【解決手段】LED照明装置は、光を発する複数のLEDモジュール300と;複数のLEDモジュール300が長手方向に列をなして搭載された基板200と;基板200が搭載された表面と、その一部が突出した突出部430が長手方向に延在して設けられた裏面と、を有する天板部420と、天板部420に接続された側板部410と、を有する放熱部材400と;複数のLEDモジュール300に電源を供給する、天板部420の裏面と側板部410とに囲われ且つ突出部430に固定された電源部600と;電源部600に接続され且つ電源部600と天板部420と側板部410とに囲われた領域において長手方向に延在された第1の配線650と;を有する。
前記放熱部材は、前記側板部の前記電源部と対向する第1の面において前記長手方向に延在する第1の溝を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のLED照明装置。
前記放熱部材は、前記側板部の前記電源部と対向する第1の面とは反対側の第2の面において前記長手方向に延在する第2の溝を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED照明装置。
前記カバーは、前記LEDモジュールと対向する第1箇所と、前記LEDモジュールから見て前記長手方向と直交する短辺方向において前記基板と対向する第2箇所とを有し、
前記カバーの前記第1箇所の前記基板の表面と垂直方向における第1の厚みは、前記第2箇所の前記基板の表面と垂直方向における第2の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1〜
図9は、本発明の第1実施形態に基づくLED照明ユニットを示している。本実施形態のLED照明ユニット101は、基板200、複数のLEDモジュール300、放熱部材400、カバー500、電源部600、および、キャップ700を備えている。なお、
図2および
図3においては、理解の便宜上キャップ700を省略している。LED照明ユニット101は、全体としてx方向に長く延びており、
図7に示すようにx方向視において矩形状とされている。
【0021】
基板200は、たとえばガラスエポキシ樹脂からり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状である。基板200は、z方向を向く搭載面201を有している。搭載面201には、複数のLEDモジュール300が搭載されている。
【0022】
複数のLEDモジュール300は、x方向に配列された状態で基板200の搭載面201に搭載されている。本実施形態においては、複数のLEDモジュール300のピッチは一定である。x方向において最も端に位置するLEDモジュール300と基板200のx方向端縁との距離は、上記ピッチの半分あるいはそれ未満とされている。
【0023】
図10は、LEDモジュール300のyz平面における断面図を示している。本図に示すようにLEDモジュール300は、1対のリード301、LEDチップ303、封止樹脂304、および、リフレクタ305を備えている。1対のリード301は、たとえばCu合金からなり、その一方にLEDチップ303が搭載されている。リード301のうちLEDチップ303が搭載された面と反対側の面は、LEDモジュール300を面実装するために用いられる実装端子302とされている。LEDチップ303は、LEDモジュール300の光源であり、たとえば青色光を発光可能とされている。封止樹脂304は、LEDチップ303を保護するためのものである。封止樹脂304は、LEDチップ303からの光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いて形成されている。これにより、LEDモジュール300は、白色を照射することができる。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合して用いてもよい。リフレクタ305は例えば白色樹脂からなり、LEDチップ303から側方に発された光を上方に反射するためのものである。
【0024】
図1〜
図9に示すように、放熱部材400は、x方向に長く延びており、1対の側板410、天板420、梁部430、および1対の係止部440を有している。放熱部材400は、たとえばアルミからなり押し出し成型によって形成される。1対の側板410は、それぞれがx方向に長く延びる長矩形板状であり、y方向において平行に離間配置している。各側板410は、y方向外方を向く外側面411を有している。各側板410および各該側面411は、x方向においてLED照明ユニット101のほぼ全長にわたる長さとされており、基板200の長さと同じかこれよりも長い。各外側面411には、外溝412が形成されている。外溝412はx方向に延びており、y方向を深さ方向としている。外溝412は、たとえはLED照明ユニット101を設置するための取り付け金具(図示略)を係止するために用いられる。各側板410の内側には、複数の内溝413が形成されている。内溝413はx方向に長く延びており、y方向を深さ方向としている。内溝413は、たとえばLED照明ユニット101を設置するための取り付け金具(図示略)を係止するため、或いは、LED照明ユニット101の内部を隠すための化粧板(図示略)を固定するために用いられる。
