特開2015-223785(P2015-223785A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223785(P2015-223785A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】保護部材
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20151117BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B32B27/00 M
   G09F9/00 302
   G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-110972(P2014-110972)
(22)【出願日】2014年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石川 智章
【テーマコード(参考)】
4F100
5G435
【Fターム(参考)】
4F100AT00A
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100CB05B
4F100DC13C
4F100GB41
4F100JL00
4F100JL13B
4F100JL14C
5G435AA01
5G435AA09
5G435GG43
5G435HH20
(57)【要約】
【課題】保護シートを貼付した後の見栄えの悪化を低減させる技術を提供する。
【解決手段】保護部材であって、基材層と、該基材層上に設けられた粘着層とを有する保護シートと、前記粘着層に貼着され、使用時に剥離される剥離シートと、を備え、前記剥離シートは、被保護部材の所定部分に対応する形状の切れ込みを有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護部材であって、
基材層と、該基材層上に設けられた粘着層とを有する保護シートと、
前記粘着層に貼着され、使用時に剥離される剥離シートと、を備え、
前記剥離シートは、被保護部材の所定部分に対応する形状の切れ込みを有していることを特徴とする保護部材。
【請求項2】
請求項1に記載の保護部材において、
前記切れ込みの形状は、前記被保護部材の所定部分の形状と同様の形状であることを特徴とする保護部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の保護部材において、
前記被保護部材は表示部を有する電子機器であり、前記切れ込みの形状は、該表示部の形状と同様の形状であることを特徴とする保護部材。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の保護部材において、
前記切れ込みは、前記剥離シートの略中央部分に矩形状に設けられていることを特徴とする保護部材。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の保護部材において、
前記剥離シートを保護シートから剥離した後においても、前記剥離シートの切れ込みで囲まれた部分は前記粘着層に貼着された状態で残ることを特徴とする保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電子機器のパネル等を保護する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子機器に設けられているパネルやディスプレイなどに傷や汚れがつくことを防止するために、パネル表面やディスプレイ表面に保護シートを貼着していた。このような保護シートは、基材と、基材上に粘着剤が塗布された粘着層とを有しており、この粘着層を保護対象のパネル等の表面に貼着させていた。また、使用前の保護シートは、粘着層にセパレータが貼り付けられていて、使用の際には、このセパレータを剥離して粘着層を露出させて使用していた。なお、本発明と関連する技術としては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-117790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、保護シートをパネル等の表面に貼着させる際には、慎重に操作しなければパネル等の表面と保護シートとの間に気泡が入りこんでしまったり、しわができてしまい、貼着後の見栄えが著しく悪くなる場合がある。特に表示機能を有するディスプレイ等の部分に気泡やしわが生じると、見栄えが悪くなるばかりか表示内容が見えない等の問題も発生してしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、保護シートを貼付した後の見栄えの悪化を低減させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、保護部材であって、基材層と、該基材層上に設けられた粘着層とを有する保護シートと、前記粘着層に貼着され、使用時に剥離される剥離シートと、を備え、前記剥離シートは、被保護部材の所定部分に対応する形状の切れ込みを有している。