【課題】ボンネットの開閉に必要な力を小さくすることでボンネットの開閉作業を容易に行えるように、かつ、メンテナンス口の開閉作業を容易に行える建設機械のダクト構造を提供する。
【解決手段】可動側ダクトは、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに上側ダクト50と下側ダクト60とが重なり合うことで形成される管状である。上側ダクト50は、可動側ボンネット33に固定される。下側ダクト60は、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに上側ダクト50の下に配置される。支持部材37は、エンジンルーム形成部21に固定され、支持部材37に対して回動可能に下側ダクト60を支持する。下側ダクト60は、可動側ボンネット33の開閉に伴って支持部材37に対して回動することで、メンテナンス口35を開閉する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
図1〜
図8を参照して、第1実施形態の建設機械1(
図1参照)のダクト構造30(
図4参照)について説明する。
【0011】
建設機械1は、建設作業などを行う作業機械である。
図1に示す建設機械1は、例えばショベルであり、例えば油圧ショベルである。建設機械1は、下部走行体9と、上部旋回体10と、を備える。下部走行体9は、建設機械1を走行させる部分であり、例えばクローラ式である。上部旋回体10は、下部走行体9に対して旋回可能に、下部走行体9に搭載される。上部旋回体10は、旋回フレーム11と、カウンタウェイト13と、キャブ15と、アタッチメント17と、エンジンガード19と、
図2および
図3に示すエンジンルーム20と、エンジンルーム内機器27と、
図4に示すダクト構造30と、を備える。
【0012】
旋回フレーム11は、
図1に示すように、下部走行体9に取り付けられる構造物である。カウンタウェイト13は、旋回フレーム11の後部に取り付けられる、おもりである。キャブ15は、旋回フレーム11の前部に取り付けられる、運転室である。アタッチメント17は、旋回フレーム11の前部に取り付けられる。建設機械1がショベルの場合、アタッチメント17は、ブーム、アーム、およびバケットなどである。エンジンガード19は、エンジンルーム20(
図3参照)を形成するパネルである。
【0013】
この旋回フレーム11の前後方向を「機械前後方向」とする。機械前後方向における前側(カウンタウェイト13に対するキャブ15側)を「機械前側」とする。機械前後方向における機械前側とは逆側を「機械後側」とする。機械前後方向に直交し、かつ、水平方向と平行な方向を「機械左右方向」とする。機械後側から機械前側を見たときの左側を「機械左側」とする。機械左右方向における機械左側とは逆側を「機械右側」とする。また、上下方向を上下方向Zとし、上側を上側Z1、下側を下側Z2とする。
【0014】
エンジンルーム20は、
図2に示すように、後述するエンジンルーム内機器27が配置される空間である。エンジンルーム20は、カウンタウェイト13の機械前側に配置される。エンジンルーム20は、キャブ15およびアタッチメント17の、機械後側および機械右側(機械左側でもよい)に配置される。
図3に示すように、エンジンルーム20は、旋回フレーム11の一部と、エンジンガード19と、後述するボンネット(31・33)と、に囲まれた空間である。エンジンルーム20は、エンジンルーム形成部21(後述)により形成される。エンジンルーム20には、吸気口23と、排気口25と、が設けられる。
【0015】
このエンジンルーム20内には、後述するファン27bの駆動により冷却風Cが流れる。
図4に示すように、この冷却風Cは、後述するダクト(41・43)の内部および外部(下や横)を流れる。ここで、水平方向と平行、かつ、吸気口23と排気口25とをつなぐ方向(ほぼ冷却風Cの流れの方向)を、冷却風流れ方向Xとする。
図1に示すように、冷却風流れ方向Xは、例えば機械左右方向であり、例えば機械右側向きである。なお、冷却風流れ方向Xは、機械左側向きでもよく、機械前後方向(機械前側向きまたは機械後側向き)でもよい。冷却風流れ方向Xにおいて、冷却風Cの上流側を上流側X1とし、冷却風Cの下流側を下流側X2とする。
【0016】
エンジンルーム形成部21は、
図3に示すように、エンジンルーム20を形成する(囲う)部分である(ボンネット(31・33)を除く)。エンジンルーム形成部21は、旋回フレーム11の一部と、エンジンガード19と、により構成される。
【0017】
吸気口23は、エンジンルーム20の外から内に冷却風Cを通すための開口部(吸気開口部)である。吸気口23は、可動側ボンネット33(後述)の上流側X1部分に形成される。吸気口23は、エンジンガード19の上流側X1部分に形成されてもよい。
【0018】
排気口25は、エンジンルーム20の内から外に冷却風Cを通すための開口部(排気開口部)である。
図4に示すように、排気口25は、固定側ボンネット31(後述)に形成される。固定側ボンネット31の上面に形成される排気口25を、排気口25aとする。排気口25は、エンジンガード19(
図3参照)の下流側X2部分に形成されてもよい。
【0019】
エンジンルーム内機器27は、
図3に示すように、エンジンルーム20の内部に配置される機器である。エンジンルーム内機器27には、例えば、ラジエータ27a、ファン27b、エンジン27c、油圧ポンプ27d、および排ガス浄化装置27eなどがある。上流側X1から下流側X2の順に、ラジエータ27a、ファン27b、エンジン27c、および油圧ポンプ27dが配置される。排ガス浄化装置27eは、油圧ポンプ27dの上側Z1(真上)に配置される。ファン27bは、ラジエータ27aやエンジン27cを冷却するために設けられる。ファン27bは、エンジンルーム20内を流れる冷却風Cを発生させる。主な騒音源は、エンジン27cおよび油圧ポンプ27dである。
【0020】
ダクト構造30は、ダクト(41・43)およびその周辺の部材により構造される。ダクト構造30は、エンジンルーム20の上部に配置される。
図4に示すように、ダクト構造30は、ボンネット(31・33)と、メンテナンス口35と、支持部材37(
図5A参照)と、ダクト(41・43)と、支持連結部材類(71〜83)(
図5A参照)と、を備える。
【0021】
ボンネット(31・33)は、
図3に示すエンジンルーム内機器27を上から覆う。ボンネット(31・33)は、主にエンジン27cを上から覆う。ボンネット(31・33)は、エンジンルーム形成部21の上面に取り付けられる。
図1に示すように、ボンネット(31・33)は、エンジンガード19の上面よりも上に突出する。ボンネット(31・33)は、固定側ボンネット31と、可動側ボンネット33と、を備える。
【0022】
固定側ボンネット31は、エンジンルーム形成部21に対して固定される。固定側ボンネット31は、エンジンガード19の上面に固定される。
図3に示すように、固定側ボンネット31は、排ガス浄化装置27eの上側Z1(真上)に配置され、油圧ポンプ27dの上側Z1(真上)に配置される。
【0023】
可動側ボンネット33は、エンジンルーム20を開閉する扉である。可動側ボンネット33の開閉は、エンジンルーム内機器27のメンテナンス等のために行われる。
図6Aおよび
図6Bに示すように、可動側ボンネット33は、エンジンルーム形成部21に対して回動(回転運動)可能である。可動側ボンネット33は、エンジンガード19の上面に回動可能に取り付けられる。可動側ボンネット33のエンジンルーム形成部21に対する回動軸を回動軸33aとする。回動軸33aには、例えばヒンジ(図示なし)が設けられる。
図3に示すように、可動側ボンネット33は、エンジン27cの上側Z1(真上)に配置され、ファン27bの上側Z1(真上)に配置され、ラジエータ27aの上側Z1(真上)に配置される。
