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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-223972(P2015-223972A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】シートクッション
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/44 20060101AFI20151117BHJP
   B60N 2/58 20060101ALI20151117BHJP
   A47C 27/14 20060101ALI20151117BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20151117BHJP
   B68G 7/052 20060101ALI20151117BHJP
   B68G 5/02 20060101ALI20151117BHJP
   A47C 7/18 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B60N2/44
   B60N2/58
   A47C27/14 A
   A47C31/02 B
   A47C31/02 J
   B68G7/052 A
   B68G5/02
   A47C7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-110678(P2014-110678)
(22)【出願日】2014年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】石井 直人
(72)【発明者】
【氏名】木澤 豊
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祐
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B096
【Fターム(参考)】
3B084CA03
3B084CB01
3B087DE03
3B087DE10
3B096AB08
3B096AD01
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】表皮固定部材をクッション本体から簡単に取り出すことができる、リサイクル性に優れたシートクッションを提供すること。
【解決手段】シートクッション(20)は、クッション本体(30)の表面が表皮(40)によって覆われ、この表皮(40)を固定するための表皮固定部材(51,51A,52,52A,60,60A)がクッション本体(30)に埋設されてなる。クッション本体(30)は、ポリウレタン系樹脂によって構成される。表皮固定部材(51,51A,52,52A,60,60A)は、ポリオレフィン系樹脂によって構成される。さらに、表皮固定部材(51,51A,52,52A,60,60A)には、長手方向に一軸延伸されたテープが用いられる。さらに、テープのテープ面(51a,52a,60a)は、クッション本体(30)の着座面(30a)に略平行に向けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション本体の表面が表皮によって覆われ、この表皮を固定するための表皮固定部材が前記クッション本体に埋設されているシートクッションにおいて、
前記クッション本体は、ポリウレタン系樹脂によって構成され、
前記表皮固定部材は、ポリオレフィン系樹脂によって構成されることを特徴とするシートクッション。
【請求項2】
前記表皮固定部材には、長手方向に一軸延伸されたテープが用いられることを特徴とする請求項1記載のシートクッション。
【請求項3】
前記テープのテープ面は、前記クッション本体の着座面に略平行に向けられていることを特徴とする請求項2記載のシートクッション。
【請求項4】
前記表皮固定部材は、直線状に形成されたテープの一部が曲げられることにより任意の形状に形成され、
前記テープが曲げられた部位は、下方に撓んでいることを特徴とする請求項1記載のシートクッション。
【請求項5】
前記表皮は、複数の表皮部材が縫い合わされてなり、
前記表皮部材が縫い合わされる部位には、筒状部材がさらに縫い合わされ、
前記表皮固定部材には、ホグリングが取り付けられ、
これらの筒状部材及びホグリングにワイヤが通されることにより、
前記表皮部材は、前記表皮固定部材によって下方に向かって所定の張力を付与される構成であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のシートクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートクッションの改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の乗員が着座するシートクッションは、クッション本体の表面が表皮によって覆われ、この表皮を固定するための表皮固定部材がクッション本体に埋設されてなる。表皮固定部材に関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、表皮固定部材は、網状のひれ部材の幅中央に芯材が一体的に形成されてなる。芯材には、合成樹脂が採用されている。ひれ部材には、繊維材が採用されている。このような表皮固定部材をインサート成形することにより、クッション本体内に表皮固定部材を埋設する。
