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特開2015-223913車載システム、視線入力受付方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223913(P2015-223913A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】車載システム、視線入力受付方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20151117BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20151117BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20151117BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B60K35/00 A
   B60R11/02 C
   G02B27/01
   G09G5/00 550C
   G09G5/00 530H
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-109263(P2014-109263)
(22)【出願日】2014年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】瀧沢 昭彦
【テーマコード(参考)】
2H199
3D020
3D344
5C082
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA36
2H199DA46
3D020BA02
3D020BA04
3D020BA09
3D020BA10
3D020BA11
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BC03
3D020BE03
3D344AA21
3D344AA26
3D344AA30
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD13
5C082CB03
5C082CB05
5C082MM08
(57)【要約】
【課題】ユーザの前方状況の把握を妨げない、ヘッドアップディスプレイを用いた「車載システム、視線入力受付方法及びコンピュータプログラム」を提供する。
【解決手段】フロントウインドウ100の中央に設定した中央視野領域301の周辺に設定した周辺視野領域302内の下部にアイコン310を表示し、中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の上方の部分を含むように、アイコン310のフォーカスエリア320を設定する。ユーザの視線を検出し、いずれかのフォーカスエリア320内にユーザの注視点が検出されたならば、注視点が含まれるフォーカスエリア320に対応するアイコン310を選択状態に設定する。そして、ユーザのセット操作は発生したならば、選択状態のアイコン310に対するユーザ操作を受け付ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載される車載システムであって、
前記自動車のフロントウインドウの前方の実空間の風景上に重畳されるように映像を表示するヘッドアップディスプレイと、
前記運転者の視線を検出する視線検出部と、
前記ヘッドアップディスプレイに、複数の表示オブジェクトを表示する表示オブジェクト表示部と、
前記運転者による前記表示オブジェクトの選択を受け付ける表示オブジェクト操作受付部とを有し、
前記表示オブジェクト表示部は、前記フロントウインドウの中央に設定した中央視野領域の周辺の領域である周辺視野領域に重畳して表示されるように、前記表示オブジェクトの各々を前記ヘッドアップディスプレイに表示し、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記表示オブジェクトの各々にそれぞれ対応する選択受付エリアを前記中央視野領域内の領域を含むように設定し、前記視線検出部が検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアを識別し、当該識別した前記選択受付エリアに対応する表示オブジェクトの選択を受け付けることを特徴とする車載システム。
【請求項2】
請求項1記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリアに対応する表示オブジェクトに上下方向または左右方向について重なる前記中央視野領域内の領域を含むように設定することを特徴とする車載システム。
【請求項3】
