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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-224024(P2015-224024A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】自転車のボディーフレーム
(51)【国際特許分類】
   B62K 19/16 20060101AFI20151117BHJP
【FI】
   B62K19/16
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-103328(P2015-103328)
(22)【出願日】2015年5月21日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0063512
(32)【優先日】2014年5月27日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515138377
【氏名又は名称】ウィン アンド ウィン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ドン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウン ジェ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自転車のボディーフレームをカーボン素材で形成し、各チューブの外径をクラシックタイプの自転車のボディーフレームの太さとしても十分な剛性を確保する。
【解決手段】前端から後端まで同一外径を有する円形のパイプ形状であり、後端から前端に向かうほど内径を漸次縮小し、前端部分の肉厚が後端部分の肉厚に比べて相対的に厚いトップチューブ110と;前記トップチューブ110と同一の外径を有する円形のパイプ形状であり、後端から前端に向かうほど内径を漸次縮小し、前端部分の肉厚が後端部分の肉厚に比べて相対的に厚いボトムチューブ120と;前記トップチューブ110と同一の外径を有する円形のパイプ形状であり、上端から下端に向かうほど内径を漸次縮小し、前記ボトムチューブ120と連結される下端部分の肉厚が前記トップチューブ110と連結される上端部分の肉厚に比べて相対的に厚いシートチューブ130とから構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドチューブ、トップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブを含んで構成される自転車のボディーフレームにおいて、
前端から後端まで15〜35mmの範囲内で同一の外径を有する円形のパイプ形状であり、後端から前端に向かうほど内径が漸次縮小され、前端部分の肉厚が後端部分の肉厚に比べて相対的に厚くカーボン素材で形成されたトップチューブと、
前記トップチューブと同一の外径を有する円形のパイプ形状であり、後端から前端に向かうほど内径が漸次縮小され、前端部分の肉厚が後端部分の肉厚に比べて相対的に厚くカーボン素材で形成されたボトムチューブと、
前記トップチューブと同一の外径を有する円形のパイプ形状であり、上端から下端に向かうほど内径が漸次縮小され、前記ボトムチューブと連結される下端部分の肉厚が前記トップチューブと連結される上端部分の肉厚に比べて相対的に厚くカーボン素材で形成されたシートチューブとを備える
ことを特徴とする自転車のボディーフレーム。
【請求項2】
前記トップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブのそれぞれの内面上には段が形成された
請求項1に記載の自転車のボディーフレーム。
【請求項3】
前記トップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブのうちいずれか一つ以上のチューブは、肉厚が厚い部分の区間の内部に充填剤が充填された
請求項1または2に記載の自転車のボディーフレーム。
【請求項4】
前記充填剤は、アラミド繊維が含浸されたエポキシ樹脂である
請求項3に記載の自転車のボディーフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボン素材を使用してボディーフレームを構成するトップチューブ、ボトムチューブ、シートチューブ、チェーンチューブなどの外径をクラシックタイプの自転車におけるボディーフレームの太さ(金属素材の円形パイプでボディーフレームが構成されるときの太さ)に製作したとしても、十分な剛性を確保すると共に、ボディーフレームの重さを相対的に低下させ得るようにする自転車のボディーフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
