特開2015-221538(P2015-221538A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 出光ユニテック株式会社の特許一覧

特開2015-221538ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置
<>
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000003
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000004
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000005
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000006
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000007
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000008
  • 特開2015221538-ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-221538(P2015-221538A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】ジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 1/90 20060101AFI20151113BHJP
   B31B 23/74 20060101ALI20151113BHJP
【FI】
   B31B1/90 321
   B31B23/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-107174(P2014-107174)
(22)【出願日】2014年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】500163366
【氏名又は名称】出光ユニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】片田 亮
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊一
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA05
3E075AA07
3E075AA10
3E075BA42
3E075CA02
3E075DA03
3E075DA04
3E075DA05
3E075DA14
3E075DA15
3E075DA32
3E075DB03
3E075DB14
3E075DB27
3E075DC03
3E075DC15
3E075DC44
3E075DD13
3E075DD27
3E075DD32
3E075DD38
3E075DD46
3E075DD47
3E075DE17
3E075FA03
3E075FA04
3E075FA05
3E075FA06
3E075FA07
3E075GA01
3E075GA02
3E075GA03
3E075GA04
3E075GA05
(57)【要約】
【課題】ジッパーテープ部材を所定位置で安定して切断できるジッパーテープの製造用治具を提供する。
【解決手段】繰り出されたジッパーテープ部材230を複数のローラ331に掛け渡して横ぶれを防止しつつ保持部332へ繰り出す。載置板部332Aと、一対の台座部332Bと、アーチ部332Cにて囲まれた環状の内周面を有する保持部332にジッパーテープ部材230を挿通させ、ジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げる。折り曲げられた状態のジッパーテープ部材230を、下流側の切断部333の切断刃333Aにて雄部材21と雌部材22とに切断後、咬合部334の一対の咬合ローラ334Aにて雄側咬合部212および雌側咬合部222を咬合する。切断位置を蛇行することなく折曲位置に安定でき、直線的に切断できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断部により切断し、前記雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを得るジーパーテープの製造用治具であって、
前記ジッパーテープ部材を前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折り曲げた状態のジッパーテープ部材を前記切断部へ供給する保持部を備えている
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項2】
請求項1に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記切断部にて切断された、前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のジッパーテープの製造用治具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記保持部は、内面が溝状または環状である
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記保持部は、内面が底面方向に次第に幅狭である
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記保持部は、環状に形成された内周面を有する
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項6】
請求項5に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記保持部は、前記内周面の最大内径が前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して0.5倍以上5倍以下である
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記保持部の上流側に配置され前記ジッパーテープ部材が掛け渡されるローラを有する横ぶれ防止部を備えている
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項8】
請求項7に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記横ぶれ防止部は、前記ジッパーテープ部材が掛け渡される複数のローラを有する
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記ローラは、周面に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方が挿入される溝部を有する
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造用治具において、
前記切断部は、切断刃を有し、
前記切断刃の接線方向と、前記保持部から前記ジッパーテープ部材を供給する供給方向とのなす角が90°未満である
ことを特徴とするジッパーテープの製造用治具。
【請求項11】
長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断し、前記雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを得るジーパーテープの製造方法であって、
ジッパーテープ部材を切断する切断工程の前に、前記ジッパーテープ部材を前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折り曲げた状態で前記切断工程へ供給し切断させる折曲工程を実施する
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記切断工程の後、切断した前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合工程を実施する
