【解決手段】ロータリ耕耘装置50が着脱可能に取り付けられるロアーリンク16とロアーリンク16の上方に配置されるリフトアーム22とがリフトロッド24によって連結され、リフトアーム22を上下揺動させることでロータリ耕耘装置50の耕耘深さを調整するトラクタ1であって、ロータリ耕耘装置50がロアーリンク16に取り付けられた状態において、耕耘深さに応じて上下揺動可能なロータリ耕耘装置50の後部カバー58aに後端部が取り付けられると共に前端部がトラクタ1に取り付けられる、ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを検知するためのワイヤー30と、ワイヤー30の後端部が後部カバー58aから取り外された状態において、ワイヤー30の後端部を保持する保持部材42と、を具備し、保持部材42は、リフトロッド24に取り付けられる。
耕耘装置が着脱可能に取り付けられるロアーリンクと前記ロアーリンクの上方に配置されるリフトアームとがリフトロッドによって連結され、前記リフトアームを上下揺動させることで前記耕耘装置の耕耘深さを調整する作業車両であって、
前記耕耘装置が前記ロアーリンクに取り付けられた状態において、前記耕耘深さに応じて上下揺動可能な前記耕耘装置の揺動部材に後端部が取り付けられると共に前端部が前記作業車両に取り付けられる、前記耕耘装置の耕耘深さを検知するためのワイヤーと、
前記ワイヤーの後端部が前記揺動部材から取り外された状態において、前記ワイヤーの後端部を保持する保持部材と、
を具備し、
前記保持部材は、
前記リフトロッドに取り付けられる、
作業車両。
前記作業車両の運転操作部の後面に配置され、前記ワイヤーの前端部が取り付けられて前記耕耘装置の耕耘深さを調整するために、前記耕耘装置の耕耘深さを検知する検知手段をさらに具備する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の作業車両。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図中の矢印で示した方向を上下方向、前後方向、左右方向とそれぞれ定義して説明を行う。
【0021】
まず、
図1及び
図2を用いて、本発明に係る作業車両の実施の一形態に係るトラクタ1の全体構成について説明する。
【0022】
なお、本実施形態においては、作業車両としてトラクタ1を例示するが、本発明はこれに限るものではない。すなわち作業車両は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であっても良い。
【0023】
トラクタ1は、主として機体フレーム2、前輪3・3、後輪4・4、エンジン5、ボンネット6、変速装置7、ステアリングホイール8、座席9、キャビン10、三点リンク機構12、作業機昇降機構20、及び保持機構40を具備する。
【0024】
機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて配置される。機体フレーム2の前部はフロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪3・3に支持される。機体フレーム2の後部はリアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪4・4に支持される。
機体フレーム2の前部にはエンジン5が設けられる。エンジン5はボンネット6に覆われる。機体フレーム2の後部には変速装置7が設けられる。
【0025】
エンジン5の動力は、変速装置7で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪3・3に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪4・4に伝達可能とされる。エンジン5の動力によって前輪3・3及び後輪4・4が回転駆動され、トラクタ1の走行が行われる。
【0026】
機体フレーム2の前後中途部から後部にかけては、トラクタ1を運転操作するためのステアリングホイール8及び座席9等を有するキャビン10が設けられる。ステアリングホイール8は、その回動操作量に応じて左右一対の前輪3・3の切れ角を調節(変更)し、トラクタ1を操舵することができる。
