【解決手段】電源システム1では、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間、バッテリ11(第1蓄電部)は、スイッチ21がオフである状態でダイオードD1及び抵抗R2を介して、蓄電装置12(第2蓄電部)と、蓄電器22(第3蓄電部)とを給電する。このとき、ダイオードD2は蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への放電を防止している。負荷13は蓄電装置12によって給電される。電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を経時的に検出する。制御部26は、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間、電圧検出部23が検出した電圧が一定であるか又は時間の経過と共に低下している場合にバッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22への給電経路の開放を検知する。
前記変圧回路は、前記第2蓄電部の端子電圧が所定電圧以下となるまで、前記第2蓄電部及び第3蓄電部が出力した電圧を変圧し、変圧した電圧を前記第1蓄電部に出力した後に変圧を停止するように構成してあること
を特徴とする請求項4に記載の電源システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は、好適に車両に搭載され、給電制御装置10、バッテリ11、蓄電装置12、負荷13及び抵抗R1を備える。給電制御装置10は、第1端、第2端及び第3端を有する。給電制御装置10の第1端はバッテリ11の正極に接続され、給電制御装置10の第2端は負荷13及び抵抗R1夫々の一端に接続されている。抵抗R1の他端は蓄電装置12の正極に接続され、蓄電装置12及び抵抗R1間の接続ノードは給電制御装置10の第3端に接続されている。バッテリ11及び蓄電装置12夫々の負極と負荷13の他端とは接地されている。
【0024】
バッテリ11は、例えば鉛蓄電池であり、図示しない発電機によって充電される。バッテリ11は、給電制御装置10を介して蓄電装置12に給電する。
給電制御装置10は、バッテリ11から蓄電装置12への給電を制御する。
【0025】
蓄電装置12は、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオン電池等であり、蓄電装置12には電圧がバッテリ11から給電制御装置10を介して印加される。これにより、蓄電装置12は給電される。蓄電装置12は負荷13に給電する。バッテリ11は第1蓄電部として機能し、蓄電装置12は第2蓄電部として機能する。
負荷13は、車載機器であり、蓄電装置12が蓄えている電力を用いてごく短い期間作動する。
【0026】
給電制御装置10は、DC/DCコンバータ20、スイッチ21、蓄電器22、電圧検出部23、記憶部24、報知部25、制御部26、ダイオードD1,D2及び抵抗R2,R3を有する。DC/DCコンバータ20は第1端、第2端、第3端及び第4端を有する。蓄電器22は例えばセラミック製のコンデンサである。
【0027】
DC/DCコンバータ20の第1端と、ダイオードD1のアノードとはバッテリ11の正極に接続されている。ダイオードD1のカソードは抵抗R2の一端に接続され、DC/DCコンバータ20の第2端と抵抗R2の他端とは負荷13及び抵抗R1夫々の一端に接続されている。DC/DCコンバータ20の第3端は蓄電装置12及び抵抗R1間の接続ノードに接続され、DC/DCコンバータ20の第4端は接地されている。
【0028】
スイッチ21の一端、及び、ダイオードD2のアノード夫々は、DC/DCコンバータ20の第2端と、抵抗R2の他端とに接続されている。ダイオードD2のカソードは抵抗R3の一端に接続され、スイッチ21及び抵抗R3夫々の他端は蓄電器22の正極に接続され、蓄電器22の負極は接地されている。蓄電器22の正極には、電圧検出部23が更に接続されており、電圧検出部23、記憶部24及び報知部25夫々は制御部26に各別に接続されている。電圧検出部23は接地もされている。
【0029】
電源システム1は、バッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22への給電経路として、第1給電経路及び第2給電経路を備える。第1給電経路は、バッテリ11がダイオードD1及び抵抗R2を介して蓄電装置12及び蓄電器22に給電する給電経路である。第2給電経路は、バッテリ11がDC/DCコンバータ20を介して蓄電装置12及び蓄電器22に給電する給電経路である。
蓄電器22は第3蓄電部として機能し、第1給電経路は特許請求の範囲における給電経路に相当し、第2給電経路は特許請求の範囲における第2の給電経路に相当する。
【0030】
第2給電経路に設けられたDC/DCコンバータ20は、図示しないコイル、及び、一又は複数のスイッチを有しており、一又は複数のスイッチを各別にオン/オフすることによって、バッテリ11が出力した電圧の変圧と、蓄電装置12及び蓄電器22が出力した電圧の変圧とを能動的に行う。スイッチ21は、DC/DCコンバータ20が作動した場合にオフからオンに切替えられ、DC/DCコンバータ20の作動が停止した場合にオンからオフに切替えられる。
【0031】
DC/DCコンバータ20には、変圧の開始を指示する開始信号が入力される。開始信号は、例えば車両のイグニッションスイッチのオンを指示する信号である。
【0032】
