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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-221685(P2015-221685A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】パウチ用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20151113BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20151113BHJP
   B65D 75/54 20060101ALI20151113BHJP
【FI】
   B65D33/00 ZBRG
   B65D83/00 G
   B65D75/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-107001(P2014-107001)
(22)【出願日】2014年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 さやか
(72)【発明者】
【氏名】相川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】丹生 啓佑
【テーマコード(参考)】
3E014
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PE23
3E064AB23
3E064BA21
3E064BC18
3E064EA12
3E064FA04
3E064GA01
3E064HJ01
3E064HK10
3E064HM01
3E064HN06
3E064HP02
3E064HS05
3E064HS10
3E064HT06
3E067AA03
3E067AB01
3E067AB28
3E067AB99
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB03
3E067EB32
3E067EE12
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】パウチを簡便に取り扱って内容物を注出することができるパウチ用アタッチメントを提供する。
【解決手段】外側上方に突出する注出部から内容物を注出するパウチに装着されるパウチ用アタッチメントであって、前記アタッチメントは、フレーム本体5に、前記パウチに取り付ける装着部2、前記パウチの収納部を押圧する押圧部32を先端部に形成した開閉可能な一対の押圧アーム30を有する押圧アーム部3を設けている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側上方に突出する注出部から内容物を注出するパウチに装着されるパウチ用アタッチメントであって、
前記アタッチメントは、フレーム本体に、前記パウチに取り付ける装着部、前記パウチの収納部を押圧する押圧部を先端部に形成した開閉可能な一対の押圧アームを有する押圧アーム部を設けたことを特徴とするパウチ用アタッチメント。
【請求項2】
前記一対の押圧アームの基端部にて前進、後退移動するプッシュ部を設け、
前記プッシュ部の移動により前記一対の押圧アームの基端部側の開閉を行い、前記一対の押圧アームの押圧部の閉じ、開きを行う請求項1に記載のパウチ用アタッチメント。
【請求項3】
前記フレーム本体に把持部材を設けた請求項1または2に記載のパウチ用アタッチメント。
【請求項4】
前記把持部材に前記装着部を設けた請求項3に記載のパウチ用アタッチメント。
【請求項5】
前記装着部が、固定保持ピンを立設した固定板と、該固定保持ピンに対して揺動する揺動保持ピンを立設した揺動押圧板から成る請求項1〜3のいずれかに記載のパウチ用アタッチメント。
【請求項6】
前記装着部が、凹凸部を形成した固定狭着板と、該固定狭着板に相対して搖動する凹凸部を形成した搖動狭着板から成る請求項1〜3のいずれかに記載のパウチ用アタッチメント。
【請求項7】
前記装着部が、それぞれ挟圧保持面の上方の第1装着部、及び下方の第2装着部から成り、該第2装着部を傾斜して設けた請求項4に記載のパウチ用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤やシャンプー等の日用品、調味料等の食料品等の内容物を注出する注出部を形成したパウチ、特に、上部隅角部に注出部が形成され、自己閉塞を生じるパウチから内容物を注出するためのパウチ用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂フィルムを重ね合わせ、端部をシールして成るパウチは、洗剤やシャンプー等の日用品や、調味料等の食料品等の各種用途に広く使用されている。このような袋状容器に自立性を持たせるべく、2枚の側面フィルムの間に2つ折りにした底部フィルムを介在させ、サイドシール部及びボトムシール部によりシールしたスタンディングパウチに、内容物を注出し易くするため、注出部を設けることが広く知られている。
