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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-222902(P2015-222902A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】車両用スピーカ装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20151113BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20151113BHJP
【FI】
   H04R1/02 101B
   B60R11/02 S
   H04R1/02 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-107139(P2014-107139)
(22)【出願日】2014年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】阿部 清信
【テーマコード(参考)】
3D020
5D017
【Fターム(参考)】
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD02
3D020BD05
5D017AD12
5D017AE11
(57)【要約】
【課題】一定の音質を確保しつつ、乗員の居住性を高めることができるスピーカ装置を提供すること。
【解決手段】スピーカ装置(20)は、エンクロージャ(30)によってスピーカユニット(40)を支持し、このスピーカユニット(40)の正面が車室後方に向けられてなる。エンクロージャ(30)は、スピーカユニット(40)を支持する支持部(50)と、この支持部(50)に一体的に形成されスピーカユニット(40)の背面から放射された音波を伝達する伝達部(60)とからなる。この伝達部(60)は、車幅中央から車幅外方に向かって延びる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンクロージャによってスピーカユニットを支持し、このスピーカユニットの正面が車室後方を向けて車室の前部中央に配置されている車両用スピーカ装置において、
前記エンクロージャは、前記スピーカユニットを支持する支持部と、この支持部に一体的に形成され前記スピーカユニットの背面から放射された音波を伝達する伝達部とからなり、
前記伝達部は、車幅中央から車幅外方に向かって延びることを特徴とする車両用スピーカ装置。
【請求項2】
前記伝達部の内部の空間は、平板によって区画され、前記スピーカユニットの背面から放射された音波を伝達する伝達経路とされ、
前記伝達経路は、
前記スピーカユニットの背面から前記伝達部の外端部まで延びる第1伝達経路と、
この第1伝達経路の車外側の端部から折り返され、車幅中央へ向かって延びる第2伝達経路と、からなり、
前記スピーカユニットの背面から放射された音波を前記車室内に放射するために形成される、前記第2伝達経路の出口は、前記スピーカユニットの下方に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用スピーカ装置。
【請求項3】
前記第2伝達経路は、前記第1伝達経路の後方に位置し、
前記第2伝達経路の出口は、前記支持部に形成される開口部によって構成され、前記開口部は、前記スピーカユニットと同じ方向に向かって形成されていることを特徴とする請求項2記載の車両用スピーカ装置。
【請求項4】
前記伝達部は、一部が運転席の前方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車両用スピーカ装置。
【請求項5】
前記伝達部は、一部が助手席の前方に位置することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車両用スピーカ装置。
【請求項6】
前記伝達部の車幅中央側の端部は、前記支持部の側面に当接していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車両用スピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された車両用スピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの車両において、オーディオ装置が設置されている。オーディオ装置は、オーディオを再生するオーディオ本体と、このオーディオ本体から伝わる音声を出力するスピーカ装置とからなる。例えば、特許文献1で開示されている技術のように、運転席と助手席との間に設置されるスピーカ装置が存する。
【0003】
特許文献1に開示されている発明では、運転席と助手席との間にセンターコンソールが設置され、このセンターコンソール内の空間を利用して、スピーカ装置が取り付けられている。
【0004】
