【解決手段】走行可能な車両2であって、車両本体6と、車両本体6に回転可能に支持された後輪10と、後輪10の外周面10aの一部を覆い、且つ、後輪10側に撓み可能なカバー部材12と、カバー部材12の裏面から後輪10の外周面10aに向けて延び、且つ、後輪10の外周面10aから離隔するようにして配置された押圧部材48と、を備え、押圧部材48は、カバー部材12に外力が加わることによりカバー部材12が後輪10側に撓んだ際に、後輪10の外周面10aを押圧するように配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば子供が上述した電動アシストカートを使用する場合には、子供がハンドルを把持しながらカバー部材上に足を乗せて遊ぶことが考えられる。このとき、カバー部材に大きな負荷が加わることによって、カバー部材が破損してしまうおそれがある。さらに、子供がカバー部材上に足を乗せた際に電動アシストカートが動き出すおそれがあり、安全性が十分に高いとは言えなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、カバー部材の破損を抑制することができるとともに、安全性を高めることができる車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る車両は、走行可能な車両であって、車両本体と、前記車両本体に回転可能に支持された車輪と、前記車輪の外周面の一部を覆い、且つ、前記車輪側に撓み可能なカバー部材と、前記カバー部材の裏面から前記車輪の前記外周面に向けて延び、且つ、前記車輪の前記外周面から離隔するようにして配置された押圧部材と、を備え、前記押圧部材は、前記カバー部材に外力が加わることにより前記カバー部材が前記車輪側に撓んだ際に、前記車輪の前記外周面を押圧するように配置されている。
【0008】
本態様によれば、カバー部材の裏面には押圧部材が設けられている。押圧部材は、車輪の外周面に向けて延び、且つ、車輪の外周面から離隔するようにして配置されている。これにより、例えば子供がカバー部材上に足を乗せるなどしてカバー部材に外力が加わった際には、カバー部材が車輪側に撓むことにより、押圧部材が車輪の外周面を押圧するようになる。その結果、カバー部材の撓みによる変形を最小限に抑えることができ、カバー部材の破損を抑制することができる。
【0009】
さらに、押圧部材が車輪の外周面を押圧することにより、押圧部材と車輪の外周面との間に摩擦抵抗が生じるようになる。これにより、車輪の回転が規制されるので、例えば子供がカバー部材上に足を乗せた際に車両が動き出すのを抑制することができ、安全性を高めることができる。
【0010】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記カバー部材は、前記車両本体に固定された固定部と、前記車輪の前記外周面の一部を覆うカバー部と、前記固定部と前記カバー部とを相互に接続する接続部と、を有し、前記押圧部材は、前記カバー部の裏面から前記車輪の前記外周面に向けて延びており、前記カバー部は、当該カバー部に外力が加わることにより、前記固定部を支点として前記車輪側に撓むように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、カバー部材は固定部、カバー部及び接続部を有しているので、カバー部材の支持構造を、固定部を固定端、カバー部を自由端とする片持ち構造とすることができる。これにより、カバー部に外力が加わった際に、固定部を支点としてカバー部を車輪側に撓ませることができる。
【0012】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記固定部は、前記車輪の前記外周面よりも前記車輪の径方向外側で前記車両本体に固定されているように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、固定部は、車輪の外周面よりも車輪の径方向外側で車両本体に固定されているので、カバー部材の支持構造を、車輪の径方向において固定部を固定端、カバー部を自由端とする片持ち構造とすることができる。
【0014】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記固定部は、前記車輪の前記外周面よりも前記車輪の径方向内側で前記車両本体に固定されているように構成してもよい。
【0015】