【0004】
特許文献1の記載によれば、表皮固定部材に鋼材を用いた場合に比べ、軽量化を図ることができる。さらには、リサイクル性にも優れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−206376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リサイクルの目的によっては、シートクッションの構成部品をより細かく分別する必要がある。具体的には、クッション本体内から表皮固定部材を取り出し、クッション本体と表皮固定部材とを別個に回収する必要がある。このとき、特許文献1の発明によれば、ひれ部材がクッション本体に強固に噛み込んでおり、表皮固定部材を取り出すことが困難である。
【0007】
本発明は、表皮固定部材をクッション本体から簡単に取り出すことができる、リサイクル性に優れたシートクッションの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1による発明によれば、クッション本体の表面が表皮によって覆われ、この表皮を固定するための表皮固定部材が前記クッション本体に埋設されているシートクッションにおいて、
前記クッション本体は、ポリウレタン系樹脂によって構成され、
前記表皮固定部材は、ポリオレフィン系樹脂によって構成されることを特徴とするシートクッションが提供される。
【0009】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記表皮固定部材には、長手方向に一軸延伸されたテープが用いられる。
【0010】
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記テープのテープ面は、前記クッション本体の着座面に略平行に向けられている。
【0011】
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記表皮固定部材は、直線状に形成されたテープの一部が曲げられることにより任意の形状に形成され、
前記テープが曲げられた部位は、下方に撓んでいる。
【0012】
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記表皮は、複数の表皮部材が縫い合わされてなり、
前記表皮部材が縫い合わされる部位には、筒状部材がさらに縫い合わされ、
前記表皮固定部材には、ホグリングが取り付けられ、
これらの筒状部材及びホグリングにワイヤが通されることにより、
前記表皮部材は、前記表皮固定部材によって下方に向かって所定の張力を付与される構成である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、クッション本体は、ポリウレタン系樹脂によって構成され、表皮固定部材は、ポリオレフィン系樹脂によって構成される。シートクッションのリサイクルの際には、表皮固定部材をクッション本体の内部から取り出す必要がある。取り出し作業は、クッション本体及び表皮固定部材を一体的に切断し、切断面から表皮固定部材を引き抜くことにより行う。ここで、ポリオレフィン系樹脂は、ポリウレタン系樹脂に対する接着強度が弱い。このため、表皮固定部材をクッション本体から簡単に引き抜くことができる。これにより、リサイクル性に優れたシートクッションを提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、表皮固定部材には、長手方向に一軸延伸されたテープが用いられる。一軸延伸することにより、長手方向における表皮固定部材の強度が高められている。このため、表皮固定部材は、合成繊維等による補強を行う必要がない。即ち、少ない部品点数によって十分な強度を得ることができ、有益である。
【0015】
請求項3に係る発明では、テープのテープ面は、クッション本体の着座面に略平行に向けられている。シートクッションに人が着座した際に、クッション本体が圧縮されるのに合わせて、表皮固定部材は撓む。即ち、容易に表皮固定部材が撓むよう、テープ面を着座面に略平行に向けている。これにより、クッション本体及び表皮固定部材に加わる負荷を軽減することができ、シートクッションの長寿命化を図ることができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、表皮固定部材は、直線状に形成されたテープの一部が曲げられることにより任意の形状に形成され、テープが曲げられた部位は、下方に撓んでいる。表皮固定部材は、曲げられた部位を挟んでそれぞれが異なる方向に向けて直線状に配置される。表皮固定部材にテープが用いられているため、一方の直線部の端部の一端から他方の直線部の端部の一端までの距離は、一方の直線部の端部の他端から他方の直線部の端部の他端までの距離とは異なる。これらの距離の差は、曲げられた部位を下方に撓ませることにより吸収される。予め、所定の形状に形成された表皮固定部材に比べて、直線状のテープを曲げて構成するため、部品コストを安価にすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明では、表皮部材は、表皮固定部材によって下方に向かって所定の張力を付与される。所定の張力を付与することにより、各表皮部材を安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例によるシートクッションが採用された、車両用シートの斜視図である。
