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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223959(P2015-223959A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】車両のバッテリ取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20060101AFI20151117BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20151117BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B60K1/04
   B62D25/20 G
   B62D21/15 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-110222(P2014-110222)
(22)【出願日】2014年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー ウェン レオン
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA04
3D203BB20
3D203BB22
3D203BB24
3D203CA26
3D203CA34
3D203CB32
3D203DA77
3D203DB05
3D235AA02
3D235BB06
3D235BB07
3D235CC15
3D235DD35
3D235EE64
3D235FF06
3D235FF07
3D235FF12
3D235HH22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】事故発生時に、バッテリの破損を低減できる車両のバッテリ取付構造を提供すること。
【解決手段】車両のバッテリ取付構造は、走行用バッテリ22と、骨格部材をなすフレーム構体20に走行用バッテリを連結する連結部材66とを備えている。フレーム構体20は、前後方向に延びるサイドメンバ24と、車幅方向に延びるクロスメンバと、を含み、サイドメンバ24は、変形に対する剛性が他の部分より低く設定された変形促進部Hを有している。走行用バッテリは、側面視において、変形促進部Hを前後に跨いで設けられ、連結部材の一端は、変形促進部Hより前方に位置するフレーム構体の第1の取付部に取り付けられ、連結部材66の他端は、変形促進部Hより後方かつ第1の取付部より下方に位置する走行用バッテリの第2の取付部62eに取り付けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行用バッテリと、
前記車両の骨格部材をなすフレーム構体に前記走行用バッテリを連結する連結部材と、を備え、
前記フレーム構体は、前記車両の前後方向に延びるサイドメンバと、車幅方向に延びるクロスメンバと、を含み、
前記サイドメンバは、変形に対する剛性が前記サイドメンバの他の部分の剛性より低く設定された変形促進部を有し、
前記走行用バッテリは、前記車両の側面視において、前記変形促進部を前後に跨いで設けられ、
前記連結部材の一端は、前記変形促進部より前方に位置する前記フレーム構体の第1の取付部に取り付けられ、前記連結部材の他端は、前記変形促進部より後方かつ前記第1の取付部より下方に位置する前記走行用バッテリの第2の取付部に取り付けられる
ことを特徴とする車両のバッテリ取付構造。
【請求項2】
前記サイドメンバは、第1の延在部と、前記第1の延在部よりも後方かつ上方に位置する第2の延在部と、前記第1の延在部の後端となる第1の接続部に接続されるとともに前記第2の延在部の前端となる第2の接続部に接続される傾斜部と、を有し、
前記変形促進部は、前記第2の接続部もしくは前記傾斜部に形成され、
前記第1の取付部は、前記第1の接続部より後方かつ前記変形促進部より前方に位置し、前記第2の取付部は、前記第2の接続部より後方に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のバッテリ取付構造。
【請求項3】
前記連結部材の前記一端が取り付けられる前記第1の取付部は、前記クロスメンバに設けられる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のバッテリ取付構造。
【請求項4】
前記走行用バッテリは、車幅方向に延びる桁部材を下面に有し、