DC/DCコンバータ20は、開始信号が入力された場合、変圧を開始する。DC/DCコンバータ20は、例えば、発電機が発電している場合、バッテリ11が出力している電圧を所定の第1電圧に変圧し、第1電圧を第2端から蓄電装置12及び蓄電器22に出力する。このとき、蓄電装置12には、抵抗R1を介して第1電圧が印加され、蓄電器22には、スイッチ21を介して第1電圧が印加される。このように、蓄電装置12及び蓄電器22はバッテリ11によって給電される。DC/DCコンバータ20は変圧回路として機能する。
【0033】
更に、DC/DCコンバータ20は、例えば、バッテリ11の端子電圧、即ち、バッテリ11の両端間の電圧が低い場合、蓄電装置12及び蓄電器22が出力した電圧を所定の第2電圧に変圧し、第2電圧を第1端からバッテリ11に印加する。これにより、バッテリ11が給電される。
【0034】
DC/DCコンバータ20が作動している場合においては、DC/DCコンバータ20の第1端及び第2端間のインピーダンスは、ダイオードD1のアノード及び抵抗R2の他端間のインピーダンスよりも十分に小さい。従って、DC/DCコンバータ20が作動している場合においては、ダイオードD1及び抵抗R2間を流れる電流の量は、DC/DCコンバータ20の第1端及び第2端間を流れる電流の量と比較して十分に少ない。このため、DC/DCコンバータ20を介したバッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22への給電が支配的であり、ダイオードD1及び抵抗R2を介してバッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22に供給される電力は無視できる程度に小さい。
【0035】
DC/DCコンバータ20には、開始信号の他に、変圧の停止を指示する停止信号が入力される。停止信号は、例えば車両のイグニッションスイッチのオフを指示する信号である。
DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧、具体的には、蓄電装置12の両端間の電圧を検出する。DC/DCコンバータ20は、停止信号が入力された場合、蓄電装置12の端子電圧に基づいて、変圧を停止するための変圧停止処理を行う。DC/DCコンバータ20は、変圧停止処理において、変圧の停止が完了したことを示す完了信号を制御部26に出力する。
【0036】
DC/DCコンバータ20が変圧を停止している状態では、DC/DCコンバータ20の第1端及び第2端は開放されており、前述したようにスイッチ21はオフである。このため、蓄電装置12は、バッテリ11からダイオードD1及び抵抗R2,R1を介して給電され、蓄電器22は、バッテリ11からダイオードD1、抵抗R2、ダイオードD2及び抵抗R3を介して給電される。
【0037】
負荷13は、DC/DCコンバータ20が作動する前、言い換えると、DC/DCコンバータ20が停止している間に作動することが可能に構成されている。DC/DCコンバータ20が停止している間に、負荷13がごく短い期間作動した場合、負荷13は蓄電装置12から抵抗R1を介して給電され、蓄電装置12の端子電圧は低下する。ここで、給電制御装置10はダイオードD2を有しているため、蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13へ給電することはない。ダイオードD2は、DC/DCコンバータ20が変圧を停止した場合に蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への放電を防止する。ダイオードD2は放電防止手段として機能する。
給電制御装置10では、ダイオードD2を用いた簡単な構成で蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への放電が防止される。
【0038】
電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧、具体的には蓄電器22の両端間の電圧を経時的に検出する。電圧検出部23が検出した電圧は、電圧検出部23から制御部26によって読み込まれる。電圧検出部23は電圧検出手段として機能する。
記憶部24には、電圧検出部23が検出した端子電圧を示す電圧情報が記憶されてあり、記憶部24に記憶してある電圧情報は制御部26によって更新される。また、記憶部24に記憶してある電圧情報は制御部26によって読み出される。記憶部24は、例えば不揮発性のメモリであり、制御部26が動作を停止している場合であっても、記憶内容を保持する。
【0039】
報知部25は、制御部26の指示に従って報知を行う。報知部25は、図示しないランプの点灯、又は、図示しない表示部へのメッセージの表示等を行うことによって報知を行う。
【0040】
制御部26にも、DC/DCコンバータ20と同様に、開始信号が外部から入力される。制御部26は、動作を停止している状態で開始信号が入力された場合、言い換えると、DC/DCコンバータ20が作動した場合に、起動し、スイッチ21をオンにする。これにより、スイッチ21は、ダイオードD2が行っている蓄電器22からの放電の防止を解除する。スイッチ21は解除手段として機能する。
【0041】
制御部26には、DC/DCコンバータ20から完了信号が入力される。制御部26は、完了信号が入力された場合、言い換えると、DC/DCコンバータ20が変圧を停止した場合、スイッチ21をオフにし、動作を停止する。
制御部26は、更に、電圧検出部23が検出した電圧と、記憶部24に記憶してある内容とに基づいて第1給電経路の開放を検知する。制御部26は、第1給電経路の開放を検知した場合、報知部25に報知を行わせる。報知部25は報知手段として機能する。