一般に、スピーカ装置は、エンクロージャと、このエンクロージャによって支持されるスピーカユニットと、からなる。スピーカ装置において、一定の音質を確保するためには、エンクロージャ内の空間を所定の大きさ以上のものとする必要がある。
【0005】
一方、音質を確保するためにエンクロージャを大型化すると、センターコンソール内の荷物の収納スペースが小さくなる等の不都合が生じる。さらに、センターコンソールが存する場合に限らず、運転席と助手席との間のスペースが広ければ、車室内における乗員の移動が容易になる等、乗員の居住性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭63−18353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、一定の音質を確保しつつ、乗員の居住性を高めることができるスピーカ装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1による発明によれば、エンクロージャによってスピーカユニットを支持し、このスピーカユニットの正面が車室後方を向けて車室の前部中央に配置されている車両用スピーカ装置において、
前記エンクロージャは、前記スピーカユニットを支持する支持部と、この支持部の下方に一体的に形成され前記スピーカユニットの背面から放射された音波を伝達する伝達部とからなり、
前記伝達部は、車幅中央から車幅外方に向かって延びることを特徴とする車両用スピーカ装置が提供される。
【0009】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記伝達部の内部の空間は、平板によって区画され、前記スピーカユニットの背面から放射された音波を伝達する伝達経路とされ、
前記伝達経路は、
前記スピーカユニットの背面から前記伝達部の外端部まで延びる第1伝達経路と、
この第1伝達経路の車外側の端部から折り返され、車幅中央へ向かって延びる第2伝達経路と、からなり、
前記スピーカユニットの背面から放射された音波を前記車室内に放射するために形成される、前記第2伝達経路の出口は、前記スピーカユニットの下方に形成されている。
【0010】
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記第2伝達経路は、前記第1伝達経路の後方に位置し、
前記第2伝達経路の出口は、前記支持部に形成される開口部によって構成され、前記開口部は、前記スピーカユニットと同じ方向に向かって形成されている。
【0011】
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記伝達部は、一部が運転席の前方に位置する。
【0012】
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記伝達部は、一部が助手席の前方に位置する。
【0013】
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記伝達部の車幅中央側の端部は、前記支持部の側面に当接している。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係るスピーカ装置において、スピーカユニットの背面から放射された音波を伝達する伝達部は、車幅中央から車幅外方に向かって延びる。すなわち、伝達部は、運転席と助手席との間の空間を占めることはなく、この空間の自由度が増す。そのため、例えば、この空間をセンターコンソール内の荷物の収納スペースの拡大のために割り当てることなどが可能となる。また、センターコンソールそのものを廃せば、車室内における乗員の移動も容易となる。このように、エンクロージャにより占められていた空間を利用することにより、車室内における乗員の居住性を高めることができる。一方、伝達部を車幅中央から車幅外方に向かって延ばすことにより、従来と同程度の大きさのエンクロージャを搭載することができる。これにより、一定の音質を確保することができる。そのため、本発明に係るスピーカ装置は、一定の音質を確保しつつ、乗員の居住性を高めることができる。
【0015】
請求項2に係るスピーカ装置において、伝達部の内部の空間は、平板によって区画され、スピーカユニットの背面から放射された音波を伝達する伝達経路とされている。この伝達経路は、スピーカユニットの背面から伝達部の外端部まで延びる第1伝達経路と、この第1伝達経路の車外側の端部から折り返され、車幅中央へ向かって延びる第2伝達経路とからなる。すなわち、スピーカユニットの背面から出力され車内へ放射されるまでの音波の伝達経路は、スピーカユニットの背面と音波の出口とを直線的に結ぶ経路よりも長い。音波について長尺の伝達経路が構成されているため、本発明によるスピーカ装置は、低音を増強するバックロードホーン型スピーカ装置といえる。そのため、良好な音響効果が得られる。
【0016】