【0003】
そして、このようなスタンディングパウチには、通常、内容物を注出する注出部が形成され、内容物の注出時、或いは内容物を注出部から注出してボトル等の容器に詰め替える際に、開口した注出部の注出口が自己閉塞を生じ、このため、内容物の注出に時間、或いは手間を要する場合がある。
このようなスタンディングパウチの問題に対し、内容物の詰め替え中、注出口が閉じることなく、内容物を最後まで滞りなく詰め替えることができる包装袋が提案されている(特許文献1)。
【0004】
そして、特許文献1による包装袋1は、注出口部5が下になるように傾斜した際、注出口部5付近が内容物の圧力により前後に膨らむことにより発生する稜線16上に、該稜線16を包装袋の内方に押圧することを表示する押圧マーク8、または包装袋自体に押圧手段を設けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−137318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の包装袋においては、前述した内容物の注出時に注出口の自己閉塞を解除し、安定的に注出するには、一方の手でパウチを把持し、他方の手の指先で押圧マーク8、または押圧手段をパウチの両側から押圧しなければならず、パウチを簡便に取り扱って内容物を注出することができない。
また、前記した押圧マーク8、または押圧手段を包装袋に設けなければならず、さらに、内容物の注出時に注出口の自己閉塞を生じないパウチも提案されているが、これらのパウチの製造においては新たな製造装置を必要とし、また、内容物の注出をより安定的に行う手段も要望されている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、パウチ、特にスタンディングパウチ等において、パウチを簡便に取り扱って内容物を注出することができ、特に、自己閉鎖を生じるパウチであっても、取り扱いが容易なパウチ用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明によれば、外側上方に突出する注出部から内容物を注出するパウチに装着されるパウチ用アタッチメントであって、前記アタッチメントは、フレーム本体に、前記パウチに取り付ける装着部、前記パウチの収納部を押圧する押圧部を先端部に形成した開閉可能な一対の押圧アームを有する押圧アーム部を設けたことを特徴とするパウチ用アタッチメントが提供される。
本発明のパウチ用アタッチメントにおいては、
1.前記一対の押圧アームの基端部にて前進、後退移動するプッシュ部を設け、前記プッシュ部の移動により前記一対の押圧アームの基端部側の開閉を行い、前記一対の押圧アームの押圧部の閉じ、開きを行うこと、
2.前記フレーム本体に把持部材を設けること、
3.前記把持部材に前記装着部を設けること、
4.前記装着部が、固定保持ピンを立設した固定板と、該固定保持ピンに対して揺動する揺動保持ピンを立設した揺動押圧板から成ること、
5.前記装着部が、凹凸部を形成した固定狭着板と、該固定狭着板に相対して搖動する凹凸部を形成した揺動狭着板から成ること、
6.前記装着部が、それぞれ挟圧保持面の上方の第1装着部、及び下方の第2装着部から成り、該第2装着部を傾斜して設けること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のパウチ用アタッチメントによれば、前記アタッチメントが、フレーム本体に、前記パウチに取り付ける装着部、前記パウチの収納部を押圧する押圧部を先端部に形成した開閉可能な一対の押圧アームを有する押圧アーム部を設けたので、パウチを簡便に取り扱って内容物を効率良く注出すること、或いは内容物の注出を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントをパウチに装着した状態の側面図である。
図2】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントの斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントの側面図である。
図4】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントの平面図である。
図5】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントの作動時の平面図である。
