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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-224739(P2015-224739A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】流体伝動装置の前後進切替機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 41/26 20060101AFI20151117BHJP
   F16H 47/07 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   F16H41/26
   F16H47/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-110575(P2014-110575)
(22)【出願日】2014年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ ピディン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】前後進切替機構を備えた流体伝動装置を提供する。
【解決手段】流体から仕事を取り出すタービンを互いに回転方向が異なる第1タービンライナー2と第2タービンライナー3によって構成する。なお、第1タービンライナー2は各回転羽根2aが径方向外側のケーシング内周面に沿って配設されていると共に前記第2タービンライナー3は各回転羽根3aが径方向内側から外側へ放射状に円板上に配設されている。また、中間軸7を入力軸5に一方の壁部材がインサート部材として他方の壁間に入り込んで軸方向に対し相対移動する入れ子構造を成すように構成すると共に、第1タービンライナー2に係合する第1スライダー8に対しては軸方向移動に関し同軸上に一体化する。更に第2タービンライナー3とステータ4に係合する第2スライダー9は中間軸7の外周面にスライド移動可能に配設すると共にカム14によって一体化可能に構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体に仕事を与えるポンプと、流体から仕事を取り出すタービンと、流体を整流しながら前記タービンから前記ポンプへ案内するステータと、エンジンから回転駆動力が入力される入力軸と、回転駆動力を変速機へ出力する出力軸と、前記出力軸に対し回転方向に同期しながら前記入力軸と前記出力軸の両軸に対し軸方向にスライド移動可能な中間軸とを備えた流体伝動装置であって、
前記タービンは回転方向が互いに逆向きとなる第1タービンと第2タービンによって構成され、前記中間軸がスライドして一方のタービンと係合する時他方のタービンは回転が拘束されるように構成されていることを特徴とする流体伝動装置。
【請求項2】
前記第1タービンは各回転羽根が径方向外側のケーシング内周面に沿って配設されていると共に前記第2タービンは各回転羽根が径方向内側から外側へ放射状に円板上に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の流体伝動装置。
【請求項3】
前記第2タービンの各回転羽根は翼構造を成し翼前縁が径方向外側に翼後縁が径方向内側に位置し且つ翼背が回転方向に反るように配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体伝動装置。
【請求項4】
前記第1タービンと前記第2タービンの各軸受面には内係合機構がそれぞれ設けられていると共に前記中間軸の外周面にはこれらに係合する外係合機構が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項5】
前記中間軸は、軸方向のみ移動可能で前記第1タービンの外係合機構と係合する内係合機構を備えた第1スライダーと軸方向移動に関し一体化されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項6】
前記第1スライダーは中空円筒構造を成し前記中間軸は前記第1スライダーの内部にベアリングを介して挿通されていることを特徴とする請求項5に記載の流体伝動装置。
【請求項7】
前記中間軸と前記入力軸は二重壁構造をそれぞれ有し、一方の壁部材がインサート部材として他方の壁間に入り込んで軸方向に対し相対移動する入れ子構造を成していることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項8】
前記中間軸の二重壁構造に連続した後部側壁の外周面には環状溝が周方向に沿って形成されていると共に前記入力軸の二重壁構造に係る外壁の外周面には、前記入力軸と前記ポンプを一体化する第1連結部材が配設された複数の第1貫通穴が周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項7に記載の流体伝動装置。
【請求項9】
前記中間軸の二重壁構造に係る内壁の外周面には複数の窪みが環状に形成されていると共に前記入力軸の二重壁構造に係る内壁の外周面には、前記入力軸と前記中間軸を一体化する第2連結部材が配設された複数の第2貫通穴が周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の流体伝動装置。
【請求項10】
前記第1及び第2連結部材はメタルボールであることを特徴とする請求項8又は9に記載の流体伝動装置。
【請求項11】
前記環状溝は側部内周面が軸方向に対し傾斜していることを特徴とする請求項8に記載の流体伝動装置。
【請求項12】
前記中間軸の二重壁構造に係る後外壁の内周面先端は傾斜面を成していると共に前記窪みの側部内周面は傾斜面を成していることを特徴とする請求項9に記載の流体伝動装置。
【請求項13】
前記中間軸の前記二重構造に係る前外壁の外周面には、前記第2タービン及びステータの双方に係合する外係合機構を備えた第2スライダーが同軸にスライド可能に設けられていることを特徴とする請求項8から12の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項14】
前記中間軸の前記前外壁の外周面には複数の貫通穴が形成されていると共に前記前外壁と前記内壁との壁間には第3連結部材が配設される一方、前記第2スライダーの内周面には内周溝が形成されていることを特徴とする請求項6から13の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項15】
前記中間軸が移動する時、前記中間軸の前外壁と内壁との壁間に前記入力軸の内壁が相対移動して前記第3連結部材を押し上げて、前記第3連結部材は前記中間軸の貫通穴と前記第2スライダーの内周溝に同時に嵌ることを特徴とする請求項14に記載の流体伝動装置。
【請求項16】
前記第2スライダーの内周溝には前記第3連結部材を径方向内側に付勢する弾性体が配設されていることを特徴とする請求項13から15の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項17】
