【解決手段】本発明の一実施例による電子機器用カバー100は、金属物質からなる第1金属領域110を有する金属プレート101と、金属プレート101の第1金属領域110の一部領域に形成された貫通孔150と、貫通孔150から第1金属領域110の一側端部まで形成された電気的なオープン経路180と、を含む。
前記電気的なオープン領域は、前記第1金属領域の一部領域が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、前記電気的なオープン経路は、前記電気的なオープン領域から前記第1金属領域の一側端部までの金属物質が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、
前記金属酸化法は陽極酸化法(anodizing process)である、請求項7に記載の電子機器用カバー。
少なくとも前記電気的なオープン領域及び前記電気的なオープン経路を覆うように前記金属プレートに配置された非金属部材をさらに含む、請求項7に記載の電子機器用カバー。
前記電気的なオープン領域は、前記第1金属領域の一部領域が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、前記電気的なオープン経路は、前記電気的なオープン領域から前記第1金属領域の一側端部までの金属物質が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、
前記金属酸化法は陽極酸化法(anodizing process)である、請求項19に記載のアンテナアセンブリ。
前記電気的なオープン領域は、前記第1金属領域の一部領域が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、前記電気的なオープン経路は、前記電気的なオープン領域から前記第1金属領域の一側端部までの金属物質が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、
前記金属酸化法は陽極酸化法(anodizing process)である、請求項30に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0041】
図1は本発明の実施例による電子機器用カバーの斜視図である。
【0042】
図1を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバー100は、金属プレート101と、電気的なオープン経路130と、アンテナ放射部125と、を含むことができる。
【0043】
上記金属プレート101は、金属物質からなる第1金属領域110及び第2金属領域120を含むことができる。
【0044】
例えば、上記金属プレート101は、全体が金属物質からなってもよく、一部が金属物質からなってもよい。
【0045】
ここで、上記金属物質は、蒸着、めっき、及び塗装の少なくとも一つにより形成されることができる。
【0046】
また、本発明の実施例による金属プレート101は、平面、曲面、一部曲面などからなることができ、その形状や表面形態が特に限定されるものではない。但し、上記金属プレート101を含む電子機器用カバー100が、アンテナが必要な電子機器の金属カバーとして用いられることができ、この場合には、適用される電子機器に適した形態及び構造を有することができる。
【0047】
上記電気的なオープン経路130は、上記金属プレート101の金属物質のうち上記第1金属領域110と上記第2金属領域の間の金属物質が金属酸化法により非金属化されることにより形成され、上記第1金属領域110と上記第2金属領域を互いに電気的に分離させることができる。
【0048】
上記金属酸化法は、金属物質を酸化させて非金属化させることができる酸化法であって、例えば、陽極酸化法(anodizing process)が適用されることができるが、これに限定されるものではない。
【0049】
一方、陽極酸化法について簡単に説明すると、アノダイジング(Anodizing)ともいい、これは、「陽極(Anode)+酸化(Oxidizing)」を意味する用語であって、電解液で満たされた反応槽に陰極棒及び陽極の金属製品(金属プレート)を入れると、下記の酸化反応式により金属製品の表面が酸化・腐食(以下、酸化という)することになる。
【0051】
ここで、本発明の各実施例において、上記金属プレートの金属物質は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ステンレス鋼(SUS)、及び鉄(Fe)の少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されず、伝導性を有する材質であれば何れであってもよい。この際、陽極の電圧が十分に大きいと、電解液の侵食作用、被膜の破壊、生成過程が繰り返されることで被膜が内部に成長し、その厚さだけセラミック化することにより、電気絶縁性、耐食性、耐磨耗性に優れた金属酸化層が形成されることができる。
【0052】
上記の陽極酸化法についての説明は、金属酸化法の一例として提示されたものに過ぎず、これに限定されるものではなく、本発明の理解のための一例として提示されたものである。
【0053】
上記アンテナ放射部125は、上記第2金属領域120に形成されることができる。
【0054】
上記第1金属領域110と上記第2金属領域120とが電気的に分離されると、上記金属プレート101の第1金属領域110が接地されても、上記第2金属領域120は上記第1金属領域110と電気的に分離されたアンテナ放射部として用いられることができる。
【0055】
例えば、上記アンテナ放射部125は、第2金属領域120自体が電子機器の内部の電気回路部または内部アンテナと電気的に連結されるかまたは電磁的にカップリングされて、アンテナとして作用することができる。
【0056】
一方、本発明の実施例による電子機器は、スマートフォン、TV放送受信用セットトップボックス、ノート型パソコン、テレビセットなどを始め、アンテナが必要な電子製品であることができる。以下で携帯端末機を中心として説明しても、これに限定されるのではなく、アンテナが必要な電子製品であることができる。これに対するいくつかの例を
図2から
図4を参照して説明する。
【0057】
図2から
図4は本発明の実施例による電子機器用カバーの実施形態図である。
【0058】
図2を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバー100は、携帯端末機の裏面カバーとして用いられることができる。上記電子機器用カバー100は、携帯端末機本体500と結合されることができる。