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記折曲工程は、内面が溝状または環状の保持部を用い、前記保持部の内面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させる
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項14】
請求項11から請求項13までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記折曲工程は、内面が底面方向に次第に幅狭となる保持部を用い、前記保持部の内面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させる
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記折曲工程は、環状に形成された内周面を有する保持部を用い、前記保持部の内周面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させる
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項16】
請求項13から請求項15までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記折曲工程は、前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して0.5倍以上5倍以下の幅寸法の保持部の内周面内に、前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させる
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項17】
請求項11から請求項16までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記折曲工程を実施する前に、前記ジッパーテープ部材をローラに掛け渡す横ぶれ防止工程を実施する
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記横ぶれ防止工程は、複数の前記ローラに前記ジッパーテープ部材を掛け渡す
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記横ぶれ防止工程は、前記ローラの周面に設けられた溝部に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方を挿入して、前記ローラに前記ジッパーテープ部材を掛け渡す
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項20】
請求項11から請求項19までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記切断工程は、切断刃を用い、前記折曲工程からの前記ジッパーテープ部材の供給方向に対して前記切断刃の接線方向を90°未満として切断する
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項21】
請求項11から請求項20までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造方法において、
前記ジッパーテープ部材として、前記テープにおける前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間に薄肉部を有したものを用いる
ことを特徴とするジッパーテープの製造方法。
【請求項22】
請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のジッパーテープの製造用治具を用いて製造された
ことを特徴とするジッパーテープ。
【請求項23】
雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを、袋体用の基材フィルムに取り付けてジッパーテープ付袋体を製造する製造装置であって、
長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折曲状態を保持する保持部と、
前記保持部で折曲状態が保持された前記ジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断し、前記雄側帯状部材および前記雌側帯状部材を得る切断部と、
を具備したことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項24】
請求項23に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合部を具備した
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項25】
請求項23または請求項24に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記保持部は、内面が溝状または環状である
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項26】
請求項23から請求項25までのいずれか一項に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記保持部は、内面が底面方向に次第に幅狭である
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項27】
請求項25または請求項26に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記保持部は、環状に形成された内周面を有する
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項28】
請求項27に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記保持部は、前記内周面の最大内径が前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して0.5倍以上5倍以下である
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項29】
請求項23から請求項28までのいずれか一項に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記保持部の上流側に配置され前記ジッパーテープ部材が掛け渡されるローラを有する横ぶれ防止部を備えている
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項30】
請求項29に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記横ぶれ防止部は、前記ジッパーテープ部材が掛け渡される複数のローラを有する
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項31】
請求項29または請求項30に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記ローラは、周面に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方が挿入される溝部を有する
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項32】
請求項23から請求項31までのいずれか一項に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記切断部は、切断刃を有し、
前記切断刃の接線方向と、前記保持部から前記ジッパーテープ部材を供給する供給方向とのなす角が90°未満である
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【請求項33】