前記入力軸の内壁の先端部は傾斜していると共に前記内壁が当接する前記第3連結部材の当接部位は傾斜していることを特徴とする請求項14から16の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項18】
前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第1連結部材は前記中間軸の環状溝に嵌り前記入力軸と前記ポンプの結合を解除することを特徴する請求項1から17の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項19】
前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第1連結部材は前記中間軸の環状溝から抜け出して前記中間軸の後外壁または後部側壁に位置し前記入力軸と前記ポンプを一体化することを特徴とする請求項1から18の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項20】
前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第2連結部材は前記中間軸の窪みに嵌り前記入力軸と前記中間軸を一体化することを特徴とする請求項1から19の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項21】
前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第2連結部材は前記中間軸の窪みから抜け出して前記入力軸と前記中間軸の結合を解除することを特徴とする請求項1から20の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項22】
前記中間軸が前記第1タービンに係合する時、前記第2スライダーは前記第2タービン及びステータの双方に係合していることを特徴とする請求項1から21の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項23】
前記中間軸が前記第2タービンに係合する時、前記第1スライダーは前記第1タービンに係合していることを特徴とする請求項1から22の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項24】
前記第1スライダーの外周面にはピポットが設けられ、リング状ロータの内周面に前記ピポットが嵌る螺旋状溝が形成されたヨークカムを備えたモータによって軸方向に駆動されることを特徴とする請求項1から23の何れかに記載の流体伝動装置。
【請求項25】
前記第1スライダーは回転および軸方向移動不能な固定円筒部材によってスライド移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から24の何れかに記載の流体伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体伝動装置の前後進切替機構に関し、より詳細には前後進の切り替えを流体伝動装置のみによって実現することにより変速機の軸方向の長さを短くすることが可能な流体伝動装置の前後進切替機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルト式CVTの前後進の切り替えはトルクコンバータとドライブプーリとの間に遊星歯車と二つの湿式クラッチが組み合わされた機構を挿入し、遊星歯車の各要素をクラッチによって締結または開放を行うことによりドライブプーリの回転方向を切り替えていた(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−190415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載されている無段変速機は、変速機の軸方向の長さが増えるため必然的にエンジンルーム内の空間を圧迫するという問題点を有しレイアウトの自由度さらには軽量化の点で不利であった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、前後進の切り替えを流体伝動装置のみによって実現することにより変速機の軸方向の長さを短くすることが可能な流体伝動装置の前後進切替機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の流体伝動装置の第1の特徴は、流体に仕事を与えるポンプと、流体から仕事を取り出すタービンと、流体を整流しながら前記タービンから前記ポンプへ案内するステータと、エンジンから回転駆動力が入力される入力軸と、回転駆動力を変速機へ出力する出力軸と、前記出力軸に対し回転方向に同期しながら前記入力軸と前記出力軸の両軸に対し軸方向にスライド移動可能な中間軸とを備えた流体伝動装置であって、
前記タービンは回転方向が互いに逆向きとなる第1タービンと第2タービンによって構成され、前記中間軸がスライドして一方のタービンと係合する時他方のタービンは回転が拘束されるように構成されていることである。
【0006】
上記構成では、中間軸の移動距離に応じて前記第1タービンと第2タービンの何れか一方の回転動力が中間軸を介して前記出力軸に伝達されることになる。例えば第1タービンの回転方向を正転(前進)とする一方第2タービンの回転方向を逆転(後退)とする場合、中間軸の移動距離に応じて正転(前進)に係る回転動力と逆転(後退)に係る回転動力の各トルク出力状態を切り替えることが可能となる。これにより前後進の切り替えを流体伝動装置によって実現することが可能となる。
【0007】
本発明の流体伝動装置の第2の特徴は、前記第1タービンは各回転羽根が径方向外側のケーシング内周面に沿って配設されていると共に前記第2タービンは各回転羽根が径方向内側から外側へ放射状に円板上に配設されている、ことである。
【0008】
上記構成では、第2タービンは第1タービンのケーシング内部空間に収納することが出来るため、軸方向の長さ増大させることなく2つのタービンを同一面かつ同軸上に配設することが可能となる。
【0009】
本発明の流体伝動装置の第3の特徴は、前記第2タービンの各回転羽根は翼構造を成し翼前縁が径方向外側に翼後縁が径方向内側に位置し且つ翼背が回転方向に反るように配設されている、ことである。
【0010】
上記構成では、ポンプからエネルギーを得た流体が第1タービンの各回転羽根で反射して径方向外側から第2タービンへ流れ込む際、回転羽根の翼構造によって翼背と翼腹との間において圧力差が生じ、その圧力差によって各翼において翼腹から翼背の方向へ回転力が発生する。すなわち翼前縁が径方向外側に翼後縁が径方向内側に位置し且つ翼背が回転方向に反るように配設することにより第2タービンを第1タービンに対し逆方向に回転させることが出来るようになる。
【0011】
本発明の流体伝動装置の第4の特徴は、前記第1タービンと前記第2タービンの各軸受面には内係合機構がそれぞれ設けられていると共に前記中間軸の外周面にはこれらに係合する外係合機構が設けられている、ことである。
【0012】
上記構成では、中間軸の移動距離に応じて中間軸を第1タービンと第2タービンの何れか一方のタービンに係合させることが出来るようになる。つまり、中間軸は第1タービンと第2タービンに対し選択的に係合し、中間軸の移動距離に応じて第1タービンの正転(前進)に係る回転動力と第2タービンの逆転(後退)に係る回転動力を選択的に出力軸へ伝達することが出来るようになる。
