特開2015-223707(P2015-223707A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-223707マニホールドの射出成形装置及びその射出成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223707(P2015-223707A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】マニホールドの射出成形装置及びその射出成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/40 20060101AFI20151117BHJP
   B22C 9/10 20060101ALI20151117BHJP
   B22C 9/22 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B29C45/40
   B22C9/10 S
   B22C9/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-108103(P2014-108103)
(22)【出願日】2014年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】505389547
【氏名又は名称】株式会社岐阜多田精機
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】特許業務法人 Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】多田 憲生
(72)【発明者】
【氏名】堀 正明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 隆晃
(72)【発明者】
【氏名】木津 佳伸
【テーマコード(参考)】
4E093
4F202
【Fターム(参考)】
4E093QB03
4E093QD00
4E093UA05
4E093UA08
4F202AE10
4F202AG06
4F202AG25
4F202AG28
4F202AH16
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK32
4F202CK52
4F202CK55
4F202CK59
4F202CN05
4F202CN13
(57)【要約】
【課題】正確な曲率で吸気管の円弧部から揺動軸を中心に回動する揺動中子を抜くことができ、金型の設定精度も高く、同一条件でマニホールドの型抜きができる。
【解決手段】回動中子10はその周囲にピニオンギア12を形成し、直線運動するラックギア21と噛み合っているから、回動中子10はその周囲にピニオンギア12が形成されており、その周方向の回動はピニオンギア12が形成されている周方向となるので、回動中子10は等速度運動を行い、かつ、従来のように吸気キャビティと回動中子10との間の軸が緩み、吸気キャビティと回動中子10との間にガタツキが発生し、所望の均一な肉厚が得られなくことが防止できる。ラックアンドピニオンによって回転奇跡が決定され、かつ、歯の噛み合いによって回転するものであるから、成形精度が高くなり、金型1の寿命が長くなる。また、回動中子10を冷却する冷却機構30を設置しても、常に回動中子10の軌道が同じであるから、冷却機構30の設置が可能となる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型と可動型と、前記固定型と前記可動型との間に配設したコアと、前記コアに形成された特定の曲率を有するマニホールドの吸気キャビティと、前記吸気キャビティの特定の曲率に沿って回動する回動中子とを具備し、
前記回動中子にはピニオンギアが形成されていて、直線運動するラックギアと噛み合って前記回動中子を前記吸気キャビティから出し入れすることを特徴とするマニホールドの射出成形装置。
【請求項2】
固定型と可動型と、前記固定型と前記可動型との間に配設したコアと、前記コアに形成された特定の曲率を有するマニホールドの吸気キャビティと、前記吸気キャビティの特定の曲率に沿って回動する回動中子とを具備し、
前記回動中子にはピニオンギアが形成されていて、直線運動するラックギアと噛み合って前記回動中子を前記吸気キャビティから出し入れすることを特徴とするマニホールドの射出成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のインテークマニホールド、エキゾーストマニホールド等のマニホールドに使用される特定の曲がりを有する貫通孔を成形するマニホールドの射出成形装置及びその射出成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の吸気管を一体とし、吸気の圧力損失を少なくするインテークマニホールドは、内部に複雑に入り組んだ曲孔を備えている。インテークマニホールドは軽量化の必要性と内燃機関の周囲の環境温度が低くなっていることから、一般的にアルミニウムから現代では射出成形された合成樹脂製に代わってきている。
