【解決手段】雌雄コネクタF,Mは、嵌合前の状態では、雌雄のホルダ1,2に対し初期位置に保持されている。両コネクタF,Mの嵌合が進んで正規嵌合状態に至る間は、雌コネクタF側の保持爪24の先端が雄ホルダ2内に形成されたカム面26に沿って摺接するため、雌雄コネクタF,Mは嵌合の進行と連動して回動し、嵌合完了位置に至る。同位置から、雌雄ホルダ1,2の嵌合が進むと、さらに雌雄コネクタF,Mは回動して分離位置に至り、ホルダ1,2から切り離されて電線Wによって宙に浮いた状態で支持される。
前記第1コネクタは前記第1ホルダ部に対し、また前記第2コネクタは前記第2ホルダ部に対して共に軸心周りに回動可能に取付けられて、共に前記初期位置と前記分離位置との間を回動により変位することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
前記第1コネクタあるいは前記第2コネクタの少なくともいずれか一方は、前記第1ホルダ部あるいは前記第2ホルダ部に対し、前記初期位置と前記分離位置との角度範囲の途中に前記第1ホルダ部あるいは前記第2ホルダ部の少なくともいずれか他方に対し抜き差し自在となる組み付け位置が設定されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
前記第2コネクタの一端部には周方向に沿ってフランジ部が外向きに張り出し形成されるとともに、このフランジ部の周縁部には少なくとも一対の切欠き凹所が切欠き形成される一方、
前記第2ホルダ部において前記第2コネクタの前記フランジ部と対向する側の端部には前記第2コネクタを取付けるための装着部が形成され、
この装着部には、前記第2ホルダ部の端縁部に形成されて前記フランジ部に当接する座面と、この座面の軸方向前方において内向きに張出し形成される少なくとも一対の抜け止め片とが形成され、
前記フランジ部は、前記各抜け止め片と前記各切欠き凹所とを整合させることで前記抜け止め片を通過して前記座面へ当接可能であるとともに、前記第2コネクタは前記フランジ部を前記座面に当接させた状態で軸周りに回動したときには、前記第2コネクタは前記フランジ部が前記座面との間で挟み込まれつつ前記抜け止め片に係止して抜け止めされた状態で前記初期位置に保持可能となっており、
前記第2コネクタが前記第2ホルダ部に対して前記初期位置から軸周りに回動されたときには、前記切欠き凹所と前記抜け止め片とが整合して前記フランジ部が前記装着部から抜き取り可能な前記分離位置に至ることができるようになっており、
さらに、前記座面のうち前記抜け止め片の背面側に対応する位置には型抜き用の抜き孔が貫通して形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1)本発明のコネクタは、前記第1コネクタが前記第1ホルダ部に対し、また前記第2コネクタが前記第2ホルダ部に対して共に軸心周りに回動可能に取付けられて、共に前記初期位置と前記分離位置との間を回動により変位する構成としてもよい。
仮に、両コネクタを対応するホルダ部に対し軸方向に変位させて初期位置と分離位置との間を移動するようにした場合には、対応するホルダ部が軸方向に大型化することになるが、上記のような構成によれば、両コネクタを、対応するホルダの軸周りに回転させてホルダから分離させることができるため、ホルダ部が軸方向に長大化する事態を回避することができる。
【0011】
(2)また、前記第1コネクタあるいは前記第2コネクタの少なくともいずれか一方は、前記第1ホルダ部あるいは前記第2ホルダ部に対し、前記初期位置と前記分離位置との角度範囲の途中に前記第1ホルダ部あるいは前記第2ホルダ部の少なくともいずれか他方に対し抜き差し自在となる組み付け位置が設定されるようにしてもよい。
このような構成によれば、少なくともいずれか一方のコネクタを対応するホルダ部に対し組み付け位置において差し込み、その後に、一旦、分離位置とは逆の回転方向である初期位置に向けて回転させ同位置において保持しておく。そして、両コネクタの嵌合がなされると、上記コネクタは組み付け位置を通過して分離位置に至る。この間、上記コネクタから導出される電線は組み付け位置で中立状態にあったとすると、初期位置に至る間にねじられることになるが、嵌合に伴って一旦ねじりが戻された後、分離位置に至るまでの間、逆方向にねじられる。したがって、組み付け位置、初期位置、分離位置をこの順で一方向に設定した場合と比較して電線のねじれの程度を軽減することができる。
【0012】
