特開2015-223411(P2015-223411A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223411(P2015-223411A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】ミシン
(51)【国際特許分類】
   D05B 73/10 20060101AFI20151117BHJP
   D05B 75/00 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   D05B73/10
   D05B75/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-111105(P2014-111105)
(22)【出願日】2014年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(72)【発明者】
【氏名】新出 佳弘
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150AA01
3B150CE02
3B150CE23
3B150GA05
3B150GA11
3B150GA15
3B150GA23
3B150GA27
3B150GA28
3B150GH09
(57)【要約】
【課題】被縫製物や、被縫製物に取り付けた補助部材がテーブルで引掛るのを抑制するとともに、テーブルに接触した使用者の手に良好な接触感を与えることができるミシンを提供すること。
【解決手段】載置面22,32に被縫製物が載置されるテーブル20,30と、テーブル20,30に載置された被縫製物に縫い目を形成する針11を備えた本体部10と、を有するミシン1とする。テーブル20,30の載置面の外縁21は、使用者に対面する使用者対面部に、外側に凸な曲線部21aを有するようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面に被縫製物が載置されるテーブルと、
前記テーブルに載置された被縫製物に縫い目を形成する針を備えた本体部と、を有し、
前記テーブルの載置面の外縁は、使用者に対面する使用者対面部に、外側に凸な曲線よりなる曲線部を有することを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記曲線部は、前記針の正面の部位において、最も外側に凸となっていることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
前記テーブルの載置面は、前記針よりも手前の部位から前記使用者対面部側に向かって下降する傾斜を有することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
【請求項4】
前記曲線部は、前記使用者対面部から、前記使用者対面部と反対側の部位の少なくとも一部にわたって、連続していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のミシン。
【請求項5】
前記テーブルは、前記本体部に固定されたベッドと、前記ベッドに対して着脱可能である補助テーブルよりなり、前記曲線部は、前記補助テーブルに設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のミシン。
【請求項6】
前記テーブルの載置面の外縁は、前記使用者対面部と反対側の部位に、直線部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のミシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンに関し、さらに詳しくは、被縫製物を載置するテーブルを有するミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
ミシンにおいては、縫製作業や収納の利便等の観点から、被縫製物を載置するテーブルが設計される。例えば、特許文献1においては、ミシンベッドに切欠部を形成してなる細巾部に着脱可能に係合して大型テ−ブルを形成する大型補助テ−ブルを有する大型テ−ブル付小型ミシンが開示されている。この大型テーブルをミシン本体に取り付けると、ミシンが略四角形のテーブルを備えた状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3021041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような着脱式の大型テーブルがミシンに備えられると、大型の被縫製物の取り扱いの利便性と、コンパクトな収容を両立しやすくなる。しかし、被縫製物自体や、刺繍枠をはじめとする被縫製物に取り付ける補助部材が、略四角形のテーブルの角部に掛かりやすく、スムーズな布送りの妨げとなり、縫製作業の作業性を低下させてしまう。一方、テーブルを大きく形成すれば、被縫製物や補助部材の引掛りは低減されるが、ミシン全体が大型化してしまい、使用や収容の利便性が低下してしまう。