請求項23から請求項32までのいずれか一項に記載のジッパーテープ付袋体の製造装置において、
前記保持部は、前記テープにおける前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間に薄肉部を有したジッパーテープ部材を折り曲げる
ことを特徴とするジッパーテープ付袋体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジッパーテープ部材からジッパーテープを製造するジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、ジッパーテープおよびジッパーテープ付袋体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、医療品、雑貨など多くの分野でジッパーテープ付包装袋が利用されている。
ジッパーテープ付袋体に用いられるジッパーテープとしては、長手帯状のテープに咬合可能な雄側咬合部および雌咬合部を一対突設したジッパーテープ部材を切断し、対をなす雄側帯状部材および雌側帯状部材とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−284928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ジッパーテープ付袋体を製造する際、例えばジッパーテープ部材を切断刃へ間欠的に繰り出して切断する時、ジッパーテープ部材が繰り出しの際の衝撃により上下左右に位置ずれし、切断位置が雄側咬合部および雌咬合部の間で蛇行するなどの不都合を生じるおそれがある。特に、ジッパーテープ部材を繰り出しおよび停止する間欠繰出の場合には、切断位置が蛇行しやすい。このことにより、雄側帯状部材および雌側帯状部材の幅寸法が変動し、良好に製袋できないおそれがある。
本発明は、ジッパーテープ部材を所定位置で安定して切断できるジッパーテープの製造用治具、ジッパーテープの製造方法、、ジッパーテープ、およびジッパーテープ付袋体の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のジッパーテープの製造用治具は、長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断部により切断し、前記雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを得るジーパーテープの製造用治具であって、前記ジッパーテープ部材を前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折り曲げた状態のジッパーテープ部材を前記切断部へ供給する保持部を備えていることを特徴とする。
この発明では、ジッパーテープ部材を保持部により雄側咬合部および雌側咬合部の間で折り曲げた状態で切断部へ供給し、雄側咬合部および雌側咬合部の間で切断している。このことにより、折曲位置で切断が安定し、蛇行することなく直線的に切断できる。
ここで、折り曲げとは、湾曲した状態も含む。
また、ジッパーテープ部材は、雄側咬合部および雌側咬合部がテープの同一面に限らず異なる面に突設した構成も含む。
【0006】
そして、本発明では、前記切断部にて切断された、前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合部を備えていることを特徴とする。
この発明では、咬合部により雄側帯状部材の雄側咬合部および雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させることで、保持部による折り曲げにより既に雄側咬合部および雌側咬合部の位置関係が保持されている。このことにより、咬合が容易にできることから、咬合のための構成を簡略化できる。
【0007】
また、本発明では、前記保持部は、内面が溝状または環状であることが好ましい。
この発明では、保持部の内面が溝状または環状に形成された内面にジッパーテープ部材を通過させることで、簡単な構成で容易にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
ここで、内面が溝状または環状とは、一部が開口する凹溝または開口を有しない内面が閉じた環状で、例えば、底面方向に下がつて幅狭となる断面V字溝、底面が曲面状の断面U字溝、断面曲面状、断面多角凹溝、円環状、多角環状、楕円環状、アーチ状などである。
【0008】
さらに、本発明では、前記保持部は、内面が底面方向に次第に幅狭であることが好ましい。
この発明では、底面方向に次第に幅狭となる保持部の内面にジッパーテープ部材を通過させることで、切断部による切断の位置をより蛇行せず固定できる断面V字状にジッパーテープ部材を折り曲げることが容易にでき、簡単な構成でより安定した切断が容易にできる。
【0009】
また、本発明では、前記保持部は、環状に形成された内周面を有することが好ましい。
この発明では、保持部の環状に形成された内周面にジッパーテープ部材を通過させることで、ジッパーテープ部材の繰り出し時にぶれが生じても、保持部の環状の内周面で位置決めされてぶれが防止され、切断部での安定した切断ができる。
【0010】
そして、本発明では、前記保持部は、例えば、前記内周面の最大内径が前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して0.5倍以上5倍以下の範囲とすることができる。
この発明では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材の幅寸法に対して所定寸法としているので、ジッパーテープ部材を折り曲げた状態で内周面に挿通でき、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材を切断部に供給できる。
ここで、最大内径が0.5倍より大きくすることで、ジッパーテープ部材を好適に折れ曲げられ、ジッパーテープ部材と保持部との摩擦を小さくでき、テープを安定して供給することが期待できる。また、最大内径が5倍より小さくすることで、折り曲げたジッパーテープ部材が弾性力によりテープ状に復元することを回避し、切断部における安定した切断が期待できる。
【0011】
また、本発明では、前記保持部の上流側に配置され前記ジッパーテープ部材が掛け渡されるローラを有する横ぶれ防止部を備えていることが好ましい。
この発明では、保持部でジッパーテープ部材を折り曲げる前に、横ぶれ防止部のローラにジッパーテープ部材を掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれが防止され、保持部へジッパーテープ部材を安定して供給でき、保持部で良好に折り曲げできる。
【0012】
さらに、本発明では、前記横ぶれ防止部は、前記ジッパーテープ部材が掛け渡される複数のローラを有することが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材を複数のローラに掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0013】
そして、本発明では、前記ローラは、周面に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方が挿入される溝部を有することが好ましい。
この発明では、ローラの溝部に雄側咬合部や雌側咬合部を挿入させることで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0014】
また、本発明では、前記切断部は、切断刃を有し、前記切断刃の接線方向と、前記保持部から前記ジッパーテープ部材を供給する供給方向とのなす角が90°未満であることが好ましい。
この発明では、切断部における切断刃の接線方向を、ジッパーテープ部材を供給する供給方向に対して90°未満とすることで、切断刃がジッパーテープ部材の厚さ方向に対して斜めに当接して切断する状態となり、切断時の抵抗を小さくし、切断位置の蛇行をより防止できる。
【0015】
