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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-224736(P2015-224736A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】螺子収納構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 41/00 20060101AFI20151117BHJP
【FI】
   F16B41/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-110466(P2014-110466)
(22)【出願日】2014年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 敬仁
(57)【要約】
【課題】第1部材を第2部材に固定する螺子を収納して保持し得る螺子収納構造を複雑な工程を要することなく形成する。
【解決手段】螺子収納構造は第1突設片及び第2突設片を備える。第1突設片及び第2突設片は、第1部材から突設され、第1部材を第2部材に固定する螺子の収納空間を形成する。螺子を収納空間内に係止し得る係止片が第2突設片ではなく第1突設片に形成される。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材から突設される第1突設片及び第2突設片を備え、
前記第1突設片及び前記第2突設片は、前記第1部材を第2部材に固定する螺子の収納空間を形成し、
前記螺子を前記収納空間内に係止し得る係止片が前記第2突設片ではなく前記第1突設片に形成される螺子収納構造。
【請求項2】
複数の前記係止片が前記第1突設片の突設方向において異なる位置に形成される請求項1に記載の第1部材に形成される螺子収納構造。
【請求項3】
前記第2突設片の形状は、前記第1突設片の突設方向から見た平面視において、C字状又はコの字状である請求項1または請求項2に記載の第1部材に形成される螺子収納構造。
【請求項4】
前記第1突設片及び前記第2突設片が、前記第1部材に形成される凹部の底面から突設される請求項1〜請求項3のいずれかに記載の第1部材に形成される螺子収納構造。
【請求項5】
前記係止片の前記第1部材に対向する面が、前記第1突設片から離れるにつれて前記第1部材から離れる方向に傾斜している請求項1〜請求項4のいずれかに記載の第1部材に形成される螺子収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材を第2部材に固定する螺子を収納する構造に関し、特に、第1部材に形成される螺子収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶テレビジョンのほとんどのモデルでは、梱包箱のサイズ削減のため、工場出荷時にスタンドを本体から分離し、本体及びスタンドを同じ梱包箱に収納して梱包している。製品を購入したユーザは、付属の螺子を用いて、液晶テレビジョンの本体にスタンドを取り付ける。この螺子は、通常、ポリ袋などに入れて製品に同梱される小さな部品である。そのため、ユーザは、付属の螺子を見つけ難く、開梱時に粉失し易い。そのため、従来では、たとえば特許文献1のように、付属の螺子をスタンドなどの部材に保持するなどの工夫がなされていた。
【0003】
この特許文献1では、抜け止め保持体の連結盤部の螺子孔の周囲に3本の保持筒部が設けられる。螺子は、これらの保持筒部により形成される挿入孔内に収容される。また、各保持筒部の先端には、螺子の頭部を係止する抜け止め突部が内側縁に突出形成されている。これらの構造により、抜け止め保持体は螺子を抜け止め状態で挿入保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3043920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の抜け止め保持体では、保持筒部が撓みにくい。そのため、螺子の頭部を挿入する際、抜け止め突部に大きな荷重が掛かるので、抜け止め突部が折れたり欠けたりする恐れがある。また、3本の保持筒部の全てに抜け止め突部が形成されるため、抜け止め保持体の製造工程において、保持筒部(特に抜け止め突部)を形成する際、その金型が複雑な形状となり、抜け止め突部近傍の金型を外す空間を確保しにくい。従って、製造工程が複雑化するという問題がある。
【0006】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、第1部材を第2部材に固定する螺子を収納して保持し得る螺子収納構造を複雑な工程を要することなく形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一の態様による螺子収納構造は、第1部材から突設される第1突設片及び第2突設片を備え、第1突設片及び第2突設片は、第1部材を第2部材に固定する螺子の収納空間を形成し、螺子を収納空間内に係止し得る係止片が第2突設片ではなく第1突設片に形成される構成(第1の構成)とされる。
