特開2015-221600(P2015-221600A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-221600(P2015-221600A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】ブレーキ液圧制御用アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/34 20060101AFI20151113BHJP
【FI】
   B60T8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-106206(P2014-106206)
(22)【出願日】2014年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 文利
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 伸
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA13
3D246LA17A
(57)【要約】
【課題】回路基板と電気部品との電気的接続をより良好に行えるようにする。
【解決手段】ケース6の内側に基板受け部材7を配置し、回路基板5を基板受け部材7に形成した複数のステー7aに当接させる。これにより、電磁弁3のターミナル3bをスルーホール5bにプレスフィットで電気的に接続する際に、回路基板5が複数のステー7aによって支持されて撓み難くなる。したがって、ターミナル3bがスルーホール5b内に的確に嵌り込むようにでき、回路基板5と電磁弁3との電気的接続をより良好に行うことが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ配管が形成されたブロック(2)と、
前記ブロックにおける一面(2a)に備えられ、ターミナル(3b)が引き出された電気部品(3)と、
前記電気部品から引き出された前記ターミナルとプレスフィットによって電気的に接続されるスルーホール(5b)を含む前記電気部品を駆動するための電気回路が形成され、前記ケースの一面に対して対向配置された回路基板(5)と、
前記回路基板を収容しつつ、前記電気部品が配置される開口部(6a)を有すると共に、前記ブロックにおける前記一面と対向する一面(6c)を有するケース(6)とを備え、
前記ケースを前記ブロックに固定することで一体化したブレーキ液圧制御用アクチュエータであって、
前記回路基板側に突き出すと共に前記回路基板のうち前記スルーホールの周囲と当接させられるステー(7a)が形成され、前記ケースの一面に配置された基板受け部材(7)を有し、
前記ステーによって前記回路基板が支持された状態で前記ターミナルが前記スルーホールにプレスフィットによって電気的に接続されていることを特徴とするブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【請求項2】
前記電子部品は複数あり、
前記スルーホールは前記電子部品の数と対応する数形成されており、
前記ステーは複数の前記スルーホールそれぞれに対して配置されることで複数備えられていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【請求項3】
前記ケースには、該ケースの一面から前記回路基板側に突出させた支持部(6d)が形成されており、該ケースの一面からの前記支持部の高さが前記ステーと同じ高さとされ、前記回路基板が前記支持部と前記ステーとに当接させられていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【請求項4】
前記回路基板を挟んで前記ケースの一面と反対側に前記回路基板を前記ケースの一面側に押付ける保持部材(8)が備えられ、該保持部材は板状部材によって構成されていると共に、前記ケースに備えられた支持部と対応する位置に、前記回路基板側に突出させられた支持部(8a)が形成されており、
前記回路基板は、前記ケースに備えられた支持部と前記保持部材に備えられた支持部とによって挟持されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【請求項5】
前記保持部材には、板状部材における板状部分から前記電気部品側に突き出した弾性支持部(8c)が備えられ、該弾性支持部の弾性力によって前記電気部品が前記ブロック側に押付けられていることを特徴とする請求項4に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【請求項6】