【0059】
上記電子機器用カバー100は、電気的なオープン経路130により電気的に分離された第1金属領域110及び第2金属領域120を含み、上記第2金属領域120はアンテナ放射部125を含むことができる。また、上記電子機器用カバー100は、第1カメラ用貫通孔150、フラッシュ用貫通孔、スピーカー用貫通孔などを含むことができる。
【0060】
上記携帯端末機本体500は、内部カバー510と、カメラ部520と、電池530と、内部アンテナ540と、を含むことができる。
【0061】
この際、上記電子機器用カバー100のアンテナ放射部125は、上記携帯端末機本体500の内部アンテナ540と電気的コネクションまたは電磁気的カップリングを形成することができる。ここで、携帯端末機本体500が内部アンテナ540を含んでいない場合には、内部アンテナに代えて、コネクション部やカップリング部が配置されることができる。この場合、コネクション部やカップリング部を介して電気回路部に電気的に連結されることができる。
【0062】
また、上記アンテナ放射部125と上記携帯端末機本体500の内部アンテナ540とが電気的に連結されて、上記アンテナ放射部125に給電される場合、上記アンテナ放射部125での電流の流れによる電気的な導体の長さに該当するインダクタンス、及び上記アンテナ放射部125と上記携帯端末機本体500の内部アンテナ540との電磁気的カップリングによるキャパシタンスにより、共振が形成されることができる。この共振周波数を用いると、利得、帯域幅及び放射特性などのアンテナの性能を向上させることができる。上記の内容は、本発明の各実施例に適用されることができる。
【0063】
図3を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバーは、セットトップボックスの上面カバーとして用いられることができる。
【0064】
図3を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバー100は、セットトップボックスの上面カバーとして用いられることができる。上記電子機器用カバー100は、セットトップボックス本体600と結合されることができる。
【0065】
上記電子機器用カバー100は、電気的なオープン経路130により電気的に分離された第1金属領域110及び第2金属領域120を含み、上記第2金属領域120はアンテナ放射部125を含むことができる。
【0066】
上記セットトップボックス本体600は、内部アンテナ640及び電気回路部が取り付けられた電気回路ボードを含むことができる。
【0067】
この際、上記電子機器用カバー100のアンテナ放射部125は、上記セットトップボックス本体600の内部アンテナ640と電気的コネクションまたは電磁気的カップリングを形成することができる。ここで、セットトップボックス本体600が内部アンテナ640を含んでいない場合には、内部アンテナに代えて、コネクション部やカップリング部が配置されることができる。この場合、コネクション部やカップリング部を介して電気回路部に電気的に連結されることができる。
【0068】
図4を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバーは、ノート型パソコンの上面カバーとして用いられることができる。
【0069】
図4を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバー100は、ノート型パソコンの上面カバーとして用いられることができる。上記電子機器用カバー100は、ノート型パソコン本体700と結合されることができる。
【0070】
上記電子機器用カバー100は、電気的なオープン経路130により電気的に分離された第1金属領域110及び第2金属領域120を含み、上記第2金属領域120はアンテナ放射部125を含むことができる。
【0071】
上記ノート型パソコン本体700は、内部アンテナ740及び電気回路部が取り付けられた電気回路ボードを含むことができる。
【0072】
この際、上記電子機器用カバー100のアンテナ放射部125は、上記ノート型パソコン本体700の内部アンテナ740と電気的コネクションまたは電磁気的カップリングを形成することができる。ここで、ノート型パソコン本体700が内部アンテナ740を含んでいない場合には、内部アンテナに代えて、コネクション部やカップリング部が配置されることができる。この場合、コネクション部やカップリング部を介して電気回路部に電気的に連結されることができる。
【0073】
図5は本発明の実施例による電子機器用カバーの具現斜視図であって、(a)はアンテナパターンの一例示図であり、(b)はアンテナパターンの他の例示図である。
【0074】
図5を参照すると、上記アンテナ放射部125は、上述のように、第2金属領域120自体と電子機器の内部の電気回路部または内部アンテナとの電気的コネクションまたは電磁気的カップリングにより、アンテナとして作用することができる。
【0075】
一方、
図5に図示したように、上記アンテナ放射部125は特定のアンテナパターンからなることができる。例えば、上記第2金属領域120の一部領域を金属酸化法により非金属化させると、酸化された一部領域124により、酸化されずに残っている金属領域からなるアンテナパターンが形成されることができる。
【0076】
上記アンテナパターンは、
図5の(a)に図示したように、縁部に沿って形成されたループ(loop)状であってもよく、
図5の(b)に図示したように、逆F(Inverted F)状であってもよく、その他にも、スパイラル(spiral)状であってもよい。このように、上記アンテナパターンは様々な形状からなることができ、特にこれに限定されるものではない。
【0077】
上述のように、上記アンテナ放射部125は、電子機器の内部の電気回路部または内部アンテナと電気的コネクションまたは電磁気的カップリングすることで、アンテナとして作用することができる。その例を、
図6及び
図7を参照して説明する。
【0078】
図6及び
図7は本発明の実施例による電子機器用カバーの結合を示した例示図である。
【0079】
図6は、上記アンテナ放射部125が電子機器の内部アンテナ540と電気的コネクションされる例である。