【0008】
上記第1の構成によれば、第1突設片及び第2突設片が第1部材から突設される。第1部材を第2部材に固定する螺子を収納空間内に係止し得る係止片は、第2突設片ではなく、第1突設片に形成される。そのため、比較的複雑な形状の金型を用いることなく、螺子収納構造を第1部材に形成することができる。また、形成時に、係止片近傍の金型を外す空間を確保し易くなる。従って、第1部材を第2部材に固定する螺子を収納して保持し得る螺子収納構造を複雑な工程を要することなく形成することができる。
【0009】
さらに、第1部材を第2部材に固定しない状態では、螺子を収納空間内に収納して保管できる。そのため、螺子の保管用具(ポリ袋など)を不要にすることができ、保管時などに螺子を保管用具に入れる手間も省くことができる。また、第1部材を第2部材に固定する際などにユーザが螺子を探す手間を省くことができ、螺子の紛失を防止することもできる。
【0010】
また、上記第1の構成の螺子収納構造において、複数の係止片が第1突設片の突設方向において異なる位置に形成される構成(第2の構成)としてもよい。
【0011】
上記第2の構成によれば、複数の係止片の間に螺子が保持されるので、収納空間内での第1突設片の突設方向における螺子の移動を防止することができる。従って、螺子の移動に伴う異音の発生を抑制又は防止することができる。
【0012】
また、上記第1又は第2の構成の螺子収納構造において、第2突設片の形状は、第1突設片の突設方向から見た平面視において、C字状又はコの字状である請求項1または請求項2に記載の第1部材に形成される構成(第3の構成)としてもよい。
【0013】
上記第3の構成によれば、第2突設片により第1突設片の突設方向と直交する方向における螺子の移動を抑制又は防止することができる。従って、該突設方向と直行する方向における螺子の移動に伴う異音の発生を抑制又は防止することができる。
【0014】
また、上記第1〜第3のいずれかの構成の螺子収納構造において、第1突設片及び第2突設片が、第1部材に形成される凹部の底面から突設される構成(第4の構成)としてもよい。
【0015】
上記第4の構成によれば、螺子収納構造が第1部材の凹部の底面から突設されるため、螺子収納構造のうち、該凹部の外部に突出する部分が少なくなる。従って、該突出する部分が邪魔になり難いので、たとえば第1部材の装脱着又は第1部材の保管などがし易くなる。
【0016】
また、上記第1〜第4のいずれかの構成の螺子収納構造において、係止片の第1部材に対向する面が、第1突設片から離れるにつれて第1部材から離れる方向に傾斜している構成(第5の構成)としてもよい。
【0017】
上記第5の構成によれば、収納空間内に収納されている螺子を係止片の第1部材に対向する面で係止することができるとともに、螺子を係止片の第1部材側からその反対側へ比較的容易に移動させることもできる。従って、たとえば、螺子を収納空間から取り外したり、第1部材と係止片との間にある螺子を複数の係止片間に移動させて保持させたりすることをより容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1部材を第2部材に固定する螺子を収納して保持し得る螺子収納構造を複雑な工程を要することなく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】螺子収納構造を有する液晶テレビジョンの分解斜視図である。
図2】スタンドの凹部の拡大斜視図である。
図3】第1実施形態に係る螺子収納構造の拡大断面図である。
図4A】螺子の挿入直前における螺子収納構造の断面斜視図である。
図4B】螺子の挿入後における螺子収納構造の断面斜視図である。
図4C】スタンドを液晶テレビジョン本体に装着した際の螺子収納構造の断面斜視図である。
図5A】第1実施形態の変形例に係る螺子収納構造の斜視図である。
図5B】第1実施形態の他の変形例に係る螺子収納構造の斜視図である。
図6A】第2実施形態に係る螺子収納構造の外観斜視図である。
図6B】第2実施形態に係る螺子収納構造の断面斜視図である。
図7】第3実施形態に係る螺子収納構造の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、螺子収納構造1を有する液晶テレビジョンの分解斜視図である。図1に示すように、液晶テレビジョンは、スタンド100(第1部材)と液晶テレビジョン本体200(第2部材)とに分離可能である。組み立ての際には、3本の螺子300を用いてスタンド100が液晶テレビジョン本体200に装着される。なお、螺子300の数は、この例示に限定されず、1〜2又は4以上であってもよい。
【0022】