なお、第1給電経路の開放は、例えば抵抗R2の両端間の開放である。
【0042】
図2はDC/DCコンバータ20が行う変圧停止処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、DC/DCコンバータ20は、停止信号が入力された場合に変圧停止処理を行う。DC/DCコンバータ20が変圧停止処理を行っている間、スイッチ21はオンとなっている。まず、DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が、予め設定されている基準電圧以下であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0043】
DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧を超えていると判定した場合(S1:NO)、蓄電装置12及び蓄電器22の電力をバッテリ11に供給する(ステップS2)。具体的には、DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12及び蓄電器22が出力している電圧を第2電圧に変圧し、第2電圧をバッテリ11に出力する。これにより、DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12からバッテリ11への給電を実現している。
【0044】
DC/DCコンバータ20は、ステップS2を実行した後、処理をステップS1に戻す。DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となるまで、ステップS2を繰り返し実行し、蓄電装置12及び蓄電器22の電力をバッテリ11に供給し続ける。
【0045】
DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下であると判定した場合(S1:YES)、変圧を停止し(ステップS3)、完了信号を制御部26に出力し(ステップS4)、変圧停止処理を終了する。DC/DCコンバータ20がステップS3で変圧を停止した場合、前述したように、DC/DCコンバータ20の第1端及び第2端間は開放されている。
【0046】
以上のように、DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となるまで、蓄電装置12及び蓄電器22が出力した電圧を第2電圧に変圧し、第2電圧をバッテリ11に出力する。DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となった後、変圧を停止する。このため、DC/DCコンバータ20の変圧を停止した時点において、蓄電器22の端子電圧がバッテリ11の端子電圧未満である状態を確実に作り出すことができる。
【0047】
図3は、制御部26が実行する動作の手順を示すフローチャートである。制御部26は、前述したように、開始信号が入力された場合に起動し、完了信号が入力された場合にスイッチ21をオフにした後、動作を停止する。開始信号が入力された場合、制御部26は、スイッチ21がオフである状態で蓄電器22の端子電圧を電圧検出部23から読込み(ステップS11)、記憶部24に記憶してある電圧情報を読出す(ステップS12)。
【0048】
後述するように、完了信号が制御部26に入力されるまで、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を繰り返し読込む。制御部26は、電圧検出部23から端子電圧を読込む都度、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新する。従って、ステップS12で読み出される電圧情報が示す端子電圧は、DC/DCコンバータ20の変圧が停止する前に電圧検出部23が検出した最新の端子電圧である。
【0049】
次に、制御部26は、ステップS11で読込んだ蓄電器22の端子電圧と、ステップS12で読み出した電圧情報が示す端子電圧とに基づいて第1給電経路が開放してあるか否かを判定する(ステップS13)。第1給電経路が開放しておらず、第1給電経路を介して給電が正常に行われている状態では、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間、蓄電器22はバッテリ11によって給電され、蓄電器22の端子電圧は時間の経過と共に上昇する。
【0050】
制御部26は、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している場合において、電圧検出部23が検出した蓄電器22の端子電圧が、時間の経過に拘らずに一定であるか、又は、時間の経過と共に低下しているときに第1給電経路の開放を検知する。
具体的には、制御部26は、ステップS12で読出した電圧情報が示す蓄電器22の端子電圧が、ステップS11で読込んだ蓄電器22の端子電圧以上である場合、第1給電経路の開放を検知し、第1給電経路は開放してあると判定する。制御部26は検知手段として機能する。
【0051】
また、制御部26は、ステップS12で読出した電圧情報が示す蓄電器22の端子電圧が、ステップS11で読込んだ蓄電器22の端子電圧未満である場合、第1給電経路が開放していないと判定する。
【0052】
制御部26は、第1給電経路が開放してあると判定した場合、即ち、第1給電経路の開放を検知した場合(S13:YES)、報知部25に指示して、報知を行わせる(ステップS14)。これにより、制御部26は、使用者に、開放してある第1給電経路の修理を促すことができる。報知部25はランプの点灯又はメッセージの表示によって第1給電経路の開放を報知する。
