【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の硬化性組成物は、加水分解性シリル基を1分子当たり平均して2.5個以上有するポリアルキレンオキサイド(A)と、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)と、錫含有シラノール縮合触媒(C)とを含むことを特徴とする。
【0009】
[ポリアルキレンオキサイド(A)]
硬化性組成物に含まれているポリアルキレンオキサイド(A)は、加水分解性シリル基を有している。加水分解性シリル基とは、珪素原子に1〜3個の加水分解性基が結合してなる基である。
【0010】
加水分解性シリル基の加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。
【0011】
なかでも、加水分解性シリル基としては、加水分解反応が穏やかであることから、アルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、及びトリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、及びジエトキシメチルシリル基などのジメトキシシリル基;並びに、メトキシジメトキシシリル基、及びエトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基が挙げられる。なかでも、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の機械的強度がより優れていることから、ジアルコキシシリル基がより好ましく、ジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。
【0012】
ポリアルキレンオキサイド(A)は、1分子中に平均して、2.5個以上の加水分解性シリル基を有しており、3.0個以上の加水分解性シリル基を有していることが好ましい。ポリアルキレンオキサイド(A)が1分子中に平均して2.5個以上の加水分解性シリル基を有していることにより、硬化性組成物を硬化させて形成される硬化物の伸び性が優れていると共に、硬化性組成物は優れた硬化性を有し短時間のうちに硬化させることができる。硬化性組成物の初期効果を促進させることができるので、ポリアルキレンオキサイド(A)は、1分子中に平均して、5.0個以下の加水分解性シリル基を有していることが好ましく、3.1個以下の加水分解性シリル基を有していることがより好ましい。また、ポリアルキレンオキサイド(A)は、その主鎖の両末端のうち少なくとも一方に加水分解性シリル基を有していることが好ましい。
【0013】
なお、ポリアルキレンオキサイド(A)中における、1分子当たりの加水分解性シリル基の平均個数は、
1H−NMRにより求められるポリアルキレンオキサイド(A)中の加水分解性シリル基の濃度、及びGPC法により求められるポリアルキレンオキサイド(A)の数平均分子量に基づいて算出することができる。
【0014】
ポリアルキレンオキサイド(A)としては、主鎖が、一般式:−(R−O)
n−(式中、Rは炭素数が1〜14のアルキレン基を表し、nは、繰り返し単位の数であって正の整数である。)で表される繰り返し単位を含有する重合体が好ましく挙げられる。ポリアルキレンオキサイドの主鎖骨格は一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位からなっていてもよい。
【0015】
ポリアルキレンオキサイド(A)の主鎖骨格としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合体、及びポリプロピレンオキサイド−ポリブチレンオキサイド共重合体などが挙げられる。なかでも、ポリプロピレンオキサイドが好ましい。ポリプロピレンオキサイドによれば、より優れた機械的強度及び伸び性を有する硬化物を形成することができる硬化性組成物を提供することができる。
【0016】
ポリアルキレンオキサイド(A)の数平均分子量は、8000〜50000が好ましく、15000〜40000がより好ましい。ポリアルキレンオキサイド(A)の数平均分子量が8000以上であると、硬化性組成物の硬化物の伸び性が向上し、硬化性組成物の接着性が向上する。ポリアルキレンオキサイド(A)の数平均分子量が50000以下であると、硬化性組成物が適度な粘度を有し、硬化性組成物の塗工性が向上する。
【0017】
なお、本発明において、ポリアルキレンオキサイド(A)の数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、ポリスチレンにより換算された値である。例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
【0018】
<測定装置>
Waters社製 製品名「Waters 2690」
<測定条件>
カラム :Shodex GPC KF800D
(4.6mm ID250mm)×2本
カラム温度 :40℃
移動相 :テトラヒドロフラン(0.3mL/分)
サンプル濃度:0.2重量%
検出器 :RI WATERS社製 製品名「2414」
【0019】
ポリアルキレンオキサイド(A)は、市販されているものを用いることができる。例えば、主鎖骨格がポリプロピレンオキサイドであり、主鎖骨格の末端にジメトキシメチルシリル基を有しているポリアルキレンオキサイド(A)としては、旭硝子株式会社製 製品名「エクセスター S4530」、及びカネカ社製 製品名「HS−1」「HS−2」「HS−6」などが挙げられる。
【0020】
[1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)]
硬化性組成物は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)又はその錯体(B)を含んでいる。硬化性組成物の硬化速度が速いので、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)は錯体を形成していないこと)が好ましい。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)は、シラノール基同士の脱水縮合反応を促進させるための触媒である。なお、シラノール基とは、ケイ素原子に直接結合しているヒドロキシ基(≡Si−OH)を意味する。シラノール基は、加水分解性シリル基が加水分解することにより形成される。
【0021】