【0005】
また、テーブルが略四角形の形状を有することで、縫製作業を行う使用者の手がテーブルの角部や縁部に接触した際に、使用者の手に不快な接触感を与えやすい(手あたりが悪い)。このことも、使用者にとっての縫製作業の作業性が低下してしまう要因となる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、被縫製物や被縫製物に取り付けた補助部材がテーブルで引掛るのを抑制するとともに、テーブルに接触した使用者の手に良好な接触感を与えることができるミシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかるミシンは、載置面に被縫製物が載置されるテーブルと、前記テーブルに載置された被縫製物に縫い目を形成する針を備えた本体部と、を有し、前記テーブルの載置面の外縁は、使用者に対面する使用者対面部に、外側に凸な曲線よりなる曲線部を有することを要旨とする。
【0008】
ここで、前記曲線部は、前記針の正面の部位において、最も外側に凸となっていることが好ましい。
【0009】
また、前記テーブルの載置面は、前記針よりも手前の部位から前記使用者対面部側に向かって下降する傾斜を有するとよい。
【0010】
そして、前記曲線部は、前記使用者対面部から、前記使用者対面部と反対側の部位の少なくとも一部にわたって、連続しているとよい。
【0011】
また、前記テーブルは、前記本体部に固定されたベッドと、前記ベッドに対して着脱可能である補助テーブルよりなり、前記曲線部は、前記補助テーブルに設けられていることが好ましい。
【0012】
そして、前記テーブルの載置面の外縁は、前記使用者対面部と反対側の部位に、直線部を有するとよい。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明にかかるミシンのテーブルにおいては、被縫製物や刺繍枠等の補助部材の引掛りが起こりやすい使用者対面部側の外縁に、外側に凸な曲線よりなる曲線部を有している。これにより、テーブル上で被縫製物や刺繍枠を動かしても、それらがテーブルの外縁に引掛りにくくなっている。また、縫製作業を行う使用者の手に曲線部が接触することで、角部や直線部が接触する場合と比較して、刺激の少ない良好な接触感を与えることができる。これらの要因により、使用者が縫製作業を行う際の作業性を高めることができる。
【0014】
ここで、曲線部が、針の正面の部位において、最も外側に凸となっている場合には、被縫製物や補助部材がテーブルに引掛かるのを、一層効果的に防止することができる。
【0015】
また、テーブルの載置面が、針よりも手前の部位から使用者対面部側に向かって下降する傾斜を有する場合には、使用者がこの傾斜部に手を置いた状態で被縫製物を針に向かって送りやすく、また刺繍枠等の補助部材を取り付けられた被縫製物が、スムーズに移動することができる。これにより、縫製作業の作業性を一層向上させることができる。
【0016】
そして、曲線部が、使用者対面部から、使用者対面部と反対側の部位の少なくとも一部にわたって、連続している場合には、テーブルの使用者対面部と反対側の部位および側方の部位でも、被縫製物や補助部材の引掛りを防止することができる。
【0017】
また、テーブルが、本体部に固定されたベッドと、ベッドに対して着脱可能である補助テーブルよりなり、曲線部が、補助テーブルに設けられている場合には、補助テーブルの着脱を選択することで、多様な縫製に対応することができるとともに、コンパクトな収納が可能となる。また、補助テーブルを交換することで、テーブルの大きさや形状を変更することも容易となる。
【0018】
そして、テーブルの載置面の外縁が、使用者対面部と反対側の部位に、直線部を有する場合には、使用者対面部と比較して被縫製物の引掛りが起こりにくい反対側の部位において、テーブルの外側への突出量が少なくなるので、使用者対面部での被縫製物の引掛りを抑制しながら、テーブルをコンパクトに形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態にかかるミシンを示す斜視図である。
図2】上記ミシンのアーム部を除いて示した上面図である。
図3】上記ミシンの補助テーブルを示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図((a)の左側から見た図に相当)、(c)は正面図((a)の下側から見た図に相当)である。
