【解決手段】検査装置29は、カバーフィルム4側から光を照射する照明装置52と、PTPフィルム6を介して照明装置52とは反対側に設けられるとともに、照明装置52により光の照射されたPTPフィルム6を撮像するカメラ56と、カメラ56から出力される画像信号を処理する画像処理装置57とを備える。画像処理装置57は、画像信号から得た画像データに基づき、検査領域CVにおけるカバーフィルム4の破損を検出する。透過光を用いることで、カバーフィルム4におけるシール目に沿った亀裂や破断等の微小な疵をも精度よく検出することができる。
所定の内容物が充填される複数のポケット部を有するとともに、帯状をなす透明又は半透明の容器フィルムに対し、前記ポケット部の開口を塞ぐようにして帯状をなす不透明のカバーフィルムが取着されたPTPフィルムをシート単位に打抜いて得られるPTPシートの製造の際に用いられる検査装置であって、
前記PTPフィルムにおける所定の検査領域に対し、前記カバーフィルム側から光を照射する照明手段と、
前記PTPフィルムを介して前記照明手段とは反対側に設けられるとともに、前記照明手段により光の照射された前記PTPフィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記画像信号から得た画像データに基づき、前記検査領域における前記カバーフィルムの破損を検出可能に構成されていることを特徴とする検査装置。
前記照明手段による光の照射に伴い、前記照明手段からの光を導光し、前記撮像手段による撮像される部位のうち所定箇所を前記照明手段の発光状態に応じた発光状態で発光させる導光手段と、
前記画像信号から得られた画像データにおける前記所定箇所の発光状態に基づき、前記照明手段における異常を検出する照明異常検出手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記亀裂等の破損が、非常に細く、微小な場合がある。このような場合、PTPフィルム(カバーフィルム)に光を照射し、その反射光によって破損の有無を検出しようとしても、反射光において破損の存在による差異がほとんど生じないおそれがある。さらに、ポケット部側から光を照射すると、
図12に示すように、照明手段152からの光がポケット部102や内容物105によって遮断・拡散されてしまい、カバーフィルム104に照射される光にムラが生じてしまうおそれがある。加えて、ポケット部側から光を照射する構成では、ポケット部の存在を考慮して、照明手段とカバーフィルムとの間隔を比較的大きくする必要があり、カバーフィルムへと照射される光の強度が低くなってしまうおそれがある。これらの理由により、上述した外観検査装置では、カバーフィルムにおける破損を精度よく検出することができないおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カバーフィルムにおける亀裂や破断等の破損を精度よく検出することができる検査装置及びPTP包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0010】
手段1.所定の内容物が充填される複数のポケット部を有するとともに、帯状をなす透明又は半透明の容器フィルムに対し、前記ポケット部の開口を塞ぐようにして帯状をなす不透明のカバーフィルムが取着されたPTPフィルムをシート単位に打抜いて得られるPTPシートの製造の際に用いられる検査装置であって、
前記PTPフィルムにおける所定の検査領域に対し、前記カバーフィルム側から光を照射する照明手段と、
前記PTPフィルムを介して前記照明手段とは反対側に設けられるとともに、前記照明手段により光の照射された前記PTPフィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記画像信号から得た画像データに基づき、前記検査領域における前記カバーフィルムの破損を検出可能に構成されていることを特徴とする検査装置。
【0011】
尚、「透明」及び「半透明」とあるのは、透光性を有するフィルムの材質を示す表現であり、色彩の有無とは無関係である。従って、「透明」又は「半透明」のフィルムには、例えば「無色透明」又は「無色半透明」のフィルムは勿論のこと、「有色透明」又は「有色半透明」のフィルムも含まれる。
【0012】
上記手段1によれば、PTPシートを透過する光(より具体的には、透過光の程度や透過光の有無等)に基づいて、カバーフィルムにおける亀裂等の破損が検査される。従って、反射光を利用する場合と比べて、撮像手段により得られた画像データには、破損の有無に伴う相違が生じやすくなる。その結果、カバーフィルムにおける破損を精度よく検出することができる。
【0013】
さらに、上記手段1によれば、PTPフィルムに対し、ポケット部の形成された容器フィルム側ではなく、一般に平坦状に形成されるカバーフィルム側へと光が照射されるように構成されている。従って、ポケット部や内容物による照射光の遮断や拡散が生じることはなく、カバーフィルムへとムラのない均一な光を照射することができる。加えて、照明手段をカバーフィルムへと極力接近させることができるため、カバーフィルムに対しより強い光を照射することができる。これらが相俟って、カバーフィルムの破損が微小なものであっても、破損部位を介して撮像手段へと光が至りやすくなる。その結果、カバーフィルムにおける破損の検査精度を飛躍的に向上させることができる。