請求項2記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト表示部が表示する表示オブジェクトは、前記中央視野領域の下方の位置に存在する前記周辺視野領域内に表示される下方配置表示オブジェクトを含み、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記下方配置表示オブジェクトに対応する選択受付エリアを、当該下方配置表示オブジェクトの上方の前記中央視野領域内の領域を含むように設定することを特徴とする車載システム。
【請求項4】
請求項2または3記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト表示部が表示する表示オブジェクトは、前記中央視野領域の上方の位置に存在する前記周辺視野領域内に表示される上方配置表示オブジェクトを含み、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記上方配置表示オブジェクトに対応する選択受付エリアを、当該上方配置表示オブジェクトの下方の前記中央視野領域内の領域を含むように設定することを特徴とする車載システム。
【請求項5】
請求項2、3または4記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト表示部が表示する表示オブジェクトは、前記中央視野領域の横の位置に存在する前記周辺視野領域内に表示される横配置表示オブジェクトを含み、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記横配置表示オブジェクトに対応する選択受付エリアを、当該横配置表示オブジェクトの横方向に位置する前記中央視野領域内の領域を含むように設定することを特徴とする車載システム。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5記載の車載システムであって、
前記自動車の車速を検出する車速検出部を備え、
前記表示オブジェクト表示部は、前記車速検出部が検出している車速が所定レベル以上大きい場合に、当該車速が前記所定レベルよりも小さい場合に比べサイズが小さくなるように、前記中央視野領域を設定することを特徴とする車載システム。
【請求項7】
請求項6記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト表示部は、前記車速検出部が検出している車速が前記所定レベル以上大きい場合と、当該車速が前記所定レベルよりも小さい場合とで、表示する表示オブジェクトの数または配置を異ならせることを特徴とする車載システム。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリア内に、前記中央視野領域内の領域のみを含むように設定することを特徴とする車載システム。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の車載システムであって、
前記表示オブジェクト表示部は、前記表示オブジェクト操作受付部が前記選択を受け付けた表示オブジェクトの表示を、当該表示オブジェクトの形態または位置が繰り返す動きをもって、前記周辺視野領域内で変動する表示に変更することを特徴とする車載システム。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の車載システムであって、
ユーザの操作を受け付ける操作部を有し、
前記表示オブジェクト操作受付部は、
前記操作部のユーザの第1の操作の受け付けに応答して、前記視線検出部が検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアの識別を開始し、
前記選択を受け付ける度に、選択を受け付けた表示オブジェクトに選択状態とする表示オブジェクトを更新し、
前記操作部のユーザの第2の操作の受け付けに応答して、当該時点で選択状態となっている表示オブジェクトの操作を受け付けることを特徴とする車載システム。
【請求項11】
前記自動車のフロントウインドウの前方の実空間の風景上に重畳されるように映像を表示するヘッドアップディスプレイを備えた車載システムにおいて、ユーザの視線入力を受け付ける視線入力受付方法であって、
前記車載システムが、前記運転者の視線を検出する視線検出ステップと、
前記車載システムが、前記ヘッドアップディスプレイに、複数の表示オブジェクトを表示する表示オブジェクト表示ステップと、
前記車載システムが、前記運転者による前記表示オブジェクトの選択を受け付ける表示オブジェクト操作受付ステップとを有し、
前記表示オブジェクト表示ステップにおいて、前記フロントウインドウの中央に設定した中央視野領域の周辺の領域である周辺視野領域に重畳して表示されるように、前記表示オブジェクトの各々を前記ヘッドアップディスプレイに表示し、
前記表示オブジェクト操作受付ステップにおいて、前記表示オブジェクトの各々にそれぞれ対応する選択受付エリアを前記中央視野領域内の領域を含むように設定し、前記視線検出ステップで検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアを識別し、当該識別した前記選択受付エリアに対応する表示オブジェクトの選択を受け付けることを特徴とする視線入力受付方法。