図4】上記ミシンの補助テーブルの前方天面を外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態にかかるミシンについて、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態にかかるミシン1の構成を図1〜4に示す。本ミシン1は、主として家庭用に用いられるミシンであり、布帛等の被縫製物の縫製を行うものである。ここで、縫製とは、複数層に重ねた布帛の縫い合わせのみならず、刺繍等、縫い目による装飾の形成も含み、布帛等への縫い目の形成を広く意味するものである。
【0021】
ミシン1は、本体部10と、テーブルとを有している。テーブルは、補助テーブル20と、ベッド30とよりなっている。本体部10とベッド30は、一体に固定されている。一方、補助テーブル20は、ベッド30に対して着脱可能となっている。
【0022】
一体に形成された本体部10およびベッド30は、従来一般のミシンと同様の構成を有する。その構造の詳細な説明は省略するが、本体部10は、針11や押さえ板(押さえ)12等、縫製に必要な主要な部材備えるアーム部10aと、アーム部10aをベッド30の上方に固定して支持する連結部10bとを有してなっている。アーム部10aには、縫い目形状や刺繍図柄の設定等を行うための操作パネル13や、上糸調節ダイヤル14、天秤15、糸掛け16等、ミシン1を使用する使用者が操作する必要がある部材が一方面にまとめて配置されている。これらの部材が形成されている側が、ミシン1が使用者に対面する使用者対面部となる。
【0023】
なお、本明細書において、ベッド30および補助テーブル20の上面である載置面22,32を通る軸として、X軸およびY軸を規定する。Y軸は、ミシン1の使用者対面部とその反対側の面を結ぶ直線とし、使用者対面部と反対の側を+Y方向、使用者対面部側を−Y方向とする。一方、X軸は、針11がベッド30の載置面32と交わる点においてY軸と直交する直線とし、連結部10bが設けられた側を+X方向、補助テーブル20がベッド30に対して取り付けられた側を−X方向とする。X軸は、アーム部10aが延びる方向と略平行になっている。
【0024】
針11は、押さえ板12に貫通孔として形成された針通過孔12aを通って、上下運動する。ベッド30の針11の下方に相当する領域には、被縫製物を送る(針11に対してテーブル上で移動させる)送歯(不図示)が設けられている。本ミシン1において、送歯は、刺繍を行えるように、被縫製物を前後方向(Y方向)のみならず、左右方向(X方向)にも送ることができる。また、ベッド30には、下糸を巻いたボビン(不図示)が収容されている。
【0025】
被縫製物をベッド30および補助テーブル20の載置面22,32に載置し、押さえ板12と送歯の間に挟んだ状態で、上糸を通した針11を、被縫製物を貫通して上下させることで、被縫製物に縫い目が形成される。使用者が手で被縫製物を−Y方向から+Y方向に送ることで、複数層に重ねた被縫製物を直線的に縫い合わせることができる。また、送歯を下方に下げた状態で、使用者が被縫製物をXY面内で動かすことで、刺繍を行うことができる。
【0026】
ベッド30は、針11の下方の部位を含んで、前後方向の幅(Y方向に沿った長さ)が他の部位よりも狭くなった、取付け部31を有する。補助テーブル20は、ベッド30の取付け部31の端縁と相補的な形状に切り欠かれた切欠き部24を有する。そして、補助テーブル20に設けられた係合爪(一部を27,27として図3(a)に図示)を、ベッド30に設けられた係合孔(不図示)に係合させることで、補助テーブル20をベッド30に取り付けることができる。これにより、補助テーブル20と、ベッド30が段差なく連結され、補助テーブル20とベッド30は、載置面22,32が滑らかに連続したテーブルを形成する。
【0027】
補助テーブル20の載置面22の外縁21は、曲線部21aと、直線部21bとを有してなっている。曲線部21aは、載置面22の外縁21のうち、使用者対面部にあるY<0の領域から、使用者対面部の反対側の領域のうち、針11に対してベッド30と反対側に位置する領域であるX<0,Y>0の領域の一部にわたって形成されている。曲線部21aは、これらの領域にわたって連続した、外側に凸の曲線よりなる部位となっている。そして、曲線部21aは、針11の正面に対応するX=0の位置で、最も使用者側に凸となっている。つまり最も−Y方向に突出している。さらに、曲線部21aは、このX=0の位置つまりY軸を挟んで、X>0の領域とX<0の領域で、形状が対称な部分を有している。
【0028】
直線部21bは、補助テーブル20の載置面22の外縁21において、Y>0の領域のうち、曲線部21aが形成された以外の部位に形成されており、針11の背面の位置(X=0)を含んで、X軸に略平行な直線よりなっている。曲線部21aと直線部21bの間は、滑らかな曲線によって接合されている。
【0029】
なお、ベッド30の載置面32の外縁のうち、手前側(Y<0)の、補助テーブル20の外縁21と接合される領域には、緩やかに内側に窪んだ凹部33が形成されている。補助テーブル20をベッド30に取り付けた状態で、この凹部33と補助テーブル20の曲線部21aは、滑らかに接合される。また、ベッド30の載置面32の外縁のうち、後方側(Y>0)の、補助テーブル20の外縁21と接合される領域は、直線部34となっており、補助テーブル20をベッド30に取り付けた状態で、補助テーブル20の直線部21bと連続して1つの直線を形成する。
