【解決手段】 台紙4と、台紙4に接着された筒状のシュリンクフィルム5と、熱収縮したュリンクフィルムに保持された物品3と、を有し、熱収縮したシュリンクフィルム5が、第1筒状領域51とそれより大きく熱収縮した第2筒状領域52とを含み、第1筒状領域51が接着部6を介して台紙4に接着され、第2筒状領域52が台紙4に非接着とされ、第1筒状領域51に接着部6の両側縁6a,6bに対応して軸方向に一対の縦ミシン目線71,72が形成され、第2筒状領域52に一対の補助ミシン目線81,82が形成され、シュリンクフィルム5には、縦ミシン目線71,72の端部と補助ミシン目線81,82の端部の間に切込み線91,92が形成されている。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の第1実施形態に示すように、台紙と、前記台紙に接着された筒状のシュリンクフィルムと、前記台紙とシュリンクフィルムの間に介在して両者を接着する上下方向に延びる接着部と、前記接着部の両側縁に対応してシュリンクフィルムに設けられた、上下方向に延びる一対の縦ミシン目線と、を有するシュリンクフィルム付き台紙が知られている。
このシュリンクフィルム付き台紙の筒状のシュリンクフィルムに容器を挿入し、シュリンクフィルムを熱収縮させることにより、包装体が得られる。この包装体について、シュリンクフィルムと共に容器を台紙から引っ張ると、一対の縦ミシン目線に沿って切れ線が生じ、シュリンクフィルムの全体が、接着部にて台紙に接着され且つフィルムの上縁から下縁に亘る帯状部分とそれ以外の部分に分断されるので、容器を台紙から容易に取り外すことができる。
【0003】
また、特許文献1の第3実施形態には、接着部がシュリンクフィルムの上縁よりもかなり下方に配置され、その接着部の上縁に対応するシュリンクフィルムの面内に周方向に延びる横ミシン目線が周設され、そのシュリンクフィルムの熱収縮により、胴部及び縮径部を有する容器が保持された包装体が開示されている。この包装体は、シュリンクフィルムの上方領域が容器の小径胴部(前記縮径部)に密着し、且つシュリンクフィルムの下方領域が容器の小径胴部よりも大径な大径胴部(前記胴部)に密着していると共に、その下方領域が帯状の接着部を介して台紙に接着され且つ上方領域が台紙に対して非接着とされている。
この小径胴部に密着したシュリンクフィルムの上方領域は、大径胴部に密着したシュリンクフィルムの下方領域よりも大きく熱収縮している(つまり、上方領域は、下方領域よりも熱収縮率が大きい)。
この包装体について、シュリンクフィルムと共に容器を引っ張ると、一対の縦ミシン目線及び前記一対の縦ミシン目線の間の横ミシン目線に沿って切れ線が生じ、シュリンクフィルムの下方領域が、接着部にて台紙に接着された帯状部分とそれ以外の部分に分断されるので、シュリンクフィルムの上方領域が小径胴部に密着したままで、容器を台紙から取り外すことができる。その後、前記容器に密着した上方領域を分断し、それを容器から除去することにより、容器を使用できる。
【0004】
上記特許文献1の包装体は、台紙から容器を取り外した後、上方領域が容器に密着しているので、その上方領域を分断して容器から除去しなければならず、台紙に対する容器の取り外し動作と、その後に上方領域を分断除去する動作の2つの動作が必要である。
しかしながら、このような2つの動作を行うことは面倒であるため、特許文献1の第1実施形態の包装体のように、台紙から容器を取り外すと同時に、シュリンクフィルムを帯状部分とそれ以外の部分に分断して、容器に対するシュリンクフィルムの密着を解除できることが望ましい場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、用語の始めに、「第1」及び「第2」を付す場合があるが、これらは、用語を区別するために付加されたものであり、その順序や優劣などを意味しない。シュリンクフィルムの軸方向は、筒状のシュリンクフィルムの中心を通る直線(軸芯)の方向であり、物品の軸方向は、物品がシュリンクフィルム内に保持された状態を基準にして、そのシュリンクフィルムの軸方向と同じ方向である。「表面」は、
図1に示す正面(台紙の面を直視する方向)から見たときに、見る者に近い側にある面を指し、「裏面」は、その反対側の面を指す。方向性を示す用語として、上及び下を使用するが、これらは、包装体を吊り下げた状態又は台紙の任意の一辺を水平面上に置いた状態を仮想して、その台紙の表面に対して鉛直方向から見たときの方向を指す。前記台紙の任意の一辺を水平面上に置いた状態は、例えば、台紙の下縁を水平面上に置いて台紙を立てた状態である。なお、各図は、吊り下げ用の孔を利用して包装体又はシュリンクフィルム付き台紙を吊り下げた状態を仮想して表している。また、「PPP〜QQQ」という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。さらに、本発明において、台紙という用語は、それが紙製であるという限定的な意味を有するわけではない。