【0027】
変速装置7の後部には、三点リンク機構12が配置される。三点リンク機構12は、トップリンク14及び左右一対のロアーリンク16・16を備える。
【0028】
トップリンク14は、その前端部が変速装置7の後上部に相対回動可能に取り付けられ、その後端部が上下揺動可能に構成される。トップリンク14は、変速装置7の左右中央部に配置される。
【0029】
左右一対のロアーリンク16・16は、その前端部がブラケット等を介して変速装置7の後下部に相対回動可能に取り付けられ、その後端部が上下揺動可能に構成される。左右一対のロアーリンク16・16は、変速装置7の左部及び右部にそれぞれ配置される。
【0030】
このような三点リンク機構12には、トップリンク14及び左右一対のロアーリンク16・16の後端部に種々の耕耘装置(例えば、ロータリ耕耘装置やプラウ等)が着脱可能に取り付けられる。本実施形態に係る三点リンク機構12には、耕耘装置としてロータリ耕耘装置50が取り付けられる。
【0031】
ロータリ耕耘装置50は、ピン等を介して三点リンク機構12に取り付けられる。ロータリ耕耘装置50は、伝動ケース52等を介して変速装置7からの動力がロータリ軸54に伝達可能に構成される。ロータリ耕耘装置50は、変速装置7からの動力によってロータリ軸54を回転させることにより、ロータリ軸54に設けられる複数の爪56を回転させて圃場等を耕す。このようなロータリ耕耘装置50には、爪56の上部を覆う耕耘カバー58、及び耕耘深さに応じて上下方向に揺動可能に耕耘カバー58の後端部に取り付けられる後部カバー58a等が設けられる。
【0032】
なお、
図2から
図6においては、説明の便宜上、ロータリ耕耘装置50の記載を省略している。また、
図3から
図6においては、説明の便宜上、トップリンク14の記載を省略している。
【0033】
作業機昇降機構20は、ロータリ耕耘装置50等の耕耘装置を昇降させて耕耘深さを調整するためのものである。作業機昇降機構20は、トラクタ1の後端部に配置される。
図2及び
図3に示すように、作業機昇降機構20は、左右一対のリフトアーム22・22、左右一対のリフトロッド24・24、左右一対の昇降シリンダ26・26、センサー28、及びワイヤー30等を備える。
【0034】
左右一対のリフトアーム22・22は、その長手方向を略前後方向に向けて、キャビン10の後方、かつ、左右一対のロアーリンク16・16の上方に配置される。左右一対のリフトアーム22・22は、その前端部が変速装置7の左側面及び右側面に相対回動可能に取り付けられ、その後端部が上下揺動可能に構成される。左右一対のリフトアーム22・22の前後中途部には、左右一対の昇降シリンダ26・26が連結される。左右一対のリフトアーム22・22の後端部には、左右一対のリフトロッド24・24が取り付けられる。
【0035】
左右一対のリフトロッド24・24は、その軸方向を略上下方向に向けて、変速装置7の後方に配置される。左右一対のリフトロッド24・24は、左右一対のロアーリンク16・16と左右一対のリフトアーム22・22とをそれぞれ連結する。
【0036】
右側のリフトロッド24は、油圧シリンダ等によって構成されるローリングシリンダ24aと、ローリングシリンダ24aのロッドの下端部(先端部)に一体的に取り付けられる略板状のブラケット24bとを有する。右側のリフトロッド24は、前記ローリングシリンダ24aの本体がピン等を介して右側のリフトアーム22に取り付けられると共に、ブラケット24bがピン等を介して右側のロアーリンク16の前後中途部に取り付けられる。こうして、右側のリフトロッド24は、右側のロアーリンク16と右側のリフトアーム22とを連結する。
右側のリフトロッド24は、ローリングシリンダ24aのロッドを伸縮させることで右側のロアーリンク16を左側のロアーリンク16に対して相対的に上下揺動させる。こうして、右側のリフトロッド24は、ロータリ耕耘装置50の左右方向の傾きを調整可能に構成される。
【0037】
