(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-225295(P2015-225295A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】コネクタ付き光ファイバユニット、光コネクタ用ブーツ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20151117BHJP
G02B 6/40 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/40
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-111242(P2014-111242)
(22)【出願日】2014年5月29日
(11)【特許番号】特許第5736490号(P5736490)
(45)【特許公報発行日】2015年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠司
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036QA02
2H036QA12
2H036QA23
2H036QA33
2H036QA49
2H036QA51
2H036QA57
2H137AB01
2H137AB05
2H137AB06
2H137AC02
2H137BA12
2H137BA15
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB17
2H137CA15A
2H137CA35
2H137CA45
2H137CA51
2H137CC29
2H137CD13
2H137CD18
2H137DB01
2H137HA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ブーツ部分での曲げ方向の自由度をより多く確保できる光コネクタ用ブーツ、並びにコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
【解決手段】光コネクタ用ブーツ2は、MT形コネクタに内挿固定される前端挿入部13の後側に筒状胴部7と、筒状胴部7の後側に形成されたチューブ取付部10とを有し、筒状胴部7はその複数箇所に切込部11が形成され可撓性を有する。このブーツ2を取り付けたMT形光コネクタに先端部を内挿固定した光ファイバをブーツ2とブーツ2のチューブ取付部10に外挿固定された保護チューブとに収容して、コネクタ付き光ファイバユニットを構成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MT形光コネクタと、このMT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定された前端挿入部を有する筒状のブーツと、前記MT形光コネクタから後側へ延出された前記ブーツの後端部のチューブ取付部に外挿固定された保護チューブと、前記MT形光コネクタに先端部を内挿固定して前記ブーツ及び前記保護チューブの内側に収容された複数の光ファイバとを具備し、
前記ブーツは、前記前端挿入部と、前記チューブ取付部と、前記前端挿入部と前記チューブ取付部との間に延在する可撓性の筒状胴部とを有し、前記前端挿入部にはその前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、前記筒状胴部の、前記MT形光コネクタの一対のガイドピン穴の間隔方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成されているコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項2】
前記ブーツは、前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタの後端面に当接された当接壁部をさらに有し、
前記前側ファイバ孔は、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通している請求項1に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項3】
前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法が、前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっている請求項1又は2に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項4】
前記MT形光コネクタの前記中空部内に、前記光ファイバの複数を樹脂被覆材によってテープ状に一括被覆したテープ状部が収容され、前記光ファイバの前記テープ状部から後側に延出する部分が前記ブーツの前記筒状胴部と前記保護チューブとに収容されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項5】
前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項6】
前記ブーツの前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項7】
前記ブーツの前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項8】
MT形光コネクタに取り付けるブーツであって、
光ファイバを複数内挿可能な可撓性の筒状胴部と、
この筒状胴部の前側に設けられ、MT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定される前端挿入部と、
前記筒状胴部の後側に形成され、前記筒状胴部後端から延出する光ファイバを収容する保護チューブが外挿固定される筒状のチューブ取付部とを有し、
前記前端挿入部は前記筒状胴部中心軸線に垂直の断面外形が長方形状に形成されるとともに、その前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、
前記筒状胴部の、前記前端挿入部の断面長手方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成されている光コネクタ用ブーツ。
【請求項9】
前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタ後端面に当接される当接壁部をさらに有し、
前記前側ファイバ孔は、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通している請求項8に記載の光コネクタ用ブーツ。
【請求項10】
前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法が、前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっている請求項8又は9に記載の光コネクタ用ブーツ。