【請求項12】
請求項11記載の視線入力受付方法であって、
前記表示オブジェクト操作受付ステップにおいて、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリアに対応する表示オブジェクトに上下方向または左右方向について重なる前記中央視野領域内の領域を含むように設定することを特徴とする視線入力受付方法。
【請求項13】
請求項11または12記載の視線入力受付方法であって、
前記自動車の車速を検出する車速検出ステップを有し、
前記表示オブジェクト表示ステップにおいて、前記車速検出ステップで検出している車速が所定レベル以上大きい場合に、当該車速が前記所定レベルよりも小さい場合に比べサイズが小さくなるように、前記中央視野領域を設定することを特徴とする視線入力受付方法。
【請求項14】
請求項11、12または13記載の視線入力受付方法であって、
前記表示オブジェクト操作受付ステップにおいて、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリア内に前記中央視野領域内の領域のみを含むように設定することを特徴とする視線入力受付方法。
【請求項15】
請求項11、12、13または14記載の視線入力受付方法であって、
前記表示オブジェクト表示ステップにおいて、前記表示オブジェクト操作受付ステップで前記選択を受け付けた表示オブジェクトの表示を、当該表示オブジェクトの形態または位置が繰り返す動きをもって、前記周辺視野領域内で変動する表示に変更することを特徴とする視線入力受付方法。
【請求項16】
請求項11、12、13、14または15記載の視線入力受付方法であって、
前記車載システムは、ユーザの操作を受け付ける操作部を有し、
前記表示オブジェクト操作受付ステップにおいて
前記操作部のユーザの第1の操作の受け付けに応答して、前記視線検出ステップで検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアの識別を開始し、
前記選択を受け付ける度に、選択を受け付けた表示オブジェクトに選択状態とする表示オブジェクトを更新し、
前記操作部のユーザの第2の操作の受け付けに応答して、当該時点で選択状態となっている表示オブジェクトの操作を受け付けることを特徴とする視線入力受付方法。
【請求項17】
前記自動車のフロントウインドウの前方の実空間の風景上に重畳されるように映像を表示するヘッドアップディスプレイを備えた、自動車に搭載されるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
前記運転者の視線を検出する視線検出部と、
前記ヘッドアップディスプレイに、複数の表示オブジェクトを表示する表示オブジェクト表示部と、
前記運転者による前記表示オブジェクトの選択を受け付ける表示オブジェクト操作受付部として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記表示オブジェクト表示部は、前記フロントウインドウの中央に設定した中央視野領域の周辺の領域である周辺視野領域に重畳して表示されるように、前記表示オブジェクトの各々を前記ヘッドアップディスプレイに表示し、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記表示オブジェクトの各々にそれぞれ対応する選択受付エリアを前記中央視野領域内の領域を含むように設定し、前記視線検出部が検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアを識別し、当該識別した前記選択受付エリアに対応する表示オブジェクトの選択を受け付けることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項17記載のコンピュータプログラムであって、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリアに対応する表示オブジェクトに上下方向または左右方向について重なる前記中央視野領域内の領域を含むように設定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項17または18記載のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、前記自動車の車速を検出する車速検出部に接続されており、
前記表示オブジェクト表示部は、前記車速検出部が検出している車速が所定レベル以上大きい場合に、当該車速が前記所定レベルよりも小さい場合に比べサイズが小さくなるように、前記中央視野領域を設定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項17、18または19記載のコンピュータプログラムであって、