【0024】
ここで、
図6Aに示すように、可動側ボンネット33が閉じた状態のときの、可動側ボンネット33の回動の径方向を開閉内外方向Yとする。開閉内外方向Yには、可動側ボンネット33の回動の径方向と平行な方向を含む。開閉内外方向Yにおいて、可動側ボンネット33(閉じた状態)の回動の径方向内側(先端側から基端側に向かう向き)を開閉内側Y1とする。開閉内外方向Yにおいて、開閉内側Y1とは逆向きを開閉外側Y2とする。
図1に示すように、開閉内外方向Yは、機械前後方向である(可動側ボンネット33は機械前後方向に開閉する)。開閉内側Y1は機械後側であり、開閉外側Y2は機械前側である。なお、開閉内側Y1は機械前側(開閉外側Y2は機械後側)でもよい。また、開閉内外方向Yは、機械左右方向でもよい(可動側ボンネット33は機械左右方向に開閉してもよい)。開閉内外方向Yは、冷却風流れ方向Xと直交する。なお、開閉内外方向Yは、冷却風流れ方向Xと平行でもよい。開閉内外方向Yは、冷却風流れ方向Xに対して傾いていてもよい。以下では、開閉内外方向Yが冷却風流れ方向Xと直交する場合について説明する。
【0025】
メンテナンス口35は、
図3に示す可動側ボンネット33の下に形成される。メンテナンス口35は、エンジンルーム内機器27のメンテナンス等を行うための開口である。
【0026】
支持部材37は、
図5Aに示すように、ダクト(41・43)(後述する下側ダクト60)を支持する。支持部材37は、エンジンルーム形成部21(旋回フレーム11)(
図3参照)に固定される。支持部材37は、支持部材37に対して回動可能に下側ダクト60を支持する。支持部材37は、回動支持部71(後述)を介して下側ダクト60を支持する。支持部材37は、下側ダクト60を支持できるように構成(形成、配置)される。
図5Bに示すように、支持部材37は、棒状部材を組み合わせたものなどである。支持部材37は、板状部材などを備えてもよい(後述する第2実施形態の支持部材237(
図9B)参照)。支持部材37は、固定側ダクト41を支持する。
【0027】
ダクト(41・43)は、
図4に示すように、冷却風Cを通すための管である。ダクト(41・43)は、例えば排気用ダクトである。ダクト(41・43)は、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに管状である。冷却風流れ方向Xから見たダクト(41・43)の断面形状は、長方形(略長方形を含む)である。同断面形状は、楕円形(略楕円形を含む)でもよく、円形(略円形を含む)などでもよい。以下、特に断らない限り、ダクト構造30の各構成要素の説明については、可動側ボンネット33は閉じた状態であるとする。ダクト(41・43)は、ボンネット(31・33)の下側Z2(真下)に配置される。ダクト(41・43)は、固定側ボンネット31および可動側ボンネット33にまたがって配置される。
【0028】
このダクト(41・43)は、
図3に示すエンジンルーム内機器27から排気口25(特に排気口25a)に放出される騒音を遮音できるように配置される。具体的には、ダクト(41・43)は、エンジン27cと排気口25aとの間に配置される。ダクト(41・43)は、エンジン27cの上面のほぼ全面を覆うように、エンジン27cの上側Z1に配置される。ダクト(41・43)は、油圧ポンプ27dと排気口25aとの間に配置される。
【0029】
このダクト(41・43)は、ファン27bから上側Z1に流れる冷却風Cを、排気口25aに流す(導く)ように構成される。ダクト(41・43)の入口(上流側X1端部)は、ファン27bの近傍に配置される。ダクト(41・43)の入口は、ファン27bよりも上側Z1に配置され、ファン27bよりも下流側X2に配置される。ダクト(41・43)は、分割可能な構造を備える。ダクト(41・43)は、固定側ダクト41と、可動側ダクト43と、を備える。
【0030】
固定側ダクト41は、
図4に示す固定側ボンネット31に固定される(取り付けられる)。固定側ダクト41は、固定側ボンネット31を介して、エンジンルーム形成部21(
図3参照)に固定される。固定側ダクト41は、固定側ボンネット31の下側Z2に配置される。固定側ダクト41が設けられる場合は、可動側ダクト43のみ設けられる場合に比べ、エンジンルーム内機器27(
図3参照)を覆う面積を広くできるので、エンジンルーム内機器27の騒音をより遮音できる。固定側ダクト41が設けられる場合、かつ、ダクト(41・43)の内面に吸音材797(後述する変形例2、
図21参照)が設けられる場合は、可動側ダクト43のみ設けられる場合に比べ、吸音材797(
図21参照)を貼り付け可能な面積を増やすことができる。
図5Aに示すように、固定側ダクト41は、傾斜部41aを備える。
【0031】
傾斜部41aは、冷却風Cの流れの向きを水平方向(下流側X2向き)から上側Z1向きに曲げることで、ダクト(41・43)内から排気口25a(
図4参照)に冷却風Cを導くように設けられる。傾斜部41aは、排ガス浄化装置27e(
図3参照)に干渉しないように配置される。
【0032】
可動側ダクト43は、
図4に示す可動側ボンネット33に取り付けられる。可動側ダクト43は、可動側ボンネット33の開閉に伴って動く。可動側ダクト43は、可動側ボンネット33の下側Z2(真下)に配置される。可動側ダクト43は、上側ダクト50(後述)と下側ダクト60(後述)とが重なり合うことで形成される管状である。可動側ダクト43は、固定側ダクト41と連結(冷却風流れ方向Xに連結)される。可動側ダクト43は、
図3に示すメンテナンス口35(の少なくとも一部)を閉じる(塞ぐ)。可動側ダクト43は、分割(分離)可能に構成される。
図6Aに示すように、可動側ダクト43は、上側ダクト50と、下側ダクト60と、を備える。
【0033】
上側ダクト50は、可動側ボンネット33に固定される。上側ダクト50は、可動側ボンネット33の下側Z2(真下)に配置される。上側ダクト50は、ダクト上板51と、ダクト側板53と、を備える。
【0034】
ダクト上板51は、可動側ダクト43の上部(上側Z1部分)に配置される。ダクト上板51は、上下方向Zに直交(略直交を含む)する板である。ダクト上板51は、可動側ボンネット33により構成される(可動側ボンネット33はダクト上板51を兼ねる)。ダクト上板51は、可動側ボンネット33とは別体でもよい。
【0035】
ダクト側板53は、ダクト上板51とダクト底板61とを連結する。ダクト側板53は、2枚設けられる。ダクト側板53は、開閉内外方向Yに直交する部分を備える。冷却風流れ方向Xから見たダクト側板53の断面は、例えば直線状であり、また例えば曲線状でもよい(図示なし)。ダクト側板53は、ダクト上板51に固定される(ダクト側板53は、上側ダクト50の一部を構成する)。ダクト側板53は、下側ダクト60の一部を構成してもよい(後述する第3実施形態、
図12C参照)。
図7に示すように、冷却風流れ方向Xから見て、2枚のダクト側板53のうち開閉外側Y2のダクト側板53の下側Z2端部は、L字状に形成される。具体的には、開閉外側Y2のダクト側板53は、ダクト側板53の本体部分であるダクト側板本体部53aと、ダクト側板折曲部53bと、を備える。
【0036】
ダクト側板折曲部53bは、ダクト底板61(後述)の開閉外側Y2端部を支持する(受ける)部分である。ダクト側板折曲部53bは、ダクト側板53の下側Z2端部に配置される。ダクト側板折曲部53bは、ダクト側板本体部53aの下側Z2端部から、開閉内側Y1に突出する。
【0037】
下側ダクト60は、
図6Aに示すように、上側ダクト50の下側Z2(真下)に配置される。下側ダクト60は、支持部材37に支持される。下側ダクト60の重量の一部は、支持部材37にかかる。下側ダクト60は、ダクト底板61を備える。
