【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のジッパーテープの製造用治具は、長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断部により切断し、前記雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを得るジーパーテープの製造用治具であって、前記ジッパーテープ部材を前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折り曲げた状態のジッパーテープ部材を前記切断部へ供給する保持部を備えていることを特徴とする。
この発明では、ジッパーテープ部材を保持部により雄側咬合部および雌側咬合部の間で折り曲げた状態で切断部へ供給し、雄側咬合部および雌側咬合部の間で切断している。このことにより、折曲位置で切断が安定し、蛇行することなく直線的に切断できる。
ここで、折り曲げとは、湾曲した状態も含む。
また、ジッパーテープ部材は、雄側咬合部および雌側咬合部がテープの同一面に限らず異なる面に突設した構成も含む。
【0006】
そして、本発明では、前記切断部にて切断された、前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合部を備えていることを特徴とする。
この発明では、咬合部により雄側帯状部材の雄側咬合部および雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させることで、保持部による折り曲げにより既に雄側咬合部および雌側咬合部の位置関係が保持されている。このことにより、咬合が容易にできることから、咬合のための構成を簡略化できる。
【0007】
また、本発明では、前記保持部は、内面が溝状または環状であることが好ましい。
この発明では、保持部の内面が溝状または環状に形成された内面にジッパーテープ部材を通過させることで、簡単な構成で容易にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
ここで、内面が溝状または環状とは、一部が開口する凹溝または開口を有しない内面が閉じた環状で、例えば、底面方向に下がつて幅狭となる断面V字溝、底面が曲面状の断面U字溝、断面曲面状、断面多角凹溝、円環状、多角環状、楕円環状、アーチ状などである。
【0008】
さらに、本発明では、前記保持部は、内面が底面方向に次第に幅狭であることが好ましい。
この発明では、底面方向に次第に幅狭となる保持部の内面にジッパーテープ部材を通過させることで、切断部による切断の位置をより蛇行せず固定できる断面V字状にジッパーテープ部材を折り曲げることが容易にでき、簡単な構成でより安定した切断が容易にできる。
【0009】
また、本発明では、前記保持部は、環状に形成された内周面を有することが好ましい。
この発明では、保持部の環状に形成された内周面にジッパーテープ部材を通過させることで、ジッパーテープ部材の繰り出し時にぶれが生じても、保持部の環状の内周面で位置決めされてぶれが防止され、切断部での安定した切断ができる。
【0010】
そして、本発明では、前記保持部は、例えば、前記内周面の最大内径が前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して0.5倍以上5倍以下の範囲とすることができる。
この発明では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材の幅寸法に対して所定寸法としているので、ジッパーテープ部材を折り曲げた状態で内周面に挿通でき、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材を切断部に供給できる。
ここで、最大内径が0.5倍より大きくすることで、ジッパーテープ部材を好適に折れ曲げられ、ジッパーテープ部材と保持部との摩擦を小さくでき、テープを安定して供給することが期待できる。また、最大内径が5倍より小さくすることで、折り曲げたジッパーテープ部材が弾性力によりテープ状に復元することを回避し、切断部における安定した切断が期待できる。
【0011】
また、本発明では、前記保持部の上流側に配置され前記ジッパーテープ部材が掛け渡されるローラを有する横ぶれ防止部を備えていることが好ましい。
この発明では、保持部でジッパーテープ部材を折り曲げる前に、横ぶれ防止部のローラにジッパーテープ部材を掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれが防止され、保持部へジッパーテープ部材を安定して供給でき、保持部で良好に折り曲げできる。
【0012】
さらに、本発明では、前記横ぶれ防止部は、前記ジッパーテープ部材が掛け渡される複数のローラを有することが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材を複数のローラに掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0013】
そして、本発明では、前記ローラは、周面に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方が挿入される溝部を有することが好ましい。
この発明では、ローラの溝部に雄側咬合部や雌側咬合部を挿入させることで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0014】
また、本発明では、前記切断部は、切断刃を有し、前記切断刃の接線方向と、前記保持部から前記ジッパーテープ部材を供給する供給方向とのなす角が90°未満であることが好ましい。
この発明では、切断部における切断刃の接線方向を、ジッパーテープ部材を供給する供給方向に対して90°未満とすることで、切断刃がジッパーテープ部材の厚さ方向に対して斜めに当接して切断する状態となり、切断時の抵抗を小さくし、切断位置の蛇行をより防止できる。
【0015】