特許文献1(中子を用いた樹脂成形方法)では、吸気が通る孔は複雑に入り組んで、孔の壁面は円弧を成しているので、孔を成形するのに中子に相当する置き駒を射出成形金型内に配置し、射出成形後にこの置き駒を製品から外している。
また、特許文献2(合成樹脂中空成形品の成形方法)では、成型品と中子を融点が異なる樹脂で作り、この温度差で中子を取り出す方法を採用している。
そして、特許文献3(曲管成形用の金型装置)では、曲管を成形するのに内部の中子を直線部と円弧部とに分離し、直線部の中子は成形後に直線方向に移動させる直線駆動手段によって引き抜き、円弧部はある一点を中心に揺動駆動手段で揺動させて円弧部を引き抜く方法を採用している。
【0003】
従来の射出成形方法は、このように行われているため、製品の再現性が悪く、精度も上がらず、製品の不良率も高かった。また、曲管の金型は射出成形品のように複雑な成型品には適用できない。また、中子を引き抜くための専用の直線駆動手段と、円弧駆動手段が必要となり、複雑な金型となるという問題点が存在していた。
そこで、特許文献4では、生産性の高い曲孔を備えた成形品の射出成形方法として、曲孔を備えた成形品の射出成形方法において、射出成形金型に形成され前記曲孔を形成するためのキャビティに前記金型に揺動自在に設けた揺動中子を挿入し、前記射出成形金型と前記揺動中子との間の前記キャビティ内に溶融した樹脂を射出し、前記射出した後に、前記金型を開く運動により前記揺動中子を前記キャビィティから前記揺動運動で抜き、前記曲孔を備えた成形品を形成する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−106612号公報
【特許文献2】特開平11−58413号公報
【特許文献3】特開平6−63694号公報
【特許文献4】特開2002−18904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献4は、生産性の高い曲孔を備えた成形品の射出成形方法として、射出成形金型に形成され曲孔を形成するためのキャビティに、射出成形金型に揺動自在に設けた揺動中子を挿入し、前記射出成形金型と前記揺動中子との間の前記キャビティ内に溶融した樹脂を射出し、前記射出した後に、前記金型を開くことにより前記揺動中子を前記キャビィティから前記揺動運動で抜き、前記曲孔を備えた成形品を形成するものである。
ここで、揺動中子は揺動軸を中心に回動するものであるから、特許文献4の図1(b)に示す吸気管の円弧部は、図示のように円弧以外の形状は成型できない。また、吸気管の円弧部は揺動軸を中心に回動する揺動中子が描く円弧となる。一方、揺動中子は揺動軸を中心に回動するとき、連結軸に連結されたリンクが直線運動するから、吸気管の円弧部から揺動軸を中心に回動する揺動中子を抜く際には、揺動中子は等速運動をしておらず、かつ、連結軸に連結されたリンク等が軸支されているから軸の遊びによって精度を上げることができない。そして、固定型板と可動型板の間の中央部のコアにはガイドも必要であり、金型が複雑になる。
【0006】
そこで、本発明は、正確な曲率で吸気管の円弧部から揺動軸を中心に回動する揺動中子を抜くことができ、金型の設定精度も高く、同一条件で型抜きができるマニホールドの射出成形装置及びその射出成形方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明にかかるマニホールドの射出成形装置は、固定型と可動型と、前記固定型と前記可動型との間に配設したコアと、前記コアに形成された特定の曲率を有するマニホールドの吸気管を形成する吸気キャビティと、前記吸気管の吸気キャビティを特定の曲率に沿って回動する回動中子とし、前記回動中子にはピニオンギアが形成されていて、直線運動するラックギアと噛み合って前記回動中子を前記吸気キャビティから出し入れするものである。
ここで、上記固定型と可動型は、マニホールドを射出成形する射出成形に直接関与しない金型を意味する。
また、上記固定型と可動型との間に配設したコアは、マニホールドを成形する吸気キャビティが形成される部分で、前記コアには特定の曲率を有するマニホールドの吸気キャビティを形成する部位であり、直接、射出成形に関与する金型である。
そして、上記吸気キャビティ部の特定の曲率に沿って、前記回動中子はピニオンギアが、直線運動するラックギアと噛み合い前記回動中子を前記吸気キャビティから出し入れする。
なお、ここで吸気部とは、吸気管を形成するキャビティが形成した樹脂部分であり、また、吸気キャビティとは射出成形する空間を意味する。
【0008】
請求項2の発明にかかるマニホールドの射出成形方法は、固定型と可動型と、前記固定型と前記可動型との間に配設したコアと、前記コアに形成された特定の曲率を有するマニホールドの吸気キャビティと、前記吸気部の特定の曲率に沿って回動する回動中子とを具備し、前記回動中子にはピニオンギアが形成されていて、直線運動するラックギアと噛み合って前記回動中子を前記吸気キャビティから出し入れするものである。