図6】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントの上保持板を外した状態の平面図である。
図7】本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメントの作動時における上保持板を外した状態の平面図である。
図8】本発明の第1の実施形態におけるパウチ用アタッチメントの搖動押圧板の開閉状態を示す図である。
図9】本発明の第1の実施形態におけるパウチ用アタッチメントの押圧アームの変形例を示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態におけるパウチ用アタッチメントの押圧アームのさらに他の変形例を示す図である。
図11】本発明の第2の実施形態のパウチ用アタッチメントがパウチに装着された状態の斜視図である。
図12】本発明の第2の実施形態のパウチ用アタッチメントの第1装着部、第2装着部の断面図である。
図13】本発明の第2の実施形態のパウチ用アタッチメントの把持部材と下保持板の取付状態を示す拡大斜視図である。
図14】本発明の第3の実施形態のパウチ用アタッチメントの斜視図である。
図15】本発明の第3の実施形態のパウチ用アタッチメントの側面図である。
図16】本発明の第3の実施形態のパウチ用アタッチメントが開いている状態の平面図である。
図17】本発明の第3の実施形態のパウチ用アタッチメントが閉じている状態の平面図である。
図18】本発明の第4の実施形態のパウチ用アタッチメントの斜視図である。
図19】本発明の第4の実施形態のパウチ用アタッチメントが閉じている状態の平面図である。
図20】本発明の第4の実施形態のパウチ用アタッチメントのガイド部の拡大図である。
図21】本発明のパウチ用アタッチメントが適用されるパウチの側縁部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の実施形態のパウチ用アタッチメント1は、図1に示すように、該アタッチメント1をパウチ50に取付ける装着部2、パウチ50の内容物を収納する収納部50aのフィルム面を押圧する押圧アーム部3、押圧アーム部3を操作するプッシュ部4及びこれらの部材を支持するフレーム本体5を備えている。
なお、本実施形態のパウチ用アタッチメント1を適用する好適なパウチとしては、図1に示したパウチ50に手、指の挿入孔などの把持部50bを形成したパウチが好適である。このようなパウチにパウチ用アタッチメント1を装着することにより、パウチ50の把持部50bを手で把持しながら、パウチ用アタッチメント1のプッシュ部4を押すことが可能となり、内容物の注出を片手で容易に行うことができる。
【0012】
[フレーム本体の構造]
フレーム本体5は、図2及び図3に示すように、装着部2、押圧アーム部3、プッシュ部4を支持し、上保持板6と下保持板7とを備えている。これらの上下保持板6,7は、先端側に二股支持部19が形成され、基端側に肩部20が形成されている。
そして、下保持板7には、二股支持部19の各両側部に前支柱10が形成され、各肩部20には後支柱11が形成され、下保持板7の上面から上方へ立設させている。これらの前後支柱10,11はそれぞれ同じ高さで形成され、前後支柱10,11の上に平板形状の上保持板6が被せられる(図6及び図7参照)。
【0013】
これらの上下保持板6,7は、各支柱10,11に設けられたネジ取付部にてネジ9で固定され(図4参照)、上保持板6と下保持板7との板間には、支柱10,11の高さ相当の隙間領域13が形成される。また、上下保持板6,7の間は、支柱10,11を形成した四か所を除いて、側部全体が四方に開放されている。
二股支持部19の分岐した先端部の各々には、後述する押圧アーム30を回動自在に軸支する回動軸16の支持孔17が形成されている。また、上下保持板6,7の肩部20間には四角形状の凹所23が形成され、後述するプッシュ部4が配設される。さらに、下保持板7の中央には横方向へ延びる四角形状の長孔21が形成され(図6参照)、長孔21には後述する装着部2の固定板22の上端部が挿通される。
【0014】
[押圧アーム部の構造]
押圧アーム部3は、パウチ50のフィルム面を押圧部32によって両側から押圧する部材である。
押圧アーム部3は、図6及び図7に示すように、各々が一対の押圧アーム30、押圧部32及び戻しバネ25を具備している。一対の押圧アーム30は平板によって形成され、両者が協働して、押圧部32の開閉動作を行い、同一形状の部品が間隔を空けて対称的に配置されている。各押圧アーム30の基端側には、隙間領域13内に位置させて、基端部27、逃げ溝28及び軸孔29が形成されている。基端部27は、内側に一対の傾斜面としての規制面27aが形成され、規制面27aはプッシュ部4側(後方側)に向けて拡開する。軸孔29には、回動軸16が貫通し、押圧アーム30を回動(若しくは搖動)自在に軸支する。軸孔29と基端部27との間には逃げ溝28が形成され、逃げ溝28は、前支柱10と押圧アーム30との干渉を避けるために形成されている。