【0014】
特に本手段1では、従来困難であったシール目〔シールロールの凸条部により形成される格子状(網目状)の線〕に沿った極めて微細な亀裂等についても検出することが可能となる。
【0015】
手段2.前記PTPフィルムの前記ポケット部側に対し光を照射するポケット部側照明手段と、
前記PTPフィルムのうち、前記ポケット部側照明手段によって光の照射された部位を撮像する反射光撮像手段と、
前記反射光撮像手段により得られた撮像データに基づいて、前記PTPフィルムのうち、1の前記PTPシートを得る際に打抜かれることとなる部位に対応するシート対応部位を特定するシート対応部位特定手段とを備え、
前記検査領域には、前記シート対応部位が少なくとも1つ存在するように設定され、
前記画像処理手段は、前記シート対応部位における前記カバーフィルムの前記破損の有無を特定可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の検査装置。
【0016】
上記手段2によれば、PTPフィルムにおいてPTPシートとなる部位が特定されるとともに、当該部位において、カバーフィルムに亀裂等が存在するか否かが特定される。そのため、特定結果を利用することで、最終的に得られたPTPシートにおいて、カバーフィルムに破損が存在するか否かを正確に把握することができる。その結果、カバーフィルムにおける破損が検出されたPTPシートのみに対して適切な処理(例えば、不良シートを回収する機構への排出等)を行うことができ、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
【0017】
手段3.前記撮像手段と前記反射光撮像手段とは、共通のカメラにより構成され、
前記撮像手段による撮像に際しては、前記ポケット部側照明手段による光の照射を禁止することを特徴とする手段2に記載の検査装置。
【0018】
上記手段3によれば、撮像手段及び反射光撮像手段が共通のカメラにより構成されているため、装置の簡素化や製造コストの増大抑制を図ることができる。
【0019】
さらに、上記手段3によれば、透過光を撮像する際には、ポケット部側照明手段からPTPフィルムに対する光の照射が禁止される。そのため、撮像手段により得られる画像データにおいて、破損の有無に伴う相違をより明確に生じさせることができる。その結果、検査精度をより一層向上させることができる。
【0020】
手段4.前記照明手段による光の照射に伴い、前記照明手段からの光を導光し、前記撮像手段による撮像される部位のうち所定箇所を前記照明手段の発光状態に応じた発光状態で発光させる導光手段と、
前記画像信号から得られた画像データにおける前記所定箇所の発光状態に基づき、前記照明手段における異常を検出する照明異常検出手段とを備えることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の検査装置。
【0021】
上記手段1等による破損の検出にあたっては、照明手段が正常に動作していることが必要である。しかしながら、カバーフィルムに破損が存在していない場合、カバーフィルムは不透明であるため、照明手段が正常であっても異常であっても、撮像手段側にて観測される光の状態に違いが生じにくい。そのため、撮像手段側で捉えられた光の状態に基づき、照明手段における異常の有無を検出することは難しい。そこで、例えば、照明手段側において照明手段の発光状態を定期的に観察することで、照明手段における異常の有無を検出することが考えられる。
【0022】
しかし、この場合には、照明手段の異常を検出できたとしても、その検出前に、照明手段において既に異常が生じている可能性がある。そのため、検査の信頼性を担保することができないおそれがある。
【0023】
この点、上記手段4によれば、照明手段が正常であれば、画像データにおける所定箇所が正常の発光状態となり、照明手段に異常があれば、前記所定箇所の発光に異常(例えば、前記所定箇所が消灯していたり、所定箇所における光量が低下していたりすること等)が生じることとなる。そのため、画像データに基づき、照明手段の発光状態を毎検査時に把握することができる。これにより、照明手段における異常をより確実に、かつ、より早期に検出することができ、検査の信頼性をより確実に担保することができる。
【0024】
さらに、カバーフィルムにおける破損の検査と合わせて、照明手段における異常検出を行うことができるため、異常検出を効率よく行うことができる。
【0025】
手段5.手段1乃至4のいずれかに記載の検査装置を備えるPTP包装機。
【0026】
上記手段5のように、上記検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
【0027】
尚、PTP包装機は、帯状に搬送される容器フィルムに対しポケット部を形成するポケット部形成手段と、前記ポケット部に対し内容物を充填する充填手段と、前記ポケット部を塞ぐようにして前記容器フィルムに対し帯状のカバーフィルムを取着する取着手段と、前記容器フィルムに前記カバーフィルムが取着された帯状のPTPフィルムをPTPシート単位に打ち抜くシート打抜手段とを備える。また、PTP包装機は、上記検査装置によって不良と判定されたPTPシートを排出する排出手段を備える。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、PTPシートの構成について詳しく説明する。