前記連結部材の前記他端が取り付けられる前記第2の取付部は、前記桁部材に設けられる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両のバッテリ取付構造。
【請求項5】
前記変形促進部は、前記車両の車室空間の後方端よりも後方に設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両のバッテリ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事故等の発生によりフレーム構体が変形した場合においても、フレーム構体の変形に伴うバッテリの破損を低減できる車両のバッテリ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やガソリン駆動機構と電動機とを備えたハイブリッド車等には、走行用の電力を蓄えるバッテリが搭載されている。走行用のバッテリは、バッテリケース内に収納し、車両のフレーム構体にボルト等の取り付けにより固定されることが多い。又、バッテリは、車両の最低地上高が低くならず、かつ十分な容量を得るため、薄く、そして前後左右に広く形成されている。
【0003】
一方、車両のフレーム構体には、事故発生時にフレーム構体が所定の形状に変形して衝突エネルギを吸収するとともに、車両の車室空間を確保し、乗員を保護するよう、適度な位置に変形促進部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−83597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリが、変形促進部を跨いで変形促進部より後方でフレーム構体に取り付けられていると、フレーム構体が変形促進部で変形したとき、フレーム構体とともにバッテリが変形し、破損する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、事故等の発生によりフレーム構体が変形促進部で変形した場合においても、バッテリの破損を低減できる、車両のバッテリ取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、車両のバッテリ取付構造を次のように構成した。車両のバッテリ取付構造は、車両の走行用バッテリと、前記車両の骨格部材をなすフレーム構体に前記走行用バッテリを連結する連結部材とを備えている。前記フレーム構体は、前記車両の前後方向に延びるサイドメンバと、車幅方向に延びるクロスメンバと、を含み、前記サイドメンバは、変形に対する剛性が前記サイドメンバの他の部分の剛性より低く設定された変形促進部を有している。
【0008】
前記走行用バッテリは、前記車両の側面視において、前記変形促進部を前後に跨いで設けられ、前記連結部材の一端は、前記変形促進部より前方に位置する前記フレーム構体の第1の取付部に取り付けられ、前記連結部材の他端は、前記変形促進部より後方かつ前記第1の取付部より下方に位置する前記走行用バッテリの第2の取付部に取り付けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、事故等の発生によりフレーム構体が変形促進部で変形した場合においても、バッテリの破損を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明にかかる一実施形態のバッテリ取付構造を備えた車両を示す一部透視斜視図。
図2】同バッテリ取付構造を備えたフレーム構体とバッテリユニットとを示す斜視図。
図3】同フレーム構体とバッテリユニットとを示す側面図。
図4】同フレーム構体とバッテリユニットとを示す斜視図。
図5】同フレーム構体とバッテリユニットとの連結部材を示す側面図。
図6】同フレーム構体とバッテリユニットとを示す側面図。
図7】他の実施形態のフレーム構体とバッテリユニットとを示す斜視図。
図8】他の実施形態のフレーム構体とバッテリユニットとを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明にかかる第1実施形態の車両のバッテリ取付構造について説明する。図1は、第1実施形態のバッテリ取付構造を備えた車両10を、車両10の外形を仮想線で示す透視斜視図である。図2は、フレーム構体20とバッテリユニット22とを斜め上方から示す斜視図である。図3は、フレーム構体20とバッテリユニット22とを側方から示す側面図である。
【0012】
図4は、フレーム構体20とバッテリユニット22とを後方の斜め下方から示す斜視図である。図5は、フレーム構体20とバッテリユニット22とを連結する連結部材66を示す側面図である。図6は、サイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲した状態を側方から示す側面図である。