【0025】
天板420は、1対の側板410のz方向端どうしを連結しており、x方向に長く延びる長矩形状である。天板420には、基板用凹部421が形成されている。基板用凹部421は、x方向に長く延びており、天板420のy方向中央に設けられている。基板用凹部421には、基板200が収容されている。梁部430は、天板420の基板用凹部421が設けられた側とは反対側に設けられている。梁部430は、x方向に長く延びる断面矩形状の部分であり、y方向において天板420の中央に位置している。梁部430のy方向中央には、穴加工用溝431が形成されている。穴加工用溝431は、断面V字状の比較的小さな溝である。穴加工用溝431は、梁部430に対する穴あけ加工を容易とするために設けられている。
【0026】
1対の係止部440は、天板420のy方向両端からz方向において基板200を超える位置に設けられている。各係止部440は、y方向内方に延出しており、x方向に長く延びている。
【0027】
カバー500は、LEDチップ303(LEDモジュール300)からの光を透過する材質からなり、複数のLEDモジュール300を覆っている。本実施形態においては、カバー500は、LEDチップ303(LEDモジュール300)からの光を拡散させつつ透過する材質からなる。カバー500は、1対の出射側面510、出射天面520、および、1対の係止部540を有している。カバー500は、x方向に長く延びる断面コの字状とされている。1対の出射側面510は、x方向に長く延びており、y方向において互いに平行に離間配置されている。1対の出射側面510は、放熱部材400の1対の外側面411と面一とされている。出射天面520は、1対の出射側面510のz方向端部どうしを繋いでいる。本実施形態においては、出射天面520は、z方向を向く平面とされている。1対の係止部540は、1対の出射側面510のz方向端よりも基板200側に位置しており、それぞれがy方向外方に延びる先端部分を有している。各係止部540が放熱部材400の係止部440と係合することにより、カバー500は、放熱部材400に対して取り付けられている。
【0028】
電源部600は、複数のLEDモジュール300に電源供給するためのものであり、1対の側板410および天板420に囲まれた空間に収容されている。電源部600は、ケース610、電源基板620、端子630、および複数の電子部品640を備えている。ケース610は、たとえば白色樹脂製であり、全体として直方体形状とされている。
図11および
図12に示すように、電源基板620は、長矩形状であり、端子630および複数の電子部品640が実装されている。端子630は、電源部600に通電するための電線(図示略)が接続される。複数の電子部品640は、たとえば交流電力を複数のLEDモジュール300(LEDチップ303)に適した直流電力に変換する機能を実現するためのものである。
図11に示すように、複数の電子部品640は、電源基板620の一方の面に実装されたコンデンサ641、トランス642、コイル643およびバリスタ素子644を含む。また、
図12に示すように、複数の電子部品640は、電源基板620の他方の面に実装されたダイオード645、トランジスタ646、IC647、抵抗器648を含む。IC647は、図外のコントローラによって位相制御された交流電力が入力されると、それに応じた出力の直流電力に変換するためのものであり、LEDチップ303に投入する電力の調節機能を担っている。
【0029】
電源部600は、梁部430に対してボルト660によって取り付けられている。梁9部430には、ボルト660に螺号するねじ穴432が形成されている。ねじ穴432を形成するために梁部439に対して穴あけ加工を施すときには、ドリル先端を穴加工用溝431にあてる。電源部600からは、アース電線650が延びている。アース電線650は、その一端が電源部600の内部、または端子630に接続されており、他端が放熱部材400に接続されている。アース電線650の一部は、梁部430、天板420、1対の側板410、および電源部600に囲まれた空間に収容されている。
【0030】
キャップ700は、放熱部材400のx方向両端に取り付けられており、LED照明ユニット101の内部を隠すためのものである。
図13は、キャップ700の具体的な構成の一例を示している。同図に示すキャップ700は、主板701、係止片710、および1対の嵌合片720を有しており、たとえば樹脂からなる。主板701は、x方向視形状が放熱部材400およびカバー500を合わせた形状とされており、電源部600の端子630を臨ませる切欠きが形成されている。係止片711は、主板701のほぼ中央からx方向に延出しており、その先端側部分に係止突起711が形成されている。係止突起711は、わずかにx方向に突出している。1つの嵌合片720は、互いにy方向に離間配置されており、x方向に平行に延出している。