前記表示オブジェクト操作受付部は、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリア内に前記中央視野領域内の領域のみを含むように設定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項17、18、19または20記載のコンピュータプログラムであって、
前記表示オブジェクト表示部は、前記表示オブジェクト操作受付部が前記選択を受け付けた表示オブジェクトの表示を、当該表示オブジェクトの形態または位置が繰り返す動きをもって、前記周辺視野領域内で変動する表示に変更することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項22】
請求項17、18、19、20または21記載のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、ユーザの操作を受け付ける操作部を有し、
前記表示オブジェクト操作受付部は、
前記操作部のユーザの第1の操作の受け付けに応答して、前記視線検出部が検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアの識別を開始し、
前記選択を受け付ける度に、選択を受け付けた表示オブジェクトに選択状態とする表示オブジェクトを更新し、
前記操作部のユーザの第2の操作の受け付けに応答して、当該時点で選択状態となっている表示オブジェクトの操作を受け付けることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアップディスプレイを表示に用いる車載システムにおいて、ユーザの視線入力を受け付ける技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイを表示に用いる車載システムにおいて、ユーザの視線入力を受け付ける技術としては、ヘッドアップディスプレイを用いて、フロントウインドウ越しに見える前方の景色に重畳してアイコンを表示すると共に、ドライバーであるユーザの視線を検出し、ユーザによって注視されたアイコンの操作を受け付ける技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-302116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、フロントウインドウ越しに見える前方の景色に重畳して表示したアイコンの操作を、当該アイコンに対するドライバーの注視によって受け付ける技術によれば、アイコンをフロントウインドウの中央の領域に重なる位置に表示すると、ドライバーの自動車前方の視認性を大きく妨げる。
【0005】
一方で、アイコンをフロントウインドウの周辺部の領域に重なる位置に表示すると、アイコンを注視してアイコンを操作するために、フロントウインドウの周辺部を注視する必要が生じるために、ドライバーの前方への注意が疎かになる。
【0006】
そこで、本発明は、ヘッドアップディスプレイを用いて、フロントウインドウ越しに見える前方の景色に重畳して表示オブジェクトを表示すると共に、表示オブジェクトのユーザの視線入力による操作を受け付ける車載システムにおいて、ユーザの前方状況の把握をできるだけ妨げないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載システムに、前記自動車のフロントウインドウの前方の実空間の風景上に重畳されるように映像を表示するヘッドアップディスプレイと、前記運転者の視線を検出する視線検出部と、前記ヘッドアップディスプレイに、複数の表示オブジェクトを表示する表示オブジェクト表示部と、前記運転者による前記表示オブジェクトの選択を受け付ける表示オブジェクト操作受付部とを備えたものである。ただし、前記表示オブジェクト表示部は、前記フロントウインドウの中央に設定した中央視野領域の周辺の領域である周辺視野領域に重畳して表示されるように、前記表示オブジェクトの各々を前記ヘッドアップディスプレイに表示し、前記表示オブジェクト操作受付部は、前記表示オブジェクトの各々にそれぞれ対応する選択受付エリアを前記中央視野領域内の領域を含むように設定し、前記視線検出部が検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアを識別し、当該識別した前記選択受付エリアに対応する表示オブジェクトの選択を受け付けるものである。
【0008】
ここで、このような車載システムは、前記表示オブジェクト操作受付部において、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリアに対応する表示オブジェクトに上下方向または左右方向について重なる前記中央視野領域内の領域を含むように設定することが好ましい。
【0009】