【0013】
図1に示すように、車両10は、下方にフレーム構体20を備え、フレーム構体20の上面にフロアパネル11、左右のサイドドア12、フロントガラス13、天井パネル14、リアドア15を備えた、2ボックスタイプの乗用車である。
【0014】
車両10の前方には、前輪16が、後方には、後輪17及び走行用の電動機がそれぞれ設けられている。又、車両10は、フレーム構体20の下部にバッテリユニット22を備えている。
【0015】
フレーム構体20の上部には、車両10の車室空間30が、フロアパネル11、左右のサイドドア12、フロントガラス13、天井パネル14、リアドア15等で形成されている。車室空間30の内部には、定員分の座席と運転操作に必要な機器類が配置されている。尚、車両の構成はこれに限定するものではない。
【0016】
電動機は、車両10の後方に設けられ、駆動軸が、後輪17に接続されている。バッテリユニット22は、後述するように内部にバッテリを備え、フレーム構体20に固定されている。電動機は、制御装置(ECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)))を介してバッテリユニット22に接続し、運転者の操作に従いバッテリユニット22から供給された電力で後輪17を駆動し、車両10を走行させる。
【0017】
尚、電動機は、前輪16に設けても、前輪16と後輪17の双方に設けてもよい。又、車両10は、電動機とともに、ガソリン等を燃料とした内燃機関を備えた、いわゆるハイブリッド車でもよい。
【0018】
フレーム構体20は、図2にも示すように、車両10の前後方向に沿って延びるサイドメンバ24と、サイドメンバ24に交差して設けられるクロスメンバ26とを備えている。サイドメンバ24は、左右に一対、適宜の間隔をあけて設けられている。
【0019】
一対のサイドメンバ24は、第1延在部31と、第2延在部34と、斜めに延びる傾斜部32とを備えている。第1延在部31は、特許請求の範囲でいう第1の延在部であり、第2延在部34は、同第2の延在部である。
【0020】
第1延在部31は、車両10の前方から車室空間30の下部を通り、車両後部に延びている。第1延在部31は、後端(第1接続部25)で傾斜部32に接続している。傾斜部32は、後方に向かって斜め上方に延び、傾斜部32の後端(第2接続部27)で第2延在部34に接続している。尚、第1接続部25は、特許請求の範囲でいう第1の接続部であり、第2接続部27は、同第2の接続部である。
【0021】
第2延在部34は、傾斜部32の後端から後方に延び、傾斜部32と第2延在部34とで、後輪17を避けるように湾曲部28が形成されている。左右のサイドメンバ24の間にはクロスメンバ26が設けられている。
【0022】
クロスメンバ26は、図2に示すように、車両10の前方から第1クロスメンバ26a、第2クロスメンバ26b、第3クロスメンバ26cを有している。各クロスメンバ26a等は、車両10の横幅方向に沿って設けられ、左右のサイドメンバ24を一体に連結している。
【0023】
フレーム構体20の前方には、前輪懸架機構を介して図1に示すように前輪16が設けられている。前輪16は、運転者のハンドル操作により操舵機構を介して操舵される。
【0024】
フレーム構体20の後方には、後輪17が後輪懸架機構40を介して設けられている。後輪懸架機構40は、衝撃緩衝器42とばね44とトレーリングアーム46とを備えている。トレーリングアーム46は、先端部が、サイドメンバ24に設けられた取付具48に回動自在に取り付けられている。左右のトレーリングアーム46は、トレーリングアーム46の後部で連結されている。
【0025】
トレーリングアーム46の後端に、後輪17がハブ53を介して取り付けられている。衝撃緩衝器42及びばね44は、トレーリングアーム46とフレーム構体20やフロアパネル11等との間に設けられている。尚、後輪17の後輪懸架機構は、上記例に限るものではない。
【0026】
更に、サイドメンバ24には、図2図3に示すように、変形促進部Hが傾斜部32と第2延在部34との交差部分である第2接続部27に設けられている。変形促進部Hは、サイドメンバ24の表面を凹ませて形成してあり、これにより、変形促進部Hにおけるサイドメンバ24の変形に対する剛性が、変形促進部H以外のサイドメンバ24のいずれの位置の剛性より小さくなるよう設定されている。
【0027】