前記保持部材は、前記第1開口部内に圧入されることで、前記ケースのうち前記第1開口部を構成する壁面に固定されていることを特徴とする請求項4または5に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【請求項7】
前記ケースが金属製とされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ液圧制御用の電気部品などが接続される回路基板をケースに収容しつつ液圧回路が構成されたブロックに固定する構造のブレーキ液圧制御用アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ブレーキ液圧制御用の各種電気部品、例えば電磁弁やモータの駆動を行うための電気回路や電子制御装置が備えられた回路基板を液圧回路や各種電気部品が組み付けられたブロックに固定して一体化したブレーキ液圧制御用アクチュエータがある(例えば、特許文献1参照)。このブレーキ液圧制御用アクチュエータでは、回路基板の防水のために、回路基板および電子部品をケースにて覆った構造としている。そして、ケースの一部をブロックの外側まで延設し、このケースのうちブロックの外側まで延設された部分に回路基板と接続されたコネクタを設け、コネクタを介して回路基板と外部との電気的接続を可能としている。
【0003】
具体的には、ケースに対して各種電気部品が配置される開口部とコネクタが配置される開口部を設け、各種電気部品が配置される開口部側をブロックに固定し、コネクタが配置される開口部を通じてコネクタを外部と電気的に接続できるようにしている。
【0004】
回路基板と電気部品、例えば電磁弁との電気的な接続は、電磁弁から引き出されたターミナルを回路基板に形成したスルーホール内に圧入することで、プレスフィットにより行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−158228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、回路基板と電気部品との電気的接続をプレスフィットによって行っているが、電気部品から引き出されたターミナルを回路基板のスルーホール内に嵌め込むときに、回路基板が撓んでプレスフィットを的確に行えないことがある。これにより、回路基板と電気部品との接続不良が生じるなどの問題が発生する。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、回路基板と電気部品との電気的接続をより良好に行えるようにしたブレーキ液圧制御用アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ブレーキ配管が形成されたブロック(2)と、ブロックにおける一面(2a)に備えられ、ターミナル(3b)が引き出された電気部品(3)と、電気部品から引き出されたターミナルとプレスフィットによって電気的に接続されるスルーホール(5b)を含む電気部品を駆動するための電気回路が形成され、ケースの一面に対して対向配置された回路基板(5)と、回路基板を収容しつつ、電気部品が配置される開口部(6a)を有すると共に、ブロックにおける一面と対向する一面(6c)を有するケース(6)とを備え、ケースをブロックに固定することで一体化したブレーキ液圧制御用アクチュエータであって、回路基板側に突き出すと共に回路基板のうちスルーホールの周囲と当接させられるステー(7a)が形成され、ケースの一面に配置された基板受け部材(7)を有し、ステーによって回路基板が支持された状態でターミナルがスルーホールにプレスフィットによって電気的に接続されていることを特徴としている。
【0009】
このように、ケースの内側に基板受け部材を配置し、回路基板が基板受け部材に形成したステーに当接するようにしている。このため、電気部品のターミナルをスルーホールにプレスフィットで電気的に接続する際に、回路基板が複数のステーによって支持されて撓み難くなる。これにより、ターミナルがスルーホール内に的確に嵌り込むようにでき、回路基板と電磁弁との電気的接続をより良好に行うことが可能となる。
【0010】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態にかかるブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の全体構成を示した一部断面側面図である。
図2(a)】図1に示すブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の製造工程中の様子を示した図である。
図2(b)】図2(a)に続くブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の製造工程中の様子を示した図である。