【0030】
図1(a),(b)及び
図2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には、内容物としての錠剤5が1つずつ収容されている。
【0031】
本実施形態における容器フィルム3は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の無色透明の熱可塑性樹脂材料によって形成されている。
【0032】
一方、カバーフィルム4は、例えばポリエステル樹脂等からなるシーラントが表面に塗布された不透明材料(例えば、アルミニウム箔等)により構成されている。また、カバーフィルム4には、平行四辺形の網目状をなすシール目(図示せず)が形成されている。
【0033】
PTPシート1〔
図1(a)参照〕は、帯状の容器フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6〔
図1(b)参照〕がシート状に打抜かれることにより製造される。
【0034】
次に、上記PTPシート1を製造するPTP包装機10の概略構成について
図3を参照して説明する。
【0035】
図3に示すように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の容器フィルム3の原反がロール状に巻回されている。ロール状に巻回された容器フィルム3の引出し端側は、ガイドロール13に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール13の下流側において間欠送りロール14に掛装されている。間欠送りロール14は、間欠的に回転するモータに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
【0036】
ガイドロール13と間欠送りロール14との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置15及びポケット部形成装置16が順に配設されている。そして、加熱装置15によって容器フィルム3が加熱されて該容器フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット部形成装置16によって容器フィルム3の所定位置に複数のポケット部2が成形される。加熱装置15及びポケット部形成装置16によって、本実施形態におけるポケット部形成手段が構成される。ポケット部2の形成は、間欠送りロール14による容器フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0037】
間欠送りロール14から送り出された容器フィルム3は、テンションロール18、ガイドロール19及びフィルム受けロール20の順に掛装されている。フィルム受けロール20は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール18は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール14とフィルム受けロール20との搬送動作の相違による容器フィルム3の撓みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
【0038】
ガイドロール19とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、錠剤充填装置21が配設されている。錠剤充填装置21は、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する充填手段としての機能を有する。錠剤充填装置21は、フィルム受けロール20による容器フィルム3の搬送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が充填される。
【0039】
錠剤充填装置21とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、検査装置22が配設されている。この検査装置22は、例えば錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、錠剤5の異常の有無、ポケット部2への異物混入の有無など、主として錠剤不良に関する検査を行うためのものである。
【0040】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、最上流側においてロール状に巻回されている。
【0041】
ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、ガイドロール24によって加熱ロール25の方へと案内されている。加熱ロール25は、前記フィルム受けロール20に圧接可能となっており、両ロール20,25間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール20,25間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造されるようになっている。尚、加熱ロール25の表面には、シール用の網目状の微細な凸条部25A(