請求項3に係るスピーカ装置において、第2伝達経路は、前記第1伝達経路の後方に位置し、第2伝達経路の出口は、支持部に形成される開口部によって構成され、開口部は、スピーカユニットと同じ方向に向かって形成されている。また、前述のとおり、スピーカユニットは、車室後方に向かって車室の前部中央に配置されている。そのため、第2伝達経路の出口は、支持部を構成する後壁部に形成され、車室後方に向かって開口する。第2伝達経路の出口が、支持部を構成する左右の側面部に形成された場合と比較すると、音波は効率よく乗員に届く。
【0017】
請求項4に係るスピーカ装置において、伝達部は、一部が運転席の前方に位置する。このとき、残りの伝達部は中央に位置する。すなわち、伝達部が助手席側の空間を占めることはない。そのため、助手席側の空間に配置される部品、例えば、助手席側のフロア下に設けられるエアコンのダクトのレイアウトの自由度が向上する。
【0018】
請求項5に係るスピーカ装置において、伝達部は、一部が助手席の前方に位置する。このとき、残りの伝達部は中央に位置する。すなわち、伝達部が運転席側の空間を占めることはない。そのため、運転席側の空間に配置される部品、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダルなどの操作系機器のレイアウト自由度が向上する。
【0019】
請求項6に係るスピーカ装置において、伝達部の車幅中央側の端部は、支持部の側面に当接している。すなわち、支持部の下面は、伝達部でなく、車両のフロアと当接する。
支持部は、伝達部を介さず、直接的に車両のフロアに設置されるため、スピーカ装置の安定性が増す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1による車両用スピーカ装置が設けられた車両内における車室の平面図である。
図2図1に示された車室の斜視図である。
図3図1に示された車室の斜視図である。
図4図1に示された車両用スピーカ装置の斜視図である。
図5図4の5ー5線断面図である。
図6図4の6ー6線断面図である。
図7図1に示された車両用スピーカ装置の作用を説明する図である。
図8】本発明の実施例2による車両用スピーカ装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Lは乗員から見て左、Rは乗員から見て右、Upは上、Dwは下を示している。
<実施例1>
【0022】
実施例1による車両用スピーカ装置の構造について、図1から図7に基づき説明する。
図1に示されるように、車両10において、車室11の前部には、車幅方向にインストルメントパネル12が設けられており、このインストルメントパネル12の車幅中央よりも右側にはステアリングホイール13が設けられている。
【0023】
車室11のフロア14には、ステアリングホイール13を操作する乗員が着座する運転席15(フロントシート15)と、この運転席15の隣に並列して助手席16(フロントシート16)とが取り付けられている。運転席15及び助手席16の後方には、それぞれ、左右のリアシート17,18が取り付けられている。
【0024】
運転席15は、シートクッション15aとシートバック15bとからなる。助手席16、リアシート17,18も同様に、それぞれ、シートクッション16a,17a,18aと、シートバック16b,17b,18bとからなる。運転席15及び助手席16の側方には、それぞれ、フロントドア81,81が設けられている。リアシート17,18の側方には、それぞれ、リアドア82,82が取り付けられている。
【0025】
図2に示されるように、インストルメントパネル12には、ステアリングホイール13に加えて、ステアリングホイール13の左側にシフトレバー83、前方にディスプレイ84が設けられている。
【0026】
図3も併せて参照し、フロントドア81の前部の下部には、前側部スピーカユニット91が埋め込まれるように設置されている。リアドア82の後部の上部には、後側部スピーカユニット92が埋め込まれるように設置されている。
【0027】
インストルメントパネル12の中央下部には、車両用スピーカ装置20(以下、単に「スピーカ装置20」という。)が設けられている。スピーカ装置20は、エンクロージャ30によってスピーカユニット40を支持し、このスピーカユニット40の正面が車室後方に向けられてなる。
【0028】
以下、エンクロージャ30について説明する。図4に示されるように、エンクロージャ30は、スピーカユニット40を支持する支持部50と、この支持部50の下方に一体的に形成されスピーカユニット40の背面から放射された音波を伝達する伝達部60とからなる。伝達部60は、車幅中央から車幅外方に向かって延びる。
【0029】
図5及び図6も併せて参照し、伝達部60は、平面視において矩形状を呈する底面部61と、この底面部61の短手方向の両端から上方に向かって延びる左右の側壁部62,62と、底面部61の長手方向の前端から上方に向かって延びる前壁部63と、後端から上方に向かって延びる後壁部64と、これらの側壁部62,62、前壁部63、後壁部64の上端の一部を残して覆う上面部65とからなる。
【0030】