スタンド100の裏面100aには凹部101が形成されている。図2は、スタンド100の凹部101の拡大斜視図である。凹部101の底面101aには、スタンド100をその厚さ方向に貫通する3つの螺子取付孔101bが形成されている。螺子300は、スタンド100の裏面100aから螺子取付孔101bを介して液晶テレビジョン本体200の雌螺子孔200aに螺合され(図1参照)、スタンド100を液晶テレビジョン本体200に固定する。また、図2に示すように、各螺子取付孔101bの周囲には、螺子収納構造1が形成されている。螺子収納構造1は、外部から螺子取付孔101bに挿入される螺子300を内部の収納空間1aに脱着可能に収納及び保持することができる。なお、螺子取付孔101b、螺子収納構造1、及び雌螺子孔200aの数はそれぞれ、この例示に限定されず、1〜2又は4以上であってもよい。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る螺子収納構造1の拡大断面図である。なお、図3では、凹部101の底面101aの法線方向をzで示している。これは、他の図においても同様に示される。
【0024】
図3に示すように、螺子収納構造1は、リブ2と、側壁部3と、を含んで構成されている。また、リブ2、側壁部3、及び凹部101の底面101aにより囲まれた空間が収納空間1aとなっている。
【0025】
リブ2は、凹部101の底面101aからz方向に突設される板状の第1突設片である。その断面形状は、z方向から見て細長い長方形となっている。側壁部3に対向するリブ2の内側面には、収納空間1a内に収納された螺子300の頭部301を係止するための係止片21が形成されている。収納空間1a内でのz方向における螺子300の移動は係止片21により制限される。また、リブ2において、この係止片21と凹部101の底面101aとの間には、リブ2を形成する際に金型を外す空間を確保するための開口部22が形成されている。なお、以下では、この開口部22をアンダースペース22と呼ぶ。
【0026】
側壁部3は、凹部101の底面101aからz方向に突設される第2突設片であり、リブ2とともに収納空間1aを形成している。その断面形状は、z方向から見た平面視において、円の一部を切り欠いたC字状の円弧形状となっている。収納空間1aに螺子300が収納される状態にて、側壁部3の内面は、螺子300の頭部301と摺動可能に当接しており、z方向に直交する方向における螺子300の移動をリブ2と共に制限している。
【0027】
図3に示す螺子収納構造1では、スタンド100を液晶テレビジョン本体200に固定する螺子300を収納空間1a内に係止し得る係止片21は、側壁部3ではなく、リブ2に形成される。すなわち、係止片21は側壁部3には形成されない。そのため、比較的複雑な形状の金型を用いることなく、螺子収納構造1をスタンド100に形成することができる。また、リブ2を形成する際に、係止片21近傍の金型を外す空間を確保し易くなる。従って、液晶テレビジョン本体200にスタンド100を固定する螺子300を収納して保持し得る螺子収納構造1を複雑な工程を要することなく形成することができる。
【0028】
さらに、スタンド100を液晶テレビジョン本体200に固定しない状態では、螺子300を収納空間1a内に収納して保管できる。そのため、螺子300の保管用具(ポリ袋など)を不要にすることができ、保管時などに螺子300を保管用具に入れる手間も省くことができる。また、スタンド100を液晶テレビジョン本体200に固定する際などにユーザが螺子300を探す手間を省くことができ、螺子300の紛失を防止することもできる。
【0029】
また、図2及び図3に示すように、螺子収納構造1では、リブ2及び側壁部3が、スタンド100に形成される凹部101の底面101aから突設される。そのため、螺子収納構造1のうち、スタンド100の裏面100aから突出する部分(該凹部101の外部に突出する部分)が少なくなる。従って、該突出する部分が邪魔になり難いので、たとえばスタンド100の装脱着又は保管などがし易くなっている。
【0030】
次に、螺子収納構造1に挿入された螺子300の収納空間1a内での収納状態について説明する。図4Aは、螺子300の挿入直前における螺子収納構造1の断面斜視図である。図4Bは、螺子300の挿入後における螺子収納構造1の断面斜視図である。図4Cは、スタンド100を液晶テレビジョン本体200に装着した際の螺子収納構造1の断面斜視図である。
【0031】
螺子取付孔101bに挿入される螺子300は、図4Aに示すように収納空間1aの外部から螺子収納構造1に挿入される。係止片21の上面はテーパ状又は斜面となっており且つリブ2は収納空間1aの外方に撓みやすくなっている。そのため、螺子取付孔101bの上方から螺子300を螺子収納構造1に押し込むだけで、ドライバーなどの工具を用いてねじ込む必要なく、螺子収納構造1に螺子300を挿入することができる。
【0032】