図5参照)が形成されており、これが強く圧接することで、カバーフィルム4にシール目が形成され、強固なシールが実現されるようになっている。フィルム受けロール20及び加熱ロール25により本実施形態における取着手段が構成される。
【0042】
フィルム受けロール20から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記フィルム受けロール20と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の撓みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
【0043】
フィルム受けロール20とテンションロール27との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、検査装置29が配設されている。この検査装置29は、主としてカバーフィルム4における亀裂や破断等の破損についての検査を行う。
【0044】
間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の撓みを防止する。
【0045】
間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、スリット形成装置33及び刻印装置34が順に配設されている。スリット形成装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリットを形成する機能を有する。また、刻印装置34はPTPフィルム6の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す機能を有する。
【0046】
間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、その下流側においてテンションロール35及び連続送りロール36の順に掛装されている。間欠送りロール32とテンションロール35との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、シート打抜装置37が配設されている。シート打抜装置37は、PTPフィルム6をPTPシート1単位にその外縁を打抜くシート打抜手段としての機能を有する。
【0047】
シート打抜装置37によって打抜かれたPTPシート1は、取出しコンベア39によって搬送され、完成品用ホッパ40に一旦貯留される。なお、上記各検査装置22,29によって不良品と判定された場合、その不良品と判定されたPTPシート1は、図示しない排出手段としての不良シート排出機構によって別途排出される。
【0048】
前記連続送りロール36の下流側には、裁断装置41が配設されている。そして、シート打抜装置37による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部42は、前記テンションロール35及び連続送りロール36に案内された後、裁断装置41に導かれる。尚、前記連続送りロール36は従動ロールが圧接されており、前記不要フィルム部42を挟持しながら搬送動作を行う。裁断装置41は、不要フィルム部42を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
【0049】
尚、上記各ロール14,20,28,31,32などは、そのロール表面とポケット部2とが対向する位置関係となっているが、各ロール14等の表面には、ポケット部2が収容される凹部が形成されているため、ポケット部2が潰れてしまうことがない。また、ポケット部2が各ロール14等の凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
【0050】
PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、以下に上記検査装置29の構成について図面を参照してより詳しく説明する。
図4は、検査装置29の電気的構成を示すブロック図である。
【0051】
図4に示すように、検査装置29は、照明手段としての照明装置52、ポケット部側照明手段としてのポケット部側照明装置53、マスク54、導光手段としての光ファイバ55、撮像手段及び反射光撮像手段としてのカメラ56、画像処理手段としての画像処理装置57、出力手段としてのモニタ58、及び、入力手段としてのキーボード59等を備えている。
【0052】
本実施形態における照明装置52は、カバーフィルム4側に配置されており、カバーフィルム4側からPTPフィルム6における所定の検査領域に対し所定の光を照射する(
図3,7参照)。また、本実施形態において、照明装置52は、PTPフィルム6の直近傍に配置されており、照明装置52とPTPフィルム6との間隔Kが5mm以下とされている(
図7参照)。尚、前記検査領域は、該領域内にPTPフィルム6において1のPTPシート1を得る際に打抜かれる部位に対応するシート対応部位SRが少なくとも1つ含まれるように設定される。また、本実施形態において、シート対応部位SRは、実際に得られるPTPシート1よりも一回り大きなものとされている。
【0053】
さらに、
図6に示すように、照明装置52は、LED実装基板61と、これを覆う拡散板62を有しており、面発光可能に構成されている。