【請求項11】
前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている請求項8〜10のいずれか1項に記載の光コネクタ用ブーツ。
【請求項12】
前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する請求項8〜11のいずれか1項に記載の光コネクタ用ブーツ。
【請求項13】
前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている請求項8〜12のいずれか1項に記載の光コネクタ用ブーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MT形光コネクタに先端部を内挿固定した複数本の光ファイバがMT形光コネクタに取り付けたブーツ内側に通されたコネクタ付き光ファイバユニット、このコネクタ付き光ファイバユニットのブーツとして用いて好適な光コネクタ用ブーツに関する。
【背景技術】
【0002】
MT形光コネクタ(JIS C 5981のF12形光コネクタに準拠。MT:Mechanically Transferable)は、光ファイバテープ(光ファイバテープ心線等のテープ状の多心光ファイバ)をコネクタ接続可能に成端できる多心用光コネクタとして知られている。
このMT形光コネクタ(以下、MTコネクタとも言う)は外観が概ね長方形板状のプラスチック製ボディを有する。このMTコネクタには、突き合わせ接合用の前端面(以下、接合端面とも言う)と、コネクタ片面から窪む窓穴と、この窓穴からコネクタ後側へ延在してコネクタ後端面に開口するブーツ孔とが形成されている。
また、MTコネクタには、窓穴から前側の前壁部をコネクタ前後方向に貫通して接合端面と窓穴とに開口する微細孔であるファイバ位置決め孔が複数形成されている。
【0003】
MTコネクタを光ファイバテープ先端部に取り付けるには、光ファイバテープ先端部をコネクタ後側からブーツ孔を介して窓穴に挿入し、窓穴に充填した接着剤によってボディに接着固定する。光ファイバテープの先端部は、予め被覆材を除去して複数本の裸光ファイバを露出させた状態でブーツ孔から挿入し、裸光ファイバをコネクタ前壁部のファイバ位置決め孔に1本ずつ挿入する。
また、MTコネクタを光ファイバテープ先端部に取り付ける作業においては、光ファイバテープに外挿した筒状のブーツをMTコネクタのブーツ孔に挿入して、窓穴に充填した接着剤によってボディに接着固定することが広く行なわれている。ブーツには、MTコネクタから後方へ突出する部分を確保する。
【0004】
ブーツは、エラストマ等の可撓性を持つ樹脂製である。ブーツのMTコネクタから後方へ突出させた部分は、光ファイバテープに曲げ力が作用するときに、その可撓性に応じて撓むことで、コネクタ後端面付近にて光ファイバテープがその光伝送特性を維持可能とされる許容曲げ半径を下回る小さい曲げ半径で曲げられることを防止する。
MTコネクタのブーツ孔は、長方形状のコネクタ後端面の長手方向に細長の断面長方形状の角孔であることが一般的である。ブーツは、その外周側面がブーツ孔の内周面に概ね一致する扁平筒状に形成されていることが一般的である(例えば特許文献1)。ブーツ内側の貫通孔は、ブーツの断面長手方向(以下、ブーツ幅方向)に沿う細長の扁平断面で延在形成されている。光ファイバテープは、その断面長手方向を、ブーツ内側貫通孔の断面長手方向に揃えてブーツ内側に通される。
なお、扁平筒状のブーツは特許文献2にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−099477号公報
【特許文献2】特開2009−230105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光ファイバテープは曲げられる方向がその厚さ方向に限定、すなわち光ファイバテープ両面の一方が内周側、他方が外周側となる方向に限定される。MTコネクタに取り付けた上記従来の扁平筒状のブーツ及び該ブーツ内側に通した光ファイバテープは、曲げられる方向がその厚さ方向に限定される。
例えば、MTコネクタは、回路基板上で使用するとき、基板からの突出高さを抑えるために、その片面が基板に沿う向きで基板上に支持することが検討される。しかし、この場合、基板上に支持したMTコネクタから延出する光ファイバの、回路基板に沿う方向の曲げや引き回しの制約が大きかった。
また、特許文献2には、ブーツ内側に、光ファイバテープの樹脂被覆を除去して露出させた単心の光ファイバ(裸ファイバを樹脂被覆で覆った光ファイバ)を通す構成が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の扁平筒状のブーツは、曲げられる方向がその厚さ方向に限定されるため、ブーツ及びその内側の光ファイバをブーツ幅方向に曲げることができない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、MTコネクタに取り付けたブーツをその内側に通された光ファイバとともに、MTコネクタに対してブーツ幅方向に曲げることができるコネクタ付き光ファイバユニット、このコネクタ付き光ファイバユニットのブーツとして好適に使用できる光コネクタ用ブーツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
第1の発明は、MT形光コネクタと、このMT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定された前端挿入部を有する筒状のブーツと、前記MT形光コネクタから後側へ延出された前記ブーツの後端部のチューブ取付部に外挿固定された保護チューブと、前記MT形光コネクタに先端部を内挿固定して前記ブーツ及び前記保護チューブの内側に収容された複数の光ファイバとを具備し、
前記ブーツは、前記前端挿入部と、前記チューブ取付部と、前記前端挿入部と前記チューブ取付部との間に延在する可撓性の筒状胴部とを有し、前記前端挿入部にはその前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、前記筒状胴部の、前記MT形光コネクタの一対のガイドピン穴の間隔方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成されているコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第2の発明は、前記ブーツは、前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタの後端面に当接された当接壁部をさらに有し、
