特開2015-221139(P2015-221139A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-221139(P2015-221139A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】運動補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20151113BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20151113BHJP
【FI】
   A61H3/00 B
   B25J11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-106887(P2014-106887)
(22)【出願日】2014年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 英雄
(72)【発明者】
【氏名】横山 隆造
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707HS27
3C707XK06
3C707XK15
3C707XK33
3C707XK73
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運動補助装置の装着の操作性を改善し、健常者でない場合も、運動補助装置を他の人の助けを要することなく容易に装着できるようにする。
【解決手段】使用者の腰部を取り囲んで腰部に着脱自在に装着される可撓性の腰部ベルト12に左右のベルト側連結具を取り付け、左右の回転力発生装置56、58等を取り付けられて使用者の腰部の前側を通って延在する非可撓性のフレーム50にはベルト側連結具に係脱可能に係合する左右のフレーム側連結具52、54を取り付け、腰部ベルト12に対してフレーム50を分離可能な構成にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の腰部を取り囲んで腰部に着脱自在に装着され、腰部の左右両側に位置する部分にベルト側連結具を具備した可撓性の腰部ベルトと、
前記ベルト側連結具に係脱可能に係合する左右のフレーム側連結具を具備し、前記ベルト側連結具と前記フレーム側連結具とが互いに係合することにより使用者の腰部の前側あるいは後側を通って延在する非可撓性のフレームと、
前記フレームが腰部の左右両側に位置する部分に取り付けられ、各々使用者の前額軸まわりの回転力を発生する左右の回転力発生装置と、
各々一端を対応する側の左右の前記回転力発生装置に連結されて当該回転力発生装置より下方に延在し、前記回転力発生装置によって使用者の前額軸まわりに回動駆動される左右のアーム部材と、
前記アーム部材に装着され、使用者の下肢に固定される下肢装具とを有する運動補助装置。
【請求項2】
前記フレームに使用者の胴部に当接する当接部が設けられている請求項1に記載の運動補助装置。
【請求項3】
前記左右の回転力発生装置は、使用者の股関節部の外側に対応する位置に配置される請求項1または2に記載の運動補助装置。
【請求項4】
前記ベルト側連結具は前記腰部ベルトに当該腰部ベルトの長手方向に配置位置を変更可能に取り付けられている請求項1から3の何れか一項に記載の運動補助装置。
【請求項5】
前記腰部ベルトの左右両側に各々当該腰部ベルトの長手方向に延在する左右のガイドレール部材が取り付けられており、前記ガイドレール部材に左右のスライダが移動可能に取り付けられており、前記スライダに前記ベルト側連結具が取り付けられている請求項4に記載の運動補助装置。
【請求項6】
前記ガイドレール部材は、上下方向に間隔をおいて取り付けられた上下2本のガイドレール部材に構成され、前記スライダは前記上下2本のガイドレール部材の各々にスライド係合している請求項5に記載の運動補助装置。
【請求項7】
前記左右のスライダに、一端部を前記腰部ベルトに固定されて前記腰部ベルトの延在するベルト長さを調節可能な制限ベルトの他端部が連結されている請求項5または6に記載の運動補助装置。
【請求項8】