上面部65前部の左側は、支持部50と連通するために、切り欠き状に形成されている。伝達部60の上面の一部、及び、支持部40の下面が開口状に形成されていると共に、これらの開口された部位が重ねられることにより、伝達部60と、支持部40とは、連通している。
【0031】
上面部65の上面は、フロア(図2、符号14)と略同じ高さに位置している。即ち、上面部65の上面が、フロア面に対して略面一になるよう、スピーカ装置20は、車体に取り付けられている。
【0032】
特に、図6に示されるように、伝達部60は、車幅中央から車幅外方に向かって延びる平板67によって、内部の空間が前後に区画されている。平板67は、左の側壁62から車幅外方に向かって延びる第1の壁部67aと、この第1の壁部67aの車幅外方側の端部から後方に延びる第2の壁部67bと、この第2の壁部67bの後端からさらに車幅外方に向かって延びる第3の壁部67cと、が一体的に形成されてなる。第3の壁部67cの車幅外方側の端部は、右の側壁62に対して離間している。
【0033】
図4から図6に戻り、支持部50は、伝達部60の上面部65から上方に向かって延び略半円筒状に形成されている半円筒部51と、この半円筒部51の背面(前面)を覆う背面部52と、車両後方側の縁から上方に向かって延び半円筒部51の正面(後面)の一部を覆う正面部53とからなる。正面部53の上方は開口しており、この開口にスピーカユニット40が取り付けられている。正面部53には、スピーカユニット40の背面から放射された音波の出口となる矩形状の開口部66が形成されている。開口部66は、スピーカユニット40と同じ方向に向かって形成されている。
【0034】
特に、図5に示されるように、支持部50の内部は、仕切り壁68によって、2つの空間に仕切られている。仕切り壁68は、伝達部60の第1の壁部67aの上端から上方に延びる第1の仕切り壁68aと、この第1の仕切り壁68aの上端から正面部53まで延びる第2の仕切り壁68bと、からなる。第2の仕切り壁68bは、開口部66の上方に位置する。
【0035】
支持部50の内部のうち、スピーカユニット40の裏側の部位、すなわち、仕切り壁68よりも前部の空間を、第1の空間54という。支持部50の内部のうち、仕切り壁68よりも後部の空間を、第2の空間55という。
【0036】
伝達部60の内部の空間は、平板67によって区画され、スピーカユニット40の背面から放射された音波を伝達する伝達経路70とされている。伝達経路70は、スピーカユニット40の背面から伝達部60の右側の側壁部62まで延びる第1伝達経路71と、この第1伝達経路71の車外側の端部から折り返され、車幅中央へ向かって延びる第2伝達経路72と、からなる。第2伝達経路72は、第1伝達経路71の後方に位置している。
【0037】
次に、本発明に係るスピーカ装置20の作用を説明する。
図7に示されるように、スピーカユニット40の背面から放射される音波は、伝達経路70を経由し、開口部66を通じて車室に放射される。
【0038】
詳細には、図5も併せて参照し、音波は、支持部50の内部の第1の空間54に放射され、下方に向かい、第1の空間54から伝達部60内部に伝わる。
【0039】
図6も併せて参照すると、伝達部60内に伝わった音波は、第1経路71を通過する。詳細には、平板67によって区画された伝達部60内の前部の空間において、音波は左側の側壁部62から右側の側壁部62(車幅中央から運転席側)に向かって進む。右側の側壁部62まで到達した音波は、後壁部64に向かう。その後、音波は、第2経路72を通過する。詳細には、平板67によって区画された伝達部60内の後部の空間において、音波は右側の側壁部62から左側の側壁部62(運転席側から車幅中央)に向かって進む。
【0040】
図5に戻り、その後、音波は第1の壁部67aに向かう。さらに、音波は、第2の仕切り壁68bに向かい、伝達部60内部から支持部50内部の第2の空間55に伝わり、開口部66を通じて車室に放射される。
【0041】
次に、スピーカ装置20が車両に搭載された場合における、本発明の効果を説明する。
図2に示されるように、伝達部60は、車幅中央から運転席15側に向かって延びている。すなわち、伝達部60は、運転席15の左側の空間を占めることはなく、この空間の自由度が増す。そのため、例えば、この空間をセンターコンソール内の荷物の収納スペースの拡大のために割り当てることなどが可能となる。また、センターコンソールそのものを廃せば、車室内における乗員の移動を容易にすることや、図3に示されるように、運転席15及び助手席16の幅を広げることもできる。このように、エンクロージャにより占められていた空間を利用することにより、車室内における乗員の居住性を高めることができる。
【0042】
加えて、伝達部60を車幅中央から運転席15側に向かって延ばすことにより、従来と同程度の大きさのエンクロージャを搭載することができる。これにより、一定の音質を確保することができる。そのため、本発明に係るスピーカ装置20は、一定の音質を確保しつつ、乗員の居住性を高めることができる。
【0043】