【0038】
ダクト底板61は、可動側ダクト43の下部(下側Z2部分)に配置される。ダクト底板61は、上下方向Zに直交(略直交を含む)する板である。
図7に示すように、ダクト底板61の開閉内側Y1端部は、開閉内側Y1のダクト側板53の下側Z2端部が接触する(ダクト底板61の上側Z1にダクト側板53が乗る)。ダクト底板61の開閉外側Y2端部は、ダクト側板折曲部53bの上側Z1の面に接触する(ダクト側板折曲部53bの上側Z1にダクト底板61が乗る)。ダクト底板61の開閉外側Y2端部は、可動側ボンネット33の開閉時にダクト側板本体部53aに接触しないように(接触による損傷が生じないように)構成される。具体的には、ダクト底板61の開閉外側Y2端部は、ダクト側板本体部53aよりも開閉内側Y1に配置される。
図6Bに示すように、可動側ボンネット33が開いた状態のとき、ダクト底板61は、ダクト側板53から分離される(離れる)。
【0039】
支持連結部材類(71〜83)には、
図5Aに示す回動支持部71と、連結部80と、がある。
【0040】
回動支持部71は、下側ダクト60(の少なくとも一部)を、支持部材37に対して回動可能に支持する。支持部材37に対する下側ダクト60(の少なくとも一部)の回動軸を、回動軸71aとする。
図6Aに示すように、回動軸71aは、可動側ボンネット33の回動軸33aと平行である。
図5Dに示すように、回動支持部71は、下側ダクト60に取り付けられる。回動支持部71は、下側ダクト60の開閉内側Y1端部に取り付けられる。
図5Aに示すように、回動支持部71は、支持部材37に直接取り付けられる。回動支持部71は、他の部材を介して、支持部材37に取り付けられてもよい(後述する第2実施形態参照)。
図5Dに示すように、回動支持部71は、ヒンジである。回動支持部71は、例えば穴と突起とを組み合わせた構造などでもよい(後述する第4実施形態の回動支持部471、
図13Bおよび
図13D参照)。
【0041】
連結部80は、
図6Bに示すように、可動側ボンネット33と下側ダクト60とを連結する。連結部80は、上側ダクト50を介して可動側ボンネット33と下側ダクト60とを連結する(後述する第3実施形態(
図12C)のように、上側ダクト50を介さなくてもよい)。
図6Bに示す連結部80は、可動側ボンネット33の開閉に伴って下側ダクト60を回動させるために設けられる。連結部80は、突起と溝とを係合させたものなどである。連結部80は、上側連結部81と、下側連結部83と、を備える。
【0042】
上側連結部81は、上側ダクト50を介して可動側ボンネット33に取り付けられる(固定される)。
図5Cに示すように、上側連結部81は、開閉内外方向Yに対向する2枚のダクト側板53を、開閉内外方向Yに連結する。上側連結部81は、2枚のダクト側板53の下側Z2端部どうしを連結する。上側連結部81は、2枚のダクト側板53の上流側X1端部どうし、および、2枚のダクト側板53の下流側X2端部どうしを連結する。上側連結部81は、例えば棒状部材であり、例えば板状部材を折り曲げたものである(板状部材(
図9C参照)などでもよい)。上側連結部81は、溝81a(ガイド用溝)を備える。溝81aは、開閉内外方向Yに延びる。溝81aは、例えば棒状部材を貫通する孔である。溝81aは、棒状部材を貫通しない穴でもよい。
【0043】
下側連結部83は、
図6Bに示すように、上側連結部81に連結される。下側連結部83は、上側連結部81にガイドされる。下側連結部83は、下側ダクト60(のうち回動軸71aを中心に回動する部分)に取り付けられる(固定される)。
図5Dに示すように、下側連結部83は、ダクト底板61の開閉外側Y2端部に配置される。下側連結部83は、ダクト底板61の上流側X1端部、および、下流側X2端部に配置される。
図6Bに示すように、下側連結部83は、上側連結部81の溝81aに係合(差込、連結)可能に構成される。下側連結部83は、突起などである。突起である下側連結部83の突出方向、および、孔である溝81aの貫通方向(または穴の深さ方向)は、冷却風流れ方向Xである(上下方向Zなどでもよい(後述する第4実施形態参照))。
【0044】
(動作)
(可動側ボンネット33が閉じた状態)
図4に示すダクト構造30の動作は次の通りである。上記のように、可動側ボンネット33が閉じた状態のとき、ダクト(41・43)は管状である。このとき、可動側ダクト43と固定側ダクト41とは、連結された状態である。また、このとき、
図6Aに示すように、上側ダクト50と下側ダクト60とは、連結された状態である。このとき、可動側ダクト43は、上側ダクト50と下側ダクト60とが重なり合うことで形成される管状である。
【0045】
(可動側ボンネット33が開く動作)
図6Aおよび
図6Bに示すように、可動側ボンネット33が開くときのダクト構造30の動作は、次の[動作1A]〜[動作1G]の通りである。[動作1A]作業者が、可動側ボンネット33を開く(回動軸33aを中心に回動させる)。[動作1B]可動側ボンネット33と一体的に、上側ダクト50および上側連結部81が、回動軸33aを中心に回動する。[動作1C]上側連結部81が、下側連結部83を上側Z1に移動させる(引き上げる、持ち上げる)。[動作1D]下側連結部83の上側Z1への移動に伴い、下側ダクト60が移動する。具体的には、ダクト底板61の開閉外側Y2部分が上側Z1に移動する。[動作1E]下側ダクト60が、支持部材37に対して、回動軸71aを中心に回動する。このとき、下側ダクト60の重量の一部が支持部材37にかかった状態で、下側ダクト60が回動する。[動作1F]下側ダクト60の回動に伴い、下側連結部83が、上側連結部81の溝81aに沿って移動する(溝81aにガイドされる)。[動作1G]下側ダクト60(の少なくとも一部)が回動する結果、メンテナンス口35が開かれる。上記[動作1A]〜[動作1G]のように、下側ダクト60は、可動側ボンネット33の開動作に伴って、支持部材37に対して回動することで(回動軸71a(回動支持部71(
図5A参照))を中心に回動することで)、メンテナンス口35を開く。作業者が可動側ボンネット33を開けば、メンテナンス口35が自動的に開かれる。下側ダクト60は、上側ダクト50と独立して動く。
【0046】
一方、
図4に示す固定側ボンネット31および固定側ダクト41は、エンジンルーム形成部21(
図1参照)に対して固定された状態である。よって、上記のように、
図5Bに示す可動側ボンネット33および可動側ダクト43がエンジンルーム形成部21に対して移動する結果、
図4に示す可動側ダクト43と固定側ダクト41とが分割(分離)される。
【0047】
(可動側ボンネット33が閉じる動作)
図6Bおよび
図6Aに示すように、可動側ボンネット33が閉じるときのダクト構造30の動作は、上記の可動側ボンネット33が開く動作の逆(または、ほぼ逆)の動作である。下側ダクト60(の少なくとも一部)は、可動側ボンネット33の閉動作に伴って回動軸71a(回動支持部71(
図5A参照))を中心に回動することで、メンテナンス口35を閉じる。また、可動側ボンネット33が閉じられると、自動的に
図4に示すダクト(41・43)が管状に戻る。
【0048】
(重量の比較)
図8に示すグラフに、下記の3種類の重量を示す。
・可動側ボンネット33のみの重量
・可動側ボンネット33および上側ダクト50の合計重量
・可動側ボンネット33および可動側ダクト43全体の合計重量
【0049】
上記の従来技術では、
図6Aに示す可動側ボンネット33に可動側ダクト43全体が固定されている。そのため、可動側ボンネット33の開閉の際、可動側ボンネット33に、可動側ダクト43全体の重量がかかる。一方、本実施形態のダクト構造30では、可動側ボンネット33の開閉の際に可動側ボンネット33にかかる重量は、上側ダクト50の重量、および、下側ダクト60の重量の一部である。なぜなら、下側ダクト60の重量の一部は、支持部材37にかかるからである。また、