(3)さらに、前記第2コネクタには一対の作動翼部が外方に向けて張り出し形成される一方、前記第1コネクタには撓み可能で先端部に爪部を有する一対の保持爪が形成され、前記第1ホルダ部は、前記第1コネクタを嵌合可能で軸方向両端が開口する円筒形状に形成されるとともに、その側面には前記保持爪が係止することで前記第1コネクタを前記初期位置に保持させる一対の窓孔が開口し、また前記第1ホルダ部の前端面には軸方向に沿って導入部が形成されかつこの導入部は前記窓孔の全体に連通するように形成され、さらに前記導入部は前記第1、第2コネクタが嵌合するときに前記作動翼部の先端部の進入を許容して前記窓孔内に係止している前記爪部を、前記窓孔に対し径方向外方へ後退させて前記第1ホルダ部に対する前記第1コネクタの前記初期位置での保持状態を解除可能とさせ、また、前記第1ホルダ部の内周面には、前記誘導手段である一対のカム面が前記導入部の奥端部を始端として前記第1ホルダ部の内周面に沿いつつ奥方へ向けて螺旋状に延出して形成され、かつ前記カム面は前記第1ホルダ部の前方へ対向するようにして形成されて、前記第1、第2コネクタの嵌合時に前記作動翼部の先端部と摺接することで、前記第1、第2コネクタを軸芯周りに回動させて前記第1、第2コネクタをそれぞれ前記分離位置へと至らせる構成とすると良い。
【0013】
このような構成によれば、第1コネクタが第1ホルダ部に、また第2コネクタが第2ホルダ部にそれぞれ取付けられた状態で、第1コネクタと第2コネクタの嵌合が開始すると、第2コネクタに形成された作動翼部の先端部が導入部へ進入し、窓孔に係止している第1コネクタの爪部に当接して爪部を窓部から押し出す方向(径方向外方)に後退させる。これにより、初期位置における保持状態が解除可能な状態となる。
【0014】
この後、第1、第2コネクタの嵌合が進む間、作動翼部の先端部はカム面に沿って摺接することで、第1、第2のコネクタは嵌合したまま一体となって軸心周りに回動して、対応する各ホルダ部に対し分離位置に至り、両コネクタは同位置において各ホルダ部から分離する。
【0015】
また、第1ホルダ部において、窓孔はその全体が、第1ホルダの前端面から軸方向に沿って形成された導入部に連通するように形成されている。つまり、導入部を成形することで、窓孔の成形が可能となっている。さらに、両カム面は第1ホルダ部の前方へ対向するように形成している。つまり、第1ホルダ部において、窓孔およびカム面を軸方向に開閉する金型によって形成可能であり、軸方向と直交して開閉するようなスライド型を必要としないため、簡易な構造の金型によって第1ホルダ部全体を形成可能である。したがって、第1ホルダ部を安価に製造することができる。
【0016】
(4)さらにまた、前記第2コネクタの一端部には周方向に沿ってフランジ部が外向きに張り出し形成されるとともに、このフランジ部の周縁部には少なくとも一対の切欠き凹所が切欠き形成される一方、前記第2ホルダ部において前記第2コネクタの前記フランジ部と対向する側の端部には前記第2コネクタを取付けるための装着部が形成され、この装着部には、前記第2ホルダ部の端縁部に形成されて前記フランジ部に当接する座面と、この座面の軸方向前方において内向きに張出し形成される少なくとも一対の抜け止め片とが形成され、前記フランジ部は、前記各抜け止め片と前記各切欠き凹所とを整合させることで前記抜け止め片を通過して前記座面へ当接可能であるとともに、前記第2コネクタは前記フランジ部を前記座面に当接させた状態で軸周りに回動したときには、前記第2コネクタは前記フランジ部が前記座面との間で挟み込まれつつ前記抜け止め片に係止して抜け止めされた状態で前記初期位置に保持可能となっており、前記第2コネクタが前記第2ホルダ部に対して前記初期位置から軸周りに回動されたときには、前記切欠き凹所と前記抜け止め片とが整合して前記フランジ部が前記装着部から抜き取り可能な前記分離位置に至ることができるようになっており、さらに、前記座面のうち前記抜け止め片の背面側に対応する位置には型抜き用の抜き孔が貫通して形成されるようにすると良い。
【0017】
このような構成によれば、第2コネクタを第2ホルダ部に保持させる場合には、フランジ部の切欠き凹所を装着部の対応する抜け止め片に適合させることでフランジ部を座面に当接させることができる。その状態で、第2コネクタを軸周りに回動させると、フランジ部は抜け止め片と座面との間で挟み付けられかつ抜け止め片との係止によって抜け止めされた状態で初期位置に保持される。
【0018】
また、第2コネクタは初期位置から所定角度だけ回動すると、抜け止め片と切欠き凹所とが整合する分離位置に至るため、同位置において第2ホルダ部から分離可能となる。
【0019】