【0013】
本発明の流体伝動装置の第5の特徴は、前記中間軸は、軸方向のみ移動可能で前記第1タービンの外係合機構と係合する内係合機構を備えた第1スライダーと軸方向移動に関し一体化されている、ことである。
【0014】
上記構成では、第1スライダーは(第1タービンと第2タービンに選択的に係合する)上記中間軸を軸方向に移動させる駆動手段となると共に、中間軸が第2タービンと係合する際の第1タービンの回転を拘束する回転拘束手段としても機能するようになる。また、第1スライダーは中間軸と軸方向移動に関し一体化されているため、中間軸と第1スライダーの各移動距離は全く同じである。従って、中間軸の移動距離は第1スライダーの移動距離によって代用することが出来るようになり、第1スライダーの移動距離を操作量として前後進の切替を行うことが可能となる。
【0015】
本発明の流体伝動装置の第6の特徴は、前記第1スライダーは中空円筒構造を成し前記中間軸は前記第1スライダーの内部にベアリングを介して挿通されている、ことである。
【0016】
上記構成では、ベアリングによって中間軸は第1スライダーと軸方向移動に関し一体化しながら第1スライダーとは独立に回転することが可能となる。これにより中間軸は選択的に軸方向に移動して第1タービン又は第2タービンの何れか一方に係合し第1タービンの正転(前進)に係る回転動力と第2タービンの逆転(後退)に係る回転動力を選択的に出力軸へ伝達することが出来るようになる。
【0017】
本発明の流体伝動装置の第7の特徴は、前記中間軸と前記入力軸は二重壁構造をそれぞれ有し、一方の壁部材がインサート部材として他方の壁間に入り込んで軸方向に対し相対移動する入れ子構造を成している、ことである。
【0018】
上記構成では、他方の壁間に入り込んだ一方の壁部材が起動部材となりその壁間に設けられた従動部材(連結部材)に作用することにより、従動部材上下に変位させて中間軸と入力軸または後述の第2スライダーを一体化することが出来るようになると共に、入力軸とポンプを一体化することが出来るようになる。
【0019】
本発明の流体伝動装置の第8の特徴は、前記中間軸の二重壁構造に連続した後部側壁の外周面には環状溝が周方向に沿って形成されていると共に前記入力軸の二重壁構造に係る外壁の外周面には、前記入力軸と前記ポンプを一体化する第1連結部材が配設された複数の第1貫通穴が周方向に沿って形成されている、ことである。
【0020】
上記構成では、中間軸がスライドして中間軸の環状溝と入力軸の第1貫通穴が一致する時にその第1連結部材は環状溝に嵌り、環状溝に嵌った第1連結部材はポンプに係合することが出来ずに入力軸とポンプの結合は解除されることになる。つまり、中間軸がスライドして第1連結部材を環状溝に落とすことにより入力軸とポンプの結合を解除することが出来るようになる。
【0021】
本発明の流体伝動装置の第9の特徴は、前記中間軸の二重壁構造に係る内壁の外周面には複数の窪みが環状に形成されていると共に前記入力軸の二重壁構造に係る内壁の外周面には、前記入力軸と前記中間軸を一体化する第2連結部材が配設された複数の第2貫通穴が周方向に沿って形成されている、ことである。
【0022】
上記構成では、中間軸がスライドして中間軸の窪みと入力軸の第2貫通穴が一致する時にその第2連結部材は窪みに嵌る。窪みに嵌った第2連結部材は中間軸の二重壁構造により上下方向の移動が拘束される一方、入力軸の内壁によって横方向の移動が拘束され窪みから抜け出すことが出来なくなる。その結果、入力軸と中間軸は第2連結部材によって回転方向に関し一体化されることになる。つまり、中間軸がスライドして第2連結部材を窪みに落とすことにより入力軸とポンプを回転方向に関し一体化することが出来るようになる。
【0023】
本発明の流体伝動装置の第10の特徴は、前記第1及び第2連結部材はメタルボールである、ことである。
【0024】
上記構成では、第1連結部材が環状溝に嵌る場合あるいは第2連結部材が窪みに嵌らない場合、上記連結部材はポンプ及び中間軸との間、あるいは入力軸と中間軸との間を転がりながら摺動することになる。連結部材がメタルボールの場合転がり摺動抵抗が小さくなるため、入力軸とポンプが一体化されない場合あるいは入力軸と中間軸が一体化されない場合の回転動力の損失が小さくなる。
【0025】
本発明の流体伝動装置の第11の特徴は、前記環状溝は側部内周面が軸方向に対し傾斜している、ことである。
【0026】
上記構成では、中間軸を入力軸に対しスライドさせることにより、入力軸の外壁が第1連結部材に当接する。この場合、側部内周面が軸方向に対し傾斜していることにより第1連結部材は環状溝から押し出されることになる。つまり、上記構成により入力軸とポンプの結合を選択的に断続することが可能となる。
【0027】
本発明の流体伝動装置の第12の特徴は、前記中間軸の二重壁構造に係る後外壁の内周面先端は傾斜面を成していると共に前記窪みの側部内周面は傾斜面を成している、ことである。
【0028】
上記構成では、中間軸に窪みに嵌った第2連結部材は窪みから抜け出すことが出来なくなるが、後外壁の傾斜面と窪みの傾斜面の相乗効果により中間軸を逆方向へスライドすることにより、第2連結部材を窪みから引き上げ入力軸と中間軸の結合を解除することが出来るようになる。つまり上記構成により入力軸と中間軸の結合を選択的に断続することが可能となる。
【0029】
本発明の流体伝動装置の第13の特徴は、前記中間軸の前記二重構造に係る前外壁の外周面には、前記第2タービン及びステータの双方に係合する外係合機構を備えた第2スライダーが同軸にスライド可能に設けられている、ことである。
【0030】
上記構成では、中間軸が第1タービンに係合する時に第2スライダーによって第2タービンの回転を拘束することが可能となる。
【0031】
本発明の流体伝動装置の第14の特徴は、前記中間軸の前記前外壁の外周面には複数の貫通穴が形成されていると共に前記前外壁と前記内壁との壁間には第3連結部材が配設される一方、前記第2スライダーの内周面には内周溝が形成されている、ことである。
【0032】
上記構成では、中間軸を第2タービンに係合させる場合、第3連結部材によって中間軸と第2スライダーを一体化し、中間軸を軸方向にスライドさせることにより、中間軸の外係合機構と第2スライダーの外係合機構が離隔した状態を形成して第2スライダーと第2タービン及びステータの係合を解除することが出来るようになる。つまり、中間軸が第2タービンに係合する際、第2スライダーと第2タービン及びステータの係合を確実に切断すると共に切断した後も中間軸が第2スライダーによって妨げられることがない状態を形成することが出来るようになる。
【0033】
本発明の流体伝動装置の第15の特徴は、前記中間軸が移動する時、前記中間軸の前外壁と内壁との壁間に前記入力軸の内壁が相対移動して前記第3連結部材を押し上げて、前記第3連結部材は前記中間軸の貫通穴と前記第2スライダーの内周溝に同時に嵌る、ことである。
【0034】
上記構成では、中間軸を軸方向にスライドさせることにより第3連結部材によって中間軸と第2スライダーを一体化させ、中間軸の外係合機構と第2スライダーの外係合機構が離隔した状態を形成して第2スライダーと第2タービン及びステータの係合を解除することが出来るようになる。