ここで、上記固定型と可動型は、マニホールドを射出成形する射出成形に直接関与しない金型を意味する。
また、上記固定型と可動型との間に配設したコアは、マニホールドを成形する吸気部が形成される部分で、前記コアには特定の曲率を有するマニホールドの吸気キャビティを形成される部位であり、直接、射出成形に関与する金型である。
そして、上記吸気キャビティの特定の曲率に沿って、前記回動中子はピニオンギアが、直線運動するラックギアと噛み合い、前記回動中子を前記吸気キャビティ側から出し入れする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のマニホールドの射出成形装置は、固定型と可動型との間に配設したコアに形成された特定の曲率を有するマニホールドの吸気管に相当する吸気キャビティと、前記吸気キャビティの特定の曲率に沿って回動する回動中子とを具備し、前記回動中子には直線運動するラックギアと噛み合うピニオンギアが前記回動中子を回動させ、前記吸気キャビティから前記回動中子を出し入れするものである。
したがって、前記回動中子はその周囲にピニオンギアを形成し、直線運動するラックギアと噛み合っているから、前記回動中子はその周囲にピニオンギアが形成されており、その周方向の回動はピニオンギアが形成されている周方向となるので、前記回動中子は等速度運動を行い、かつ、従来のように前記吸気キャビティと前記回動中子との間の軸が緩み、前記吸気キャビティと前記回動中子との間にガタツキが発生すると所望の均一な肉厚が得られなくなるが、本願発明では、ラックアンドピニオンによって回転奇跡が決定され、かつ、歯の噛み合いによって回転するものであるから、成形精度が高くなり、金型の寿命が長くなる。また、前記回動中子を冷却する冷却機構を設置しても、常に前記回動中子の軌道が同じであるから、冷却機構の設置が可能となる。
【0010】
請求項2のマニホールドの射出成形方法は、固定型と可動型と、前記固定型と前記可動型との間に配設したコアと、前記コアに形成された特定の曲率を有するマニホールドの吸気キャビティと、前記吸気キャビティの特定の曲率に沿って回動する回動中子とを具備し、前記回動中子にはピニオンギアが形成されていて、直線運動するラックギアと噛み合って前記回動中子を前記吸気キャビティから出し入れするものである。
したがって、前記回動中子はその周囲にピニオンギアを形成し、直線運動するラックギアと噛み合っているから、前記回動中子は等速度運動を行い、かつ、従来のように前記吸気キャビティと前記回動中子との間の軸が緩み、前記吸気キャビティと前記回動中子との間にガタツキが発生すると所望の均一な肉厚が得られなくなるが、本願発明では、ラックアンドピニオンによって回転奇跡が決定され、かつ、歯の噛み合いによって回転するものであるから、成形精度が高くなり、金型の寿命が長くなる。また、前記回動中子を冷却する冷却機構を設置しても、常に前記回動中子の軌道が同じであるから、冷却機構の設置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は射出成形したマニホールドの射出成形個所を示す斜視図で、A−A切断線は金型に対応する説明位置を示すものである。
図2図2は本発明の実施の形態におけるマニホールドの射出成形装置の固定型と可動型とを開いた状態のA−A切断線の断面図である。
図3図3は本発明の実施の形態におけるマニホールドの射出成形装置の固定型と可動型とを開く途中の状態のA−A切断線の断面図である。
図4図4は本発明の実施の形態におけるマニホールドの射出成形装置の固定型と可動型とを閉じ、射出成形した状態のA−A切断線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0013】
[実施の形態]
図1において、内燃機関のインテークマニホールド、エキゾーストマニホールド等のマニホールド50は、内燃機関として所定数のシリンダ(図1は3気筒)の吸気管51,52,53を一括したもので、吸気の際の圧力損失が少なく、かつ、各シリンダ間の吸気に干渉がなく、各シリンダ間の吸気が同じ条件になるように略均一に設計されたものである。そのため、そのマニホールド50に形成された吸気管51,52,53の曲率は気筒によって様々であるが、本発明の実施の形態では、断面を面取りした四角形としたものである。
【0014】
このマニホールド50は、分離可能な射出成形金型1の固定型2と可動型3、また、固定型2と可動型3との間に配設した外側の面を形成する外面型4(図1の下面)及びその内側の面を形成する内面型5(図1の上面)からなるコア6を有している。マニホールド50の吸気管52を形成する吸気キャビティは、図1のA−A切断線で切断したとき、特定の曲率を有するものであり、吸気キャビティは、外面型4に対して特定の曲率に沿って回動する回動中子10が挿入され、外面型4と内面型5との間で形成する吸気部52bを含むマニホールド50の空間を形成している。
【0015】
回動中子10の外周の一部にはピニオンギア12が形成されていて、直線運動するラックギア21と噛み合って、ラックギア21の直線運動により回動中子10を外面型4の吸気キャビティまたは成形した吸気部52bから出し入れ自在となっている。