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの錯体(B)としては、特に限定されず、例えば、フェノール、酢酸、オクチル酸などの酸と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンとの塩、ベンジルアンモニウムクロライド、クロロスルホン酸などの炭化水素ハロゲン化合物と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンとの塩、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの金属(銅、ニッケルなど)錯体などが挙げられる。なお、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの錯体(B)は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0022】
硬化性組成物中において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して0.05〜0.5重量部が好ましく、0.10〜0.40重量部がより好ましく、0.20〜0.35重量部が特に好ましい。なお、硬化性組成物中において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及びその錯体の双方を含有している場合には、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)の含有量とは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及びその錯体の総含有量をいう。硬化性組成物中において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)の含有量が0.05重量部以上であると、硬化性組成物を硬化させて形成される硬化物が、機械的強度及び伸び性に優れていると共に、硬化性組成物は優れた硬化速度を有し、短時間のうちに硬化させることができる。硬化性組成物中において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)の含有量が0.5重量部以下であると、硬化性組成物を硬化させて形成される硬化物の表面のべたつきを抑え、硬化物の耐汚染性を向上させることができる。
【0023】
[錫含有シラノール縮合触媒]
本発明の硬化性組成物は、錫含有シラノール縮合触媒を含有している。錫含有シラノール縮合触媒(C)は、シラノール基同士の脱水縮合反応を促進させるための錫触媒である。
【0024】
錫含有シラノール縮合触媒(C)としては、有機錫系化合物が挙げられる。錫含有シラノール縮合触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0025】
有機錫系化合物としては、特に限定されないが、硬化性組成物の硬化物の初期せん断応力を高めることができることから、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫(2−エチルヘキサノエート)、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、ジブチル錫オクトレート、ジブチル錫ジラウレート、ビス(ジブチル錫ビストリエトキシシリケート)オキサイド、及びジブチル錫オキシビスエトキシシリケート、ジブチル錫オキシビスエトキシシリケートなどのジブチル錫化合物、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)などのジオクチル錫化合物が好ましく、ジブチル錫化合物がより好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)が特に好ましい。
【0026】
硬化性組成物中における錫含有シラノール縮合触媒(C)の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して0.05〜5.0重量部が好ましく、0.5〜5.0重量部がより好ましい。シラノール縮合触媒(C)の含有量を上記範囲内とすることによって、硬化性組成物の硬化速度を速くすることができ、硬化性組成物の内部まで短時間のうちに硬化させることができる。
【0027】
硬化性組成物に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)と、錫含有シラノール縮合触媒(C)とが含有されていることによって、ポリアルキレンオキサイド(A)の加水分解性シリル基の脱水縮合反応の速度が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン若しくはその錯体(B)、又は、錫含有シラノール縮合触媒(C)の何れかを単独で含有している場合に比して飛躍的に速くなり、硬化性組成物の硬化性が向上し、硬化性組成物を内部まで短時間のうちに硬化させることができる。これは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)が、ポリアルキレンオキサイド(A)又は錫含有シラノール縮合触媒(C)の活性を高め、その結果、ポリアルキレンオキサイド(A)の加水分解性シリル基の脱水縮合反応が促進されるためであると考えられる。
【0028】
また、硬化性組成物中に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)と、錫含有シラノール縮合触媒とが含有されていることによって、硬化性組成物を硬化させて生成される硬化物は、引張強度などの機械的強度と、伸び性の双方に優れている。
【0029】
硬化性組成物中において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)と、錫含有シラノール縮合触媒(C)との含有比率〔(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体)/錫含有シラノール縮合触媒〕は、0.1〜0.4が好ましく、0.15〜0.25がより好ましい。上記含有比率が上記範囲内であると、硬化性組成物の硬化性に更に優れ、硬化性組成物を短時間のうちに硬化させることができると共に、硬化性組成物の硬化物は、より優れた機械的強度及び伸び性を有している。なお、硬化性組成物に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及びその錯体が含まれている場合には、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン又はその錯体(B)は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及びその錯体の総含有量とする。
【0030】
[充填材]
硬化性組成物は、充填材を更に含んでいることが好ましい。硬化性組成物に充填材が含有されていることによって、硬化性組成物の硬化物の引張強度などの機械的強度及び伸び性が向上し、硬化性組成物を接着剤として用いた場合、硬化物は、破断などすることなく変形に対して円滑に追従し、硬化性組成物は優れた接着性を有する。
【0031】