【0035】
本発明の流体伝動装置の第16の特徴は、前記第2スライダーの内周溝には前記第3連結部材を径方向内側に付勢する弾性体が配設されている、ことである。
【0036】
上記構成では、弾性体は入力軸内壁による第3連結部材の急激な押し上げを抑制すると共に押し上げられた第3連結部材の姿勢を安定させる。
【0037】
本発明の流体伝動装置の第17の特徴は、前記入力軸の内壁の先端部は傾斜していると共に前記内壁が当接する前記第3連結部材の当接部位は傾斜している、ことである。
【0038】
上記構成では、入力軸の内壁が第3連結部材に係合する場合、第3連結部材に作用する入力軸の内壁の当接荷重を好適に分散させ第3連結部材を上方へ円滑に移動させることが出来る一方、入力軸の内壁が第3連連結部材に係合しなくなる場合、第3連結部材を元の位置に円滑に案内することが出来るようになる。つまり、上記構成により中間軸と第2スライダーの結合あるいは解除を円滑に行うことが出来るようになる。
【0039】
本発明の流体伝動装置の第18の特徴は、前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第1連結部材は前記中間軸の環状溝に嵌り前記入力軸と前記ポンプの結合を解除する、ことである。
【0040】
上記構成では、入力軸の回転動力はポンプに伝達されないため、ニュートラル状態を形成することが可能となる。
【0041】
本発明の流体伝動装置の第19の特徴は、前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第1連結部材は前記中間軸の環状溝から抜け出して前記中間軸の後外壁または後部側壁に位置し前記入力軸と前記ポンプを一体化する、ことである。
【0042】
上記構成では、入力軸の回転動力はポンプに伝達されるため、ニュートラル状態から前進状態、ロックアップ状態あるいは後退状態を形成することが可能となる。
【0043】
本発明の流体伝動装置の第20の特徴は、前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第2連結部材は前記中間軸の窪みに嵌り前記入力軸と前記中間軸を一体化する、ことである。
【0044】
上記構成では、入力軸と中間軸は回転方向に関し一体化され、中間軸と出力軸は元々回転方向に関し一体化されているため、入力軸と出力軸が機械的に直結したロックアップ状態を形成することが可能となる。
【0045】
本発明の流体伝動装置の第21の特徴は、前記中間軸が軸方向に移動する時、前記第2連結部材は前記中間軸の窪みから抜け出して前記入力軸と前記中間軸の結合を解除する、ことである。
【0046】
上記構成では、入力軸と出力軸が機械的に直結しなくなるため、ロックアップ状態からニュートラル状態、前進状態あるいは後退状態を形成することが可能となる。
【0047】
本発明の流体伝動装置の第22の特徴は、前記中間軸が前記第1タービンに係合する時、前記第2スライダーは前記第2タービン及びステータの双方に係合している、ことである。
【0048】
上記構成では、前記タービン1から伝達される回転動力は中間軸を介して出力軸へ出力されるため、前進状態あるいはロックアップ状態を形成することが可能となる。
【0049】
本発明の流体伝動装置の第23の特徴は、前記中間軸が前記第2タービンに係合する時、前記第1スライダーは前記第1タービンに係合している、ことである。
【0050】
上記構成では、前記タービン2から伝達されるタービン1とは逆方向の回転動力は中間軸を介して出力軸へ出力されるため、後退状態を形成することが可能となる。
【0051】
本発明の流体伝動装置の第24の特徴は、前記第1スライダーの外周面にはピポットが設けられ、リング状ロータの内周面に前記ピポットが嵌る螺旋状溝が形成されたヨークカムを備えたモータによって軸方向に駆動される、ことである。
【0052】
上記構成では、第1スライダーをロータの内側に収納させることが可能となるため、変速機全体をコンパクトにすることが可能となる。
【0053】
本発明の流体伝動装置の第25の特徴は、前記第1スライダーは回転および軸方向移動不能な固定円筒部材によってスライド移動可能に支持されている、ことである。
【0054】
上記構成では、第1スライダーおよび中間軸を軸方向に安定に移動させることが出来る。
【発明の効果】
【0055】
本発明の流体伝動装置によれば上記構成によって前後進の切り替えを流体伝動装置のみによって実現することが可能となるため、従来、軸方向に外付けされ遊星歯車等で構成された前進後退機構が不要となり、これにより変速機全体を軸方向に短縮することが可能となり、その結果エンジンルーム内のレイアウトの自由度が増すと共に変速機全体が軽量化されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明のトルクコンバータの要部を示す断面説明図である。
図2】本発明に係るポンプインペラー、第1タービンライナー、第2タービンライナー及びステータを示す斜視説明図である。
図3】本発明に係るポンプインペラーを示す説明図である。
図4】本発明に係る第1タービンライナーを示す斜視説明図である。
図5】本発明に係る第1タービンライナーの軸受部の要部を示す斜視説明図である。
図6】本発明に係る第2タービンライナーを示す説明図である。
図7】本発明に係るステータを示す斜視説明図である。
図8】本発明に係る入力軸を示す断面説明図である。
図9】本発明に係る中間軸を示す説明図である。
図10】本発明に係る第1スライダーを示す斜視説明図である。
図11】本発明に係る第2スライダーを示す斜視説明図である。
図12】本発明に係る第1スライダーとモータの係合を示す説明図である。
図13】本発明に係る固定円筒部材を示す斜視説明図である。
図14】本発明に係るカムを示す斜視説明図である。
図15】本発明のトルクコンバータのロックアップ状態を示す断面説明図である。
図16】本発明のトルクコンバータの前進状態を示す断面説明図である。
図17】本発明のトルクコンバータのニュートラル状態を示す断面説明図である。
図18】本発明のトルクコンバータの前進状態を示す断面説明図である。
図19】本発明に係る第1鉄球、第2鉄球およびカムの各連結状態を示す説明図である。
図20】本発明に係る第1鉄球、第2鉄球およびカムの各連結状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
【0058】
図1は、本発明のトルクコンバータ100の要部を示す断面説明図である。なお、説明の都合上、後段のベルト式CVT等の変速機を駆動する中間ギヤ19、変速機本体をカバーするトランスミッションケース20等も併せて図示されている。