本発明のジッパーテープの製造方法は、長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断し、前記雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを得るジーパーテープの製造方法であって、ジッパーテープ部材を切断する切断工程の前に、前記ジッパーテープ部材を前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折り曲げた状態で前記切断工程へ供給し切断させる折曲工程を実施することを特徴とする。
この発明では、ジッパーテープ部材を雄側咬合部および雌側咬合部の間で折り曲げた状態で切断工程へ供給し、折り曲げられた雄側咬合部および雌側咬合部の間で切断する。このことにより、折曲位置で切断が安定し、蛇行することなく直線的に切断できる。
【0016】
そして、本発明では、前記切断工程の後、切断した前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合工程を実施することが好ましい。
この発明では、咬合工程により雄側帯状部材の雄側咬合部および雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させることで、折曲工程での折り曲げにより既に雄側咬合部および雌側咬合部の位置関係が保持されている。このことにより、咬合が容易にできることから、咬合のための構成を簡略化できる。
【0017】
また、本発明では、前記折曲工程は、内面が溝状または環状の保持部を用い、前記保持部の内面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることが好ましい。
この発明では、保持部の内面が溝状または環状に形成された内面にジッパーテープ部材を通過させることで、簡単な構成で容易にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0018】
さらに、本発明では、前記折曲工程は、内面が底面方向に次第に幅狭となる保持部を用い、前記保持部の内面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることが好ましい。
この発明では、底面方向に次第に幅狭となる保持部の内面にジッパーテープ部材を通過させることで、断面V字状にジッパーテープ部材を折り曲げることが容易にでき、切断工程による切断の位置をより蛇行せず固定できる。このことにより、簡単な構成でより安定した切断が容易にできる。
【0019】
また、本発明では、前記折曲工程は、環状に形成された内周面を有する保持部を用い、前記保持部の内周面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることが好ましい。
この発明では、保持部の環状に形成された内周面にジッパーテープ部材を通過させることで、ジッパーテープ部材の繰り出し時にぶれが生じても、保持部の環状の内周面で位置決めされてぶれが防止され、切断工程での安定した切断ができる。
【0020】
そして、本発明では、前記折曲工程は、前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して、例えば、0.5倍以上5倍以上の幅寸法の保持部の内周面内に、前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることができる。
この発明では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材の幅寸法に対して所定寸法としているので、ジッパーテープ部材を折り曲げた状態で保持部に挿通でき、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材を切断工程へ供給できる。
【0021】
また、本発明では、前記折曲工程を実施する前に、前記ジッパーテープ部材をローラに掛け渡す横ぶれ防止工程を実施することが好ましい。
この発明では、横ぶれ防止工程でローラにジッパーテープ部材を掛け渡した後にジッパーテープ部材を折曲工程へ供給することで、ジッパーテープ部材の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれが防止され、折曲工程へジッパーテープ部材を安定して供給でき、折曲工程で良好にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0022】
さらに、本発明では、前記横ぶれ防止工程は、複数の前記ローラに前記ジッパーテープ部材を掛け渡すことが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材を複数のローラに掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0023】
そして、本発明では、前記横ぶれ防止工程は、前記ローラの周面に設けられた溝部に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方を挿入して、前記ローラに前記ジッパーテープ部材を掛け渡すことが好ましい。
この発明では、ローラの溝部に雄側咬合部や雌側咬合部を挿入させることで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、溝部を設ける簡単な構成でより確実に防止できる。
【0024】
また、本発明では、前記切断工程は、切断刃を用い、前記折曲工程からの前記ジッパーテープ部材の供給方向に対して前記切断刃の接線方向を90°未満として切断することが好ましい。
この発明では、切断刃の接線方向を、ジッパーテープ部材を供給する供給方向に対して90°未満とすることで、切断刃がジッパーテープ部材の厚さ方向に対して斜めに当接して切断する状態となり、切断時の抵抗を小さくし、切断位置の蛇行をより防止できる。
【0025】
そして、本発明では、前記ジッパーテープ部材として、前記テープにおける前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間に薄肉部を有したものを用いることが好ましい。
この発明では、テープの雄側咬合部および雌側咬合部の間に薄肉部を設けたジッパーテープ部材を用いることで、ジッパーテープ部材が薄肉部で容易に折り曲げられる。このことにより、簡単な構成で蛇行することなく薄肉部の位置で確実に切断できる。
【0026】
本発明のジッパーテープは、本発明のジッパーテープの製造用治具を用いて製造されたことを特徴とする。
この発明では、蛇行せずに雄側咬合部および雌側咬合部の間で良好に切断されているので、製袋時に適切に位置決めでき、雄側咬合部および雌側咬合部を適切に咬合できる構成が容易に得られる。
【0027】
本発明のジッパーテープ付袋体の製造装置は、雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを、袋体用の基材フィルムに取り付けてジッパーテープ付袋体を製造する製造装置であって、長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折曲状態を保持する保持部と、前記保持部で折曲状態が保持された前記ジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断し、前記雄側帯状部材および前記雌側帯状部材を得る切断部と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、ジッパーテープ部材を雄側咬合部および雌側咬合部の間で折り曲げた状態で切断部へ供給し、折り曲げられた雄側咬合部および雌側咬合部の間で切断する。このことにより、折曲位置で切断が安定し、蛇行することなく直線的に切断できる。
【0028】
そして、本発明では、前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合部を具備したことが好ましい。
この発明では、咬合部により雄側帯状部材の雄側咬合部および雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させることで、保持部での折り曲げにより既に雄側咬合部および雌側咬合部の位置関係が保持されている。このことにより、咬合が容易にできることから、咬合のための構成を簡略化できる。