なお、各図の具体的な寸法及び縮尺比は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0014】
図1乃至
図5において、本発明の包装体1は、台紙4と筒状のシュリンクフィルム5とを有するシュリンクフィルム付き台紙2と、物品3と、を有する。前記物品3は、加熱して収縮されたシュリンクフィルム5内に保持されている。前記熱収縮したシュリンクフィルム5は、第1筒状領域51と、前記第1筒状領域51よりも大きく熱収縮した第2筒状領域52とを含んでいる。この第1筒状領域51が接着部6を介して前記台紙4に接着され、且つ、第2筒状領域52が前記台紙4に非接着とされている。前記第1筒状領域51には、接着部6の両側縁又はその外側近傍に対応して、シュリンクフィルム5の軸方向に延設された一対の縦ミシン目線71,72が形成されている。また、前記第2筒状領域52には、シュリンクフィルム5の軸方向に延設された一対の補助ミシン目線81,82が形成されている。この一対の補助ミシン目線81,82の間隔が、前記一対の縦ミシン目線71,72の間隔よりも小さい。また、前記シュリンクフィルム5には、前記縦ミシン目線71,72の端部と補助ミシン目線81,82の端部の間に切込み線91,92が形成されている。
以下、シュリンクフィルム付き台紙2及び物品3について先に説明した後、本発明の包装体1の詳細を説明する。
【0015】
[シュリンクフィルム付き台紙]
図6乃至
図9において、シュリンクフィルム付き台紙2は、台紙4と、筒状のシュリンクフィルム5と、前記台紙4とシュリンクフィルム5を接着する接着部6と、を有する。
前記筒状のシュリンクフィルム5の内側に物品3を挿入し、シュリンクフィルム5を熱収縮させることにより、物品3がシュリンクフィルム5に保持され、シュリンクフィルム5を介して物品3が台紙4に取り付けられる。シュリンクフィルム5は、筒状であるが、物品3を保持する前には、通常、
図6乃至
図9のように扁平状に畳まれている。
【0016】
台紙4を形成するシート材は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。シート材としては、例えば、厚紙(薄い合成樹脂製フィルムが積層された厚紙を含む)、合成樹脂製シート、金属蒸着層を有する合成樹脂製シート、発泡樹脂シート、及びこれらの積層シートなどが挙げられる。比較的安価であることから、前記厚紙又は合成樹脂製シートを用いることが好ましい。前記合成樹脂製シートとしては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系などのシートが挙げられ、適度な剛性を有することから、ポリプロピレン製シートが好ましい。また、台紙4は、複数枚のシート材を剥離可能に積層してなる積層シート、1枚のシート材を複数回折り返して重ね合わせた積層シートなどであってもよい。このような積層シートを用いることにより、表示面積が大きい台紙4を構成できる。
シート材の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm〜1.5mm程度である。厚紙の場合には、0.5mm〜1.5mm程度であり、合成樹脂製シートの場合には、0.2mm〜0.6mm程度である。また、台紙4の表面又は/及び裏面には、必要に応じて、所望のデザイン印刷が施されていてもよい。
【0017】
台紙4の平面視形状は、
図6に示すように、平面視略矩形状に形成されているが、これに限定されない。例えば、台紙4は、平面視略三角形状、平面視略楕円形状などに形成されていてもよい(図示せず)。また、台紙4に、例えば、包装体1に自立性を付与するため、脚片等が形成されていてもよい(図示せず)。また、台紙4の上方部には、吊り下げ用の孔49が形成されている。もっとも、前記吊り下げ用の孔が形成されていなくてもよい。
【0018】
筒状のシュリンクフィルム5を構成するために用いられる熱収縮性フィルムは、柔軟性を有し、さらに、少なくとも一方向(一方向は、筒状に形成された際に周方向となる)に熱収縮性を有するフィルムであれば特に限定されず、従来公知のフィルムを用いることができる。熱収縮性フィルムは、樹脂成分を含む形成材料を成膜し、それを少なくとも一方向に延伸した後、所要温度で熱エージングすることによって得られる。
なお、前記熱収縮性は、所要温度(例えば、70℃〜100℃)に加熱されると収縮する性質をいう。前記熱収縮性フィルムとして、他方向にも若干熱収縮又は熱伸張するフィルムを用いてもよい。前記他方向は、フィルム面内で前記一方向に直交する方向である。
【0019】