本発明のジッパーテープの製造方法は、長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断し、前記雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを得るジーパーテープの製造方法であって、ジッパーテープ部材を切断する切断工程の前に、前記ジッパーテープ部材を前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折り曲げた状態で前記切断工程へ供給し切断させる折曲工程を実施することを特徴とする。
この発明では、ジッパーテープ部材を雄側咬合部および雌側咬合部の間で折り曲げた状態で切断工程へ供給し、折り曲げられた雄側咬合部および雌側咬合部の間で切断する。このことにより、折曲位置で切断が安定し、蛇行することなく直線的に切断できる。
【0016】
そして、本発明では、前記切断工程の後、切断した前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合工程を実施することが好ましい。
この発明では、咬合工程により雄側帯状部材の雄側咬合部および雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させることで、折曲工程での折り曲げにより既に雄側咬合部および雌側咬合部の位置関係が保持されている。このことにより、咬合が容易にできることから、咬合のための構成を簡略化できる。
【0017】
また、本発明では、前記折曲工程は、内面が溝状または環状の保持部を用い、前記保持部の内面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることが好ましい。
この発明では、保持部の内面が溝状または環状に形成された内面にジッパーテープ部材を通過させることで、簡単な構成で容易にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0018】
さらに、本発明では、前記折曲工程は、内面が底面方向に次第に幅狭となる保持部を用い、前記保持部の内面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることが好ましい。
この発明では、底面方向に次第に幅狭となる保持部の内面にジッパーテープ部材を通過させることで、断面V字状にジッパーテープ部材を折り曲げることが容易にでき、切断工程による切断の位置をより蛇行せず固定できる。このことにより、簡単な構成でより安定した切断が容易にできる。
【0019】
また、本発明では、前記折曲工程は、環状に形成された内周面を有する保持部を用い、前記保持部の内周面内に前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることが好ましい。
この発明では、保持部の環状に形成された内周面にジッパーテープ部材を通過させることで、ジッパーテープ部材の繰り出し時にぶれが生じても、保持部の環状の内周面で位置決めされてぶれが防止され、切断工程での安定した切断ができる。
【0020】
そして、本発明では、前記折曲工程は、前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して、例えば、0.5倍以上5倍以上の幅寸法の保持部の内周面内に、前記ジッパーテープ部材を長手方向に沿って移動させることができる。
この発明では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材の幅寸法に対して所定寸法としているので、ジッパーテープ部材を折り曲げた状態で保持部に挿通でき、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材を切断工程へ供給できる。
【0021】
また、本発明では、前記折曲工程を実施する前に、前記ジッパーテープ部材をローラに掛け渡す横ぶれ防止工程を実施することが好ましい。
この発明では、横ぶれ防止工程でローラにジッパーテープ部材を掛け渡した後にジッパーテープ部材を折曲工程へ供給することで、ジッパーテープ部材の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれが防止され、折曲工程へジッパーテープ部材を安定して供給でき、折曲工程で良好にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0022】
さらに、本発明では、前記横ぶれ防止工程は、複数の前記ローラに前記ジッパーテープ部材を掛け渡すことが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材を複数のローラに掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0023】
そして、本発明では、前記横ぶれ防止工程は、前記ローラの周面に設けられた溝部に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方を挿入して、前記ローラに前記ジッパーテープ部材を掛け渡すことが好ましい。
この発明では、ローラの溝部に雄側咬合部や雌側咬合部を挿入させることで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、溝部を設ける簡単な構成でより確実に防止できる。
【0024】
また、本発明では、前記切断工程は、切断刃を用い、前記折曲工程からの前記ジッパーテープ部材の供給方向に対して前記切断刃の接線方向を90°未満として切断することが好ましい。
この発明では、切断刃の接線方向を、ジッパーテープ部材を供給する供給方向に対して90°未満とすることで、切断刃がジッパーテープ部材の厚さ方向に対して斜めに当接して切断する状態となり、切断時の抵抗を小さくし、切断位置の蛇行をより防止できる。
【0025】
そして、本発明では、前記ジッパーテープ部材として、前記テープにおける前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間に薄肉部を有したものを用いることが好ましい。
この発明では、テープの雄側咬合部および雌側咬合部の間に薄肉部を設けたジッパーテープ部材を用いることで、ジッパーテープ部材が薄肉部で容易に折り曲げられる。このことにより、簡単な構成で蛇行することなく薄肉部の位置で確実に切断できる。