前記前側ファイバ孔は、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通している第1の発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第3の発明は、前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法が、前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっている第1又は2の発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第4の発明は、前記MT形光コネクタの前記中空部内に、前記光ファイバの複数を樹脂被覆材によってテープ状に一括被覆したテープ状部が収容され、前記光ファイバの前記テープ状部から後側に延出する部分が前記ブーツの前記筒状胴部と前記保護チューブとに収容されている第1〜3のいずれか1つの発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第5の発明は、前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている第1〜4のいずれか1つの発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第6の発明は、前記ブーツの前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する第1〜5のいずれか1つの発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第7の発明は、前記ブーツの前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている第1〜6のいずれか1つの発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第8の発明は、MT形光コネクタに取り付けるブーツであって、
光ファイバを複数内挿可能な可撓性の筒状胴部と、
この筒状胴部の前側に設けられ、MT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定される前端挿入部と、
前記筒状胴部の後側に形成され、前記筒状胴部後端から延出する光ファイバを収容する保護チューブが外挿固定される筒状のチューブ取付部とを有し、
前記前端挿入部は前記筒状胴部中心軸線に垂直の断面外形が長方形状に形成されるとともに、その前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、
前記筒状胴部の、前記前端挿入部の断面長手方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成されている光コネクタ用ブーツを提供する。
第9の発明は、前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタ後端面に当接される当接壁部をさらに有し、
前記前側ファイバ孔は、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通している第8の発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
第10の発明は、前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法が、前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっている第8又は9の発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
第11の発明は、前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている第8〜10のいずれか1つの発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
第12の発明は、前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する第8〜11のいずれか1つの発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
第13の発明は、前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている第8〜12のいずれか1つの発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコネクタ付き光ファイバユニットによれば、MTコネクタに取り付けたブーツの筒状胴部を、その内側に収容した複数の光ファイバとともに、少なくともブーツ左右方向に曲げることができる。また、このコネクタ付き光ファイバユニットは、保護チューブによって、複数の光ファイバ(単心の光ファイバ)を収容、保護できる。
MTコネクタは、その前端の接合端面とは反対の後端面に、一対のガイドピン穴の間隔方向(コネクタ幅方向)に細長の断面長方形状の角孔が中空部として開口する構成が一般的である。本発明に係る光コネクタ用ブーツは、MTコネクタの後端面に開口する角孔(中空部)、すなわちコネクタ幅方向に細長の断面長方形状の角孔に、前端挿入部を内挿固定したとき、筒状胴部を、その内側に収容した複数の光ファイバとともに、少なくともブーツ左右方向に曲げることができる。また、この光コネクタ用ブーツは、その後端部のチューブ取付部に保護チューブを簡単に取り付けることができる。この光コネクタ用ブーツは、本発明に係るコネクタ付き光ファイバユニットのブーツとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るコネクタ付き光ファイバユニットの第1実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のコネクタ付き光ファイバユニットの構造を示す図であって、(a)は平断面図、(b)は側断面図である。
【
図3】本発明に係る光コネクタ用ブーツを示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す光コネクタ用ブーツの(a)要部平面図、(b)D−D断面図である。
【
図5】
図1に示すコネクタ付き光ファイバユニットを光コネクタ用ブーツ部分で曲げた状態を示す図である。
【
図6】
図1に示すコネクタ付き光ファイバユニットの使用例を示す側面図である。
【
図7】
図6に示すコネクタ付き光ファイバユニットを接続した状態の(a)平面図(b)側面図である。
【
図8】
図1に示すコネクタ付き光ファイバユニットの他の実施形態を示す平面図である。
【
図9】本発明に係る光コネクタ用ブーツの第2実施形態を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す光コネクタ用ブーツの(a)E−E断面図、(b)他の実施形態におけるE−E断面相当図である。
【
図11】本発明に係る光コネクタ用ブーツの第3実施形態を示す斜視図である。
【
図12】
図11に示す光コネクタ用ブーツの(a)F−F断面図、(b)G−G断面である。