また、座面のうち抜け止め片の背面側に対応する部位に抜き孔を形成することで、第2ホルダ部の装着部を軸方向に開閉する金型によって成形可能であり、スライド型を必要としないため、第2ホルダ部全体を簡易な構造の金型によって成形することができる。したがって、第2ホルダ部を安価に製造することができる。
【0020】
<実施例>
次に、本発明のコネクタを具体化した実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、雌雄のコネクタF,Mはそれぞれ対応する雌ホルダ1及び雄ホルダ2に対して装着されている。本実施例では、雄コネクタM側は機器側に装着されて雌コネクタF側の嵌合を待ち受ける待ち受け側としてある。これに対し、雌コネクタF側は機器に装着される部品側に装着されており、部品を機器側に装着する作業に伴って雌雄コネクタF,Mの嵌合がなされるようになっている。まず、雌側の構造を説明する。
【0021】
<雌ホルダ1>
図3及び
図4等に示される雌ホルダ1は合成樹脂製であり、軸方向に長い円筒形状に形成されている。雌ホルダ1の一端側には径方向外方へ一対の取付け片3が突出形成されている。両取付け片3にはねじ締め用の穴4が開口し、図示しない部品側への固定が可能である。
【0022】
図3、
図4に示すように、雌ホルダ1の周壁には他端側の開口面から一対の逃がし溝5が軸方向に沿って所定長さ範囲に亘って開口して形成されている。両逃がし溝5が設けられている周方向に関する位置は、両取付け片3の突出方向とは僅かに周方向へずれた位置に設定されている。
図3に示すように、雌ホルダ1の他端側の開口面には雌コネクタFを取り付けるための雌コネクタ装着部6が形成されている。雌コネクタ装着部6において、雌ホルダ1の他端側開口面から僅かに内方へ入った深さ位置において、雌ホルダ1の内周面からはリング状の座面7が全周に亘って内向きに張り出し形成されている。
【0023】
図3に示すように、座面7の外面側には略90度間隔毎にリブ8が配されている。具体的には、各リブ8は両逃がし溝5に対応した位置に一対と、ここから90度ずれた位置に他の一対が設けられている。いずれのリブ8も弧状をなして外面側に突出して形成されている。これらリブ8は雌コネクタFが雌ホルダ1に対して回動する際の摩擦抵抗を低減させて変位動作を円滑に行わせるためのものである。また、雌ホルダ1の他端側開口縁には略90度間隔毎に計4個の抜け止め片9が径方向内向きに張り出し形成されている。各抜け止め片9とリブ8とは略45度の位相差が設けられている。座面7のうち両抜け止め片9の軸方向背面には抜け止め片の形成範囲と対応して型抜きのための抜き孔10が開口している。
【0024】
かくして、雌ホルダ1全体は軸方向に沿って開閉可能な金型によって成形される。
【0025】
<雌コネクタF>
図4乃至
図6に示すように、雌コネクタFは合成樹脂製の雌コネクタハウジング11を有している。雌コネクタハウジング11は、ハウジング本体12と雌ホルダ1の雌コネクタ装着部6への取付けのためのフランジ部13と一対の作動翼部14とを備えて一体に形成されている。
【0026】
ハウジング本体12はブロック状に形成され、内部には雌端子金具47を収容可能な複数のキャビティ15が形成されている。雌端子金具47にはそれぞれ電線Wが接続され、雌コネクタハウジング11から導出された後に、雌ホルダ1を通して外部に引き出されている。ハウジング本体12の外面にはロックアーム16が撓み可能に形成され、雌雄コネクタF,Mが正規に嵌合すると、雄コネクタMに係止して雌雄コネクタF,Mを嵌合状態にロックする。
【0027】
図5に示すように、ハウジング本体12の後端部には円盤状に形成された基盤部17が一体に設けられている。この基盤部17はハウジング本体12より大きく形成され、ロックアーム16を成形する領域には抜き孔18が開口している(
図6参照)。また、基盤部17の背面には各キャビティ15の一端側が開口している。
【0028】
フランジ部13は、基盤部17の周面における後縁部に同心の円盤状をなして張り出し形成されている。フランジ部13の厚みは、雌コネクタ装着部6において抜け止め片9と座面7との間の間隔よりやや薄めに形成されている。また、フランジ部13は雌コネクタ装着部6よりも小径に形成され、雌コネクタFが雌ホルダ1に対し後述する初期位置にあるときには、雌コネクタFは雌コネクタ装着部6内に保持された状態で、フランジ部13の平面方向に沿った所定範囲内で変位可能となっている。
【0029】
図5、