図6を参照すると、上記電子機器用カバー100と電子機器の携帯端末機本体500とが結合して締結される時に、上記アンテナ放射部125のアンテナパターンの接続部T11、T12が、携帯端末機本体500の内部アンテナ540の接続部T21、T22に形成された弾性接続ピンP11、P12に直接接触して弾性連結されることができる。これは、電気的コネクションの一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0080】
図7は、上記アンテナ放射部125が電子機器の内部アンテナ540と電磁的にカップリングされる例である。
図7を参照すると、上記電子機器用カバー100と携帯端末機本体500とが結合して締結される時に、上記アンテナ放射部125が携帯端末機本体500の内部アンテナ540と電磁気的カップリング(C結合)されることができる。
【0081】
この場合、上記アンテナ放射部125と携帯端末機本体500の内部アンテナ540との間にキャパシタンス(C)が形成されることができる。
【0082】
図8は本発明の実施例による電子機器用カバーの電気的なオープン経路の例示図である。
【0083】
図8を参照すると、上記電気的なオープン経路130は、ケース1(C1)、ケース2(C2)、ケース3(C3)、及びケース4(C4)などの様々な構造からなることができる。
【0084】
例えば、金属プレート101のA‐B線の断面構造を参照すると、ケース1(C1)は、金属プレート101の下面において、金属酸化させる領域のみを残してマスキング物質でマスキングした状態で、金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路130の断面構造である。本発明の実施例において、マスキング物質は、金属酸化法により金属プレート101の表面が酸化されないように防止することができるマスキングフィルムやマスキング治具(JIG)などであることができ、マスキング物質やマスキング方式は特に限定されるものではない。
【0085】
ケース2(C2)は、金属プレート101の下面及び上面のそれぞれにおいて、金属酸化させる領域のみを残してマスキング物質でマスキングした状態で、金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路130の断面構造である。
【0086】
ケース3(C3)は、金属プレート101の下面に凹溝131を形成した後、マスキングしていない状態で上面に金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路130の断面構造である。
【0087】
ケース4(C4)は、金属プレート101の下面に凹溝131を形成した後、マスキングしていない状態で下面及び上面の両方に金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路130の断面構造である。
【0088】
ケース5(C5)は、少なくとも上記電気的なオープン経路130を覆うように、上記ケース1(C1)の上記金属プレート101に非金属部材135を配置した場合の電気的なオープン経路130の断面構造である。
【0089】
また、ケース6(C6)は、少なくとも上記電気的なオープン経路130を覆うように、上記ケース3(C3)の上記金属プレート101に非金属部材135を配置した場合の電気的なオープン経路130の断面構造である。
【0090】
上述のように、ケース1からケース4を例に挙げて上記電気的なオープン経路130の構造について説明したが、これに限定されるものではない。
【0091】
上記金属プレート101において、上記電気的なオープン経路130が形成される部位は、その強度が弱くなり得る。したがって、その強度を補強するために、上記非金属部材135を上記金属プレート101に配置することができる。上述のケース1からケース4のそれぞれに非金属部材135を配置することができ、一例として、上記ケース5及びケース6を用いて説明した。
【0092】
また、別に製作された上記非金属部材135を上記金属プレート101に付着するか、または上記金属プレート101に上記非金属部材135をインサート(insert)射出成形またはアウトサート(outsert)射出成形により形成することができる。ここで、上記非金属部材135を上記金属プレート101に配置する方式が上述の例に限定されない。
【0093】
例えば、電気的なオープン経路130は、金属プレート101の下面から上面まで金属成分が存在してはならない。例えば、電気的に無限大のインピーダンスを有するように非金属化されなければならない。よって、金属プレート101の厚さ、金属の酸化時間、金属酸化により非金属化が可能な厚さなどを考慮して、電気的なオープン経路130に該当する金属プレート101の金属領域を、下面から上面まで金属成分が全く存在せず、無限大のインピーダンスを有するように酸化できる方式であれば、何れも適用されることができる。
【0094】
ここで、上記凹溝131は、上記金属カバーが電子機器に締結される時に外部に露出されないように、金属カバーの内側面に形成されることができる。本発明の実施例において、
図8に図示したような電気的なオープン経路130の断面構造や下記に説明する電気的なオープン領域の断面構造は、様々な例の一つとして提示されるものであって、そのサイズや形状を限定するためのものではない。
【0095】
一例として、採択した金属酸化法で0.7mmの厚さを酸化させることができる場合、上記金属カバー100の厚さが0.6mm程度であれば、0.7mmの金属を金属酸化法により酸化させることができるため、凹溝を形成しなくても電気的なオープン経路を十分に形成することができる。
【0096】
これと異なって、採択した金属酸化法で0.3mmの厚さを酸化させることができる場合、上記金属カバー100の厚さが0.9mm程度であれば、0.7mm程度の凹溝を形成した後、残りの0.2mmの金属を金属酸化法により酸化させることで、電気的なオープン経路を十分に形成することができる。
【0097】
図8を参照すると、上記電気的なオープン経路130は、上述のケース1(C1)及びケース2(C2)のように、金属酸化層のみを含んでいてもよい。
【0098】
または、上記電気的なオープン経路130は、上述のケース3(C3)及びケース4(C4)のように、凹溝131及び金属酸化層132を含んでいてもよい。
【0099】
この際、上記凹溝131は、上記第1金属領域110と上記第2金属領域120との境界に沿って凹状に形成されることができる。
【0100】
また、上記金属酸化層132は、上記凹溝131の内部底面から反対側の他面までの金属物質が金属酸化法によりセラミックに非金属化されることで形成された層である。
【0101】
図9及び