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の保護部材において、前記切れ込みの形状は、前記被保護部材の所定部分の形状と同様の形状である。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の保護部材において、前記被保護部材は表示部を有する電子機器であり、前記切れ込みの形状は、該表示部の形状と同様の形状である。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の保護部材において、前記切れ込みは、前記剥離シートの略中央部分に矩形状に設けられている。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の保護部材において、前記剥離シートを保護シートから剥離した後においても、前記剥離シートの切れ込みで囲まれた部分は前記粘着層に貼着された状態で残る。
【発明の効果】
【0011】
請求項1ないし5の発明によれば、剥離シートには、被保護部材の所定部分に対応する形状の切れ込みが設けられているため、使用時に剥離シートを保護シートから剥離した際においても、被保護部材の所定部分に対応する形状の剥離シートが保護シート側に残る。このため、保護部材を被保護部材に貼着した場合であっても剥離シートの残った部分には気泡やしわが生じることがなく見栄えが悪くなることを防止することができる。
【0012】
また、特に請求項2の発明によれば、切れ込みの形状が被保護部材の所定部分の形状と同様の形状であるため、特に被保護部材の特定の部分に気泡やしわが生じることを防止することができる。
【0013】
また、特に請求項3の発明によれば、切れ込みの形状が表示部の形状と同様の形状であるため、表示部の部分に気泡やしわが生じることを防止できる。その結果、見栄えが悪くなることを防止できると共に、表示内容が見えなくなることも回避できる。
【0014】
また、特に請求項4の発明によれば、剥離シートの中央部分を矩形状に残すことができるため、中央部分に気泡やしわが生じることを防止でき、見栄えが悪くなることを防止することができる。
【0015】
また、特に請求項5の発明によれば、剥離シートの切れ込みで囲まれた部分が粘着層に貼着された状態で残るため、その部分に気泡やしわが生じることを防止でき、見栄えが悪くなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、保護部材の使用状態の概要を示す図である。
図2図2は、前面パネルの概略構成を示す図である。
図3図3は、前面パネルの概略構成を示す図である。
図4図4は、保護部材の概略構成を示す図である。
図5図5は、保護部材の断面図である。
図6図6(a)は、保護シートの概略構成を示す図であり、図6(b)は、剥離シートの概略構成を示す図である。
図7図7は、保護部材の概略構成を示す図である。
図8図8は、保護シートから剥離シートを剥離する構成を示す図である。
図9図9は、保護部材の断面図である。
図10図10(a)〜(c)は、保護部材を前面パネルに貼着する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
<1.実施の形態>
図1は、本実施の形態の保護部材を使用した状態の一例を示す図である。図1に示すように、車両のインストルメントパネルの略中央部分には、表示装置1が設けられている。そして、本実施の形態では、この表示装置1の前面パネル2の表面に保護部材が貼着されている。保護部材は、車両がユーザの手元に届くまでの製造過程や配送過程における傷や汚れを防止するために、メーカー側で貼着するタイプのものや、ユーザが車両を購入した後に、使用に伴う傷や汚れを防止するために、ユーザ自身が貼着するタイプのものを含む。以下、具体的に説明する。
【0019】
まず、保護部材を貼着する前面パネル2の構成について説明する。図2及び図3は、前面パネル2の正面部分の概略構成を示す図である。図2は正面図であり、図3は斜視図である。前面パネル2は、表示装置1の前面に取り付けられたパネルであり、インストルメントパネルの一部も構成している。本実施の形態における表示装置1としては、例えば、カーナビゲーション装置などの表示機能及び音声出力機能を備えた電子機器を用いることができる。
【0020】
図2及び図3に示すように、前面パネル2は、窓部10、操作部11、及び開口部12を備えている。窓部10は、前面パネル2の一部を構成する透明な部分であり、表示装置1のディスプレイに対応した形状をしている。また、この窓部10は、表示装置1のディスプレイに対応する位置に設けられている。つまり、前面パネル2が表示装置1に取り付けられた状態では、ユーザは、窓部10を介してディスプレイに表示される映像を視認することができるようになっている。