螺子300の頭部301が係止片21を乗り越えると、図4Bに示すように、螺子300の頭部301が収納空間1a内において凹部101の底面101aと係止片21との間に移動可能に収納され、螺子300の軸部302が螺子取付孔101bに挿入される。なお、スタンド100が螺子300で液晶テレビジョン本体200に装着されていない場合、螺子300の頭部301は凹部101の底面101aと係止片21との間においてz方向に移動可能となっている。ただし、係止片21の下面211(凹部101の底面101aと対向する面)はz方向と直交している。そのため、収納空間1a内の螺子300がz方向に移動すると、螺子300の頭部301が係止片21の下面211で係止される。従って、螺子収納構造1に挿入された螺子300は、リブ2を撓ませる程度に強い外力を受けない限り、螺子収納構造1から簡単には脱落しなくなっている。
【0033】
スタンド100を液晶テレビジョン本体200に装着する際には、図4Cに示すように、収納空間1a内に収納されている螺子300がドライバーなどの工具でねじ込まれる。そのため、ユーザが螺子300を扱う手間を省いて、螺子300の軸部302を液晶テレビジョン本体200の雌螺子孔200aに螺合させることができる。従って、ユーザは、たとえば、螺子300を雌螺子孔200aにあてがわなくてもよいし、螺合時に螺子300を指でつまんで固定しなくてもよい。雌螺子孔200aに螺子300を螺合することにより、螺子300の頭部301は、リブ2、係止片21、及び側壁部3に負荷を掛けることなく、凹部101の底面101aを液晶テレビジョン本体200に向かって押圧する。
【0034】
なお、ユーザが螺子収納構造1から螺子300を取り外したい場合には、ユーザは、スタンド100の裏面101bとは逆の主面から、螺子取付孔101bに細い棒などを差し込めばよい。そして、ユーザは、螺子300の頭部301がリブ2を撓ませて係止片21を乗り越えて移動できる程度の力で、螺子300の軸部302の先端を押せばよい。こうすれば、ユーザは、比較的簡単に、螺子300を螺子収納構造1から取り出すことができる。
【0035】
<第1実施形態の変形例>
上述の説明では、リブ2の断面形状が細長い長方形状であり且つ側壁部3の断面形状がC字状である螺子収納構造1を例示したが、リブ2及び側壁部3の形状はこの例示に限定されない。図5Aは第1実施形態の変形例に係る螺子収納構造1の斜視図である。図5Bは第1実施形態の他の変形例に係る螺子収納構造1の斜視図である。
【0036】
図5Aに示すように、リブ2の断面形状はz方向から見た平面視において円弧形状であってもよい。この際、リブ2の断面形状は、螺子取付孔101b及びC字状の側壁部3と同一の中心点を有する円弧形状であると好ましく、螺子300の頭部301の側周縁が内接する円弧形状であればさらに好ましい。こうすれば、リブ2及び側壁部3は、螺子300の頭部301の側周縁をz方向に摺動可能に保持して、z方向と直交する方向における該螺子300の移動をより確実に抑制又は防止することができる。そのため、z方向と直交する方向における該螺子300の移動に起因する異音の発生を抑制又は防止することができる。
【0037】
また、側壁部3の断面形状は、z方向から見た平面視において、リブ2の突設位置に対応する部分を切り欠いた多角形状(たとえば図5Bに示すようなコの字状)であってもよい。この際、側壁部3の断面形状は、螺子300の頭部301の側周縁が内接する多角形状であると好ましい。このようにしても、リブ2及び側壁部3は、螺子300の頭部301の側周縁をz方向に摺動可能に保持して、z方向に直交する方向における該螺子300の移動を制限することができる。
【0038】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、リブ2の内面のz方向に異なる位置に2つの係止片21a、21bが形成される。それ以外は、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0039】
図6Aは、第2実施形態に係る螺子収納構造1の外観斜視図である。また、図6Bは、第2実施形態に係る螺子収納構造1の断面斜視図である。図6A及び図6Bに示すように、側壁部3に対向するリブ2の内側面には、z方向に異なる位置に第1係止片21a及び第2係止片21bが形成されている。また、リブ2において、第1係止片21aと第2係止片21bとの間及び第2係止片21bと底面101aとの間には、アンダースペース22が形成されない。よって、リブ2(特に第1係止片21a)を形成する際に金型を外す空間を確保するために、リブ2と側壁部3との間の少なくとも一方の隙間は、リブ2に1つの係止片21を形成する螺子収納構造1(たとえば図2参照)よりも広くなっている。
【0040】
第1係止片21a及び第2係止片21bは、螺子300の頭部301を保持できるように形成されている。そのため、第1係止片21aの下面211aと第2係止片21bの上面との間の間隔は、少なくとも頭部301の側周縁のz方向における厚さ以上に設定されている。こうすれば、第1係止片21aと第2係止片21bとの間に螺子300の頭部301を保持できるので、収納空間1a内でのz方向における螺子300の移動を抑制又は防止することができる。従って、螺子300の移動に伴う異音の発生を抑制又は防止することができる。
【0041】