図10は本発明の実施例によるアンテナアセンブリの分解斜視図である。
【0102】
図9及び
図10を参照すると、本発明の実施例によるアンテナアセンブリは、電子機器用カバー100と、アンテナモジュール200と、を含むことができる。
【0103】
上記電子機器用カバー100は、電子機器の内面または外部に配置されることができる。例えば、上記電子機器用カバー100は、電子機器の外部カバーまたは電子機器の内部カバーであることができる。本発明の実施例において、例えば、電子機器用カバー100を外部カバーとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0104】
一例として、上記アンテナモジュール200は、アンテナシート210と、上記アンテナシート210に形成されたアンテナパターンコイル220と、を含むことができる。この際、上記アンテナシート210は、渦電流を減衰し、且つアンテナパターンコイル220の電流集中度を高めるために、フェライトなどの磁性体物質を含むことができる。上記アンテナパターンコイル220は、上記アンテナシート210の縁部に沿って形成されるループ(loop)状またはスパイラル(spiral)状からなることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0105】
このようなアンテナモジュール200は、上記電子機器用カバー100の内側に配置されることができる。例えば、上記アンテナモジュール200は、電子機器用カバー100の内側面に配置されるか、または電子機器の携帯端末機本体500の内部カバー510に配置されるか、または電池530に配置されることができる。
【0106】
このようなアンテナモジュール200は、携帯端末機本体500の電気回路部と電気的に連結され、上記電子機器用カバー100と電磁気的カップリングを形成することができる位置であれば、特定位置に限定されずに配置される。
【0107】
但し、一例として、アンテナモジュール200が近距離通信用(NFC)アンテナとして適用される場合、上記電子機器用カバー100の一部を介して電磁波が出入りできる位置に配置されることができる。これに対しては、
図9及び
図10を参照して説明する。
【0108】
先ず、
図9を参照すると、上記電子機器用カバー100は、金属プレート101と、貫通孔(例えば、150、155、158)と、電気的なオープン経路180と、を含むことができる。
【0109】
上記金属プレート101は、少なくとも一部が金属物質であり、金属物質からなる第1金属領域110を含むことができる。
【0110】
例えば、上記金属プレート101は、少なくとも一部が金属物質からなることができる。すなわち、上記金属プレート101は、全体が金属物質からなるか、または一部が金属物質からなることができる。
【0111】
この際、本発明の実施例による上記金属物質は、蒸着、めっき、及び塗装の少なくとも一つにより形成されることができる。
【0112】
上記貫通孔は、上記金属プレート101の第1金属領域110の一部領域に形成され、空間的な電磁波の出入りを許容することができる。ここで、上記貫通孔がアンテナシート210の中央位置に対応する場合、上記アンテナシート210の中央位置には、カメラ撮影経路を提供するための貫通口が形成されることができる。
【0113】
本発明の実施例において、貫通孔は、金属プレート101の上面から下面までの金属が除去されてなる孔であって、上記貫通孔には、プラスチックなどの非金属物質が充填されていてもよい。本発明の実施例において、少なくとも貫通孔は、電気的に無限大のインピーダンスを有するオープン領域を意味する。
【0114】
例えば、アンテナモジュール200が近距離通信用(NFC)アンテナのように短波の低周波(例えば、13.56MHz)用として用いられる場合には、電気的なオープン領域に該当する貫通孔のような孔が必要であり、この貫通孔の付近に上記アンテナモジュール200が配置されると、アンテナの効率が向上することができる。
【0115】
上記電気的なオープン経路180は、上記貫通孔150から上記第1金属領域110の一側端部までの金属物質が金属酸化法により非金属化された部分であり、上記電気的なオープン経路180により、上記第1金属領域110での電磁波の経路(例えば、渦電流)を変更させることができる。
【0116】
例えば、アンテナモジュール200が貫通孔150の付近に配置されると、電磁波の出入りが許容されることができるが、上記電子機器用カバー100が金属材質であるため、レンツの法則(lenz’s law)による反発磁場が上記電子機器用カバー100に発生し、アンテナモジュール200に流れる電流方向と反対方向に渦電流が電子機器用カバー100に形成され、この渦電流がアンテナモジュール200の電流の流れを妨害することになり、アンテナの性能が低下し得る。
【0117】
この際、上記渦電流の経路を上記電気的なオープン経路180が変更させることで、渦電流がアンテナモジュール200の電流の流れに与える妨害を軽減することができるだけでなく、渦電流の分布を上記電子機器用カバー100の全範囲に分散させることで、アンテナの認識距離を増加させることもできる。
【0118】
次に、
図10を参照すると、上記電子機器用カバー100は、金属プレート101と、電気的なオープン領域160と、電気的なオープン経路180と、を含むことができる。
【0119】
ここで、上記金属プレート101は、電気的なオープン領域160を有する点で
図9に図示した金属プレートと異なる。以下では、
図9と異なる点を中心に説明する。
【0120】
上記電気的なオープン領域160は、上記金属プレート101の第1金属領域110の一部領域が金属酸化法により非金属化された非金属領域であり、空間的な電磁波の出入りを許容することができる。
【0121】
ここで、電気的なオープン領域160は、金属酸化法により金属がセラミックに酸化された領域であって、上記貫通孔150と同様に、空間的な電磁波の出入りを許容することができる。
【0122】
例えば、上記アンテナアセンブリが適用される携帯端末機本体500において、アンテナモジュール200を貫通孔150の付近に配置することが適さないか、困難である場合には、空間的な電磁波の出入りを許容できるように、電気的なオープン領域160を用いることができる。このように電気的なオープン領域160を用いると、アンテナモジュール200を貫通孔にかかわらず配置できるため、その位置を自由に決定することができる。
【0123】