図6Bに示すように可動側ボンネット33を閉じた状態から開いた状態に変化させると、支持部材37にかかる下側ダクト60(ダクト底板61)の重量が増加する。その結果、可動側ボンネット33には、下側ダクト60の重量が(ほぼ)かからなくなる。その結果、可動側ボンネット33にかかる重量は、ほぼ上側ダクト50の重量のみとなる。なお、連結部80の重量は、上側ダクト50や可動側ダクト43の重量に比べて十分小さいので、この比較において無視した。
【0050】
(効果1(発明1))
図6Aに示す第1実施形態のダクト構造30による効果を説明する。ダクト構造30は、エンジンルーム20(
図3参照)を形成するエンジンルーム形成部21と、エンジンルーム形成部21の上面に取り付けられる可動側ボンネット33(ボンネット)と、可動側ボンネット33の下に形成されるメンテナンス口35と、可動側ダクト43(ダクト)と、可動側ダクト43に取り付けられる支持部材37と、を備える。可動側ダクト43は、可動側ボンネット33の下に配置され、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに上側ダクト50と下側ダクト60とが重なり合うことで形成される管状であり、可動側ボンネット33が閉じた状態のときにメンテナンス口35を閉じる。上側ダクト50は、可動側ボンネット33に固定される。下側ダクト60は、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに上側ダクト50の下に配置される。
[構成1−1]支持部材37は、エンジンルーム形成部21に固定され、下側ダクト60を支持する。
[構成1−2]支持部材37は、支持部材37に対して回動可能に下側ダクト60を支持する。
[構成1−3]
図6Bに示す下側ダクト60は、可動側ボンネット33の開閉に伴って支持部材37に対して回動することで、メンテナンス口35を開閉する。
【0051】
(効果1−1)
ダクト構造30は、上記[構成1−1]を備える。よって、下側ダクト60の重量の少なくとも一部は、支持部材37にかかる(支持部材37を介してエンジンルーム形成部21にかかる)。よって、下側ダクト60の重量のうち支持部材37にかかる分は、可動側ボンネット33にかからない。また、上記[構成1−2]により、下側ダクト60が支持部材37に対して回動する際も、下側ダクト60の重量の少なくとも一部が、支持部材37にかかる。よって、可動側ダクト43(上側ダクト50および下側ダクト60)の重量の全てが可動側ボンネット33にかかる場合に比べ、可動側ボンネット33の開閉に必要な力を小さくできる。その結果、可動側ボンネット33の開閉作業を容易に行える。
【0052】
(効果1−2)
ダクト構造30は、上記[構成1−3]を備える。よって、可動側ボンネット33の開閉とは別に下側ダクト60の開閉を行う必要がない(作業の手間を省ける)。よって、メンテナンス口35の開閉作業を容易に行える。その結果、エンジンルーム内機器27(
図3参照)のメンテナンス性を向上させることができる。
【0053】
(効果2(発明4))
[構成2]ダクト構造30は、可動側ボンネット33と下側ダクト60とを連結する連結部80を備える。
【0054】
上記[構成2]の連結部80により、可動側ボンネット33の開閉(回動)の動作に、下側ダクト60の回動の動作を、確実に追従させることができる。
【0055】
(効果3(発明9))
図4に示すように、ボンネット(31・33)は、エンジンルーム形成部21(
図1参照)に対して固定される固定側ボンネット31と、エンジンルーム形成部21に対して回動可能である可動側ボンネット33と、を備える。ダクト(41・43)は、固定側ダクト41と、可動側ダクト43と、を備える。
[構成3−1]固定側ダクト41は、固定側ボンネット31に固定される。
[構成3−2]可動側ダクト43は、可動側ボンネット33に取り付けられる。
[構成3−3]可動側ダクト43は、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに、固定側ダクト41と連結される。
【0056】
上記[構成3−2]により、可動側ダクト43は、可動側ボンネット33の開閉(回動)に伴って、エンジンルーム形成部21(
図1参照)に対して動く。一方、固定側ダクト41は、上記[構成3−1]により、エンジンルーム形成部21に対して固定される。よって、上記[構成3−3]のように、可動側ダクト43が固定側ダクト41に連結されるとき、可動側ダクト43の位置合わせ(エンジンルーム形成部21に対する位置合わせ)を容易に行える。
【0057】
(第2実施形態)
図9A〜
図10Bを参照して、
図9Aに示す第2実施形態のダクト構造230について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、ダクト構造230のうち、第1実施形態との共通点には第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。相違点は、支持部材237および下側ダクト260の構成である。
【0058】
支持部材237は、支持側下側ダクト261(後述)を支持するように構成される。
図9Bに示すように、支持部材237は、例えば板状部分を備える。この板状部分は、例えば複数の棒状部材を組み合わせて板状にしたものなどである。
【0059】
下側ダクト260は、
図10Bに示すように、分割可能に構成される。下側ダクト260(ダクト底板61)は、可動側ボンネット33の開閉に伴って回動する部分と、回動しない部分と、に分けられる。下側ダクト260は、折れ曲がり可能に構成される。下側ダクト260は、支持部材237に固定される支持側下側ダクト261と、回動側下側ダクト262と、を備える。
【0060】
回動側下側ダクト262は、支持側下側ダクト261に回動可能に連結される。具体的には、回動側下側ダクト262は、支持側下側ダクト261に回動支持部71(折曲用部材)を介して連結される。
図10Aに示すように、回動支持部71は、下側ダクト260の開閉内外方向Yの途中部分に配置される。回動支持部71は、下側ダクト260の(ダクト底板61の)例えば開閉内外方向Yの中央よりも開閉内側Y1部分に配置される。
【0061】
(動作)
可動側ボンネット33が開くときのダクト構造230の動作は、次の通りである。
図6Bに示すように、第1実施形態では、下側ダクト60全体が回動軸71aを中心に回動した(上記[動作1E]参照)。
図10Bに示すように、第2実施形態では、下側ダクト260のうち支持側下側ダクト261は、支持部材237に対して(エンジンルーム形成部21に対して)不動である。さらに、下側ダクト260のうち回動側下側ダクト262は、回動支持部71(回動軸71a)を中心に回動する。その結果、回動側下側ダクト262は、メンテナンス口35を開く。
【0062】
(効果4(発明2))
第2実施形態のダクト構造230による効果を説明する。下側ダクト260は、支持側下側ダクト261と、回動側下側ダクト262と、を備える。
[構成4−1]支持側下側ダクト261は、支持部材237に固定される。
[構成4−2]回動側下側ダクト262は、支持側下側ダクト261に回動可能に連結される。
【0063】
(効果4−1)
上記[構成4−1]により、支持側下側ダクト261の重量は、支持部材237にかかり、可動側ボンネット33にかからない。よって、下側ダクト60(
図6B参照)全体が支持部材37(
図6B参照)に対して回動する場合に比べ(第1実施形態参照)、可動側ボンネット33の開閉に必要な力をより小さくできる。
【0064】
(効果4−2)