図14に示すように、放熱部材400の梁部430には、係止穴433が形成されている。係止穴433は、穴加工用溝431を利用して形成されている。キャップ700を取り付けるときには、1対の嵌合片720を1対の側板410の内側に嵌め込みながら、係止片710の係止突起711を係止穴433に係止させる。
【0031】
図15は、複数のLED照明ユニット101を備えたLED照明装置の一例を示している。本実施形態のLED照明装置111は、3つのLED照明ユニット101をx方向に直列配置された構成である。3つのLED照明ユニット101の電源部600どうしは、たとえば交流用の2本の電線とアース用の電線の計3本の電線(いずれも図示略)によって連結されている。各電線は、電源部600の端子630に接続されており、放熱部材400の内側に収容されている。
【0032】
図16は、複数のLED照明ユニット101を備えたLED照明システムの一例を示している。本実施形態のLED照明システム121は、複数のLED照明ユニット101を備えており、さらにその構成要素に、天井面801、壁面802、および、設置溝804を具備している。設置溝804は、天井面801のy方向端縁と壁面802との間に位置しており、x方向に長く延びる断面矩形状の溝である。複数のLED照明ユニット101は、出射端面520がz方向下方(床面803の方向)を向く姿勢で、x方向に直列配置されている。出射端面520は、天井面801と面一とすることが好ましい。
【0033】
次に、LED照明ユニット101、LED照明装置111、およびLED照明システム121の作用について説明する。
【0034】
本実施形態によれば、LEDモジュール101は、1対の側面411に挟まれたx方向に長く延びるスリムな外形である。このため、LED照明装置111やLED照明システム121を構成した場合に、LEDモジュール101が占める部分は、全体としてx方向に細長く延びる態様となる。これにより、LEDモジュール101、LED照明装置111、およびLED照明システム121を点灯させたときに線状に延びた発光部分がそのほとんどを占めることとなり、見栄えが良い。
【0035】
x方向視において矩形状であることにより、設置溝804などへの設置に適している。コの字状の放熱部材400は、LED照明ユニット101の外観を矩形状とするのに適しているとともに、放熱に寄与する面積を増大させることができる。基板用凹部421により、基板200を所望の位置に確実に取り付けることができる。
【0036】
電源部600を放熱部材400の内方に収容することにより、LED照明ユニット101の外観に不当な凹凸を生じさせることを回避することができる。梁部430、天板420、1対の側板410、および電源部600に囲まれた空間を生じさせることは、たとえばアース電線650を他の構成要素と干渉することなく配置するのに有利である。穴加工用溝431は、梁部430のx方向における所望の位置にたとえばねじ穴432や係止穴433を形成するのに適している。
【0037】
外溝412を利用することにより、LED照明ユニット101を容易かつ確実に取り付けることができる。内溝412を利用することにより、LED照明ユニット101を容易かつ確実に取り付けることができるとともに、LED照明ユニット101の内部を隠すための化粧板を所望の位置に設けることができる。
【0038】
カバー500に外側面411と面一である出射側面510を設けること、および出射天面520を平面とすることにより、LED照明ユニット101の外観をスマートな形状とすることができる。
【0039】
キャップ700に係止片710及び対の嵌合片720を設けることにより、いわゆるワンタッチでキャップ700を放熱部材400に対して確実に取り付けることができる。
【0040】
図16に示すように、LED照明システム121においては、複数のLED照明ユニット101からの光は、出射天面520が平面状であることと、カバー500が光を拡散させることとにより、壁面802および床面803に広く照射される。これは、LED照明システム121が設置された部屋全体をより均一に広く照らすのに適している。
【0041】
図17〜
図27は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0042】
<第2実施形態>
図17〜
図23は、本発明の第2実施形態に基づくLED照明ユニットを示している。本実施形態のLED照明ユニット102は、カバー500の構成が上述した実施形態と異なっている。
【0043】