例えば、車両10が後方から他の車両に衝突されたとき、変形促進部Hは、次のように作用する。車両10に他の車両が追突すると、サイドメンバ24に掛かる押圧力が徐々に増加する。サイドメンバ24では、変形促進部Hでの剛性が、サイドメンバ24のいずれの位置の剛性より低いので、押圧力に対する限界が、変形促進部Hで最も早く到達する。そして、変形促進部Hの限界値を超えて更に押圧力が増大すると、変形促進部Hでサイドメンバ24に変形が生じる。図6に、サイドメンバ24が変形した状態を示す。図6に示すように、サイドメンバ24は、変形促進部Hより後方の部分(以下、「可変部分F」という)が、変形促進部Hを屈曲点として屈曲する。
【0028】
変形促進部Hは、車両10の後席より後方、つまり車室空間30の後方端より後方に位置して設けられている。これにより、車両10は、事故等が発生してサイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲しても、乗員のための車室空間30が確保される。
【0029】
前述した第1クロスメンバ26a、第2クロスメンバ26b及び第3クロスメンバ26cは、いずれも変形促進部Hより前方の位置でサイドメンバ24に連結している。変形促進部Hより前方の位置であるとは、例えば、車両10を水平に置いた状態で、変形促進部Hを通る鉛直線を含む、車両10の横幅方向に沿った平面を考え、その平面を基準面として判断を行う。
【0030】
尚、変形促進部Hは、上記例に限らず、サイドメンバ24の他の位置に設置してもよく、又、サイドメンバ24以外の個所に設けてもよい。更に、変形促進部Hは、サイドメンバ24に凹みを設ける以外に、サイドメンバ24の幅を部分的に狭めたり、サイドメンバ24に孔を設けたり、応力が集中する形状とするなど、他の方法で形成してもよい。フレーム構体20の下部に、変形促進部Hを前後に跨いでバッテリユニット22が取り付けられている。
【0031】
バッテリユニット22は、図3に示すように、バッテリ50とバッテリ50を内部に収納したバッテリケース52とを備えて構成されている。バッテリ50は、所定数の単バッテリ(出力電圧が1〜数V程度)が集合したもので、電動機を駆動して車両10を走行させるための電力を蓄える。バッテリケース52は、収納トレイ54と、収納トレイ54を覆うカバー56とを有している。収納トレイ54は、上面が開放された金属製の容器で、バッテリ50を収納する容量と、収納したバッテリ50を保持するに十分な剛性を有している。カバー56は、例えば樹脂製であり、送風機を組み付ける組付部や外気の導入口、及び排出口を備えている。カバー56は、バッテリ50を収納した収納トレイ54の上部に、水密に取り付けられている。
【0032】
尚、バッテリという場合、単バッテリを指す場合と、所定数の単バッテリが集合したバッテリ50を指す場合の双方があり、更に、バッテリユニット22を指す場合も含まれる。したがって、バッテリが破損するという場合、単バッテリが破損する場合のみならず、バッテリケース52を含むバッテリユニット22が破損する場合も含むものとする。
【0033】
バッテリユニット22の下部には、5本の桁部材60が設けられている。桁部材60は、バッテリユニット22の前方から順に第1桁部材60a、第2桁部材60b、第3桁部材60c、第4桁部材60d、第5桁部材60eを備え、車両10の横幅方向に沿って、互いにほぼ平行に設けられている。
【0034】
各桁部材60は、金属製の板状部材で、バッテリユニット22を支持するに十分な剛性を有し、図4に示すように、収納トレイ54の下面に固着されている。更に桁部材60は、桁部材60の両端部分が、収納トレイ54の左右の側壁から突出しており、突出した個所がバッテリユニット22の取付片62として形成されている。
【0035】
各取付片62には、ボルト孔が形成してあり、第1桁部材60aから第4桁部材60dの第1取付片62aから第4取付片62dは、図3に示すように、ボルト孔に通したボルトによりサイドメンバ24の第1延在部31の下面に固定されている。これら第1取付片62aから第4取付片62dは、いずれもサイドメンバ24の変形促進部Hより前方に位置する部分(以下、「固定部分G」という)に取り付けられている。固定部分Gは、変形促進部Hでサイドメンバ24が変形した場合も、変形の影響が少ない部分である。
【0036】
第5桁部材60eの第5取付片62eは、車両10の側面視において変形促進部Hの位置より後方に位置している。第5桁部材60eの第5取付片62eには、図5に示すように連結部材66が取り付けられている。
【0037】