図2図1に示されたシートクッションの平面図である。
図3図2に示された表皮固定材の斜視図である。
図4図3に示されたU字状表皮固定部材の右コーナ部近傍の平面図である。
図5図2の5−5線断面図である。
図6図2の6−6線断面図である。
図7図2の7−7線断面図である。
図8】本発明の変更例によるシートクッションに採用される、表皮固定材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。以下、本発明によるシートクッションを車両用シートに採用した場合を例に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Lは乗員から見て左、Rは乗員から見て右、Upは上、Dwは下を示している。
<実施例>
【0020】
図1に示されるように、車両用シート10は、床パネルに対して前後方向にスライド可能に取り付けられている基部11と、この基部11の上部に固定され乗員が着座するシートクッション20と、このシートクッション20の後端から立ち上げられ前後方向にスイング可能なシートバック14と、このシートバック14の上端に固定されているヘッドレスト15と、シートクッション20の左右端部から一体的に立ち上げられているクッション部サイドサポート70,70と、シートバック14の左右端部から一体的に前方に延びるシートバック部サイドサポート18,18とからなる。シートバック部サイドサポート18,18は、共に、乗員の胸部の側方に位置する下部サイドサポート18a,18aと、乗員の肩部の側方に位置する上部サイドサポート18b,18bとからなる。本発明によるシートクッション20について、図2以降において詳細に説明する。
【0021】
図2に示されるように、シートクッション20は、クッション本体30の表面が表皮40によって覆われ、この表皮40を固定するための3つの表皮固定部材51,52,60がクッション本体30に埋設されてなる。
【0022】
左右のクッション部サイドサポート70,70は、それぞれ、サイドサポート本体71,71の表面が側部表皮72,72によって覆われている。
【0023】
クッション本体30は、ポリウレタン系樹脂によって構成されている。ここで、ポリウレタン系樹脂とは、主にポリウレタン樹脂が用いられている樹脂を言う。クッション本体30は、左右のサイドサポート本体71,71と一体的に形成されている。
【0024】
クッション本体30には、乗員が着座する着座面30aから下方に向かって凹む複数の溝31〜34が形成されている。これらの溝31〜34には、表皮40の端部が収納される。さらに、クッション本体30には、平面視において溝31〜34と重なる部位に、上下方向に向かって開けられた複数の孔35が形成されている。これらの孔35は、溝31〜34に収納された表皮40の端部を固定するために形成されている。孔35には、表皮固定部材51,52,60の一部が臨んでいる。
【0025】
より詳細には、溝31〜34は、クッション本体30の左端部において前後に延びる左溝31と、クッション本体30の右端部において前後に延びる右溝32と、これらの左溝31及び右溝32の前部に亘って左右に延びる前溝33と、この前溝33の後方において左溝31及び右溝32に亘って左右に延びる後溝34と、からなる。
【0026】
孔35は、左溝31に重なる部位に4箇所、右溝32に重なる部位に4箇所、前溝33に重なる部位に2箇所、後溝34に重なる部位に2箇所形成されている。左溝31に重なる孔35は、前溝33よりも前方に1箇所、前溝33と後溝34との間に2箇所、後溝34よりも後方に1箇所、形成されている。右溝32に重なる孔35も同様である。前溝33に重なる孔35は、前溝33の左右の端部にそれぞれ形成されている。後溝34に重なる孔35も同様である。
【0027】
図1も合わせて参照し、クッション本体30を覆う表皮40は、3枚の第1〜第3表皮部材41〜43(表皮部材41〜43)が縫い合わされて構成される。第1表皮部材41は、クッション本体30のなかの前溝33から前方を覆っている。第2表皮部材42は、クッション本体30のなかの前溝33から後溝34までを覆っている。第3表皮部材43は、クッション本体30のなかの後溝34から後方を覆っている。
【0028】
図2及び図3を参照して、表皮固定部材51,52,60には、長手方向に一軸延伸されたテープが用いられている。表皮固定部材51,52,60は、テープのテープ面51a,52a,60aが、クッション本体30の着座面30aに略平行に向けられている。表皮固定部材51,52,60の材料には、ポリプロピレン系樹脂が採用されている。
【0029】