【0026】
本発明のジッパーテープは、本発明のジッパーテープの製造用治具を用いて製造されたことを特徴とする。
この発明では、蛇行せずに雄側咬合部および雌側咬合部の間で良好に切断されているので、製袋時に適切に位置決めでき、雄側咬合部および雌側咬合部を適切に咬合できる構成が容易に得られる。
【0027】
本発明のジッパーテープ付袋体の製造装置は、雄側咬合部を有する雄側帯状部材および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部を有する雌側帯状部材を備えたジッパーテープを、袋体用の基材フィルムに取り付けてジッパーテープ付袋体を製造する製造装置であって、長手帯状のテープに雄側咬合部および前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部が長手方向に沿って一対突設されたジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で折り曲げ、この折曲状態を保持する保持部と、前記保持部で折曲状態が保持された前記ジッパーテープ部材を、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間で切断し、前記雄側帯状部材および前記雌側帯状部材を得る切断部と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、ジッパーテープ部材を雄側咬合部および雌側咬合部の間で折り曲げた状態で切断部へ供給し、折り曲げられた雄側咬合部および雌側咬合部の間で切断する。このことにより、折曲位置で切断が安定し、蛇行することなく直線的に切断できる。
【0028】
そして、本発明では、前記雄側帯状部材の雄側咬合部および前記雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させる咬合部を具備したことが好ましい。
この発明では、咬合部により雄側帯状部材の雄側咬合部および雌側帯状部材の雌側咬合部を咬合させることで、保持部での折り曲げにより既に雄側咬合部および雌側咬合部の位置関係が保持されている。このことにより、咬合が容易にできることから、咬合のための構成を簡略化できる。
【0029】
また、本発明では、前記保持部は、内面が溝状または環状であることが好ましい。
この発明では、保持部の内面が溝状または環状に形成された内面にジッパーテープ部材を通過させることで、簡単な構成で容易にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0030】
さらに、本発明では、前記保持部は、内面が底面方向に次第に幅狭であることが好ましい。
この発明では、底面方向に次第に幅狭となる保持部の内面にジッパーテープ部材を通過させることで、断面V字状にジッパーテープ部材を折り曲げることが容易にでき、切断部による切断の位置をより蛇行せず固定できる。このことにより、簡単な構成でより安定した切断が容易にできる。
【0031】
また、本発明では、前記保持部は、環状に形成された内周面を有することが好ましい。
この発明では、保持部の環状に形成された内周面にジッパーテープ部材を通過させることで、ジッパーテープ部材の繰り出し時にぶれが生じても、保持部の環状の内周面で位置決めされてぶれが防止され、切断部での安定した切断ができる。
【0032】
そして、本発明では、前記保持部は、前記内周面の最大内径が前記ジッパーテープ部材の幅寸法に対して、例えば、0.5倍以上5倍以下とすることができる。
この発明では、内周面の最大内径をジッパーテープ部材の幅寸法に対して所定寸法としているので、ジッパーテープ部材を折り曲げた状態で保持部に挿通でき、確実に折り曲げた状態のジッパーテープ部材を切断部へ供給できる。
【0033】
また、本発明では、前記保持部の上流側に配置され前記ジッパーテープ部材が掛け渡されるローラを有する横ぶれ防止部を備えていることが好ましい。
この発明では、横ぶれ防止部でローラにジッパーテープ部材を掛け渡した後にジッパーテープ部材を保持部へ供給することで、ジッパーテープ部材の幅方向に位置ずれしてしまう横ぶれが防止され、保持部へジッパーテープ部材を安定して供給でき、保持部で良好にジッパーテープ部材を折り曲げできる。
【0034】
さらに、本発明では、前記横ぶれ防止部は、前記ジッパーテープ部材が掛け渡される複数のローラを有することが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材を複数のローラに掛け渡すことで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、より確実に防止できる。
【0035】
また、本発明では、前記ローラは、周面に前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちの少なくともいずれか一方が挿入される溝部を有することが好ましい。
この発明では、ローラの溝部に雄側咬合部や雌側咬合部を挿入させることで、ジッパーテープ部材の横ぶれを、溝部を設ける簡単な構成でより確実に防止できる。
【0036】
そして、本発明では、前記切断部は、切断刃を有し、前記切断刃の接線方向と、前記保持部から前記ジッパーテープ部材を供給する供給方向とのなす角が90°未満であることが好ましい。
この発明では、切断刃の接線方向を、ジッパーテープ部材を供給する供給方向に対して90°未満とすることで、切断刃がジッパーテープ部材の厚さ方向に対して斜めに当接して切断する状態となり、切断時の抵抗を小さくし、切断位置の蛇行をより防止できる。
【0037】
また、本発明では、前記保持部は、前記テープにおける前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の間に薄肉部を有したジッパーテープ部材を折り曲げることが好ましい。
この発明では、ジッパーテープ部材としてテープの雄側咬合部および雌側咬合部の間に薄肉部を設けたものを用いることで、ジッパーテープ部材が薄肉部で容易に折り曲げられる。このことにより、簡単な構成で蛇行することなく薄肉部の位置で確実に切断できる。