【0021】
また、操作部11としては、ボリューム等を調整する回転式のつまみ11aや、機械式の(物理的な)ボタン11b、静電式の(タッチ式の)ボタン11cなどが複数設けられている。これら各操作部11は、表示装置1と機械的又は電気的に接続されており、ユーザが操作した際に、その操作内容が表示装置に伝えられるようになっている。
【0022】
また、開口部12は、CDやDVD等のディスクを挿脱するための開口である。この開口部12も表示装置に設けられた挿脱用の開口部に対応する位置に設けられている。
【0023】
なお、本実施の形態の前面パネル2は、回転式のつまみ11aと機械式のボタン11bは突出した構成を有しているが、窓部10や静電式のボタン11cを含むその他の表面部分は同一面状に構成されている。また、前面パネル2の表面は、完全な平面ではなく湾曲した形状を有している。具体的には、図3に示すように、前面パネル2の上下方向に凸型に湾曲していると共に、左右方向にも凸型に湾曲した曲面構造を有している。
【0024】
このような前面パネル2に傷や汚れがつくことを防止するために、本実施の形態では前面パネル2に保護部材を貼着している。そこで、以下では保護部材について説明する。図4図7は、保護部材の概略を示す図である。
【0025】
図4は、未使用状態(前面パネル2に貼着する前の状態)における保護部材20の概略構成を示す図である。また、図5は、図4に示す保護部材20のA−A’線矢視断面図である。図5に示すように、保護部材20は、保護シート21と剥離シート22とが貼着された構成を有している。
【0026】
保護シート21は、前面パネル2を傷や汚れから保護するシートであり、主として基材層21aと粘着層21bとを有している。基材層21aは、保護部材20を前面パネル2に貼着した状態で外部に露出する層である。すなわち、基材層21aは、実際に傷や汚れから保護する層ともいえる。また、粘着層21bは、基材層21a上に塗布された粘着剤からなる層である。すなわち、前面パネル2に貼着される層である。
【0027】
基材層21aは、透明な樹脂を用いて作成される。保護部材20が前面パネル2に貼着された状態においては、傷や汚れから保護するだけでなく、前面パネル2の窓部10や操作部11などが見えている必要があるためである。基材層21aに用いられる樹脂としては、傷や汚れから保護できる程度の強度や透明性、柔軟性などを有する樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、シリコン樹脂やオレフィン系樹脂、PET(polyethylene terephthalate)樹脂などを用いることができる。
【0028】
また、粘着層21bは、透明な粘着剤が塗布されて作成される。粘着層21bに用いられる粘着剤としては、保護シート21と剥離シート22とを貼着させる際には密着性が高く、一方で剥離シート22を剥がす際には簡単に剥がすことができるような粘着剤であることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤やシリコン系粘着剤を用いることができる。
【0029】
剥離シート22は、保護部材20の未使用状態においては保護シート21の粘着層21bに貼着されていて、使用する際に剥離されるシートである。保護部材20の未使用時に粘着層21bが露出していると粘着力が低下してしまうので、これを防止するために、未使用状態においては剥離シート22を保護シート21に貼着させている。
【0030】
また、本実施の形態においては、剥離シート22に切れ込み22aが設けられている。これにより、保護シート21から剥離シート22を剥離した後においても、切れ込み22aで切り取られた剥離シート22が粘着層21bに貼着した状態で残るようになっている。つまり、保護部材20は、剥離シート22の一部が保護シート21に貼着された状態で使用される。この切れ込み22aや保護部材20の使用状態の詳細については後述する。
【0031】
剥離シート22も透明な樹脂を用いて作成される。剥離シート22は、その一部が保護シート21側に貼着された状態で使用されるため、剥離シート22に用いられる樹脂としては、基材層21aと同様に透明性や柔軟性を有していることが好ましい。ただし、ほとんどの部分は剥がされて使用されることはないため、基材層21aほどの強度は不要である。このような樹脂としては、例えば、アルキル系樹脂やシリコン系樹脂を用いることができる。
【0032】
図6(a)は保護シート21の正面図であり、図6(b)は剥離シート22の正面図である。図6(a)に示すように、保護シート21は、前面パネル2に貼着されるものであるため、その外形は前面パネル2の外形と同様である。また、保護シート21は、前面パネル2に設けられている操作部11や開口部12に対応する部分に開口23を有している。つまり、穴が開いている。
