【解決手段】プリンタ1は、ユーザ認識部42が認識したユーザと外部メモリ認識部43が認識した外部メモリ33の識別情報とがメモリ対応テーブル48Aで対応付けられているときに、外部メモリ33の識別情報と権限設定テーブル48Bで対応付けられた利用制限情報に基づいて、プリンタ1の機能の利用制限を行う機能制限部44を備えている。
前記画像形成装置に接続された外部記憶装置が前記第1のテーブルに登録されていない場合、新たに前記外部記憶装置を登録するか否かの画面および前記利用権限情報を設定する画面を表示する制御を行う表示制御部と、
前記外部記憶装置を識別する識別情報を前記外部記憶装置から取得し、設定された利用権限情報を取得された前記識別情報と対応付けて前記第2のテーブルに記憶する記憶制御部と、
を備える請求項1記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<プリンタの全体構成>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、画像形成装置としてのプリンタ1の内部構成を示している。
図1に示したプリンタ1は一例であり、他の構成のプリンタ1を採用してもよい。
【0018】
プリンタ1は印刷用紙に所定の画像や文字、イラスト等を印刷する装置である。
図1のプリンタ1は、外部給紙台11と内部給紙台12と外部給紙ローラ13と内部給紙ローラ14とレジストローラ15と搬送ベルト16と印刷部17と上昇搬送ローラ18と水平搬送ローラ19と切り替え部20と排紙搬送ローラ21と反転搬送ローラ22と反転ローラ23と再給紙ローラ24と操作表示部25とカードリーダ26とを備えている。
【0019】
外部給紙台11は印刷に用いられる用紙を積載している。外部給紙台11は一部がプリンタ1から外部に露出して設置されている。内部給紙台12も同様に印刷に用いられる用紙を積載している。ここでは、内部給紙台12はプリンタ1の内部に設置されている。外部給紙台11および内部給紙台12は給紙を行う給紙手段として機能する。
【0020】
外部給紙ローラ13は外部給紙台11から用紙を1枚ずつ取り出して、レジストローラ15へ向けて搬送する。内部給紙ローラ14も同様に、内部給紙台12から用紙を1枚ずつ取り出して、レジストローラ15へ向けて搬送する。
【0021】
レジストローラ15は、外部給紙ローラ13、内部給紙ローラ14、再給紙ローラ24、から搬送されてきた用紙を一旦停止させる。その後、斜行補正を行い、搬送ベルト16および印刷部17に向けて搬送する。
【0022】
搬送ベルト16は、レジストローラ15の下流側に配置され、レジストローラ15により搬送された用紙を、搬送ベルト16の表面に形成された搬送面に吸着させつつ、搬送する。搬送ベルト16は、駆動ローラおよび従動ローラに架け渡される環状の無端状ベルトである。
【0023】
搬送ベルト16には、用紙を吸着保持するための貫通孔であるベルト孔(図示せず)が多数形成されている。搬送ベルト16は、駆動ローラの駆動により、
図1における時計回り方向に回転することで、搬送面上に吸着保持した用紙を
図1における右方向に向けて搬送する。
【0024】
印刷部17は、搬送ベルト16の上部に配置され、用紙の搬送方向と略直交する方向に複数のノズル列が配列されたラインタイプのインクジェットヘッドを有する。印刷部17は、搬送ベルト16により搬送される用紙にインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して画像を印刷する。
【0025】
上昇搬送ローラ18は、用紙をニップしつつ、搬送ベルト16から受け渡され、印刷部17により印刷された用紙を
図1における上昇方向へ、水平搬送ローラ19に向けて搬送する。
【0026】
水平搬送ローラ19は用紙をニップしつつ、上昇搬送ローラ18から受け渡された用紙を
図1における右方向から左方向へ搬送する。水平搬送ローラ19は、用紙が搬送される経路に沿って配置されている。
【0027】
切り替え部20は、用紙を排紙する経路(排紙経路)と用紙を反転する経路(反転経路)とを切り替える。排紙経路は、例えば排紙台(図示せず)にまで導かれる。反転経路は、例えば排紙台の下部にまで導かれ、排紙台の下部で用紙が反転される。
【0028】
