特開2015-223625(P2015-223625A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223625(P2015-223625A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】加熱プレス機
(51)【国際特許分類】
   B30B 15/34 20060101AFI20151117BHJP
   B30B 15/02 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B30B15/34 A
   B30B15/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-111840(P2014-111840)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(72)【発明者】
【氏名】呉 有紅
【テーマコード(参考)】
4E088
4E090
【Fターム(参考)】
4E088AB04
4E088AB05
4E088AB09
4E088EA03
4E090AA01
4E090AB01
4E090CA01
4E090DA02
4E090DB01
4E090HA09
(57)【要約】
【課題】従来より被加工物(例えば回路基板等)を均一な厚さになるように加熱プレスすることが可能な加熱プレス機を提供する。
【解決手段】本発明の基板加熱プレス機10では、上側プレス板25の外縁部が複数の第1調整ボルト26によって上側ベース板22側に引っ張られると共に、下側プレス板35の外縁部が複数の第2調整ボルト36によって下側ベース板32側に引っ張られて、それら上側プレス板25及び下側プレス板35の反りが規制されているので、従来の加熱プレス機より被加工物(例えば回路基板等)Wを均一な厚さになるように加熱プレスすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に対向配置されている上側プレス板及び下側プレス板と、
前記上側プレス板及び前記下側プレス板の互いの対向面のうち外縁部を除く部分に重ねて取り付けられ、間に被加工物を挟んで加熱プレスする上側加熱板及び下側加熱板と、
前記下側プレス板の下面のうち外縁部を除く部分に分散配置されて下方に突出する複数の下側支柱と、
前記下側プレス板に下方から対向する板状をなし、前記複数の下側支柱を介して前記下側プレス板に取り付けられる下側ベース板と、
前記上側プレス板の上面のうち外縁部を除く部分に分散配置されて上方に突出する複数の上側支柱と、
前記上側プレス板に上方から対向する板状をなし、前記複数の上側支柱を介して前記上側プレス板に取り付けられる上側ベース板と、
前記上側ベース板の上面中央に取り付けられて、上下に駆動される直動ロッドとを有する加熱プレス機であって、
前記上側プレス板の外縁部に、前記上側プレス板の外縁部と前記上側ベース板との間を連結し、それら上側プレス板と上側ベース板とから、引っ張り応力を受けた状態に取り付けられて、前記上側プレス板の反りを規制する複数の第1引張部材と、
前記下側プレス板の外縁部に、前記下側プレス板の外縁部と前記下側ベース板との間を連結し、それら下側プレス板と下側ベース板とから、引っ張り応力を受けた状態に取り付けられて、前記下側プレス板の反りを規制する複数の第2引張部材とを有する。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱プレス機において、
前記第1引張部材による前記上側プレス板の外縁部の引張量を調整するための第1引張量調整機構と、
前記第2引張部材による前記下側プレス板の外縁部の引張量を調整するための第2引張量調整機構とを有する。
【請求項3】
請求項2に記載の加熱プレス機において、
前記第1引張量調整機構は、
前記上側ベース板及び前記上側プレス板の一方に形成される複数の第1貫通孔と、
前記複数の第1貫通孔を貫通し、前記上側ベース板及び前記上側プレス板の他方に向かって延びる前記第1引張部材としての複数の第1調整ボルトと、
前記上側ベース板及び前記上側プレス板の他方に設けられ、前記複数の第1調整ボルトが螺合する第1雌螺旋部とからなり、
前記第2引張量調整機構は、
前記下側ベース板及び前記下側プレス板の一方に形成される複数の第2貫通孔と、