【
図13】本発明に係る光コネクタ用ブーツの第4実施形態を示す斜視図である。
【
図14】
図13に示す光コネクタ用ブーツの要部平面図である。
【
図15】
図13に示す光コネクタ用ブーツを使用したコネクタ付き光ファイバユニットの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、
図1から
図6を参照して説明する。
図1及び
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態のコネクタ付き光ファイバユニット1は、MT形光コネクタ3(以下、MTコネクタとも言う)と、このMTコネクタ3に前端部を内挿固定して取り付けられた筒状の光コネクタ用ブーツ2(以下、単にブーツとも言う)と、このブーツ2の後端部に外挿固定された保護チューブ5とを有している。このコネクタ付き光ファイバユニット1は、前記MTコネクタ3に先端部を内挿固定してMTコネクタ3からその前端の接合端面3aとは反対の後側へ延出された複数本の光ファイバ6を、ブーツ2及び保護チューブ5の内側に収容した構成となっている。
【0012】
この実施形態において、光ファイバ6は光ファイバ素線である。以下、光ファイバ6を光ファイバ素線とも言う。
なお、光ファイバ6としては、光ファイバ素線に限定されず、例えば、単心の光ファイバ心線等の、裸光ファイバの外周側面にコーティング被覆が被着された構成の単心の被覆付き光ファイバを採用できる。
【0013】
ブーツ2は、エラストマ等の可撓性材料によって形成された一体成形品である。
図3及び
図4(a)、(b)に示すように、ブーツ2は、可撓性の筒状胴部7と、この筒状胴部7の前側に設けられた前端挿入部13と、筒状胴部7の後側に設けられたチューブ取付部10とを有する。前端挿入部13はブーツ2の前端部を構成する。チューブ取付部10はブーツ2の後端部を構成する。
【0014】
筒状胴部7は略円筒状に形成されている。この筒状胴部7には、その外周側面から窪む複数の切込部11が中心軸線Cに沿った方向に並んで形成されている。
図示例の切込部11は、筒状胴部7の中心軸線C及び該中心軸線Cを中心とする半径に垂直の向きで延在する溝状に形成されている。図示例の切込部11は、具体的には、筒状胴部7外周側面から筒状胴部7内側へ行くにしたがって溝幅が次第に縮小するテーパ状に形成されている。
また、図示例の切込部11は、筒状胴部7の肉厚を貫通して形成されている。切込部11の底部には、筒状胴部7の内側空間である内側孔7aに開口する孔部11Aが形成されている。
【0015】
図2(a)、(b)に示すように、MTコネクタ3には、その後端面3bの中央部に開口するブーツ孔25と、板状のMTコネクタ3の片面から窪む窓穴27とを有する中空部22が形成されている。ブーツ孔25は、コネクタ後端面3bからコネクタ前側へ向かって延在形成されている。ブーツ孔25の前端は窓穴27に連通している。
前記中空部22は、MTコネクタ3にその前後方向に延在して互いに平行に形成された一対のガイドピン穴23の間に形成されている。MTコネクタ3について、互いに離隔させて形成された一対のガイドピン穴23の間隔方向を幅方向(コネクタ幅方向)とも言う。図示例のMTコネクタのブーツ孔25は、コネクタ幅方向に細長の断面長方形でコネクタ前後方向に延在する角孔に形成されている。
【0016】
図3及び
図4(a)、(b)に示すように、筒状胴部7の前側には、前記ブーツ孔25に挿入してMTコネクタ3に内挿固定される前端挿入部13と、コネクタ後端面3bに当接される当接壁部15とを有するヘッド部8が設けられている。
前端挿入部13は、筒状胴部7の中心軸線Cに垂直の断面外形(以下、単に、断面外形とも言う)が矩形状に形成されている。この前端挿入部13の断面外形は、具体的には、ブーツ孔25の断面外形(ブーツ孔25の中心軸線に垂直の断面外形)に概ね一致する長方形状になっている。前端挿入部13の断面外寸は、ブーツ孔25の断面外寸に概ね一致されている。このため、MTコネクタのブーツ孔25に挿入した前端挿入部13はブーツ孔25内周面によってブーツ孔25の中心軸線に垂直の断面方向に位置決めされる。
【0017】
図2(a)、(b)、
図3に示すように、ヘッド部8には、複数の光ファイバ素線6が挿通される前側ファイバ孔12が形成されている。前側ファイバ孔12は、前端挿入部13の前端面に開口して、前端挿入部13及び当接壁部15を前後方向に貫通して、筒状胴部7の内側孔7a前端に連通している。
【0018】
なお、以下、ブーツ2について、そのヘッド部8から後側の部分全体がMTコネクタ3から後方へ真っ直ぐに延在する状態におけるコネクタ幅方向に一致する方向を左右方法、筒状胴部7の延在方向に垂直の断面における前記左右方向に垂直の方向を上下方向、として説明する。
図2(a)、(b)、
図3に示すように、当接壁部15の左右方向寸法は、前端挿入部13の矩形断面長手方向(左右方向)の寸法と一致している。また、当接壁部15は、その上下方向において前端挿入部13の両側に突出している。この当接壁部15は、筒状胴部7の中心軸線Cに垂直の断面外形が矩形状、より具体的には上下方向寸法が左右方向寸法よりも小さい長方形状に形成されている。
なお、前側ファイバ孔12は、前端挿入部13及び当接壁部15の矩形断面長手方向に細長の扁平形状に形成されている。
【0019】
筒状胴部7のブーツ左右方向の寸法は、前端挿入部13の左右方向寸法を超えない大きさになっている。図示例のブーツ2の筒状胴部7の外径は、当接壁部15の矩形断面短手方向の大きさと同一であり、当接壁部15の矩形断面長手方向の大きさよりも小さい。
当接壁部15および筒状胴部7は、MTコネクタ後端面3bにおけるブーツ孔25を介してコネクタ幅方向両側の領域を覆わない。したがって、当接壁部15および筒状胴部7は、例えば互いに突き合わせたMTコネクタを保持して突き合わせ力を与えるクリップのMTコネクタ後端面3bに対する係合の障害にならない。
【0020】
チューブ取付部10は、筒状胴部7後端から連続して形成された円筒状の筒状壁部10aと、この筒状壁部10aの外周側面に突設された凸部17(抜け止め突起)とを有する。凸部17は、中心軸線C方向の複数箇所に設けられている。これら凸部17と、中心軸線C方向に隣り合う凸部17間の凹部16とは、中心軸線C方向に交互に並んで配されている。各凸部17はチューブ5と好適に係合可能な高さに形成されている。凸部17及び凹部16は、筒状壁部10aに外挿した保護チューブ5前端部の筒状壁部10aに対する引き抜き抵抗を高めて、保護チューブ5前端部の筒状壁部10aに対する接続状態を安定に保つ機能を果たす。
【0021】
MTコネクタ3の窓穴27から前側の前壁部21には、光ファイバ素線6のクラッド部18(裸光ファイバ)がそれぞれ挿通されるファイバ位置決め孔20が、該前壁部21をコネクタ前後方向に貫通して複数形成されている。ファイバ位置決め孔20はMTコネクタ3の接合端面3aから窓穴27に臨む前壁部21後端面にわたって形成されている。
【0022】