【0054】
LED実装基板61には、所定の光としての赤外光を照射可能な赤外LED61A(赤外光源)が多数配列されている。赤外光は、可視光に比べて透過率が高いため、より精度の高い検査が可能となる。容器フィルム3として着色(有色)フィルムが採用される場合があるが、このような場合でも、着色による減光要素を無視しやすくなる。
【0055】
ポケット部側照明装置53は、PTPフィルム6の容器フィルム3側に配置されており、近赤外光を照射可能な光源65、主として平行光を透過させるための平行光フィルタ66、及び、近赤外光用のハーフミラー67を有している(
図3参照)。ポケット部側照明装置53において、光源65から照射された光は、ハーフミラー67によって反射され、前記カメラ56の撮像方向と略同一方向からPTPフィルム6に照射されるように構成されている。すなわち、ポケット部側照明装置53は、カメラ56に対して同軸照明が可能となっている。
【0056】
マスク54は、
図7,8に示すように、PTPフィルム6の幅方向両端縁よりも外側を覆うようにして設けられている。マスク54によって、照明装置52から照射された光がPTPフィルム6の幅方向両端縁よりも外側を通り、カメラ56側に至ることが防止されている。
【0057】
また、マスク54のカメラ56側表面には、観測ポイント54Aが設けられている。観測ポイント54Aは、光ファイバ55により導光された照明装置52からの光によって、発光可能とされている。観測ポイント54Aは、照明装置52の発光状態に応じた発光状態で発光し、照明装置52に異常があれば、例えば、消灯したり、正常時よりも低い光量で発光したりする。尚、観測ポイント54Aは、カメラ56による撮像範囲CV内に設けられる。また、本実施形態では、光ファイバ55の導光経路に、観測ポイント54Aの光量を低減するための図示しないフィルタ(例えば、NDフィルタ等)が介在されている。
【0058】
次にカメラ56の構成についてより詳しく説明する。カメラ56は、PTPフィルム6を介して照明装置52とは反対側にあたる容器フィルム3側(ポケット部2側)に配置されている(
図3,7参照)。本実施形態では、カメラ56として、少なくとも赤外光に感度のあるCCDカメラが採用されている。勿論、これに限らず、CMOSカメラを採用してもよい。
【0059】
カメラ56は、照明装置52から照射された赤外光がPTPフィルム6を照らした際に、そこを透過した光を二次元撮像する。さらに、カメラ56は、ポケット部側照明装置53が容器フィルム3越しに錠剤5及びカバーフィルム4を照らした際に、錠剤5及びカバーフィルム4から反射した光を二次元撮像する。そして、カメラ56によって撮像された画像データは、カメラ56内部においてデジタル信号(画像信号)に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置57に入力されるようになっている。尚、カメラ56の撮像範囲CVは、少なくともPTPシート1一枚分(本実施形態では、複数枚分)を収めることができる範囲に設定されている。
【0060】
画像処理装置57は、
図4に示すように、カメラ56に対応する画像メモリ71、二値化手段73、判定用メモリ74、データメモリ75、カメラタイミング制御手段76、並びに、CPU及び入出力インターフェース77などから構成され、後述するような画像データの処理やシート不良の判定(検査)等を実施可能となっている。
【0061】
カメラ56で撮像された二次元イメージデータ(輝度画像データ)は、デジタル信号に変換された後、画像メモリ71に記憶される。また、イメージデータは、検査時において、二値化手段73により二値化された後、再度画像メモリ71に記憶される。
【0062】
CPU及び入出力インターフェース77は、各種処理プログラムを判定用メモリ74やデータメモリ75の記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機10に制御信号を送出し又はPTP包装機10から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機10の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース77は、モニタ58に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、二値あるいは濃淡のイメージデータや不良検査結果などを、モニタ58に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース77は、キーボード59からのデータを入力する機能をも有する。
【0063】
データメモリ75は、イメージデータに関する座標等のデータ、検査結果データ、及び、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース77の制御に基づき、適宜モニタ58に表示させることができる。また、これらの検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース77がPTP包装機10に制御信号を送出することもできる。
【0064】