【0029】
また、本発明では、前記保持部は、内面が溝状または環状であることが好ましい。
この発明では、保持部の内面が溝状または環状に形成された内面にジッパーテープ部材を通過させることで、簡単な構成で容易にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0030】
さらに、本発明では、前記保持部は、内面が底面方向に次第に幅狭であることが好ましい。
この発明では、底面方向に次第に幅狭となる保持部の内面にジッパーテープ部材を通過させることで、断面V字状にジッパーテープ部材を折り曲げることが容易にでき、切断部による切断の位置をより蛇行せず固定できる。このことにより、簡単な構成でより安定した切断が容易にできる。
【0031】
また、本発明では、前記保持部は、環状に形成された内周面を有することが好ましい。
この発明では、保持部の環状に形成された内周面にジッパーテープ部材を通過させることで、ジッパーテープ部材の繰り出し時にぶれが生じても、保持部の環状の内周面で位置決めされてぶれが防止され、切断部での安定した切断ができる。
【0032】
そして、本発明では、前記保持部は、前記内周面の最大内径が前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して、例えば、0.5倍以上5倍以下とすることができる。
この発明では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材の幅寸法に対して所定寸法としているので、ジッパーテープ部材を折り曲げた状態で保持部に挿通でき、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材を切断部へ供給できる。
【0033】
また、本発明では、前記保持部の上流側に配置され前記ジッパーテープ部材が掛け渡されるローラを有する横ぶれ防止部を備えていることが好ましい。
この発明では、横ぶれ防止部でローラにジッパーテープ部材を掛け渡した後にジッパーテープ部材を保持部へ供給することで、ジッパーテープ部材の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれが防止され、保持部へジッパーテープ部材を安定して供給でき、保持部で良好にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0034】
さらに、本発明では、前記横ぶれ防止部は、前記ジッパーテープ部材が掛け渡される複数のローラを有することが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材を複数のローラに掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0035】
また、本発明では、前記ローラは、周面に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方が挿入される溝部を有することが好ましい。
この発明では、ローラの溝部に雄側咬合部や雌側咬合部を挿入させることで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、溝部を設ける簡単な構成でより確実に防止できる。
【0036】
そして、本発明では、前記切断部は、切断刃を有し、前記切断刃の接線方向と、前記保持部から前記ジッパーテープ部材を供給する供給方向とのなす角が90°未満であることが好ましい。
この発明では、切断刃の接線方向を、ジッパーテープ部材を供給する供給方向に対して90°未満とすることで、切断刃がジッパーテープ部材の厚さ方向に対して斜めに当接して切断する状態となり、切断時の抵抗を小さくし、切断位置の蛇行をより防止できる。
【0037】
また、本発明では、前記保持部は、前記テープにおける前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間に薄肉部を有したジッパーテープ部材を折り曲げることが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材としてテープの雄側咬合部および雌側咬合部の間に薄肉部を設けたものを用いることで、ジッパーテープ部材が薄肉部で容易に折り曲げられる。このことにより、簡単な構成で蛇行することなく薄肉部の位置で確実に切断できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の第一実施形態に係るジッパーテープ付包装袋を示す平面図。
図2図1中II-II断面図。
図3】第一実施形態におけるジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す概念図。
図4】第一実施形態におけるジッパーテープの製造用治具を示す斜視図。
図5】第一実施形態におけるジッパーテープの製造用治具の保持部を示す正面図。
図6】本発明の第二実施形態に係るジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す概念図。
図7】第二実施形態におけるジッパーテープの製造用治具の保持部を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態の説明において同一符号を付した同一もしくは同様の部材は、説明を省略もしくは簡略化する。
【0040】
[第一実施形態]
(ジッパーテープ付袋体の構成)
本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、ジッパーテープ付袋体1は、例えば食品、薬品、医療品、雑貨などの各種物品を収納するための袋である。
このジッパーテープ付袋体1は、袋本体10と、この袋本体10の内面に取り付けられたジッパーテープ20とを備えている。
【0041】
袋本体10は、包材となる基材フィルム11を二枚重ね合わせて、三方をシールして袋としたものである。この袋本体10は、周縁に一対のサイドシール部12およびトップシール部13が形成され、シールしていない一方(一辺)は、内部に被包装物を入れる投入口10Aが形成されている。そして、袋本体10の開口部14の内面にジッパーテープ20が取り付けられている。また、ジッパーテープ20の長手方向の両端におけるサイドシール部12の位置では、ジッパーテープ20が押し潰された潰し部16が形成されている。
なお、この袋本体10は、図示しない被包装物が袋本体10の投入口10Aから収納された後は、袋本体10の底辺をシールすることにより、密封状態とされる。
【0042】
基材フィルム11は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、ドライラミネート法や押出しラミネートで貼り合わされたラミネートフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(PET)/LLDPE、PET/CPP、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)/CPP、ナイロン/直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、金属または無機蒸着PET/LLDPEなどを挙げることができる。
また、基材フィルム11としては、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)で形成された外面側の外層に、未延伸ポリプロピレン(CPP)で形成されたシーラント層が積層された積層構造の他、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などからなるシーラントと、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(ポリアミド)、金属または無機蒸着PETなどの基材とを、ドライラミネート法や押出ラミネート法で貼り合わされたラミネートフィルムを用いることができる。
【0043】
基材フィルム11は、袋用材料であれば特に限定されず、厚み寸法が10μm以上200μm以下であることが好ましい。