例えば、用紙に両面印刷される場合、切り替え部20は、片面印刷済みの用紙を反転経路に用紙が搬送されるように切り替えを行う。そして、反転搬送ローラ22は切り替え部20により切り替えられた用紙を反転ローラ23に向けて搬送する。反転ローラ23は、片面印刷済みの用紙を一時的に搬出して、再給紙ローラ24へ向けて搬送する。反転ローラ23は、反転経路に配置されている。
【0029】
再給紙ローラ24は、反転ローラ23により搬送されてきた用紙をレジストローラ15へ向けて搬送する。再給紙ローラ24は、反転ローラ23とレジストローラ15とで形成される経路上に配置されている。反転ローラ23により表裏が反転された用紙は、未印刷面が上向きとなる状態でレジストローラ15から搬送ベルト16に搬送される。そして、印刷部17により未印刷面が印刷された用紙は、上昇搬送ローラ18および水平搬送ローラ19を搬送される。
【0030】
また、片面印刷または両面印刷で用紙が排紙される場合、用紙が切り替え部20に到達すると、排紙経路に切り替えられ、切り替え部20から、排紙搬送ローラ21にニップされながら搬送される。
【0031】
操作表示部25は、ユーザがプリンタ1を操作するためにプリンタ1に設けられている。実施形態では、操作表示部25はタッチパネルディスプレイであるものとする。ただし、操作表示部25は、タッチパネルディスプレイには限定されない。
【0032】
操作表示部25は、表示機能と操作機能とを有している。操作表示部25は、表示機能と操作機能とを別個の装置として設けてもよい。例えば、表示機能はディスプレイ、操作機能はプッシュ式のボタンであってもよい。
【0033】
カードリーダ26は、ユーザがプリンタ1にログインするときに使用するICカードと非接触で無線通信を行う。ユーザがICカードをカードリーダ26にかざすことにより、ICカードとカードリーダ26とが無線通信を行い、ログイン処理が行われる。
【0034】
なお、プリンタ1に対するログインは、ユーザによる操作表示部25に対する操作により実現されてもよい。ユーザが、操作表示部25を用いて、IDおよびパスワードを入力することにより、ユーザのログインが行われてもよい。この場合、プリンタ1にカードリーダ26を設けなくてもよい。
【0035】
<プリンタの機能ブロック図>
次に、
図2を参照して、本実施形態の制御を行うための機能ブロック図について説明する。プリンタ1は、制御部31と外部メモリ接続部32と上述した操作表示部25と上述したカードリーダ26とを備えている。
【0036】
制御部31は実施形態に係るプリンタ1の制御を行う。外部メモリ接続部32は、外部メモリ33を接続する。外部メモリ33が外部メモリ接続部32に接続されると、プリンタ1は外部メモリ33に記憶されているデータにアクセスすることが可能な状態になる。ただし、データへのアクセスが制限されている場合には、プリンタ1は外部メモリ33のデータにアクセスすることはできない。
【0037】
制御部31は、ログイン処理部41とユーザ認識部42と外部メモリ認識部43と機能制限部44と表示制御部45と記憶制御部46とデータアクセス処理部47と記憶部48とを備える。
【0038】
ログイン処理部41は、ユーザがプリンタ1にログインするときの処理を行う。カードリーダ26がユーザのICカードと通信を行うことで、ユーザはプリンタ1にログインを行うことができる。ただし、ユーザのICカードがプリンタ1にログインする正当な権利を有していない場合には、当該ユーザはログインを行うことはできない。
【0039】
ログイン処理部41は、ログインしたユーザに関する情報をユーザ認識部42に出力する。ユーザ認識部42は、ログインしたユーザに関する情報を入力することで、ログインしたユーザの情報を認識する。
【0040】
外部メモリ認識部43は、外部メモリ接続部32に接続された外部メモリ33を識別する識別情報を認識する。実施形態では、識別情報は、外部メモリ33を製造したメーカ名とシリアル番号との組み合わせであるものとする。
【0041】
ただし、識別情報は、外部メモリ33を識別することができれば、任意の情報であってもよい。例えば、ユーザがPC(パーソナルコンピュータ)等を用いて、外部メモリ33に識別情報を設定してもよい。
【0042】
機能制限部44は、プリンタ1に備えられる機能を制限する。実施形態では、プリンタ1に備えられる機能として、管理者設定機能とカラー印刷機能とFAX機能と両面印刷機能との4つの機能があるものとする。プリンタ1に備えられる機能は、これらの機能には限定されない。また、プリンタ1に備えられる機能の数も4つには限定されない。機能制限部44は、権限に応じて、これらの機能の利用を制限する。