なお、ポリプロピレン系樹脂とは、主にポリプロピレンが用いられている樹脂を言う。さらに、表皮固定部材51,52,60には、ポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂を採用することもできる。ポリオレフィン系樹脂とは、主にポリオレフィンに属する樹脂が用いられている樹脂を言う。
【0030】
前溝33の下方に埋設されている直線状の表皮固定部材51を、適宜、前部表皮固定部材51という。後溝34の下方に埋設されている直線状の表皮固定部材52を、適宜、後部表皮固定部材52という。シートクッション20の平面視において前方に開口する略U字状を呈し、左溝31の下方、及び、右溝32の下方に一体的に埋設されている表皮固定部材60を、適宜、U字状表皮固定部材60という。
【0031】
前部表皮固定部材51の両端には、それぞれ、丸孔51b,51bが形成されている。理由は後述する。後部表皮固定部材52も同じである。即ち、後部表皮固定部材52の両端には、それぞれ、丸孔52b,52bが形成されている。
【0032】
U字状表皮固定部材60は、クッション本体30の後端において左右に延びる底辺部61と、この底辺部61の左端部から左コーナ部62を介して前方に延びる左辺部63と、底辺部61の右端部から右コーナ部64を介して前方に延びる右辺部65と、からなる。左辺部63は、左溝31の下方に埋設されている。右辺部65は、右溝32の下方に埋設されている。
【0033】
底辺部61の中央には、丸孔61bが形成されている。左辺部63の前端には、丸孔63bが形成されている。右辺部65の前端には、丸孔65bが形成されている。
【0034】
U字状表皮固定部材60は、直線状のテープを略U字状に曲げてなる。左右のコーナ部62,64は、テープが曲げられることにより形成された曲げ部ということもできる。図4に示されるように、底辺部61及び右辺部65は、右コーナ部64を挟んで異なる方向に向けて配置されている。底辺部61の右端部の前端P1から右辺部65の後端部の内端P2までの距離は、底辺部61の右端部の後端P3から右辺部65の後端部の外端P4までの距離よりも短い。これらの距離の差は、右コーナ部64を下方に撓ませることにより吸収される。
【0035】
右コーナ部64は、底辺部61の右端部の前端P1から右辺部65の後端部の内端P2までにおいて、急激に下方に撓んでいる。これに比べて、右コーナ部64は、底辺部61の右端部の後端P3から右辺部65の後端部の外端P4までは、緩やかに撓んでいる。左コーナ部62についても同じである。
【0036】
図2及び図3に基づき、クッション本体30内への表皮固定部材51,52,60の埋設方法について、一例を説明する。まず、複数のピンを有する第1の型に、表皮固定部材51,52,60を取り付ける。取り付けは、表皮固定部材51,52,60に形成された丸孔51b,52b,61b,63b,65bを、それぞれ第1の型の所定のピンに通すことにより行う。この後、第1の型に第2の型を合わせてキャビティを形成し、キャビティ内にポリウレタン樹脂を供給する。これにより、表皮固定部材51,52,60をクッション本体30内へ埋設することができる。左右のコーナ部62,64については、所定の形状に撓ませるよう、別途、コーナ部62,64を固定するための型を用いることもできる。
【0037】
図5及び図6に基づき、表皮40の固定構造について説明する。前溝33の右端部の孔35において固定されている、第1表皮部材41、及び、第2表皮部材42を例に説明をする。なお、第2表皮部材42、及び、第3表皮部材(図1、符号43)についても、固定構造は、同様であり、詳細な説明を省略する。
【0038】
前部表皮固定部材51は、クッション本体30に形成されている孔35内に臨んでいる。この部位において、前部表皮固定部材51には、ホグリング81が取り付けられている。
【0039】
一方、第1表皮部材41の端部は、第2表皮部材42の端部、及び、筒状部材82と共に、糸83,83によって一体的に縫われている。筒状部材82は、略矩形状の布を半分に折り曲げて端部同士を重ね、この重ねられた端部を第1及び第2表皮部材41,42と共に縫い合わせることにより、筒状に形成されている部材である。
【0040】
さらに、ホグリング81及び筒状部材82には、ワイヤ84が通されている。ワイヤ84を通す際には、例えば、ホグリング81を上方に引っ張りつつ、ワイヤ84を通す。第1表皮部材41及び第2表皮部材42は、筒状部材82、ワイヤ84、及びホグリング81を介して、前部表皮固定部材51によって下方に引っ張られている。これにより、第1表皮部材41及び第2表皮部材42は、クッション本体30の表面において所定の張力を保つことができる。所定の張力を付与することにより、第1及び第2表皮部材41,42を安定して支持することができる。
【0041】
図7に示されるように、サイドサポート本体71の表面を覆う側部表皮72及び第3表皮部材43の固定構造についても、以上に説明した固定構造と同じ構造により固定されている。
【0042】
以上に説明した本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