ここで、厚み寸法が10μm未満であると、シール強度、袋強度が弱くなる場合がある。一方、厚み寸法が200μmを超えると、袋の開封がしにくくなる場合がある。
【0044】
ジッパーテープ20は、図2にその断面構成を示すように、対をなす雄側帯状部材としての雄部材21と雌側帯状部材としての雌部材22とを備え、これら雄部材21と雌部材22とが、離隔または咬合することにより、袋本体10の開口部14の開封または再封が行われることとなる。
雄部材21は、基材フィルム11に融着される接合部分である長手帯状の雄側帯状基部211と、雄側帯状基部211の一面で幅方向の略中央の位置に長手方向に沿って設けられ断面が略やじり形状の雄側咬合部212とを備えている。
雌部材22は、基材フィルム11に融着される接合部分である長手帯状の雌側帯状基部221と、雌側帯状基部221の一面で幅方向の略中央の位置に長手方向に沿って設けられ雄側咬合部212と咬合する雌側咬合部222とを備えている。雄側咬合部212および雌側咬合部222により、咬合部Nが構成される。
【0045】
ジッパーテープ20は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いて形成されている。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。特に、伸びにくいポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン(RPP)、プロピレン−エチレン−ブテン1ランダム三元共重合体などが利用できる。
なお、必要に応じて公知の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤などを本発明の趣旨を阻害しない範囲内で用いることができる。
【0046】
(ジッパーテープ付袋体の製造装置)
次に、ジッパーテープ付袋体1を製造する製造装置について図面を参照して説明する。
図3は、ジッパーテープ付袋体の製造装置を示す概念図である。図4は、ジッパーテープの製造用治具を示す斜視図である。図5は、ジッパーテープの製造用治具の保持部を示す正面図である。
【0047】
製造装置3は、図3に示すような三方製袋方法の一例で用いられるもので、基材フィルム11を繰り出すフィルム繰出装置31と、ジッパーテープ部材230を繰り出すテープ操出装置32と、ジッパーテープ部材230からジッパーテープ20を製造する製造用治具33と、ジッパーテープ20を基材フィルム11にヒートシールするテープ接着装置34と、トップシール部またはボトムシール部13を形成するシールバー35と、潰し部16を形成するポイントシール装置36と、サイドシール部12を形成するサイドシールバー37と、サイドシール部12を冷却する冷却部38と、サイドシール部12の中間位置で切断し、トップシール部13とサイドシール部12との三方がヒートシールされたジッパーテープ付袋体1を得るカッター部39と、を備えている。
【0048】
基材フィルム11およびジッパーテープ部材230の操出は、例えば間欠的に繰り出す構成に限らず、連続的に一定速度で繰り出す構成とするなど、いずれの操出方法を適用できる。
フィルム繰出装置31は、基材フィルム11を図示しないローラに複数回掛け渡されながら、折り返して重ね合わせつつ繰り出される。
ここで、ジッパーテープ部材230は、図4に示すように、長手帯状のテープ231に、雄側咬合部212および雌側咬合部222が長手方向に沿って並列に一対突設されたものである。ジッパーテープ部材230は、雄側咬合部212および雌側咬合部222の間でテープ231が切断されることで、雄部材21および雌部材22に分離されてジッパーテープ20が製造される。なお、テープ231における切断位置、例えば雄側咬合部212および雌側咬合部222間の中央に、他の部位より薄肉に形成されて折り曲げやすくなる図示しない薄肉部を設けておくことが好ましい。
【0049】
製造用治具33は、図4に示すように、テープ操出装置32から繰り出されたジッパーテープ部材230を掛け渡す複数のローラ331と、ジッパーテープ部材230を幅方向で折り曲げる保持部332と、保持部332で折り曲げられたジッパーテープ部材230における雄側咬合部212および雌側咬合部222間で切断し雄部材21および雌部材22を得る切断部333と、切断部333で切断された雄部材21の雄側咬合部212および雌部材22の雌側咬合部222を咬合させる咬合部334と、咬合したジッパーテープ20を折り重なる基材フィルム11間に繰り出す図示しないローラと、を備えている。
ローラ331のうち、ジッパーテープ部材230の雄側咬合部212および雌側咬合部222が設けられた面が掛け渡されるローラ331の外周面には、雄側咬合部212および雌側咬合部222がそれぞれ挿入される溝部331Aが設けられている。
なお、ローラは、ジッパーテープ部材230との摩擦により損傷しない硬質の金属やセラミックス、合成樹脂など、各種材料が適用できる。例えば、軽量のアルミニウム合金を用いることができる。
【0050】
保持部332は、図4,5に示すように、長手平板状の載置板部332Aと、載置板部332A上に一対取り付けられた台座部332Bと、これら台座部332B上に設けられたアーチ部332Cと、を備えている。
台座部332Bは、対向する面に、アーチ部332Cに向けて拡開するように傾斜面332B1がそれぞれ設けられている。すなわち、底面方向に次第に幅狭となるように傾斜面332B1が設けられている。なお、台座部332Bは、雄側咬合部212および雌側咬合部222間で折り曲げられたジッパーテープ部材230が挿入される間隙332B2を介して対向する状態に配置される。
アーチ部332Cは、台座部332B上に立設された一対の幅規制部332C1と、これら幅規制部332C1の先端間に架橋された架橋部332C2とを備え、逆U字状に形成されている。そして、一対の幅規制部332C1の対向面には、ジッパーテープ部材230の接触面積を小さくして円滑なジッパーテープ部材230の供給ができるように、曲面332C3が設けられている。なお、アーチ部332Cは、幅規制部332C1および架橋部332C2が、一体構成でも、別体構成でもよい。
なお、保持部332を構成する材料としては、ローラ331と同様に、硬質な材料が好ましい。例えば、軽量でもあるアルミニウム合金を用いることができる。
【0051】
そして、保持部332は、アーチ部332Cの幅規制部332C1間がジッパーテープ部材230の幅寸法より狭くなるように形成されている。さらに、アーチ部332C、台座部332Bおよび載置板部332Aにて囲まれる内周面の最大内径がジッパーテープ部材230の幅寸法に対して、例えば、0.5倍以上5倍以下となるようになっている。
すなわち、保持部332の内周面内のいずれの位置でジッパーテープ部材230が通過しても折曲状態が解除されずに折り曲げられた状態が維持されるようになっている。
ここで、内周面の最大内径が0.5倍より大きいと、ジッパーテープ部材230が折り曲げられ、ジッパーテープ部材230と保持部332との摩擦を低減でき、安定して供給することが期待できる。また、内周面の最大内径が5倍より小さくなることで、折り曲げたジッパーテープ部材230が弾性力によりテープ状に復元することを抑制でき、ジッパーテープ部材230を折り曲げられた状態で切断部333へ供給することが期待でき、切断部333における安定した切断が期待できる。
【0052】
切断部333は、保持部332の下流側、すなわちローラ331と反対側に位置して載置板部332Aに配置され、保持部332から折り曲げられた状態で供給されるジッパーテープ部材230を、雄側咬合部212および雌側咬合部222間で切断し、ジッパーテープ20とする。切断部333は、切断刃333Aと、切断刃333Aを台座部332B間に位置して配置する支柱部333Bとを備えている。
切断刃333Aは、刃がジッパーテープ部材230に斜めに当接する状態、すなわち図4に示すように、刃の接線方向Sとジッパーテープ部材230の供給方向である繰出方向Tとのなす角θが90°未満となるように、支柱部333Bに支持されている。
【0053】