前記フィルムの形成材料は、特に限定されず、例えば、ポリ乳酸などの生分解性樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などを主成分として含む樹脂組成物が挙げられる。中でも、生分解性樹脂フィルム又はポリエステル系樹脂フィルムを含むシュリンクフィルムは、熱収縮方向(筒状のシュリンクフィルム5とした場合の周方向)に裂けやすい性質を有し、JIS K 7128−1に準じて測定される引裂伝播強度が、通常、1.0N/mm〜5.0N/mmである。本発明によれば、このような熱収縮方向に裂けやすい性質(換言すると、軸方向に裂けにくい性質)を有するシュリンクフィルムを用いた場合でも、開封時に、そのシュリンクフィルムの物品に対する密着を解除できる。特に、ポリ乳酸系フィルムは、熱収縮方向への引裂伝播強度が小さいフィルムであり(ポリ乳酸系フィルムの前記引裂伝播強度は、一般に、2.5N/mm以下である)、従来では、このフィルムを含むシュリンクフィルム5は、台紙4に対して非接着とされた領域において軸方向に切れ線が極めて生じ難い。本発明の包装体1によれば、ポリ乳酸系フィルムを含むシュリンクフィルム5を用いても、台紙4から物品3を取り外すと同時に、物品3に対するシュリンクフィルム5の密着を解除できる。
また、前記熱収縮性フィルムは、単層でもよいし、2層以上の積層体でもよい。熱収縮性フィルムが生分解性樹脂フィルム又はポリエステル系樹脂フィルムを含み且つ積層体である場合、そのうちの少なくとも1つの層が生分解性樹脂フィルム又はポリエステル系樹脂フィルムである。
【0020】
前記ポリ乳酸系フィルムは、ポリ乳酸系樹脂を主成分として含み、必要に応じて他の樹脂を含むものである。前記ポリ乳酸系樹脂は、乳酸(D−乳酸、L−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物)を単量体成分として含む重合体を意味し、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸又はラクトン類との共重合体も含まれる。前記他のヒドロキシカルボン酸として、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが例示される。ポリ乳酸系樹脂中に占める乳酸の割合は、一般に50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であり、特に95モル%以上(例えば100モル%)が好ましい。ポリ乳酸系樹脂は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との比率が異なるポリ乳酸系樹脂を2種以上組み合わせて用いることができる。ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常5万〜100万、好ましくは8万〜40万程度である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性が劣り、分子量が大きすぎると成形加工性が低下する。
【0021】
前記ポリ乳酸系フィルムは、ポリ乳酸系樹脂を主成分として含み、ポリ乳酸系樹脂以外の樹脂成分を少量含んでいてもよい。ポリ乳酸系樹脂以外の樹脂として、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族ポリエステルエーテル、脂肪族ポリエステルカーボネートなどの生分解性樹脂などが挙げられる。ポリ乳酸系樹脂以外の樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
前記ポリ乳酸系フィルム中に占めるポリ乳酸系樹脂の割合は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは65重量%以上である。その上限は、100重量%以下であり、好ましくは90重量%以下である。
なお、ポリ乳酸系フィルムには、必要に応じて、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
【0022】
前記熱収縮性フィルムは、不透明のフィルムでもよいが、筒状のシュリンクフィルム5にデザイン印刷を施した場合、それが綺麗に見えるので、無色透明又は有色透明のフィルムを用いることが好ましい。
また、熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば、15μm〜100μmである。
【0023】
シュリンクフィルム5は、前記熱収縮性フィルムの一方向が周方向となるようにそのフィルムを丸め、その一側縁5aを含む一側端部を他側縁5bを含む他側端部に重ね合わせ、その重ね合わせた両側端部を溶剤又は接着剤で互いに接着することにより、筒状に形成されている。前記重ね合わせて接着した部分5cは、一般に、センターシール部と呼ばれ、以下、その部分5cをセンターシール部という。