本態様によれば、固定部は、車輪の外周面よりも車輪の径方向内側で車両本体に固定されているので、カバー部材の支持構造を、車輪の軸方向において固定部を固定端、カバー部を自由端とする片持ち構造とすることができる。
【0016】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記押圧部材は、前記車輪の前記外周面を押圧するための押圧面を有しており、前記押圧面は、前記車輪の前記外周面の形状に対応した形状に構成されているように構成してもよい。
【0017】
本態様によれば、押圧部材の押圧面は、車輪の外周面の形状に対応した形状に構成されているので、カバー部材が車輪側に撓んだ際における押圧面と車輪の外周面との接触面積を増大させることができる。これにより、押圧部材と車輪の外周面との間に生じる摩擦抵抗を増大させることができ、車輪の回転を効果的に規制することができる。
【0018】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記押圧部材は複数設けられており、前記複数の押圧部材は、前記車輪の前記外周面の周方向に間隔を置いて配置されているように構成してもよい。
【0019】
本態様によれば、複数の押圧部材は、車輪の外周面の周方向に間隔を置いて配置されているので、カバー部材の撓みによる変形を効果的に抑えることができるとともに、押圧部材と車輪の外周面との間に生じる摩擦抵抗を増大させることができる。
【0020】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記カバー部材は、泥よけカバーであるように構成してもよい。
【0021】
本態様によれば、カバー部材を泥よけカバーとして適用することができる。
【0022】
例えば、本発明の一態様に係る車両において、前記車両は、荷物を運搬するための電動アシストカートであり、さらに、前記車輪を駆動するための駆動源を備えるように構成してもよい。
【0023】
本態様によれば、車両を電動アシストカートとして適用することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様に係る車両によれば、カバー部材の破損を抑制することができるとともに、安全性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0027】
(実施の形態1)
[車両の全体構成]
まず、
図1〜
図4を参照しながら、実施の形態1に係る車両2の全体構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る車両の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る車両を後方より見た状態を示す図である。
図3は、実施の形態1に係る車両を側方より見た状態を示す図である。
図4は、後輪及びカバー部材を拡大して示す透過斜視図である。
【0028】
図1に示すように、車両2は、例えば、人力で荷物4を運搬する際のアシストをするための電動アシストカートである。車両2は、車両本体6、一対の前輪8、一対の後輪10及び一対のカバー部材12を備えている。
【0029】
図1及び
図3に示すように、車両本体6の前面における下端部には、荷物4を載置するための荷台14が設けられている。
図1及び
図2に示すように、車両本体6の上端部には、操作パネル16が設けられている。操作パネル16には、電源ボタン18及び液晶表示パネル20等が配置されている。電源ボタン18は、車両2の主電源をオン・オフするためのボタンである。液晶表示パネル20には、バッテリ22(後述する)の蓄電量の残量等が表示される。
【0030】
図1〜
図3に示すように、車両本体6の上端部には、さらに、一対のハンドル24及び一対のブレーキレバー26が設けられている。一対のハンドル24は、車両2を走行させる際にユーザが両手で把持するためのものであり、操作パネル16から左右両側に延びている。一対のブレーキレバー26は、車両2の走行中に車両2を減速又は停止させるためのものであり、操作パネル16から左右両側に延びている。車両2の走行中に一対のブレーキレバー26をそれぞれハンドル24側に引くことにより、車両2が減速又は停止する。
【0031】
図4に示すように、車両本体6の内部には、例えばアルミニウム等で形成されたシャーシ30(車両本体6の一部を構成する)が配置されている。
図1及び