【0043】
表示制御部45は、操作表示部25に表示する内容を制御する。記憶制御部46は、外部メモリ33から識別情報を取得して、記憶部48に情報を記憶する制御を行う。データアクセス処理部47は、外部メモリ33に記憶されているデータの作成者情報に基づいて、外部メモリ33に対するアクセスを制限する制御を行う。
【0044】
実施形態では、外部メモリ33に記憶されているデータには作成者情報が付加されているものとする。複数のデータが外部メモリ33に記憶されている場合には、それぞれのデータに対して作成者情報が付加されているものとする。
【0045】
記憶部48は、メモリ対応テーブル48Aおよび権限設定テーブル48Bを記憶する。第1のテーブルとしてのメモリ対応テーブル48Aは、ユーザと外部メモリ33の識別情報との対応関係を記憶する。つまり、メモリ対応テーブル48Aは、予め登録されたユーザに割り当てられた外部メモリ33の識別情報を記憶する。
【0046】
1人のユーザに1つの外部メモリ33の識別情報が割り当てられるとは限らない。例えば、1人のユーザが複数の外部メモリ33を利用する場合には、1人のユーザに複数の外部メモリ33の識別情報が割り当てられる。また、1つの外部メモリ33を複数のユーザで共有する場合には、1つの外部メモリ33は複数のユーザに割り当てられる。
【0047】
第2のテーブルとしての権限設定テーブル48Bは、予め登録された識別情報ごとに各機能の利用を制限するか否かの情報(機能制限情報)を記憶する。実施形態では、権限設定テーブル48Bは、管理者設定機能とカラー印刷機能とFAX機能と両面印刷機能との4つの機能について、機能制限情報を記憶する。
【0048】
<実施形態の機能を実現するハードウェア構成>
次に、プリンタ1の機能ブロックを実現するハードウェア構成について説明する。
図3に示すように、バス50に対して、プロセッサ51とRAM(Random Access Memory)52とROM(Read Only Memory)53と補助記憶装置54と媒体接続部55と通信インタフェース56とが接続されている。なお、
図3では、通信インタフェースを「通信IF」と示している。
【0049】
プロセッサ51はCPU(Central Processing Unit)のような任意の処理回路である。プロセッサ51はRAM52に展開されたプログラムを実行する。実行されるプログラムとしては、実施形態の制御を行うプログラムを適用することができる。ROM53は不揮発性の記憶装置である。例えば、ROM53は、RAM52に展開されるプログラムを記憶してもよい。
【0050】
補助記憶装置54は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブや半導体メモリ等を補助記憶装置54に適用することができる。媒体接続部55は、可搬型記憶媒体57と接続可能に設けられている。
【0051】
可搬型記憶媒体57としては、可搬型のメモリや光学式ディスク(例えば、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Video Disk)等)を適用することができる。また、可搬型記憶媒体57に外部メモリ33を適用してもよい。この場合、媒体接続部55は、外部メモリ接続部32となる。
【0052】
通信インタフェース56は、外部との通信を行うときのインタフェースである。例えば、通信インタフェース56は、外部装置と通信するときのインタフェースとすることができる。
【0053】
例えば、
図2の制御部31のうち、記憶部48以外の各部はプロセッサ51により実現されてもよい。また、記憶部48はRAM52、ROM53または補助記憶装置54により実現されてもよい。記憶部48の各テーブルはプリンタ1の外部の記憶装置に記憶されてもよい。この場合、通信インタフェース56を介して、プリンタ1は、外部の記憶装置から各テーブルの情報を取得してもよい。
【0054】
<メモリ対応テーブルの例>
次に、メモリ対応テーブル48Aについて、
図4を参照して説明する。
図4の例のメモリ対応テーブル48Aは、ユーザ1からユーザ4までの4人のユーザに関する情報(登録ユーザ情報)が予め登録されている。メモリ対応テーブル48Aに登録ユーザ情報の数は4つには限定されない。
【0055】
図4の例に示すように、ユーザ1に対して、メーカ名「AAA」およびシリアル番号「12345」の識別情報が対応付けられている。つまり、当該識別情報により識別される外部メモリ33はユーザ1に対して割り当てられている。