前記筒状のシュリンクフィルム5の大きさは、物品3に応じて適宜設定できる。物品3を挿入するために、筒状のシュリンクフィルム5の内周長さは、物品3の大径胴部の最大外周長よりも少し大きい。筒状のシュリンクフィルム5の軸方向の長さは、物品3の軸方向の長さと同じ又はそれよりも小さく若しくは大きくてもよい。
軸方向の長さが物品3よりも大きい筒状のシュリンクフィルム5を用いた場合には、それに物品3を挿入し加熱することにより、そのシュリンクフィルム5の上方部53及び下方部54が、物品3の端面周縁部に回り込んで密着する、又は、そのシュリンクフィルム5の上方部53が物品3の端面周縁部に回り込んで密着する、又は、そのシュリンクフィルム5の下方部54が物品3の端面周縁部に回り込んで密着するようになる。
図示例では、軸方向の長さが物品3の軸方向の長さよりも大きいシュリンクフィルム5が用いられている。このシュリンクフィルム5は、接着部6を介して台紙4の表面に取り付けられている。シュリンクフィルム5は、その下縁が台紙4の下縁と略一致するように配置されている。また、シュリンクフィルム5は、
図8に示すように、そのセンターシール部5cを接着部6に対面させて接着されている。このようにシュリンクフィルム5のセンターシール部5cを含む帯状部分を接着部6に接着することにより、センターシール部5cが物品3の正面から隠されるので、外見上好ましい包装体1を構成できる。もっとも、センターシール部5cが接着部6に重ならないようにして、シュリンクフィルム5を接着部6に接着してもよい。例えば、センターシール部5cが、縦ミシン目線71と接着部6の一方側の側縁6aの間、又は、縦ミシン目線72と接着部6の一方側の側縁6bの間に位置するように、シュリンクフィルム5を接着部6に接着してもよい。
シュリンクフィルム5は、その軸方向を上下方向と平行にして台紙4に接着されている。もっとも、軸方向が上下方向と鋭角に傾斜するように、シュリンクフィルム5が台紙4に接着されていてもよい。
【0024】
前記接着部6は、台紙4とシュリンクフィルム5を連結する層であって、接着剤又は粘着剤から構成されている。前記接着剤又は粘着剤としては、台紙4及びシュリンクフィルム5をそれぞれ強固に接着できるものであれば特に限定されない。前記接着剤又は粘着剤としては、例えば、水系接着剤、溶剤型接着剤、感熱性接着剤、感圧型粘着剤などを用いることができる。前記水系接着剤は、樹脂成分が水に溶解又は分散された流動性を有する接着剤であって、乾燥により固化する接着剤である。前記溶剤型接着剤は、樹脂成分が溶剤に溶解された流動性を有する接着剤であって、揮発によって固化する接着剤である。前記感熱性接着剤は、常温で粘着性を示さず且つ加熱によって粘着性を生じ、冷却により固化する接着剤である。前記感圧型粘着剤は、常温で粘着性を示し且つその粘着性が長期間持続する粘着剤である。特に、台紙4を形成するシート材が厚紙の場合には、紙への接着性の観点から、湿気反応型ホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
【0025】
接着部6は、台紙4の表面であって、シュリンクフィルム5の軸方向に延びる所定幅の帯状部分に設けられている。接着部6は、
図7乃至
図9に示すように、シュリンクフィルム5のうち第1筒状領域51に対応して設けられている。他方、(第2筒状領域52に対応する接着部は設けられておらず)シュリンクフィルム5のうち第2筒状領域52は、台紙4に対して非接着である。従って、第2筒状領域52は、シュリンクフィルム5を加熱した際に、台紙4から離反し得る。前記第1筒状領域51は、シュリンクフィルム5を加熱した際に物品3の大径胴部に密着する領域であり、前記第2筒状領域52は、物品3の小径胴部に密着する領域である。なお、本明細書で「密着」とは、全く隙間無く接している状態及び僅かな隙間を有して接している状態、並びに、少しの部分で比較的大きな隙間を有するがその他の大部分が隙間無く接している又は僅かな隙間を有して接している状態を含む。
例えば、接着部6は、台紙4の幅方向略中央部に設けられ、接着部6の下縁及び上縁は、台紙4の下縁及び上縁から離れている。また、接着部6は、図に示すように、シュリンクフィルム5の下縁及び上縁から離れて設けられている。
軸方向に帯状に延びる接着部6は、軸方向に延びる2つの側縁6a,6bを有する。本明細書において、接着部6の一方側の側縁6aを「第1側縁」といい、他方側の側縁6bを「第2側縁」といい、両者を併せて「両側縁」という。