【0053】
制御部26は、第1給電経路が開放していないと判定した場合(S13:NO)、又は、ステップS14を実行した後、スイッチ21をオンにする(ステップS15)。スイッチ21のオンによって、前述したように、ダイオードD2が行っている放電の防止が解除される。また、開始信号は、制御部26と共にDC/DCコンバータ20にも入力されているため、制御部26がステップS15を実行した時点ではDC/DCコンバータ20は既に作動している。このため、前述したように、スイッチ21を介した蓄電器22への充電と蓄電器22からの放電が行われる。
【0054】
次に、制御部26は、電圧検出部23から蓄電器22の端子電圧を読込み(ステップS16)、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す蓄電器22の端子電圧を、読込んだ蓄電器22の端子電圧に更新する(ステップS17)。その後、制御部26は、外部から完了信号が入力されたか否かを判定する(ステップS18)。
【0055】
制御部26は、完了信号が入力されていないと判定した場合(S18:NO)、処理をステップS16に戻す。制御部26は、完了信号が入力されるまで、即ち、DC/DCコンバータ20が変圧の停止を完了するまで端子電圧の読込みと、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧の更新とを繰り返す。制御部26がステップS16を繰り返す都度、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出している。このように電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を経時的に検出している。
【0056】
制御部26は、完了信号が入力されたと判定した場合(S18:YES)、スイッチ21をオフにする(ステップS19)。従って、DC/DCコンバータ20が変圧を停止して完了信号が制御部26に入力された場合、ダイオードD2は、再び、蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への放電を防止する。
制御部26は、ステップS19を実行した後、動作を終了する。制御部26は、再び外部から開始信号が入力された場合にステップS11を実行する。
【0057】
以上のように、制御部26は、DC/DCコンバータ20の変圧が停止する前に電圧検出部23が検出した最新の端子電圧が、DC/DCコンバータ20が作動してからスイッチ21がオンとなるまでに電圧検出部23が検出した電圧以上である場合に第1給電経路の開放を検知する。前述したように、DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となるまで、蓄電装置12が蓄えている電力をバッテリ11に供給した後、変圧を停止するので、制御部26はより正確に第1給電経路の開放を検出することができる。
【0058】
図4は第1給電経路を介して正常に給電が行われている場合における蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧の推移を示すグラフである。DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に負荷13が作動しなかった場合におけるDC/DCコンバータ20及び制御部26の動作を、
図4を用いて説明する。
【0059】
図4では、最初、DC/DCコンバータ20が第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に出力して蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧が一定となっている。蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧が一定である状態で停止信号がDC/DCコンバータ20に入力した場合、DC/DCコンバータ20は、前述したように、蓄電装置12及び蓄電器22が蓄えた電力をバッテリ11に供給する。これにより、蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧は時間の経過と共に低下する。蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となった場合、DC/DCコンバータ20は制御部26に完了信号を出力して変圧を停止し、制御部26はスイッチ21をオフにする。
【0060】
蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧が低下している間、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を繰り返し読込む。制御部26は、端子電圧を読込む都度、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を更新する。制御部26は、スイッチ21をオフにした後、動作を停止する。
【0061】
DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間、バッテリ11からダイオードD1及び抵抗R2を介して蓄電装置12及び蓄電器22に給電され、蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧は徐々に上昇する。