図2(c)】図2(b)に続くブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の製造工程中の様子を示した図である。
図3図1に示すブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の分解斜視図である。
図4】他の実施形態で説明する回路基板5を蓋部6gと一体化する場合におけるブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の製造工程中の様子を示した図である。
図5】他の実施形態で説明する回路基板5およびコネクタ10を蓋部6gと一体化する場合におけるブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の製造工程中の様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0013】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態が適用されたブレーキ液圧制御用アクチュエータについて説明する。このブレーキ液圧制御用アクチュエータは、車両用ブレーキ装置におけるマスタシリンダとホイールシリンダとの間に備えられることで、ホイールシリンダに印加されるブレーキ液圧を制御するものとして用いられる。
【0014】
図1に示されるように、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ1は、ブロック2、電磁弁3やモータ4などのブレーキ液圧制御用の各種電気部品、回路基板5、ケース6、基板受け部材7および保持部材8などを有した構成とされている。
【0015】
ブロック2は、ブレーキ液圧制御を行うためのブレーキ配管(図示せず)が形成されたものである。本実施形態の場合、ブロック2は、少なくとも電磁弁3などが固定される一面2aと、一面2aと対向する面であってモータ4が固定された一面2bとを有した長方体状とされており、例えば金属製(例えばアルミニウム製)とされている。
【0016】
電磁弁3は、ブロック2の一面に複数個並べられて固定されている。電磁弁3のうちコイルユニット3a以外の部分がブロック2の一面2aに形成された凹部2g内に嵌め込まれ、この状態で例えばブロック2の一部をかしめることによって電磁弁3がブロック2に固定されている。コイルユニット3aはブロック2の外側に配置されている。コイルユニット3aからは、内蔵されたソレノイドコイルと電気的に接続されたターミナル3bが引き出されており、このターミナル3bが回路基板5に電気的に接続されることで、ソレノイドコイルへの通電が可能とされている。
【0017】
また、コイルユニット3aは、電磁弁3の残り部分から脱着可能に構成されている。このため、コイルユニット3aのみを回路基板5に先に接続してから、ブロック2に固定しておいた残りの部分をコイルユニット3aと一体化できるようになっている。
【0018】
モータ4は、ブロック2の一面2bに固定されている。ブロック2にはポンプ9が内蔵されており、モータ4を駆動することでポンプ9によるブレーキ液の吸入吐出動作を行わせ、ブレーキ液圧制御を可能としている。モータ4の配線については図示していないが、例えばブロック2の一面2aと一面2bとの間を貫通させた貫通孔などに挿通され、ブロック2のうちモータ4が配置された一面2bと反対側の一面2aまで引き出されることで回路基板5に電気的に接続されている。モータ4の配線と回路基板5との電気的接続は、はんだ付けもしくはプレスフィットのいずれで行われていても良い。
【0019】
なお、ブロック2には、電磁弁3やモータ4に加えて、図示しないが、マスタシリンダの圧力を検出する圧力センサなども組み付けられている。これらのうち電磁弁3や圧力センサなどがケース6に覆われる電気部品となる。
【0020】
回路基板5は、電磁弁3やモータ4などの電気部品の駆動を行うための電気回路が備えられたものである。また、回路基板5は、図1の紙面下方向(ブロック2の一面2a、2bに対する法線方向)から見てブロック2よりも外側まで延設されており、その外側において回路基板5に複数のターミナル10aを備えたコネクタ10が固定されている。コネクタ10に備えられた複数のターミナル10aは、それぞれ回路基板5に備えられたスルーホール5aを通じて電気回路に電気的に接続されており、このコネクタ10を通じて外部との電気的接続や情報の授受が可能となっている。また、電磁弁3に備えられたターミナル3bなども、回路基板5に形成されたスルーホール5bにプレスフィットによって嵌め込まれており、スルーホール5bを通じて電気回路に電気的に接続されている。