上記[構成4−2]により、回動側下側ダクト262は、支持部材237に対して回動可能である。よって、回動側下側ダクト262は、可動側ボンネット33の開閉に伴って支持部材237に対して回動することで、メンテナンス口35を開閉する(上記[構成1−3]参照)。よって、上記「(効果4−1)」を奏する構成であっても、上記「(効果1−2)」を奏することができる。
【0065】
(第3実施形態)
図11A〜
図12Cを参照して、
図11Aに示す第3実施形態のダクト構造330について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、ダクト構造330のうち、第1実施形態との共通点には第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。主な相違点は、支持部材337の構成、
図12Cに示す上側ダクト350の構成、下側ダクト360の構成、および、連結部380が伸縮式ダンパ385を備える点である。
【0066】
(支持部材337)
図7に示すように、第1実施形態では、下側ダクト60(ダクト底板61)の開閉外側Y2端部は、ダクト側板折曲部53bに支持された。
図11Aに示すように、第2実施形態では、下側ダクト360(ダクト底板61)の開閉外側Y2端部は、支持部材337に支持される。
図11Bに示すように、支持部材337は、内側支持部337aと、外側支持部337bと、を備える。
図12Aに示す内側支持部337aは、下側ダクト360の開閉内側Y1端部を支持する。外側支持部337bは、下側ダクト360の開閉外側Y2端部を支持する。
図11Bに示す内側支持部337aと外側支持部337bとは、棒状部材などにより開閉内外方向Yに連結される(連結されなくてもよい)。
【0067】
(上側ダクト350)
図6Bに示すように、第1実施形態では、上側ダクト50は、ダクト上板51およびダクト側板53により構成された。
図12Bに示すように、第2実施形態では、上側ダクト350は、ダクト上板51のみにより構成される。
【0068】
(下側ダクト360)
図6Bに示すように、第1実施形態では、下側ダクト60は、ダクト底板61のみにより構成された。
図12Bに示すように、第2実施形態では、下側ダクト360は、2枚のダクト側板363およびダクト底板61により構成される。ダクト側板363は、ダクト底板61に固定される。なお、下側ダクト360は、1枚のダクト側板363およびダクト底板61により構成されてもよい(以下では、下側ダクト360を構成するダクト側板363の数が2枚の場合について説明する)。
【0069】
連結部380は、上側ダンパ取付部381と、下側ダンパ取付部383と、伸縮式ダンパ385と、を備える。
【0070】
上側ダンパ取付部381は、伸縮式ダンパ385の可動側ボンネット33への取付部である。上側ダンパ取付部381は、可動側ボンネット33の内面に固定される。
図12Aに示すように、上側ダンパ取付部381は、2枚のダクト側板363のうち開閉外側Y2のダクト側板363よりも開閉外側Y2に配置される。
【0071】
下側ダンパ取付部383は、伸縮式ダンパ385の下側ダクト360への取付部である。下側ダンパ取付部383は、下側ダクト360の開閉外側Y2端部に固定される。下側ダンパ取付部383は、下側ダクト360の下側Z2端部に固定される。下側ダンパ取付部383は、ダクト側板363およびダクト底板61の少なくともいずれかに固定される。下側ダンパ取付部383は、ダクト底板61の開閉外側Y2端部よりも開閉外側Y2に突出する、突起部材である。
【0072】
伸縮式ダンパ385は、可動側ボンネット33と下側ダクト360とを連結する。
図12Bに示すように、伸縮式ダンパ385は、可動側ボンネット33を開けるときに伸び、可動側ボンネット33を閉じるときに縮むように構成される。伸縮式ダンパ385の伸縮方向は、可動側ボンネット33の回動軸33aを中心とする回動の略周方向であり、また、下側ダクト360の回動軸71aを中心とする回動の略周方向である。伸縮式ダンパ385は、伸縮速度(特に縮む速度)を減衰させる。伸縮式ダンパ385は、例えばガスダンパである(油圧式ダンパなどでもよい)。
【0073】
(動作)
(可動側ボンネット33が開く動作)
図12Aに示す可動側ボンネット33が開くときのダクト構造330(特に伸縮式ダンパ385)の動作は、次の[動作3A]〜[動作3C]の通りである。[動作3A]可動側ボンネット33が閉じた状態のとき、伸縮式ダンパ385は縮んだ状態(最も伸びた状態よりも縮んだ状態)である。この状態から、可動側ボンネット33が開かれるとする。[動作3B]
図12Bに示すように、可動側ボンネット33が開き始めてからしばらくは、伸縮式ダンパ385が伸びる。このとき、下側ダクト360の重量の全部は支持部材337に支持される。よって、可動側ボンネット33に下側ダクト360の重量がかからない。この状態で、可動側ボンネット33が回動軸33aを中心に回動する。[動作3C]
図12Cに示すように、伸縮式ダンパ385が伸びきると、可動側ボンネット33に下側ダクト360の重量がかかる。
【0074】
(可動側ボンネット33を閉じる動作)
可動側ボンネット33を閉じるときのダクト構造330(特に伸縮式ダンパ385)の動作は、次の[動作3D]〜[動作3F]の通りである。[動作3D]可動側ボンネット33が開いた状態、かつ、伸縮式ダンパ385が最も伸びた状態から、可動側ボンネット33が閉じられるとする。[動作3E]可動側ボンネット33を閉じる方向に回動させていくと、
図12Bに示すように、下側ダクト360の開閉外側Y2部分が、外側支持部337bに接触する。その結果、下側ダクト360の重量の全部が、支持部材337にかかる(下側ダクト360が支持部材337に完全に支持される)。[動作3F]
図12Aに示すように、可動側ボンネット33を閉じる方向にさらに回動させると、伸縮式ダンパ385が縮む。このとき、伸縮式ダンパ385の減衰作用が働く。よって、伸縮式ダンパ385が無い場合に比べ、可動側ボンネット33が閉じる速度が遅くなる。
【0075】
(効果5(発明5))
第3実施形態のダクト構造330による効果を説明する。
[構成5]
図12Bに示すように、連結部380は、可動側ボンネット33と下側ダクト360とを連結する伸縮式ダンパ385を備える。
【0076】
上記[構成5]の伸縮式ダンパ385は、伸縮可能である。よって、可動側ボンネット33が閉じた状態から開かれるとき、伸縮式ダンパ385が伸びることが可能である。よって、下側ダクト360の重量の全部が支持部材337にかかった状態で、可動側ボンネット33を開くことができる。よって、可動側ボンネット33を開くのに必要な力をより小さくできる。
【0077】
上記[構成5]の伸縮式ダンパ385は、ダンパ(速度減衰作用を有する装置)である。よって、可動側ボンネット33が閉じられるとき、可動側ボンネット33が閉じる速度を抑制できる(可動側ボンネット33が急に閉まることを抑制できる)。さらに詳しくは、下側ダクト360の重量全部が支持部材337に支持された状態で、可動側ボンネット33が閉じられるときに、可動側ボンネット33が閉じる速度を抑制できる。よって、作業者は、可動側ボンネット33を閉じる作業を安全に行える。
【0078】
(効果6(発明7))
図12Aに示すように、可動側ダクト43は、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに可動側ダクト43の上部に配置されるダクト上板51と、可動側ボンネット33が閉じた状態のときに可動側ダクト43の下部に配置されるダクト底板61と、可動側ボンネット33が閉じた状態のときにダクト上板51とダクト底板61とを連結する2枚のダクト側板363と、を備える。
[構成6]下側ダクト360は、少なくとも1枚のダクト側板363およびダクト底板61により構成される。