【0062】
開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された場合、DC/DCコンバータ20は作動し、バッテリ11が出力した電圧を第1電圧に変圧し、第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に印加する。これにより、蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧は、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に第1給電経路を介してバッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22に給電した場合よりも速い速度で上昇する。
【0063】
開始信号が入力された制御部26は電圧検出部23から蓄電器22の端子電圧を読込む。ここで、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧未満であるため、制御部26は、第1給電経路が開放しておらず、第1給電経路を介して給電が正常に行われていると適正に判定する。制御部26は、第1給電経路が開放してあるか否かを判定した後、スイッチ21をオンにする。
【0064】
その後、
図4においては、DC/DCコンバータ20が第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に出力し続け、蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧は所定の電圧で一定となる。
スイッチ21がオンとなった後、再び、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を繰り返し読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新し続ける。
【0065】
図4に示すように、蓄電装置12及び蓄電器22の端子電圧が推移する場合においては、電圧検出部23が蓄電器22ではなく蓄電装置12の端子電圧を検出する構成であっても、制御部26は第1給電経路を介して給電が正常に行われていると適正に判定することができる。
【0066】
図5は、第1給電経路を介して正常に給電が行われている場合における蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧の推移を示す他のグラフである。DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に負荷13が作動した場合におけるDC/DCコンバータ20及び制御部26の動作を、
図5を用いて説明する。
【0067】
蓄電装置12及び蓄電器22夫々について、DC/DCコンバータ20が変圧を行っている状態で制御部26がスイッチ21をオフにするまで、端子電圧は、
図4と同様に推移する。更に、制御部26がスイッチ21をオフにするまで、電圧検出部23及び制御部26夫々は、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に負荷13が作動しなかった場合と同様に動作する。
【0068】
DC/DCコンバータ20が変圧を停止している状態で、蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧が徐々に上昇している間に、負荷13がごく短い期間作動した場合、蓄電装置12は負荷13に給電し、蓄電装置12の端子電圧は低下する。このとき、スイッチ21はオフとなっているため、蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への放電はダイオードD2によって防止されている。
【0069】
負荷13の作動によって蓄電装置12の端子電圧が低下した場合、ダイオードD2において、カソードの電圧がアノードの電圧よりも高くなる。このため、蓄電装置12の端子電圧が低下した後、蓄電装置12の端子電圧が一定電圧以上となるまで、バッテリ11は第1給電経路を介して蓄電装置12を給電し、蓄電器22を給電することはない。このため、蓄電装置12の端子電圧のみが徐々に上昇する。蓄電装置12の端子電圧が一定電圧以上となるまで、蓄電器22は、蓄えた電荷を保持し、蓄電器22の端子電圧は一定である。
【0070】
開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された場合、DC/DCコンバータ20は作動し、バッテリ11が出力した電圧を第1電圧に変圧し、第1電圧を蓄電装置12に印加する。これにより、蓄電装置12の端子電圧は、DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に第1給電経路を介してバッテリ11から蓄電装置12に給電した場合よりも速い速度で上昇する。
図5では、蓄電装置12の端子電圧は一定電圧に到達していないため、開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された時点では、蓄電器22の端子電圧は一定のままである。
【0071】
開始信号が入力された制御部26は電圧検出部23から蓄電器22の端子電圧を読込む。ここで、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧未満であるため、制御部26は、第1給電経路が開放しておらず、第1給電経路を介して給電が正常に行われていると適正に判定する。制御部26は、第1給電経路が開放してあるか否かを判定した後、スイッチ21をオンにする。