前記フレームに使用者の胴部前側に当接する当接部が設けられており、前記制限ベルトは、前記スライダの前側への移動を規制するように、後端部を前記腰部ベルトに固定され、前端部を前記スライダに連結されている請求項7に記載の運動補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動補助装置に関し、更に詳細には、屈伸運動や歩行に対してアシスト力を付与する運動補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屈伸運動や歩行に対してアシスト力を付与する運動補助装置として、使用者の下肢部、特に大腿部に動力発生装置の動力をアシスト力として付与する装置が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
この種の運動補助装置は、使用者の腰部に装着されて使用者の腰背部から左右の腰側部に延在する略C字形の高剛性(非可撓性)の腰部フレームと、腰部フレームを使用者の腰部に取り付けるために腰部フレームに取り付けられた腹部ベルト(腰部ベルト)と、腰部フレームの左右の先端部分(使用者の腰側部に対応する部分)に取り付けられた左右の電動モータによる動力発生装置と、動力発生装置が発生する動力を大腿部運動の補助力として大腿部に付与する大腿部装具とを有する。
【0004】
腰の屈伸補助具として、使用者の腰部を取り囲んで腰部に着脱自在に装着され、腰部の左右両側に位置する部分にベルト側連結具を具備した可撓性の腰部ベルトと、腰部ベルトに取り付けられた渦巻きばね式の補機機構と、一端を補機機構のケース側に連結され、他端を大腿部ベルトに大腿部に固定される大腿支持アームと、一端を補機機構の渦巻きばねに連結され、他端に胸部と当接する胸当てを具備した上体支持アームとを有するものが知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−131025
【特許文献2】特開2010−205号公報
【特許文献3】特開2003−144467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
運動補助装置は、何れのものも、動力発生装置を取り付けられた腰部フレームや補機機構が腹部ベルトに固定されているため、動力発生装置や補機機構を取り付けられて重くなっている腹部ベルトを持ち上げて身体に装着しなくてはならない。このため、腹部ベルトを身体に装着する作業が厄介なものになり、特に使用者がリハビリテーション中などの健常者でない場合には、腹部ベルトを装着する際に、他の人の助けを要する虞がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、運動補助装置の装着の操作性を改善し、健常者でない場合も、運動補助装置を他の人の助けを要することなく容易に装着できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による運動補助装置は、使用者の腰部を取り囲んで腰部に着脱自在に装着され、腰部の左右両側に位置する部分にベルト側連結具(44、46)を具備した可撓性の腰部ベルト(12)と、前記ベルト側連結具(44、46)に係脱可能に係合する左右のフレーム側連結具(52、54)を具備し、前記ベルト側連結具(44、46)と前記フレーム側連結具(52、54)とが互いに係合することにより使用者の腰部の前側あるいは後側を通って延在する非可撓性のフレーム(50)と、前記フレーム(50)が腰部の左右両側に位置する部分に取り付けられ、各々使用者の前額軸まわりの回転力を発生する左右の回転力発生装置(56、58)と、各々一端を対応する側の左右の前記回転力発生装置(56、58)に連結されて当該回転力発生装置(56、58)より下方に延在し、前記回転力発生装置(56、58)によって使用者の前額軸まわりに回動駆動される左右のアーム部材(60、62)と、前記アーム部材(60、62)に装着され、使用者の下肢に固定される下肢装具(68、70)とを有する。
【0009】
この構成によれば、腰部ベルト(12)とフレーム(50)とが分離可能であることにより、腰部ベルト(12)の装着後に、腰部ベルト(12)にフレーム(50)を取り付けることができ、健常者でない場合も、運動補助装置10を他の人の助けを要することなく容易に装着できる。
【0010】
本発明による運動補助装置は、好ましくは、前記フレーム(50)に使用者の胴部に当接する当接部(80、90)が設けられている。