このトルクコンバータ100は、エンジンの回転動力によって駆動され、油圧作動油(以下、「作動油」という。)に仕事(エネルギー)を与えるポンプインペラー1と、作動油のエネルギーを回転動力に変換する第1タービンライナー2及び第2タービンライナー3と、作動油の流れを整流しながら作動油を各タービンライナー2、3からポンプインペラー1へ案内する(戻す)ステータ4と、エンジンの回転動力を受ける入力軸5と、回転動力を中間ギヤ19(変速機)に伝達する出力軸6と、第1タービンライナー2又は第2タービンライナー3に選択的に係合して各タービンライナー2、3の回転動力を出力軸6へ伝達する中間軸7と、中間軸7を軸方向へ移動させると共に第1タービンライナー2と選択的に係合して第1タービンライナー2を回転不能にする第1スライダー8と、第2タービンライナー3と選択的に係合して第2タービンライナー3を回転不能にする第2スライダー9と、第1スライダー8を軸方向に移動させるモータ10と、一端をトランスミッションケース20に固定され第1スライダー8と常に係合する固定円筒部材11と、ポンプインペラー1を入力軸5に選択的に一体化させる断続手段としての第1鉄球12(第1連結部材)、中間軸7を入力軸5に選択的に一体化させる断続手段としての第2鉄球13(第2連結部材)と、第2スライダー9を中間軸7に選択的に一体化させる断続手段としてのカム14(第3連結部材)と、第2スライダー9を軸方向前方に付勢するスプリング15と、カム14を径方向へ付勢するCリング状の弾性クリップ16と、ステータ4を固定支持する支持プレート17と、中間軸7を回動自在に軸受けすると共に中間軸7と第1スライダー8を軸方向に一体化するベアリング18とを具備して構成されている。なお、詳細については後述するが、中間軸7が第1タービンライナー2に係合している時第2タービンライナー3は第2スライダー8によって回転が拘束され回転不能な状態になり、中間軸7が第2タービンライナー3に係合している時第1タービンライナー2は第1スライダー8によって回転が拘束され回転不能な状態になる。つまり、中間軸7の移動距離に応じて各タービンライナー2、3の回転動力を選択的に取り出すことが出来ると共に、中間軸7の移動距離に応じて中間軸7と入力軸5との断続あるいは入力軸5とポンプインペラー1との断続が行われる。つまり、本発明のトルクコンバータ100では中間軸7の軸方向の移動距離に応じて、トルクコンバータのロックアップ、前進、ニュートラル、及び後進の各トルク伝達状態が好適に切り替わることが出来るように構成されている。また、本実施例では変速機側を「前方」と、エンジン側を「後方」と称している。以下、各構成について更に詳細に説明する。
【0059】
ポンプインペラー1は、図2に示すように支持プレート17とステータ4との間に同軸に設けられ、図3(a)に示すように、流れ方向を軸方向から径方向に変えて作動油を内側から外側へ送り出す遠心式ポンプである。また、各翼(回転羽根)1aは円板1b上に放射状に径方向内側から外側に向かうにつれて回転方向とは逆向きに旋回するように配設されている。また、本実施例では、翼1aの翼前縁および翼後縁がそれぞれ径方向内側、径方向外側に位置するように、更に翼背および翼腹がそれぞれ回転方向側、反回転方向側に位置するように、つまり翼1aが回転方向に沿って反るように配設されている。そして、作動油が翼1aに沿って流れることにより翼1aと作動油の間でエネルギーの授受が行われ、作動油はエネルギーが増大して、次段の第1タービンライナー2及び第2タービンライナー3へ流入する。
【0060】
また、図3(b)に示すように、ポンプインペラー1の軸受部(C部)の内周面には第1鉄球12が嵌る切欠き溝1cが、本実施例では30°の等間隔で12個設けられている。なお、詳細については図19及び図20を参照しながら後述するが、鉄球12が切欠き溝1cに嵌る時、ポンプインペラー1と入力軸5が一体化され入力軸5の回転動力がポンプインペラー1に伝達されるようになる。一方、鉄球12が切欠き溝1cに嵌っていない時、ポンプインペラー1は入力軸5に対し空転し入力軸5の回転動力はポンプインペラー1に伝達されないようになる。
【0061】
また、切欠き溝1cの内周面には第1鉄球12を径方向内側に付勢する弾性体1dが設けられている。本発明のトルクコンバータ100では、鉄球12を径方向外側へ押し上げるのは後述する中間軸7が行い、径方向内側に押し下げるのは弾性体1dが行うように構成されている。
【0062】
第1タービンライナー2は、図2に示すように第2タービンライナー3の後段に同軸に配設されている。また、各翼2aは図4に示すように、いわゆるバケット羽根であり、ケーシング2b径方向外側の内周面に沿って等間隔で設けられ、ポンプインペラー1と同じ方向(図2の時計方向CW)に回転するように、翼2aの翼背は回転方向側に位置するように配設されている。
【0063】
また、第1タービンライナー2の軸受部(D部)の内周面には、図5に示すように、後述する中間軸7(の外爪7d)と係合する内爪2cが等間隔で設けられている。他方、第1タービンライナー2の軸受部(D部)の外周面には後述する第1スライダー8(の内爪8b)と係合する、略半円筒形に軸方向に沿って切り欠かれた凹状の外爪2dが等間隔で設けられている。なお、詳細については後述するが、この内爪2cが中間軸7の外爪7dと係合している間、第1タービンライナー2の回転動力は中間軸7を介して出力軸6に伝達される一方、この外爪2dが第1スライダー8と係合している間、第1タービンライナー2の回転が第1スライダー8によって拘束され、回転動力は中間軸7および出力軸6に伝達されることはない。つまり、これら内爪2cと外爪2dは選択的に中間軸7または第1スライダー8にそれぞれ係合するように構成されている。
【0064】
第2タービンライナー3は、図2に示すようにステータ4と第1タービンライナー2との間に同軸に設けられ、図6に示すように各翼(回転羽根)3aは円板3bに放射状に、ポンプインペラー1とは逆に径方向外側から内側に向かうにつれて回転方向とは逆向きに旋回するように配設されている。各翼3aは翼前縁および翼後縁がそれぞれ径方向外側、内側に位置すると共に、第1タービンライナー2とは逆向きに回転するように、翼背および翼腹がそれぞれ反回転方向側、回転方向側に位置するように、つまり翼3aが回転方向に沿って反るように配設されている。従って、作動油が翼3aに沿って流れることにより作動油と翼3aの間でエネルギーの授受が行われ、翼背側の圧力が翼腹側の圧力よりも高くなり、第2タービンライナー3は第1タービンライナー2とは逆向きの方向(図2の反時計方向CCW)に回転する。
【0065】
また、第2タービンライナー3の軸受部(E部)の内周面には、後述する中間軸7(の外爪7d)或いは後述する第2スライダー9(の前外爪9a)と係合する内爪3cが等間隔に設けられている。なお、詳細については後述するが、この内爪3cが中間軸7の外爪7dと係合する時、第2タービンライナー3の回転動力は中間軸7を介して出力軸6に伝達されるようになる。他方、この内爪3cが第2スライダー9の前外爪9aと係合し且つ第2スライダー9の後外爪9bがステータ4の内爪4dと係合している時、第2タービンライナー3の回転が第2スライダー9によって拘束され、第2タービンライナー3の回転動力は中間軸7および出力軸6に伝達されないようになる。
【0066】
このように、中間軸7の外爪7dが第1タービンライナー2の内爪2cに係合する時第1タービンライナー2の回転動力が中間軸7に伝達されるトルク伝達状態(前進)が実現され、他方、中間軸7の外爪7dが第2タービンライナー3の内爪3cに係合する時第2タービンライナー3の回転動力が中間軸7に伝達されるトルク伝達状態(後退)が実現されることになる。
【0067】