図6に示すように、各フランジ部13には略90度間隔毎に切欠き凹所19が切欠き形成されている。各切欠き凹所19は雌ホルダ1の各抜け止め片9と適合するように形成され、このことによってフランジ部13を各抜け止め片9との干渉を回避しつつ座面7に対して回動可能な状態で当接させることができる。以下、このときの雌ホルダ1に対する雌コネクタハウジング11の位置を組み付け位置と言う(
図2A参照)。
【0030】
雌コネクタFは、この組み付け位置から
図2における時計周りに略45度回動させられて初期位置にて保持される(
図2B参照)。この初期位置においては、雌コネクタFは、
図4に示すように、雌ホルダ1の他端側から略同軸で突出した状態となって、雌雄コネクタF,Mの嵌合が可能となる。初期位置においては、フランジ部13が各抜け止め片9と係止しているため、雌コネクタFは雌ホルダ1に対して抜け止めされた状態で保持されるとともに、座面7とフランジ部13との当接により、雌雄コネクタF,Mの嵌合時の抵抗を受け止めることができる。
【0031】
図5等に示すように、基盤部17の周面において前縁側(ハウジング本体12側)には前記した一対の作動翼部14が突出形成されている。両作動翼部14は、延出方向に沿って真っ直ぐに延びる側縁14Aを有し、これら側縁14Aは基盤部17の中心軸を略通過するようにして形成されている。
図5に示すように、両作動翼部14のうち真っ直ぐに延びた側縁と反対側の側縁は先端部側から付け根部側に向けて徐々に幅広となるように形成されている。両作動翼部14の先端部には均一幅をもって作動部20が形成されている。雌コネクタハウジング11が雌ホルダ1に装着された状態では、両作動部20の全体を含む作動翼部14の先端部が雌ホルダ1から径方向外方へ突出している。また、
図2Bに示すように、雌コネクタハウジング11が初期位置にある状態では、両作動翼部14は両逃がし溝5と対応して位置している。
【0032】
雌コネクタFが雌ホルダ1に対して初期位置から図示反時計方向へ略90度回転した位置は、後に詳述するが、雌雄コネクタF,Mが正規に嵌合する嵌合完了位置(
図2C参照)である。同位置では、フランジ部13が各抜け止め片9と係止しており、雌コネクタFが雌ホルダ1に対して抜け止めされた状態のままである。しかし、雌コネクタFが雌ホルダ1に対して嵌合完了位置からさらに図示反時計回りに略45度回転した位置は、雌コネクタFが雌ホルダ1に対して分離する分離位置である(
図2D参照)。同位置では、フランジ部13が各抜け止め片9の間、つまり各切欠き凹所19に適合して位置し、雌コネクタFが雌ホルダ1から軸方向外方へ分離可能である。このように、雌コネクタF側においては、初期位置と分離位置との間に組み付け位置を設定している。つまり、雌コネクタFは組み付け位置から初期位置へと回動された後、この変位方向とは逆方向へ変位されて分離位置に至るようにしている。換言すれば、雌コネクタFから導出された各電線Wが一旦ねじられた後に、このねじれを解く方向にねじられることになるようにしてあるため、初期位置から分離位置に至るまでの間に電線Wがねじられる程度が緩和されていることになる。
【0033】
<雄ホルダ2>
図1に示すように、雄ホルダ2は合成樹脂材にて雌ホルダ1よりは短かい円筒形状に形成されている。雄ホルダ2の一端側(雌コネクタFと対向する側)には径方向外方へ一対の取付け片21が突出形成されている。
図8等に示すように、両取付け片21にはねじ締め用の穴22が開口し、図示しない機器側への固定が可能である。また、雄ホルダ2の周面において両取付け片21の付け根部分にはそれぞれ窓孔23が開口している(
図16(A)、(B)参照)。両窓孔23は雄コネクタMに設けられた一対の保持爪24を係止させることで、雄コネクタMを雄ホルダ2に対し初期位置に保持させることができる。
【0034】
一方、
図10、
図11に示すように、雄ホルダ2の他端側の開口縁には一対の係止突起25が径方向内向きに突出形成されている。両係止突起25を結ぶ軸線は両取付け片21を結ぶ軸線から周方向へ僅かにずれるような設定としてある。
【0035】
図8、
図16(A)、(B)に示すように、雄ホルダ2の一端側(雌コネクタFと対向する側)の開口縁における両窓孔23と対応する位置には、雄コネクタMの両作動翼部14を次述するカム面26へと導入するための導入部27が、それぞれ軸方向に沿いつつ両窓孔23の奥縁に至るまでの範囲に亘って凹み形成されている。
図16(A)、(B)に示すように、両導入部27は窓孔23の全体、つまり窓孔23全深さ範囲及び全幅範囲に亘って連通するようにして形成されている。換言すれば、両導入部27は窓孔の周方向への幅と同幅をもって形成され、かつその一開口縁が雄ホルダ2の外周面とほぼ面一をなすようにして形成されている。したがって、窓孔23を成形する際には、導入部27を形成するための軸方向に沿って進退自在な金型と、雄ホルダ2の外周面を成形する軸方向に沿って進退自在な金型とが径方向で密着状態で擦れ合い、このことによって方形状に開口する窓孔を成形することができるようにしている。