また、この場合、前記表示オブジェクト表示部が表示する表示オブジェクトに、前記中央視野領域の下方の位置に存在する前記周辺視野領域内に表示される表示オブジェクトである下方配置表示オブジェクトを含め、前記表示オブジェクト操作受付部において、前記下方配置表示オブジェクトに対応する選択受付エリアを、当該下方配置表示オブジェクトの上方の前記中央視野領域内の領域を含むように設定するようにしてもよい。
【0010】
また、前記表示オブジェクト表示部が表示する表示オブジェクトに、前記中央視野領域の上方の位置に存在する前記周辺視野領域内に表示される表示オブジェクトである上方配置表示オブジェクトを含め、前記表示オブジェクト操作受付部において、前記上方配置表示オブジェクトに対応する選択受付エリアを、当該上方配置表示オブジェクトの下方の前記中央視野領域内の領域を含むように設定するようにしてもよい。
【0011】
また、前記表示オブジェクト表示部が表示する表示オブジェクトに、前記中央視野領域の横の位置に存在する前記周辺視野領域内に表示される表示オブジェクトである横配置表示オブジェクトを含め、前記表示オブジェクト操作受付部において、前記横配置表示オブジェクトに対応する選択受付エリアを、当該横配置表示オブジェクトの横方向に位置する前記中央視野領域内の領域を含むように設定するようにしてもよい。
【0012】
ここで、以上の車載システムは、当該車載システムに、前記自動車の車速を検出する車速検出部を備えると共に、前記表示オブジェクト表示部において、前記車速検出部が検出している車速が所定レベル以上大きい場合に、当該車速が前記所定レベルよりも小さい場合に比べサイズが小さくなるように、前記中央視野領域を設定するように構成してもよい。
【0013】
また、この場合には、前記表示オブジェクト表示部において、前記車速検出部が検出している車速が前記所定レベル以上大きい場合と、当該車速が前記所定レベルよりも小さい場合とで、表示する表示オブジェクトの数または配置を異ならせるようにしてもよい。
【0014】
また、以上の車載システムは、前記表示オブジェクト操作受付部において、前記各選択受付エリアを、当該選択受付エリア内に前記中央視野領域内の領域のみを含むように設定するように構成してもよい。
【0015】
また、以上の車載システムは、前記表示オブジェクト表示部において、前記表示オブジェクト操作受付部が前記選択を受け付けた表示オブジェクトの表示を、当該表示オブジェクトの形態または位置が繰り返す動きをもって、前記周辺視野領域内で変動する表示に変更するように構成することも好ましい。
【0016】
また、以上の車載システムは、当該車載システムにユーザの操作を受け付ける操作部を設け、前記表示オブジェクト操作受付部において、前記操作部のユーザの第1の操作の受け付けに応答して、前記視線検出部が検出した視線が向かう位置を含む前記選択受付エリアの識別を開始し、前記選択を受け付ける度に、選択を受け付けた表示オブジェクトに選択状態とする表示オブジェクトを更新し、前記操作部のユーザの第2の操作の受け付けに応答して、当該時点で選択状態となっている表示オブジェクトの操作を受け付けるように構成してもよい。
【0017】
本発明に係る車載システムによれば、表示オブジェクトは、前記フロントウインドウの中央に設定した中央視野領域の周辺の領域である周辺視野領域に表示されるので、ドライバーの自動車前方の視認を大きく妨げることはない。
【0018】
一方で、表示オブジェクトの選択は、中央視野領域内の領域を含むように設定した選択受付エリア内の位置への視線によって受け付けるので、ユーザは、中央視野領域内から視線を外すことなく表示オブジェクトの選択を行うことができる。
【0019】
よって、本発明によれば、ユーザの前方状況の把握を妨げることなく、ヘッドアップディスプレイによる表示オブジェクトの表示と、ユーザによる表示オブジェクトの選択の受付とを実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、ヘッドアップディスプレイを用いて、フロントウインドウ越しに見える前方の景色に重畳して表示オブジェクトを表示すると共に、表示オブジェクトのユーザの視線入力による操作を受け付ける車載システムにおいて、ユーザの前方状況の把握をできるだけ妨げないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である、
図2】本発明の実施形態に係る車載システムの配置を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るアイコン操作受付処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
車載システムは、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、ヘッドアップディスプレイ1、視線検出センサ2、操作部3、音声入出力装置4、自動車の車速を検出する車速センサ5、GUI制御部6、各種のアプリケーション部7とを備えている。
【0023】