【0030】
図3(b)に顕著に示されているように、補助テーブル20の載置面22の針11よりも手前側Y<0の領域には、使用者対面部に向かって−Y方向に緩やかに下降する傾斜を有する傾斜部22aが形成されている。ここでは、傾斜部22aは、直線的に下降する傾斜ではなく、上に凸の緩やかな曲線を描いて下降する曲面状の傾斜を有している。
【0031】
補助テーブル20の側端面23のうち、少なくとも曲線部21aの下方に存在する領域は、上方から下方に向かって内側に入り込んだ傾斜形状を有している。
【0032】
補助テーブル20において、載置面22が形成された板状の天面25は、前方天面25aと後方天面25bの2つに分割されてなり、前方天面25aは取り外し可能となっている。図4は、前方天面25aを取り外した状態を示しており、補助テーブル20は、側端面23と底面に囲まれた領域に、中空部として、収容空間26有している。この収容空間26は、複数の平板状の区画部材26aによって区画されており、裁縫用具等の物品を整理して収納することができる。
【0033】
以上のように、本実施形態にかかるミシン1においては、補助テーブル20の載置面22の外縁21のうち、使用者対面部側の領域に、角部を有さず、使用側に凸な曲線よりなる曲線部21aが形成されていることにより、曲線部21aが被縫製物に滑らかに接触し、補助テーブル20の載置面22の外縁21に被縫製物が引掛りにくくなっている。刺繍枠等、補助部材を被縫製物に取り付けて縫製を行う場合にも、その補助部材が補助テーブル20の外縁21に引掛りにくくなっている。特許文献1の場合のように、テーブルが角部を有する略四角形の形状を有していれば、特に被縫製物を角部の方向に送った際に、角部に被縫製物が引掛りやすく、縫製作業の妨げとなる。刺繍枠等の補助部材を使用する場合にも、補助部材が角に引掛りやすい。なお、被縫製物に取り付けて使用する補助部材としては、刺繍枠以外に、待針やクリップ等が挙げられる。
【0034】
仮に、特許文献1のような略四角形のテーブルを用いながら、角部への被縫製物や補助部材の引掛りを防止しようとする場合に、補助テーブルを大型にすることが考えられる。この場合には、効果的に引掛りを防止するために、被縫製物や刺繍枠等の補助部材が角部に接触しない程度にまで、補助テーブルを大型化することが必要となる。これに対し、上記ミシン1においては、角を有さない曲線部21aの形状の効果により、補助テーブル20の曲線部21aに被縫製物や補助部材が接触していても、引掛りが起こりにくくなっているので、補助テーブル20を過度に大型化することなく、引掛りの防止を達成することができる。例えば、補助部材として四角形や円形の刺繍枠を用いる場合に、大型の刺繍枠が載置面22に載りきらず、曲線部21aよりも外側にまでとび出した状態で配置されたとしても、刺繍枠の内側部が曲線部21aに接した状態で滑らかに運動することができ、両者の間に引掛りが生じにくい状態を維持したまま、刺繍枠がテーブル上を運動することが可能である。
【0035】
補助テーブル20の載置面22の外縁21が使用者対面部側に曲線部21aを有することにより、上記のように被縫製物や補助部材の引掛りを抑制することができるのに加え、縫製作業を行う使用者に良好な接触感(手あたり)を与えることができる。補助テーブル20の使用者対面部側の外縁21に直線部や角部が配置されていれば、載置面22の針11よりも手前の領域に手を配置して使用者が縫製作業を行う際に、その手や腕に直線部や角部が接触することで、刺激や不快感を与え、手当たりが悪くなるのに対し、この部位に曲線部21aが配置されていれば、使用者の手に与える刺激や不快感が低減され、比較的手当たりがよくなる。これにより、縫製作業の作用性が向上し、長時間の縫製作業を行っても、使用者に疲労を与えにくくなる。
【0036】
さらに、曲線部21aが、使用者対面部であるY<0の領域だけでなく、反対側のY>0の領域の一部にまでわたって連続的に形成されていることにより、針11の側方に当たるX<0の領域でも、被縫製物や補助部材の補助テーブル20への引掛りを抑制することができる。また、通常、使用者は針11の正面の位置(X=0)に対してほぼ対称に手や被縫製物を配置して縫製作業を行うので、上記のような引掛り防止および手あたり向上の効果は、曲線部21aが、針11の正面の位置で最も外側(使用者側)に凸となっている場合、さらには曲線部21aの形状が針11の正面の位置に対して対称(Y軸に対して対称)になっている場合に、特に高くなる。また、曲線部21aを、少なくとも針11の正面近傍の部位で、円弧に近い形状とすれば、引掛りの低減および手あたりの向上について、高い効果を得ることができる。
【0037】