本実施形態においては、カバー500は、レンズ部530を有しており、上述した出射側面510は設けられていない。レンズ部530は、出射天面520からz方向に膨出しており、x方向に長く延びている。レンズ部530は、カバー500のy方向中央に配置されており、y方向において複数のLEDモジュール300と重なっている。カバー500のうち複数のLEDモジュール300と対向する面は、比較的LEDモジュール300に近接した位置に設けられた平面とされている。カバー500は、上述の実施形態と同様に、LEDモジュール300からの光を拡散させつつ透過させる材質からなる。キャップ700は、カバー500のレンズ部530と重なる突起部分を有する形状とされている。
【0044】
図24は、複数のLED照明ユニット102を備えたLED照明装置の一例を示している。本実施形態のLED照明装置112は、3つのLED照明ユニット102をx方向に直列配置された構成である。3つのLED照明ユニット102の電源部600どうしは、たとえば交流用の2本の電線とアース用の電線の計3本の電線(いずれも図示略)によって連結されている。各電線は、電源部600の端子630に接続されており、放熱部材400の内側に収容されている。
【0045】
図25は、複数のLED照明ユニット102を備えたLED照明システムの一例を示している。本実施形態のLED照明システム122は、複数のLED照明ユニット102を備えており、さらにその構成要素に、天井面801、壁面802、設置溝804、およびひさし部805を具備している。設置溝804は、天井面801のy方向端縁と壁面802との間に位置しており、x方向に長く延びる断面矩形状の溝である。ひさし部805は天井面801のy方向端縁からy方向に延びており、設置溝804の全長にわたって設置溝804のy方向右側部分を覆っている。複数のLED照明ユニット102は、レンズ部530がz方向下方(床面803の方向)を向く姿勢で、x方向に直列配置されている。
【0046】
このような実施形態によっても、LEDモジュール102、LED照明装置112、およびLED照明システム122を点灯させたときに線状に延びた発光部分がそのほとんどを占めることとなり、見栄えが良い。
【0047】
レンズ部530を備えることにより、複数のLEDモジュール300からの光は、y方向において集光される。この集光は、カバー500が光を拡散させる度合いに応じてやわらげられる。これにより、
図25に示すように、LED照明システム122は、壁面802のz方向上側部分(図中ハッチング部分)が明るく照らされる、間接照明として機能する。ひさし部805により、LED照明ユニット102からの光が床面803などに直接到達してしまうことを回避することができる。
【0048】
<第3実施形態>
図26は、本発明の第3実施形態に基づくLED照明ユニットを示している。本実施形態のLED照明ユニット103は、カバー500の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、カバー500は、透明な材質からなる。これ以外の構成については、上述したLED照明ユニット102と同様である。
【0049】
図27は、複数のLED照明ユニット103を備えたLED照明システムの一例を示している。本実施形態のLED照明システム123は、複数のLED照明ユニット103を備えており、さらにその構成要素に、天井面801、壁面802、設置溝804、およびひさし部805を具備している。設置溝804は、天井面801のy方向端縁と壁面802との間に位置しており、x方向に長く延びる断面矩形状の溝である。ひさし部805は天井面801のy方向端縁からy方向に延びており、設置溝804の全長にわたって設置溝804のy方向右側部分を覆っている。複数のLED照明ユニット102は、レンズ部530がz方向下方(床面803の方向)を向く姿勢で、x方向に直列配置されている。
【0050】
このような実施形態によっても、LEDモジュール103およびLED照明システム123を点灯させたときに線状に延びた発光部分がそのほとんどを占めることとなり、見栄えが良い。
【0051】
レンズ部530を透明な材質によって形成することにより、複数のLEDモジュール300からの光をy方向において十分に集光させることが可能である。これにより、
図27に示すように、LED照明システム123は、壁面802のz方向上側部分から下側部分に至る領域(図中ハッチング部分)が明るく照らされる。したがって、LED照明システム123は、壁面802全体が明るく光る間接照明として機能する。
【0052】
<第4実施形態>
図29は、本発明の第4実施形態に基づくLED照明システムを示す図である。第4実施形態のLED照明システムは、交流電源(例えば商用AC100V)に対して並列に接続されたm個のLED照明装置X1〜Xmと、LED照明装置X1〜Xmに対して並列に供給される交流電力の位相制御を一元的に行う位相制御型調光器DM1と、を有する。
【0053】
位相制御型調光器DM1による位相制御調光方式としては、リーディングエッジディマー方式(
図30A)やトレーリングエッジディマー方式(