さらに、本実施形態において、データメモリ75には、検査装置29により検査される状態の(本実施形態では、上下方向に搬送される状態の)PTPフィルム6における、錠剤5の二次元的な位置に対するポケット部2の二次元的な位置に関するデータが予め記憶されている。また、データメモリ75には、ポケット部2とPTPシート1との位置関係に関するデータも予め記憶されている。これらデータを用いることで、錠剤5の位置に基づき、PTPフィルム6におけるポケット部2の位置、ひいては、PTPフィルム6における前記シート対応部位SRの位置をほぼ正確に特定できるようになっている。
【0065】
カメラタイミング制御手段76は、カメラ56が撮像するイメージデータを、画像メモリ71に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機10に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、PTPフィルム6を所定量送るごとにカメラ56による撮像が行われる。
【0066】
次に検査装置29によって行われるシート対応部位SRの特定手順について
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
まず、ステップS1において、PTPフィルム6に対しポケット部側照明装置53から赤外光を照射して、当該赤外光の照射されたPTPフィルム6をカメラ56により撮像する(第一撮像処理)。これにより、PTPフィルム6の輝度画像データが取得される。取得した輝度画像データは、上記のとおり、デジタル信号に変換された後、画像メモリ71に記憶される。
【0068】
次いで、ステップS2において、取得された輝度画像データに基づき、二値化手段73によって二値化画像データを作成し、これを再び画像メモリ71に記憶させる(二値化処理)。より詳しくは、所定の閾値δ0以上を「1(明)」、閾値δ0未満を「0(暗)」として、輝度画像データが二値化画像データに変換される。得られた二値化画像データにおいては、基本的に、錠剤5の存在する部位が「0(暗)」となり、これを除いた部位が「1(明)」となる。
【0069】
次に、ステップS3において、画像メモリ71に記憶された二値化画像データに対して錠剤位置特定処理を実行する。錠剤位置特定処理では、二値化画像データにおける各錠剤5の位置座標をそれぞれ特定するとともに、特定された位置座標の平均を算出する。
【0070】
その後、ステップS4において、シート対応部位特定処理が行われる。すなわち、データメモリ75に記憶された、錠剤5の二次元的な位置に対するポケット部2の二次元的な位置に関するデータを用いて、ステップS4で特定された錠剤5の位置座標の平均から、PTPフィルム6におけるポケット部2の位置を特定する。そして、データメモリ75に記憶された、ポケット部2とPTPシート1との位置関係に関するデータを用いて、特定されたポケット部2の位置から、PTPフィルム6におけるシート対応部位SRを特定する。尚、特定されたシート対応部位SRに関する位置情報は、データメモリ75に記憶される。シート対応部位SRを特定する検査装置29の機能により、シート対応部位特定手段が構成される。
【0071】
次いで、検査装置29によって行われるシート不良に関する検査の手順について
図10のフローチャート等を参照して説明する。
【0072】
まず、ステップS11において、ポケット部側照明装置53からPTPフィルム6に対する光の照射を禁止する処理(ポケット部側照射禁止処理)を行う。
【0073】
次いで、ステップS12において、PTPフィルム6に対し照明装置52から赤外光を照射して、当該赤外光の照射されたPTPフィルム6をカメラ56により撮像する(第二撮像処理)。これにより、PTPフィルム6の輝度画像データが取得される。取得した輝度画像データは、デジタル信号に変換された後、画像メモリ71に記憶される。
【0074】
輝度画像データが取得されると、ステップS13において、二値化手段73によって二値化画像データを形成し、再び画像メモリ71に記憶させる(二値化処理)。より詳しくは、所定の閾値δ1以上を「1(明)」、閾値δ1未満を「0(暗)」として、輝度画像データが二値化画像データに変換される。尚、PTPフィルム6のうちカバーフィルム4に亀裂等の破損が存在しない部位では、光が透過せず、暗く映る。一方で、
図11(a),(b)に示すように、PTPフィルム6のうちカバーフィルム4に亀裂等の破損が存在する部位では、光が透過するため、結果的に明るく映る。従って、カバーフィルム4に破損が生じている部位が「1(明)」となり、これを除いた正常な部位が「0(暗)」となる二値化画像データが取得される。また、二値化画像データにおいて、照明装置52が正常であれば、観測ポイント54Aに当たる部位は「1(明)」となり、一方で、照明装置52に光量低下等の異常があれば、観測ポイント54Aに当たる部位は「0(暗)」となる。
【0075】
次いで、ステップS14において、二値化画像データの観測ポイント54Aに当たる部位の状態に基づいて、照明装置52における異常の有無を検出する。本実施形態では、観測ポイント54Aに当たる部位が「0(暗)」である場合には、照明装置52に異常が発生しているものと判定され、ステップS15に移行する。一方で、観測ポイント54Aに当たる部位が「1(明)」である場合には、照明装置52が正常であると判定し、ステップS16に移行する。観測ポイント54Aに当たる部位の発光状態に基づき、照明装置52における異常を検出する検査装置29の機能により、照明異常検出手段が構成される。