【0015】
回動軸16よりも前側に位置する押圧アーム30は、パウチ50の装着時にはその表裏両面を跨ぐようにして配設されるが、パウチ50との接触を防止して押圧部32によるパウチ50への押圧を確実に行うため、中間部が外側に突出する形状に湾曲又は屈曲されている。そしてその形状は、押圧アーム30の軸孔29付近では外側前方に広がって屈曲し、先端側では内側前方に湾曲するように形成されている。各押圧アーム30の先端部には、円形の押圧部32が互いに押圧面を対向させて配置されている。また、押圧部32のそれぞれ対向する押圧面は、緩やかな凸曲面によって形成されている。
各押圧アーム30には、待機時に押圧アーム30を外側に開く方向に付勢する戻しバネ25が設けられている。戻しバネ25は、一端側で押圧アーム30の内面から上面外側へ折り返され、他端側で回動軸16の下端に巻装され、端部がフレーム本体5の固定部分に固定されている。したがって、戻しバネ25は、待機時においては、図6に示すように、押圧アーム30を開く方向に維持させ、基端部27を閉じる方向に維持させる。
【0016】
[プッシュ部の構造]
プッシュ部4は、押圧アーム30の基端部27にて前進、後退移動が可能であり、図6では後退位置にあり、図7では前進位置にある。プッシュ部4は、前側に位置するプッシャー34と後側に位置するプッシュボタン35とから構成されている。プッシャー34は台形状であって、厚さが隙間領域の高さにほぼ等しく、隙間領域13を前後方向に摺動が可能である。プッシャー34には、前方側に狭くなる傾斜面(台形の斜面の部分)34aが両側部に形成され、傾斜面34aは、基端部27の規制面27aの内側に沿って形成されている。プッシャー34の後端側は、後支柱11の前側に配置され、横幅は後支柱11間の長さよりも大きく、後支柱11がプッシャー34の後退位置を規制する(図6参照)。
【0017】
プッシュボタン35は、プッシャー34の後端側から、上方へ伸びて形成されており、後支柱11よりも高い位置にある。その横幅は、上下保持板6,7の肩部20間(すなわち凹所23の幅)の長さに等しく、プッシュボタン35は凹所23間に案内され、プッシャー34と共に前後方向に摺動する。
プッシュ部4の前進位置では、押圧アーム30の基端部27に形成されたストッパ部27bをストッパとして、プッシャー34を当接させる。
ただし、このブッシュ部4の前進位置は、押圧アーム30の押圧部32が完全に接触しないように、2〜3mmのクリアランスを形成するように調整して、内容物の流路を形成することが好ましい(後述する他の実施例も同様である)。
【0018】
[装着部の構造]
装着部2は、図3及び図8に示すように、パウチ用アタッチメント1をパウチ50に装着させるものであり、固定板22と搖動押圧板42とを有する。上下方向に延びる平板状の固定板22は、上端部が上述したように、下保持板7に形成された長孔21(図6)に嵌入されてフレーム本体5に固定されている。
固定板22の前面には円柱形の一対の固定保持ピン40が上下に間隔を空けて立設されている。この固定保持ピン40の先端部には直径を一回り大きくした拡径部40aが形成されている。
【0019】
また、固定板22の前面には搖動押圧板42が、摺動、且つ揺動できるように、上端側に位置する固定保持ピン40の基端部を回動軸として回動自在に配設されている。この搖動押圧板42には、固定保持ピン40と同方向に、搖動保持ピン41が上下に間隔を空けて立設されている。
固定保持ピン40及び搖動保持ピン41は、これらの間にパウチ50の注出ノズル56を形成していない側縁部54側のサイドシール部54aを狭着するものであり、搖動保持ピン41は、固定保持ピン40よりも小径に形成され、図8(a)に示すように固定板22と搖動押圧板42が閉じた状態では、固定保持ピン40と搖動保持ピン41とが上下に互い違い(千鳥状)に配設される。
【0020】
[パウチへのアタッチメントへの装着]
パウチ用アタッチメント1のパウチ50への装着は、図8(b)に示すように、搖動押圧板42を揺動して横方向へ開き、パウチ50の側縁部54のサイドシール部54aを固定保持ピン40と搖動保持ピン41との間に差し込み、搖動押圧板42を揺動して閉じることによって装着する(図1参照)。なお、図示していないが、搖動押圧板42は、常時、バネによって待機時に付勢させるようにしてもよいし、狭着位置をロックするロック部材を設けてもよい(図14の符号42a参照)。
そして、パウチ50が狭着されると、図8(a)に示すように、固定保持ピン40と搖動保持ピン41とが千鳥状に配列され、サイドシール部54aが、S字形状に変形した形状で狭着されるので、パウチ50にアタッチメント1を確実に装着できる。また、フレーム本体5には二股支持部19(図4参照)が形成されており、パウチ50の側縁部54のサイドシール部54aはこの二股支持部19間を挿通させて狭着することができる。