接着部6の幅(この幅は、第1側縁6aと第2側縁6bの間の長さである)は、特に限定されない。前記幅が、余りに小さいと、シュリンクフィルム5に物品3を保持させた際に、物品3の重さなどに耐えられず、シュリンクフィルム5が台紙4から外れるおそれがある。このため、前記接着部6の幅は、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。一方、接着部6の幅が余りに大きいと、扁平状に畳んだシュリンクフィルム5を円筒状に開くことが困難となる。このため、前記接着部6の幅は、15mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましい。ただし、前記接着部6の幅は、直径1cm〜7cm程度の円筒状の大径胴部を有する物品又は前記円筒状の大径胴部と同程度の外周長を有する円筒状でない物品をシュリンクフィルムに保持する場合である。このような物品以外の物品(例えば、非常に大きな物品)を取り付ける場合には、接着部6の幅が前記範囲以外でも、支障を来たさない場合もある。
【0026】
筒状のシュリンクフィルム5の第1筒状領域51には、軸方向に延設された縦ミシン目線71,72が少なくとも2本形成されている。この一対の縦ミシン目線71,72は、接着部6の両側縁6a,6b又はその両側縁6a,6bの外側近傍に対応して設けられている。換言すると、一対の縦ミシン目線71,72の間の帯状部分に、接着部6が設けられている。なお、前記一対の縦ミシン目線71,72の間の帯状部分は、シュリンクフィルム5の周方向において2つ観念できるが、そのうち縦ミシン目線71,72の間隔が短い方の部分を指す。以下、接着部6の第1側縁6aに対応して設けられた縦ミシン目線71を「第1縦ミシン目線」といい、第2側縁6bに対応して設けられた縦ミシン目線72を「第2縦ミシン目線」といい、両者を併せて「縦ミシン目線」という。
第1縦ミシン目線71及び第2縦ミシン目線72は、接着部6の第1側縁6a及び第2側縁6bに対応して又はその第1側縁6a及び第2側縁6bの外側近傍に対応して設けられている。
第1側縁6aの外側近傍又は第2側縁6bの外側近傍とは、それぞれ、接着部6の第1側縁6aの近傍又は第2側縁6bの近傍であって、接着部6に重ならない領域を意味する。
縦ミシン目線71,72を接着部6の両側縁6a,6bに対応して設けること(両側縁6a,6bに沿って設けること)は、製造上、その位置合わせが難しいことから、好ましくは、縦ミシン目線71,72は、
図7に示すように、接着部6の両側縁6a,6bの外側近傍に対応して設けられる。前記外側近傍に設けられる場合、第1縦ミシン目線71と第1側縁6aの間隔71W及び第2縦ミシン目線72と第2側縁6bの間隔72Wは、特に限定されず、適宜設定できる。もっとも、前記間隔71W,72Wが大きすぎる(縦ミシン目線71,72が両側縁6a,6bから離れすぎている)と、物品3を台紙4から取り外す際に、縦ミシン目線71,72においてシュリンクフィルム5を容易に分断できないおそれがある。かかる観点から、前記間隔71W,72Wは、それぞれ独立して、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましい。
【0027】
一対の縦ミシン目線71,72は、シュリンクフィルム5の下縁から形成されていてもよいし、下縁から離れて形成されていてもよい。図示例では、一対の縦ミシン目線71,72は、シュリンクフィルム5の下縁から離れ、それから上方に寄った位置から軸方向に延設されている。そして、前記縦ミシン目線71,72の各下端部からシュリンクフィルム5の下縁の間には、縦切り目991,992がそれぞれ形成されている。これらの縦切り目991,992は、シュリンクフィルム5を厚み方向に分断する線である。縦切り目991,992が形成されていることにより、物品3を引き出した際に、一対の縦ミシン目線71,72に沿って容易に切れ線が生じるようになる。
【0028】
また、シュリンクフィルム5の第2筒状領域52には、軸方向に延設された補助ミシン目線81,82が少なくとも2本形成されている。この一対の補助ミシン目線81,82は、好ましくは、縦ミシン目線71,72の延長上に設けられている。従って、第1縦ミシン目線71の上側に軸方向に延びる補助ミシン目線81が形成され、第2縦ミシン目線72の上側にも軸方向に延びる補助ミシン目線82が形成されており、シュリンクフィルム5の熱収縮前には、一対の補助ミシン目線81,82の間隔8PW(すなわち、一方の補助ミシン目線81と他方の補助ミシン目線82との間隔8PW)は、一対の縦ミシン目線71,72の間隔7PW(すなわち、第1縦ミシン目線71と第2縦ミシン目線72との間隔7PW)と略同じである。
【0029】
一対の補助ミシン目線81,82は、シュリンクフィルム5の上縁から形成されていてもよいし、上縁から離れて形成されていてもよい。図示例では、一対の補助ミシン目線81,82は、シュリンクフィルム5の上縁から軸方向に延設されている。