【0056】
また。ユーザ1に対しては、メーカ名「BBB」およびシリアル番号「34567」の識別情報が対応付けられている。さらに、ユーザ1に対して、メーカ名「CCC」およびシリアル番号「56789」の識別情報が対応付けられている。
【0057】
従って、ユーザ1に対しては、それぞれ異なる3つの識別情報の外部メモリ33が割り当てられている。一方、メーカ名「BBB」およびシリアル番号「34567」の識別番号は、ユーザ1に対してだけでなく、ユーザ2に対しても割り当てられている。なお、
図4の例では、ユーザ4に対しては、外部メモリ33の識別情報は割り当てられていない。
【0058】
<権限設定テーブルの例>
次に、権限設定テーブル48Bについて、
図5を参照して説明する。
図5の例の利用権限情報の各機能は、識別情報ごとに割り当てられている。つまり、プリンタ1に接続された外部メモリ33の識別情報ごとに、各機能の利用権限が設定されている。
【0059】
利用権限情報のうち、管理者設定機能は、管理者がプリンタ1に対して種々の設定をする機能である。管理者設定機能が「×」になっていると、管理者設定機能を利用することができない。
図5の例では、メーカ名が「CCC」およびシリアル番号が「12345」の識別情報の外部メモリ33がプリンタ1に接続されているときに、管理者設定機能を利用することができる。
【0060】
図4を参照すると、メーカ名が「CCC」およびシリアル番号が「12345」の識別情報はユーザ3に割り当てられている。従って、ユーザ3がログインを行い、且つ当該識別情報の外部メモリ33をプリンタ1に接続したときに、管理者設定機能は有効になる。
【0061】
<実施形態の処理の流れを示すフローチャート>
次に、実施形態の処理の流れについて、
図6のフローチャートを参照して説明する。ログイン処理部41は、ユーザがログインをしたか否かを判定する(ステップS1)。実施形態では、ユーザのICカードとカードリーダ26とが無線通信を行い、ICカードに記憶された内容に基づいて、ログイン処理部41がログイン処理を行う。
【0062】
上述したように、プリンタ1に登録されていないユーザのICカードは、プリンタ1を利用する正当な権利を有していない。従って、プリンタ1に登録されていないICカードでは、プリンタ1にログインすることはできない。
【0063】
ユーザのログイン処理が正常に行われたときに(ステップS1でYES)、ログイン処理部41は、ログインしたユーザに関する情報をユーザ認識部42に出力する。これにより、ユーザ認識部42は、ログインしたユーザを認識する(ステップS2)。一方、ユーザのログイン処理が行われなければ(ステップS1でNO)、処理はステップS1に戻る。
【0064】
ユーザ認識部42がログインしたユーザを認識した後、外部メモリ接続部32は、外部メモリ33が接続されたか否かを判定する(ステップS3)。外部メモリ接続部32が外部メモリ33の接続を検出しなければ(ステップS3でNO)、処理はステップS3に戻る。
【0065】
一方、外部メモリ接続部32が外部メモリ33の接続を検出したときには(ステップS3でYES)、外部メモリ認識部43は、接続された外部メモリ33の識別情報を認識する(ステップS4)。
【0066】
その後、外部メモリ認識部43は、メモリ対応テーブル48Aの識別情報を検索し、接続された外部メモリ33の識別情報がメモリ対応テーブル48Aに登録されているか否かを判定する(ステップS5)。
【0067】
例えば、
図4の例において、外部メモリ接続部32に接続された外部メモリ33の識別情報が、メーカ名「AAA」およびシリアル番号「12345」であるとする。この場合、外部メモリ認識部43は、接続された外部メモリ33の識別情報がメモリ対応テーブル48Aに登録されていると判定する(ステップS5でYES)。
【0068】
一方、
図4の例において、外部メモリ接続部32に接続された外部メモリ33の識別情報がメーカ名「FFF」およびシリアル番号「23456」であるとする。この場合、メモリ対応テーブル48Aに当該識別情報は存在しないため、接続された外部メモリ33の識別情報がメモリ対応テーブル48Aに登録されていないと判定する(ステップS5でNO)。
【0069】
次に、機能制限部44は、メモリ対応テーブル48Aを参照して、ログインしているユーザとプリンタ1に接続している外部メモリ33の識別情報とが対応しているか否かを判定する(ステップS6)。