図1に示すように、図示例のMTコネクタ3の前壁部21には、ファイバ位置決め孔20が24箇所に形成されている。これらファイバ位置決め孔20は、光ファイバ素線6が12本ずつ一列に挿入されるように複数の孔列、すなわち第一孔列20Aと第二孔列20Bとに分かれて配されている。各孔列は、複数(図示例では12本)のファイバ位置決め孔20をコネクタ幅方向に横並びに形成したものである。
なお、前壁部21の後端部は、第一孔列20A側よりも第二孔列20B側のほうがコネクタ後側へ突出して形成されている。
【0023】
図2(a)、(b)に示すように、各ファイバ位置決め孔20には、光ファイバ素線6先端の被覆材を除去して口出しした裸光ファイバ18が1本ずつ内挿されている。ファイバ位置決め孔20は、光ファイバ素線6先端の裸光ファイバ18をガイドピン穴23に対して高精度に位置決めする。
ファイバ位置決め孔20に挿入された裸光ファイバ18の先端は、MTコネクタ3の接合端面3aに位置合わせされている。
【0024】
光ファイバ素線6の裸光ファイバ18が被覆材6aによって覆われた被覆部の先端は、MTコネクタ3の中空部22における、ブーツ孔25に挿入されているブーツ2の前端挿入部13から前側の領域に配置されている。
図2(a)、(b)に示すように、MTコネクタ3の同一孔列のファイバ位置決め孔20に裸光ファイバ18を挿入している複数(図示例では12本)の光ファイバ素線6には、これら光ファイバ素線6(被覆部)を樹脂被覆材によってテープ状に一括被覆したテープ状部28が形成されている。光ファイバ素線6を複数一括被覆したテープ状部28の樹脂被覆材を、以下、一括被覆材とも言う。
【0025】
図2(a)、(b)及び
図5に示すように、図示例のコネクタ付き光ファイバユニット1において、テープ状部28は、光ファイバ素線6長手方向に沿う前後方向後端から中央部までの範囲を、ブーツ2の前端挿入部13の前側ファイバ孔12に挿入している。テープ状部28の、ブーツ前端挿入部13前端から前側に延出する部分は、その前端をMTコネクタ3の前壁部21近傍に配置して中空部22内に収容されている。
また、テープ状部28は、ブーツ孔25からコネクタ後方へΔLだけ突出させて、MTコネクタ3の中空部22に挿入されている。
図2(a)、(b)及び
図5において、テープ状部28後端は、ブーツ2の前端挿入部13の前側ファイバ孔12内に位置する。
【0026】
図1、
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態では、24本の光ファイバ素線6が一つのブーツ2に挿入される。そのため、MTコネクタ3の中空部22及びブーツ2の前側ファイバ孔12内では、2つのテープ状部28が上下2段に重ねられた状態で配されている。
【0027】
図2(a)、(b)に示すように、図示例のコネクタ付き光ファイバユニット1において、光ファイバ素線6の被覆部の被覆材6a先端面は、テープ状部28の一括被覆材前端面に揃えられている。
但し、光ファイバ素線6の被覆部は、テープ状部28前端から前側に突出されていても良い。
【0028】
テープ状部28は、MTコネクタ3の窓穴27から中空部22に充填(注入)された不図示の接着剤によってMTコネクタ3に接着固定されている。その結果、光ファイバ素線6は、テープ状部28の一括被覆材を介してMTコネクタ3に固定されている。
また、ブーツ2の前端挿入部13も、テープ状部28をMTコネクタ3に固定するために窓穴27から中空部22に充填(注入)された接着剤によってMTコネクタ3に接着固定されている。
ファイバ位置決め孔20に挿入された裸光ファイバ18は、接着剤によってファイバ位置決め孔20内面に接着固定される。
【0029】
MTコネクタ3の窓穴27から中空部22に注入される接着剤は、MTコネクタ3の中空部22における、ブーツ孔25に挿入されているブーツ2の前端挿入部13から前側の領域に充填されるとともに、ブーツ2の前側ファイバ孔12内にも若干入り込む。但し、ブーツ2の前側ファイバ孔12は、該前側ファイバ孔12に挿入されたテープ状部28によって接着剤が通る隙間が少ない状態になっている。このため接着剤は、前側ファイバ孔12前端部には入り込むものの、それよりも後側へは入り込まない。テープ状部28の前側ファイバ孔12前端部から後側に位置する部分は、どこにも接着固定されていない状態が確保される。
【0030】
本発明に係る実施形態のコネクタ付き光ファイバユニットとしては、テープ状部28を有していない構成も採用可能である。この場合は、MTコネクタ3の中空部22に挿入されている光ファイバ素線6を、MTコネクタ3の窓穴27から中空部22に充填(注入)した接着剤によってMTコネクタ3に直接接着固定する。
【0031】
テープ状部28は、例えば筒状胴部7の繰り返し曲げ等によって、ブーツ2の前側ファイバ孔12に通されている光ファイバ素線6に光伝送特性に影響する小さい湾曲半径での曲げが与えられることを防ぐ。
ブーツ2の筒状胴部7をMTコネクタ3のブーツ孔25から真っ直ぐ後方に延在する状態から曲げたとき、筒状胴部7内に挿通されている光ファイバ素線6も筒状胴部7に追従して曲げられる。このとき、筒状胴部7内に挿通されている光ファイバ素線6のうち、湾曲の外周側に位置するもの(以下、曲げ時外周側光ファイバ素線とも言う)には引っ張り力が作用する。この引っ張り力は、光ファイバ素線6の筒状胴部7よりも前方に位置する部分にも伝達される。一方、曲げた状態の筒状胴部7をMTコネクタ3のブーツ孔25から真っ直ぐ後方に延在する状態にしたときには、曲げ時外周側光ファイバ素線の前側ファイバ孔12内に挿通されている部分にその後方部分から押圧力が作用することがある。このとき、テープ状部28は、曲げ時外周側光ファイバ素線の前側ファイバ孔12内に挿通されている部分がその後方からの押圧力によって小さい湾曲変形で撓む(曲げられる)ことを防ぐ。テープ状部28は、該テープ状部28を構成する光ファイバ素線6にその後方から作用した押圧力を分散して、特定の光ファイバ素線6に光伝送特性に影響する小さい湾曲半径での曲げが与えられることを防ぐ。
【0032】
図2(a)、(b)に示すように、ブーツ2の筒状胴部7内面の左右方向寸法(図示例の円筒状の筒状胴部7にあってはその内側孔7a内径)は、前側ファイバ孔12の左右方向寸法に比べて若干小さい。MTコネクタ3の孔列の両端のファイバ位置決め孔20間の距離は、ブーツ2の筒状胴部7内面の左右方向寸法よりも大きい。
【0033】
テープ状部28の、MTコネクタ3あるいはブーツ2の前端挿入部13に接着された部分から後側のどこにも接着されていない部分は、緩やかな湾曲変形によってコネクタ後方へ行くにしたがってコネクタ幅方向の寸法を縮小する先細り形状になっている。テープ状部28の後端部はコネクタ前後方向に垂直の断面が円弧状をなすように湾曲変形されている。テープ状部28の湾曲変形は、テープ状部28後端から前側へ行くにしたがって縮小する。テープ状部28のブーツ前端挿入部13よりも前側の部分は、上述の湾曲変形が無く、コネクタ前後方向に垂直の断面が平坦な状態となっている。
【0034】