【0021】
なお、図1には示していないが、回路基板5には電気部品の駆動を制御する電子制御装置(以下、ブレーキECUという)が実装されている。このため、コネクタ10を通じて外部から入力される各種信号やブロック2に組み付けられた圧力センサなどの検出信号に基づいて、ブレーキECUが各種電子部品を制御することで、ブレーキ液圧制御が行われるようになっている。
【0022】
ケース6は、一面側にブロック2と対応する開口部6aとコネクタ10と対応する開口部6bが設けられた部材であり、回路基板5を収容した状態でブロック2に固定されることでブロック2の一面2aに固定された各種電子部品を覆って防水する。
【0023】
具体的には、開口部6aはブロック2の一面2aと対応する形状、例えば四角形状に開口させられている。この開口部6a内にブロック2の一面2aに固定された各種電子部品が配置されるようにして、ケース6がブロック2に固定されている。例えば、図示していないが、開口部6aの四隅などにおいて、ケース6にネジ締め穴を形成しておき、ブロック2の一面2aの四隅に形成された雌ネジ穴にネジ締めを行うことで、ブロック2に対してケース6が固定されている。
【0024】
また、開口部6bは、図1の紙面下方から見てブロック2よりも外側に位置しており、ブロック2の外側においてコネクタ10を露出させている。この開口部6aを通じてコネクタ10と外部との電気的接続が行えるようになっている。
【0025】
ケース6には、ブロック2の一面2aと対向する一面6cが備えられており、この一面6cに対して回路基板5が対向配置、好ましくは平行に配置されている。そして、一面6cに沿って、ケース6の内側に基板受け部材7が配置されており、回路基板5は、後述するように、基板受け部材7から一面6cと反対側に突き出すように備えられた複数のステー7aに支持されている。これにより、回路基板5がケース6の一面6cに対して所定の間隔で支持され、ステー7aの位置においては回路基板5が撓み難い構造となっている。
【0026】
また、ケース6内における一面6c側の外周部には、一面6cから回路基板5側に突出させた支持部6dが形成されている。支持部6dは、複数のステー7aと同じ高さの位置、つまり回路基板5に当接する位置まで形成されており、回路基板5を外周において支持している。これにより、回路基板5は、一面6cより支持部6dおよび複数のステー7aの高さだけ離れた位置で保持された状態となっている。なお、ここでは支持部6dをケース6内における一面6c側の外周部の1周全周に設けたものとしているが、外周部の複数箇所に分けて設けていても良い。
【0027】
また、ケース6のうち一面6cの外縁からブロック2側に向かう壁面、本実施形態の場合、ブロック2の一面2aの法線方向と平行な側面6eには、回路基板5の平面方向と対応する部分が開口した挿入口6fが形成されている。具体的には、側面6eのうちコネクタ10側の面に対して挿入口6fが形成されている。挿入口6fは、回路基板5を一端側から挿入可能な寸法とされており、この挿入口6fから回路基板5が挿入されることで、回路基板5がケース6内に収容されている。
【0028】
そして、この挿入口6fを塞ぐように、蓋部6gが配置されている。蓋部6gは、その外周にシール材などが配置された状態で挿入口6f内に嵌め込まれており、蓋部6gと挿入口6fの内壁面との間の液密が確保されている。蓋部6gについては、挿入口6fに溶接にて固定しても良いが、蓋部6gの寸法は比較的小さいため、例えば蓋部6gを挿入口6fに圧入することで容易に固定することができる。
【0029】
なお、ケース6には、各開口部6a、6bとの間において隔壁6hが存在しているため、開口部6aからは回路基板5をケース6内に挿入しようとしても、隔壁6hと接触することから、挿入口6fを通じて回路基板5をケース6内に挿入するのが好ましい。
【0030】
このように構成されるケース6は、例えば樹脂製とすることができるが、回路基板5に形成された電気回路とケース6との絶縁が図れるのであれば、金属製としても良い。例えば、回路基板5の支持部6dと接触させられる部分については電気回路の配線パターンを避けるように配置するなどにより、ケース6と電気回路との間を絶縁できる。そして、ケース6を金属製とする場合、樹脂製とする場合と比較して熱伝導性が良好になるため、回路基板5に実装されたブレーキECUや電磁弁3などの各種電子部品で発した熱をケース6より放出させ易くなる。このため、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の放熱性を高めることが可能となる。
【0031】