上記電気的なオープン経路180も、上述のように、上記電気的なオープン領域160から上記第1金属領域110の一側端部までの金属物質が金属酸化法により非金属化された非金属経路であって、上記アンテナモジュール200により発生する電磁波の経路を変更させることができる。
【0124】
例えば、アンテナモジュール200が電気的なオープン領域160の付近に配置されると、電磁波の出入りが許容されることができるが、上記電子機器用カバー100が金属材質であるため、上述のようにレンツの法則(lenz’s law)による反発磁場が上記電子機器用カバー100に発生し、アンテナモジュール200に流れる電流方向と反対方向に渦電流が電子機器用カバー100に形成されて、この渦電流がアンテナモジュール200の電流の流れを妨害することになり、アンテナの性能が低下し得る。
【0125】
この際、上記渦電流の経路を上記電気的なオープン経路180が変更させることで、渦電流がアンテナモジュール200の電流の流れに与える妨害を軽減することができるだけでなく、渦電流の分布を上記電子機器用カバー100の全範囲に分散させることで、アンテナの認識距離を増加させることもできる。
【0126】
図11及び
図12は本発明の実施例による電気的なオープン経路の例示図である。
【0127】
図11に図示されたケース1からケース4(C1〜C4)を参照すると、全体が金属物質からなる電子機器用カバー100において、上記電気的なオープン経路180は貫通孔150から様々な方向に形成されることができ、一つまたは複数個が形成されることができることが分かる。
【0128】
図12に図示されたケース1からケース4(C1〜C4)を参照すると、両端部がプラスチックなどの非金属物質からなり、その他の一部が金属物質からなる電子機器用カバー100において、上記電気的なオープン経路180は、貫通孔150から様々な方向に形成されることができ、一つまたは複数個が形成されることができることが分かる。
【0129】
図13及び
図14は本発明の実施例による貫通孔及び電気的なオープン経路の例示図である。
【0130】
図11から
図14を参照すると、上記貫通孔は、上記電子機器用カバー100に形成された孔であって、空間的な電磁波の出入りを許容することができる孔であればよい。例えば、カメラ用孔150、フラッシュ用孔155、スピーカー用孔158であることができ、その他にも、特別に形成された孔であってもよい。
【0131】
図11及び
図12には、貫通孔としてカメラ用孔150が図示されており、
図13には、貫通孔としてフラッシュ用孔155が図示されており、
図14には、貫通孔としてスピーカー用孔158が図示されている。
【0132】
ここで、本発明の実施例において、貫通孔の例としてカメラ用孔150を用いて説明するが、これは一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0133】
図15及び
図16は本発明の実施例による電気的なオープン領域の例示図である。
【0134】
図15を参照すると、上記電気的なオープン領域160は、ケース1(C1)、ケース2(C2)、ケース3(C3)、及びケース4(C4)などの様々な構造からなることができる。
【0135】
例えば、金属プレート101のA1‐A2線の断面構造を参照すると、ケース1(C1)は、金属プレート101の下面において、金属酸化させる領域のみを残してマスキング物質でマスキングした状態で、金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン領域160の断面構造である。
【0136】
ケース2(C2)は、金属プレート101の下面及び上面のそれぞれにおいて、金属酸化させる領域のみを残してマスキング物質でマスキングした状態で、金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン領域160の断面構造である。
【0137】
ケース3(C3)は、金属プレート101の下面に凹溝161を形成した後、マスキングしていない状態で下面に金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン領域160の断面構造である。
【0138】
ケース4(C4)は、金属プレート101の下面に凹溝161を形成した後、マスキングしていない状態で下面及び上面の両方に金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン領域160の断面構造である。
【0139】
ケース5(C5)は、少なくとも上記電気的なオープン領域160を覆うように、上記ケース1(C1)の上記金属プレート101に非金属部材165を配置した場合の電気的なオープン領域160の断面構造である。
【0140】
また、ケース6(C6)は、少なくとも上記電気的なオープン領域160を覆うように、上記ケース3(C3)の上記金属プレート101に非金属部材165を配置した場合の電気的なオープン領域160の断面構造である。
【0141】
上述のように4つのケースを例に挙げて上記電気的なオープン領域160の構造について説明したが、これに限定されるものではない。
【0142】
上記金属プレート101において、上記電気的なオープン領域160が形成された部位は、その強度が弱くなり得る。したがって、その強度を補強するために、上記非金属部材165を上記金属プレート101に配置することができる。上述のケース1からケース4のそれぞれに非金属部材165を配置することができ、一例として、上記ケース5及びケース6を用いて説明した。
【0143】
また、別に製作された上記非金属部材165を上記金属プレート101に付着するか、または上記金属プレート101に上記非金属部材165をインサート(insert)射出成形またはアウトサート(outsert)射出成形により形成することができる。ここで、上記非金属部材165を上記金属プレート101に配置する方式は上述の例に限定されるものではない。
【0144】
この際、凹溝161は、上記金属カバーが電子機器に締結される時に外部に露出されないように、金属カバーの内側面に形成されることができる。ここで、金属プレートの下面が内側面に対応し、その上面が外部露出面に対応することができる。
【0145】
また、
図15のように、上記金属プレート101に電気的なオープン領域160及び電気的なオープン経路180の両方が形成される場合には、電気的なオープン領域160または電気的なオープン経路180を覆うように、上記金属プレート101に非金属部材165を配置することができる。また、より高い強度補強のために、少なくとも上記電気的なオープン領域160及び電気的なオープン経路180の両方を覆うように、上記金属プレート101に非金属部材165、185を配置することができる。