充填材としては、無機系充填材が好ましく挙げられる。無機系充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化二鉄、酸化カリウム、石英、酸化亜鉛、及び酸化マグネシウムなどが挙げられ、炭酸カルシウムが好ましい。充填材は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0032】
充填材は表面処理が施されていてもよい。表面処理は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ロジン酸、樹脂酸などの有機化合物による表面処理、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤などの金属又は半金属を用いた表面処理などが挙げられる。
【0033】
硬化性組成物中における充填材の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して100〜300重量部が好ましく、130〜210重量部がより好ましい。充填材の含有量が上記範囲内であると、硬化性組成物の硬化物は、引張強度などの機械的強度及び伸び性に更に優れている。
【0034】
[シランカップリング剤]
硬化性組成物は、シランカップリング剤を更に含んでいることが好ましい。シランカップリング剤をポリアルキレンオキサイド(A)と組み合わせて用いることにより、硬化性組成物の接着性をより向上させることができる。
【0035】
シランカップリング剤としては、例えば、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、カルボキシシランカップリング剤、ハロゲンシランカップリング剤、カルバメートシランカップリング剤、アルコキシシランカップリング剤、及び酸無水物シランカップリング剤などが挙げられる。なかでも、ポリアルキレンオキサイド(A)との相乗効果が得られやすいことから、アミノシランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0036】
アミノシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシリル)プロピル]ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0037】
なかでも、アミノシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリエトキシシランが好ましく挙げられ、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましく挙げられる。
【0038】
硬化性組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましい。シランカップリング剤の含有量を0.5重量部以上とすることによって、硬化性組成物の接着性を向上させることができる。また、シランカップリング剤の含有量を10重量部以下とすることによって、硬化性組成物の貯蔵安定性や取扱性の低下を抑制することができる。
【0039】
[可塑剤]
硬化性組成物は、可塑剤を更に含んでいることが好ましい。可塑剤を用いることによって作業性、及び硬化物の伸び性を向上させることができる。
【0040】
可塑剤としては、具体的には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキサイド類、アクリル骨格ポリマーなどが挙げられる。なお、可塑剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0041】
硬化性組成物中における可塑剤の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して100重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましく、1〜70重量部が特に好ましい。硬化性組成物中における可塑剤の含有量が100重量部以下であると、可塑剤がブリードアウトするのを抑制し、硬化性組成物の硬化物の機械的強度を向上させることができる。
【0042】
[脱水剤]
硬化性組成物は、脱水剤を更に含んでいることが好ましい。脱水剤によれば、硬化性組成物を保存している際に、空気中に含まれている水分によって硬化性組成物が硬化することを抑制することができる。
【0043】
脱水剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びジフェニルジメトキシシランなどのシラン化合物;並びにオルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、及びオルト酢酸エチルなどのエステル化合物などを挙げることができる。これらの脱水剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、脱水剤としてはビニルトリメトキシシランが好ましい。
【0044】
硬化性組成物中における脱水剤の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜25重量部がより好ましい。
【0045】
[他の添加剤]
硬化性組成物は、チキソ性付与剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、沈降防止剤、溶媒などの他の添加剤を含んでいてもよい。
【0046】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ビスヒンダードフェノール系酸化防止剤、レスヒンダードフェノール系酸化防止剤及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びビスヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。硬化性組成物中における酸化防止剤の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10重量部がより好ましい。
【0047】
光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。硬化性組成物中における光安定剤の含有量は、ポリアルキレンオキサイド(A)100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。
【0048】
硬化性組成物は、空気中の湿気や、被着体に含まれている湿気によって、表面から内部に至るまで迅速に硬化させることができる。また、硬化性組成物は、硬化初期から高い引張強度及び伸び性を発揮する硬化物を形成する。
【0049】
このような硬化性組成物は、土木用、建築用、車両用、電気製品用、電子部品用、雑貨用の接着剤、シーリング剤、コーティング剤、シーラント及びシーリング材(目止め剤)や、土木用又は建築用基材の被覆剤及びプライマー剤などとして様々な用途に用いることができる。