補助ミシン目線81,82と縦ミシン目線71,72は、繋がっておらず、補助ミシン目線81,82の端部と縦ミシン目線71,72の端部の間には、補助ミシン目線81,82と縦ミシン目線71,72にそれぞれ連なる切込み線91,92が形成されている。切込み線91,92は、円弧状などでもよいが、好ましくは、直線状に形成され、より好ましくは、軸方向に直線状に形成されている。従って、シュリンクフィルム5の熱収縮前には、第1縦ミシン目線71、一方の切込み線91及び一方の補助ミシン目線81は、軸方向直線上に並んでおり、第2縦ミシン目線72、他方の切込み線92及び他方の補助ミシン目線82も軸方向直線上に並んでいる。
【0030】
前記接着部6の端縁を基準にして、前記切込み線91,92の各一方端部及び各他方端部はそれぞれ接着部6の端縁を超えている。従って、切込み線91,92の一部は、接着部6の両側縁6a,6b又はその外側近傍に対応した位置に形成されている。図示例では、切込み線91,92の一方端部は、接着部6の端縁よりも下方に位置し、切込み線91,92の他方端部は、接着部6の端縁よりも上方に位置している。もっとも、切込み線91,92の一方端部が接着部6の端縁よりも少し上方に位置していてもよい。
また、別の観点では、切込み線91,92は、図示のように、第1筒状領域51と第2筒状領域52とに跨がって形成されていることが好ましい。
切込み線91,92の長さ(軸方向と平行な方向の長さ)は、ミシン目線の貫通孔よりも長ければ特に限定されず、例えば、3mm〜30mmであり、好ましくは5mm〜20mmである。
【0031】
前記縦ミシン目線71,72及び補助ミシン目線81,82は、それぞれ、シュリンクフィルム5の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が方向性を以て断続的に並んだ、貫通孔の集合である。それらの貫通孔の間には、非貫通部が存在する。前記貫通孔の平面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。前記貫通孔の軸方向長さ及び上下に隣接する貫通孔の間隔は、特に限定されない。好ましくは、1つの貫通孔の軸方向長さは、0.1mm〜2.5mmであり、上下に隣接する貫通孔の間の長さ(非貫通部の軸方向の長さに等しい)は、0.1mm〜4.0mmである。
【0032】
[物品]
物品3は、特に限定されず、従来公知のものを使用できる。物品3としては、化粧料などが収納されたスプレー式容器、キャップ付き容器、ボトル型容器などの各種容器などが挙げられる。物品3の形状は、特に限定されないが、例えば、円筒状、楕円筒状、四角筒状などの多角筒状、円錐台状、楕円錐台状などが挙げられる。
本発明の包装体において好適な物品3は、
図10に示すように、大径胴部31と、大径胴部31よりも外周長が小さく且つ大径胴部31の軸方向端部に設けられた小径胴部32と、を有するものである。前記大径胴部31及び小径胴部32を有する物品3にシュリンク5が熱収縮装着された包装体1は、それを開封する際、シュリンクフィルム5に生じる2つの切れ線が物品3の径差部分(段差)に対応する領域に至っても、それらの切れ線が繋がる又は逸れることなく縦ミシン目線71,72及び補助ミシン目線81,82に沿ってシュリンクフィルム5を分断することができる。
なお、前記のような異径胴部を有する物品3としては、代表的には、容器本体にキャップ部が設けられたキャップ付き容器が挙げられるが、もちろん、キャップ付き容器に限定されるわけではない。
キャップ付き容器の場合、キャップ部が前記小径胴部32に相当し、容器本体が前記大径胴部31に相当する。
【0033】
[包装体]
上記シュリンクフィルム付き台紙2の、扁平状に畳まれたシュリンクフィルム5を開き、物品3をシュリンクフィルム5内に挿入する。この際、物品3の大径胴部31がシュリンクフィルム5のうち接着部6にて接着された部分に対応し且つ物品3の小径胴部32が第2筒状領域52に対応するように、物品3をフィルム5内に挿入する。挿入後、所要温度の熱を加えることにより、シュリンクフィルム5が熱収縮し、シュリンクフィルム5の第1筒状領域51が物品3の大径胴部31の外周面に、第2筒状領域52が物品3の小径胴部32の外周面に、シュリンクフィルム5の下方部54が大径胴部31の端面周縁部に、シュリンクフィルム5の上方部53が小径胴部32の端面周縁部にそれぞれ密着する。なお、シュリンクフィルム5の下方部54のうち一対の縦切り目991,992の間の部分541は、収縮するが、大径胴部31の端面周縁部には回り込まずに、端面よりも下方に突出したままとなる。物品3を挿入し、シュリンクフィルム5を熱収縮させることにより、
図1乃至
図5に示すような、上述の包装体1が得られる。
【0034】