【0079】
上記[構成6]により、
図6Bに示す第1実施形態のように上側ダクト50がダクト上板51および2枚のダクト側板53により構成される場合に比べ、
図12Bに示す上側ダクト350を軽量にできる。よって、可動側ボンネット33の開閉に必要な力をより小さくできる。
【0080】
(第4実施形態)
図13A〜
図15を参照して、
図13Aに示す第4実施形態のダクト構造430について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、ダクト構造430のうち、第1実施形態との共通点には第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。相違点は、支持部材437の構成、下側ダクト460の構成、回動支持部471の構成、連結部480の構成、および、スライド支持部485を備える点である。
【0081】
支持部材437は、
図13Bに示すように、開閉内外方向Yに延びる部分を備える。支持部材437は、上流側X1に配置される上流側支持部材437aと、下流側X2に配置される下流側支持部材437bと、の2本の棒状部材を備える。支持部材437には、開閉内外方向Yに延びるスライド支持部485が形成される。
【0082】
下側ダクト460は、
図14Bに示すように、開閉内外方向Yにおける途中部分(例えば開閉内外方向Yにおける中央部)で折れ曲がり可能に構成される。下側ダクト460は、山型に折り畳み可能に構成される。下側ダクト460が折れ曲がる部分を、折曲部460aとする。
図13Dに示すように、下側ダクト460は、開閉内側下側ダクト461と、開閉外側下側ダクト462と、折曲用部材465と、を備える。
【0083】
開閉内側下側ダクト461は、
図14Bに示すように、支持部材437に回動可能に支持される。開閉内側下側ダクト461は、回動支持部471に取り付けられる。開閉内側下側ダクト461は、回動支持部471(回動軸71a)を中心に支持部材437に対して回動可能である。
【0084】
開閉外側下側ダクト462は、開閉内側下側ダクト461の先端側(開閉外側Y2)に連結される。開閉外側下側ダクト462は、開閉内側下側ダクト461に対して回動可能である。
図13Dに示す開閉外側下側ダクト462の開閉内側Y1端部は、折曲用部材465を介して、開閉内側下側ダクト461の開閉外側Y2端部に連結される。開閉外側下側ダクト462の開閉外側Y2端部は、スライド支持部485を介して支持部材437に連結される。
【0085】
折曲用部材465は、折曲部460aに配置される(取り付けられる)。折曲用部材465は、開閉内側下側ダクト461に対して開閉外側下側ダクト462を回動可能に連結する。折曲用部材465は、例えばヒンジである。開閉内側下側ダクト461に対する開閉外側下側ダクト462の回動軸を回動軸465aとする。
図14Bに示す回動軸465aは、可動側ボンネット33の回動軸33aや開閉内側下側ダクト461の回動軸71aと平行である。
【0086】
回動支持部471は、
図13Bおよび
図13Dに示すように、突起と、突起が差し込まれる穴と、を組み合わせた構造を備える。
図13Dに示すように、回動支持部471を構成する突起は、開閉内側下側ダクト461の開閉内側Y1端部の、上流側X1端部および下流側X2端部それぞれに設けられる。
図13Bに示すように、回動支持部471を構成する穴は、支持部材437に形成され、上流側支持部材437aおよび下流側支持部材437bそれぞれに形成される。なお、回動支持部471を構成する突起が支持部材437に形成され、かつ、穴が開閉内側下側ダクト461(
図13D参照)に設けられてもよい。
【0087】
連結部480は、
図14Bに示すように、上側連結部481と下側連結部483とを備える。
図6Bに示すように、第1実施形態では、突起である下側連結部83の突出方向、および、上側連結部81の溝81a(孔)の貫通方向(または穴の深さ方向)は、冷却風流れ方向Xであった。
図14Bに示すように、第2実施形態では、突起である下側連結部483の突出方向、および、上側連結部481の溝481b(孔)の貫通方向(または穴の深さ方向)は、上下方向Zである。
【0088】
上側連結部481は、
図13Cに示すように、板状の本体部481aと、本体部481aに形成された溝481bと、上側連結部折曲部481cと、を備える。
図15に示すように、上側連結部折曲部481cは、本体部481aの開閉内外方向Y外側端部から上側Z1に突出する。上側連結部折曲部481cは、ダクト側板53の開閉内外方向Y外側面に固定される。
【0089】
下側連結部483は、
図13Dに示すように、折曲部460a(回動軸465a)の近傍に配置される。下側連結部483は、開閉内側下側ダクト461の開閉外側Y2端部に取り付けられる(固定される)。
【0090】
スライド支持部485は、
図14Bに示す開閉外側下側ダクト462の移動(スライド)をガイドする。スライド支持部485は、開閉外側下側ダクト462の開閉外側Y2端部の移動を、開閉内外方向Yにガイドする。スライド支持部485は、開閉外側下側ダクト462の開閉外側Y2端部を支持する。スライド支持部485は、溝と突起とを組み合わせた構造(連結部80(
図6B)を参照)などである。スライド支持部485は、ダクト側スライド支持部485aと、支持部材側スライド支持部485bと、を備える。
【0091】
ダクト側スライド支持部485aは、開閉外側下側ダクト462に設けられる。ダクト側スライド支持部485aは、開閉外側下側ダクト462の開閉外側Y2端部に取り付けられる(固定される)。ダクト側スライド支持部485aは、突起である。
【0092】
支持部材側スライド支持部485bは、支持部材437に設けられる。支持部材側スライド支持部485bは、ダクト側スライド支持部485aに連結され、ダクト側スライド支持部485aを開閉内外方向Yにガイドする。支持部材側スライド支持部485bは、開閉内外方向Yに延びる溝(例えば孔)である。突起であるダクト側スライド支持部485aの突出方向、および、支持部材側スライド支持部485bの孔の貫通方向(または溝の深さ方向)は、例えば冷却風流れ方向Xであり、また例えば上下方向Zなどでもよい。
【0093】
(動作)
(可動側ボンネット33が開く動作)
図14Bに示す可動側ボンネット33が開くときのダクト構造430の動作は、次の[動作4A]〜[動作4F]の通りである。[動作4A]第1実施形態の[動作1B]と同様に、可動側ボンネット33の回動に伴い、上側連結部481が、回動軸33aを中心に回動する。[動作4B]上記[動作1C]と同様に、上側連結部481が、下側連結部483を上側Z1に移動させる(引き上げる、持ち上げる)。[動作4C]下側ダクト460の折曲部460aが上側Z1に移動する。[動作4D]開閉内側下側ダクト461が回動軸71aを中心に回動する。[動作4E]開閉外側下側ダクト462が回動軸465aを中心に回動する。この回動では、開閉外側下側ダクト462の開閉外側Y2端部は、開閉内側Y1に移動する。[動作4F]開閉外側下側ダクト462の回動の際、開閉外側下側ダクト462の開閉外側Y2端部は、スライド支持部485により支持およびガイドされる。このとき、ダクト側スライド支持部485aは、支持部材側スライド支持部485bにより支持およびガイドされる。上記[動作4A]〜[動作4F]の結果、
図14Cに示すように、下側ダクト460が(開閉内側下側ダクト461と開閉外側下側ダクト462とが)折り畳まれる。その結果、メンテナンス口35が開かれる。
【0094】
(可動側ボンネット33が閉じる動作)
可動側ボンネット33が閉じるとき、上側連結部481(棒状部分、板状部分)は、折曲部460aを下側Z2に押し付ける。その結果、折曲部460aで折り畳まれた下側ダクト460が、開いた状態になる。その結果、可動側ダクト43が筒状に戻る。