テープ状部28の先細り形状部分は、その後方からの押圧力をテープ状部28の広範囲に分散し、テープ状部28自体の弾性によって吸収する。テープ状部28の先細り形状部分の構成は、光ファイバ素線6が大きく撓んで小さい湾曲変形での曲げに至ることを防ぐ点で好適である。
【0035】
なお、
図2(a)、(b)ではテープ状部28の後端を前側ファイバ孔12内に配置した構成を例示したが、コネクタ付き光ファイバユニットとしては、テープ状部28を前側ファイバ孔12から筒状胴部7の内側孔7a前端部に突出させた構成も採用可能である。
【0036】
このコネクタ付き光ファイバユニット1は、例えば、特開2003−177279号公報に記載のような光コネクタレセプタクルに使用される。そこで、
図6及び
図7を用いて、回路基板B上に実装されている半導体レーザ(LD)等の発光素子あるいはフォトダイオード等の受光素子などの光素子を主体とするモジュール(以下「レーザモジュール」)Mとの光接続部品30にコネクタ付き光ファイバユニット1を使用した場合を通して作用について説明する。
【0037】
光接続部品30は、光ファイバ31の長手方向一端にレーザモジュールMと接続されたファイバアレイ32が組み立てられ、長手方向他端に本発明に係るコネクタ付き光ファイバユニット1と接続される光コネクタ33が組み立てられている。ファイバアレイ32はレーザモジュールMの接続用端面Lに接続されている。光接続部品30の他端側の光コネクタ33は、回路基板B上にてレーザモジュールMに近接配置させて実装した光コネクタレセプタクル35内に組み込まれる。
【0038】
光コネクタレセプタクル35は、ハウジング36と、このハウジング36に対して回転自在に支持されたクリップ37とを有し、ハウジング36内に光コネクタ33を収容、保持している。
【0039】
光コネクタ33とコネクタ付き光ファイバユニット1とは、光コネクタレセプタクル35内で突き合わされる。両者を接続する際には、押圧位置までクリップ37を移動して、フェルール挿入口の両側に配された係合凹所38に押圧片37Aを係合保持する。
【0040】
従来のテープ状に束ねられた光ファイバ素線の場合には、回路基板Bに対して鉛直方向への曲げのみ許容される。一方、本発明に係るコネクタ付き光ファイバユニット1の場合、ブーツ2の筒状胴部7表面に形成された切込部11が変形することにより、鉛直方向Vのみならず、水平方向Hへの曲げも許容する。
【0041】
このブーツ2によれば、複数の切込部11が、筒状胴部7側面に配されているので、切込部11が並ぶ方向に筒状胴部7を容易に曲げることができる。そのため、コネクタ付き光ファイバユニット1として組み立てられた場合であっても、ブーツ2部分を容易に曲げることができる。
【0042】
この際、ブーツ2の基端側に保護チューブ5がチューブ取付部10でのみ重なるように接続されているので、両者が重なることによって生じる曲げ剛性の高い領域を最小限に抑えることができる。
【0043】
また、ブーツ2の当接壁部15の矩形断面短手方向の大きさが、前端挿入部13の矩形断面短手方向の大きさよりも大きくなるように形成されている。そのため、MTコネクタ3のブーツ孔25に前端挿入部13を挿入する際、当接壁部15とMTコネクタ3の基端面とを当接することによって、MTコネクタ3に対してブーツ2を容易に位置決めすることができる。
【0044】
さらに、ブーツ2の前端挿入部13及び当接壁部15の矩形断面長手方向の大きさが同一なので、MTコネクタ3のガイドピン穴23に不図示のガイドピンを挿通する際、前端挿入部13が組立の邪魔にならないようにすることができる。
【0045】
なお、
図8に示すように、ケーブル40の両端にコネクタ付き光ファイバユニット1が配されていても構わない。この場合、光接続部品が実装された回路基板が短い間隔で上下方向に積層されるような場合であっても、ケーブル40を介して各基板上の光接続部品同士を好適に接続することができ、より多くの実装スペースを確保することができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図9及び
図10を参照しながら説明する。
なお、上述した第1実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光コネクタ用ブーツ50の筒状胴部51が四角筒状に形成され、切込部52が、前端挿入部13の矩形断面長手方向側の筒状胴部51側面にのみ配されているとした点である。
【0047】
筒状胴部51の中心軸線Cに対する断面形状は、
図10(a)に示すように正方形状に形成されている。そのため、切込部52によって形成される孔部52Aは矩形状となっている。
【0048】
ヘッド部53は、第1実施形態に係るブーツ2の前端挿入部8と同一の構成となっており、当接壁部15に相当する部分は筒状胴部51の先端と一体とされている。
【0049】
この光コネクタ用ブーツ50によれば、切込部52が前端挿入部13における矩形断面長手方向側の筒状胴部51側面にのみ配されているので、切込部52が配されていない筒状胴部51側面側への曲げが抑えられる。そのため、コネクタ付き光ファイバユニットとして組み立てた際、不図示の回路基板からの浮き上がりを好適に抑えることができる。
【0050】
なお、筒状胴部51の中心軸線Cに対する断面形状は、
図10(b)に示すように矩形状であっても構わない。
【0051】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について
図11及び
図12を参照しながら説明する。
なお、上述した他実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光コネクタ用ブーツ60が12芯用ではなく8芯用に形成されている点である。
【0052】
前端挿入部62の矩形断面長手方向の長さは、第1実施形態に係るブーツ2における前端挿入部13の矩形断面長手方向の長さよりも短くなっている。前側ファイバ孔63も同様に前側ファイバ孔12に比べて前端挿入部矩形断面長手方向のサイズが小さく形成されている。
【0053】
一方、当接壁部15の外形は、第1実施形態に係るブーツ2と同一とされている。そのため、前端挿入部62と当接壁部15との間には、矩形断面短長手方向だけでなく、矩形断面長手方向にも段差65が設けられている。
【0054】
光コネクタ用フェルール66の前壁部67には、光ファイバ素線6が8本ずつ一列に挿入されるようにファイバ位置決め孔20が配されている。光コネクタ用フェルール66の中空部68及びブーツ孔68Aは、第1実施形態に係るMTコネクタ3の中空部22及びブーツ孔25よりも小さく形成されている。
【0055】
この光コネクタ用ブーツ60、コネクタ付き光ファイバユニット69によれば、8芯仕様として第1実施形態に係るブーツ2、コネクタ付き光ファイバユニット1と同様の作用効果を奏することができる。
【0056】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について
図13から