咬合部334は、切断部333で雄部材21および雌部材22に切断されたジッパーテープ20の雄側咬合部212と雌側咬合部222とを咬合させる。咬合部334は、一対の咬合ローラ334Aと、長手板状に形成され長手方向の一端に一方の咬合ローラ334Aが取り付けられた可動板334Bと、可動板334Bを一方の咬合ローラ334Aを他方の咬合ローラ334Aに対して接離方向で移動可能に載置板部332Aに軸支する回転軸334Cと、一方の咬合ローラ334Aを他方の咬合ローラ334Aに向けて近接する方向に付勢力を作用させるコイルばね334Dと、を備えている。
【0054】
(ジッパーテープ付袋体の製造方法)
次に、製造装置3を用いたジッパーテープ付袋体1の製造方法について説明する。
ジッパーテープ付袋体1の製造方法は、基材フィルム11を繰り出すフィルム繰出工程と、ジッパーテープ部材230を繰り出すテープ操出工程と、ジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げて繰り出す折曲工程と、折り曲げられて供給されるジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で切断して雄部材21および雌部材22を得る切断工程と、雄部材21および雌部材22を咬合する咬合工程と、ジッパーテープ20を基材フィルム11に接着させるジッパーテープ取付工程と、基材フィルム11からジッパーテープ付袋体1を形成させる製袋工程と、などを実施する。
【0055】
フィルム繰出工程で基材フィルム11を長手方向で2枚に切断して重ね合わせ、この重ね合わせた基材フィルム11をジッパーテープ取付工程へ繰り出す。
一方、テープ繰出工程でロールからジッパーテープ部材230を引き出し、製造用治具33へ繰り出す。そして、繰り出されたジッパーテープ部材230は、図4に示すように、複数のローラ331に掛け渡されて、横ぶれが防止されつつ保持部332へ繰り出される。
ジッパーテープ部材230は、折曲工程で保持部332の内周面内に雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げられて挿通される。なお、ジッパーテープ部材230の折り曲げは、図5に示すように、雄側咬合部212および雌側咬合部222が対向する方向に折り曲げる。
そして、保持部332を通過した折曲状態のジッパーテープ部材230は、切断工程で切断刃333Aにより、雄側咬合部212および雌側咬合部222の間の折り曲げられた位置、すなわち折れ線の位置で雄部材21および雌部材22に切断する。この切断工程では、切断刃333Aがジッパーテープ部材230の繰出方向Tに対して90°未満に傾斜して切断するので、切断位置では切断刃333Aにて載置板部332Aに押し付けられる分力が作用するので、より確実に折れ線の位置で切断できる。
そして、切断された雄部材21および雌部材22は、雄側咬合部212と雌側咬合部222とが略対向する状態となっているので、後段の咬合工程でそのまま一対の咬合ローラ334Aに挟まれるようにして咬合される。この咬合されたジッパーテープ20は、重ね合わされた基材フィルム11間に供給される。
【0056】
この後、ジッパーテープ取付工程で、テープ接着装置34によりジッパーテープ20を基材フィルム11にヒートシールする。
そして、製袋工程で、シールバー35により基材フィルム11をヒートシールしてトップシール部またはボトムシール部13を形成し、ポイントシール装置36により所定間隔で潰し部16を形成し、さらにサイドシールバー37により潰し部16の位置で基材フィルム11をヒートシールしてサイドシール部12を形成する。冷却部38により、サイドシール部12を冷却した後、カッター部39により、サイドシール部12の中間位置で切断し、トップシール部13とサイドシール部12との三方がヒートシールされたジッパーテープ付袋体1を得る。
そして、得られたジッパーテープ付袋体1の投入口10Aまたはその反対面から、図示しない充填装置により、内容物が所定量投入され、投入口10Aを封止してジッパーテープ付袋体1内に内容物を充填する。
【0057】
(第一実施形態の作用効果)
上記第一実施形態では、ジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げた状態で切断部333へ供給し、雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で切断する。
このため、ジッパーテープ部材230の繰出による衝撃などでジッパーテープ部材230に横ぶれが生じること抑えつつ切断位置を折曲位置とすることが容易にでき、切断位置が蛇行することなく折曲位置で安定し、直線的な切断ができる。このため、雄部材21および雌部材22の幅寸法が安定し、ジッパーテープ20を基材フィルム11に接着する際の位置決めやヒートシールが適切にでき、ジッパーテープ20を適切に取り付けできる。したがって、歩留まりが悪化することなく、良好にジッパーテープ付袋体1を製袋できる。
【0058】
そして、上記第一実施形態では、切断部333の下流側に設けた咬合部334により、雄部材21の雄側咬合部212と雌部材22の雌側咬合部222とを咬合させている。
このため、雄側咬合部212および雌側咬合部222が対向する状態で折り曲げられて切断されたことで、雄側咬合部212および雌側咬合部222の位置関係が対向する状態となっている。このことにより、そのまま一対の咬合ローラ334A間で挟み込むことで容易に咬合ができる。特に、切断部333の下流側で切断後に直ちに咬合させるので、咬合のための構成も簡略化できる。
【0059】
また、上記第一実施形態では、保持部332の環状の内周面にジッパーテープ部材230を通過させて折り曲げている。
このため、ジッパーテープ部材230の繰り出し時にぶれが生じても、載置板部332Aにアーチ部332Cを設けて環状の内周面を形成させる簡単な構成で、容易にジッパーテープ部材230を折り曲げできる。
【0060】
さらに、上記第一実施形態では、底面方向に次第に幅狭となるように一対の傾斜面332B1を設けた保持部332の内周面に、ジッパーテープ部材230を通過させている。
このため、断面V字状にジッパーテープ部材230を折り曲げることが容易にでき、切断工程による切断の位置をより蛇行せず固定できる。したがって、一対の傾斜面332B1を設ける簡単な構成で、より安定した切断が容易にできる。
【0061】
また、上記第一実施形態では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材230の幅寸法に対して所定寸法としている。
このため、ジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222間で適切に折り曲げた状態で保持部332に挿通させることができ、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材230を切断部333へ供給できる。
【0062】
そして、上記第一実施形態では、ローラ331にジッパーテープ部材230を掛け渡した後にジッパーテープ部材230を保持部332へ供給している。
このため、ジッパーテープ部材230の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれを防止でき、保持部332へジッパーテープ部材230を安定して供給でき、保持部で良好にジッパーテープ部材230を折り曲げできる。
【0063】
また、上記第一実施形態では、製造用治具33に咬合部334を一体に設けているので、従来の製造装置に咬合部334を備えた構成で製造用治具33を組み付けることが容易にできる。
【0064】
[第二実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、第2実施形態におけるジッパーテープ付袋体1の製造装置を示す斜視図である。図7は、製造装置における製造用治具の保持部を示す正面図である。
この第2実施形態では、第一実施形態における三方製袋式に代えて、縦ピロー式の製袋方法にて製造するものの一例である。
【0065】
(ジッパーテープ付袋体の製造装置)