【0021】
さらに、パウチ用アタッチメント1の装着位置は、一対の押圧アーム30の押圧部32が、前述したパウチ50の自己閉塞を解除する押圧ポイントP、若しくは内容物の圧力により膨らむことにより発生した稜線に押圧部32が位置するように装着する(図1参照)。そして、パウチ用アタッチメント1の待機時においては、押圧部32は所定の間隔が維持され、押圧ポイントP若しくは前記稜線との接触があっても、それらを強く押圧することはない。また、押圧アーム30が外側に湾曲されているので、押圧アーム30とパウチ50の表裏面との干渉を防止することができる。
【0022】
[プッシュ部と押圧アームの動作説明]
プッシュ部4は、待機時では、図4及び図6に示すように、後退位置にあり、押し込まれた作動時では、図5及び図7に示すように前進位置にある。そして、プッシュ部4を押し込んでプッシャー34を前進移動し、プッシャー34の傾斜面34aを押圧アーム30の基端部27の規制面27aに沿って摺動、前進させることによって基端部27を外側に開く。この結果、押圧アーム30を外側に開く方向に付勢している戻しバネ25に抗して、押圧アーム30が回動軸16を中心に閉じる方向へ回動し、先端側に設けられた押圧部32同士が接近して閉じる構成とされている。
【0023】
一方、プッシュ部4の押し込みが解除されると、押圧アーム30の各々が戻しバネ25によって押圧アーム30が開く方向に回動し、先端側に設けられている押圧部32同士が離れる。このように、押圧アーム30が開く方向に回動すると、押圧アーム30の基端部27が閉じられ、プッシャー34の傾斜面34aが基端部27の規制面27aに押し付けられて、プッシャー34、プッシュ部4が後退する。この結果、パウチ用アタッチメント1は、待機時の後退位置に戻される。なお、本実施形態では、プッシュ部4は、規制面27aによって戻されるが、別途、プッシュ部に戻し用のバネを設け、復帰位置に戻すようにしてもよい。
【0024】
また、図9は、前述した本実施形態のパウチ用アタッチメント1における押圧アーム30の変形例を示し、押圧アーム30を伸縮自在として、パウチサイズが相違した場合においてもの適用可能とした構成としている。
このアタッチメント1の押圧アーム30は、直線部を有する前方押圧アーム30aと後方押圧アーム30bとし、それぞれの直線部同士で前後に進退させて、押圧アーム30の長さを伸縮する。そして、図9中の鎖線が、押圧アーム30が縮んだ状態を示す。
また、前記伸縮自在な押圧アーム30を、後述する第2の実施形態の回動可能なパウチ用アタッチメント100の押圧アーム30として併用した場合は、押圧部32の前後移動と回動方向への移動が可能となり、パウチ50のシート面の広範囲にわたって、押圧部32のポジション替えが可能となる。
なお、押圧アーム30の前方押圧アーム30aと後方押圧アーム30bとの伸縮方法は、適宜、周知の方法を採用すれば良く、これらアームを重ねてネジなどで遊着してスライドさせてもよく、また、構造は複雑になるが、一方のアームの長手方向に溝若しくは孔を形成し、他方のアームに前記溝若しくは孔内でスライド可能なスライド部を形成してスライドさせてもよい。
【0025】
さらに、図10は、前述した本実施形態のパウチ用アタッチメント1における押圧アーム30のさらに他の変形例を示し、パウチ用アタッチメント1の押圧アーム部3が、回動軸46を中心に略X字形に配置されている。このため、プッシュ部4を前進させると、プッシュ部4の傾斜面34aが押圧アーム30の規制面27aに沿って摺動する。このプッシュ部4の前進移動によって、押圧アーム30の基端部側が閉じるとともに、先端側の押圧アーム30も閉じて押圧部32が互いに接近して当接する。一方、プッシュ部4が後退すると、押圧アーム30は、基端部側が開くとともに先端側の押圧アーム30が開き、押圧部32が離れる。
本実施形態においては、このような構成のパウチ用アタッチメント1によっても、パウチ50のシート面の押圧が可能である。
【0026】
本実施形態のパウチ用アタッチメントによれば、パウチを簡便に取り扱って内容物を効率良く注出でき、押圧アーム部の操作、パウチの側縁部の狭着を容易、且つ確実に行うことができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態のパウチ用アタッチメントについて説明する。
図11は、本実施形態のパウチ用アタッチメント100を示す。なお、本実施形態のアタッチメント100において、前述した第1の実施形態のパウチ用アタッチメント1と、同一部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0028】