【0011】
この構成によれば、使用者の下肢に加えて胴部にもアシスト力が与えられ、特に屈伸運動に於けるアシスト力の付与が良好に行われる。
【0012】
本発明による運動補助装置は、好ましくは、前記左右の回転力発生装置(56、58)は、使用者の股関節部の外側に対応する位置に配置される。
【0013】
この構成によれば、アシスト力を、使用者の股関節部を中心するトルクとして使用者に違和感を与えることなく付与できる。
【0014】
本発明による運動補助装置は、好ましくは、前記ベルト側連結具(44、46)は前記腰部ベルト(12)に当該腰部ベルト(12)の長手方向に取付位置を変更可能に取り付けられている。
【0015】
この構成によれば、使用者に体格差があっても回転力発生装置(56、58)を股関節部の外側に対応する位置に位置させることができる。
【0016】
前記ベルト側連結具(44、46)を、前記腰部ベルト(12)に取付位置を変更可能に取り付ける簡単な構造として、前記腰部ベルト(12)の左右両側に各々当該腰部ベルト(12)の長手方向に延在する左右のガイドレール部材(28、30)が取り付けられており、前記ガイドレール部材(28、30)に左右のスライダ(32、34)が移動可能に取り付けられており、前記スライダ(32、34)に前記ベルト側連結具(44、46)が取り付けられている構造がある。
【0017】
本発明による運動補助装置は、好ましくは、前記ガイドレール部材は、上下方向に間隔をおいて取り付けられた上下2本のガイドレール部材(28、30)に構成され、前記スライダ(32、34)は上下2本のガイドレール部材(28、30)に各々スライド係合している。
【0018】
この構成によれば、スライダ(32、34)が上下2箇所で腰部ベルト(12)に支持されるから、幅広の帯体を用いることなく、スライダ(32、34)が前後方向に傾くことが抑制され、回転力発生装置(56、58)が同方向に傾くことが抑制される。
【0019】
本発明による運動補助装置は、好ましくは、前記左右のスライダ(32、34)に、一端部を腰部ベルト(12)に固定されて腰部ベルト(12)の延在するベルト長さを調節可能な制限ベルト(36、38)の他端部が連結されている。
【0020】
この構成によれば、制限ベルト(36、38)によってスライダ(32、34)の前後方向の移動が制限され、回転力発生装置(56、58)の反力の受け止めが行われる。制限ベルト(36、38)は、前記当接部(80)が使用者の胴部前側に当接するものである場合には、制限ベルト(36、38)は、スライダ(32、34)の前側への移動を規制するものであればよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明による運動補助装置によれば、腰部ベルトとフレームとが分離可能になり、腰部ベルトの装着後に、腰部ベルトにフレームを取り付けることができ、健常者でない場合でも、運動補助装置を他の人の助けを要することなく容易に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による運動補助装置の実施形態1を示す斜視図。
図2】実施形態1の運動補助装置の腰部ベルトを示す斜視図。
図3】実施形態1の運動補助装置のフレーム側連結具の取付部を示す図。
図4】実施形態1の運動補助装置の使用状態を示す説明図。
図5】本発明による運動補助装置の実施形態2を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明による運動補助装置の実施形態1を、図1図3を参照して説明する。
【0024】
運動補助装置10は、図1図2に示されているように、腰部ベルト12を有する。腰部ベルト12は、主ベルト14と、主ベルト14の両端部に取り付けられて主ベルト14の両端部を互い連結する面ファスナ16、18と、一端を主ベルト14の両端部に取り付けられた左右の副ベルト20、22と、副ベルト20、22の他端に取り付けられて互いに係脱可能に係合するバックル24、26とを有する。
【0025】
主ベルト14は、幅広の比較的硬い織物によって構成され、屈曲方向には可撓性を有するが、長手方向には伸縮性を有さない。副ベルト20、22は、幅狭の比較的柔らかい織物によって構成され、可撓性を有するが、伸縮性を有さない。
【0026】