前記複数の第2貫通孔を貫通し、前記下側ベース板及び前記下側プレス板の他方に向かって延びる前記第2引張部材としての複数の第2調整ボルトと、
前記下側ベース板及び前記下側プレス板の他方に設けられ、前記複数の第2調整ボルトが螺合する第2雌螺旋部とからなる。
【請求項4】
上下に対向配置されて接近及び離間する上側プレス板及び下側プレス板と、
前記上側プレス板及び前記下側プレス板の互いの対向面のうち外縁部を除く部分に重ねて取り付けられ、間に被加工物を挟んで加熱プレスする上側加熱板及び下側加熱板とを有する加熱プレス機であって、
前記上側プレス板及び前記下側プレス板の互いの対向面のうち外縁部同士の間に挟まれて、前記上側プレス板及び前記下側プレス板の反りを規制するスペーサ部材を備えている。
【請求項5】
請求項4に記載の加熱プレス機において、
前記上側プレス板及び前記下側プレス板の少なくとも一方の外縁部に形成され、中心軸が上下方向を向いた複数の取付孔と、
前記複数の取付孔に抜け止め状態に取り付けられて、前記上側プレス板及び前記下側プレス板の少なくとも一方から他方に向かって突出したシャフト状の前記スペーサ部材とを有する。
【請求項6】
請求項5に記載の加熱プレス機において、
前記スペーサ部材のうち前記上側プレス板と前記下側プレス板との間に挟まれる軸長を調整する軸長調整機構を有する。
【請求項7】
請求項6に記載の加熱プレス機において、
前記軸長調整機構は、
前記複数のスペーサ部材の外周面に形成されている螺子部と、
前記複数のスペーサ部材の前記螺子部に螺合し、前記上側プレス板及び前記下側プレス板の対向面における前記取付孔の開口縁に係止するナットとからなる。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れか1の請求項に記載の加熱プレス機において、
前記下側プレス板の下面のうち外縁部を除く部分に分散配置されて下方に突出する複数の下側支柱と、
前記下側プレス板に下方から対向する板状をなし、前記複数の下側支柱を介して前記下側プレス板に取り付けられる下側ベース板と、
前記上側プレス板の上面のうち外縁部を除く部分に分散配置されて上方に突出する複数の上側支柱と、
前記上側プレス板に上方から対向する板状をなし、前記複数の上側支柱を介して前記上側プレス板に取り付けられる上側ベース板と、
前記上側ベース板の上面中央に取り付けられて上下に駆動される直動ロッドとを有する。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の加熱プレス機において、
前記上側及び下側ベース板の材質は、機械構造用炭素鋼である。
【請求項10】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の加熱プレス機において、
前記上側及び下側プレス板の材質は、中程度に焼入れ処理された鋼材である。
【請求項11】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の加熱プレス機において、
前記上側及び下側加熱板の材質は、表面が陽極酸化処理されたアルミである。
【請求項12】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の加熱プレス機において、
前記複数の上側及び下側支柱の材質は、機械構造用炭素鋼である。
【請求項13】
請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の加熱プレス機において、
前記複数の第1及び第2引張部材の材質は、機械構造用炭素鋼、或いは、ステンレス鋼である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に対向配置される上側加熱板と下側加熱板との間で被加工物(例えば回路基板等)を挟んで加熱プレスする加熱プレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱プレス機は、上下に対向配置されて接近及び離間する上側プレス板及び下側プレス板の互いの対向面のうち外縁部を除く部分に上側加熱板及び下側加熱板が取り付けられた構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−129700号公報(段落[0005],[0006