陸上運送手段の一つである自転車は、運転手の駆動力に基づいて駆動できるので、環境汚染防止及び省エネなどの次元で非常に有用である。さらに、自転車は、運転手の体力を増強させることができ、レジャー活動の道具としても利用され得る側面で人気が多い。すなわち、自転車は、運送手段のみならず、スポーツまたはレジャー道具としても多く利用されている。そこで、自転車は、用途、構造、材質、駆動原理などによって多様に区分することができる。
【0003】
使用者の用途観点では、自転車は、一般用、競技用、山岳用、レジャー用などに区分することができる。特に、一般用自転車の場合は、運転手のみが搭乗できる1人用、2人以上が搭乗できる多人乗用、搭乗者の後方に貨物を積み込める貨物用などがある。
【0004】
自転車の構造側面では、区分基準に応じてさらに多くの形態に区分きるが、例えば、自転車の胴体が折り畳まれるか否かによって折り畳み式自転車と非折り畳み式自転車に区分することができる。
【0005】
また、自転車の材質側面では、自転車のボディーフレームをなす主要材質が冷延鋼板、ステンレススチール、クロム―モリブデン鋼、アルミニウム、チタン、マグネシウム、カーボン繊維などであるか否かによっても区分することができる。特に、このようなボディーフレームの材質差によっては、自転車の全体重量に及ぼす影響が非常に大きい。例えば、クロム―モリブデン鋼の比重を100とした場合、チタンの比重は50、アルミニウムの比重は34である一方、カーボンは18水準であり、カーボン素材を用いたボディーフレームが装着された自転車は、他の素材を使用して製作した自転車に比べて軽くなる。
【0006】
前記の各区分例のように、自転車は、その区分基準に従って多様に区分できるが、本発明を説明するためには、ボディーフレームの外観による基準に従ってクラシックタイプの自転車とモダンタイプの自転車に区分する必要がある。そこで、本明細書の全般では、自転車のボディーフレームの外観による区分において、自転車のボディーフレームをなすヘッドチューブ(head tube)、トップチューブ(top tube)、ボトムチューブ(bottom tube)、シートチューブ(seat tube)、リアチューブ(rear tube)、チェーンチューブ(chain tube)などのそれぞれは概して円形パイプからなり、各チューブの連結部分が互いに溶接されたり、別途の連結手段を通じて連結された構造に対してクラシックタイプの自転車と区分することにする。その一方、ボディーフレームをなすそれぞれのチューブの直径または太さがクラシックタイプの自転車のそれらに比べて相対的に大きいか厚く、各チューブが円形パイプからなるよりは多様な形態にデザインされたものに対してモダンタイプの自転車と区分することにする。このような区分は、伝統的なスタイル(classical style)の自転車の場合は主に鉄を主成分とした金属の円形パイプでそのボディーフレームが製作された一方、現代的なスタイル(modern style)の自転車の場合は主要な使用用途に応じてカーボンなどの新素材でボディーフレームが製作され得ることから、より多様にデザインされている現実を反映したものである。
【0007】
図1は、従来のクラシックタイプの自転車10の一例を示した図で、ボディーフレーム11をなすトップチューブ12、ボトムチューブ13及びシートチューブ14などは、互いに直径には差があり得るが、それら各チューブは概して円形パイプからなる。このようなクラシックタイプの自転車10は、山岳用またはレジャー用自転車よりは、一般用または競技用自転車として主に使用されている。特に、ボディーフレーム11がスチールやアルミニウムなどを主成分とした金属で製作された自転車がこれに該当し得る。
【0008】
図2は、従来のモダンタイプの自転車20の一例を示した図で、ボディーフレーム21をなすトップチューブ22、ボトムチューブ23及びシートチューブ24などが互いに異なる太さからなるが、それぞれのチューブは、円形パイプを連結して製作するよりは、その全体が一体に成形されたり、または、部分的に成形された後、別途の組立工程を通じて組み立てが行われた構造である。特に、ボディーフレーム21が概してカーボン素材からなる山岳用またはレジャー用自転車の場合がこれに該当し得る。
【0009】