【0072】
なお、蓄電器22が自然放電を行う場合、負荷13がごく短い期間作動した後、蓄電器22の端子電圧は徐々に低下する。この場合、自然放電による端子電圧の低下速度が、自然放電による蓄電装置12の端子電圧の低下速度よりも十分に遅い蓄電器22、より具体的には、自然放電によって単位時間当たりに低下する端子電圧の幅が無視することができる程度に小さい蓄電器22を用いる。これにより、第1給電経路が開放してあるか否かが制御部26によって適正に判定される。
【0073】
スイッチ21がオンになった後、
図5においては、DC/DCコンバータ20が第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に向けて出力し続ける。蓄電装置12の端子電圧が一定電圧に到達した後、蓄電器22にも第1電圧が出力され、蓄電器22の端子電圧も上昇する。蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧は所定の電圧で一定となる。
スイッチ21がオンとなった後、再び、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を繰り返し読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新し続ける。
【0074】
図5に示すように、蓄電装置12及び蓄電器22の端子電圧が推移する場合においては、電圧検出部23が蓄電器22ではなく蓄電装置12の端子電圧を検出する構成であるとき、制御部26は第1給電経路の開放を誤って検知する。これは、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧が、DC/DCコンバータ20が変圧を開始してから制御部26がスイッチ21をオンにするまでに制御部26が読込んだ端子電圧以上となるためである。
【0075】
図5に示すように蓄電装置12及び蓄電器22の端子電圧が推移した場合であっても、電圧検出部23が蓄電器22の端子電圧を検出する電源システム1では、制御部26は、第1給電経路が開放しておらず、第1給電経路を介して給電が正常に行われていると適正に判定する。このため、制御部26は負荷13の作動によって誤って第1給電経路の開放を検知することはない。
【0076】
図6は第1給電経路が開放してある場合における蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧の推移を示すグラフである。DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に負荷13が作動しなかった場合におけるDC/DCコンバータ20及び制御部26の動作を、
図6を用いて説明する。
【0077】
蓄電装置12及び蓄電器22夫々について、DC/DCコンバータ20が変圧を行っている状態で制御部26がスイッチ21をオフにするまで、端子電圧は、
図4又は
図5と同様に推移する。更に、DC/DCコンバータ20が変圧を行っている状態で制御部26がスイッチ21をオフにするまで、電圧検出部23及び制御部26夫々は、第1給電経路を介して給電が正常に行われている場合と同様に動作する。
【0078】
DC/DCコンバータ20が変圧を停止して制御部26がスイッチ21をオフにした後、第1給電経路が開放してあるので、バッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22は給電されることはない。このため、蓄電装置12は自然放電を行い、蓄電装置12の端子電圧は徐々に低下する。蓄電器22は、蓄えた電荷を保持し、蓄電器22の端子電圧は一定である。
【0079】
開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された場合、DC/DCコンバータ20は作動し、バッテリ11が出力した電圧を第1電圧に変圧し、第1電圧を蓄電装置12に印加する。これにより、蓄電装置12の端子電圧は上昇する。蓄電装置12の端子電圧は一定電圧未満であるため、開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された時点では、蓄電器22の端子電圧は一定のままである。
【0080】
開始信号が入力された制御部26は電圧検出部23から蓄電器22の端子電圧を読込む。ここで、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧以上であるため、制御部26は第1給電経路の開放を正確に検知し、第1給電経路が開放してあると適正に判定する。
なお、蓄電器22が自然放電を行う場合、第1給電経路が開放してある状態では蓄電器22の端子電圧は徐々に低下する。この場合であっても、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧以上となるので、第1給電経路の開放を正確に検知することができる。
【0081】
例えば、制御部26がスイッチ21をオフすると略同時に蓄電器22の端子電圧を電圧検出部23から読込んだ場合、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧と略一致する。制御部26は、第1給電経路が開放してあるか否かを判定した後、スイッチ21をオンにする。
【0082】
その後、