【0095】
(効果7(発明3))
次に、第4実施形態のダクト構造430による効果を説明する。下側ダクト460は、支持部材437に回動可能に支持される開閉内側下側ダクト461と、開閉内側下側ダクト461の先端側(開閉外側Y2)に回動可能に連結される開閉外側下側ダクト462と、を備える。
[構成7]開閉内側下側ダクト461および開閉外側下側ダクト462は、可動側ボンネット33が開く動作に伴って折り畳まれる。
【0096】
上記[構成7]のように、開閉内側下側ダクト461および開閉外側下側ダクト462が折り畳まれることにより、メンテナンス口35を開くことができるので、上記「(効果1−2)」と同様の効果が得られる。
【0097】
(第5実施形態)
図16A〜
図17Cを参照して、
図16Aに示す第5実施形態のダクト構造530について、第4実施形態との相違点を説明する。なお、ダクト構造530のうち、第4実施形態との共通点には第4実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。相違点は、
図13Aに示す連結部480がない点、
図17Cに示す付勢部材591がある点、接触部材593がある点である。
【0098】
(連結部480がない点)ダクト構造530は、
図13Aに示す連結部480を備えない。
図17Cに示すように、下側ダクト460は、可動側ボンネット33から切り離される。下側ダクト460は、可動側ボンネット33に連結されず、上側ダクト50に連結されない。一方、下側ダクト460は、接触部材593に接触可能である(後述)。
【0099】
付勢部材591は、メンテナンス口35が開く向きに下側ダクト460を付勢する。下側ダクト460が折曲部460aを備える構造の場合、上記のように、折曲部460aが折れ曲がり、開閉内側下側ダクト461と開閉外側下側ダクト462とが折り畳まれることによりメンテナンス口35が開く。そこで、付勢部材591は、折曲部460aが折れ曲がる向きに、下側ダクト460を付勢する。付勢部材591は、折曲部460aに配置され、例えば折曲用部材465(
図16D参照)に取り付けられる。付勢部材591は、例えばばねであり、例えばコイルばねであり、例えばねじりコイルばねである。ばねである付勢部材591は、例えば次のように設定される。
図17Aに示すように可動側ボンネット33が閉じた状態(折曲部460aが開いた状態)のときに、弾性エネルギーが蓄えられた状態(例えば圧縮された状態、ねじられた状態)となるように、
図17Cに示す付勢部材591が設定される。また、可動側ボンネット33が開いた状態(折曲部460aが折れ曲がった状態)のときに、弾性エネルギーが蓄えられていない状態(ばねが開放された状態)となるように、付勢部材591が設定される。
【0100】
この付勢部材591は、下側ダクト460が可動側ボンネット33を押し上げる向きに下側ダクト460を付勢する部材でもある。なぜなら、付勢部材591が折曲部460aを折り曲げると、折曲部460aが上側Z1に移動し、接触部材593および上側ダクト50を介して折曲部460aが可動側ボンネット33を押し上げるからである。なお、付勢部材591は、回動支持部471に設けられてもよく、折曲部460aおよび回動支持部471に設けられてもよい。折曲部460aおよび回動支持部471の両方に付勢部材591が設けられる場合、メンテナンス口35がより確実に開きやすく、また、可動側ボンネット33をより押し上げることができる。
【0101】
接触部材593(
図16C参照)は、
図17Bに示すように下側ダクト460に接触可能な部材である。接触部材593は、折曲部460aに接触可能である。接触部材593は、下側ダクト460(の一部)と上下方向Zに対向して配置される。接触部材593は、下側ダクト460に連結されない。接触部材593は、上側ダクト50を介して可動側ボンネット33に取り付けられる。接触部材593は、上側ダクト50に取り付けられる(固定される)。接触部材593は、例えば第1実施形態の上側連結部81(
図5C参照)と同様に配置される。接触部材593は、可動側ボンネット33が閉じるのに伴って、下側ダクト460がメンテナンス口35を閉じる向きに、下側ダクト460を(折曲部460aを)付勢する(押し付ける)。
【0102】
(動作)
(可動側ボンネット33が開く動作)
図17Bに示す可動側ボンネット33が開くときのダクト構造530の動作は、次の[動作5A]〜[動作5D]の通りである。[動作5A]可動側ボンネット33の回動に伴い、接触部材593が、回動軸33aを中心に回動する。[動作5B]付勢部材591の付勢力により、下側ダクト460の折曲部460aが上側Z1に移動する(持ち上がる)。このとき、折曲部460aは、接触部材593を上側Z1に押し上げる。その結果、折曲部460aが、接触部材593および上側ダクト50を介して可動側ボンネット33を上側Z1に押し上げる。[動作5C]上記[動作4D]〜[動作4F]と同様に、折曲部460aが折れ曲がり、下側ダクト460が折り畳まれることにより、メンテナンス口35が開かれる。[動作5D]
図17Cに示すように可動側ボンネット33をさらに開くと、折曲部460aが接触部材593から離れる。
【0103】
(可動側ボンネット33を閉じる動作)
可動側ボンネット33を閉じるときのダクト構造530の動作は次の通りである。折曲部460aが接触部材593から離れた状態から、可動側ボンネット33を閉じるとする。すると、
図17Bに示すように、折曲部460aが接触部材593に接触する。可動側ボンネット33をさらに閉じると、接触部材593が折曲部460aを下側Z2に押し付ける。すると、折曲部460aが開かれる。
図17Aに示すように、可動側ボンネット33が閉じると、可動側ダクト43が管状に戻る。
【0104】
(効果8(発明6))
第5実施形態のダクト構造530による効果を説明する。
図17Bに示すダクト構造530は、付勢部材591と、接触部材593と、を備える。
[構成8−1]付勢部材591は、メンテナンス口35が開く向きに下側ダクト460を付勢する。
[構成8−2]接触部材593は、可動側ボンネット33に取り付けられる。
[構成8−3]下側ダクト460は、可動側ボンネット33から切り離された状態で、接触部材593に接触可能である。
[構成8−4]接触部材593は、可動側ボンネット33が閉じるのに伴ってメンテナンス口35が閉じる方向に下側ダクト460を付勢する。
【0105】
下側ダクト460は、可動側ボンネット33から切り離される([構成8−3])。よって、下側ダクト460の重量が可動側ボンネット33にかからない。よって、可動側ボンネット33の開閉に必要な力をより小さくできる。
【0106】
上記[構成8−2]により、接触部材593は、可動側ボンネット33の開閉に伴って回動する。また、下側ダクト460は、上記[構成8−1]のように付勢部材591に付勢され、かつ、上記[構成8−3]のように接触部材593に接触可能である。よって、接触部材593が回動すると、下側ダクト460は、メンテナンス口35を開くように動作(回動)する。よって、下側ダクト460が可動側ボンネット33から切り離された構成([構成8−3])であるにもかかわらず、可動側ボンネット33が開く動作に伴ってメンテナンス口35を開くことができる。
【0107】
ダクト構造530は、上記[構成8−4]を備える。よって、下側ダクト460が可動側ボンネット33から切り離された構成([構成8−3])であるにもかかわらず、可動側ボンネット33が閉じる動作に伴って、メンテナンス口35を閉じることができる。
【0108】
(効果9(発明8))
[構成9]ダクト構造530は、可動側ボンネット33を押し上げる向きに下側ダクト460を付勢する付勢部材591を備える。