図4に示すように、車両本体6の内部には、さらに、センサ(図示せず)、モータ28及びバッテリ22が配置されている。センサは、一対のハンドル24に加えられた力の大きさを検出するためのものである。モータ28は、一対の後輪10の各々を駆動するための駆動源であり、上述したシャーシ30に支持されている。モータ28は、上述したセンサにより検出された力の大きさに応じた駆動力を発生させる。バッテリ22は、モータ28に電力を供給するためのものであり、充電及び放電が可能な蓄電池である。バッテリ22は、上述したシャーシ30に支持されている。
【0032】
一対の前輪8の各々は、車両本体6を下方より支持するとともに、回転することによって車両2を走行させるための車輪である。
図1及び
図3に示すように、一対の前輪8の各々は、上述した荷台14の下面に取り付けられたブラケット32に回転可能に支持されている。ブラケット32は、荷台14の下面に回転可能に取り付けられている。これにより、車両2の走行時に前輪8の舵角を変更することができる。なお、ブラケット32には、前輪8の回転をロックするためのストッパ34が設けられている。ストッパ34を押し下げることにより前輪8の回転がロックされ、ストッパ34を押し上げることにより前輪8の回転のロックが解除される。
【0033】
一対の後輪10の各々は、車両本体6を下方より支持するとともに、回転することによって車両2を走行させるための車輪である。
図4及び後述する
図5に示すように、一対の後輪10の各々の中心部にはシャフト36が固定されている。
図4に示すように、シャフト36は、上述したシャーシ30に固定された支持フレーム38(車両本体6の一部を構成する)に回転可能に支持されている。なお、支持フレーム38は、シャーシ30から車両2の後方に向けて斜め下方に延びている。シャフト36とモータ28の出力軸(図示せず)との間には、無端状の駆動ベルト(図示せず)が回転可能に巻き掛けられている。これにより、モータ28の駆動力が駆動ベルトを介して後輪10に伝達される。
【0034】
図1〜
図4に示すように、一対のカバー部材12の各々は、車両本体6の下端部に配置されている。一対のカバー部材12の各々は、後輪10により跳ね上げられた泥水等からユーザを保護するための泥よけカバーであり、後輪10の外周面10aの一部を上方より覆っている。一対のカバー部材12の各々の構造については後述する。
【0035】
上述した車両2を用いて荷物4を運搬する際には、ユーザが一対のハンドル24を前方(
図1中の矢印Pで示す方向)に押して歩くことにより、車両2を走行させる。このとき、モータ28は、センサにより検出された力の大きさに応じた駆動力、すなわち、ユーザが一対のハンドル24を介して車両2に加えた推進力をアシストするための駆動力を発生させる。これにより、ユーザは、少ない力で荷物4を容易に運搬することができる。
【0036】
[カバー部材の構造]
次に、
図1〜
図9を参照しながら、本実施の形態の車両2の特徴的な構成である、カバー部材12の構造について説明する。なお、一対のカバー部材12はそれぞれ左右対称の構造を有しているので、一対のカバー部材12のうち一方の構造についてのみ説明する。
図5は、
図4中のA−A線による車両の要部断面図である。
図6は、
図4中のB−B線による後輪及びカバー部材の要部断面図である。
図7は、カバー部材が撓んだ状態における後輪及びカバー部材を示す図である。
図8は、カバー部材が撓んだ状態における、
図4中のA−A線による車両の要部断面図である。
図9は、カバー部材が撓んだ状態における、
図4中のB−B線による車両の要部断面図である。
【0037】
図1〜
図4に示すように、カバー部材12は、カバー部40、固定部42及び接続部44を有している。カバー部材12は、例えば樹脂で形成されている。
【0038】
カバー部40は、後輪10の上方に配置されており、後輪10の外周面10aの一部を上方より覆っている。カバー部40は、後輪10の外周面10aの形状に対応した形状を有している。すなわち、カバー部40の長手方向は、
図5に示すように後輪10の外周面10aの周方向に沿って円弧状に延びており、カバー部40の幅方向は、
図6に示すように後輪10の外周面10aの幅方向に沿って円弧状に延びている。なお、カバー部40の厚みは、例えば2〜3mm程度に構成されている。
【0039】
固定部42は、モータ28及びシャーシ30等を側方より覆っている。
図7に示すように、固定部42は、後輪10の外周面10aよりも後輪10の径方向外側で、ボルト46によりシャーシ30に固定されている。
【0040】
接続部44は、カバー部40と固定部42とを相互に接続しており、後輪10の側面10b及び支持フレーム38を側方より覆っている。
【0041】