詳しくは、回動中子10は支点11を回動シャフトで軸を形成してもよいし、回動中子10の回動溝を形成することによって回動自在とすることができる。しかし、支点11で軸支させた方が回動中子10はスムーズな動きとなる。特に、後述するノズル部31等の冷却機構30を回動中子10の負荷として捉えた場合には、支点11を軸支させた方が他に余計な力が加わらない。
【0016】
回動中子10の外周のピニオンギア12は、回動中子10が吸気部52bを形成する距離の2〜3倍歯を形成している。また、直線運動するラックギア21はピニオンギア12に対応する距離またはその1.5倍程度歯を形成している。
したがって、ラックギア21が直線運動するとそれに伴ってピニオンギア12が支点11を中心に回転する。この回転により、回動中子10が吸気部52bに相当するキャビティを形成する。ラックギア21の直線運動の方向によって回動中子10の進退方向が決定される。
【0017】
また、回動中子10は、射出成形する際に、射出成形金型1の固定型2と可動型3、及びコア6の外面型4及び内面型5を閉じ、支点11を中心に30度程度回動する。即ち、回動中子10の端部面13は、その開口面積を拡大開始する境界線52aに位置する。また、射出成形金型1の固定型2と可動型3及びコア6の外面型4と内面型5を開いて、射出成形したマニホールド50を取り出すとき、回動中子10の端部面13は、図2において30度程度下方向(右回転)に回動する。
【0018】
そして、回動中子10内には、冷却機構30が配設されている。冷却機構30は冷却水を循環させ回動中子10を冷却している。冷却機構30はノズル部31が回動中子10の端部付近にその先端を位置させている。ノズル部31に連続してロッド部32が配設されている。ロッド部32はステンレス管からなり、可撓性を有していない。しかし、ロッド部32に接続された冷却水用高圧ホース33の可撓性を有し、回動中子10、即ち、ロッド部32の反ノズル部31側の位置変化に追随する形態を取り得る。
【0019】
直線運動する往復動部材20に形成したラックギア21は、射出成形金型1の固定型2に形成された直線溝7を往復動する。ラックギア21の端部とピニオン12を形成した回動中子10の端部面14が往復動部材20のL字状端部22に当接したとき、それがストッパとして機能し、移動を停止する。
【0020】
射出成形金型1の可動型3には、金型ガイド41が配設されており、射出成形金型1の固定型2と可動型3とが開閉する両者の位置決めを行っている。また、金型ガイド41から下に斜めに突出する回動中子10の移動ロッド42を配設している。移動ロッド42は往復動部材20の嵌合孔23を挿通し、嵌合する位置によって往復動部材20が往復動作し、結果、往復動部材20に形成されているラックギア21が往復移動し、噛み合っているピニオン12が支点11を中心に30度程度往復回動自在としている。金型ガイド41と移動ロッド42は金型開閉伝達機構を構成し、射出成形金型1の固定型2と可動型3及びコア6の外面型4及び内面型5を開閉するとき、移動ロッド42を介して回動中子10の型締め及び型開き位置の移動となる。
【0021】
次に、本実施の形態のマニホールドの射出成形装置及びマニホールドの射出成形方法の全体動作の説明をする。
図2に示すように、射出成形金型1の固定型2と可動型3及びコア6の外面型4と内面型5が開いた状態で、固定型2と可動型3の間隔を狭め、型締め及び型開きできる範囲に両者を設定する。このとき、移動ロッド42は往復動部材20の嵌合孔23に挿通状態とする。通常の型の開閉を行う使用状態では、移動ロッド42は往復動部材20の嵌合孔23に挿通状態とするものである。
【0022】
図3は射出成形金型1の固定型2と可動型3及びコア6の外面型4と内面型5が型開き直前の状態に設定した状態を示す断面図で、図4は射出成形金型1の固定型2と可動型3及びコア6の外面型4と内面型5が型締めできる状態に設定した状態を示す断面図である。射出成形品を取り出し、型締めする場合には、射出成形金型1の固定型2と可動型3の両者間の間隔を狭め、金型ガイド41によって両者間の位置決めを行う。
【0023】
同時に、金型ガイド41に配設された移動ロッド42は往復動部材20の嵌合孔23に挿通されているから、移動ロッド42は往復動部材20を図3の右方向に移動させる。回動中子10に設けられているラックギア21はピニオンギア12を左方向に回動させる。同時に、この回動は、回動中子10の端部面13が吸気管52の開口面積を拡大開始する境界線52aで停止する。このとき、回動中子10のラックギア21のL字状端部22とピニオン12を形成した端部面14が往復動部材20に当接し、移動を停止する。この状態が型締めした図4の状態となり、樹脂を射出することにより、マニホールド50が成形される。
【0024】
そして、回動中子10に接続されている冷却機構30は、ノズル部31が回動中子10の端部付近に位置させているから、回動中子10を冷却し、吸気管52を形成するタイミングに応じて冷却を行うことができる。