]、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の加熱プレス機では、被加工物の加熱プレスを行っているときに、上側プレス板及び下側プレス板のうち上側加熱板及び下側加熱板より外側部分が互いに接近するように上側プレス板及び下側プレス板全体が反ってしまい、このため、加熱プレスされた被加工物の板厚が不均一になるという問題が生じていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より被加工物を均一な厚さになるように加熱プレスすることが可能な加熱プレス機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1に係る発明は、上下に対向配置されている上側プレス板及び下側プレス板と、前記上側プレス板及び前記下側プレス板の互いの対向面のうち外縁部を除く部分に重ねて取り付けられ、間に被加工物を挟んで加熱プレスする上側加熱板及び下側加熱板と、前記下側プレス板の下面のうち外縁部を除く部分に分散配置されて下方に突出する複数の下側支柱と、前記下側プレス板に下方から対向する板状をなし、前記複数の下側支柱を介して前記下側プレス板に取り付けられる下側ベース板と、前記上側プレス板の上面のうち外縁部を除く部分に分散配置されて上方に突出する複数の上側支柱と、前記上側プレス板に上方から対向する板状をなし、前記複数の上側支柱を介して前記上側プレス板に取り付けられる上側ベース板と、前記上側ベース板の上面中央に取り付けられて、上下に駆動される直動ロッドとを有する加熱プレス機であって、前記上側プレス板の外縁部に、前記上側プレス板の外縁部と前記上側ベース板との間を連結し、それら上側プレス板と上側ベース板とから、引っ張り応力を受けた状態に取り付けられて、前記上側プレス板の反りを規制する複数の第1引張部材と、前記下側プレス板の外縁部に、前記下側プレス板の外縁部と前記下側ベース板との間を連結し、それら下側プレス板と下側ベース板とから、引っ張り応力を受けた状態に取り付けられて、前記下側プレス板の反りを規制する複数の第2引張部材とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱プレス機では、下側プレス板がその下方の下側ベース板に複数の下側支柱を介して取り付けられていると共に、上側プレス板がその上方の上側ベース板に複数の上側支柱を介して取り付けられている。また、上側ベース板の上面中央には直動ロッドが取り付けられ、その直動ロッドの直動により上側プレス板と下側プレス板との間が開閉し、それら上側プレス板及び下側プレス板の対向面に取り付けられている上側加熱板と下側加熱板との間で被加工物を加熱プレスすることができる。そして、本発明の加熱プレス機では、上側プレス板の外縁部が複数の第1引張部材によって上側ベース板側に引っ張られると共に、下側プレス板の外縁部が複数の第2引張部材によって下側ベース板側に引っ張られて、それら上側プレス板及び下側プレス板の反りが規制されているので、従来より被加工物を均一な厚さになるように加熱プレスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る加熱プレス機の正面図
図2】上下のプレス板及びベース板の部分断面図
図3】加熱プレスを行う前の加熱プレス機の正面図
図4】加熱プレスを行っているときの加熱プレス機の正面図
図5】第2実施形態の加熱プレス機の上下のプレス板及びベース板の部分断面図
図6】第3実施形態の加熱プレス機の上下のプレス板及びベース板の部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1図4に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の加熱プレス機10は、水平な上面を有する機台11を備えている。機台11の上面からは、4つの支柱12が垂直に起立していて、それら支柱12の上端部に固定支持板13の四隅が固定されている。また、固定支持板13の下方には可動支持板14が設けられて、可動支持板14の四隅を支柱12が貫通して、それら支柱12によって可動支持板14が直動可能に支持されている。さらに、固定支持板13の上面中央には、直動駆動源15が取り付けられ、固定支持板13に形成された貫通孔13Aを通して直動駆動源15が有する直動ロッド16が固定支持板13より下方に延びている。