図1図2を例に挙げて区分したクラシックタイプの自転車10とモダンタイプの自転車20は、ボディーフレーム11、21をなす各チューブの外径(または太さ)で大きな特徴的な差を有する。すなわち、クラシックタイプの自転車10の各チューブ12、13、14は、それに対応するモダンタイプの自転車20の各チューブ22、23、24に比べて外径(または太さ)が相対的に小さい。これは、クラシックタイプの自転車10のボディーフレーム11は金属の円形パイプからなるので、直径が細いとしても剛性が大きい一方、モダンタイプの自転車20のボディーフレーム21は主にカーボン素材を用いた成形を通じて製作されるので、十分な剛性を確保するためにはその外径(または太さ)が相対的に厚くなるしかないためである。
【0010】
もちろん、モダンタイプの自転車20のボディーフレーム21をなす各チューブ22、23、24が相対的に厚く形成されたことは、その材質のみから起因するのではない。山岳用またはレジャー用自転車は、そのデザインをより活動的で且つ強く、洗練されたイメージに提供するために太くした側面もある。
【0011】
一方、クラシックタイプの自転車のボディーフレームは、図1に示したように、概してシートチューブ14を基準にして前方にはトップチューブ12とボトムチューブ13が三角形の形態をなし、後方にはリアチューブ15とチェーンチューブ16が三角形の形態をなすので、全体的にはダイヤモンド形態をなす構造が多い。このような構造のボディーフレーム11においては、運転手がペダルを踏んで運転する過程では、トップチューブ12の前方部分12a、ボトムチューブ13の前方部分13a、シートチューブ14の下端部分14aなどに相対的にねじり応力が集中する。そのため、モダンタイプの自転車のボディーフレームは、図2に示したように、トップチューブ22の前方部分22a、ボトムチューブ23の前方部分23a、シートチューブ24の下端部分24aが相対的に厚く形成される。
【0012】
従来のクラシックタイプの自転車は、主に円形の金属パイプを連結する方式で製作されることによって、ボディーフレームを成す各チューブの前後部分(または上下部分)の外径が該して同一であった。また、主にカーボン素材を用いてボディーフレームを製作するモダンタイプの自転車の場合は、各チューブの前後部分(または上下部分)を異なる太さに成形することが容易になり、その結果、多様なデザインに設計することができる。
【0013】
ところが、従来は、自転車のボディーフレームをなす各チューブのデザインを伝統的な構造に維持しながら、その材質をカーボン素材で製作しようとする試みがなかった。また、クラシックタイプの自転車は、ボディーフレームが主に金属で製作されることによって、重さが相当であり、使用者が取り扱うのに不便な点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】大韓民国特許庁登録特許公報10―13375933333号
【特許文献2】大韓民国特許庁公開特許公報10―2012―0028549号
【特許文献3】大韓民国特許庁特許公報特1994―0008585号
【特許文献4】大韓民国特許庁登録実用新案公報20―0163166号
【特許文献5】大韓民国特許庁登録特許公報10―0938175号
【特許文献6】米国特許庁登録特許公報US6,012,733号
【特許文献7】米国特許庁登録特許公報US7,574,074号
【特許文献8】米国特許庁登録特許公報US7,793,959号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、自転車のボディーフレームをなすトップチューブ、ボトムチューブ、シートチューブなどを製作する主要材料としてカーボン素材を使用し、各チューブの外径をクラシックタイプの自転車のボディーフレームの太さにしたとしても十分な剛性を確保できるようにする自転車のボディーフレームを提供することを目的とする。
【0016】
また、金属素材を主要材料として使用して製作されていた伝統的なスタイルの自転車の外観を維持しながらも、自転車全体の重量を大きく低下させ得る自転車のボディーフレームを提供することを目的とする。
【0017】
特に、自転車のボディーフレームをなすトップチューブ、ボトムチューブ、シートチューブなどでねじり応力が集中する部分を相対的に補強できる自転車のボディーフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述したような目的を解決するための手段として、本発明は、次のような構成からなり得る。
【0019】
本発明に係る自転車のボディーフレームにおいて、トップチューブ、ボトムチューブ、シートチューブのそれぞれは一端から他端までの外径が同一なパイプ形状であり、各チューブの肉厚は一端に比べて他の一端が相対的に大きく形成され、各チューブはカーボン素材で製作され得る。
【0020】
本発明の実施例に係る自転車のボディーフレームにおいて、トップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブの肉厚は、いずれか一端から他の一端に向かうほど漸次または段階的に厚くなる構造で形成され得る。