音声入出力装置4は、マイクやスピーカを備え、マイクを用いた音声の入力や、スピーカへの音声の出力を行う装置である。また、アプリケーション部7としては、オーディオプレイヤの機能を提供するアプリケーション部7や、カーナビゲーションの機能を提供するアプリケーション部7や、他の各アプリケーション部7を制御する制御機能を提供するアプリケーション部7などを設ける。そして、GUI制御部6は、各アプリケーション部7の、ヘッドアップディスプレイ1と、操作部3や音声入出力装置4や視線入力を用いたGUI(Graphical User Interface)を制御する。
【0024】
次に、ヘッドアップディスプレイ1は、図2a、bに示すように、自動車のフロントウインドウ100の投影領域11と、投影領域11内に映像を投影する投影ユニット12より構成されたディスプレイであり、フロントウインドウ100の投影領域11に投影された映像はフロントウインドウ100で反射して虚像として運転者であるユーザに視認される。
【0025】
また、視線検出センサ2は、カメラ21を備え、カメラ21で撮影した運転者であるユーザの頭部の画像を解析してユーザの視線方向を検出する。
また、操作部3は、ステアリングホイールに配列されたボタン31によりユーザ操作を受け付ける。
ただし、ヘッドアップディスプレイ1としては、図2cに示すように、運転者であるユーザの目前に配置された透明スクリーン13と、透明スクリーン13に映像を投影する投影ユニット14とより構成されたヘッドアップディスプレイ1を用いるようにしてもよい。なお、この場合、透明スクリーン13に投影された映像は透明スクリーン13で反射して虚像として運転者であるユーザに視認される。
【0026】
ここで、以上のような車載システムは、CPUやメモリなどの周辺デバイスを備えたコンピュータを用いて構成されるものであってよく、この場合、GUI制御部6やアプリケーション部7などは、所定のプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。
【0027】
以下、このような車載システムにおいてGUI制御部6が提供するGUIについて説明する。
さて、本実施形態では、図3aに示すようにフロントウインドウ100の投影領域11内に、フロントウインドウ100の中央の中央視野領域301と、中央視野領域301の周辺の周辺視野領域302とを設定し、図3bに示すように、GUI制御部6において、周辺視野領域302の、中央視野領域301の下方の部分に、予め定めた配置に従って、アプリケーション部7への操作を受け付けるためのアイコン310を、アプリケーション部7からの要求に応じて表示する。なお、GUI制御部6は、中央視野領域301には何も表示しない。
【0028】
ここで、中央視野領域301の範囲としては、通常、運転者が前方を見て運転しているときに、前方のようすの視覚上の識別を明確に行える視野角範囲を設定し、周辺視野領域302の範囲としては、中央視野領域301周辺の、通常、運転者が前方を見て運転しているときに、前方のようすについて、視覚上の識別を明確には行えないが視覚上の注意は及ぶ視野角範囲を設定する。
【0029】
また、GUI制御部6において、表示した各アイコン310について、中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の上方の部分を含む範囲を、アイコン310のフォーカスエリア320に設定する。
【0030】
そして、GUI制御部6は、以上のようにアイコン310の表示と表示した各アイコン310のフォーカスエリア320を設定したならば、以下に述べるアイコン操作受付処理を実行し、ユーザの視線入力によるアイコン310の操作を受け付け、操作されたアイコン310の操作発生を、当該アイコン310の表示を要求したアプリケーション部7に通知する。そして、アイコン310の操作発生を通知されたアプリケーション部7は、操作発生を通知されたアイコン310に応じた処理を実行する。
【0031】
さて、以上のようにアイコン310の操作を受け付けるためにGUI制御部6が行うアイコン操作受付処理の手順を、図4に示す。
図示するように、このアイコン操作受付処理では、まず、ユーザのレディ操作の発生を待つ(ステップ402)。ここで、ユーザのレディ操作は、ユーザの操作部3の所定のボタン31の操作によって受け付けるようにしてもよいし、ユーザの所定の発声(たとえば、「レディ」の発声)の音声入出力装置4を介した入力によって受け付けるようにしてもよい。
【0032】
そして、ユーザのレディ操作が発生したならば(ステップ402)、注視点の検出を開始する(ステップ404)。ここで、注視点の検出は、視線検出センサ2で検出したユーザの視線方向より、ユーザがフロントウインドウ100のいずれの位置の方向を注視しているかを検出する処理であり、ユーザがフロントウインドウ100の同じ位置の方向を所定期間(たとえば、3秒)以上、継続して見ている場合に、当該位置を注視点として検出する。
【0033】