図30B)、或いは、その両方を組み合わせたスマートディマー方式(
図30C)のいずれを採用しても構わない。
【0054】
LED照明装置X1(先出のLED照明装置111及び112に相当)は、その長手方向に沿って直列に配置されたi個のLED照明ユニットY1−1〜i(先出のLED照明ユニット101、102、103に相当)を有する。このような構成とすることにより、i個のLED照明ユニットY1−1〜iをあたかも単一のLED照明装置X1としてシームレスに取り扱うことが可能となる。また、LED照明ユニットY1−1〜iの直列段数iを変更することにより、LED照明装置X1の長手方向サイズを任意に調整することも可能となる。
【0055】
LED照明装置X2〜Xmについても上記と同様である。すなわち、LED照明装置X2は、その長手方向に沿って直列に配置されたj個のLED照明ユニットY2−1〜jを有しており、LED照明装置Xmは、その長手方向に沿って直列に配置されたk個のLED照明ユニットYm−1〜kを有している。
【0056】
なお、本明細書中では、便宜上、上記のパラメータm、i、j、kがいずれも2以上の整数であることを前提として説明を行うが、これらのパラメータの一部または全部を1としたLED照明システム(例えばLED照明ユニット単体での使用)を本発明の技術的範囲から除外する意図はない。
【0057】
LED照明ユニットY1−1〜i、Y2−1〜j、Ym−1〜kの基本構成は同一である。そこで、以下では、LED照明ユニットY1−1を代表例に挙げて、その構造に関する詳細な説明を行う。
【0058】
LED照明ユニットY1−1は、不図示のLEDモジュール(先出のLEDモジュール300に相当)と、LEDモジュールに電力供給を行う電源モジュールZ1−1(先出の電源部600に相当)と、を有する。
【0059】
電源モジュールZ1−1は、基板Z10と、第1コネクタZ11と、第2コネクタZ12と、電源回路Z13と、第1ビアZ14L及びZ14Nと、第2ビアZ15L及びZ15Nと、プリント配線Z16と、ケーブルZ17L及びZ17Nと、を有する。
【0060】
基板Z10(先出の電源基板620に相当)は、第1コネクタZ11、第2コネクタZ12、及び、電源回路Z13などが実装される長矩形状のプリント配線基板である。基板Z10に搭載される部品や配線のレイアウトについては、先出の
図11や
図12で詳細に描写した通りである。
【0061】
第1コネクタZ11(先出の端子630に相当)は、電源モジュールZ1−1の外部から交流電力が供給される部材(第1コンタクト)である。第1コネクタZ11は、ライブ端子(L)、ニュートラル端子(N)、及び、アース端子(E)を備えている。第1コネクタZ11は、基板Z10の第1短辺部に設けられている。
【0062】
第2コネクタZ12(先出の端子630に相当)は、第1コネクタZ11に供給された交流電力をそのまま電源モジュールZ1−1の外部(
図29では、次段の電源モジュールZ1−2に実装された第1コネクタZ11)に伝達するための部材(第2コンタクト)である。第2コネクタZ12は、第1コネクタZ11と同様、ライブ端子(L)、ニュートラル端子(N)、及び、アース端子(E)を備えている。第2コネクタZ12は、基板Z10の第2短辺部(第1短辺部とは反対側の短辺部)に設けられている。
【0063】
なお、モジュール外部と交流電力の受け渡しを行う部材として、第1コネクタZ11及び第2コネクタZ12を用いる構成であれば、LED照明ユニット相互間の接続作業(コネクタ間のケーブル接続作業)を容易かつ安全に行うことが可能となる。
【0064】
電源回路Z13(先出の電子部品640に相当)は、第1コネクタZ11と電気的に接続されており、第1コネクタZ11に供給された交流電力を直流電力に変換して不図示のLEDモジュールに供給する。電源回路Z13には、交流電力に重畳するノイズ成分を除去するフィルタ回路、フィルタ回路の出力を直流電力に変換するAC/DC変換回路、及び、AC/DC変換回路の出力をLEDモジュールへの供給に適したレベルに変換するDC/DC変換回路などが含まれている。なお、電源回路Z13の高さは、第1コネクタZ11や第2コネクタZ12の高さ以下に設計しておくことが望ましい。
【0065】
第1ビアZ14L及びZ14Nは、それぞれ、ケーブルZ17L及びZ17Nの第1端を挿入実装するためのメッキ穴である。第1ビアZ14L及びZ14Nは、それぞれ、基板Z10の裏面側に形成されたプリント配線を介して、第1コネクタZ11のライブ端子(L)及びニュートラル端子(N)と電気的に接続されている。
【0066】
第2ビアZ15L及びZ15Nは、それぞれ、ケーブルZ17L及びZ17Nの第2端を挿入実装するためのメッキ穴である。第2ビアZ15L及びZ15Nは、それぞれ、基板Z10の裏面側に形成されたプリント配線を介して、第2コネクタZ12のライブ端子(L)及びニュートラル端子(N)と電気的に接続されている。
【0067】