【0036】
また、
図8、
図16(A)、(B)に示すように、雄ホルダ2の内周面を所定角度範囲に亘って除肉することで、一対のカム面26(誘導手段)が形成されている。両カム面26には一定ピッチ毎に微小な段差面26Aが、カム面26の全範囲に亘って形成されており、各段差は導入部27側へ上るように形成されている。両カム面26は雄コネクタMの作動翼部14と全範囲に亘って摺接することで、軸方向に沿った雌雄コネクタF,Mの嵌合動作と連動して雌雄コネクタF,Mに回転運動を行わせるためのものである。両カム面26は導入部27の奥端部を始端として奥方へ向けて螺旋状に延出し、略135度の角度範囲に亘って形成されている。また、カム面26の終端部は、軸方向に沿って雄ホルダ2の他端側の開口縁に開口するようにして形成された導出部28に連続しており、雌コネクタFの両作動翼部14が両導出部28を通して雄ホルダ2の外部へ通過可能となっている。
【0037】
図7等に示すように、両カム面26は雄ホルダ2を軸方向に沿う一方側から見たときに、同方向に対面するようにして形成されている。したがって、両カム面26は軸方向に進退する金型によって成形可能である。結局のところ、両導出部28および両係止突起25を含み、雄ホルダ2全体は軸方向に開閉可能な金型によって成形可能となっている。
【0038】
<雄コネクタM>
雄コネクタMは合成樹脂製の雄コネクタハウジング29を有している。
図12乃至
図14に示すように、雄コネクタハウジング29は本体部30と、その前部に一体に形成されたフード部31とから構成されている。本体部30の内部には複数のキャビティ32が形成され、内部には雄端子金具46が抜け止めされた状態で収容されている。雄端子金具46には電線Wが接続され、電線Wは雄コネクタハウジング29から導出され、さらに雄ホルダ2を通して外部に引き出されている。
【0039】
図13、
図14に示すように、フード部31の外形は雄ホルダ2内に略同心で差し込み可能な略二段円筒形状に形成されている。一方、
図12に示すように、フード部31の内側は正面視で方形状の中空空間Kとなっており、内部には各雄端子金具46の先端部が並列状態で突出するとともに、雌コネクタハウジング11を回り止めされた状態で嵌合させうる。したがって、雌雄コネクタF,Mが嵌合した状態で、雌コネクタFが回動すれば、雄コネクタMもまた一体となって同方向に回動することになる。
【0040】
図12に示すように、フード部31の開口面の全辺には前方へ向けてラッパ状をなすテーパ状の誘い込み面33が形成されている。このため、雌雄コネクタF,Mの嵌合の開始にあたり、雌雄コネクタF,Mの中心軸がずれていても、この誘い込み面33によって雌コネクタFを同心となる位置に誘い込むことができる。また、
図12に示すように、フード部31内の壁面のうち雌コネクタハウジング11のロックアーム16に対応する壁面には一対のガイドリブ34が設けられている。両ガイドリブ34はフード部31の開口面から軸方向に沿って平行に延び、雌雄コネクタF,Mの嵌合の案内をするとともに、雌コネクタFの上下反転姿勢での誤嵌合を規制する役割りを果たす。また、
図12に示すように、両ガイドリブ34の間には係止受け部35が形成され、
図17に示すように、雌雄コネクタF,Mが正規に嵌合したときにロックアーム16に係止可能となっている。
【0041】
フード部31の外周面であって、本体部30寄りの縁部(後縁部)には、一対の保持爪24が設けられている。両保持爪24は、雄ホルダ2に対し雄コネクタハウジング29を初期位置に保持しておく役割を果たすためのものである。
図12、
図14に示すように、両保持爪24はフード部31の中心軸を挟んで略対称の位置に配されている。両保持爪24はフード部31の外周面から一旦径方向外方へ立ち上がる脚部36を有している。脚部36は、
図14に示すように、後面視で立ち上がり端側へ向けて末広がりとなる扇形状に形成されている。両脚部36の立ち上がり端部からは斜め前方へ向けてアーム部37が片持ち状に延出しており、フード部31の外周面から遠ざかる方向へ撓み可能となっている。両アーム部37は、その先端の位置がフード部31の前端を越えてさらに前方に至る長さをもって形成されている。また、両アーム部37の先端の内側には爪部38が突出形成されており、