左側のリフトロッド24は、略軸状の部材と、前記軸状の部材の下端部に一体的に取り付けられる略板状のブラケット24bとを有する。左側のリフトロッド24は、前記軸状の部材がピン等を介して左側のリフトアーム22に取り付けられると共に、ブラケット24bがピン等を介して左側のロアーリンク16の前後中途部に取り付けられることで、左側のロアーリンク16と左側のリフトアーム22とを連結する。
【0038】
左右一対の昇降シリンダ26・26は、本体がブラケット26aを介して変速装置7の後部に回動不能に取り付けられる。左右一対の昇降シリンダ26・26は、例えば、油圧シリンダによって構成され、ロッドを伸縮させることで左右一対のリフトアーム22・22を上下揺動させ、左右一対のリフトロッド24・24を介して左右一対のロアーリンク16・16を上下揺動させる。こうして、左右一対のリフトアーム22・22は、ロータリ耕耘装置50を昇降させて耕耘深さを調整する(
図1参照)。
【0039】
図2に示すように、センサー28は、ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを検知するものであり、例えば、検出軸(不図示)を有するポテンショメータ等によって構成される。センサー28は、ブラケット(不図示)等を介してキャビン10の後面10aに取り付けられ、後方からカバー28aによって覆われる。センサー28は、左側のリフトロッド24の前方(
図3参照)に配置される。前記センサー28の検出軸には、後述するワイヤー30のインナーワイヤー30aの前端部が連結される。センサー28は、このようなワイヤー30を介してロータリ耕耘装置50の後部カバー58aと連結され、ロータリ耕耘装置50の耕耘深さが変動して後部カバー58aが上下揺動したときに、前記検出軸が回転する(
図1参照)。センサー28は、前記検出軸の回転量に応じてロータリ耕耘装置50の耕耘深さを検知する。
【0040】
図1及び
図2に示すように、ワイヤー30は、ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを検知するためのものであり、例えば、プッシュプルワイヤーによって構成される。ワイヤー30は、トラクタ1の左後部に配置される。ワイヤー30は、インナーワイヤー30a及びアウターワイヤー30bを有する。
【0041】
インナーワイヤー30aの前端部は、ピン等を介してセンサー28に取り付けられる。インナーワイヤー30aの後端部は、ピン等を介してロータリ耕耘装置50の後部カバー58aに取り付けられる。
【0042】
アウターワイヤー30bは、インナーワイヤー30aを覆うものである。アウターワイヤー30bの前端部は、ナット等を介してセンサー28の前記ブラケットに固定される。アウターワイヤー30bの後端部は、後部カバー58aの近傍に配置され、例えば、所定の止め具に取り付けられる等して耕耘カバー58に取り付けられる。
【0043】
ワイヤー30は、トラクタ1に組み付けられるときに、後述する保持機構40の第一のガイド部材44及び第二のガイド部材46に通される(
図5参照)。ワイヤー30は、例えば、ロータリ耕耘装置50が三点リンク機構12から取り外されるとき等に、後端部がロータリ耕耘装置50から取り外される。当該取り外されたワイヤー30の後端部は、保持機構40によって保持される。
【0044】
図2及び
図5に示すように、保持機構40は、作業機昇降機構20の左部、すなわち、トラクタ1の後端部における左部に配置される。保持機構40は、保持部材42、第一のガイド部材44、及び第二のガイド部材46を備える。
【0045】
保持部材42は、左側のリフトロッド24の上部の外側(左側面)に取り付けられる。保持部材42は、取付部42a、インナー保持部42b、及びアウター保持部42cを有する。
【0046】
取付部42aは、上下方向に伸びる部材の下端部が前後方向に伸びるような略逆T字状に形成される。取付部42aの下端部の前記前後方向に伸びる部材の端部は、右方向に折り曲げられて左側のリフトロッド24に取付可能に形成される。取付部42aの上部は、左方向に部分的に突出するように適宜折り曲げられる。取付部42aは、その下端部が左側のリフトロッド24に嵌め合わされ、その長手方向を略上下方向(左側のリフトロッド24の軸方向)に向けて左側のリフトロッド24に取り付けられる。