プリント配線Z16は、第1コネクタZ11のアース端子(E)と第2コネクタZ12のアース端子(E)との間を電気的に接続する導電部材である。プリント配線Z16は、基板Z10の表面側に形成されている。従って、第1コネクタZ11のアース端子(E)と第2コネクタZ12のアース端子(E)との間は、基板Z10上に形成されたプリント配線Z16によって常に導通されている。なお、プリント配線Z16は、電源回路Z13の搭載領域を迂回する形で基板Z10の周縁部に敷設されている。
【0068】
ケーブルZ17L及びZ17Nは、それぞれ、第1ビアZ14L及びZ14Nと第2ビアZ15L及びZ15Nとの間を電気的に接続する導電部材である。従って、第1コネクタZ11のライブ端子(L)と第2コネクタZ12のライブ端子(L)との間、並びに、第1コネクタZ11のニュートラル端子(N)と第2コネクタZ12のニュートラル端子(N)との間は、それぞれ、基板Z10に着脱可能なケーブルZ17L及びZ17Nによって導通/遮断される。なお、第1ビアZ14L及びZ14Nと第2ビアZ15L及びZ15Nとを互いに隣接して設けておけば、両ビア間を電気的に接続する導電部材として、ジャンパーピンなどを用いることも可能である。
【0069】
このような構成とすることにより、複数用意された同一の電源モジュールにケーブルZ17L及びZ17Nを実装するか否かに応じて、後段に交流電力を転送する必要のある先頭段〜中間段の電源モジュールと、後段に交流電力を転送する必要のない最終段の電源モジュールとを任意に使い分けることができるので、電源モジュールの共通化を図ることが可能となり、延いては、電源モジュールのコストダウンを実現することが可能となる。
【0070】
上記したように、LED照明装置X1では、前段のLED照明ユニットに含まれる電源モジュールの第2コネクタZ12と、後段のLED照明ユニットに含まれる電源モジュールの第1コネクタZ11とを互いに接続する形で、i個のLED照明ユニットY1−1〜iが直列に配置されている。
【0071】
LED照明装置X2〜Xmについても上記と同様である。すなわち、LED照明装置X2では、前段のLED照明ユニットに含まれる電源モジュールの第2コネクタZ12と、後段のLED照明ユニットに含まれる電源モジュールの第1コネクタZ11とを互いに接続する形で、j個のLED照明ユニットY2−1〜jが直列に配置されており、LED照明装置Xmでは、前段のLED照明ユニットに含まれる電源モジュールの第2コネクタZ12と、後段のLED照明ユニットに含まれる電源モジュールの第1コネクタZ11とを互いに接続する形で、k個のLED照明ユニットYm−1〜kが直列に配置されている。
【0072】
その結果、LED照明ユニットY1−1〜i、Y2−1〜j、Ym−1〜kは、各々が直列配置されているにも関わらず、これらを電気的に見た場合には、
図31で示したように、各々が交流電源に対して並列に接続された形となる。
【0073】
従って、第4実施形態のLED照明システムであれば、
図32で示したように、システム内に一つだけ設けられた位相制御型調光器DM1を用いて、全てのLED照明装置X1〜Xmを単一のグループGR1に属する光源として一元的に調光することが可能となる。
【0074】
また、
図33で示したように、システム内に複数の位相制御型調光器DM1〜DM3を設けておけば、LED照明装置X1〜Xmを複数のグループGR1〜GR3に区分した上で、各々を位相制御型調光器DM1〜DM3によって個別に調光することも可能である。
【0075】
<第5実施形態>
図34〜
図36は、本発明の第5実施形態に基づくLED照明装置(直管形のLEDランプ)を示している。第5実施形態のLEDランプA1は、基板1、複数のLEDモジュール3、放熱部材11、電源基板4、複数の電源部品5、ケース6、および一対の口金7を備えており、たとえば直管形蛍光ランプの代替として一般用蛍光ランプ照明器具に取り付けて用いられる。
【0076】
基板1は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、長矩形状に形成されている。基板1は、放熱部材11上に積層配置されており、例えばネジなどを用いて放熱部材11に取り付けられている。基板1としては、表面に絶縁処理が施されたアルミ板を用いてもよい。第5実施形態において、基板1は1対の口金7の双方に達する長さとされており、その上面1aのほぼ全面に複数(数百〜数万)のLEDモジュール3が搭載されている。また、基板1には不図示の配線パターンが形成されている。この配線パターンは、銅などの金属膜から成り、複数のLEDモジュール3を実装し、これらに電力供給するためのものである。配線パターンのうち、LEDモジュール3が実装されない部分は、白色レジストなどの高反射率を有する絶縁層によって被覆しておくことが望ましい。
【0077】
図36に示すように、第5実施形態において、複数のLEDモジュール3は、ケース6の中心軸O1を含む平面に沿って配置されている。なお、各々のLEDモジュール3は、LEDチップ、樹脂パッケージ、基板、および、1対の実装端子を備えている(先出の