そして、いずれかのフォーカスエリア320内の位置の注視点としての検出の発生を待ち(ステップ406)、いずれかのフォーカスエリア320内の位置の注視点としての検出が発生したならば、注視点が含まれるフォーカスエリア320が設定されているアイコン310を選択状態に設定し、選択状態に設定したアイコン310のバウンド表示を開始する(ステップ408)。
【0034】
すなわち、ユーザによってレディ操作が行われた後に、図3cに示す注視点300が検出されたならば、注視点300が含まれるフォーカスエリア320aに対応するアイコン310aを選択状態に設定し、アイコン310aをバウンド表示する。なお、アイコン310のバウンド表示とは、図3cに示すように、選択状態にあるアイコン310aを、周辺視野領域302内で左右等に動かす表示である。
【0035】
ここで、人間の視覚上、周辺視野内にある静止体は認知することは比較的困難であるが、動体については周辺視野にあっても比較的認知することができる。よって、このように選択状態のアイコン310のバウンド表示を行うことにより、ユーザは中央視野領域301から周辺視野領域302に視線を動かさなくても、選択状態に設定されたアイコン310を識別することができる。
【0036】
図4に戻り、アイコン310の選択状態の設定とバウンド表示を開始したならば(ステップ408)、選択状態に設定されているフォーカスエリア320内の注視点の不検出の発生と(ステップ410)、ユーザのセット操作の発生(ステップ412)とを監視する。ここで、ユーザのセット操作は、ユーザの操作部3の所定のボタン31の操作によって受け付けるようにしてもよいし、ユーザの所定の発声(たとえば、「ゴー」の発声)の音声入出力装置4を介した入力によって受け付けるようにしてもよい。
【0037】
そして、選択状態に設定されているフォーカスエリア320内の注視点の不検出が発生した場合には(ステップ410)、アイコン310の選択状態の解除と、アイコン310のバウンド表示の終了とを行い(ステップ420)、ステップ406からの処理に戻る。
【0038】
一方、ユーザのセット操作が発生(ステップ412)した場合には、選択状態に設定されているアイコン310の操作を受け付ける(ステップ414)。すなわち、図3cに示すように、図3cに示す注視点300が検出され、注視点300が含まれるフォーカスエリア320aに対応するアイコン310aが選択状態にあるときに、ユーザのセット操作が発生したならば、アイコン310aに対するユーザの操作を受け付ける。
【0039】
そして、アイコン310の操作を受け付けたならば(ステップ414)、アイコン310の選択状態の解除と、アイコン310のバウンド表示の終了とを行い(ステップ416)、注視点の検出を停止し(ステップ418)、ステップ402からの処理に戻る。
【0040】
以上、GUI制御部6が行うアイコン操作受付処理について説明した。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、選択状態に設定されたアイコン310を左右に振動させるバウンド表示させることにより、ユーザが選択状態に設定されたアイコン310を識別できるようにしたが、これは、アイコン310のバウンド表示に代えて、アイコン310を上下に振動させるバウンド表示や、アイコン310を点滅させる表示や、アイコン310のサイズの大小を繰り返し変動させる表示などの、アイコン310の表示を繰り返す動きをもって変動させる任意の表示を行うようにしてもよい。
【0041】
または、アイコン310のバウンド表示に代えて、図3dに示すように、選択状態に設定したアイコン310を中央視野領域301まで移動させる表示などを行うようにしてもよい。
【0042】
または、アイコン310のバウンド表示に代えて、音声出力装置から、選択状態に設定したアイコン310の識別名称を表す音声を出力するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、図3bに示したように、周辺視野領域302の、中央視野領域301の下方の部分にアイコン310を表示し、中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の上方の部分に、アイコン310のフォーカスエリア320を設定したが、これは、図5aに示すように、周辺視野領域302の、中央視野領域301の下方の部分にアイコン310を表示し、周辺視野領域302のアイコン310の表示位置の周辺部分と中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の上方の部分とを含むように、アイコン310のフォーカスエリア320を設定するようにしてもよい。
【0043】