【0047】
インナー保持部42bは、取付部42aの上部における左側面に配置される軸状の部材である。インナー保持部42bは、ワイヤー30のインナーワイヤー30aの後端部を引っ掛けることができる程度に小さな外径を有する。
【0048】
アウター保持部42cは、取付部42aの下部における左側面に配置される略U字状の部材である。アウター保持部42cは、内側でワイヤー30のアウターワイヤー30bを保持できる程度に小さな形状に形成される。アウター保持部42cは、左部からアウターワイヤー30bを嵌め込むことができるように取付部42aに取り付けられる。
【0049】
第一のガイド部材44は、ワイヤー30をガイドするものである。第一のガイド部材44は、正面視略円環状に形成される。第一のガイド部材44は、左側のリフトロッド24の、左部に配置されるブラケット24bに溶接によって取り付けられる。こうして、第一のガイド部材44は、左側のリフトロッド24の左下部に配置される。第一のガイド部材44には、ワイヤー30が通される。
【0050】
第一のガイド部材44は、左側のリフトロッド24のブラケット24bに溶接されることにより、左側のリフトロッド24の軸状の部材に溶接される場合と比較して、より簡単に溶接可能な構成となっている。
【0051】
第二のガイド部材46は、ワイヤー30をガイドするものである。第二のガイド部材46は、軸状の部材を平面視略円状に折り曲げたような形状に形成される。第二のガイド部材46は、左側の昇降シリンダ26のブラケット26aにピン及びブラケット46a等を介して取り付けられることにより、前記ブラケット26aの左側面に取り付けられる。こうして、第二のガイド部材46は、第一のガイド部材44の前方に、第一のガイド部材44に対してある程度離間して配置される。
【0052】
ブラケット46aは、前記第二のガイド部材46を形成する軸状の部材の径(軸径)と同程度の厚みを有すると共に、側面視においてブラケット26aよりも小さい略板状に形成される。ブラケット46aには、第二のガイド部材46の前記後方向に伸びる部分が溶接によって取り付けられる。第二のガイド部材46には、ワイヤー30が通される。
【0053】
第二のガイド部材46は、このような形状の小さなブラケット46aに溶接されることにより、左側の昇降シリンダ26のブラケット26aに直接溶接される場合と比較して、より簡単に溶接可能な構成となっている。
【0054】
次に、ロータリ耕耘装置50の後部カバー58aに取り付けられたワイヤー30の後端部を、保持機構40によって保持するまでの流れ(ワイヤー30の着脱、より詳細には、ワイヤー30の配置変更の流れ)について説明する。
【0055】
ワイヤー30のインナーワイヤー30aの後端部は、ロータリ耕耘装置50の後部カバー58a(
図1参照)から取り外される。また、アウターワイヤー30bの後端部は、前記所定の止め具等から取り外される。こうして、ワイヤー30の後端部は、ロータリ耕耘装置50から取り外される。
【0056】
図6に示すように、ロータリ耕耘装置50から取り外されたワイヤー30のインナーワイヤー30aの後端部は、保持機構40に移動されて保持部材42のインナー保持部42bに引っ掛けられる。また、アウターワイヤー30bの後端部は、アウター保持部42cに嵌め込まれる。こうして、ワイヤー30の後端部は、保持機構40(保持部材42)によって保持される。
【0057】
このようなワイヤー30の着脱は、トラクタ1の後端部にロータリ耕耘装置50が配置された状態で行われる。
【0058】
前述したように、保持機構40は、トラクタ1の後端部に配置されている。従って、保持機構40は、ロータリ耕耘装置50に対して近い位置で、ワイヤー30を保持できる。これにより、保持機構40は、ワイヤー30の着脱作業を行う作業者等がワイヤー30の後端部をキャビン10の近傍まで移動させることなく、ワイヤー30を保持できる。
【0059】