この包装体1において、シュリンクフィルム5の第1筒状領域51は、比較的小さい熱収縮率で大径胴部31に密着し、第2筒状領域52は、前記第1筒状領域51よりも大きい熱収縮率で小径胴部32に密着している。従って、第2筒状領域52は、第1筒状領域51よりも大きく熱収縮している。そして、第2筒状領域52が第1筒状領域51よりも周方向に大きく熱収縮することによって、
図2に示すように、一対の補助ミシン目線81,82の間隔8QWは、一対の縦ミシン目線71,72の間隔7QWよりも小さくなっている。さらに、熱収縮により、切込み線91,92の両側が周方向に引っ張られるので、切込み線91,92は、図示したように、補助ミシン目線81,82の端部と縦ミシン目線71,72の端部の間で拡がり、補助ミシン目線81,82と縦ミシン目線71,72の間に略紡錘状開口を生じさせる。さらに、切込み線91,92の一部は、縦ミシン目線71,72と同様に、接着部6の両側縁6a,6b又はその外側近傍の対応位置に存在する。
また、第2筒状領域52が台紙4に接着されていないので、第2筒状領域52は、台紙4から離反しつつ良好に熱収縮して小径胴部32に密着し、熱収縮した第2筒状領域52と台紙4の間に空隙Xが生じる。
【0035】
上記包装体1を開封する際、シュリンクフィルム5と共に物品3の大径胴部31を片手で持ち、他方の手で台紙4を持って、物品3と台紙4が離反するように引っ張ると、接着部6の下方の端縁に引裂き力が集中する。この引裂き力が縦ミシン目線71,72の下端部に作用することにより、一対の縦ミシン目線71,72に沿って切れ線が生じ、一対の縦ミシン目線71,72で挟まれた部分Y1が台紙4に接着されたままで、シュリンクフィルム5が縦ミシン目線71,72に略沿って下方から上方へと切れていく(
図11参照)。そして、縦ミシン目線71,72に沿って生じた切れ線が、切込み線91,92に至ると、直ちに補助ミシン目線81,82に沿って切れ線が生じ、シュリンクフィルム5の上縁まで簡単に切れていき、物品3を台紙4から完全に取り外すことができる。
なお、縦ミシン目線及び補助ミシン目線に沿って切れ線が生じるとは、切れ線が、概ね縦ミシン目線及び補助ミシン目線に沿って生じるという意味である。すなわち、切れ線が、縦ミシン目線の全ての貫通孔及び補助ミシン目線の全ての貫通孔を通過して生じる場合の他、切れ線が、一部において前記貫通孔を通過しないで、縦ミシン目線及び補助ミシン目線の形成方向に生じる場合もあることに留意されたい。
【0036】
物品3を台紙4から取り外すと、
図12に示すように、その台紙4には、シュリンクフィルム5の下縁を含み且つ一対の縦ミシン目線71,72で挟まれた部分Y1と、一対の切込み線91,92で挟まれた部分Y2と、シュリンクフィルム5の上縁を含み且つ一対の補助ミシン目線81,82で挟まれた部分Y3とが一連に繋がった帯状部分Yが接着したままとなっており、他方、物品3には、前記帯状部分Yが除去されたシュリンクフィルムの残部59が残っている。このように本発明の包装体1によれば、物品3を台紙4から取り外すと同時に、シュリンクフィルム5の上縁から下縁に至る帯状部分Yを除去でき、シュリンクフィルム5の物品3に対する密着を解除できる(この密着の解除は、シュリンクフィルムの締付け力の解除とも呼ばれる)。前記物品3に残ったシュリンクフィルムの残部59は、容易に除去できるので、本発明の包装体1は、容易に開封(台紙4から物品3の取り外し及びシュリンクフィルム5を除去)できる。
特に、本発明によれば、シュリンクフィルム5として、軸方向に比して周方向への引裂伝播強度が極めて小さい生分解性樹脂フィルム又はポリエステル系樹脂フィルムを含む熱収縮性フィルムを用いても、包装体1を容易に開封できる。
また、大径胴部31と小径胴部32の径差によって物品3に段差が存在し、その段差によって第2筒状領域52と台紙4の表面の間に空隙Xを有するが、その段差に跨がるように切込み線91,92が形成されているので、前記段差によって切れ線が逸れることを防止して、帯状部分Yを除去できる。
【0037】
本発明の包装体は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に設計変更できる。以下、本発明の変形例を説明するが、変形例の説明において、上記実施形態と同様の構成及び効果は、(その説明を行ったものとして)その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
【0038】
上記実施形態の包装体1は、シュリンクフィルム5の上方部53が物品3の端面周縁部に回り込んで密着しているが、例えば、
図13に示すように、(シュリンクフィルム5の上方部53が物品3の端面周縁部に回り込まず)物品3の上端面の全体が露出していてもよい。同様に、(シュリンクフィルム5の下方部54が物品の端面周縁部に回り込まず)物品の下端面の全体が露出していてもよい(図示せず)。
【0039】