図16(B)に示すように、雄ホルダ2の窓孔23に係止可能であり、係止状態では爪部38の先端は雄ホルダ2の導入部27内に臨むようにしてある。さらに、爪部38の側面のうち雄コネクタMが初期位置から嵌合完了位置へ回動する際に窓孔23の開口縁に突き当てられる側に対向する側面はテーパ状の撓み案内面39となっている(
図12、
図14参照)。このことによって、雄コネクタMが初期位置から嵌合完了位置へ向けて回動しようとしたときに作用するトルクにより、爪部38が円滑に窓孔23から外部へ脱することができる。
【0042】
なお、雄コネクタMが雄ホルダ2に対して初期位置に保持されているときは、雌ホルダ1に対して初期位置に保持されている雌コネクタFと正対して嵌合可能となる位置関係となっている。
【0043】
図12に示すように、フード部31の開口縁部にはフード部31の中心軸を挟んで一対の通過凹所40が開口している。この通過凹所40は、雄コネクタMを雄ホルダ2の内部へ組み込む際及び雄ホルダ2から分離される際に、両係止突起25を通過させるためのものである。係止突起25と通過凹所40とが適合するときの、雄ホルダ2に対する雄コネクタMの位置が組み付け位置であり(
図9A参照)、また同時に分離位置でもある(
図9D参照)。
【0044】
一方、
図13に示すように、フード部31の外周面において、軸方向に関する片側半分(後半部:本体部30寄りの半分)の領域は、両保持爪24の脚部36が形成されている幅領域を除いて除肉されている。これにより、フード部31の後半部は小径部41となり、前半部は大径部42となっている。また、
図14に示すように、この除肉により脚部36が形成された幅領域の両側面は小径部41の外周面から立ち上がる立ち上がり面43となっている。この立ち上がり面43のうち一方の面はフード部31の全長に亘って設けられて通過凹所40に連続して形成されているのに対し、他方の面の形成範囲は大径部42との境界面に至る長さ範囲に留まっている。両立ち上がり面43は、雄コネクタMが初期位置および分離位置において雄ホルダ2の両係止突起25の側面に当接して雄コネクタMの一方向への回り止め機能を果たす。
【0045】
図14に示すように、大径部42と小径部41との境界面となる段差面は、保持爪24の両脚部36を境として一対の規制面44となっている。この規制面44はフード部31は周方向に沿って(軸方向と直交する方向に沿って)形成され、周方向に沿って形成される範囲は略90度の角度範囲に亘っている。規制面44は雄コネクタMが初期位置から嵌合完了位置に至るまでの間は、雄ホルダ2の両係止突起25に当接することで、雄コネクタMが雄ホルダ2から後方へ抜けないようにしている。
【0046】
図13に示すように、規制面44には、フード部31の開口面側へ向けて傾斜するテーパ状の移行面45が連続しており、それぞれは通過凹所40に臨んでいる。移行面45の周方向に関する形成範囲は、略45°の角度範囲に亘っており、雄コネクタMが嵌合完了位置と分離位置とを回動する間の範囲に対応している。
【0047】
雄コネクタMが雄ホルダ2に対し初期位置にある状態から、
図9Bに示す反時計周りに略90度回動した位置が嵌合完了位置である(
図9C参照)。このように、雌雄コネクタF,Mを初期位置から嵌合完了位置にまで回動させる間の嵌合ストロークは、雌雄コネクタF,Mを正規の嵌合状態(ロックアーム16が雄コネクタハウジング29の係止受け部35に係止する状態)に至らせることができるように設定されている。雄コネクタMが嵌合完了位置にあるときには、雄ホルダ2の係止突起25が規制面44を通過して移行面45の始端部に位置している。嵌合完了位置から雄コネクタMがさらに略45度回動すると、雄コネクタMは雌コネクタFと正規嵌合したまま分離位置に至る(
図9D参照)。分離位置に至るまでの間は、雄コネクタMが移行面45の形成範囲を通過するため、雄コネクタMは雄ホルダ2に対し回動と軸方向への後退動作を行う結果、雄ホルダ2の係止突起25は立ち上がり面43に係止して通過凹所40と適合する位置に位置決めされる。その後、雌コネクタFが取付けられた部品(図示しない)が雄コネクタMが取付けられた機器側に正規に装着されると、雌雄コネクタF,Mは嵌合状態のままさらに軸方向へ変位し、
図18に示すように、雄ホルダ2を突き抜けて電線Wによって空中に保持される。
【0048】
次に、上記のように構成された本実施例の作用効果を具体的に説明する。雌コネクタFを雌ホルダ1に組み付ける場合には、雌コネクタFを雌ホルダ1に対し組み付け位置にする(
図2A参照)。すなわち、フランジ部13の各切欠き凹所19を雌ホルダ1の抜け止め片9に適合させた状態で、雌コネクタ装着部6内に嵌め入れてフランジ部13を座面7に当接させる。その後、雌コネクタFを雌ホルダ1に対し図示反時計回りに略45度回動させて初期位置に至らせる(