【0146】
ここで、上記電気的なオープン領域160を覆うように配置された非金属部材165と、上記電気的なオープン経路180を覆うように配置された非金属部材185とは、別に形成されることができるが、工程の便宜性を考慮すると、一体に形成されることもできる。
【0147】
図15を参照すると、上記電気的なオープン領域160は、上述のケース1(C1)及びケース2(C2)のように、金属酸化層のみを含んでいてもよい。
【0148】
または、上記電気的なオープン領域160は、上述のケース3(C3)及びケース4(C4)のように、凹溝161及び金属酸化層162を含んでいてもよい。
【0149】
上記凹溝161は、上記第1金属領域110と上記第2金属領域120との境界に沿って凹状に形成されることができる。
【0150】
また、上記金属酸化層162は、上記凹溝161の内部底面から反対側の他面までの金属物質が金属酸化法によりセラミックに非金属化されることで形成された層である。
【0151】
図16を参照すると、上記電気的なオープン経路180は、ケース1(C1)、ケース2(C2)、ケース3(C3)、及びケース4(C4)などの様々な構造からなることができる。
【0152】
例えば、金属プレート101のB1‐B2線の断面構造を参照すると、ケース1(C1)は、金属プレート101の下面において、金属酸化させる領域のみを残してマスキング物質でマスキングした状態で、金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路180の断面構造である。
【0153】
ケース2(C2)は、金属プレート101の下面及び上面のそれぞれにおいて、金属酸化させる領域のみを残してマスキング物質でマスキングした状態で、金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路180の断面構造である。
【0154】
ケース3(C3)は、金属プレート101の下面に凹溝181を形成した後、マスキングしていない状態で下面に金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路180の断面構造である。
【0155】
また、ケース4(C4)は、金属プレート101の下面に凹溝181を形成した後、マスキングしていない状態で下面及び上面の両方に金属酸化を行った場合に形成される電気的なオープン経路180の断面構造である。
【0156】
ケース5(C5)は、少なくとも上記電気的なオープン経路180を覆うように、上記ケース1(C1)の上記金属プレート101に非金属部材185を配置した場合の電気的なオープン経路180の断面構造である。
【0157】
また、ケース6(C6)は、少なくとも上記電気的なオープン経路180を覆うように、上記ケース3(C3)の上記金属プレート101に非金属部材185を配置した場合の電気的なオープン経路180の断面構造である。
【0158】
上述のように、4つのケースを例に挙げて上記電気的なオープン経路180の構造について説明したが、これに限定されるものではない。
【0159】
上記金属プレート101において、上記電気的なオープン経路180が形成された部位は、その強度が弱くなり得る。したがって、その強度を補強するために、上記非金属部材185を上記金属プレート101に配置することができる。上述のケース1からケース4のそれぞれに非金属部材185を配置することができ、一例として、上記ケース5及びケース6を用いて説明した。
【0160】
また、本発明の各実施例において、別に製作された上記非金属部材135、165、185を上記金属プレート101に付着するか、または上記金属プレート101に上記非金属部材135、165、185をインサート(insert)射出成形またはアウトサート(outsert)射出成形により形成することができる。
【0161】
ここで、上記非金属部材135、165、185を上記金属プレート101に配置する方式は上述の例に限定されるものではない。上述の上記非金属部材135、165、185は、プラスチックやフィルムなどの非伝導性材質であれば、何れであってもよい。
【0162】
この際、凹溝181は、上記金属カバーが電子機器に締結される時に外部に露出されないように、金属カバーの内側面に形成されることができる。金属プレートの下面が内側面に対応し、その上面が外部露出面に対応することができる。
【0163】
図16を参照すると、上記電気的なオープン経路180は、上述のケース1(C1)及びケース2(C2)のように、金属酸化層のみを含んでいてもよい。
【0164】
または、上記電気的なオープン経路180は、上述のケース3(C3)及びケース4(C4)のように、凹溝181及び金属酸化層182を含んでいてもよい。
【0165】
この際、上記凹溝181は、上記第1金属領域110と上記第2金属領域120との境界に沿って凹状に形成されることができる。
【0166】
また、上記金属酸化層182は、上記凹溝181の内部底面から反対側の他面までの金属物質が金属酸化法によりセラミックに非金属化されることで形成された層である。
【0167】
上述のアンテナアセンブリは、携帯端末機などの電子機器に採用されることができる。本発明の実施例による電子機器は、アンテナモジュール200と電気的に連結された電気回路部を含む電子装置本体をさらに含むことができる。ここで、電気回路部は、内部アンテナと電気的に連結され、上記アンテナモジュール200を介して信号を送受信することができる。本発明の実施例において、上記電気回路部の連結端子と上記アンテナモジュール200の連結端子とが互いに電気的に連結されることができる。この際、電気的な連結方式は、二つの回路モジュールの間を電気的に連結させる通常の方式が採用されることができ、特定方式に限定されるものではない。
【0168】
例えば、上記アンテナモジュール200が近距離通信用(NFC)アンテナである場合、上記電気回路部はNFC送受信部を含むことができる。
【0169】
図17は本発明の実施例による電気的なオープン経路の有無によるコイル電流及び渦電流を比較した図面である。
図17の(a)は、電気的なオープン経路180がない場合に、アンテナモジュール200により発生したコイル電流及び渦電流の流れを示した図面であり、
図17の(b)は、電気的なオープン経路180がある場合のコイル電流及び渦電流の流れを示した図面である。
【0170】
図17の(a)を参照すると、電気的なオープン経路180がない場合には、コイル電流の流れと渦電流の流れとが互いに反対方向であることが分かり、