基板受け部材7は、ケース6の一面6cに沿って配置された板状部材によって構成されており、例えば樹脂などの絶縁材料によって構成されている。基板受け部材7は、支持部6dの内側に配置されることで位置決めがなされている。この基板受け部材7における一面6cとは反対側の面に、回路基板5側に突出させられた複数のステー7aが形成されている。複数のステー7aは、回路基板5のうち電磁弁3のターミナル3bなどが嵌め込まれるスルーホール5bと対応する位置に配置されている。例えば、電磁弁3が8つ備えられる所謂8sol型のブレーキ液圧制御用アクチュエータとされる場合には、図3に示すように8つの電磁弁3それぞれに対応した8ヶ所にステー7aが備えられている。このため、ターミナル3bをプレスフィットにて接続する際に、回路基板5が複数のステー7aによって支持されることになって、回路基板5が撓み難くなることで、ターミナル3bがスルーホール5bに確実に嵌り込み、これらの間の接続不良を抑制できる。
【0032】
複数のステー7aは、筒状や棒状など任意の形状で良く、本実施形態の場合、円筒状とされることで各電磁弁3のターミナル3bを挟んだ両側においてステー7aによって回路基板5を支持できるようにしている。
【0033】
なお、本実施形態の場合、基板受け部材7を一面6cのほぼ全域、つまり隔壁6hを跨ぐように配置しているが、開口部6aと対応する部分にのみ配置するようにしても良い。その場合、支持部6dを開口部6aと対応する位置、つまり隔壁6hと対向する位置に形成することで、基板受け部材7が支持部6dによって位置決めされるようにできる。
【0034】
保持部材8は、ケース6の開口部6aを通じて回路基板5を一面6c側に押し付けることで回路基板5を支持部6dおよび複数のステー7aの先端位置に保持する役割を果たす。保持部材8は、ネジなどを用いてケース6に締結されていても良いが、本実施形態の場合、開口部6a内に圧入されることで、ケース6のうち開口部6aを構成する壁面に固定されている。このような構成とすることで、ネジなどを無くして部品点数削減が図れるようにしている。
【0035】
保持部材8のうち支持部6dと対応する位置には、回路基板5側に突出させられた支持部8aが備えられており、両支持部6d、8aによって回路基板5が挟持されることで、回路基板5を上記位置に保持している。
【0036】
また、保持部材8のうち電磁弁3のターミナル3bと対応する位置には開口部8bが形成されており、各開口部8bを通じてターミナル3bが保持部材8よりもブロック2側より回路基板5側に引き出されている。また、保持部材8のうち開口部8bの周囲の任意の場所に、電磁弁3側に突き出した弾性支持部8cが備えられている。例えば、弾性支持部8cは、保持部材8のうちの板状部分を部分的に穴あけ加工すると共に、穴内の一部に板状部分を残し、その残した部分を支持部8aと反対側に折り曲げることで形成されている。この弾性支持部8cが電磁弁3における回路基板5側の先端面に当接し、弾性力によって電磁弁3をブロック2側に押し付けることで、電磁弁3の振動を抑制している。これにより、電磁弁3の振動に起因してターミナル3bがスルーホール5bから離れてしまうことを抑制でき、さらに接続不良が発生することを抑制することが可能となる。
【0037】
続いて、本実施形態にかかるブレーキ液圧制御用アクチュエータ1の製造方法について、図2および図3を参照して説明する。
【0038】
図2(a)および図3に示すように、まず挿入口6fを蓋部6gで塞いでいない状態のケース6を用意し、開口部6aもしくは挿入口6fより基板受け部材7を挿入し、ケース6の一面6c側に当接させたのち、挿入口6fより回路基板5を挿入する。なお、ここでは基板受け部材7を一面6cのほぼ全域、つまり隔壁6hを跨ぐように配置する場合には、挿入口6fより基板受け部材7を挿入するのが好ましいが、開口部6aより基板受け部材7を挿入しても良い。特に、基板受け部材7を開口部6aと対応する部分にのみ配置する場合には、開口部6aより基板受け部材7を一面6cに配置すればよい。
【0039】
そして、図2(b)および図3に示すように、開口部6aより保持部材8を圧入し、支持部8aにて回路基板5をケース6の支持部6d側に押し付ける。これにより、回路基板5が両支持部6d、8aによって挟持される。
【0040】
この後、挿入口6fを蓋部6gで蓋閉めする。このとき、上記したように、蓋部6gの外周にシール材を配置した状態で蓋部6gを挿入口6fに圧入固定すれば、振動溶接などの設備を必要とすることがない容易な固定が可能となる。また、蓋部6gの寸法が比較的小さいため、回路基板5と対応する一面6cを他の部分と別体で構成しつつ、回路基板5を収容してから一面6cを構成する部分を他の部分と一体化する場合のように、広範囲においてシールする必要がない。このため、均等なシールが容易に行える。