本実施形態のパウチ用アタッチメント100は、前述した第1の実施形態のパウチ用アタッチメント1において、装着部の構成を変更し、フレーム本体5に長板から成る把持部材60を設け、この把持部材60の両端部にパウチ50を取付ける装着部として、横断面形状が矩形の第1装着部61及び第2装着部62を設けた構成とした。
【0029】
そして、図12に示すように、上側の第1装着部61には、前側に上下に延びるパウチ50のサイドシール部54aの厚みよりも狭いスリット部61aが形成され、このスリット部61aの端面が狭圧保持部61bを形成する。
また、下側の第2装着部62は、前述した第1装着部61と同じ形状に形成されているが、パウチ50の装着状態(保持)を安定させるため、把持部材60に対して傾斜させて設けられる。この装着部の傾斜は、上側の第1装着部61を傾斜させても良く、或いは上側の第1装着部61及び下側の第2装着部62bの両者を傾斜させても良いが、装着時のより確実な安定の点から、少なくとも下側の第2装着部62を傾斜させることが好適である。
【0030】
そして、パウチ用アタッチメント100のパウチ50への装着は、パウチ50のサイドシール部54aを、第1装着部61及び第2装着部62のスリット部61a,62aに合わせて押し込むことにより行われる。なお、図13に示すように、本実施形態のパウチ用アタッチメント100は、下保持板7に設けた断面コ字形状の固定部材65の回動軸68に、把持部材60の上端部を回動可能に取付けている。
本実施形態のパウチ用アタッチメントによれば、パウチの把持及び内容物の注出作業を容易に行うことができ、また、把持部材をより安定してパウチに装着させることができる。
【0031】
次に、本発明の第3の実施形態のパウチ用アタッチメントについて説明する。
本実施形態のパウチ用アタッチメント101は、前述した第1の実施形態のパウチ用アタッチメント1において、装着部2をフレーム本体5の上方に設け、このフレーム本体5の下方に把持部材60を設けた構成とし、押圧アーム部3を、一対の押圧アーム30の上面と下面を挟むように、その中間部に外側面が矩形の摘み部81を設け、摘み部81の下側に押圧アーム30の延在方向に延びる長溝81bを設けた構成とした(図14図15参照)。
【0032】
本実施形態のパウチ用アタッチメント101の装着部2は、フレーム本体5に平板三角形状の固定板22を立設し、この固定板22に固定保持ピン40を立設している。一方、搖動保持ピン41を立設した搖動押圧板42を、固定板22の前面で揺動できるように、下側に位置する固定保持ピン40の基端部を回動軸とし回動自在に配設されている。そして、固定板22と搖動押圧板42を閉じた状態では、これらのピン40,41を上下に千鳥状に配設し、パウチ50のサイドシール部54aを挟着する際は、搖動押圧板42の上方側を回動させて開き、パウチ50のサイドシール部54aを固定保持ピン40,搖動保持ピン41の間に挟み込む。
【0033】
また、本実施形態のパウチ用アタッチメント101の押圧アーム30は、各押圧アーム30を外側に開く方向に付勢する戻しバネ25の一端側が前述した長溝81bの内面に付勢され、他端側では回動軸16の下端に巻装され、端部が固定部分に固定されているため、待機時に各押圧アーム30を外側に開く方向に付勢する(図16参照)。この結果、各押圧アーム30の摘み部81を内側へ押圧すると、各押圧アーム30が閉じる方向に回動する(図17参照)。
【0034】
さらに、本実施形態のパウチ用アタッチメント101の把持部材60は、指受け部85と、装着部2でパウチ50のサイドシール部54aを挟着した際に、下方のサイドシール部54aを受け入れるスライダ部86が把持部材60の内方に形成されている。
【0035】
そして、パウチ用アタッチメント101のパウチ50への装着は、先ず、千鳥状に配置された固定板22の固定保持ピン40と揺動押圧板42の揺動保持ピン41との間を搖動押圧板42の上方側を回動させて開き、パウチ50のサイドシール部54aを、固定保持ピン40,搖動保持ピン41の間に挟着して行われ、その際、サイドシール部54aの下方が、把持部材60のスライダ部86に挿入される。
なお、この際、搖動押圧板42の上端部のフック42aが、固定板22の上部の係止部22aに係止され、搖動押圧板42が固定板22に固定される。
【0036】
本実施形態のパウチ用アタッチメントによれば、パウチの把持及び内容物の注出作業を容易に行うことができ、また、パウチの側縁部の狭着を容易、且つ確実に行うことができる。
【0037】
次に、本発明の第4の実施形態のパウチ用アタッチメント102について説明する。
本実施形態のパウチ用アタッチメント102は、前述した第3の実施形態のパウチ用アタッチメント101の装着部2の構成、押圧アーム30の構成を変更している。