面ファスナ16と18とは、分離可能に係合し、使用者の胴回りの大きさに応じてベルト長さを調節可能に主ベルト14の両端部を互いに連結する。バックル24は、ベルトの折り返し長さの増減によって副ベルト20のベルト長さを調節することができる。
【0027】
腰部ベルト12の左右両側には各々、上下2本のガイドレール部材28、30が上下方向に間隔をおいて取り付けられている。ガイドレール部材28、30は、ビニール系プラスチック等の可撓性材料による帯状のものであり、主ベルト14の長手方向(前後方向)に互いに平行に延在して各々両端をリベット31によって主ベルト14に固定されている。
【0028】
左右のガイドレール部材28、30には比較的硬い織物をループ状に縫い合わせて構成された左右のスライダ32、34が当該ガイドレール部材28、30を一括して取り囲むように取り付けられ、ガイドレール部材28、30の長手方向(略前後方向)に移動可能になっている。スライダ32、34は、上下に離れた2本のガイドレール部材28、30にスライド可能に係合していることにより、上下2箇所を腰部ベルト12に支持されるから、幅広の帯体を用いることなく、スライダ32、34が前後方向に傾くことが抑制される。
【0029】
スライダ32、34には左右の制限ベルト36、38の前端部(他端部)が縫合等によって接合されている。制限ベルト36、38は、幅狭の比較的柔らかい織物によって構成され、可撓性を有するが伸縮性を有さないものであり、上下のガイドレール部材28、30間を主ベルト14に沿って後側(背側)に延在し、後端部(一端部)をベルト折り返しによってベルト長さを調節可能なバックル40、41を介して腰部ベルト12に固定されている。
【0030】
スライダ32、34は、制限ベルト36、38のベルト長さ調節によって最前側位置を個別に可変に設定され、制限ベルト36、38の張りによって前側への移動を規制される。
【0031】
スライダ32、34の外側面には金属製の左右のベルト側連結具44、46が固定されている。ベルト側連結具44、46にはフレーム50に固定された左右のフレーム側連結具52、54が係脱可能に係合する。
【0032】
フレーム50は、硬質のプラスチックによる成形品によって構成されていて高い剛性を有する非可撓性のものであり、平面視でU字形乃至半円環形をしており、左右の端部50A、50Bの近傍にフレーム側連結具52、54を固定されている。
【0033】
ベルト側連結具44、46には、図2に示されているように、前後両側を上下方向に延在する凹溝44A、46Aが形成されており、フレーム側連結具52、54には、図3に示されているように、凹溝44A、46Aに上下方向にスライド可能に係合する係合片具52A、54Aが設けられており、係合片具52A、54Aが凹溝44A、46Aに対して上側から下側に移動することにより、係合片具52A、54Aが凹溝44A、46Aに係合する。これにより、フレーム側連結具52、54は、落とし込み式に、つまり対応する側のベルト側連結具44、46に対して上側から下側にスライド移動されることによってベルト側連結具44、46に係合する。
【0034】
ベルト側連結具44、46とフレーム側連結具52、54とはラッチ機構によって係合位置に係脱可能に係止されるものであり、ベルト側連結具44、46はラッチ溝44B、44Bを有し、フレーム側連結具52、54はラッチ溝44B、44Bと係合するラッチ爪(不図示)と当該ラッチ爪の係合を解除するラッチ爪解除レバー52B、54Bとを有する。
【0035】
フレーム50はベルト側連結具44、46とフレーム側連結具52、54とが対応する側の同士で互いに係合することによって主ベルト14に装着され、使用者の腰部の前側を通って腹部を取り巻くように横方向(左右方向)に延在する。このようにして、フレーム50と腰部ベルト12とは分離可能になっている。
【0036】
フレーム50の左右の端部50A、50Bにはヒンジ(不図示)によって回転力発生装置である左右の電動モータユニット56、58が吊り下げ式に取り付けられている。前記ヒンジ部は前後方向に延在する回転軸(図示省略)を有し、電動モータユニット56、58のアウタケーシング56A、58Aを使用者の腰部の左右両側に位置する部分において矢状軸(前後方向に延在する軸線)まわりに回動可能に支持している。電動モータユニット56、58は、各々、アウタケーシング56A、58A内に、不図示の電動モータと、電動モータの出力部材の回動角度を検出する角度センサ等を格納しており、使用者の前額軸(左右方向に延在する軸線)まわりの回転力を発生する。