【0070】
機能制限部44は、外部メモリ認識部43からプリンタ1に接続されている外部メモリ33の識別情報を取得し、ユーザ認識部42からログインしているユーザに関する情報を取得する。そして、機能制限部44は、メモリ対応テーブル48Aで、取得した識別情報とログインしているユーザに関する情報とが対応しているか否かを判定する。
【0071】
例えば、
図4の例において、機能制限部44は、取得した識別情報のメーカ名が「AAA」、シリアル番号が「12345」であり、且つログインしているユーザが「ユーザ1」であることを認識したとする。この場合、機能制限部44は、ログインしているユーザとプリンタ1に接続している外部メモリ33の識別情報とは対応していると判定する(ステップS6でYES)。
【0072】
一方、
図4の例において、機能制限部44は、取得した識別情報のメーカ名が「AAA」、シリアル番号が「12345」であり、且つログインしているユーザが「ユーザ2」であることを認識したとする。この場合、機能制限部44は、ログインしているユーザとプリンタ1に接続している外部メモリ33の識別情報とは対応していないと判定する(ステップS6でNO)。
【0073】
ステップS6でNOの場合、メモリ対応テーブル48Aにおいて、プリンタ1にログインしているユーザと外部メモリ33の識別情報とは対応していない。この場合、ログインしているユーザは、外部メモリ33を利用する正当な権利を有していないため、制御部31は、プリンタ1から外部メモリ33に対するアクセスを制限する。
【0074】
ステップS6でYESの場合、機能制限部44は、権限設定テーブル48Bを参照する。そして、機能制限部44は、取得した識別情報に対応する利用権限情報を認識し(ステップS7)、認識した機能制限情報に基づいて、プリンタ1の機能の利用を制限する(ステップS8)。
【0075】
例えば、
図5において、メーカ名「DDD」およびシリアル番号「78901」の外部メモリ33の識別情報を機能制限部44が認識している場合、機能制限部44は、カラー印刷機能の利用は制限しないが、それ以外の機能の利用は制限する。 また、例えば、
図5において、メーカ名「CCC」およびシリアル番号「12345」の外部メモリ33の識別情報を機能制限部44が認識している場合、機能制限部44は、4つの機能の利用を全て制限しない。この場合、当該外部メモリ33はプリンタ1のシステム管理者が所持している場合等が考えられる。
【0076】
ただし、プリンタ1が固定的に利用制限を行わない機能については、外部メモリ33によって、当該機能が制限されないようにしてもよい。例えば、識別情報が、メーカ名「BBB」およびシリアル番号「34567」の外部メモリ33が外部メモリ接続部32に接続された場合、
図5の権限設定テーブル48Bに基づくと、機能制限部44はFAX機能の利用を制限する。
【0077】
このとき、プリンタ1が固定的にFAX機能の利用制限を行わないように設定されている場合、上記の外部メモリ33が外部メモリ接続部43に接続されたとしても、機能制限部44はFAX機能の利用を制限しない。これにより、プリンタ1に固定的に利用が許可されている機能が不要に制限されることを回避することができる。
【0078】
次に、データアクセス処理部47は、外部メモリ33に記憶されているデータにアクセスするときの処理を行う(ステップS9)。この処理は、外部メモリ33に記憶されているデータの作成者情報に基づいて、データアクセス処理部47が行う。詳細については、
図7のデータアクセス処理に基づいて、後述する。
【0079】
ステップS5において、外部メモリ認識部43が、接続された外部メモリ33の識別情報がメモリ対応テーブル48Aに登録されていないと判定したとする(ステップS5でNO)。この場合、外部メモリ認識部43は、当該外部メモリ33をプリンタ1に登録する画面を表示する(ステップS10)。
【0080】
図8は、表示制御部45が操作表示部25に表示する画面例を示している。接続された外部メモリ33の識別情報がメモリ対応テーブル48Aに登録されていない場合、当該接続された外部メモリ33は外部メモリ認識部43が認識をしたことのない外部メモリ33になる。
【0081】
そこで、表示制御部45は、
