望に応えることができる。
【0113】
また、上記実施形態においては、第1コンテンツを提供する施設として映画館を挙げ、当該施設の利用料としてチケット料金を例示した。しかし、上述のように、第1コンテンツとしては、演劇、コンサートなど、観客を動員して行われる様々な催事が含まれてもよい。この場合、第1コンテンツを提供する施設としては、劇場や、演舞場や、屋外遊戯施設など、観客を収容できる、あるいは観客が入場することのできる種々の施設が該当する。
【0114】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0115】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る広告装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、広告装置100を例に挙げて説明する。図10は、広告装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0116】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0117】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図2に示したネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0118】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0119】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0120】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、広告コンテンツ記憶部121や、映画館情報記憶部122内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0121】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告装置100は、映画(第1コンテンツの一例)を提供する映画館(施設の一例)で映画とともに提供される映画用広告コンテンツ(第2コンテンツの一例)の広告枠に関する情報を取得する取得部132と、映画館以外の媒体に提供するための他のコンテンツを広告枠で提供される映画用広告コンテンツとして映画館に配信する配信部134とを有する。
【0122】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、配給側の広告配信に関する手続きを容易にすることができる。すなわち、実施形態に係る広告装置100によれば、映画館側は、特段の手間を要することなく、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館で提供させることができる。
【0123】
また、取得部132は、広告枠に関する情報として、広告枠の販売状況に関する情報を取得する。配信部134は、取得部132によって取得された販売状況に関する情報に基づいて他のコンテンツを映画館に配信する。
【0124】
すなわち、実施形態に係る広告装置100は、映画館における広告枠の販売状況を把握して他のコンテンツを映画館に配信する。これにより、実施形態に係る広告装置100は、映画館側の状況に沿う配信をすることができる。
【0125】
また、配信部134は、販売状況に関する情報に基づいて、購入者が決定されていない枠で提供される映画館用広告コンテンツとして他のコンテンツを映画館に配信する。
【0126】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主が決定していない広告枠において、ウェブサイト用広告コンテンツを映画館で提供させることができる。このため、実施形態に係る広告装置100によれば、空き広告枠が生じにくくなるので、映画館側は広告収益を得る機会を増大させることができるようになる。
【0127】
また、配信部134は、映画館からの広告枠で他のコンテンツを提供させる旨の要望に応じて、他のコンテンツを映画館に配信する。
【0128】
すなわち、実施形態に係る広告装置100は、映画館からのリクエストに応じて他のコンテンツを映画館に配信する。これにより、実施形態に係る広告装置100は、映画館側の要望に沿った他のコンテンツの配信をすることができる。
【0129】
また、配信部134は、映画館以外の媒体であるウェブサイト向けに提供される他のコンテンツを配信する。
【0130】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、ウェブサイト向けに提供される広告コンテンツを、映画館で配信する機会を得る。このため、実施形態に係る広告装置100によれば、広告主は広告コンテンツをウェブサイトに限らず配信できるので、宣伝範囲を拡げることができる。
【0131】
また、配信部134は、ウェブサイト向けに提供される他のコンテンツのウェブサイトにおける掲載状況に基づいて、他のコンテンツを配信する。
【0132】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、ウェブサイトにおいて評判の良いウェブサイト用広告コンテンツを優先して映画館に配信することや、広告主から指定されたインプレッション数の多いウェブサイト用広告コンテンツを優先して映画館に配信することができる。
【0133】
また、実施形態に係る広告装置100は、ウェブサイト向けに提供される他のコンテンツが広告枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、当該他のコンテンツの提供料金を算出する算出部135をさらに備える。
【0134】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、ウェブサイト用広告コンテンツが他の媒体である映画館に配信される場合であっても、適切な広告料金を算出することができる。
【0135】
また、算出部135は、ウェブサイト向けに提供される他のコンテンツが広告枠で提供された時間、又は、視聴された人数に基づいて、当該他のコンテンツが所定の回数だけウェブサイトに掲載されたものとして、他のコンテンツの提供料金を算出する。
【0136】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、ウェブサイト用広告コンテンツが他の媒体である映画館に配信される場合であっても、ウェブサイトにおけるインプレッション数に基づいて、適切な広告料金を算出することができる。
【0137】
また、配信部134は、他のコンテンツであって、広告枠で提供されることに当該他のコンテンツの広告主が同意した他のコンテンツを映画館に配信する。
【0138】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、他のコンテンツの広告主の意向に沿った映画館での広告配信をすることができる。
【0139】
また、実施形態に係る広告装置100は、取得部132が取得する広告枠に関する情報と他のコンテンツの属性とに基づいて、広告枠で提供される他のコンテンツを抽出する抽出部133をさらに備える。また、配信部134は、抽出部133が抽出する他のコンテンツを映画館に配信する。
【0140】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、映画館で提供させるコンテンツとして適切な他のコンテンツを抽出し、かかる他のコンテンツを映画館に配信する。このため、実施形態に係る広告装置100は、より広告効果の高い他のコンテンツを映画館で提供させることや、広告主側及び映画館側の意向に沿った他のコンテンツを映画館で提供させることができる。
【0141】
また、抽出部133は、広告枠に関する情報として、広告枠に係る映画のタイトル、ジャンル、及び、出演者、又は、映画の制作者、監督、配給会社、及び、制作者の国籍の少なくとも1つに基づいて、他のコンテンツを抽出する。
【0142】
このように、実施形態に係る広告装置100は、映画自体に関する複数の指標を用いて、適切な他のコンテンツを抽出する。このため、実施形態に係る広告装置100は、高い精度で適切な他のコンテンツを抽出し、映画館に配信することができる。
【0143】
また、抽出部133は、広告枠に関する情報として、他のコンテンツが提供される広告枠の前後の広告枠において提供される映画館用コンテンツの内容、又は、広告主に関する情報に基づいて、他のコンテンツを抽出する。
【0144】
このように、実施形態に係る広告装置100は、前後の広告枠に関する情報についても指標として、適切な他のコンテンツを抽出する。このため、実施形態に係る広告装置100は、高い精度で適切な他のコンテンツを抽出し、映画館に配信することができる。
【0145】
また、抽出部133は、広告枠に関する情報として、広告枠に係る映画館の利用者の属性、又は、予測される動員数に基づいて、他のコンテンツを抽出する。
【0146】
このように、実施形態に係る広告装置100は、映画館の観客に関する情報についても指標として、適切な他のコンテンツを抽出する。このため、実施形態に係る広告装置100は、観客の属性等に応じてターゲティングのなされた他のコンテンツを映画館に配信することができる。
【0147】
また、抽出部133は、他のコンテンツが画像で構成されている場合に、他のコンテンツの画質が映画館で提供可能な水準である当該他のコンテンツを抽出する。
【0148】
このように、実施形態に係る広告装置100は、他のコンテンツの属性に関する情報についても指標として、適切な他のコンテンツを抽出する。このため、実施形態に係る広告装置100は、映画館のスクリーンなどで上映されることに適しない他のコンテンツを排除し、適切なコンテンツを抽出して映画館に配信することができる。
【0149】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0150】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部132は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0151】
1 配信処理システム
10 広告主端末
20 映画館装置
100 広告装置
131 入稿受付部
132 取得部
133 抽出部
134 配信部
135 算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10