【0037】
電動モータユニット56、58には前記電動モータの前記出力部材とトルク伝達関係で連結されるスイングアーム(アーム部材)60、62の基端部60A、62Aが着脱可能に連結されている。
【0038】
スイングアーム60、62は、アルミニウム等の軽金属や、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等の高剛性を有する材料により構成され、使用者の股関節部の外側に対応する位置から使用者の大腿部前側へと太腿に沿って延びるように捩られた形状をし、大腿部前側に位置する先端部60B、62Bを有する。スイングアーム60、62は対応する側の電動モータユニット56、58によって使用者の股関節部に対応する位置を回動中心として前額軸まわりに回動駆動される。
【0039】
スイングアーム60、62の先端部60B、62Bには球面式の連結部64、66によって大腿前部当て板68、70が首振り可能に取り付けられている。大腿前部当て板68、70は、下肢装具をなすものであり、プラスチック製で、大腿前部の形状に合った湾曲形状をしており、通気性と柔軟性を高めるために、上下方向に延在する多数のスリット68A、70Aが形成されている。
【0040】
大腿前部当て板68、70にはフック部68B、70Bが一体成形されている。大腿前部当て板68、70には可撓性の大腿部ベルト72、74の一端部が連結されている。大腿部ベルト72、74の先端部には、フック部68B、70Bに係脱可能に係合する矩形開口部76A、78Aと、折り返しによるベルト長さ調節バックル部76B、78Bとを含む係合部材76、78が取り付けられている。このように大腿部ベルト72、74の先端部はベルト長さ調節バックル部76B、78Bにベルト長さ調節可能に取り付けられている。
【0041】
大腿部ベルト72、74は、係合部材76、78の矩形開口部76A、78Aをフック部68B、70Bに離脱可能に引っ掛けられることにより、先端部を大腿前部当て板68、70に係脱可能に連結され、大腿部を縛るループをなす。
【0042】
フレーム50は、左右の端部50A、50Bより前側に向かって湾曲しつつ上側に傾斜して延在しており、前側の中央部に、使用者の胴部前側、詳細には胸骨乃至肋骨の前側に対応する部位に当接する胴部当接部80を有する。胴部当接部80が使用者の胴部に当接する側にはスポンジや発泡樹脂等による柔軟性を有するパッド82が取り付けられている。
【0043】
運動補助装置10の着用は、腰部ベルト12からフレーム50を取り外した状態で、まず、主ベルト14を腰部に巻き、腰部を締め付けるようにして面ファスナ16と18とを接合する。これにより、主ベルト14は、使用者の胴まわりの大きさに応じて無段階に長さ調節されて使用者の腰部に装着される。つぎに、バックル24と26とを互いに係合させて左右の副ベルト20、22を互いに連結し、バックル24に於けるベルト長さ調節によって副ベルト20、22を締め上げ、使用者に対する主ベルト14の装着をより確実なものにする。これにより腰部ベルト12の装着が完了する。
【0044】
腰部ベルト12の装着が完了すれば、制限ベルト36、38の長さをバックル40によって調節し、スライダ32、34の最前側位置を使用者の股関節部の外側に対応する位置に位置させる。つぎに、左右のフレーム側連結具52、54を腰部の左右両側に位置している対応する側のベルト側連結具44、46に落とし込み、フレーム側連結具52、54とベルト側連結具44、46とを互いに係合させる。これにより、フレーム50がワンタッチ操作によって主ベルト14に装着され、胴部当接部80のパッド82が使用者の胴部前側に当接する。
【0045】
つぎに、左右の大腿部ベルト72、74の係合部材76、78の矩形開口部76A、78Aを各々対応する大腿前部当て板68、70のフック部68B、70Bに引っ掛け、ベルト長さ調節バックル部76B、78Bによるベルト長さ調節によって大腿部ベルト72、74の締め上げ、大腿部ベルト72、74によって大腿前部当て板68、70を大腿部の前側に当接させる。以上で、運動補助装置10の装着が完了する。
【0046】