【0076】
ステップS15では、照明不良対応処理が実行される。本実施形態では、例えば、モニタ58に照明装置52に異常が生じた旨の表示がなされるとともに、音声などにより異常の発生が報知される。尚、異常の報知とともに、PTP包装機10の動作を緊急停止することとしてもよい。
【0077】
照明装置52が正常であると判定された場合には、ステップS16において、画像メモリ71に記憶された二値化画像データに基づき、PTPフィルム6において不良領域(亀裂等の発生部位)が存在するか否かを判定するとともに、不良領域が存在する場合には、不良領域の位置座標を特定する。本実施形態では、二値化画像データに存在する「1(明)」の部分が1ドットであっても、当該「1(明)」の部分が不良領域として判定されるとともに、当該不良領域の位置座標が特定される。
【0078】
続くステップS17では、不良領域の有無に関する情報及び不良領域の位置座標に関する情報と、データメモリ75に記憶されたシート対応部位SRに関する情報とに基づき、シート対応部位SRに不良領域が存在するか否かが特定される。
【0079】
ここで、シート対応部位SRを示す座標の範囲内に、不良領域の位置座標が存在する場合には、ステップS18へ移行し、不良判定を行う。尚、不良判定された場合には、不良判定されたシート判定部位SRを特定可能な情報を含む信号をPTP包装機10へと送信する。前記信号を受信したPTP包装機10は、PTPシート1の打抜後において、不良判定されたシート判定部位SRに対応するPTPシート1を不良シート排出機構によって排出する。
【0080】
一方で、少なくともシート対応部位SRを示す座標の範囲内に不良領域の位置座標が存在しない場合(不良領域が存在していない場合を含む)には、ステップS19へ移行し、良品判定を行う。
【0081】
以上詳述したように、本実施形態によれば、PTPシート1を透過する光に基づいて、カバーフィルム4における亀裂等の破損が検査される。従って、反射光を利用する場合と比べて、カメラ56により得られた画像データには、破損の有無に伴う相違が生じやすくなる。その結果、カバーフィルム4における破損を精度よく検出することができる。
【0082】
さらに、PTPフィルム6に対し、ポケット部2の形成された容器フィルム3側ではなく、平坦状に形成されたカバーフィルム4側へと光が照射される。従って、ポケット部2や錠剤5による照射光の遮断や拡散が生じることはなく、カバーフィルム4へとムラのない均一な光を照射することができる。加えて、照明装置52がカバーフィルム4の直近傍に配置されているため、カバーフィルム4に対しより強い光を照射することができる。これらが相俟って、カバーフィルム4の破損が微小なものであっても、破損部位を介してカメラ56へと光が至りやすくなる。その結果、カバーフィルム4における破損の検査精度を飛躍的に向上させることができる。特に本実施形態では、従来困難であったシール目〔加熱ロール25の凸条部25Aにより形成される格子状(網目状)の線〕に沿った極めて微細な亀裂等についても検出することが可能となる。
【0083】
また、検査に先立ってPTPフィルム6におけるシート対応部位SRが特定され、検査時には、シート対応部位SRにおいてカバーフィルム4に亀裂等が存在するか否かが特定される。そのため、検査時の特定結果を利用することで、最終的に得られたPTPシート1において、カバーフィルム4に破損が存在するか否かを正確に把握することができる。その結果、カバーフィルム4における破損が検出されたPTPシート1のみに対して適切な処理を行うことができ、歩留まりや生産性の向上を図ることができる。
【0084】
加えて、撮像手段及び反射光撮像手段が共通のカメラ56により構成されているため、検査装置29の簡素化や製造コストの増大抑制を図ることができる。
【0085】
さらに、透過光を撮像する際には、ポケット部側照明装置53からPTPフィルム6に対する光の照射が禁止されるため、カメラ56により得られる画像データにおいて、カバーフィルム4における破損の有無に伴う相違をより明確に生じさせることができる。その結果、検査精度をより一層向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態では、画像データ中の観測ポイント54Aに当たる部位の発光状態に基づき、照明装置52の発光状態を毎検査時に把握することができる。従って、照明装置52における異常をより確実に、かつ、より早期に検出することができ、検査の信頼性をより確実に担保することができる。さらに、破損に関する検査と合わせて、照明装置52における異常検出を行うことができるため、異常検出を効率よく行うことができる。
【0087】
加えて、光ファイバ55の導光経路に設けられた前記フィルタによって、観測ポイント54Aの光量を抑えることができるため、観測ポイント54Aにおいて、照明装置52の光量の違いに応じた差異をより明確に表すことができる。従って、照明装置52における異常の検出精度を一層向上させることができる。
【0088】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0089】