上述したように、固定部42は車両本体6(シャーシ30)に固定され、カバー部40は車両本体6に固定されていない。すなわち、カバー部材12の支持構造は、Y軸方向(後輪10の径方向)において固定部42を固定端、カバー部40を自由端とする片持ち構造である。これにより、
図7〜
図9中の矢印Fで示すように、カバー部40に下方向への外力が加わった際には、カバー部40は、
図7中の矢印Sで示すように固定部42(ボルト46)を支点として後輪10側に撓むようになる。
【0042】
さらに、
図4〜
図6に示すように、カバー部40の裏面(すなわち、後輪10の外周面10aと対向する面)には、複数の押圧部材48が配置されている。複数の押圧部材48は、後輪10の外周面10aの周方向に間隔を置いて配置されている。複数の押圧部材48の各々は、後輪10の軸方向(X軸方向)に延びる横長のプレート状に構成されており、カバー部40の裏面から後輪10の外周面10aに向けて延びている。複数の押圧部材48の各々の厚みは、例えば2mm程度に構成されている。さらに、
図6に示すように、複数の押圧部材48の各々の先端部には、押圧面48aが形成されている。押圧面48aは、後輪10の外周面10aの幅方向の形状に対応して凹面状に構成されている。なお、カバー部40及び複数の押圧部材48は、樹脂の一体成形により構成されている。
【0043】
図5及び
図6に示すように、カバー部40が撓んでいない状態では、複数の押圧部材48の各々は、後輪10の外周面10aから離隔するようにして配置されている。すなわち、カバー部40が撓んでいない状態では、複数の押圧部材48と後輪10の外周面10aとの間には間隙が形成されている。この間隙の大きさD(
図6参照)は、例えば2mm程度である。
【0044】
図7〜
図9に示すように、上述したようにカバー部40が撓んだ際には、複数の押圧部材48の各々の押圧面48aが後輪10の外周面10aを押圧するようになる。
【0045】
[効果]
次に、本実施の形態の車両2により得られる効果について説明する。上述したように、カバー部40の裏面には複数の押圧部材48が配置されている。これにより、例えば子供がカバー部40上に足を乗せるなどしてカバー部40に外力が加わった場合には、
図8及び
図9に示すように、カバー部40が固定部42(ボルト46)を支点として後輪10側に撓むことにより、複数の押圧部材48の各々の押圧面48aが後輪10の外周面10aを押圧するようになる。その結果、カバー部40の撓み量は、複数の押圧部材48と後輪10の外周面10aとの間の間隙の大きさに対応した撓み量となるので、カバー部40の撓みによる変形を最小限に抑えることができ、カバー部材12の破損を抑制することができる。
【0046】
さらに、複数の押圧部材48の各々の押圧面48aが後輪10の外周面10aを押圧することにより、押圧面48aと後輪10の外周面10aとの間に摩擦抵抗が生じるようになる。これにより、後輪10の回転が規制されるので、例えば子供がカバー部40上に足を乗せた際に車両2が動き出すのを抑制することができ、安全性を高めることができる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、
図10及び
図11を参照しながら、実施の形態2に係る車両2Aの構成について説明する。
図10は、実施の形態2に係る車両の後輪及びカバー部材を拡大して示す透過斜視図である。
図11は、カバー部材が撓んだ状態における後輪及びカバー部材を示す図である。なお、以下に示す各実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0048】
図10に示すように、本実施の形態の車両2Aでは、カバー部材12Aの固定部42Aは、後輪10の側面10bを覆うように配置されている。固定部42Aは、後輪10の外周面10aよりも後輪10の径方向内側で、ボルト50で支持フレーム38に固定されている。接続部44Aは、カバー部40と固定部42Aとを相互に接続しており、後輪10の側面10b及び支持フレーム38を側方より覆っている。
【0049】
上述したように、固定部42Aは車両本体6(支持フレーム38)に固定され、カバー部40は車両本体6に固定されていない。すなわち、カバー部材12Aの支持構造は、X軸方向(後輪10の軸方向)において固定部42A(ボルト50)を固定端、カバー部40を自由端とする片持ち構造である。これにより、
図11中の矢印Fで示すように、カバー部40に下方向への外力が加わった際には、カバー部40は、