本実施形態のパウチ用アタッチメント102の装着部2は、図18に示すように、固定板22、固定狭着板92及び搖動狭着板93によって構成されている。そして、フレーム本体5に立設した固定板22の前面に、前方に延びる固定狭着板92が取付けられ、この固定狭着板92に相対して、図示しない蝶番により搖動可能に取付けられた搖動狭着板93が設けられている。搖動狭着板93は、固定狭着板92と協働してパウチ50のサイドシール部54aを狭着するものであり、搖動狭着板93の上側が開き、固定狭着板92に対して開閉する。これらの狭着板92,93は、パウチ50のサイドシール部54aを狭着して支持するのに十分な幅を有し、互いに向かい合う面には、断面が鋸刃形状等の凹凸部92a,93aが形成されている。また、これらの凹凸部92a,93aは、互いの凸部と凹部が重なり合うように配置されている。
【0038】
固定狭着板92の上部には、上端が上方に突出し、固定狭着板92の方向に屈曲するL形ストッパ92bが設けられ、狭着板92,93がパウチ50を狭着する際に、パウチ50のサイドシール部54aの上端位置が当接し、パウチ用アタッチメント102に対するパウチ50の位置決めが行われる。
搖動狭着板93の後面上端部には、固定板22の前面の上部に形成され係止部22aまで延びるフック93bが設けられ、フック93bを係止部22aに係止して搖動狭着板93を固定板22に固定する(図18図19参照)。
また、本実施形態の把持部材60はフレーム本体5の下面に設けられ、図18に示すように断面がU字形状であり、その下方にガイド部材94が設けられている。このガイド部材94は内側中央にパウチ50のサイドシール部54aを受け入れるガイド溝95が把持部材60上端部まで形成されている(図20参照)。
【0039】
さらに、本実施形態のパウチ用アタッチメント102の押圧アーム30は、押圧アーム30の形状を直線形状としてその先端部に取付部材91を介して押圧部32を取り付けている。この取付部材91は、断面がL字形状であり、その内面に押圧アーム30先端部が位置し、押圧部32の部材が取り付けられる。この押圧アーム30、押圧部32及び取付部材91は、ネジなどにより脱着可能に取付けられる(図18参照)。
【0040】
そして、アタッチメント102のパウチ50への装着は、搖動狭着板93を揺動させて開き、パウチ50のサイドシール部54aを固定狭着板92と搖動狭着板93との間に差し込んで、サイドシール部54aの上端を固定狭着板92のL形ストッパ92bに当接させ、搖動狭着板93を揺動させて閉じる。次いで、搖動狭着板93のフック93bを、固定板22の係止部22aに係止して搖動狭着板93をロック状態にする。この結果、パウチ50のサイドシール部54aは、鋸刃形状に狭着板92,93間に狭着される。また、ガイド部材94は、ガイド溝95によりパウチ50のサイドシール部54aを支持する。
本実施形態のパウチ用アタッチメントによれば、パウチの把持及び内容物の注出作業を容易に行うことができ、また、より一層、パウチの側縁部の狭着を容易、且つ確実に行うことができる。
【0041】
以上、本発明のパウチ用アタッチメントの実施形態を、図1示すパウチ50のサイドシール部54aに装着する事例に基づいて説明したが、図21に示すように、パウチ50の側縁部54のサイドシール部54aを折り返し、剛性、把持性等を向上させた形態のパウチに装着することより、より一層装着状態が安定する。
また、本発明のパウチ用アタッチメントは、前述した注出部の注出口57が自己閉鎖を生じるスタンディングパウチ等に限定されることなく、特に自己閉鎖を生じないスタンディングパウチ等においては、待機時に注出部の注出口57を閉鎖し、注出時に前記注出口57を開口するアタッチメントとしても使用可能である。その場合、待機時に押圧アーム部3の押圧部32を当接した閉じた状態とし、注出時に押圧アーム部3の押圧部32を開く状態とするように、戻しバネ25の張力作用、或いはプッシュ部4の傾斜面34aと押圧アーム30の規制面27aの形状を変更すれば良い(図6図10参照)。
【0042】
本発明を前述した実施形態に基づいて説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1,100〜103 アタッチメント
2 装着部
3 押圧アーム部
4 プッシュ部
5 フレーム本体
6 上保持板
7 下保持板
16 回動軸
17 支持孔
21 長孔
22 固定板
23 凹所
25 戻しバネ
27 基端部
27a 規制面
29 軸孔
30 押圧アーム
32 押圧部
34 プッシャー
34a 傾斜面
40 固定保持ピン
41 搖動保持ピン
42 搖動押圧板(搖動押圧部材)
50 パウチ
54 側縁部
54a サイドシール部
57a 注出口
60 把持部材
61,62 装着部
61b,62b 狭圧保持部
91 取付部材
92 固定狭着板
93 搖動狭着板
94 ガイド部材
95 ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21