【0109】
上記[構成9]により、可動側ボンネット33を押し上げるのに必要な力が小さくなるので、可動側ボンネット33の開閉に必要な力をより小さくできる。
【0110】
(変形例1)
図18〜
図20を参照して、変形例1のダクト構造630(630−1〜630−4)について、第1〜第4実施形態との相違点を説明する。なお、ダクト構造630のうち、第1〜第4実施形態との共通点には第1〜第4実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。相違点は、
図18に示す付勢部材691がある点である。
【0111】
(変形例1−1)
ダクト構造630−1は、第1実施形態のダクト構造30(
図6B参照)に対し、付勢部材691を付加したものである。付勢部材691は、可動側ボンネット33を押し上げる向きに下側ダクト60を付勢する。付勢部材691は、第5実施形態の付勢部材591(
図17C参照)と同様に、例えばねじりコイルばね等のばねである。付勢部材691は、回動軸71a部分(例えば回動支持部71)に取り付けられる。
【0112】
(変形例1−2)
ダクト構造630−2は、
図19に示すように、第2実施形態のダクト構造230(
図10B参照)に対し、付勢部材691を付加したものである。付勢部材691は、可動側ボンネット33を押し上げる向きに回動側下側ダクト262を付勢する。付勢部材691は、回動軸71a部分(例えば回動支持部71)に取り付けられる。
【0113】
(変形例1−3)
ダクト構造630−3は、
図20に示すように、第3実施形態のダクト構造330(
図12C参照)に対し、付勢部材691を付加したものである。付勢部材691は、可動側ボンネット33を押し上げる向きに下側ダクト360を付勢する。付勢部材691は、回動軸71a部分(例えば回動支持部71)に取り付けられる。
【0114】
(変形例1−4)
第4実施形態のダクト構造430(
図14C参照)に対し、付勢部材691(
図18参照)を付加してもよい(図示なし)。さらに詳しくは、
図14Cに示す回動軸71a部分(例えば回動支持部71)に、付勢部材691(
図18参照)が取り付けられてもよい。
【0115】
(変形例1−5)
上記「変形例1−1」や「変形例1−2」はさらに次のように変形できる。ダクト構造630−1(
図18参照)やダクト構造630−2(
図19参照)から、連結部80をなくし、第5実施形態の接触部材593(
図17C参照)を設けてもよい。これにより、上記「(効果8(発明6))」と同様の効果が得られる。
【0116】
(変形例2)
図21〜
図26を参照して、変形例2のダクト構造730(730−1、730−2、730−3)について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、ダクト構造730のうち、第1との共通点には第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。
【0117】
(変形例2−1)
図21〜
図24にダクト構造730−1を示す。ダクト構造730−1の第1実施形態との相違点は、
図22Aに示すように、継目部43aや継目部43b(
図24参照)にシール部材795がある点、および、吸音材797(
図21参照)である。
【0118】
継目部(43a、43b)は、分解可能なダクト(41・43)の構成要素どうしの連結部分に形成される。
【0119】
継目部43aは、
図22Aおよび
図22Bに示すように、固定側ダクト41と可動側ダクト43との連結部分である。継目部43aでは、固定側ダクト41と可動側ダクト43とが重ねられる(継目部43aはオーバーラップ部である)。継目部43aでは、固定側ダクト41の内側に可動側ダクト43が配置される(収容される、はめこまれる)。
【0120】
継目部43bは、
図24に示すように、上側ダクト50と下側ダクト60との連結部分である。継目部43bは、ダクト側板53とダクト底板61との連結部分である。継目部43bは、下側ダクト60の開閉内外方向Y両端部に(合計2か所)設けられる。開閉外側Y2の継目部43bは、開閉外側Y2のダクト側板53のダクト側板折曲部53bの上面と、ダクト底板61の開閉外側Y2端部の下面と、の連結部分である。開閉内側Y1の継目部43bは、開閉内側Y1のダクト側板53の下端部と、ダクト底板61の開閉内側Y1端部の上面と、の連結部分である。
【0121】
シール部材795は、
図22Aおよび
図24に示す継目部(43a、43b)をふさぐ部材である。シール部材795は、継目部(43a・43b)からダクト(41・43)の外側に空気(騒音)が漏れることを防ぐために設けられる。シール部材795は、継目部(43a・43b)に取り付けられる(固定される、貼り付けられる)。シール部材795は、継目部(43a・43b)で連結される2つの部材(例えば固定側ダクト41と可動側ダクト43)のうち、少なくとも一方に固定される。シール部材795は、継目部(43a・43b)の全部に配置されることが好ましく、一部に配置されてもよい。
図23Bに示すように、シール部材795には、傾斜部795aが形成される。
【0122】
傾斜部795aは、可動側ボンネット33の開閉時にシール部材795が他の部材(シール部材795またはダクト(41・43)など)と干渉することを抑制するために設けられる。傾斜部795aは、例えば次のように形成される。可動側ダクト43のダクト側板53に取り付けられるシール部材795の傾斜部795aを傾斜部795a−Aとする。固定側ダクト41の側板に取り付けられるシール部材795の傾斜部795aを傾斜部795a−Bとする。傾斜部795a−Aは、
図23Aに示すように、上側Z1から下側Z2になるに従ってシール部材795の厚さが小さくなるように傾斜する。
図23Bに示す傾斜部795a−Bは、傾斜部795a−Aとは逆向きに傾斜する。傾斜部795a−Bは、
図23Aに示すように上側Z1から下側Z2になるに従ってシール部材795の厚さが大きくなるように傾斜する。
【0123】
吸音材797は、
図21に示すダクト(41・43)内部で反射する騒音を吸音するための部材である。吸音材797は、ダクト(41・43)の内面に取り付けられる(固定される、貼り付けられる)。吸音材797は、可動側ダクト43の内面に取り付けられ、ダクト上板51およびダクト側板53の内面に取り付けられる。吸音材797は、ダクト底板61の内面に取り付けられてもよく、固定側ダクト41の内面に取り付けられてもよい。
【0124】
(変形例2−2)
図25Aおよび
図25Bにダクト構造730−2を示す。
図14Bに示す第4実施形態のように下側ダクト460が折り畳まれる場合、
図25Bに示すように下側ダクト460が折り畳まれたときにシール部材795が干渉しないように構成される。さらに詳しくは、開閉内側下側ダクト461に固定されるシール部材795の開閉外側Y2端部と、開閉外側下側ダクト462に固定されるシール部材795の開閉内側Y1端部と、に傾斜部795aが設けられる。また、
図25Aに示すように、可動側ボンネット33を閉じた状態のときに、これらの傾斜部795aの間を埋めるように、シール部材795が設けられてもよい。また、下側ダクト460の構成要素どうしの連結部分の継目部(折曲部460a)にシール部材795が配置されてもよい(図示なし)。
【0125】
(変形例2−3)
図26にダクト構造730−3を示す。第4実施形態のように、上側連結部481を介してダクト側板53と下側ダクト460とが接する場合がある。この場合、上側連結部481と下側ダクト460との間にシール部材795が配置される。
【0126】
(その他の変形例)
上記の各実施形態および各変形例は、さらに様々に変形できる。例えば、各実施形態や各変形例の構成の全部または一部どうしを組み合わせてもよい。