図17の(b)を参照すると、電気的なオープン経路180がある場合には、渦電流の経路が変更されることが分かる。
【0171】
図18は本発明の実施例による電気的なオープン経路の有無による電流分布を比較した図面である。
図18の(a)は、電気的なオープン経路180がない場合の電流分布図であり、
図18の(b)は、電気的なオープン経路180がある場合の電流分布図である。
【0172】
図18の(a)を参照すると、電気的なオープン経路180がない場合には、電子機器用カバー100(または裏面カバー(B/C))において、アンテナモジュール200と隣接した部分に電流分布が集中されていることが分かり、
図18の(b)を参照すると、電気的なオープン経路180がある場合には、電子機器用カバー100において、アンテナモジュール200と隣接した部分及びその周辺に、
図18の(a)に比べ電流分布がより広く分散されていることが分かる。
【0173】
図19は本発明の実施例による電気的なオープン経路の有無による認識距離を示したグラフである。
図19の(a)は、電気的なオープン経路180がない場合の認識距離を示したグラフであり、
図19の(b)は、電気的なオープン経路180がある場合の認識距離を示したグラフである。
【0174】
図19の(a)において、G11は、電気的なオープン経路180がない場合、5cm距離での磁場強度(H)を周波数毎に測定したグラフであり、G12は、電気的なオープン経路180がない場合、10cm距離での磁場強度(H)を周波数毎に測定したグラフである。
【0175】
図19の(a)に図示されたG11及びG12を参照すると、電気的なオープン経路180がない場合には、NFC周波数(13.56MHz)に対して5cm及び10cm距離での磁場強度(H)が0.095A/m(P11)及び0.021A/m(P12)であることが分かる。
【0176】
図19の(b)において、G21は、電気的なオープン経路180がある場合、5cm距離での磁場強度(H)を周波数毎に測定したグラフであり、G22は、電気的なオープン経路180がある場合、10cm距離での磁場強度(H)を周波数毎に測定したグラフである。
【0177】
図19の(b)に図示されたG21及びG22を参照すると、電気的なオープン経路180がある場合には、5cm及び10cm距離での磁場強度(H)が0.308A/m(P21)及び0.088A/m(P22)であることが分かる。このようなことから、電気的なオープン経路180がある場合に認識距離が向上されることが分かる。
【0178】
図20及び
図21は本発明の実施例による電子機器用カバーの製造方法を順に示した図面である。
【0179】
図20及び
図21を参照して、本発明の実施例による電子機器用カバーの製造方法について説明する。
【0180】
以下、本発明の実施例による電子機器用カバー100の製造方法について説明するにあたり、
図1から
図8を参照して説明した内容がそのまま適用されることができる。したがって、電子機器用カバーの製造方法についての説明において、重複される詳細な説明は省略されることがある。
【0181】
先ず、S110段階では、少なくとも一部が金属物質であり、金属物質からなる第1金属領域110を有する金属プレート101を準備することができる。
【0182】
次に、S120段階では、上記金属プレート101の第1金属領域110と電気的に分離された第2金属領域120を提供するために、上記金属プレート101の金属物質の一部を金属酸化法により非金属化させることで、電気的なオープン経路130を形成することができる。
【0183】
図21を参照すると、本発明の実施例による電子機器用カバー100の製造方法は、
図20に図示の方法に加えて、S130段階をさらに含むことができる。上記S130段階では、上記第2金属領域120の一部領域を金属酸化法により非金属化させることで、非金属化された一部領域により、非酸化の金属領域からなるアンテナパターンを含むアンテナ放射部125を形成することができる。
【0184】
ここで、
図21に図示された上記S120段階及びS130段階の順序は一例であって、これに限定されず、同一の工程で行われることができる。
【0185】
上記電気的なオープン経路130を形成する段階(S120)の一例を説明すると、次の通りである。
【0186】
先ず、
図21及び
図8を参照すると、上記第1金属領域110と上記第2金属領域120との境界に沿って凹溝131を形成した後、上記凹溝131の内部底面から反対側の他面までの金属を金属酸化法により非金属化させることで、金属酸化層132を形成することができる。
【0187】
または、本発明の実施例によると、上記電気的なオープン経路130を形成する段階は、凹溝を形成する過程なしに、金属酸化層132のみを形成することもできる。
【0188】
図22及び
図23は本発明の実施例による電子機器用カバーの製造方法を順に示した図面である。
【0189】
以下、本発明の実施例による電子機器用カバーの製造方法について説明するにあたり、
図9から
図19を参照して説明した内容がそのまま適用されることができる。したがって、電子機器用カバーの製造方法についての説明において、重複される詳細な説明は省略されることがある。
【0190】
図22を参照して、本発明の実施例による電子機器用カバー100の製造方法を説明すると、先ず、S210段階では、少なくとも一部が金属物質であり、金属物質からなる第1金属領域110を有する金属プレート101を準備することができる。
【0191】
次に、S220段階では、上記金属プレート101の第1金属領域110の一部領域を介して空間的な電磁波の出入りを許容するように、上記金属プレート101の第1金属領域110の一部領域に貫通孔150を形成することができる。
【0192】
例えば、上記貫通孔150は、ダイカスト(Die Casting)やCNC(Computerized Numerical Control)加工などの金属加工工程により形成することができる。
【0193】
次に、S230段階では、上記第1金属領域110での電磁波の経路を変更させるために、上記貫通孔150から上記第1金属領域110の一側端部までの金属物質を金属酸化法により非金属化させることで、電気的なオープン経路180を形成することができる。
【0194】
例えば、上記電気的なオープン経路180は、金属加工の後工程である表面処理工程で形成することができる。
【0195】
上記電気的なオープン経路180を形成する段階(S230)の一例を説明すると、次の通りである。
【0196】