図2B参照)。この間、フランジ部13は各リブ8上を摺接するため、比較的軽い操作力で雌コネクタFを初期位置に移動させることができる。初期位置においては、フランジ部13が各抜け止め片9に係止しているため、雌コネクタFは雌ホルダ1から軸方向外方へ抜け止めされた状態にあり、かつ座面7とフランジとの当接により、軸方向内方へ押し込まれてしまうこともない。なお、雌コネクタFが雌ホルダ1に組み付けられた状態では、前述したように、フランジ部13が構成する平面に沿って所定範囲内を自由にずれ動くことができる。
【0049】
一方、雄コネクタMを雄ホルダ2に組み付ける場合には、雄コネクタMを雄ホルダ2の後面側において組み付け位置に位置合わせする(
図9A参照)。すなわち、両保持爪24のアーム部37を拡開させつつ雄ホルダ2の外周面を挟み付け、かつフード部31の両通過凹所40を係止突起25に適合させる。そして、この組み付け位置のままフード部31を軸方向に沿って押し込む。この後、雄コネクタMを雄ホルダ2に対し
図9における反時計周りに略135度回動させる。この回動動作はその途中から、係止突起25が規制面44に摺接するようになり、このことによって雄コネクタMは雄ホルダ2に対し軸方向に関して位置決めがなされたままで回転がなされる。そして、雄コネクタMが雄ホルダ2に対して略135度回動した時点で両係止突起25は立ち上がり面43に当接することで、これ以上の回動が規制される。これと同時に、両保持爪24の爪部38が窓孔23内に嵌まり込んで係止するため、雄コネクタMは初期位置において回り止めされた状態で保持される(
図9B参照)。
【0050】
上記のようにしてホルダに取付けられた雌雄のコネクタは、部品あるいは機器に取付けられる(部品あるいは機器にホルダを取付けた後に雌雄のコネクタを組付けるようにしてもよい)。そして、雌雄のコネクタを向き合わせたまま、これらの嵌合軸線に沿って部品を機器に取付ける作業を行う。
【0051】
すると、まず、作動翼部14が雄ホルダ2内に進入する前に、雌コネクタハウジング11の先端部が雄コネクタMのフード部31の入口に適合する。その場合に、雌雄コネクタF,Mが正対しておらず、互いの中心軸線が多少の芯ずれを生じていたとしても、雌コネクタFは雌ホルダ1に対して平面方向に沿った遊動が許容されていることから、フード部31の開口面に形成された各誘い込み面33の誘導作用によって雌雄コネクタF,M間の芯ずれを吸収して正対させることができる。
【0052】
上記の正対状態の後に、雌雄コネクタF,Mが浅く嵌合すると、両作動翼部14の作動部20が導入部27を通して雄ホルダ2内に進入して両保持爪24の爪部38に当接する。これにより、爪部38は外方へ後退させられ、窓孔23に対する引っ掛かりが浅くなる(
図16(B)参照)。雌雄のコネクタの嵌合がさらに進行すると、作動部20がカム面26の始端部に至り、さらに嵌合力が加えられるとカム面26による案内を受けて、嵌合状態にある雌雄コネクタF,Mに対し嵌合完了位置へ向けての回転トルクが作用する。これにより、両保持爪24の爪部38に形成された撓み案内面39が窓孔23の孔縁に摺接することで、爪部38は窓孔23から抜け出るため、この時点において、雌雄コネクタF,Mの回動動作が許容される。
【0053】
これ以後、雌雄コネクタF,Mの嵌合の進行に連動して作動部20がカム面26に沿って摺接するため、雌雄コネクタF,Mは嵌合動作と共に回動動作がなされる。そして、雌雄コネクタF,Mが共に初期位置から略90度回動すると、雌コネクタFのロックアーム16が雄コネクタMの係止受け部35に係止して雌雄コネクタF,Mが正規嵌合状態となる。すなわち、雌雄コネクタF,Mは共に嵌合完了位置に至る(
図2C、
図9C状態)。
【0054】
なお、雌コネクタF側においては、初期位置から嵌合完了位置へ至るまでの間に、つまり、初期位置から略45度回動した時点でフランジ部13の各切欠き凹所19が雌ホルダ1の抜け止め片9に適合するが、この時点では雌雄コネクタF,Mの嵌合中であるため、雌ホルダ1から抜け落ちてしまうことはない。また、雄コネクタMに関して、初期位置から嵌合完了位置に至るまでの間は、両係止突起25が規制面44に当接した状態が継続するため、雄ホルダ2に対して軸方向への変位はない。また、嵌合完了位置においては、
図9Cに示すように、導出部28と通過凹所40とは周方向に関して整合した状態となる。
【0055】