この冷却機構30は回動中子10の回動によって、冷却水用高圧ホース33の長さ及びロッド部32は、ロッド部32との接続位置が変化するが、冷却水用高圧ホース33の可撓性によって特定の位置にストレスが及ばないし、その可撓性を与える外力は回動中子10の回動が支点11を中心に30度程度往復回動自在としており、回動中子10とコア6の外面型4と内面型5との間にガタツキがないから、回動中子10の回動にガタツキがなく、繰り返し運動ができる。
【0025】
図4の状態で、マニホールド50の射出成形が完了すると、射出成形金型1の固定型2と可動型3及びコア6の外面型4と内面型5が型開きされる。射出成形金型1の固定型2と可動型3が開口するとき、金型ガイド41に設けられた移動ロッド42は、往復動部材20の嵌合孔23に挿通されているから、往復動部材20を図3に示す位置よりも左方向に移動させる。往復動部材20が左側に移動すると、回動中子10が右回転し、マニホールド50の吸気管52の境界線52aの面から図3に示す位置を通過して、マニホールド50の内側を上にして射出成形金型1が開く。
【0026】
このように、本実施の形態のマニホールド50の射出成形装置は、固定型2と可動型3と、固定型2と可動型3との間に配設したコア6と、コア6に形成された特定の曲率を有するマニホールド50の吸気管52となる吸気キャビティと、吸気管52となる吸気キャビティの特定の曲率に沿って回動する回動中子10とを具備し、回動中子10にはピニオンギア12が形成されていて、直線運動する往復動部材20に形成されたラックギア21と噛み合って回動中子10を吸気キャビティから出し入れする構成として捉えることができる。
【0027】
したがって、回動中子10はその周囲にピニオンギア12を形成し、直線運動する往復動部材20に形成されたラックギア21と噛み合っているから、回動中子10はその周囲にピニオンギア12が形成されており、その周方向の回動はピニオンギア12が形成されている周方向となるので、回動中子10は等速度運動を行うものである。
したがって、従来技術のように、吸気キャビティと回動中子との間の軸が緩み、吸気キャビティと回動中子10との間にガタツキが発生したり、所望の均一な肉厚が得られなくなるという事態が回避できる。本発明の実施の形態では、ラックアンドピニオンによって回転軌跡が決定され、かつ、歯の噛み合いによって回転するものであるから、マニホールドの成形精度が高くなり、金型の寿命が長くなる。また、回動中子10を冷却する冷却機構30を設置しても、常に回動中子10の軌道が同じであるから、冷却機構30の設置が可能となる。
【0028】
また、本実施の形態のマニホールドの射出成形方法は、固定型2と可動型3と、固定型2と可動型3との間に配設したコア6と、コア6に形成された特定の曲率を有するマニホールド50の吸気管52の吸気キャビティと、前記吸気キャビティの特定の曲率に沿って回動する回動中子10とを具備し、回動中子10にはピニオンギア12が形成されていて、直線運動するラックギア21と噛み合って回動中子10を吸気管52の吸気キャビティから出し入れするマニホールドの製造方法に関する発明として捉えることもできる。
【0029】
したがって、回動中子10はその周囲にピニオンギア12を形成し、直線運動するラックギア21と噛み合っているから、回動中子10は等速度運動を行い、かつ、従来のように吸気キャビティと回動中子10との間の軸が緩み、吸気キャビティと回動中子10との間にガタツキが発生すると吸気部52bとして所望の均一な肉厚が得られなくなるが、本願発明では、ラックアンドピニオンによって回転奇跡が決定され、かつ、歯の噛み合いによって回転するものであるから、成形精度が高くなり、金型1の寿命が長くなる。また、回動中子10を冷却する冷却機構30を設置しても、常に回動中子10の軌道が同じであるから、冷却機構の設置が可能となる。
【0030】
本実施の形態では、吸気管52について説明したが、吸気管51,52,53の何れでもよいし、1個またはそれ以上に適用できればよい。
特に、本実施の形態においては、マニホールド50の吸気管52を特定の曲率の円弧を描く形態として設計することを前提とするものであり、それによって成形時に誤差が生じ難くなることにより、マニホールド50の特性を良くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本実施の形態では、固定型2と可動型3と、前記固定型2と前記可動型3との間に配設したコア6と、コア6に形成された特定の曲率を有するマニホールド50の吸気管52となる吸気部52bと、前記吸気部52bの特定の曲率に沿って回動する回動中子10として説明したが、本発明を実施する場合には、他の射出成形の技術にも適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 射出成形金型
2 固定型
3 可動型
4 外面型
5 内面型
6 コア
10 回動中子
12 ピニオンギア
20 往復動部材
21 ラックギア
50 マニホールド
52b 吸気部
51,52,53 吸気管
図1
図2
図3
図4