図6においては、DC/DCコンバータ20が第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に向けて出力し続ける。蓄電装置12の端子電圧が一定電圧に到達した後、蓄電器22にも第1電圧が出力され、蓄電器22の端子電圧も上昇する。蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧は所定の電圧で一定となる。
スイッチ21がオンとなった後、再び、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を繰り返し読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新し続ける。
【0083】
図7は第1給電経路が開放してある場合における蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧の推移を示す他のグラフである。DC/DCコンバータ20が変圧を停止している間に負荷13が作動した場合におけるDC/DCコンバータ20及び制御部26の動作を、
図7を用いて説明する。
【0084】
蓄電装置12及び蓄電器22夫々について、DC/DCコンバータ20が変圧を行っている状態で制御部26がスイッチ21をオフにするまで、端子電圧は、
図4又は
図5と同様に推移する。更に、DC/DCコンバータ20が変圧を行っている状態で制御部26がスイッチ21をオフにするまで、電圧検出部23及び制御部26夫々は、第1給電経路を介して給電が正常に行われている場合と同様に動作する。
【0085】
DC/DCコンバータ20が変圧を停止して制御部26がスイッチ21をオフにした後、第1給電経路が開放してあるので、バッテリ11から蓄電装置12及び蓄電器22は給電されることはない。このため、蓄電装置12は自然放電を行い、蓄電装置12の端子電圧は徐々に低下する。蓄電器22は、蓄えた電荷を保持し、蓄電器22の端子電圧は一定である。
【0086】
DC/DCコンバータ20が変圧を停止している状態で、蓄電装置12の端子電圧が徐々に低下して蓄電器22の端子電圧が一定である間に、負荷13がごく短い期間作動した場合、蓄電装置12は負荷13に給電し、蓄電装置12の端子電圧は低下する。このとき、スイッチ21はオフとなっているため、蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への放電はダイオードD2によって防止されている。
負荷13が作動した後においても、蓄電装置12の端子電圧は自然放電によって徐々に低下し、蓄電器22の端子電圧は一定のままである。
【0087】
開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された場合、DC/DCコンバータ20は作動し、バッテリ11が出力した電圧を第1電圧に変圧し、第1電圧を蓄電装置12に印加する。これにより、蓄電装置12の端子電圧は上昇する。蓄電装置12の端子電圧は一定電圧未満であるため、開始信号がDC/DCコンバータ20及び制御部26に入力された時点では、蓄電器22の端子電圧は一定のままである。
【0088】
開始信号が入力された制御部26は電圧検出部23から蓄電器22の端子電圧を読込む。ここで、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧以上であるため、制御部26は第1給電経路の開放を正確に検知し、第1給電経路が開放してあると適正に判定する。
なお、蓄電器22が自然放電を行う場合、第1給電経路が開放してある状態では蓄電器22の端子電圧は低下する。この場合であっても、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧以上となるので、第1給電経路の開放を正確に検知することができる。
【0089】
例えば、制御部26がスイッチ21をオフすると略同時に蓄電器22の端子電圧を電圧検出部23から読込んだ場合、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧は、制御部26が読込んだ端子電圧と略一致する。制御部26は、第1給電経路が開放してあるか否かを判定した後、スイッチ21をオンにする。
【0090】
その後、
図7においては、DC/DCコンバータ20が第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に向けて出力し続ける。蓄電装置12の端子電圧が一定電圧に到達した後、蓄電器22にも第1電圧が出力され、蓄電器22の端子電圧も上昇する。
スイッチ21がオンとなった後、再び、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を繰り返し読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新し続ける。
【0091】
(実施の形態2)
実施の形態1では、DC/DCコンバータ20が変圧を行っている間、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を繰り返し検出し、制御部26は、電圧検出部23が検出した端子電圧を読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を繰り返し更新している。しかしながら、制御部26は、開始信号が入力されてからスイッチ21をオンにするまでに蓄電器22の端子電圧を1回読込み、完了信号が入力されてからスイッチ21をオフにするまでに蓄電器22の端子電圧を1回読込むように構成されてもよい。