【0021】
本発明の実施例に係る自転車のボディーフレームにおいて、トップチューブの肉厚は前部分が厚く、ボトムチューブの肉厚はトップチューブの前部に連結される前側(上部)部分が厚く、シートチューブの肉厚はボトムチューブの後側(下部)部分に連結される下側部分が厚く形成され得る。
【0022】
本発明の実施例に係る自転車のボディーフレームにおいて、トップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブのうちいずれか一つ以上のチューブは、肉厚が厚い部分の区間の内部には充填剤が充填された構造からなり得る。
【0023】
本発明の実施例に係る自転車のボディーフレームにおいて、充填剤は、アラミド繊維が含浸されたエポキシ樹脂からなり得る。
【0024】
本発明の実施例に係る自転車のボディーフレームにおいて、ボトムチューブの外径はシートチューブの外径に比べて太く、シートチューブの外径はトップチューブの外径に比べて太く形成された構造からなり得る。
【0025】
本発明の実施例に係る自転車のボディーフレームにおいて、トップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブのそれぞれは、一端から他端までの外径が15mm〜35mmの同一のパイプ形状であり、各チューブの肉厚は、一端から他の一端に向かうほど漸次または段階的に厚くなる構造で形成され得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る自転車のボディーフレームは、既存のクラシックタイプの自転車のボディーフレームと同様に、ボディーフレームを構成するトップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブなどがそれぞれ前端(または上端)から後端(または下端)まで同一の外径を有する円形パイプ形状からなり、その外径は、クラシックタイプの自転車のボディーフレームを構成するトップチューブ、ボトムチューブ及びシートチューブなどと比較したとき、それぞれの外径が類似するサイズに形成されたとしても、各チューブがカーボン素材で構成されることによって、既存のクラシックタイプの自転車に比べて相対的に軽い自転車を提供できるという大きな長所を有する。
【0027】
また、本発明に係る自転車のボディーフレームは、既存のクラシックタイプの自転車のボディーフレームの外観を維持しながら、ねじり応力が集中する部分の肉厚が相対的に厚く形成されることによって、全体的な構造の安定性を確保できるという長所を有する。
【0028】
特に、本発明に係る自転車のボディーフレームは、クラシックタイプの自転車のボディーフレームが主に金属素材の円形パイプで製作されると見なされていたパラダイムを転換させ得るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来の一例のクラシックタイプの自転車の構造の説明図
図2】従来の一例のモダンタイプの自転車の構造の説明図
図3】本発明の一実施例に係る自転車のボディーフレームの構造の説明図
図4】本発明の一実施例に係るボディーフレームに適用されるチューブの構成の説明図
図5図4に示されたA―A線とB―B線断面図
図6】本発明の他の実施例に係るボディーフレームに適用されるチューブの構成の説明図
図7】本発明の別実施例図
図8】本発明の別実施例図
図9】本発明の別実施例図
図10】本発明の別実施例図
図11】本発明の他の実施例に係るボディーフレームの構造の説明図
図12】本発明の更に他の実施例によって構成されたボディーフレームをなすチューブの一側部分に充填剤が充填された状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、本発明に係る自転車のボディーフレームについて、いくつかの実施例を示した各図面を参考にしてより具体的に説明する。図面に表示される図面符号100は、本発明の実施例に係るボディーフレームを指示する。
【0031】
本発明に係るボディーフレーム100は、図3に示したように、トップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130が概して三角形態に配列される一方、各チューブ110、120、130は前端(または上端)から後端(または下端)までの外径が同一な円形のパイプ形状をなすクラシックタイプの自転車に適用できるようにするためのものである。特に、トップチューブ110、ボトムチューブ120、シートチューブ130、リアチューブ140及びチェーンチューブ150が概してダイヤモンド形態をなすように配列されることによって、クラシックタイプの自転車の外観を備えることもできる。そして、トップチューブ110の前端とボトムチューブ120の前端は、ハンドルとフォークを連結するヘッドチューブ(図示せず)と一体に連結される。