連結部材66は、所定の強度を有する金属製の板状部材である。連結部材66は、車両10の前後方向前方の一端、すなわち前端部66bが、第3クロスメンバ26cの後方の側壁にねじで固定されている。第3クロスメンバ26cは、前述したように、それぞれ両端が左右のサイドメンバ24の変形促進部Hより前方の位置、すなわち固定部分Gに連結している。ここでは、特許請求の範囲でいう第1の取付部は、前端部66bを取り付けた第3クロスメンバ26cの後方の側壁に相当している。更に第1の取付部は、第1接続部25より後方に位置している。
【0038】
又、連結部材66は、他端である後端部66aが、第2の取付部である第5取付片62eに取り付けられている。第2の取付部である第5取付片62eは、変形促進部H、つまり第2接続部27より後方に位置し、かつ第1の取付部である第3クロスメンバ26cの取付個所より下方に位置している。後端部66aと第5取付片62eとは、ボルトで締結されている。連結部材66は、後端部66aから斜め上方前方に延び、後端部66aと前端部66bを結ぶ線は、車両10の前後方向と平行に設定されている。
【0039】
このように、バッテリユニット22は、第1取付片62aから第4取付片62dが、サイドメンバ24の固定部分Gに固定され、第5取付片62eが、連結部材66を介して第3クロスメンバ26cに固定され、これにより、フレーム構体20に取り付けられている。
【0040】
次に、本実施形態のバッテリ取付構造を備えた車両10の作用、及び効果について説明する。バッテリユニット22は、前述したように第1桁部材60aから第4桁部材60dの4本の桁部材60をサイドメンバ24に固定し、第5桁部材60eを連結部材66を介して第3クロスメンバ26cに固定して取り付けられている。
【0041】
これにより、バッテリユニット22は、車両10のフレーム構体20に確実に取り付けられる。バッテリユニット22は、厚みが薄く、かつ前後左右に広く形成してあることから、車両10は、最低地上高が確保され、かつ、走行用としての電池容量が十分に確保できる。
【0042】
バッテリユニット22は、フレーム構体20にボルトで取り付けられていることから、バッテリユニット22に不具合が生じた場合等には、連結部材66の取外しを含め、バッテリユニット22をフレーム構体20から取り外して修理をしたり、あるいは、バッテリユニット22を例えば他のバッテリユニットに交換することができる。又、連結部材66が車両10の前後方向に沿って設けられていることから、特に、車両10の加速や減速等、前後方向に沿った力に対してバッテリユニット22の後部を確実に保持できる。
【0043】
更に、車両10が他の車両に後突され、サイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲したとする。すると、サイドメンバ24は、図6に示すように、サイドメンバ24の可変部分Fが、変形促進部Hを屈曲点として上方に屈曲する。これに対して、変形促進部Hより前方に位置するサイドメンバ24の固定部分Gは、サイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲した場合でも、大きな変形が生じない。又、第3クロスメンバ26cも、サイドメンバ24の固定部分Gに取り付けられているため、可変部分Fが屈曲した影響をほとんど受けることがない。
【0044】
したがって、バッテリユニット22は、後突によりサイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲した場合であっても、バッテリユニット22の第1桁部材60a〜第4桁部材60dが、いずれもサイドメンバ24の固定部分Gにボルトで固定されており、第5桁部材60eが、連結部材66を介して第3クロスメンバ26cに固定されているので、サイドメンバ24が変形したことの影響をほとんど受けることがない。
【0045】
そのため、車両10が後突され、サイドメンバ24が変形促進部Hで変形しても、バッテリユニット22の第1桁部材60a〜第5桁部材60eのいずれの桁部材60も、基本的にほとんど移動しない。よって、車両10は、事故によってフレーム構体20が変形促進部Hで屈曲した場合でも、バッテリユニット22は影響をほとんど受けることがなく、バッテリケース52内に収納されているバッテリ50の破損を防止できる。又、サイドメンバ24が左右のいずれかの方向に変形した場合でも、連結部材66が車両10の前後方向に沿って設けられているので、バッテリユニット22への影響を少なくできる。
【0046】
又、車両10は、事故発生時にサイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲することから、衝撃エネルギーを吸収するとともに、車室空間30を確保し、車両10の乗員の被害を極力低減できる。