図11中の矢印Tで示すように固定部42A(ボルト50)を支点として後輪10側に撓むようになる。
【0050】
したがって、本実施の形態においても、カバー部40が撓んだ際には、複数の押圧部材48の各々の押圧面48aが後輪10の外周面10aを押圧するようになるので、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、支持フレーム38が後輪10の軸方向外側に配置されている場合について説明したが、支持フレーム38が後輪10の軸方向内側にも配置されている場合には、固定部42Aを後輪10の軸方向内側で支持フレーム38に固定してもよい。この場合においても、カバー部材12Aの支持構造は、X軸方向において固定部42A(ボルト50)を固定端、カバー部40を自由端とする片持ち構造となる。
【0052】
(実施の形態3)
次に、
図12を参照しながら、実施の形態3に係る車両2Bの構成について説明する。
図12は、実施の形態3に係る車両の後輪及びカバー部材の要部断面図である。
【0053】
図12に示すように、本実施の形態の車両2Bでは、カバー部材12Bのカバー部40Bの裏面には、複数の押圧部材48Bが配置されている。複数の押圧部材48Bは、後輪10の外周面10aの周方向に間隔を置いて配置されている。複数の押圧部材48Bの各々は、後輪10の外周面10aの周方向に延びる横長のプレート状に構成されており、カバー部40Bの裏面から後輪10の外周面10aに向けて延びている。複数の押圧部材48Bの各々の厚み(X軸方向における大きさ)は、例えば2mm程度に構成されている。なお、複数の押圧部材48Bの各々の押圧面48Baは、平面状に構成されている。なお、カバー部材12Bの支持構造は、上記実施の形態1と同様に、Y軸方向において固定部42(ボルト46)(
図4参照)を固定端、カバー部40Bを自由端とする片持ち構造である。
【0054】
したがって、本実施の形態においても、カバー部40Bに外力が加わることによりカバー部40Bが撓んだ際には、複数の押圧部材48Bの各々の押圧面48Baが後輪10の外周面10aを押圧するようになるので、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0055】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態1〜3に係る車両について説明したが、本発明は、上記実施の形態1〜3に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態1〜3を組み合わせてもよい。
【0056】
上記各実施の形態では、車両2(2A,2B)を電動アシストカートで構成したが、これに限定されず、例えばベビーカー、シルバーカー、車椅子又はショッピングカート等のように、ユーザが車両を押すことにより車両を走行させる形態のものであれば適宜の車両で構成することができる。
【0057】
上記各実施の形態では、カバー部40(40B)の裏面に複数の押圧部材48(48B)を配置したが、これに限定されず、例えば1個の押圧部材48(48B)のみを配置することもできる。
【0058】
上記各実施の形態では、複数の押圧部材48(48B)を後輪10の外周面10aの周方向に間隔を置いて配置したが、これに限定されず、例えば後輪10の外周面10aの幅方向に間隔を置いて配置してもよい。
【0059】
上記各実施の形態では、カバー部40(40B)と複数の押圧部材48(48B)とを樹脂の一体成形で構成したが、これに限定されず、例えば複数の押圧部材48(48B)をカバー部40(40B)とは別部品とし、複数の押圧部材48(48B)を接着剤等でカバー部40(40B)の裏面に固定してもよい。
【0060】
上記実施の形態1及び3では、固定部42に近い側の押圧部材48と後輪10の外周面10aとの間に形成された間隙の大きさD、及び、固定部42から遠い側の押圧部材48と後輪10の外周面10aとの間に形成された間隙の大きさDを同じ大きさに構成したが、例えば次のように構成してもよい。すなわち、固定部42に近い側の押圧部材48と後輪10の外周面10aとの間に形成された間隙の大きさを、固定部42から遠い側の押圧部材48と後輪10の外周面10aとの間に形成された間隙の大きさよりも小さく構成してもよい。カバー部40(40B)の撓み量は、固定部42から遠いほど大きくなるので、上述したように間隙の大きさを構成することにより、複数の押圧部材48(48B)の各々の押圧面48a(48Ba)を後輪10の外周面10aに効果的に押圧させることができる。