【0032】
クラシックタイプの自転車の外観に適するように、トップチューブ110はほぼ水平に近く配列されたり、または前端が後端に比べて高く配列され、ボトムチューブ120の前端(上端)はトップチューブ110の前端と鋭角をなすように配列され、シートチューブ130の後端(上端)はトップチューブ110の後端と鋭角をなすように配列され、ボトムチューブ120の後端(下端)はシートチューブ130の前端(下端)と鋭角をなすように配列され得る。すなわち、ボディーフレーム100を構成する各チューブは、シートチューブ130を基準にしてトップチューブ110とボトムチューブ120が三角形態に配列される一方、リアチューブ140とチェーンチューブ150が三角形態に配列され、全体的にはダイヤモンド形態をなす既存の伝統的スタイルの自転車と類似する構造をなすようになる。
【0033】
特に、本発明の実施例に係る自転車のボディーフレーム100を構成するトップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130はカーボン素材を主成分として成形・製作されるが、既存のモダンタイプの自転車のそれらとは異なり、各チューブ110、120、130の前端(上端)から後端(下端)まで同一の外径を有する円形パイプ形状からなる。このとき、各チューブ110、120、130は、ねじり応力を相対的に多く受ける側の端部の肉厚が、そうでない側の端部の肉厚に比べて相対的に厚く形成される。ここで、ねじり応力を相対的に多く受ける部分は、図面に表示したように、トップチューブ110とボトムチューブ120の場合は前端部分110a、120aであり、シートチューブ130の場合は下端部分130aである。
【0034】
全体的にはクラシックタイプの自転車におけるボディーフレームの外観を維持した状態でねじり応力を相対的に多く受ける部分を補強できるようにするために、ボディーフレーム100をなす各チューブ110、120、130は、いずれか一端から他の一端に向かうほどその肉厚が漸次または段階的に厚くなる構造からなる。すなわち、各チューブ110、120、130は、前端と後端(または上端と下端)の外径が同一であるが、内径はいずれか一端から他の一端に向かうほど漸次または段階的に小さくなる構造からなり得る。各チューブ110、120、130の一端から他の一端に向かうほど肉厚が漸次厚くなり得るようにするために、カーボンシートとエポキシ樹脂などを原料として使用して円形パイプ形状に成形する工程でカーボンシートの厚さ、カーボンシートの配列方向、積層されるカーボンシートの枚数などを調節する方式を通じて所望の厚さに形成することができる。また、一端から他の一端に向かうほど段階的に肉厚が厚くなり得るようにするためには、カーボンシートを用いて円形パイプを製作する工程でカーボンシートの積層枚数を調節し、隣接する区間の肉厚を異ならせることができる。
【0035】
図4は、本発明の一実施例に係るボディーフレーム100を構成する各チューブ110、120、130の肉厚がいずれか一端から他の一端に向かうほど漸次厚く形成された形態を示した図で、図5は、図4に表示したA―A及びB―B線断面図である。図5で表現されたように、各チューブ110、120、130の断面構造は円形からなり得る。
【0036】
図6は、本発明の他の実施例に係るボディーフレームを構成するトップチューブ210、ボトムチューブ220及びシートチューブ230の肉厚がいずれか一端に比べて他の一端が段階的に厚く形成された形態を示した図で、(a)は、各チューブ210、220、230の肉厚が2段の差を有する場合を示し、(b)は、各チューブ210、220、230の肉厚が3段以上の差を有する場合を示す。このように、トップチューブ210、ボトムチューブ220及びシートチューブ230の内部面上に段210a、220a、230aが形成されることによって、相対的に剛性がさらに要求される区間には集中的な補強が行われ得るようになり、その結果、各チューブの外径は細く維持できるようになる。
【0037】
一方、本発明の実施例に係るボディーフレーム100において、トップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130は、図7に示したように、各チューブの外径が全て同一であるが、一端から他の一端に向かうほど肉厚が厚くなる形態で構成されることもあるが、図8に示したように、ボトムチューブ120のみにそのような構造が適用されることもあり、図9に示したように、ボトムチューブ120とシートチューブ130のみにそのような構造が適用されることもあり、図10に示したように、トップチューブ110とボトムチューブ120にそのような構造が適用されることもある。