図8(A)に示すような「新規登録画面」を操作表示部25に表示する。新規登録画面で「YES」が押下されると、当該外部メモリ33が新たに登録される(ステップS11)。一方、「NO」が押下されると、当該外部メモリ33の登録は行われない。
【0082】
外部メモリ33を新規に登録するとき、記憶制御部46は、ユーザ認識部42が認識しているユーザに関する情報と新たに登録する外部メモリ33の識別情報とを対応付けて、記憶部48のメモリ対応テーブル48Aに記憶する。
【0083】
上述したように、外部メモリ接続部32に接続された外部メモリ33の識別情報がメーカ名「FFF」およびシリアル番号「23456」の場合、外部メモリ認識部43は、当該識別番号を認識することができる。そして、ユーザ認識部42は、ログインしているユーザに関する情報を認識している。
【0084】
よって、記憶制御部46はメモリ対応テーブル48Aに登録ユーザ情報と識別情報とを対応付けて記憶することができる。例えば、ログインしているユーザがユーザ4であるとすると、記憶制御部46は、登録ユーザ情報の「ユーザ4」に対応する識別情報として、メーカ名「FFF」およびシリアル番号「23456」をメモリ対応テーブル48Aに登録する。
【0085】
図8(A)の「新規登録画面」で「YES」が押下されると、表示制御部45は、
図8(B)の画面例で示す「権限設定画面」を操作表示部25に表示する。「権限設定画面」は、プリンタ1に備えられる各機能の利用権限を設定する画面である。
【0086】
各機能の項目が「○」または「×」に設定されることにより、各機能の利用制限が行われる。例えば、「○」または「×」が表示されている箇所が押下されるごとに、「○」と「×」とが切り替わるようにしてもよい。そして、「設定終了」が押下されると、新たに登録する外部メモリ33の各機能の利用権限情報が権限設定テーブル48Bに登録される(ステップS12)。
【0087】
新たな外部メモリ33を権限設定テーブル48Bに登録するときには、プリンタ1のシステム管理者等が登録を行うことが好ましい。このため、ユーザ認識部42が、ログインしているユーザがシステム管理者であると認識しているときに、外部メモリ33の登録が可能になることが好ましい。
【0088】
外部メモリ認識部43は、外部メモリ33から識別情報を取得し、当該識別情報を認識する。実施形態では、メーカ名およびシリアル番号が識別情報である。そして、記憶制御部46は、上述した権限設定画面で設定された利用権限情報と認識した識別情報とを対応付けて権限設定テーブル48Bに記憶する。
【0089】
メモリ対応テーブル48Aの内容および権限設定テーブル48Bの内容は編集可能であってもよい。ただし、管理者設定機能が有効になっている外部メモリ33Bがプリンタ1に接続されたときに、各テーブルの内容が編集可能になることが好ましい。
【0090】
例えば、
図5の例では、識別情報がメーカ名「CCC」およびシリアル番号「12345」の外部メモリ33が外部メモリ接続部32に接続されたとき、メモリ対応テーブル48Aの内容および権限設定テーブル48Bの内容を編集可能にすることが考えられる。
【0091】
この場合、他の識別情報の外部メモリ33についての機能権限情報の設定が変更可能であってもよい。例えば、管理者設定機能が有効になっている上記の外部メモリ33が外部メモリ接続部32に接続された場合、メーカ名「AAA」およびシリアル番号「12345」の識別情報に対応する機能権限情報が変更可能であってもよい。
【0092】
これにより、新たな外部メモリ33がプリンタ1に登録される。なお、ユーザ認識部42は、IDおよびパスワードにより、システム管理者のログインを認識してもよい。また、外部メモリ33の登録は、システム管理者により行われることが好ましいが、外部メモリ33の登録を行うことができるユーザをシステム管理者に限定する趣旨ではない。
【0093】
次に、ステップS9のデータアクセス処理について説明する。
図7は、データアクセス処理のフローチャートを示している。データアクセス処理部47は、外部メモリ33に記憶されているデータを取得する(ステップS21)。
【0094】
データアクセス処理部47は、取得したデータの作成者情報を認識する(ステップS22)。取得したデータには作成者情報が付加されている。例えば、文書データが作成されたときに、当該文書データに作成者を特定する作成者情報が付加される。従って、外部メモリ33に記憶されているデータには作成者情報が付加される。
【0095】