ステータ4は、図2に示すようにポンプインペラー1と第2タービンライナー3との間に設けられ、スタッドボルト4cを介して支持プレート17に取り付けられている。また、図7に示すようにステータ4の中央部には後述する入力軸5、中間軸7および第2スライダー9が通る軸受部(F部)が設けられ、F部と円板4bとの開口には作動油を各タービンライナー2,3からポンプインペラー1へ戻す(案内する)複数の案内羽根4a(固定羽根)が放射状に設けられている。また、F部の内周面には後述する第2スライダー9の前外爪9aと係合する内爪4dが設けられている。また、内爪4dの後方には第2スライダー9を前方(変速機側へ)付勢するスプリング15が組み込まれている。
【0068】
入力軸5は、図8に示すように主軸5aの側端段差面に二重壁中空円筒部材5bが圧入によって嵌め込まれ構成されている。特に、二重壁中空円筒部材5bの内壁5cは後述する中間軸7の壁間にインサート部材として嵌め込まれ第2鉄球13又は後述するカム14に選択的に係合して中間軸7と入力軸5を一体化させ、或いは中間軸7と第2スライダー9を一体化させる。そのため、内壁5cと主軸5a外周面との間に形成される空間には後述する中間軸7が並進(摺動)および回転可能に嵌め込まれ、更に外壁5dと主軸5a外周面との間に形成される空間にも中間軸7が嵌め込まれる。このように入力軸5と中間軸7は、いわゆる入れ子構造を成している。また、外壁5dには第1鉄球12が嵌る第1貫通穴5fが環状かつ等間隔に形成されていると共に、内壁5cには第2鉄球13が嵌る第2貫通穴5eが環状かつ等間隔に形成されている。
【0069】
また、二重壁中空円筒部材5bの変速機側の先端面は面取りされ傾斜面5gを成している。この傾斜面5gは後述するカム14を上方(径方向外側)へ押し上げる際あるいはカム14が後述する弾性クリップ16によって下方(径方向内側)へ押し戻される際のガイド斜面となる。
【0070】
中間軸7は、図9(b)に示すように中空円筒状部材7aの内側段差面に二重壁中空円筒状部材7bが圧入によって嵌め込まれ構成されている。特に、前外壁7e及び後外壁7fと内壁7gとの間に形成される空間には入力軸5の(入力軸5の)内壁5cが嵌め込まれ、中間軸7が入力軸5に対し左側(前方)へ相対移動する場合は第2鉄球13が窪み7hに嵌り中間軸7は入力軸5に一体化される。すなわち第2鉄球13が窪み7hに嵌ると、第2鉄球13は後外壁7f、環状面7k、窪み7h及び内壁5cによって窪み7hから抜け出すことが出来ず、その結果入力軸5の回転は第2鉄球13を介して中間軸7に伝達されるようになる。他方、中間軸7が入力軸5に対し右側(後方)へ相対移動する場合は、第2鉄球13は窪み7hの傾斜面と後外壁7fの傾斜面に案内されながら窪み7hから抜け出すことになる。この時、カム14が入力軸5の内壁5cによって押し上げられ中間軸7と第2スライダー9が一体化されるようになる。このように、内壁7gの外周面には第2鉄球13が嵌る窪み7hが環状かつ等間隔に設けられ、前外壁7eの外周面にはカム14が嵌る貫通穴7iが環状かつ等間隔に設けられている。更に、内壁7gの外周面にはカム14が係止する切込み7jが貫通穴7gの下方に設けられている。
【0071】
中空円筒状部材7aの先端部内周面には出力軸6とスプライン結合する溝7cが形成されている。これにより中間軸7は軸方向にスライド移動可能であると共に回転方向に関し出力軸6と一体化することが可能となる。また、中空円筒状部材7aの外周面には第1タービンライナー2の内爪2c又は第2タービンライナー3の内爪3cと選択的にに係合する外爪7dが環状かつ等間隔に設けられている。
【0072】
また、二重壁中空円筒部材7bの後部側壁外周面には、第1鉄球12が嵌る環状溝7mが環状に形成されている。なお、詳細については図15から図20を参照しながら後述するが、本発明のトルクコンバータ100では第1鉄球12の位置に応じて入力軸5から出力軸6へのトルク伝達状態が切り替わるように構成されている。すなわち、第1鉄球12が環状溝7mに嵌る時に入力軸5とポンプインペラー1の結合が解除されトルク伝達状態はニュートラル状態となる。他方、第1鉄球12が後外壁7f外周面に位置する時に、入力軸5とポンプインペラー1が結合されると共に中間軸7が第2タービンライナー3に係合するためトルク伝達状態は後退状態となる。あるいは第1鉄球12が後部側壁7L外周面に位置する時に入力軸5とポンプインペラー1が結合されると共に中間軸7が第1タービンライナー2と係合するため、トルク伝達状態は前進状態またはロックアップ状態となる。この場合、第1鉄球12が環状溝7mからより遠くに位置する方がトルク伝達状態はロックアップ状態となる(第2鉄球13が窪み7hに嵌り入力軸5と中間軸7が結合されるため)。
【0073】
第1スライダー8は、図10に示すように中空円筒構造を成している。その外周面には後述する固定円筒部材11に常に係合する略半円筒形に軸方向に沿って切り欠かれた凹状の外爪8aが環状に設けられている。また、後端部(エンジン側)の内周面には第1タービンライナー2の外爪2dに係合する略半円筒形に突出した凸状の内爪8bが環状かつ等間隔に設けられている。また、後端部の外周面には後述するモータ10のロータ内周面に形成されたヨークカム10aの螺旋状の半周溝10bに嵌るピポット8cが点対称に2個設けられている。従って、第1スライダー8は固定円筒部材11によって常時回転運動を抑制されると共にモータ10によって軸方向にのみ移動することが出来る。
【0074】
また、第1スライダー8の内部にはベアリング18が2個設けられ、第1スライダー8はこれらベアリング18,18を介して中間軸7に締結されている。従って、第1スライダー8が軸方向にある距離だけ移動する場合、中間軸7も軸方向に同じ距離だけ移動することになる。更に、中間軸7は回転可能であり、例えば中間軸7が第1タービンライナー2に係合して回転駆動される場合、中間軸7の回転駆動力は第1スライダー8には伝達されずに出力軸6にのみに伝達されることになる。
【0075】
第2スライダー9は、図11に示すように第1スライダー8と同様に中空円筒構造を成している。その外周面には第2タービンライナー3の内爪3cと係合する前外爪9a、並びにステータ4の内爪4dと係合する後外爪9bが環状かつ等間隔に設けられている。また、その内周面にはカム14が嵌る内周溝9cが設けられている。従って、第2スライダー9は、(後退モード以外の)モードにおいては第2タービンライナー3とステータ4に双方に係合し第2タービンライナー3の回転を抑制している。
【0076】
また、第2スライダー9は中間軸7の外周面に配設されているが、後述するカム14が内周溝9cに嵌る時以外第2スライダー9は中間軸7に一体化されることはない。また、第2スライダー9の軸方向移動について、後方への移動限界はスプリング15によって規定され、前方への移動限界は例えば第2タービンライナー3の内爪3cによって規定される。従って、第2スライダー9の前外爪9aは第2タービンライナー3の内爪3cを通過することが出来ないが、第2スライダー9の後外爪9bはステータ4の内爪4dを通過することが出来るようにそれぞれ構成されている。
【0077】
また、内周溝9cの内部には後述するカム14の急激な押し上げを抑制すると共にカム14を元の位置に戻すためのCリング状の弾性クリップ16が嵌め込まれている。
【0078】