【0038】
そして、本発明の実施例に係る自転車のボディーフレーム100は、図11に示すように、トップチューブ110の外径に比べてボトムチューブ120とシートチューブ130の外径が相対的に大きく、シートチューブ130の外径に比べてボトムチューブ120が外径が相対的に大きい構造からなり得る。
【0039】
一方、本発明の多くの実施例に適用され得るボディーフレーム100を構成する各チューブ110、120、130は、全体的にクラシックタイプの自転車におけるボディーフレームの外観と認識され得るように、その外径の直径が15mm〜35mmの範囲内の円形パイプ構造からなる。各チューブは、カーボンシートを用いて別途に成形工程を通じて製作された後、組み立て工程を通じて一体化される方式で製作され得る。
【0040】
図12は、本発明に係る自転車のボディーフレームの他の実施例を示した図で、ボディーフレーム100をなすトップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130のうちいずれか一つ以上のチューブの肉厚が厚い部分に充填剤300が充填された構造である。このときに使用される充填剤300としては、アラミド繊維が含浸されたエポキシ樹脂を使用することができる。このように、アラミド繊維が含浸されたエポキシ樹脂などを充填剤として使用すると、衝撃強度、耐疲労度などを優秀にすることができる。
【0041】
充填剤300は、カーボン素材を用いて円形パイプ形態に成形する過程で上下に位置するシート形態の各カーボン間に充填剤を充填する工程、または、カーボン素材を用いてパイプ形態に成形され、肉が薄くなった特定の部位に充填剤を充填する工程などを通じて充填され得る。
【0042】
一方、図12は、ボディーフレーム100をなすトップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130のそれぞれの一側区間に充填剤300が充填された構造を示しているが、これは、トップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130のうちいずれか一つまたは二つのチューブに対してのみ適用されることもある。
【0043】
このように、ボディーフレーム100の主要部分を構成するトップチューブ110、ボトムチューブ120及びシートチューブ130の一部または全体がカーボン素材を主原料として製作されたとしても、既存には金属素材で製作されていたクラシックタイプの自転車のボディーフレームの外観を備えられるようになる。
【0044】
既存には、クラシックタイプに区分される自転車のボディーフレームは、金属を主要素材として製作された各円形パイプに製作されることによって、ボディーフレームを構成する各チューブの太さが相対的に小さく形成されてきた一方、主に山岳用自転車またはレジャー用自転車などのモダンタイプの自転車のボディーフレームの製作にはカーボン素材が使用されることによって、ボディーフレームを構成する各チューブの太さが相対的に大きく形成されていた。
【0045】
したがって、本発明に係る自転車のボディーフレーム100は、各チューブがカーボン素材で成形されたとしても、モダンタイプの自転車のボディーフレームに比べて各チューブの外径(または太さ)が相対的に小さいので、全体的にはクラシックタイプの自転車に適用されるボディーフレームの外観を備えられるようになる。
【0046】
このように、ボディーフレーム100の全体的な外観は、クラシックタイプの自転車におけるボディーフレームと同様に、各円形パイプを連結して製作したのと同じ雰囲気を演出できるようになる。
【0047】
特に、このようなボディーフレーム100が適用されたクラシックタイプの自転車の全体重量は、金属素材で製作されていた既存のボディーフレームが適用されたクラシックタイプの自転車に比べて相対的に軽いので、使用者等の使用及び管理が容易になる。
【0048】
以上では、添付の各図面を参照しながら、本発明に係る自転車のボディーフレームのいくつかの実施例について説明した。これら各実施例は、本発明の特許請求の範囲に記載の技術思想に含まれるものである。また、これら各実施例は、例示的なものに過ぎなく、本発明の特許請求の範囲を解釈するにおいて限定的に解釈されない。
【符号の説明】
【0049】
100 ボディーフレーム
110 トップチューブ
120 ボトムチューブ
130 シートチューブ
300 充填剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12