図15を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光コネクタ用ブーツ70のヘッド部71における前側ファイバ孔72が、第一前側ファイバ孔72Aと第二前側ファイバ孔72Bとに2分割されているとした点である。
【0057】
第一前側ファイバ孔72Aと第二前側ファイバ孔72Bとは、MTコネクタ3の前壁部21に配された第一孔列20A及び第二孔列20Bのそれぞれと対応するように、二段に配されている。前端挿入部73及び当接壁部75の外形、その他の光コネクタ用ブーツ及びこれが配されたコネクタ付き光ファイバユニット76の構成部材の仕様は、第1実施形態に係るブーツ2、コネクタ付き光ファイバユニット1とそれぞれ同じである。
【0058】
この光コネクタ用ブーツ70、コネクタ付き光ファイバユニット76によれば、8芯仕様であっても第1実施形態に係るブーツ2と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1実施形態では、切込部11が筒状胴部7の側面を貫通することにより孔部11Aが形成されているとしているが、孔部11Aのみが配されていても構わない。また、切込部11の代わりに他の部分よりも肉厚の薄い薄肉部が配されていてもよい。
【0060】
また、第4実施形態では、前側ファイバ孔72が、第一前側ファイバ孔72Aと第二前側ファイバ孔72Bとに2分割されているとしているが、これに限らず、3分割以上であっても構わない。
【符号の説明】
【0061】
1,69,76…コネクタ付き光ファイバユニット、2,50,60,70…光コネクタ用ブーツ、3,66…光コネクタ用フェルール、5…チューブ取付部、6…光ファイバ素線、7,51…筒状胴部、8,53,61,71…前端挿入部、11…切込部、11A…孔部、12,63,72…貫通孔、13,62,73…先端部、15,75…位置決め部、22,68…中空部、25,68A…挿入口、28…テープ状部。
【手続補正書】
【提出日】2014年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MT形光コネクタと、このMT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定された前端挿入部を有する筒状のブーツと、前記MT形光コネクタから後側へ延出された前記ブーツの後端部のチューブ取付部に外挿固定された保護チューブと、前記MT形光コネクタに先端部を内挿固定して前記ブーツ及び前記保護チューブの内側に収容された複数の光ファイバとを具備し、
前記ブーツは、前記前端挿入部と、前記チューブ取付部と、前記前端挿入部と前記チューブ取付部との間に延在する可撓性の筒状胴部とを有し、前記前端挿入部にはその前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、前記筒状胴部の、前記MT形光コネクタの一対のガイドピン穴の間隔方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成され、
前記ブーツは、前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタの後端面に当接された当接壁部をさらに有し、
前記前側ファイバ孔は、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面に形成され、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通し、
前記筒状胴部の前記内側孔は前記前側ファイバ孔の後端全体を開口させる内径が確保された断面円形に形成され、前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法は前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっているコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項2】
前記MT形光コネクタの前記中空部内に、前記光ファイバの複数を樹脂被覆材によってテープ状に一括被覆したテープ状部が収容され、前記光ファイバの前記テープ状部から後側に延出する部分が前記ブーツの前記筒状胴部と前記保護チューブとに収容されている請求項1に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項3】
前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている請求項1又は2に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項4】
前記ブーツの前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項5】
前記ブーツの前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ付き光ファイバユニット。
【請求項6】
MT形光コネクタに取り付けるブーツであって、
光ファイバを複数内挿可能な可撓性の筒状胴部と、
この筒状胴部の前側に設けられ、MT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定される前端挿入部と、
前記筒状胴部の後側に形成され、前記筒状胴部後端から延出する光ファイバを収容する保護チューブが外挿固定される筒状のチューブ取付部と、
前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタ後端面に当接される当接壁部とを有し、
前記前端挿入部は前記筒状胴部中心軸線に垂直の断面外形が長方形状に形成されるとともに、その前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、
前記筒状胴部の、前記前端挿入部の断面長手方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成され、
前記前側ファイバ孔は、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面に形成され、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通し、
前記筒状胴部の前記内側孔は前記前側ファイバ孔の後端全体を開口させる内径が確保された断面円形に形成され、前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法は前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっている光コネクタ用ブーツ。
【請求項7】
前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている請求項6に記載の光コネクタ用ブーツ。
【請求項8】
前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する請求項6又は7に記載の光コネクタ用ブーツ。