または、周辺視野領域302の、中央視野領域301の上方の部分にアイコン310を表示し、中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の下方の部分に、アイコン310のフォーカスエリア320を設定したり、周辺視野領域302の、中央視野領域301の上方の部分にアイコン310を表示し、周辺視野領域302のアイコン310の表示位置の周辺部分と中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の下方の部分とを含むように、アイコン310のフォーカスエリア320を設定するようにしてもよい。
【0044】
または、図5bに示すように、周辺視野領域302の、中央視野領域301の上方と下方の部分の双方にアイコン310を表示し、中央視野領域301の上方に表示したアイコン310については周辺視野領域302のアイコン310周辺の領域とアイコン310の表示位置の下方の中央視野領域301の上半分の部分にアイコン310のフォーカスエリア320を設定し、中央視野領域301の下方に表示したアイコン310については周辺視野領域302のアイコン310周辺の領域とアイコン310の表示位置の上方の中央視野領域301の下半分の部分にアイコン310のフォーカスエリア320を設定するようにしてもよい。
【0045】
または、図5cに示すように、周辺視野領域302の、中央視野領域301の上方と下方と左方と右方の部分のそれぞれにアイコン310を表示し、中央視野領域301の上方に表示したアイコン310については周辺視野領域302のアイコン310周辺の領域とアイコン310の表示位置の下方の中央視野領域301の上半分の部分にアイコン310のフォーカスエリア320を設定し、中央視野領域301の下方に表示したアイコン310については周辺視野領域302のアイコン310周辺の領域とアイコン310の表示位置の上方の中央視野領域301の下半分の部分にアイコン310のフォーカスエリア320を設定し、中央視野領域301の左方に表示したアイコン310については周辺視野領域302のアイコン310周辺の領域と中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の右方の部分にアイコン310のフォーカスエリア320を設定し、中央視野領域301の左右方に表示したアイコン310については周辺視野領域302のアイコン310周辺の領域と中央視野領域301内のアイコン310の表示位置の左方の部分にアイコン310のフォーカスエリア320を設定するようにしてもよい。ただし、各フォーカスエリア320が重ならないようにアイコン310とフォーカスエリア320の位置や大きさは設定する。
【0046】
また、以上の実施形態は、車速センサ5で検出した自動車の車速に応じて、アイコン310やフォーカスエリア320やフォーカスエリア320の数や配置を変更するようにしてもよい。
【0047】
すなわち、人間の視覚上、速度が大きいときには視野が狭くなるので、図6aに低速の場合について、図6bに高速の場合について示すように、GUI制御部6は、車速が高速の場合に、車速が低速の場合に比べて、中央視野領域301と周辺視野領域302とが小さくなるように設定する。
【0048】
そして、GUI制御部6は、たとえば、図6a、bに示したように、中央視野領域301と周辺視野領域302とのサイズの変更に併せて、車速が高速の場合に、車速が低速の場合に比べて表示するアイコン数が少なくなるように表示を変更することにより、アイコン310の視認性やフォーカスエリア320の視線入力による操作性が、車速によらずに良好に担保されるようにする。
【0049】
なお、以上の実施形態ではアイコン310の操作を受け付ける場合について説明したが、本実施形態はアイコン310以外の、ボタン31、キーその他の任意の表示オブジェクトの操作を受け付ける場合について同様に適用することができる。
【0050】
以上のように、本実施形態によれば、アイコン310などの表示オブジェクトは、前記フロントウインドウ100の中央に設定した中央視野領域301の周辺の領域である周辺視野領域302に表示されるので、ドライバーの自動車前方の視認を大きく妨げることはない。
【0051】
一方で、表示オブジェクトの選択は、中央視野領域301内の領域を含むように設定した選択受付エリア内の位置への視線によって受け付けるので、ユーザは、中央視野領域301内から視線を外すことなく表示オブジェクトの選択を行うことができる。
【0052】
よって、本実施形態によれば、ユーザの前方状況の把握を妨げることなく、ヘッドアップディスプレイ1による表示オブジェクトの表示と、ユーザによる表示オブジェクトの選択の受付とを実現することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…ヘッドアップディスプレイ、2…視線検出センサ、3…操作部、4…音声入出力装置、5…車速センサ、6…GUI制御部、7…アプリケーション部、12…投影ユニット、13…透明スクリーン、21…カメラ、31…ボタン、100…フロントウインドウ、101…投影領域、301…中央視野領域、302…周辺視野領域、310…アイコン、320…フォーカスエリア。
図1
図2
図3
図4
図5
図6