【0010】
可動支持板14の下面には、第1の部屋構成部17が取り付けられ、これに対応して機台11の上面には、第2の部屋構成部20が固定されている。第1の部屋構成部17は、可動支持板14の下面に重ねて固定された天井板18と、天井板18の外縁部に固定されて下方に延びた角筒壁部19とからなる。また、可動支持板14及び天井板18の中央にはロッド挿通孔21が貫通形成され、そのロッド挿通孔21を直動ロッド16が貫通している。
【0011】
第2の部屋構成部20は、角筒壁部19と平面形状が同一の角筒状をなし、機台11の上面に固定されている。そして、可動支持板14が降下すると、図3に示すように、第1の部屋構成部17の下面と第2の部屋構成部20の上面とが接合されて、それら第1及び第2の部屋構成部17,20の内側に閉塞された空間が形成される。
【0012】
第1の部屋構成部17の角筒壁部19には、貫通孔19Aが形成されて、そこに図示しないコンプレッサが接続されている。また、第1及び第2の部屋構成部17,20内の空間を密閉するために、第1と第2の部屋構成部17,20の接合部分、天井板18と角筒壁部19との接合部分、第2の部屋構成部20と機台11の接合部分、及び、ロッド挿通孔21の内面と直動ロッド16との嵌合部分に、それぞれシール部材が備えられている。そして、第1及び第2の部屋構成部17,20を接合した状態でコンプレッサを作動させて、第1及び第2の部屋構成部17,20内を真空にすることができる。但しこれに限らず、例えば、真空にせず、加熱プレスを行ってもよい。
【0013】
直動ロッド16の下端部には、本発明に係る上側ベース板22が取り付けられている。上側ベース板22は、厚さが30〜200[mm]の板状の機械構造用炭素鋼(例えば、S45C)を四角形に切断してなり、その平面形状は、角筒壁部19より一回り小さい四角形をなしている。また、直動ロッド16の下端部には、円板状のヘッド部16Hが備えられ、そのヘッド部16Hを上方から覆うキャップ部材23を上側ベース板22の上面中央に固定されることで、直動ロッド16の下端部に上側ベース板22が取り付けられている。
【0014】
上側ベース板22の下面からは、外縁部を除いた部分から複数の上側支柱24が鉛直下方に突出していて、それら上側支柱24に下端部に上側プレス板25が取り付けられている。上側プレス板25は、厚さが20〜150[mm]の四角形の板状の中程度に焼入れ処理された鋼材(例えば、プリハードン鋼)を四角形に切断してなり、その平面形状は、上側ベース板22と同じ大きさになっている。また、複数の上側支柱24は、縦横に複数列に分散配置されている。
【0015】
上記した上側ベース板22に対応して、機台11の上面に下側ベース板32が重ねて取り付けられている。下側ベース板32は、厚さが30〜200[mm]の四角形の板状の機械構造用炭素鋼(例えば、S45C)であって、その平面形状は、上側ベース板22と同じ大きさになっている。
【0016】
下側ベース板32の上面からは、外縁部の除いた部分から複数の下側支柱34が鉛直上方に突出していて、それら下側支柱34に上端部に下側プレス板35が取り付けられている。下側プレス板35は、厚さが20〜150[mm]の四角形の板状の機械構造用炭素鋼(例えば、S45C)であって、その平面形状は、下側ベース板32と同じ大きさになっている。また、複数の下側支柱34は、縦横に複数列に分散配置され、各下側支柱34が上側支柱24の同軸上に配置されている。
【0017】
互いに対向する上側プレス板25の下面と下側プレス板35の上面には、上側加熱板27と下側加熱板37とが取り付けられている。上下の加熱板27,37は、共に厚さが10〜100[mm]の四角形の金属板(例えば、表面が陽極酸化処理されたアルミ)であり、それら上下の加熱板27,37の平面形状は、上下の支柱24,34群が分散配置された四角形の領域より一回り小さくなっている。また、上下の加熱板27,37は、内部にニクロム線からなるヒーターが内蔵されている。
【0018】