データアクセス処理部47は、取得したデータの作成者情報とユーザ認識部42が認識しているユーザに関する情報とを取得する。そして、データアクセス処理部47は、2つの情報に基づいて、データの作成者とログイン中のユーザとが異なるか否かを判定する(ステップS23)。
【0096】
データアクセス処理部47が、データの作成者とログイン中のユーザとが異なると判定した場合(ステップS23でYES)、制御部31は、外部メモリ33に対するアクセスを制限する(ステップS24)。従って、プリンタ1は、外部メモリ33からデータを取得することができない。
【0097】
例えば、
図4の例の場合、メーカ名「BBB」およびシリアル番号「34567」の識別情報の外部メモリ33は、メモリ対応テーブル48Aにおいて、ユーザ1およびユーザ2が対応している。従って、当該外部メモリ33は、ユーザ1とユーザ2とで共有されている。
【0098】
外部メモリ33にユーザ1が作成した文書データが記憶されているとする。この場合、当該外部メモリ33を用いて、ユーザ1が記憶した文書データをユーザ2が印刷等することは好ましくないことがある。
【0099】
そのような場合、ユーザ1が作成した文書データにユーザ2がアクセスを制限することが望ましい。従って、データの作成者とログイン中のユーザとが異なる場合には、制御部31は、外部メモリ33に対するアクセスを制限する。これにより、ユーザ2は、ユーザ1が作成した文書データにアクセスすることはできない。
【0100】
ただし、データの作成者とログイン中のユーザとが異なる場合に、常に外部メモリ33に対するアクセスが制限されると、不都合を生じる場合がある。例えば、ユーザ1がユーザ2に対して、ユーザ1が作成した文書データの印刷を依頼した場合、ユーザ2は、プリンタ1を用いて、当該文書データの印刷することができない。
【0101】
そこで、このような場合には、ユーザ1は文書データに対して、アクセス制限を解除する機能を付加する。これにより、制御部31は、文書データにアクセス制限の解除機能が付加されているときには、文書データの作成者とログイン中のユーザとが異なっていたとしても、当該文書データに対するアクセスを許可する。
【0102】
これにより、上述した不都合を解消することができる。なお、上述したアクセス制限の解除機能は、全てのユーザに対する解除機能であってもよいし、特定のユーザに対する解除機能であってもよい。例えば、上述のケースでは、ユーザ1は、ユーザ2に対してだけアクセス制限を解除するように文書データに設定してもよい。
【0103】
一方、外部メモリ33から取得したデータの作成者とログイン中のユーザとが同じ場合(ステップS23でNO)、機能制限部44は、データの作成者とログイン中のユーザとが異なることに起因する機能の利用を制限しない。ただし、権限設定テーブル48Bに設定されている機能の制限は行う。
【0104】
以上により、プリンタ1は、外部メモリ33の識別情報ごとにプリンタ1の機能の権限を認識し、プリンタ1に接続された外部メモリ33の機能の利用制限を行う。これにより、権限の種類の組み合わせが多くなったとしても、プリンタ1は、ICカードやカードリーダを増やす必要がない。
【0105】
また、プリンタ1の機能は、ユーザが正当にログインし、且つ外部メモリ33の識別情報に基づいて、利用することができる。つまり、ユーザの認証と外部メモリ33の認証との2つの認証が行われる。プリンタ1の機能を利用するために、二重の認証が行われる。
【0106】
例えば、ユーザが外部メモリ33を紛失し、第三者が外部メモリ33の内部のデータを印刷しようとしても、当該第三者はプリンタ1にログインできないため、データの印刷を行うことができない。従って、二重の認証が行われることにより、高度なセキュリティを実現することができる。
【0107】
また、プリンタ1に登録されていない外部メモリ33が接続されたときには、当該外部メモリ33を登録するための画面を表示する。そして、外部メモリ33の識別情報を取得して、登録ユーザ情報と対応付けることで、ユーザは、新たに外部メモリ33を登録することができる。
【0108】
また、外部メモリ33に記憶されているデータの作成者とログインしたユーザとが異なる場合には、外部メモリ33に対するアクセスが制限される。これにより、データの作成者ではない第三者が、無断でデータの印刷等を行うことを制限でき、高度なセキュリティを実現できる。
【0109】
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。