電動モータユニット56、58等を取り付けられているフレーム50と腰部ベルト12とが分離可能であることにより、腰部ベルト12からフレーム50を取り外した状態で、腰部ベルト12を骨盤ベルト等と同様の操作によって腰部に装着することができ、腰部ベルト12の装着後に、腰部ベルト12にフレーム50を取り付ければよいので、電動モータユニット56、58等を装着されている重いフレーム50を取り付けられた状態の腰部ベルト12を腰部に装着する操作がなくなり、健常者でない場合も、運動補助装置10を他の人の助けを要することなく容易に装着できる。運動補助装置10の取り外しは、上述した装着の手順と逆の手順で行われればよく、取り外しも装着と同様に、容易に行うことができる。
【0047】
なお、スイングアーム60、62が取り外されているフレーム50を腰部ベルト12に装着し、その装着完了後に、スイングアーム60、62を電動モータユニット56、58に装着してもよい。この場合には、装着操作の回数が増えるが、運動補助装置10の装着が、より一層容易になる。
【0048】
電動モータユニット56、58は、アシスト力を、使用者の股関節部を中心とするトルクとして違和感を与ることなく使用者に付与するために、使用者の股関節部の外側に対応する位置に位置していることが好ましい。このことに対して、制限ベルト36、38によってスライダ32、34の最前側位置を使用者の体格に応じて使用者の股関節部の外側に対応する位置に位置させることにより、体格差があっても電動モータユニット56、58を使用者の股関節部の外側に対応する位置に位置させることができる。
【0049】
また、腰部ベルト12の締め付けにより、ガイドレール部材28、30やスライダ32、34が、腰部ベルト12とフレーム50の端部50A、50Bとの間で、前額軸方向(使用者の胴部左右幅方向)に変形することにより、使用者の胴部左右幅の体格差にも対応することができる。
【0050】
実施形態1では、運動補助装置10は、使用者がかがんだ状態より立ち上がる場合や椅子等に座った姿勢から起立する伸展運動に対してアシスト力を付与するように設定されおり、伸展運動時に、電動モータユニット56、58が出力する動力によって左右のスイングアーム60、62が基端部60A、62Aを中心として、つまり、股関節部に対応する位置を中心として反時計まわり方向に回動する。これにより、図4に示されているように、大腿前部当て板68、70と胴部当接部80とから使用者の左右の大腿部と胴部前側とに伸展運動を補助するアシスト力A、Bが与えられる。
【0051】
このアシスト力付与時には、大腿部には電動モータユニット56、58の下側において反時計まわり方向のアシスト力Aが作用し、胴部前側には電動モータユニット56、58の上側において時計まわり方向のアシスト力Bが作用し、電動モータユニット56、58をフレーム50を介して腰部ベルト12に対して支持しているスライダ32、34に前向の力、つまり、スライダ32、34を前側に移動させようとする力Cが作用する。
【0052】
スライダ32、34は、制限ベルト36、38によって前側への移動を規制され、最前側位置を決定されているので、前向の力(反力)Cを受けても前側に移動することなく、しかも前後方向に傾くことなく、電動モータユニット56、58が発生するアシスト力A、Bを受け止める反力を発生し、電動モータユニット56、58の位置が変動することがない。その上で、図4に示されているように、大腿前部当て板68、70と胴部当接部80とによって電動モータユニット56、58の上下両側で互いに相反する方向のアシスト力A、Bを使用者に与えるから、腰部ベルト12およびフレーム50に電動モータユニット56、58の出力回転方向と同方向の大きい力(回転モーメント)が作用することがなく、電動モータユニット56、58が使用者に対して回動変位することがない。これにより、電動モータユニット56、58が発生するアシスト力A、Bが使用者に所期の設定通りに的確に与えられる。
【0053】
つぎに、本発明による運動補助装置の実施形態2を、図5を参照して説明する。なお、図5において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0054】