モータ10は、例えば電機子コイルがステータとして外側に配設され永久磁石がロータとして回転するブラシレスモータによって構成されている。図1に示すようにロータの内周面にはヨークカム10aが取り付けられ、図12に示すようにヨークカム10aの内周面には2つの螺旋状の半周溝10bが、各螺旋方向が互いに逆向きとなるようにそれぞれ形成されている。従って、モータ10が回転することにより、第1スライダー8の2つのピポット8c、8cが各半周溝10b、10bに沿ってそれぞれ摺動しながら相対移動する。そして第1スライダー8は固定円筒部材11によって回転運動が常時抑制されているため、これらピボット8c、8cが半周溝10b、10bから受ける力は第1スライダー8を軸方向に移動させる推進力となる。従って、モータ10が回転することにより、第1スライダー8は軸方向に移動することになる。
【0079】
固定円筒部材11は、図13に示すように第1スライダー8と同様に中空円筒構造を成している。その変速機側の端部外周面にはトランスミッションケース20に取り付けるための取付穴11aが4ヶ所設けられ、固定円筒部材11は例えばボルト(図示せず)によってトランスミッションケース20に並進・回転不能に取り付けられる。また、その内周面には第1スライダー8の外爪8aと常時係合する内爪11aが環状に設けられている。
【0080】
カム14は、図14に示すように入力軸5の傾斜面5eおよび中間軸7の貫通穴7eに係合する下方部分および上方部分がそれぞれ面取りされ傾斜面14a、14b、14cを成している。また、カム14は、通常(第2スライダー9の内周溝9cに嵌らない時)は図1に示すように中間軸7の貫通穴7eと切込み7fによってそれぞれ支持されて係止している。
【0081】
上述した通り、本発明のトルクコンバータ100では第1スライダー8を軸方向にスライド移動させることにより、これに連動した中間軸7が同じ距離だけ軸方向に移動し、変速機のロックアップ、前進、ニュートラル、及び後進の各トルク伝達状態が好適に切り替わることが出来るように構成されている。中間軸7の軸方向の移動量は第1スライダー8の軸方向の移動量と同じであるため、中間軸7の軸方向の移動量は、例えばトランスミッションケース20後面から第1スライダー8の後端までの距離Sによって規定することが出来る。従って、以後では上記距離Sを操作量とし、各トルク伝達状態(ロックアップ、前進、ニュートラル、後退)について説明する。
【0082】
図15は、本発明のトルクコンバータ100のロックアップ状態を示す断面説明図である。
この場合、中間軸7は上記4状態の内で最も左側(前方)に位置している。従って、第1スライダー8はトランスミッションケース20に最も近くに位置している。第1鉄球12の係合状態を見ると、第1鉄球12は入力軸5の第1貫通穴5fとポンプインペラー1の切欠き溝1cに嵌っている。この場合、図19(a)に示されるように、第1鉄球12は上方の移動を切欠き溝1cによって、側方の移動を第1貫通穴5fによって、下方の移動を中間軸7の後部側壁7Lによってそれぞれ拘束されるため、入力軸5とポンプインペラー1は回転方向に関し一体化され、入力軸5の回転動力は第1鉄球12を介してポンプインペラー1に伝達されることになる。一方、第2鉄球13の係合状態を見ると、図19(b)に示されるように、第2鉄球13は中間軸7の窪み7hおよび入力軸5の第2貫通穴5eに嵌っている。つまり第2鉄球13は上方の移動を中間軸7の後外壁7fによって、側方の移動を第2貫通穴5eによって、下方の移動を窪み7hによってそれぞれ拘束されるため、入力軸5と中間軸7は回転方向に関し一体化され、入力軸5の回転動力は第2鉄球13を介して中間軸7に伝達されることになる。
【0083】
また、中間軸7の係合状態を見ると、中間軸7は第1タービンライナー2に係合している。すなわち、中間軸7の外爪7dは第1タービンライナー2の内爪2cに係合している。また、第2スライダー9は第2タービンライナー3及びステータ4の双方に係合している。すなわち、第2スライダー9の前外爪9aは第2タービンライナー3の内爪3cに係合していると共に後外爪9bはステータ4の内爪4dに係合している。従って、第1タービンライナー2の回転動力は中間軸7を介して出力軸6に伝達される一方、第2タービンライナー3は第2スライダー9によって回転が拘束され回転することが出来なくなる。従って、第1タービンライナー2の回転動力のみ中間軸7を介して出力軸6に伝達されることになる。
【0084】
カム14の係合状態を見ると、図19(c)に示されるように、入力軸5の内壁5cはカム14に当接していないため、中間軸7の貫通穴7iに嵌ったままである。
【0085】
図16は、本発明のトルクコンバータ100の前進状態を示す断面説明図である。
前進状態は、例えばロックアップ状態にある中間軸7を右側(後方)へ、第2鉄球13が窪み7hから抜け出して中間軸7の内壁7gに位置するまで右側へ移動させることにより形成される。この場合、第1鉄球12の係合状態を見ると、図15(ロックアップ状態)と同様に第1鉄球12は入力軸5の第1貫通穴5fとポンプインペラー1の切欠き溝1cに嵌って、入力軸5とポンプインペラー1は回転方向に関し一体化され、入力軸5の回転動力は第1鉄球12を介してポンプインペラー1に伝達されることになる。なお、第1鉄球12の環状溝7mまでの距離はロックアップ状態に比べ短くなっている。これは、入力軸5の軸方向の位置は固定されているため中間軸7を右側へ移動させると入力軸5と中間軸7との相対距離が短くなるためである。
【0086】
また、中間軸7の係合状態を見ると、図15と同様に中間軸7は第1タービンライナー2に係合している。しかし、中間軸7の外爪7dは第1タービンライナー2の内爪2cに対し図15のロックアップ状態よりも深く係合している。また、第2スライダー9は、図15と同様に第2タービンライナー3及びステータ4の双方に係合している。すなわち、第2スライダー9の前外爪9aは第2タービンライナー3の内爪3cに係合していると共に後外爪9bはステータ4の内爪4dに係合している。従って、入力軸5の回転動力は、中間軸7と入力軸5の結合が解除されているため、ポンプインペラー1、第1タービンライナー2および中間軸7を介して出力軸6へ伝達されることになる。
【0087】
図17は、本発明のトルクコンバータ100のニュートラル状態を示す断面説明図である。
ニュートラル状態は、例えば前進状態にある中間軸7を右側(後方)へ、第1鉄球12が中間軸7の環状溝7mに嵌り込む位置まで右側へ移動させることにより形成される。この場合、第1鉄球12の係合状態を見ると、図20(a)に示されるように、第1鉄球12は環状溝7mに嵌り込み、入力軸5が回転する際第1鉄球12はポンプインペラー1の切欠き溝1cに係合していない。その結果、入力軸5の回転動力はポンプインペラー1へ伝達されなくなる。他方、第2鉄球13の係合状態を見ると、図20(b)に示されるように、第2鉄球13は第2貫通穴5eに嵌ったまま中間軸7の内壁7gと入力軸5の外壁5dとの間に位置している。つまり、第2鉄球13は中間軸7に係合していない。
【0088】