【0047】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のバッテリ取付構造について説明する。図7に、第2実施形態の車両のバッテリ取付構造を示す。図7は、フレーム構体20とバッテリユニット22とを後方の斜め下方から示す斜視図である。尚、第2実施形態の車両のバッテリ取付構造について、第1実施形態の車両のバッテリ取付構造と同一の部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
バッテリユニット22の下面には、第1桁部材60a〜第5桁部材60eが、前方から順に設けられている。バッテリユニット22の最も後方に設けられている第5桁部材60eは、変形促進部Hより後方に配置されている。
【0049】
第1桁部材60a〜第4桁部材60dは、第1実施形態と同様、いずれもサイドメンバ24の変形促進部Hより前方の固定部分Gにボルトで固定されている。第5桁部材60eの第5取付片62eには、連結部材67の後端部67aが固定されている。
【0050】
連結部材67は、第5取付片62eに固定された後端部67aから前方に延び、前端部67bがサイドメンバ24の傾斜部32の側面にボルトにより取り付けられている。前端部67bは、サイドメンバ24の変形促進部Hより前方、つまり固定部分Gの部分に固定されている。
【0051】
第2実施形態のバッテリ取付構造によれば、連結部材67の前端部67bがサイドメンバ24の固定部分Gに固定されているので、サイドメンバ24が変形促進部Hで屈曲した場合でも、バッテリユニット22は変形の影響を受けず、バッテリ50の破損を極力防止できる。更に、連結部材67は、車両の前後方向に対して斜めに設けられているので、バッテリユニット22を確実に保持し、又、車両10の横幅方向に揺れる振動に対しても対応することができる。
【0052】
図8に、変形促進部Hの他の例について示す。変形促進部Hは、サイドメンバ24の傾斜部32に対向して設けられている。この例によれば、例えば後突事故が発生すると、傾斜部32、つまりサイドメンバ24が、図8に示す変形促進部Hの位置で変形する。このように、変形促進部Hは、フレーム構体20の上述した位置に限るものではなく、第2接続部27以外、更には傾斜部32以外の任意の位置に設けてよい。
【0053】
尚、上記実施形態はいずれも例示であり、適宜変更が可能である。例えば、上記第1及び第2実施形態では、連結部材66等をバッテリユニット22の第5桁部材60eに取り付けてフレーム構体20の固定部分Gに連結させたが、複数の桁部材60が変形促進部Hより後方にある場合は、変形促進部Hより後方にあるそれぞれの桁部材60を、直接あるいは連結部材等を用いて変形促進部Hより前方のフレーム構体20に連結させる。
【0054】
又、変形促進部Hを屈曲点としてフレーム構体20が変形する形状は、上述したものに限るものでなく、他の形状でよい。又、変形促進部Hは、車両毎に対応した任意の位置に設けてよい。更に、限界剛性値が異なる複数の変形促進部がフレーム構体に設けられている場合には、変形促進部の設定位置に応じてバッテリユニットとフレーム構体とを連結させてもよい。
【0055】
更に、連結部材66等に剛性的な弱化部を設けたり、連結部材66等とフレーム構体20とを固定する固定部の剛性を弱めることとしてもよい。これらにより、フレーム構体20が変形したことによりバッテリユニット22に許容値以上の応力が加えられたとき、連結部材66に設けられた弱化部等が破断などして、フレーム構体20とバッテリユニット22との連結が解除され、フレーム構体20の変形がバッテリユニット22に影響を与えないようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、走行用のバッテリをフレームに搭載する車両に利用できる。
【符号の説明】
【0057】
10…車両、11…フロアパネル、12…サイドドア、13…フロントガラス、14…天井パネル、15…リアドア、16…前輪、17…後輪、20…フレーム構体、22…バッテリユニット、24…サイドメンバ、25…第1接続部、26…クロスメンバ、26c…第3クロスメンバ、27…第2接続部、28…湾曲部、30…車室空間、31…第1延在部、32…傾斜部、34…第2延在部、40…後輪懸架機構、42…衝撃緩衝器、46…トレーリングアーム、48…取付具、50…バッテリ、52…バッテリケース、53…ハブ、54…収納トレイ、56…カバー、60…桁部材、60e…第5桁部材、62…取付片、62e…第5取付片、66、67…連結部材、66a…後端部、66b…前端部、H…変形促進部、F…可変部分、G…固定部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8