先ず、
図22及び
図16を参照すると、上記貫通孔150から上記第1金属領域110の一側端部まで凹溝181を形成した後、上記凹溝181の内部底面から反対側の他面までの金属を金属酸化法により非金属化させることで、金属酸化層182を形成することができる。
【0197】
または、本発明の実施例によると、上記電気的なオープン経路180を形成する段階は、凹溝を形成する過程なしに、金属酸化層182のみを形成することもできる。
【0198】
図23を参照して、本発明の実施例による電子機器用カバー100の製造方法について説明すると、先ず、S310段階では、少なくとも一部が金属物質であり、金属物質からなる第1金属領域110を有する金属プレート101を準備することができる。
【0199】
次に、S320段階では、上記金属プレート101の第1金属領域110の一部領域を介して空間的な電磁波の出入りを許容するように、上記第1金属領域110の一部領域を金属酸化法により非金属化させることで、電気的なオープン領域160を形成することができる。
【0200】
次に、S330段階では、上記第1金属領域110での電磁波の経路を変更させるために、上記電気的なオープン領域160から上記第1金属領域110の一側端部までの金属物質を金属酸化法により非金属化させることで、電気的なオープン経路180を形成することができる。
【0201】
ここで、
図23に図示された上記S320段階及びS330段階の順序は一例であって、これに限定されず、同一の工程で行われることができる。
【0202】
上記電気的なオープン領域160を形成する段階の一例を説明すると、次の通りである。
【0203】
先ず、
図23及び
図15を参照すると、上記第1金属領域110の一部領域に凹溝161を形成した後、上記凹溝161の内部底面から反対側の他面までの金属を金属酸化法により非金属化させることで、金属酸化層162を形成することができる。
【0204】
または、本発明の実施例によると、上記電気的なオープン領域160を形成する段階は、凹溝を形成する過程なしに、金属酸化層162のみを形成することもできる。
【0205】
また、上記電気的なオープン経路180を形成する段階の一例を説明すると、次のとおりである。
【0206】
先ず、上記電気的なオープン領域160から上記第1金属領域110の一側端部までの金属物質が非金属化された凹溝181を形成した後、上記凹溝181の内部底面から反対側の他面までの金属を金属酸化法により非金属化させることで、金属酸化層182を形成することができる。
【0207】
または、本発明の実施例によると、上記電気的なオープン経路180を形成する段階は、凹溝を形成する過程なしに、金属酸化層182のみを形成することもできる。
【0208】
図24から
図30は本発明の実施例による電気的なオープン領域または電気的なオープン経路の製作工程の例示図である。
【0209】
図24を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の下面において金属酸化させる領域のみを残して、マスキング物質でマスキング(S2)する。次に、マスキングした状態で金属プレート101の露出領域に金属酸化を行った(S3)後、マスキング物質を除去する(S4)ことで、最終的に金属プレート101に金属酸化層を形成することができる(S5)。ここで、金属酸化層は、電気的なオープン領域または電気的なオープン経路に該当する。
【0210】
図25を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の下面において金属酸化させる領域のみを残して、マスキング物質でマスキングする(S2)。次に、マスキングした状態で金属プレート101の露出領域及びその上面のそれぞれに金属酸化を行った(S3)後、マスキング物質を除去する(S4)ことで、最終的に金属プレート101に金属酸化層を形成することができる(S5)。
【0211】
図26を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の上面及び下面において金属酸化させる領域のみを残して、下面及び上面のそれぞれをマスキング物質でマスキングする(S2)。次に、マスキングした状態で金属プレート101の両面の露出領域に金属酸化を行った(S3)後、マスキング物質を除去する(S4)ことで、最終的に金属プレート101に金属酸化層を形成することができる(S5)。
【0212】
図27を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の下面において金属酸化させる領域に凹溝を形成する(S2)。次に、凹溝が形成された金属プレート101の表面に金属酸化を行うことで、最終的に金属プレート101に凹溝及び金属酸化層を形成することができる(S3)。
【0213】
図28を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の下面において金属酸化させる領域に凹溝を形成する(S2)。次に、凹溝が形成された金属プレート101の表面及びその上面のそれぞれに金属酸化を行うことで、最終的に金属プレート101に凹溝及び金属酸化層を形成することができる(S3)。
【0214】
図29を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の下面において金属酸化させる領域に凹溝を形成する(S2)。次に、金属プレート101の凹溝を除いた残りの下面をマスキング物質でマスキングした(S3)後、マスキングした状態で下面及びその上面に金属酸化を行うことで、最終的に金属プレート101に凹溝及び金属酸化層を形成することができる(S4)。
【0215】
図30を参照すると、金属プレート101を準備した(S1)後、金属プレート101の下面において金属酸化させるべき領域に凹溝を形成する(S2)。次に、金属プレート101の凹溝を除いた残りの下面、及び上記凹溝の反対側の上面を除いた残りの表面をマスキング物質でマスキングした(S3)後、マスキングした状態で下面及び上面に金属酸化を行うことで、最終的に金属プレート101に凹溝及び金属酸化層を形成することができる(S4)。
【0216】
ここで、本発明の実施例において、凹溝は、上記金属カバーが電子機器に締結される時に外部に露出されないように、金属カバーの内側面に形成されることができる。金属プレートの下面が内側面に対応し、その上面が外部露出面に対応することができる。
【0217】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。