図2及び図3に戻り、クッション本体30は、ポリウレタン系樹脂によって構成され、表皮固定部材51,52,60は、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂)によって構成される。シートクッション20のリサイクルの際には、表皮固定部材51,52,60をクッション本体30の内部から取り出す必要がある。取り出し作業は、クッション本体30及び表皮固定部材51,52,60を一体的に切断し、切断面から表皮固定部材51,52,60を引き抜くことにより行う。ここで、ポリオレフィン系樹脂は、ポリウレタン系樹脂に対する接着強度が弱い。このため、表皮固定部材51,52,60をクッション本体30から簡単に引き抜くことができる。これにより、リサイクル性に優れたシートクッション20を提供することができる。
【0043】
さらに、表皮固定部材51,52,60には、長手方向に一軸延伸されたテープが用いられる。一軸延伸することにより、長手方向における表皮固定部材51,52,60の強度が高められている。このため、表皮固定部材51,52,60は、合成繊維等による補強を行う必要がない。即ち、少ない部品点数によって十分な強度を得ることができ、有益である。
【0044】
さらに、テープのテープ面51a,52a,60aは、クッション本体30の着座面30aに略平行に向けられている。シートクッション20に人が着座した際に、クッション本体30が圧縮されるのに合わせて、表皮固定部材51,52,60は撓む。即ち、容易に表皮固定部材51,52,60が撓むよう、テープ面51a,52a,60aを着座面30aに略平行に向けている。これにより、クッション本体30及び表皮固定部材51,52,60に加わる負荷を軽減することができ、シートクッション20の長寿命化を図ることができる。
【0045】
さらに、表皮固定部材51,52,60の少なくとも一部には、シートクッション20の平面視において略U字状を呈する、U字状表皮固定部材60が含まれる。そして、U字状表皮固定部材60は、直線状のテープを略U字状に曲げて構成されている。予め、U字状に形成された表皮固定部材に比べて、直線状のテープを曲げて構成するため、部品コストを安価にすることができる。加えて、直線状の表皮固定部材51,52と共通のテープを用いることができる。共通のテープをそれぞれ必要な長さに切断して用いるため、それぞれに材料を準備する場合に比べて、部品コストをさらに安価にすることができる。
【0046】
さらに、テープを曲げて構成されるU字状表皮固定部材60は、シートクッション20の平面視において、底辺部61がクッション本体30の後端近傍に位置すると共に、前方に向かって開口している。これにより、コーナ部62,64がクッション本体30の後端の両端に形成される。着座性に影響の少ない部位にコーナ部62,64が形成されるため、シートクッション20の高い着座性を確保することができる。
【0047】
図8には、変更例によるシートクッションに採用される表皮固定部材51A,52A,60Aが示されている。表皮固定部材51A,52A,60Aに形成され、クッション本体(図2、符号30)を成形する際の型に固定される孔は、丸孔51b,52b,61b,63b,65b及び長円孔51c,52c,61c,63c,65cによって構成される。長円孔51c,52c,61c,63c,65cによって、表皮固定部材51A,52A,60Aの寸法誤差を吸収することができる。
【0048】
尚、実施例においては、シートクッションは、車両用シートに搭載された場合を例に説明を行った。しかし、本発明のシートクッションは、その他の乗り物のシートにも適用可能である。より具体的には、二輪車、三輪車、電車、飛行機、船舶、車いす、ベビーカー(stroller)等の乗り物を含む。さらに、乗り物以外のシートであっても、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、適用可能である。
【0049】
さらに、表皮固定部材を略U字状に形成する場合には、直線状のテープを3本準備し、コーナ部において繋ぎ合わせる構成を採用することもできる。
【0050】
さらに、表皮固定部材に形成される型への固定部は、丸孔や長円孔には限られない。即ち、任意の形状の孔を採用することができる。さらには、切り込み状の固定部とすることもできる。切り込み状の固定部の形状としては、−(マイナス)状、*(アスタリスク)状、×状等が挙げられる。切り込み状の場合には、孔状の固定部に比べて、打ち抜き屑が発生せず、この点においてより好ましい。
【0051】
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のシートクッションは、車両用シートに好適である。
【符号の説明】
【0053】
20…シートクッション
30…クッション本体
30a…着座面
40…表皮
41…第1表皮部材(表皮部材)
42…第2表皮部材(表皮部材)
43…第3表皮部材(表皮部材)
51,51A…前部表皮固定部材(表皮固定部材)
51a,52a,60a…テープ面
52,52A…後部表皮固定部材(表皮固定部材)
60,60A…U字状表皮固定部材(表皮固定部材)
81…ホグリング
82…筒状部材
84…ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8