図10を参照)。また、LEDモジュール3は、幅が0.6mm、長さが1.0mm、厚さが0.2mmとされており、小型でありかつ非常に薄型のLEDモジュールとして構成されている。
【0078】
放熱部材11は、たとえばアルミニウムから成り、
図34および
図35で示すように基板1の長手方向xに沿って延びる細長ブロック状とされている。
図36によく表れているように、放熱部材11は、その断面が中空半円形状とされている。放熱部材11の中空部には、電源基板4および複数の電源部品5が格納されている。
【0079】
電源基板4は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、長矩形状に形成されている。複数の電源部品5は、LEDモジュール3を点灯させるための電源回路として機能するものであり、電源基板4の両面に実装されている。複数の電源部品5は、AC/DCコンバータ51と、コンデンサや抵抗器などの他の機能部品52とを含み、商用電源から供給される交流を直流定電流に変換してLEDモジュール3に供給するように構成されたものである。AC/DCコンバータ51は、電源基板4に実装される他の機能部品52に比べて、空間に占めるサイズが大きい。
【0080】
ケース6は、基板1および放熱部材11を収容するためのものであり、
図36によく表れているように、円形断面を有する直管状の円筒形とされている。ケース6の内面には、内側に突出させられた一対の突出片61が一体形成されている。このような構成のケース6は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂から成り、押出成形によって一体形成される。
【0081】
図36に表された収容状態において、基板1は、上面1aが突出片61と当接することによってケース6に対する上記中心軸O1に垂直な方向(図中上方向)の移動が規制されている。基板1および放熱部材11、および、電源基板4のケース6内への収容は、突出片61の下方において、基板1および放熱部材11をスライドさせながらケース6内に挿入することにより行う。
【0082】
一対の口金7は、蛍光ランプ照明器具のソケットに装着することにより、商用交流電源から電力供給するためのものである。
図35に表れているように、口金7は、有底円筒状のカバー体71と、カバー体71の中空部に収容保持された樹脂ブロック72と、2本の端子73とを備えている。放熱部材11は、一対の口金7によって支持された状態となっている。端子73と電源基板4とは、電線によって接続されている。端子73は、カバー体71および樹脂ブロック72に貫通する状態で設けられている。端子73の一端部(外側の端部)は、蛍光ランプ照明器具の上記ソケットの差込口に嵌合される部分であり、端子73の他端部は、基板1上の配線パターンとの間で電気的導通が図られている。
【0083】
第5実施形態のLEDランプA1によれば、上記複数のLEDモジュール3が構成する面状光源部3Aから光が発せられる。たとえば複数の点光源から発せられる光を観察した場合に、複数の鋭く輝く輝点が認識されるのとは異なり、面状光源部3Aからの光は、全体に均一な輝度を有する光である。このため、たとえばケース6に強力な拡散機能を持たせることなく、LEDランプA1から均一な光を出射することが可能である。これは、ケース6による光の減衰を抑制するのに適しており、LEDランプA1の発光効率を高めることができる。
【0084】
図37は、本発明の第5実施形態に基づくLED照明システムを示す図である。第5実施形態のLED照明システムは、交流電源(例えば商用AC100V)に対して並列に接続されたm個のLEDランプA1〜Amと、LEDランプA1〜Amに対して並列に供給される交流電力の位相制御を一元的に行う位相制御型調光器DM1と、を有する。
【0085】
LEDランプA1の詳細な構造については、先出の
図34〜
図36を参照しながら説明した通りであり、直管形のケース6と、ケース6内に収納されたLEDモジュール3と、を有するほか、LEDモジュール3に電力供給を行う手段として、ケース6の長手方向に沿って直列に配置されたi個の電源モジュールZ1−1〜Z1−iを有する。
【0086】
なお、i個の電源モジュールZ1−1〜Z1−iは、それぞれ、LEDランプA1に含まれる多数のLEDモジュール3をi個のグループに分割して駆動する。このような構成とすることにより、LEDランプA1に含まれる全てのLEDモジュール3を単一の電源モジュールで駆動する構成と比べて、電源モジュールZ1−1〜i各々のサイズ(特に、AC/DCコンバータのサイズ)を縮小することができるので、多数のLEDモジュール3を駆動するために必要な電源モジュールをケース6内に収納することが可能となる。特に、位相制御型調光器DM1に対応したLEDランプA1では、大型サイズのAC/DCコンバータが必要となるので、上記の構成を採用することが有益になると考えられる。