以下では、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と同様であるため、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
実施の形態2においては、実施形態1と比較して、制御部26が実行する動作の手順が異なっている。他の部分については実施の形態1と同様である。
【0093】
図8は実施の形態2における制御部26が実行する動作の手順を示すフローチャートである。制御部26は実施の形態1と同様に開始信号が入力された場合に動作を開始する。実施の形態2における制御部26が実行するステップS21からS25夫々は、実施の形態1における制御部26が実行するステップS11からS15(
図3参照)と同様であるので、ステップS21からS25の詳細な説明を省略する。
なお、ステップS22において、制御部26が記憶部24から読出す電圧情報が示す蓄電器22の端子電圧は、後述するように、完了信号が制御部26に入力された後に制御部26が電圧検出部23から読込んだ最新の端子電圧である。
【0094】
制御部26は、ステップS25を実行した後、外部から完了信号が入力されたか否かを判定する(ステップS26)。制御部26は、完了信号が入力されていないと判定した場合(S26:NO)、処理をステップS26に戻し、完了信号が入力されるまで待機する。
【0095】
制御部26は、完了信号が入力されたと判定した場合(S26:YES)、電圧検出部23から蓄電器22の端子電圧を読込み(ステップS27)、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す蓄電器22の端子電圧を、読込んだ蓄電器22の端子電圧に更新する(ステップS28)。その後、制御部26は、スイッチ21をオフにし(ステップS29)、動作を終了する。制御部26は、再び外部から開始信号が入力された場合にステップS21を実行する。電圧検出部23は、制御部26がステップS27を実行する都度、蓄電器22の端子電圧を検出している。
【0096】
以上のように制御部26が処理を実行した場合、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となってDC/DCコンバータ20が制御部26に完了信号を出力した後に、制御部26は蓄電器22の端子電圧を電圧検出部23から読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新する。従って、実施の形態2における制御部26は、蓄電装置12及び蓄電器22夫々の端子電圧が
図4から
図7に示すように推移した場合、スイッチ21をオフにすると略同時に蓄電器22の端子電圧を読込み、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧を、読込んだ端子電圧に更新する。
【0097】
更に、実施の形態2における制御部26は、開始信号が入力されてからスイッチ21をオンにするまでに、蓄電器22の端子電圧を電圧検出部23から読込み、読込んだ端子電圧と、記憶部24に記憶してある電圧情報が示す端子電圧とに基づいて、実施の形態1と同様に第1給電経路の開放を検知し、第1給電経路が開放してあるか否かを判定する。
【0098】
実施の形態2における制御部26が第1給電経路の開放を検知する構成は実施の形態1と同様であり、制御部26を除く他の構成部は実施の形態1と同様に動作するため、実施の形態2における電源システム1は実施の形態1における電源システム1と同様の効果を奏する。
【0099】
なお、DC/DCコンバータ20は、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となるまで、蓄電装置12及び蓄電器22が出力した電圧を第2電圧に変圧し、第2電圧をバッテリ11に出力した後に変圧を停止する構成に限定されない。例えば、DC/DCコンバータ20が、バッテリ11が出力した電圧を第1電圧に降圧し、第1電圧を蓄電装置12及び蓄電器22に出力するように構成してある場合、DC/DCコンバータ20が変圧を停止したとき蓄電器22の端子電圧はバッテリ11の端子電圧よりも低い。この場合、蓄電装置12の端子電圧が基準電圧以下となるまで、蓄電装置12及び蓄電器22が出力した電圧を第2電圧に変圧し、第2電圧をバッテリ11に印加する必要はない。
【0100】
また、第1給電経路の開放を検知する構成を適用することが可能な電源システムは、DC/DCコンバータ20を備える電源システム1に限定されない。バッテリ11から蓄電装置12に徐々に充電する電源システム、言い換えると、バッテリ11が蓄電装置12に対してトリクル充電を行う電源システムに、給電経路の開放を検知する構成を適用することができる。この場合、バッテリ11から蓄電装置12への給電経路にダイオードD2のアノードが接続され、ダイオードD2、抵抗R3及び蓄電器22が電源システム1と同様に接続される。そして、電圧検出部23は蓄電器22の端子電圧を経時的に検出し、制御部26は、蓄電器22の端子電圧が時間の経過に拘らず一定であるか又は時間の経過と共に低下している場合に第1給電経路の開放を検知する。
【0101】
また、ダイオードD2の代わりに、蓄電器22から蓄電装置12及び負荷13への給電を防止する他の構成部を用いてもよい。
更に、バッテリ11は蓄電機能を有していればよい。このため、バッテリ11の代わりに例えばコンデンサを用いてもよい。
【0102】
開示された実施の形態1及び2は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。