さらに、図7に示されるように、スピーカユニット40の背面から放射される音波は、直線的に開口部66に向かうのでなく、伝達経路70を経由して迂回するように開口部66に向かう。そのため、音波は、開口部66を通じて車室に放射されるまでに、長尺な経路を通過するため低音が増強される。結果、本発明に係るスピーカ装置20は、バックロードホーン型スピーカとなり、良好な音響効果が得られる。
【0044】
ここで、一般的に車両においてフロアカーペットとシャシとの間には、フロアの高さを調整するとともに、防音及び遮音を目的としたフロアスペーサが設けられる。図2に戻り、伝達部60を構成する上面部65の上面は、フロア14と略同じ高さに位置している。すなわち、伝達部60はフロアスペーサも兼ねている。そのため、部品点数の増加を抑制しつつ、スピーカ装置20を設置することができる。
【0045】
また、上記のように、伝達部60は、一部が運転席15の前方に位置し、残りの伝達部は中央に位置することとなる。すなわち、特に図3に示されるように、伝達部60が助手席16側の空間を占めることはない。そのため、助手席16側の空間に配置される部品、例えば、助手席側のフロア14下に設けられるエアコンのダクトのレイアウトの自由度が向上する。
【0046】
また、開口部66は、正面部53に形成されている。この場合、開口部66は、スピーカユニット40と同じ方向、すなわち、車室後方に向かって開口している。開口部66が半円筒部51の下部に形成された場合と比較すると、音波は効率よく乗員に届く。
<実施例2>
【0047】
次に、実施例2による車両用スピーカ装置20Aの構造について、図8に基づき説明する。
実施例2によるスピーカ装置20Aは、伝達部60Aが助手席(図2、符号16)側に延びる。また、エンクロージャ30Aは、支持部50Aの左側面と伝達部60Aの右側面が連通してなる。その他の基本的な構成については、実施例1による車両用スピーカ装置20と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0048】
詳細には、伝達部60Aは、平面視において矩形状を呈する伝達部底面部61Aと、この底面部61Aの短手方向の左端から上方に向かって延びる側壁部62Aと、底面部61Aの長手方向の前端から上方に向かって延びる前壁部63Aと、後端から上方に向かって延びる後壁部64Aと、これらの側壁部62A、前壁部63A、後壁部64Aの上端を覆う上面部65Aとからなる。また、伝達部60Aの右側面は、支持部50Aと連通するために開口している。
【0049】
支持部50Aは、伝達部底面部61Aの右端から延びることにより形成され、平面視において矩形状を呈する支持部底面部54Aと、支持部底面部54Aの右端と、上面部65Aの左端とから上方に向かって延び略半円筒状に形成されている半円筒部51Aと、半円筒部51の背面(前面)を覆う背面部52Aと、支持部底面部54Aの後端から上方に向かって延び、半円筒部51Aの正面(後面)を覆う正面部53Aとからなる。正面部53Aの上方は開口しており、この開口にスピーカユニット40Aが取り付けられている。正面部53Aには、スピーカユニット40Aの背面から放射された音波の出口となる矩形状の開口部66Aが形成されている。開口部66Aは、スピーカユニット40Aと同じ方向に向かって形成されている。
【0050】
実施例2によるスピーカ装置20Aにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、実施例2によるスピーカ装置20Aによれば、以下の特有の効果を得ることができる。
【0051】
スピーカ装置20Aがインストロメントパネル(図2、符号12)の下部に設置された場合、伝達部60Aは助手席16の前方に位置し、支持部50Aは中央に位置する。すなわち、スピーカ装置20Aは運転席(図2、符号15)側の空間を占めることはない。そのため、運転席(図2、符号15)側の空間に配置される部品、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダルなどの操作系機器のレイアウト自由度が向上する。
【0052】
加えて、伝達部60Aの右側(車幅中央側)の端部は、支持部50Aの側面に当接している。すなわち、支持部底面部54Aは、伝達部60Aの上面部65Aでなく、車両のフロアと当接する。支持部50Aは、伝達部60Aを介さず、直接的に車両のフロアに設置されるため、スピーカ装置20Aの安定性が増す。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の車両用スピーカ装置は、乗用車に好適である。
【符号の説明】
【0054】
10…車両
11…車体
12…インストロメントパネル
14…フロア
15…運転席
16…助手席
20,20A…スピーカ装置
30,30A…エンクロージャ
40,40A…スピーカユニット
50,50A…支持部
54A…支持部底面部
53…正面部
60,60A…伝達部
61、61A…(伝達部)底面部
62…側壁部
66…開口部
70…伝達経路
71…第1伝達経路
72…第2伝達経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8