【0041】
次に、開口部6aよりコイルユニット3aを挿入すると共にターミナル3bをスルーホール5bに嵌め込む。これにより、プレスフィットによってスルーホール5b内の金属メッキとターミナル3bとの物理的な接続および電気的な接続が行われる。同様に、開口部6bよりコネクタ10を挿入し、コネクタ10に備えられたターミナル10aについても、回路基板5に形成された電気回路に電気的に接続する。ターミナル10aと回路基板5に形成された電気回路との電気的接続についても、ターミナル3bと同様に、スルーホール5a内にターミナル10aを嵌め込むことで、プレスフィットによって行うことことができる。
【0042】
続いて、図2(c)および図3に示すように、電磁弁3のうちのコイルユニット3a以外の部分やモータ4を組み付けたブロック2を用意し、開口部6aを塞ぐようにブロック2を配置する。そして、例えば、図示していないが、開口部6aの四隅などにおいて、ケース6に形成しておいたネジ締め穴を通じて、ブロック2の一面2aの四隅に形成された雌ネジ穴にネジ締めを行うことで、ブロック2に対してケース6を固定する。これにより、図1に示したブレーキ液圧制御用アクチュエータ1が完成する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のブレーキ液圧制御用アクチュエータ1では、ケース6の内側に基板受け部材7を配置し、回路基板5が基板受け部材7に形成した複数のステー7aに当接するようにしている。このため、電磁弁3のターミナル3bをスルーホール5bにプレスフィットで電気的に接続する際に、回路基板5が複数のステー7aによって支持されて撓み難くなる。これにより、ターミナル3bがスルーホール5b内に的確に嵌り込むようにでき、回路基板5と電磁弁3との電気的接続をより良好に行うことが可能となる。
【0044】
また、回路基板5を挟んでケース6の一面6cと反対側に保持部材8を配置し、ケース6と保持部材8に設けた両支持部6d、8aによって回路基板5が挟持されるようにしている。このため、回路基板5を支持部6dおよび複数のステー7aの先端位置に保持することが可能となり、回路基板5の位置決め固定を行うことが可能となる。
【0045】
さらに、保持部材8に弾性支持部8cを備え、弾性支持部8cの弾性力によって電磁弁3をブロック2側に押付けられるようにしている。これにより、電磁弁3の振動に起因してターミナル3bがスルーホール5bから離れてしまうことを抑制でき、さらに接続不良が発生することを抑制することが可能となる。
【0046】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0047】
例えば、上記第1実施形態では、回路基板5と蓋部6gとを別体とした構造としているが、図4に示すように、回路基板5の一端に蓋部6gを固定して一体化し、回路基板5と共に蓋部6gを挿入口6fに挿入する構造としても良い。さらに、図5に示すように、回路基板5の一端に蓋部6gを固定して一体化しつつ、回路基板5にコネクタ10を接続し、回路基板5およびコネクタ10と共に蓋部6gを挿入口6fに挿入する構造としても良い。
【0048】
例えば、上記各実施形態では、ネジ締めによってケース6をブロック2に固定しているが、他の方法によってケース6をブロック2に固定しても良い。例えば、ケース6のうち開口部6aの周囲においてブロック2をかしめたり、ケース6をブロック2と同じ金属製とし、ケース6とブロック2との接触部位を溶接することによって固定しても良い。ケース6をアルミダイカストなどによって構成する場合、特にブロック2とケース6とのかしめ固定を容易に行うことができる。
【0049】
また、上記各実施形態では、ポンプ9をトロコイドポンプなどの回転式ポンプとする構成を想定した図としているが、プランジャポンプなどであっても構わない。
【0050】
さらに、上記実施形態では、側面6eのうちコネクタ10側の面に対して挿入口6fを形成したが、他の面、例えばコネクタ10側の面と反対側の面やこれら両面に対して垂直な面に挿入口6fが形成されていても良い。
【符号の説明】
【0051】
1…ブレーキ液圧制御用アクチュエータ、2…ブロック、2a、2b…一面、3…電磁弁、3a…コイルユニット、3b…ターミナル、4…モータ、5…回路基板、5a、5b…スルーホール、6…ケース、6a、6b…開口部、6c…一面、6d…支持部、6e…側面、6f…挿入口、6g…蓋部、7…基板受け部材、7a…ステー、8…保持部材、8a…支持部、8b…開口部、8c…弾性支持部、9…ポンプ、10…コネクタ、10a…ターミナル
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3
図4
図5