【0087】
LEDランプA2〜Amについても上記と同様である。つまり、LEDランプA2は、ケース6の長手方向に沿って直列に配置されたj個の電源モジュールZ2−1〜jを有しており、LEDランプA2に含まれる多数のLEDモジュール3は、j個のグループに分割して駆動される。また、LEDランプAmは、ケース6の長手方向に沿って直列に配置されたk個の電源モジュールZm−1〜kを有しており、LEDランプAmに含まれる多数のLEDモジュール3は、k個のグループに分割して駆動される。
【0088】
電源モジュールZ1−1〜i、Z2−1〜j、Zm−1〜kの基本構成は同一である。そこで、以下では、電源モジュールZ1−1を代表例に挙げて、その構造に関する詳細な説明を行う。
【0089】
電源モジュールZ1−1は、基板Z20と、第1コンタクトZ21と、第2コンタクトZ22と、電源回路Z23と、を有する。
【0090】
基板Z20(先出の電源基板4に相当)は、電源回路Z23などが実装される長矩形状のプリント配線基板である。
【0091】
第1コンタクトZ21は、電源モジュールZ1−1の外部から交流電力を供給するためのケーブルが挿入実装されるビア(メッキ穴)である。第1コンタクトZ21としては、ライブ端子(L)、ニュートラル端子(N)、及び、アース端子(E)に相当する3つのビアが設けられている。なお、第1コンタクトZ21は、基板Z20の第1短辺部に設けられている。
【0092】
第2コンタクトZ22は、第1コンタクトZ21に供給された交流電力をそのまま電源モジュールZ1−1の外部(
図37では、次段の電源モジュールZ1−2に設けられた第1コンタクトZ21)に伝達するためのケーブルが挿入実装されるビア(メッキ穴)である。第2コンタクトZ22としては、第1コンタクトZ21と同様、ライブ端子(L)、ニュートラル端子(N)、及び、アース端子(E)に相当する3つのビアが設けられている。なお、第2コンタクトZ22は、第1コンタクトZ21に隣接して設けられている。第2コンタクトZ22のライブ端子(L)及びニュートラル端子(N)は、それぞれ、基板Z20の裏面側に形成されたプリント配線を介して、第1コンタクトZ21のライブ端子(L)及びニュートラル端子(N)と電気的に接続されている。一方、第2コンタクトZ22のアース端子(E)は、基板Z20の表面側に形成されたプリント配線を介して、第1コンタクトZ21のアース端子(E)と電気的に接続されている。
【0093】
なお、モジュール外部と交流電力の受け渡しを行う部材として、コネクタではなくビアを用いる構成であれば、電源モジュールの小型化に貢献することが可能となる。
【0094】
電源回路Z23(先出の電源部品5に相当)は、第1コンタクトZ21と電気的に接続されており、第1コンタクトZ21に供給された交流電力を直流電力に変換して不図示のLEDモジュールに供給する。電源回路Z23には、交流電力に重畳するノイズ成分を除去するフィルタ回路、フィルタ回路の出力を直流電力に変換するAC/DC変換回路、及び、AC/DC変換回路の出力をLEDモジュールへの供給に適したレベルに変換するDC/DC変換回路などが含まれている。なお、電源回路Z23の高さは、ケース6の半径以下に設計しておくことが望ましい。
【0095】
上記したように、LEDランプA1では、前段の電源モジュールの第2コンタクトZ22と、後段の電源モジュールの第1コンタクトZ21とを互いに接続する形で、i個の電源モジュールZ1−1〜iが直列に配置されている。
【0096】
LEDランプA2〜Amについても上記と同様である。すなわち、LEDランプA2では、前段の電源モジュールの第2コンタクトZ22と、後段の電源モジュールの第1コンタクトZ21とを互いに接続する形で、j個の電源モジュールZ2−1〜jが直列に配置されており、LEDランプAmでは、前段の電源モジュールの第2コンタクトZ22と、後段の電源モジュールの第1コンタクトZ21とを互いに接続する形で、k個の電源モジュールZm−1〜kが直列に配置されている。
【0097】
その結果、電源モジュールZ1−1〜i、Z2−1〜j、Zm−1〜kは、各々が直列配置されているにも関わらず、これらを電気的に見た場合には、各々が交流電源に対して並列に接続された形となる。
【0098】
<その他の変形例>
本発明に係る電源モジュール、並びに、これを用いたLED照明ユニット、LED照明装置、および、LED照明システムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0099】
例えば、LED照明ユニット101、102、103のx方向長さや各々に含まれるLEDモジュール300の個数(延いてはLEDチップ303の個数)に応じて、1つのLED照明ユニット101、102、103が複数の電源部600を備える構成としてもよい。
【0100】
このように、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。