【0033】
具体的には、保護シート21には、回転式のつまみ11aや機械式のボタン11bに対応する部分に、これらつまみ11aやボタン11bの形状と同様の形状の開口23が設けられている。これは、保護部材20は前面パネル2の表面に貼着するものであるが、前面パネル2のつまみ11aやボタン11bを使用するためにはこれらを保護シート21から露出させる必要があるためである。
【0034】
また、保護シート21には、前面パネル2の開口部12に対応する部分に同様の形状の開口23が設けられている。これも同様に、前面パネル2の開口部12を使用可能にするためである。これに対して、保護シート21には、前面パネル2の静電式のボタン11cに対応する部分には開口は設けられていない。静電式のボタン11cは、保護シート21の上からでも操作が可能だからである。
【0035】
また、図6(b)に示すように、剥離シート22も、その外形は前面パネル2の外形と同様の外形である。ただし、剥離シート22の外形はこれに限定されるものではない。剥離シート22は、未使用時に保護シート21に貼着されていればよく、少なくとも保護シート21の全面を覆うことができる形状であればよい。また、剥離シート22は、操作部11及び開口部12に対応する部分に開口を有していない。つまり、剥離シート22には穴が開いていない。これは、操作部11及び開口部12に対応する部分は、使用時には剥離されて用いられないからである。
【0036】
さらに、剥離シート22には、切れ込み22aが設けられている。具体的には、剥離シート22には、前面パネル2の窓部10に対応した部分に、窓部10と同様の形状の切れ込み22aが設けられている。本実施の形態では、窓部10が矩形状であることから、剥離シート22の切れ込み22aも矩形状である。これにより、剥離シート22を保護シート21から剥離した際に、切れ込み22a部分が切れて矩形状の部分(以下「矩形状部分」という。)が粘着層21bに粘着したまま保護シート21側に残るようになる。
【0037】
このように、剥離シート22には、被保護部材である前面パネル2の所定部分に対応する形状の切れ込み22aが設けられている。すなわち、上述のように、剥離シート22には、前面パネル2の窓部10に対応する形状の切れ込み22aが設けられているが、窓部10は表示装置1のディスプレイに対応しているものであるため、表示装置1のディスプレイに対応する形状の切れ込み22aが設けられていると言うこともできる。
【0038】
また、剥離シート22は、その角にも切れ込み22aが設けられている。切れ込み22aが設けられている角は、剥離シート22の4つの角のうちの任意の1つの角である。角の切れ込み22aは、その角を構成する2辺を結び、その角を含む2辺と切れ込み22aとで三角形を形成するように設けられている。これにより、剥離シート22を保護シート21から剥離した際に、切れ込み22a部分が切れて三角形状の部分(以下「三角形状部分」という。)が粘着層21bに貼着したまま保護シート21側に残るようになる。
【0039】
そして、図7に示すように、保護シート21及び剥離シート22を位置決めしながら重ね合わせて貼着することで、図4に示すような切れ込みの入った未使用状態の保護部材20を作成することができる。
【0040】
なお、上記では、予め剥離シート22に切れ込み22aを入れておき、その剥離シート22と保護シート21とを貼着して保護部材20を作成する方法について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、切れ込みのない剥離シートを保護シートに貼着した後に、いわゆるハーフカット等の手法を用いて被保護部材の所定部分に対応する形状の切れ込みを入れてもよい。
【0041】
次に、保護部材20を前面パネル2に貼着させる内容(使用状態)について説明する。図8は、保護シート21から剥離シート22を剥離している状態を示す図である。また、図9は、図8におけるB−B’線矢視断面図である。
【0042】
図8及び図9に示すように、保護シート21に貼着されていた剥離シート22を剥がす過程において、剥離シート22の中央部分と角に設けられていた切れ込み22aが切れて、矩形状部分22bと三角形状部分22cとが保護シート21側に貼着されたまま残っている。つまり、保護シート21の中央部分と1つの角は、剥離シート22を剥離した後においても保護シート21と剥離シート22とが積層された構造を有している。これに対して、その他の部分は剥離シート22が剥がされて粘着層21bが露出している。
【0043】
そして、このようにして一部に剥離シート22を残したまま粘着層21bを露出させた保護シート21(保護部材20)を前面パネル2の表面に貼りあわせる。図10は、このような保護部材20を前面パネル2に貼着させる工程を示す図であり、図9と同じ位置から見た断面図である。
【0044】