(a)上記実施形態では、内容物が錠剤5である場合について具体化しているが、内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品等、内容物が錠剤5とは異なるものであってもよい。
【0090】
(b)上記実施形態では、容器フィルム3がPPやPVC等の無色透明の熱可塑性樹脂材料により形成され、カバーフィルム4がアルミニウム箔等を基材として形成されているが、各フィルム3,4の材料は、これらに限定されるものではなく、他の材質のものを採用してもよい。
【0091】
例えば容器フィルム3に関しては、透明又は半透明なフィルムであればよく、他の素材により形成されたものであってもよい。また、無色透明の容器フィルム3に限らず、赤色透明などの有色透明のフィルムを採用してもよい。
【0092】
(c)上記実施形態では、PTPシート1に対し赤外光を照射する構成となっているが、照射光はこれに限定されるものではない。例えば近赤外光や可視光を照射する構成としてもよい。
【0093】
(d)上記実施形態では、透過光を用いた検査を行う際に、ポケット部側照明装置53からの光の照射が禁止されるように構成されているが、ポケット部側照明装置53からの光の照射を禁止しなくてもよい。この場合、照明装置52及びポケット部側照明装置53において、照射する光の波長や光量等をそれぞれ異なるものとしていれば、検査を問題なく行うことができる。
【0094】
(e)上記実施形態では、PTPフィルム6が上下方向に沿って搬送される過程において、検査装置29による検査が行われる構成となっているが、検査装置29による検査位置はこれに限定されるものではない。
【0095】
例えばPTPフィルム6が水平方向に搬送される位置や、斜めに搬送される位置に対応して検査装置29を配置した構成としてもよい。
【0096】
(f)上記実施形態では、撮像手段及び反射光撮像手段として共通のカメラ56が用いられているが、各手段に対し別々のカメラを用いてもよい。
【0097】
(g)PTPシート1におけるポケット部2の配列や個数に関しては、上記実施形態(2列、10個)に何ら限定されるものではなく、例えば3列12個のポケット部を有するタイプをはじめ、様々な配列、個数からなるPTPシートを採用することができる。
【0098】
(h)上記実施形態において、PTPフィルム6は、その幅方向に沿って1シート分に対応する数のポケット部2が配列された構成となっているが、これに限定されるものではなく、例えば、その幅方向に沿って複数シート分に対応する数のポケット部2が配列された構成であってもよい。
【0099】
(i)上記実施形態では、一度のシート対応部位特定処理において、1のシート対応部位SRを特定するとともに、一度の検査処理において、特定された1のシート対応部位SRにおける破損の有無が特定されるように構成されている。これに対し、一度のシート対応部位特定処理において、複数のシート対応部位SRを特定するとともに、一度の検査処理において、特定された複数のシート対応部位SRにおける破損の有無をそれぞれ特定するように構成してもよい。
【0100】
(j)上記実施形態では、二値化画像データにおいて不良部分(明の部分)が1ドットでも存在していれば、当該部分は不良領域として判定されるように構成されているが、不良領域の判定手法はこれに限定されるものではない。従って、例えば、不良部分の面積(ドット数)を算出し、当該算出された面積によって不良領域として判定するか否かを決定してもよい。また、例えば、不良部分の長さなどを基に判定を行う構成としてもよい。
【0101】
(k)上記実施形態では、二値化画像に基づき、PTPフィルム6の検査処理やシート対応部位SRの特定処理、照明装置52の異常検出処理が行われているが、カメラ56により得られた輝度画像データ(つまり、輝度値)に基づいて、前記検査処理等を行うこととしてもよい。また、この場合、観測ポイント54Aにおける発光状態の良否を判定するための輝度閾値と、カバーフィルム4における良否を判定するための輝度閾値とを同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。さらに、輝度閾値を複数設けることとしてもよい。
【0102】
(l)上記実施形態では、照明不良対応処理(S15)において、照明装置52に異常が生じている旨が報知されるように構成されているが、これに代えて又は加えて、その他の処理を実行するように構成してもよい。例えば、CPU及び入出力インターフェース77により照明装置52を制御可能とし、照明装置52において異常が検出されたときに、照明装置52における異常状態を解消するための処理を実行するように構成してもよい。具体的には、照明装置52における光量低下を検出した場合には、照明装置52の光量を正常範囲まで増大させ、照明装置52における光量増大を検出した場合には、照明装置52の光量を正常範囲まで低下させるなどの処理を行うように構成してもよい。
【0103】
(m)上記実施形態では、ポケット部側照明装置53から赤外光を照射し得られた画像データに基づき、シート対応部位SRの特定処理のみが行われるように構成されているが、得られた画像データに基づき、容器フィルム3に対するカバーフィルム4の取着不良やカバーフィルム4におけるしわ、両フィルム3,4間に対する異物の混入等の検査を合わせて行うようにしてもよい。