このため、保持機構40は、ワイヤー30の後端部を保持部材42で保持するときにロータリ耕耘装置50や後輪4・4が邪魔になりにくく、キャビン10の後面10aにワイヤー30の後端部を沿わせて保持する場合等と比較して、ワイヤー30を簡単に着脱するすることができる。また、保持機構40は、ワイヤー30を着脱するために要する時間を短縮することができる。
【0060】
ここで、本実施形態に係る保持機構40は、左側のリフトロッド24の下部、すなわち、保持部材42に対してある程度離間する位置に第一のガイド部材44を配置している。これにより、保持機構40は、保持部材42から第一のガイド部材44までの距離をある程度長くして、第一のガイド部材44から後部カバー58aまでの距離に、第一のガイド部材44から保持部材42までの距離を近付けている。
【0061】
これによれば、保持機構40は、第一のガイド部材44及び第二のガイド部材46からワイヤー30を抜くことなく、ワイヤー30の後端部を保持部材42によって保持できる。これにより、保持機構40は、ワイヤー30を着脱するときにワイヤー30の通し方を変える必要がなくなるため、ワイヤー30をより簡単に着脱(配置変更)することができる。
【0062】
また、保持機構40は、保持部材42を左側のリフトロッド24の上部に取り付けることで、左側のリフトロッド24の下部に保持部材42を取り付けた場合等と比較して、作業者等がより楽な姿勢でワイヤー30の着脱を行うことができる構成としている。これにより、保持機構40は、ワイヤー30の着脱をより簡単に行うことができると共に、ワイヤー30の着脱に要する時間を効果的に短縮することができる。
【0063】
前述したように、保持機構40の第二のガイド部材46は、第一のガイド部材44の前方に配置される。これにより、保持機構40は、第一のガイド部材44から第二のガイド部材46までの距離をある程度長くしている。
【0064】
これによれば、保持機構40は、互いにある程度離間する第一のガイド部材44及び第二のガイド部材46によってワイヤー30をガイドすることができる。このため、保持機構40は、ワイヤー30を安定した姿勢で保持できる。従って、保持機構40は、例えば、トラクタ1の走行中にワイヤー30が左右方向に大きく揺れてトラクタ1の後部に配置される部材(例えば、後輪4・4等)と接触してしまうことを防止できる。
【0065】
前述したように、保持機構40の保持部材42は、左右一対のリフトロッド24・24のうち、左側のリフトロッド24、すなわち、ローリングシリンダ24aを有しない(可動しない)リフトロッド24に取り付けられる(
図4参照)。これにより、保持機構40は、ワイヤー30をより安定した姿勢で保持できる。
また、保持機構40は、左右一対のリフトロッド24・24のうち形状の小さいリフトロッド24に保持部材42を取り付けることとなるため、保持部材42を簡単に取り付けることができる。
【0066】
前述したように、ワイヤー30(インナーワイヤー30a)の前端部が取り付けられるセンサー28は、キャビン10の後面10aに配置される。
【0067】
このような構成とすることで、トラクタ1は、センサー28をキャビン10の底面等に取り付けた場合と比較して、簡単に(すなわち、トラクタ1の組付作業を行う作業者等が楽な姿勢で)ワイヤー30の前端部をセンサー28に取り付けることができる。このため、トラクタ1は、ワイヤー30の前端部を取り付ける時間を短縮できる。
また、トラクタ1は、センサー28及びワイヤー30を簡単に取り替えることができる。これにより、トラクタ1は、そのメンテナンス性を向上させることができる。
【0068】
このように、本実施形態に係るトラクタ1は、ロータリ耕耘装置50(耕耘装置)が着脱可能に取り付けられるロアーリンク16と前記ロアーリンク16の上方に配置されるリフトアーム22とがリフトロッド24によって連結され、前記リフトアーム22を上下揺動させることで前記ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを調整する作業車両であって、前記ロータリ耕耘装置50が前記ロアーリンク16に取り付けられた状態において、前記耕耘深さに応じて上下揺動可能な前記ロータリ耕耘装置50の後部カバー58a(揺動部材)に後端部が取り付けられると共に前端部が前記トラクタ1に取り付けられる、前記ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを検知するためのワイヤー30と、前記ワイヤー30の後端部が前記後部カバー58aから取り外された状態において、前記ワイヤー30の後端部を保持する保持部材42と、を具備し、前記保持部材42は、前記リフトロッド24に取り付けられるものである。