さて、上側ベース板22及び上側プレス板25の外縁部は、複数の第1調整ボルト26によって連結され、下側ベース板32及び下側プレス板35の外縁部は、複数の第2調整ボルト36によって連結されている。具体的には、図2に示すように、上側ベース板22には、その外縁部を上下に貫通する複数の第1雌螺旋孔22A(本発明の「第1雌螺旋部」に相当する)が形成されると共に、上側プレス板25には、その外縁部を上下に貫通する複数の第1貫通孔25Aが形成されている。また、それら第1貫通孔25Aには、下面側の開口を拡径させたザグリ部25Bが形成されている。そして、下方から第1貫通孔25Aに通した高強度の第1調整ボルト26(本発明の「第1引張部材」に相当する)を第1雌螺旋孔22Aに螺合させることで、上側ベース板22と上側プレス板25の外縁部が連結されている。
【0019】
また、これら第1調整ボルト26は、上側ベース板22と上側プレス板25から、引っ張り応力を受け、上側支柱24が上側ベース板22と上側プレス板25から、圧縮力を受けた状態になっている。即ち、上側プレス板25の外縁部が上側ベース板22及び第1調整ボルト26群により上方に引っ張られた状態になっている。また、第1調整ボルト26、第1雌螺旋孔22A及び第1貫通孔25Aによって本発明に係る第1引張量調整機構25Kが構成され、第1調整ボルト26の第1雌螺旋孔22Aに対する締め付け量を変更することで上側プレス板25の反りを排除するように調整を行うことができる。
【0020】
下側ベース板32と下側プレス板35との連結構造も、上記した上側ベース板22と上側プレス板25との連結構造と同様になっている。即ち、下側ベース板32の外縁部には複数の第2雌螺旋孔32A(本発明の「第2雌螺旋部」に相当する)が形成されると共に、下側プレス板35の外縁部には複数の第2貫通孔35Aが形成されて、それら第2貫通孔35Aの下端部にザグリ部35Bが設けられている。また、上方から第2貫通孔35Aに通した高強度の第2調整ボルト36(本発明の「第2引張部材」に相当する)が第2雌螺旋孔32Aに螺合され、それら第2調整ボルト36が、下側ベース板32と下側プレス板35から、引っ張り応力を受けた状態になっている。そして、第2調整ボルト36、第2雌螺旋孔32A及び第2貫通孔35Aによって本発明に係る第2引張量調整機構35Kが構成され、第2調整ボルト36の第2雌螺旋孔32Aに対する締め付け量を変更することで下側プレス板35の反りを排除するように調整を行うことができる。
【0021】
本実施形態の加熱プレス機10の構成に関する説明は以上である。次に、被加工物の製造過程で、例えば、コア基板上に熱硬化性の樹脂シート(例えば、プリプレグやABF)を積層してから加熱プレス機10にて加熱プレスする使用例を挙げて、本実施形態の加熱プレス機10の作用効果について説明する。
【0022】
図1に示すように、加熱プレス機10の直動ロッド16を直動可能範囲の上端側に配置すると、可動支持板14が直動ロッド16により下方から支持されて下方への移動が規制され、第1と第2の部屋構成部17,20が上下に離間した状態になる。この状態で、下側加熱板37の上にコア基板に樹脂シートを重ねてなる被加工物(例えば回路基板等)Wが載置される。ここで、被加工物Wは下側加熱板37と平面形状が同じであることが好ましく、被加工物Wの側面と下側加熱板37の側面とが略面一になるように重ねられることが好ましい。
【0023】
被加工物Wが下側加熱板37の上に載置されたら、直動ロッド16と共に可動支持板14が降下し、第1と第2の部屋構成部17,20が接合され、それら第1及び第2の部屋構成部17,20内の密閉空間が形成される。すると、コンプレッサが作動して第1と第2の部屋構成部17,20内の空気の吸引が開始される。
【0024】
また、直動ロッド16は、第1と第2の部屋構成部17,20が接合された後も降下し続ける。すると、上側加熱板27が被加工物Wに当接し、被加工物Wが上側加熱板27と下側加熱板37との間に挟まれて加圧される。このとき、第1と第2の部屋構成部17,20内は概ね真空状態になっている。そして、上側加熱板27及び下側加熱板37の間で被加工物Wが加圧されることで樹脂シートがコア基板上の導電層の隙間に入り込む。また、上側加熱板27及び下側加熱板37が、内部のヒーターへの通電により発熱し、これにより被加工物Wの樹脂シートの熱硬化性樹脂が硬化する。即ち、被加工物Wが加熱プレス機10により加熱プレスされて上側と下側の加熱板27,37の対向面の形状に成形される。この際、本実施形態の加熱プレス機10では、上側プレス板25の外縁部が複数の第1調整ボルト26によって上側ベース板22側に引っ張られると共に、下側プレス板35の外縁部が複数の第2調整ボルト36によって下側ベース板32側に引っ張られて、それら上側プレス板25及び下側プレス板35の反りが規制されているので、従来の加熱プレス機10より被加工物Wを均一な厚さになるように加熱プレスすることができる。