図6に示すように、製造装置4は、縦ピロー式の製袋方法に用いられるもので、基材フィルム11を繰り出すフィルム繰出装置31と、ジッパーテープ部材230を繰り出すテープ操出装置32と、ジッパーテープ部材230からジッパーテープ20を製造する製造用治具33と、ジッパーテープ20を基材フィルム11にヒートシールするテープ接着装置34と、基材フィルム11からジッパーテープ付袋体1を形成させる製袋装置40と、を備えている。
【0066】
製造用治具33は、図示しない複数のローラと、ジッパーテープ部材230を幅方向で折り曲げる図7に示す保持部41と、切断部333と、を備えている。
保持部41は、傾斜面332B1を有した一対の台座部332Bと、台座部332B間の間隙332B2間に下端が位置するくさび部42と、くさび部42を支持する支持柱部43とを備えている。保持部41は、台座部332B間でくさび部42によりジッパーテープ部材230を押さえ込むようにして折り曲げる。
なお、くさび部42は、回転自在の回転板を用い、ジッパーテープ部材230との摩擦を低減させた構成としてもよい。
【0067】
テープ接着装置34は、図6に示すように、フィルム繰出装置31から繰り出される基材フィルム11の長手方向となる操出方向の両側に、位置決めガイド部341により両側縁に沿う状態で雄部材21および雌部材22をそれぞれ位置決めする。そして、テープ接着装置34は、図示しない第1ヒートシール部により、位置決めした雄部材21および雌部材22を基材フィルム11にそれぞれヒートシールする。なお、テープ接着装置34は、後述する咬合部334の後に配置していてもよい。
なお、位置決めガイド部341は、雄側咬合部212や雌側咬合部222に対応する凹部を周面に有したローラ343を用いる場合に限らず、基材フィルム11と雄部材21および雌部材22とを繰り出しつつ位置決め可能ないずれの構成を利用できる。
また、基材フィルム11への接着としては、ヒートシールに限らず、超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種方法を利用できる。
【0068】
製袋装置40は、図6に示すように、ジッパーテープ20である雄部材21および雌部材22がそれぞれ融着された基材フィルム11が巻かれる円筒フォーマ401と、この円筒フォーマ401の側部に配設された送りベルト402と、雄側咬合部212および雌側咬合部222を咬合させる咬合部334と、基材フィルム11の両側部をヒートシールしてトップシール部13を形成するシールバー35と、潰し部16を形成するポイントシール装置36と、ヒートシールにてサイドシール部12を形成するサイドシールバー37と、サイドシール部12を冷却する冷却部38と、サイドシール部12の中間位置で切断し、トップシール部13とサイドシール部12との三方がヒートシールされたジッパーテープ付袋体1を得るカッター部39と、を備えている。
円筒フォーマ401は、中空に形成され、内部空間を通して、ジッパーテープ付袋体1に内容物Xを投入する。
咬合部334は、円筒フォーマ401に基材フィルム11が巻回されて両側が重ね合わされることで対向する雄側咬合部212および雌側咬合部222を咬合させる。
【0069】
(ジッパーテープ付袋体の製造方法)
次に、製造装置4を用いたジッパーテープ付袋体1の製造方法について説明する。
ジッパーテープ付袋体1の製造方法は、基材フィルム11を繰り出すフィルム繰出工程と、ジッパーテープ部材230を繰り出すテープ操出工程と、ジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げて繰り出す折曲工程と、折り曲げられて供給されるジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で切断して雄部材21および雌部材22を得る切断工程と、ジッパーテープ20を基材フィルム11に接着させるジッパーテープ取付工程と、基材フィルム11からジッパーテープ付袋体1を形成させる製袋工程と、などを実施する。
【0070】
テープ繰出工程でロールからジッパーテープ部材230を引き出し、製造用治具33へ繰り出す。そして、繰り出されたジッパーテープ部材230は、複数のローラに掛け渡されて、横ぶれが防止されつつ保持部41へ繰り出される。
ジッパーテープ部材230は、折曲工程で保持部41の凹溝状の間隙332B2間にくさび部42にて押し込まれるようにして雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げられる。この折り曲げられたジッパーテープ部材230を切断工程で切断刃333Aにより、雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で切断する。
【0071】
この後、ジッパーテープ取付工程で、テープ接着装置34によりジッパーテープ20を基材フィルム11にヒートシールする。
そして、製袋工程で、基材フィルム11を円筒フォーマ401に巻き付け、咬合部334にて雄側咬合部212および雌側咬合部222を咬合させた後、シールバー35により基材フィルム11の重なり合う両側縁をヒートシールしてトップシール部13を形成する。この後、ポイントシール装置36により所定間隔で潰し部16を形成し、さらにサイドシールバー37により潰し部16の位置で基材フィルム11をヒートシールして一方のサイドシール部12を形成する。この後、図示しない充填装置により、内容物Xが所定量投入された後に、サイドシールバー37により一方のサイドシール部12を形成して内容物Xを封入し、サイドシール部12の中間位置で切断し、ジッパーテープ付袋体1内に内容物Xを充填する。
【0072】
上記第二実施形態についても、第一実施形態と同様に、ジッパーテープ部材230を雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で折り曲げた状態で切断部333へ供給し、雄側咬合部212および雌側咬合部222の間で切断する。
このため、ジッパーテープ部材230の繰出による衝撃などでジッパーテープ部材230に横ぶれが生じること抑えつつ切断位置を折曲位置とすることが容易にでき、切断位置が蛇行することなく折曲位置で安定し、直線的な切断ができる。このため、雄部材21および雌部材22の幅寸法が安定し、ジッパーテープ20を基材フィルム11に接着する際の位置決めやヒートシールが適切にでき、ジッパーテープ20を適切に取り付けできる。したがって、歩留まりが悪化することなく、良好にジッパーテープ付袋体1を製袋できる。
【0073】
[変形例]
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材質、層構成などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0074】
例えば、製造用治具33として、一対の台座部332Bを設けてジッパーテープ部材230が挿通される凹溝となる間隙332B2を形成して説明したが、例えば載置板部332Aに凹溝を直接設けるなど、凹溝を形成する構成に限られるものではない。また、第一実施形態において、保持部332として環状の内周面を構成する方法としても同様に、例えば管材を用いるなどしてもよい。
また、製造用治具33としては、第一実施形態のように咬合部334を一体に設けた構成としても、第二実施形態のように別構成としてもよい。
そして、ローラ331を1つのみとして、1回だけジッパーテープ部材230を掛け渡して横ぶれを防止したり、横ぶれを生じにくい場合にはローラ331を設けなくてもよい。
さらに、切断部として、切断刃333Aは回転刃を用いるなど、ジッパーテープ部材230を切断可能な各種構成を利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1……ジッパーテープ付袋体
3,4…製造装置
11……基材フィルム
20……ジッパーテープ
21……雄側帯状部材である雄部材
22……雌側帯状部材である雌部材
33……ジッパーテープの製造用治具
41……保持部
212……雄側咬合部
222……雌側咬合部
230……ジッパーテープ部材
231……テープ
331……ローラ
331A…溝部
332……保持部
333……切断部
333A…切断刃
334……咬合部
S……接線方向
T……供給方向としての繰出方向
θ……角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7