図10(a)に示すように、保護部材20の剥離シート22側の面(粘着層21b側の面)を前面パネル2に向けて接近させる。そして、図10(b)に示すように、保護シート21に貼着されたままの剥離シート22の矩形状部分22bと前面パネル2の窓部10との位置が合うように、保護部材20を前面パネル2の表面に接触させる。換言すれば、剥離シート22の矩形状部分22bと表示装置1のディスプレイ3との位置が合うように接触させる。この場合、保護シート21上に残された剥離シート22のみが前面パネル2と接触し、粘着層21bは接触しない。剥離シート22の表面には粘着剤が塗布されていないので、この時点では保護シート21は前面パネル2に貼着されていない。
【0045】
そして、図10(c)に示すように、前面パネル2に接触していない保護シート21を前面パネル2に接触させる。これにより、粘着層21bが前面パネル2と接触して保護シート21が貼着される。つまり、矩形状部分22b及び三角形状部分22cの部分は前面パネル2に貼着しておらず、それ以外の部分が前面パネル2に張り付いた状態になっている。
【0046】
このように、剥離シート22の中央部分を窓部10(ディスプレイ3)と同様の形状で残すことにより、矩形状部分22bの位置と窓部10の位置とを合わせるようにして貼りあわせればよいため、保護シート21を貼着する際の位置決めが容易になる。特に、矩形状部分22bは前面パネル2と貼着しないので、この矩形状部分22bを前面パネル2上(特に窓部10上)で移動させながら位置合わせをすることができ、位置決めを容易にすることができる。
【0047】
また、上述のように、本実施の形態の前面パネル2は、その表面が完全な平面ではなく湾曲した構成を有している。このため、平面状の保護シート21をそのまま前面パネル2に貼着すると、湾曲した前面パネル2の形状と平面状の保護シート21の形状とが合わずに保護シート21が浮いてしまい、気泡やしわがより一層生じやすくなる。
【0048】
しかしながら、本実施の形態では、保護部材20を前面パネル2に貼着しても剥離シート22が残された矩形状部分22bには気泡やしわが生じ難い構成となっている。これは、気泡やしわは、貼着する部分としない部分が近接又は連続することでムラができることにより生じるものであるため、主に粘着剤によって貼着した部分に生じる。これに対して、本実施の形態の剥離シート22には粘着剤が塗布されていないため、矩形状部分22bは前面パネル2とは貼着しておらず、前述の貼着によるムラができないからである。
【0049】
すなわち、本実施の形態では、被保護部材である前面パネル2の窓部10と同様の形状(つまり、ディスプレイ3と同様の形状)の切れ込み22aを入れて剥離シート22を残しているため、前面パネル2が曲面状であってもディスプレイ3に対応する部分に気泡やしわが生じることを防止することができる。その結果、見栄えが悪くなることを防止でき、かつ、表示内容が見えなくなることも防止できる。
【0050】
また、上述のように、剥離シート22の角にも切れ込み22aを入れ、三角形状部分22cを残すようにしている。これにより、三角形状部分22cも前面パネル2には貼着しない構成となっている。このため、ユーザが前面パネル2に貼着している保護部材20を剥がす際には、この貼着していない三角形状部分22cから剥がすことによって保護部材20を容易に剥がすことが可能になる。
【0051】
<2.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0052】
上記実施の形態では、保護シート及び剥離シートについて説明したが、本発明では保護フィルムや剥離フィルム等、シート状のものやフィルム状のもののいずれであっても適用可能である。
【0053】
また、上記実施の形態では、保護シートに塗布した粘着剤を用いて剥離シートや前面パネルと貼着した構成について説明したがこれに限定されるものではない。保護シートを貼り付けることができ、また容易に剥がすことも可能な方法であれば他の方法でもよい。例えば、静電気等による吸着によって保護部材を貼り付けてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、剥離シートの中央部分に前面パネルの窓部(ディスプレイ)と同様の形状の切れ込みを入れる構成について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、前面パネルの湾曲形状を考慮して、貼着した後に窓部(ディスプレイ)と同様の形状となるように、例えば台形状に切れ込みを入れてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 表示装置
2 前面パネル
3 ディスプレイ
10 窓部
11 操作部
12 開口部
20 保護部材
21 保護シート
21a 基材層
21b 粘着層
22 剥離シート
22a 切れ込み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10