また、中間軸7の係合状態を見ると、図15及び図16と同様に中間軸7は第1タービンライナー2に係合している。中間軸7の外爪7dは第1タービンライナー2の内爪2cに対し図15及ぶ図16よりも深く係合している。また、第2スライダー9は、図15と同様に第2タービンライナー3及びステータ4の双方に係合している。すなわち、第2スライダー9の前外爪9aは第2タービンライナー3の内爪3cに係合していると共に後外爪9bはステータ4の内爪4dに係合している。しかし、入力軸5の回転動力はポンプインペラー1へ伝達されず、更に入力軸5と中間軸7の結合は解除されているため、入力軸5の回転動力は出力軸6へ伝達されることはない。
【0089】
カム14の状態を見ると、図20(c)に示されるように、カム14は入力軸5の内壁5cに押し上げられ中間軸7の貫通穴7iを通って第2スライダー9の内周溝9cに入り込んで、弾性クリップ16に当接している。従って、中間軸7と第2スライダー9は回転方向および軸方向に関し一体化している。
【0090】
図18は、本発明のトルクコンバータ100の後退状態を示す断面説明図である。
後退状態は、例えばニュートラル状態にある中間軸7を右側(後方)へ、第1鉄球12が中間軸7の環状溝7mを抜け出し後外壁7f上に位置するまで右側へ移動させることにより形成される。この場合、第1鉄球12はポンプインペラー1の切欠き溝1cに係合しているため、入力軸5とポンプインペラー1は回転方向に関し一体化され、入力軸5の回転動力は第1鉄球12を介してポンプインペラー1に伝達されることになる。他方、第2鉄球13は、入力軸5の第2貫通穴5eに嵌りながら中間軸7の内壁7g外周面に位置している。従って、中間軸7は入力軸5に対し回転自由な状態であり中間軸7と入力軸5は回転方向に関し一体化されていない。
【0091】
また、中間軸7の係合状態を見ると、中間軸7と第2スライダー9は一体化されている。また、中間軸7は第2タービンライナー3と係合している。つまり、中間軸7の外爪7dは第2タービンライナー3の内爪3cに係合している。第2スライダー9は、第2タービンライナー3ステータ4にも係合せず中間軸7によってスプリング15に押しつけられている。その結果、第2タービンライナー3の第1タービンライナー2とは逆向きの回転動力は中間軸7を介して出力軸6へ伝達される。
【0092】
以上の通り、本発明のトルクコンバータ100では、作動油から仕事を取り出すタービンライナーが互いに回転方向が逆向きで翼2aが径方向外側のケーシング2b内周面に沿って配設されている第1タービンライナー2と、各翼3aが径方向内側から外側に向かい放射状に旋回して配設された第2タービンライナー3によって構成されている。更に、第1タービンライナー2の軸受部は内爪2cと外爪2dを備え、第2タービンライナー3の軸受部は内爪3cを備えて構成されている。
一方、エンジンからの回転動力を受ける入力軸5は2重壁構造を有すると共にその2重壁に係る外壁5dと内壁5cには周方向に沿って第1貫通穴5f及び第2貫通穴5eがそれぞれ設けられている。他方、第1及び第2タービンライナー2、3に係合する中間軸7は2重壁中空円筒構造を成して構成されている。そして、入力軸5と中間軸7は一方の壁が他方の壁間にスライド可能に挿入された入れ子構造を成し中間軸7が入力軸5に対しスライド可能に構成されている。更に中間軸7の二重壁の後外壁7fに対応する内壁7g外周面には窪み7hが設けられていると共にその二重壁に連続した後部側壁7L外周面には環状溝7mが設けられている。更に中間軸7の軸方向移動手段として後部内周面に内爪8bを備えた中空円筒構造の第1スライダー8が同軸に中間軸7の前方(変速機側)に取り付けられていると共に、中間軸7の二重壁(入れ子構造)に係る前外壁7e外周面には前外爪9aと後外爪9bと内周溝9cを備えた第2スライダー9が同軸かつスライド可能に取り付けられている。
これにより、中間軸7が入力軸5に対し軸方向にスライドすることにより、入れ子構造に係る入力軸5の内壁5cが連結部材14を上下に変位させるカム機構として機能すると共に入れ子構造に係る中間軸7の後外壁7f、環状溝7m及び後部側壁7Lが第1鉄球12を上下に変位させるカム機構として機能する。更に、中間軸7の入れ構造に係る内壁7gおよび窪み7hは第2鉄球13を上下に変位させるカム機構として機能する。その結果、中間軸7が入力軸5に対して軸方向にスライドすることにより、中間軸7の出力段において中間軸7が第1タービンライナー2から第2タービンライナー3に係合するタイミングで第2スライダー9が第2タービンライナー3に係合しなくなる、つまり正転(ロックアップ、前進、ニュートラル)と逆転(後退)の切り替えが成されるようになる。他方、中間軸7の入力段において中間軸7と入力軸5との間の結合状態が接続状態から切断状態に切り替わり、ならびに入力軸5とポンプインペラー1との間の結合状態が接続状態→切断状態→接続状態の順に切り替わる。従って、出力段が正転状態にある(中間軸7が第1タービンライナー2に係合している)場合、中間軸7と入力軸5との間の結合状態が接続状態かつ入力軸5とポンプインペラー1との間の結合状態が接続状態の時にロックアップ状態が実現され、また中間軸7と入力軸5との間の結合状態が切断状態かつ入力軸5とポンプインペラー1との間の結合状態が接続状態の時に前進(コンバート)状態が実現され、更に中間軸7と入力軸5との間の結合状態が切断状態かつ入力軸5とポンプインペラー1との間の結合状態が切断状態の時にニュートラル状態が実現される。他方、出力段が逆転状態にある(中間軸7が第2タービンライナー3に係合している)場合、中間軸7と入力軸5との間の結合状態が切断状態かつ入力軸5とポンプインペラー1との間の結合状態が接続状態の時に後退状態が実現される。
従って、本発明のトルクコンバータ100によれば上記構成によって前後進の切り替えを流体伝動装置のみによって実現することが可能となるため、従来、軸方向に外付けされ遊星歯車等で構成された前進後退機構が不要となり、これにより変速機全体を軸方向に短縮することが可能となり、その結果エンジンルーム内のレイアウトの自由度が増すと共に変速機全体が軽量化されるようになる。
【符号の説明】
【0093】
1 ポンプインペラー
1a 翼
1b 円板
1c 切欠き溝
1d 弾性体
2 第1タービンライナー
2a 翼
2b ケーシング
2c 内爪
2d 外爪
3 第2タービンライナー
3a 翼
3b 円板
3c 内爪
4 ステータ
4a 案内羽根
4b 円板
4c スタッドボルト
4d 内爪
5 入力軸
5a 主軸
5b 二重壁中空円筒部材
5c 内壁
5d 外壁
5e 第2貫通穴
5f 第1貫通穴
5g 傾斜面
6 出力軸
7 中間軸
7a 中空円筒状部材
7b 二重壁中空円筒状部材
7c 溝
7d 外爪
7e 前外壁
7f 後外壁
7g 内壁
7h 窪み
7i 貫通穴
7j 切込み
7k 環状面
7L 後部側壁
7m 環状溝
8 第1スライダー
8a 外爪
8b 内爪
9 第2スライダー
9a 前外爪
9b 後外爪
9c 内周溝
10 モータ
10a ヨークカム
10b 半周溝
11 固定円筒部材
12 第1鉄球
13 第2鉄球
14 カム
15 スプリング
16 弾性クリップ
17 支持プレート
18 ベアリング
19 中間ギヤ
20 トランスミッションケース
100 トルクコンバータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図18
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図20