実施形態2が実施形態1と異なっている点は、主ベルト14に装着されたフレーム90が使用者の腰部の後側を通って背部を取り巻くように横方向に延在している点と、フレーム90の中央部に使用者の胴部後側に当接する胴部当接部92が設けられている点と、左右の制限ベルト94がスライダ32、34の後側への移動を規制し、スライダ32、34の最後部位置を決定する点である。実施形態2では、制限ベルト94は、後端部をスライダ32、34接合され、上下のガイドレール部材28、30間を主ベルト14に沿って前側に延在し、前端部をベルト折り返しによってベルト長さを調節可能なバックル96を介して腰部ベルト12に固定されている。
【0055】
実施形態2では、運動補助装置10は、使用者の大腿部を持ち上げる運動に対してアシスト力を付与するように設定されており、電動モータユニット56、58が出力する動力によって左右のスイングアーム60、62が基端部60A、62Aを中心として、つまり、股関節部に対応する位置を中心として時計まわり方向に回動する。
【0056】
このアシスト力付与時には、大腿部には電動モータユニット56、58の下側において時計まわり方向のアシスト力が作用し、胴部前側には電動モータユニット56、58の上側において反時計まわり方向のアシスト力が作用し、電動モータユニット56、58をフレーム50を介して腰部ベルト12に対して支持しているスライダ32、34に後向の力、つまり、スライダ32、34を後側に移動させようとする力が作用する。
【0057】
スライダ32、34は、制限ベルト94のベルト長さ調節によって最後側位置を個別に可変に設定され、制限ベルト36、38の張りによって後側への移動を規制されているので、後向の力を受けても後側に移動することなく、電動モータユニット56、58が発生する時計まわり方向のアシスト力を受け止める反力を発生し、電動モータユニット56、58の位置が変動することがない。その上で、大腿前部当て板68、70と胴部当接部92とによって電動モータユニット56、58の上下両側で互いに相反する方向のアシスト力を使用者に与えるから、実施形態2でも腰部ベルト12およびフレーム50に電動モータユニット56、58の出力回転方向と同方向の大きい力(回転モーメント)が作用することがなく、電動モータユニット56、58が使用者に対して回動変位することがない。これにより、電動モータユニット56、58が発生するアシスト力が使用者に所期の設定通りに的確に与えられる。
【0058】
実施形態2でも実施形態1と同様に、フレーム90を腰部ベルト12とは分離可能であるから、実施形態2においても実施形態1と同様に、運動補助装置10の装着を使用者一人で容易に行うことができる。
【0059】
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0060】
例えば、各部材の材質は、上述した実施形態で用いられているものに限られることなく、各部材の目的、機構に合った材料が適宜に選択されればよい。ベルト側連結具44、46の配置位置を主ベルト14の長手方向に変更可能にする構造は、帯状のガイドレール部材28、30、スライダ32、34、制限ベルト36、38によるものに限られることはなく、ベルト側連結具44、46が主ベルト14に取り付けられた可撓性のガイドレールにスライド可能に係合していて止め具によって任意のスライド位置に固定されるような構造であってもよい。また、フレーム50と90との双方が設けられ、運動補助装置10が歩行補助を行うものであってもよい。この場合には、フレーム50と90との何れか一方が他方に対して着脱可能な構造になっているとよい。
【0061】
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 運動補助装置
12 腰部ベルト
14 主ベルト
20 副ベルト
28 ガイドレール部材
30 ガイドレール部材
32 スライダ
34 スライダ
36 制限ベルト
38 制限ベルト
44 ベルト側連結具
46 ベルト側連結具
50 フレーム
52 フレーム側連結具
54 フレーム側連結具
56 電動モータユニット(回転力発生装置)
58 電動モータユニット(回転力発生装置)
60 スイングアーム(アーム部材)
62 スイングアーム(アーム部材)
68 大腿前部当て板(下肢装具)
70 大腿前部当て板(下肢装具)
72 大腿部ベルト
74 大腿部ベルト
80 胴部当接部
90 フレーム
92 胴部当接部
94 制限ベルト
図1
図2
図3
図4
図5