なお、この間隔は、螺子300の頭部301のz方向の厚さと同程度の距離に設定されるとより好ましい。こうすれば、第1係止片21aと第2係止片21bとの間に螺子300の頭部301をより確実に保持して、螺子300のガタツキを防止できる。従って、螺子300の移動に伴う異音の発生をより確実に防止することができる。
【0042】
また、上述の構成では、リブ2の内側面にアンダースペース22は形成されないが、本発明の螺子収納構造1はこの例示に限定されない。第1係止片21aと第2係止片21bとの間及び第2係止片21bと底面101aとの間に、アンダースペース22がそれぞれ形成されてもよい。こうすれば、リブ2を形成する際に金型を外す空間をリブ2と側壁部3との間の少なくとも一方の隙間に確保する必要がない。従って、この場合には、リブ2と側壁部3との間の隙間は、リブ2に1つの係止片21を形成する螺子収納構造1(たとえば図2)と同程度にすることができる。
【0043】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第2係止片21bの下面211bは、テーパ状又は斜面となっており、リブ2から離れるにつれて凹部101の底面101aから離れる方向に傾斜している。それ以外は、第2実施形態と同様である。以下では、第2実施形態と異なる構成について説明する。また、第2実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
【0044】
図7は、第3実施形態に係る螺子収納構造1の断面斜視図である。図7に示すように、第2係止片21bの下面211bはテーパ状又は斜面となっている。そのため、凹部101の底面101aと第2係止片21bとの間にある螺子300の頭部301が、第2係止片21bを乗り越えて、第1係止片21aと第2係止片21bとの間に移動することが容易になっている。こうすれば、収納空間1a内に収納されている螺子300を第2係止片21bの下面211bで係止することができるとともに、螺子300を第2係止片21bの底面101a側からその反対側へ比較的容易に移動させることもできる。従って、底面101aと第2係止片21bとの間にある螺子300の頭部301を第1係止片21aと第2係止片21bとの間に移動させて保持させることを容易に行うことができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
たとえば、上述の第1〜第3実施形態では、1つ又は2つの係止片21がリブ2の内側面に形成されているが、係止片21の数は、これらの例示に限定されず、3つ以上の複数であってもよい。こうすれば、各係止片21間に螺子300を保持できるので、収納空間1a内でのz方向における螺子300の移動を抑制又は防止して、螺子300のガタツキを防止することができる。従って、螺子300の移動に伴う異音の発生を抑制又は防止することができる。
【0047】
また、上述の第1実施形態では係止片21の下面211がz方向と直交し、上述の第2及び第3実施形態では第1係止片21aの下面211aもz方向と直交しているが、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。リブ2の内側面に形成される一部又は全部の係止片21の下面211が、リブ2から離れるにつれて凹部101の底面101aから離れる方向に傾斜するテーパ状又は斜面となっていてもよい。たとえば、上述の第1実施形態の係止片21の下面211、及び、上述の第2及び第3実施形態の第1係止片21aの下面211aがテーパ状又は斜面となっていてもよい。こうすれば、収納空間1a内に収納されている螺子300をテーパ状又は斜面の下面211、211aで係止することができるとともに、該下面211を有する係止片21、又は該下面211aを有する第1係止片21aの底面101a側から収納空間1aの外部へと螺子300を比較的容易に移動させることもできる。従って、ユーザが螺子300を螺子収納構造1から取り外したい場合には、螺子300を収納空間1aから容易に取り外すことができる。
【0048】
本発明は、螺子300を用いてスタンド100を液晶テレビジョン本体200に装着する液晶テレビジョンに適用しているが、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない。本発明は、螺子300を用いた取り付け構造を有するものであれば広く適用可能である。たとえば、本発明は、別々に梱包された部材を螺子300で組み立てる電子機器のみならず、螺子300を用いて複数の部材を組み立てる組立家具などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 螺子収納構造
1a 収納空間
2 リブ
21 係止片
211 下面
21a 第1係止片
21b 第2係止片
22 アンダースペース
3 側壁部
100 スタンド
100a 裏面
101 凹部
101a 底面
101b 螺子取付孔
200 液晶テレビジョン本体
200a 雌螺子孔
300 螺子
301 頭部
302 軸部
図3
図4A
図4B
図4C
図6A
図6B
図7
図1
図2
図5A
図5B