上記実施形態にかかるミシン1においては、補助テーブル20の外縁21の曲線部21aは、針11の位置よりも手前の領域(Y<0)全体と、針11の位置よりも後側の領域(Y>0)の一部にのみ形成されており、針11の背面(X=0)を含む、後側の領域の残りの部位は、直線部21bとなっている。これは、主に針11よりも手前の領域に被縫製物を配置し、使用者が使用者対面部側から縫製作業を行うため、被縫製物や補助部材の引掛りや使用者に対する手あたりが問題となるのは、補助テーブル20の載置面22の外縁21のうち、主に針11よりも手前側の領域と、針11の側方の領域(X<0)であることによる。つまり、被縫製物および補助部材の引掛りや手あたりへの関与が比較的低い針11よりも後側(Y>0)の領域の外縁21に直線部21bを形成しておくことで、引掛りの防止や手あたりの向上の効果を高く保ったまま、補助テーブル20全体をコンパクトにすることができる。ただし、針11よりも後側の領域でも、被縫製物や補助部材の引掛りが全く起こらないわけではないので、引掛り抑制の効果をさらに高めるためには、直線部21bを形成せず、補助テーブル20の載置面22の外縁21全体にわたって、外側に凸な曲線部21aを連続的に形成すればよい。このような構成は、特に、補助部材として刺繍枠を用いる場合に、刺繍枠の引掛りの防止に有効である。刺繍枠は、前方から後方(+Y方向)のみならず後方から前方(−Y方向)および左右方向(±X方向)にも多様に運動するからである。
【0038】
さらに、上記ミシン1においては、補助テーブル20の載置面22が、針11の手前の領域に傾斜部22aを有している。これにより、使用者が補助テーブル20に手を載せて、針11に向かって手前から被縫製物を送りやすくなっている。さらに、載置面22において、手前側(Y<0)の外縁21が、針11が配置されている部位(Y=0)よりも、低い位置となるので、使用者が補助テーブル20に手を載せて作業を行いやすく、長時間の縫製作業を行っても、手に疲れを生じにくくなっている。また、被縫製物を刺繍枠に取り付けて、テーブル上で被縫製物を移動させる場合にも、刺繍枠を滑らかに移動させることができる。これらの効果により、曲線部21aによる効果に加えて、縫製作業の作業性が一層向上する。
【0039】
また、上記ミシン1においては、補助テーブル20の側端面23が、下方が内側に入り込んだ傾斜を有している。この構成も、被縫製物を滑らかに送るのを補助する役割を果たす。また、補助テーブル20の載置面22の面積を確保しながら、補助テーブル20の設置面積を小さくし、ミシン1全体をコンパクトにするのにも寄与する。
【0040】
ところで、上記ミシン1においては、本体部10に固定されたベッド30に対して、補助テーブル20が着脱可能となっている。補助テーブル20の着脱を選択することで、多様な使用状態および収納状態を利用することができる。例えば、補助テーブル20を外してミシン1を使用すれば、衣服の袖部分等、筒状の被縫製物の縫製を行いやすくなる。また、上記のような形状の補助テーブル20を含め、同一のベッド30に取り付け可能な、形状や大きさの異なる補助テーブルを複数用意しておけば、被縫製物の形状や縫製技法等に応じて、それらを交換することが可能となる。例えば、刺繍枠を用いずに、通常の直線的な縫製を行う場合には、曲線部21aと直線部21bを載置面22の外縁21に有する補助テーブル20を使用し、刺繍枠を用いて刺繍を行う場合には、載置面22の外縁21全体が曲線部21aとなった補助テーブル20を使用する形態が考えられる。一方、ミシン1を使用せずに収納しておく際に補助テーブル20を外しておけば、コンパクトな収納状態が得られる。なお、補助テーブル20の交換や、補助テーブル20を外しての使用や収納を想定しない場合には、テーブルをベッド30と補助テーブル20に分けて構成せず、テーブル全体を本体部10と一体として連続的に形成してもよい。
【0041】
以上のように、補助テーブル20の載置面22の外縁21に曲線部21aが形成されていることで、被縫製物や補助部材の引掛りを抑制し、手当たりを向上させることが可能となるが、補助テーブル20の天面25の下の収容空間に物品を収容することを考えると、曲線部21aの形状は、効率的な収容の妨げとなる可能性がある。しかし、図4に示すように、側壁が曲線状の収容空間26を、平板状の区画部材26aによって直線的に区画しておくことで、収容空間における物品の収容および整理の利便性を確保している。なお、後方天面25bも取り外し可能とし、内部に収容空間を設けてもよい。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 ミシン
10 本体部
11 針
20 補助テーブル
21 (載置面の)外縁
21a 曲線部
21b 直線部
22 載置面
22a 傾斜部
24 切欠き部
25 天面
25a 前方天面
25b 後方天面
26 収容空間
26a 区画部材
30 ベッド
31 取付け部
32 載置面
図1
図2
図3
図4