また、上記実施形態の包装体1は、シュリンクフィルム5が1つの第1筒状領域51及び1つの第2筒状領域52からなるが、第1筒状領域51及び第2筒状領域52の少なくとも何れか一方が2つ以上含んでいてもよい。
例えば、
図14及び
図15に示す包装体1のシュリンクフィルム5は、2つの第1筒状領域511,512と、1つの第2筒状領域52と、を含む。具体的には、熱収縮したシュリンクフィルム5は、軸方向に順に、第1筒状領域511、第2筒状領域52及びもう1つの第1筒状領域512を有する。かかるシュリンクフィルム5に保持された物品3は、大径胴部311の軸方向端部に小径胴部32を有し、その小径胴部32の軸方向端部にもう1つの大径胴部312を有する。シュリンクフィルム5の2つの第1筒状領域511,512は、それぞれ接着部6を介して台紙4に接着され、且つ、第2筒状領域52は、台紙4に非接着とされているので、第2筒状領域52の外周面と台紙4の表面の間に、上記実施形態と同様に空隙Xが設けられている。
また、1つの第1筒状領域511には、接着部6の両側縁6a,6b又はその近傍に、それぞれ一対の縦ミシン目線711,721が形成され、もう1つの第1筒状領域512には、接着部6の両側縁6a,6b又はその近傍に、それぞれ一対の縦ミシン目線712,722が形成され、第2筒状領域52には、前記一対の縦ミシン目線711,721の間隔よりも小さい間隔の一対の補助ミシン目線81,82が形成されている。従って、上下の縦ミシン目線711,721,712,722の間に補助ミシン目線81,82が形成され、それらに連なってそれぞれ切込み線911,921,912,922が形成されている。従って、切込み線911,921,912,922は、軸方向において2つ形成されている。
【0040】
また、
図16に示す包装体1のシュリンクフィルム5は、2つの第1筒状領域511,512と、2つの第2筒状領域521,522と、を含む。具体的には、熱収縮したシュリンクフィルム5は、軸方向に順に、第1筒状領域511、第2筒状領域521、もう1つの第1筒状領域512、及びもう1つの第2筒状領域522を有する。かかるシュリンクフィルム5に保持された物品3は、大径胴部311の軸方向端部に小径胴部321を有し、その小径胴部321の軸方向端部にもう1つの大径胴部312を有し、その大径胴部312の軸方向端部にもう1つの小径胴部322を有する。シュリンクフィルム5の2つの第1筒状領域511,512は、それぞれ接着部6を介して台紙4に接着され、且つ、2つの第2筒状領域521,522は、台紙4に非接着とされている。また、上記と同様に、切込み線911,912,921,922は、軸方向において2つ形成されている。
図14乃至
図16に示すような、複数の第1筒状領域511などを含むシュリンクフィルム5は、縦ミシン目線と補助ミシン目線の間に切込み線が形成されているので、そのシュリンクフィルム5を有する包装体1は、上記実施形態と同様に、物品3を取り外すと同時に、シュリンクフィルム5の帯状部分Yを分断できる。
【0041】
また、上記実施形態の包装体1のシュリンクフィルム5は、一対の縦ミシン目線71,72の間の帯状部分にセンターシール部5cが配置されているが(換言すると、センターシール部5cの両側に縦ミシン目線71,72が形成されているが)、例えば、
図17に示すように、センターシール部5cが前記帯状部分以外の部分に配置されていてもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態の包装体1のシュリンクフィルム5は、補助ミシン目線81,82と縦ミシン目線71,72が繋がっておらず且つ縦ミシン目線71,72の延長線上に切込み線91,92が形成されているが、例えば、
図18に示すように、補助ミシン目線81,82と縦ミシン目線71,72の間にミシン目線77,78が形成され、そのミシン目線77,78の近傍に切込み線91,92が形成されていてもよい。この場合、切込み線91,92は、ミシン目線77,78の近傍であれば、周方向一方側又は他方側の何れに設けられていてもよいし、前記一方側及び他方側の双方にそれぞれ設けられていてもよい。なお、前記近傍は、切込み線91,92とミシン目線77,78の間の距離が2mm以内が好ましく、1mm以内がより好ましい。
図18に示すようなシュリンクフィルム5は、その軸方向全体に一対のミシン目線を形成した後、そのミシン目線の近傍であって第1筒状領域51と第2筒状領域52に跨がる位置に切込み線91,92を形成することによって得ることができる。かかるシュリンクフィルム5は、その製造上、1つのミシン目線を形成するものであるが、概念上、切込み線91,92を基準にして、その上方のミシン目線が補助ミシン目線81,82となり、その下方のミシン目線が縦ミシン目線71,72となる。
なお、各変形例で示した様々な態様を、適宜組み合わせることも可能である。