【0025】
[第2実施形態]
本実施形態は、図5に示されており、第1調整ボルト26のヘッド部26Hと第1貫通孔25Aにおけるザグリ部25Bの奥面との間に圧縮コイルバネ40が収容されると共に、第2調整ボルト36のヘッド部36Hと第2貫通孔35Aにおけるザグリ部35Bの奥面との間に圧縮コイルバネ41が収容されている点が前記第1実施形態と異なる。本実施形態の構成によれば、熱膨張により第1調整ボルト26,36の長さが変化しても,それらの変化を圧縮コイルバネ40,41で吸収し、上側プレス板25及び下側プレス板35に過度の引っ張り力がかかることを防ぐことができる。また、第1調整ボルト26,36の軸長変化による引っ張り力の変化に比べて、圧縮コイルバネ40,41の軸長変化による引っ張り力の変化は小さいので、圧縮コイルバネ40,41を設けたことで上側プレス板25及び下側プレス板35の形状が安定し、被加工物Wを安定して均一な厚さになるように加熱プレスすることができる。
【0026】
[第3実施形態]
本実施形態は、図6に示されており、下側プレス板35の外縁部に複数の取付孔35Cが形成されて、それら取付孔35Cに本発明に係るスペーサ部材43が装着されている。スペーサ部材43は上下方向に延びた高強度のシャフト43Sの中間部にフランジ43Fを備えると共に、シャフト43Sの下端部に螺旋部43Mを備えた構造をなしている。そして、下側プレス板35の取付孔35Cに上方からスペーサ部材43におけるフランジ43Fより下側部分が挿入され、下側プレス板35の下方に突出した螺旋部43Mにナット43Nを締め付けることで、そのナット43Nとフランジ43Fとで下側プレス板35を挟んだ状態にスペーサ部材43が固定されている。
【0027】
本実施形態の加熱プレス機によれば、被加工物Wを加圧プレスするときに、上側プレス板25及び下側プレス板35の互いの対向面のうち外縁部同士の間にスペーサ部材43が挟まれて、上側プレス板25及び下側プレス板35の反りを規制することができる。これにより、従来の加熱プレス機10より被加工物Wを均一な厚さになるように加熱プレスすることができる。
【0028】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0029】
(1)前記第1及び第2実施形態の加熱プレス機10の第1及び第2の引張部材は、第1雌螺旋孔22A及び第2雌螺旋孔32に螺合する第1調整ボルト26及び第2調整ボルト36であったが、上側ベース板22及び下側ベース板32に貫通孔を設け、各貫通孔に通した第1及び第2の調整ボルト26,36をナットで止めるように構成してもよい。また、第1及び第2の引張部材は、例えば、バネや温度によって伸縮する棒状の部材など、他の部材であってもよい。
【0030】
(2)前記第3実施形態の加熱プレス機10のスペーサ部材43はシャフト43Sを下側プレス板35に固定したものであったが、例えば、バネなど、他の部材であってもよい。また、下側プレス板35ではなく、上側プレス板25に固定したものであってもよい。
【0031】
(3)前記第1〜第3実施形態の加熱プレス機10では、第1及び第2の部屋構成部17,20内の空気を吸引して真空にしていたが、予め第1及び第2の部屋構成部17,20内を不活性ガス(例えば、窒素やアルゴン)雰囲気にしてから、その不活性ガスを吸引して真空にしてもよい。但しこれに限らず、例えば、真空にせず、加熱プレスを行ってもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 加熱プレス機
22 上側ベース板
22A 第1雌螺旋孔(第1雌螺旋部)
24 上側支柱
25 上側プレス板
25A 第1貫通孔
25K 第1引張量調整機構
26 第1調整ボルト(第1引張部材)
27 上側加熱板
32 下側ベース板
32A 第2雌螺旋孔(第2雌螺旋部)
34 下側支柱
35 下側プレス板
35A 第2貫通孔
35C 取付孔
35K 第2引張量調整機構
36 第2調整ボルト(第2引張部材)
37 下側加熱板
43 スペーサ部材
W 被加工物
図1
図2
図3
図4
図5
図6