雌雄コネクタF,Mが嵌合完了位置に至った後も、機器側に対する部品の装着作業が進行すると、雌ホルダ1が相対的に雄ホルダ2内を軸方向に沿って進む。このため、両作動翼部14の作動部20がカム面26上を引き続いて摺接しつつ進行するため、雌雄コネクタF,Mは正規嵌合状態のまま回動動作のみが進行する。
【0056】
前述したように、雄コネクタMが嵌合完了位置に至ると、両係止突起25の当接位置が規制面44から移行面45へと移行する。このため、雌ホルダ1が相対的に雄ホルダ2内を軸方向に沿って進み、同時に雌雄コネクタF,Mの回動が進むと、両係止突起25は移行面45の傾斜に沿って摺接するため、雄コネクタMは徐々に後退して雄ホルダ2から軸方向外方へ突出するようになる。そして、雌雄コネクタF,Mが嵌合完了位置から略90度回動すると、雌雄コネクタF,Mは共に分離位置に至る(
図2D、
図9D状態)。分離位置では、両作動部20が雄ホルダ2におけるカム面26の終端部に至るとともに、立ち上がり面43が係止突起25にそれぞれ当接することでこれ以上の回動が規制されるため、雌コネクタF側では各切欠き凹所19が各抜け止め片9に適合した位置に保持され、雄コネクタM側では両係止突起25が通過凹所40に適合する。このように、分離位置においては、雌雄いずれのコネクタもホルダから軸方向へ分離可能な状態となる。
【0057】
したがって、上記の状態から部品が機器側に装着される位置までさらに軸方向に移動すると、雄コネクタMは雌コネクタFによって雄ホルダ2から軸方向外方へ突き出される。また、雄コネクタMに嵌合している雌コネクタFも雌ホルダ1から解離し、さらには両作動部20が雄ホルダの導出部28を通過することで、雄ホルダから軸方向外方へと分離する。その結果、雌雄コネクタF,Mは電線Wによって宙に浮いた状態で支持される。かくして、機器に対する部品の装着作業が完了する。
【0058】
なお、雌コネクタが雄ホルダから突き出されるときには、両係止突起25は雌ホルダに設けられた逃がし溝5に適合するため、
図18に示すように、雌ホルダの先端側は雄ホルダから軸方向外方へ突出した状態となる。
【0059】
本実施例の効果は次の通りである。
(1)雌雄コネクタF,Mは各ホルダから分離されて宙に浮いた状態で支持されるため、両コネクタに車両の振動が直接には伝達されないから、雌雄の端子金具間に悪影響が及ぶことはない。
(2)雌コネクタFは、初期位置において雌ホルダ1の座面7に沿った平面方向にずれ動くことができるため、部品を機器側に組み付ける際に雌雄コネクタF,Mの芯ずれがあったとしても、雄コネクタMのフード部31に形成された誘い込み面33の誘導作用によって芯ずれを吸収して雌雄コネクタF,Mの嵌合動作を円滑に行わせることができる。
(3)雌雄コネクタF,Mは雌雄のホルダに対し、初期位置と嵌合完了位置との間を回動動作によって変位させるようにしている。このような回動形式に代えて、仮に軸方向へのスライド動作によって行う場合には、ホルダが大型化してしまうが、本実施例ではかかる懸念がない。
(4)本実施例では、雌コネクタF側において、初期位置と分離位置との間に組み付け位置が設定されている。したがって、雌コネクタFに接続された電線Wは、一旦、初期位置側へ略45度ねじられた後に、ねじれの中立位置である組み付け位置を経由してここから略90度ねじられる。仮に、組み付け位置、初期位置、嵌合完了位置、分離位置を、この記載順で一方向に設定した場合には、電線Wは最終的に略135度ねじられてしまうが、本実施例では電線Wのねじり量が小さくて済むため、作業中の電線Wの負担を軽減することができる、という効果も得られる。
(5)雌ホルダ1と雄ホルダ2は、これらを成形する金型が径方向に進退するいわゆるスライド型を必要とせず、軸方向にのみ開閉する簡易な構造のもので済む。したがって、雌雄のホルダ1、2を安価に製造することができる。
【0060】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、雌雄のホルダ1、2を部品や機器とは別体に形成された場合を示したが、これらの一部として一体的に形成されたものであってもよい。
【0061】
(2)上記実施例では、雄コネクタハウジング29に形成された保持爪24を雄ホルダ2の外側から挟み込むようにして係止する形式を示したが、これに代えて、内側から係止させるようにしてもよい。また、雄ホルダ2側に保持爪24を形成して初期位置で雄コネクタハウジング29に係止するようにし、雌コネクタFの嵌合開始と共にこの係止が解除されるようにしてもよい。
(3)上記実施例では、雌雄コネクタF,Mを雌雄のホルダ1、2に対し回動させることによって初期位置から分離位置に至らせるようにしたが、回動に代えて軸方向への直線変位によって初期位置から分離位置へ至らせるようにしてもよい。