【0069】
このように構成することにより、ワイヤー30を簡単に着脱することができる。
【0070】
トラクタ1は、前記リフトロッド24の下部に配置され、前記ワイヤー30をガイドする第一のガイド部材44をさらに具備し、前記保持部材42は、前記リフトロッド24の上部に配置されるものである。
【0071】
このように構成することにより、ワイヤー30をより簡単に着脱することができる。
【0072】
トラクタ1は、前記第一のガイド部材44の前方に配置され、前記ワイヤー30をガイドする第二のガイド部材46をさらに具備するものである。
【0073】
このように構成することにより、ワイヤー30を安定した姿勢で保持できる。
【0074】
前記リフトロッド24は、左右一対設けられ、右側のリフトロッド24(一方のリフトロッド24)は伸縮可能なローリングシリンダ24a(シリンダ)を有し、前記保持部材42は左側のリフトロッド24(他方のリフトロッド24)に取り付けられるものである。
【0075】
このように構成することにより、ワイヤー30をより安定した姿勢で保持できる。
【0076】
トラクタ1は、前記トラクタ1のキャビン10(運転操作部)の後面10aに配置され、前記ワイヤー30の前端部が取り付けられて前記ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを調整するために、前記ロータリ耕耘装置50の耕耘深さを検知するセンサー28(検知手段)をさらに具備するものである。
【0077】
このように構成することにより、トラクタ1のメンテナンス性を向上させることができる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車両の実施の一形態である。
本実施形態に係るロータリ耕耘装置50は、本発明に係る耕耘装置の実施の一形態である。
本実施形態に係る後部カバー58aは、本発明に係る揺動部材の実施の一形態である。
本実施形態に係る右側のリフトロッド24は、本発明に係る一方のリフトロッドの実施の一形態である。
本実施形態に係る左側のリフトロッド24は、本発明に係る他方のリフトロッドの実施の一形態である。
本実施形態に係るローリングシリンダ24aは、本発明に係るシリンダの実施の一形態である。
本実施形態に係るセンサー28は、本発明に係る検知手段の実施の一形態である。
本実施形態に係るキャビン10は、本発明に係る運転操作部の実施の一形態である。
【0079】
なお、本発明に係る保持部材の形状は、ワイヤーの後端部を保持できる形状であれば本実施形態に限定されるものでない。
【0080】
本発明に係る保持部材は、一方(右側)のリフトロッドに取り付けられていても構わない。また、保持部材は左右一対のリフトロッドの両方に取り付けられていても構わない。
【0081】
本発明に係る第二のガイド部材は、第一のガイド部材の前方に配置されていればよく、例えば、変速装置等に取り付けられていても構わない。
【0082】
本発明に係る第一のガイド部材及び第二のガイド部材の形状は、ワイヤーをガイドできる(ワイヤーが下方向に大きく垂れてしまうことを防止できると共に左右方向に大きく揺れてしまうことを防止できる)形状であればよく、本実施形態に限定されるものでない。
【0083】
本発明に係るワイヤーの前端部は、必ずしもセンサーに取り付けられる必要はない。本発明に係るワイヤーの前端部は、例えば、耕耘装置の耕耘深さを調整するための油圧制御バルブ等に取り付けることも可能である。
【0084】
本発明に係るセンサーは、運転操作部の後面、より詳細には、後方向を向いた面に配置されていればよく、必ずしもキャビンの後面に配置される必要はない(運転操作部の後面がキャビンの後面である必要はない)。すなわち、本発明は、キャビンを有さない作業車両にも適用することが可能である。