【請求項9】
前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている請求項6〜8のいずれか1項に記載の光コネクタ用ブーツ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
第1の発明は、MT形光コネクタと、このMT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定された前端挿入部を有する筒状のブーツと、前記MT形光コネクタから後側へ延出された前記ブーツの後端部のチューブ取付部に外挿固定された保護チューブと、前記MT形光コネクタに先端部を内挿固定して前記ブーツ及び前記保護チューブの内側に収容された複数の光ファイバとを具備し、前記ブーツは、前記前端挿入部と、前記チューブ取付部と、前記前端挿入部と前記チューブ取付部との間に延在する可撓性の筒状胴部とを有し、前記前端挿入部にはその前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、前記筒状胴部の、前記MT形光コネクタの一対のガイドピン穴の間隔方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成され
、前記ブーツは、前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタの後端面に当接された当接壁部をさらに有し、前記前側ファイバ孔は、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面に形成され、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通し、前記筒状胴部の前記内側孔は前記前側ファイバ孔の後端全体を開口させる内径が確保された断面円形に形成され、前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法は前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっているコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第
2の発明は、前記MT形光コネクタの前記中空部内に、前記光ファイバの複数を樹脂被覆材によってテープ状に一括被覆したテープ状部が収容され、前記光ファイバの前記テープ状部から後側に延出する部分が前記ブーツの前記筒状胴部と前記保護チューブとに収容されている第
1の発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第
3の発明は、前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている第1
又は2の発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第
4の発明は、前記ブーツの前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する第1〜
3のいずれか1つの発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第
5の発明は、前記ブーツの前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている第1〜
4のいずれか1つの発明のコネクタ付き光ファイバユニットを提供する。
第
6の発明は、MT形光コネクタに取り付けるブーツであって、光ファイバを複数内挿可能な可撓性の筒状胴部と、この筒状胴部の前側に設けられ、MT形光コネクタ前端の接合端面とは反対の後端面に開口する中空部に内挿固定される前端挿入部と、前記筒状胴部の後側に形成され、前記筒状胴部後端から延出する光ファイバを収容する保護チューブが外挿固定される筒状のチューブ取付部
と、前記前端挿入部と前記筒状胴部との間に形成されて、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向において前記前端挿入部の両側に突出し、前記MT形光コネクタ後端面に当接される当接壁部とを有し、前記前端挿入部は前記筒状胴部中心軸線に垂直の断面外形が長方形状に形成されるとともに、その前端面に開口して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通する前側ファイバ孔が形成され、前記筒状胴部の、前記前端挿入部の断面長手方向に一致するブーツ左右方向の両側を含む周方向複数箇所には、該筒状胴部の外周側面又は内周側面から窪む切込部が、前記筒状胴部の中心軸線方向複数箇所に互いに間隔を空けて形成され、
前記前側ファイバ孔は、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面に形成され、前記前端挿入部と前記当接壁部とを貫通して前記筒状胴部の内側孔の前端に連通し、前記筒状胴部の前記内側孔は前記前側ファイバ孔の後端全体を開口させる内径が確保された断面円形に形成され、前記ブーツの前記前端挿入部後端から前記筒状胴部後端までの範囲の左右方向の寸法は前記前端挿入部の左右方向寸法を超えない大きさとなっている光コネクタ用ブーツを提供する。
第
7の発明は、前記ブーツの前記切込部は、前記筒状胴部のブーツ左右方向両側のみに形成されている第
6の発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
第
8の発明は、前記チューブ取付部は、前記筒状胴部後端から連続する筒状壁部と、この筒状壁部の外周側面に突設されて、該筒状壁部に外挿された前記保護チューブの前記筒状壁部に対する引き抜き抵抗を高める抜け止め突起とを有する第6
又は7の発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
第
9の発明は、前記前端挿入部には、前記筒状胴部の延在方向及び前記ブーツ左右方向に垂直の上下方向複数箇所に、前記ブーツ左右方向を断面長手方向とする扁平断面の前記前側ファイバ孔が形成されている第
6〜
8のいずれか1つの発明の光コネクタ用ブーツを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
【
図1】本発明に係るコネクタ付き光ファイバユニットの第1実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のコネクタ付き光ファイバユニットの構造を示す図であって、(a)は平断面図、(b)は側断面図である。
【
図3】本発明に係る光コネクタ用ブーツを示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す光コネクタ用ブーツの(a)要部平面図、(b
)断面図である。
【
図5】
図1に示すコネクタ付き光ファイバユニットを光コネクタ用ブーツ部分で曲げた状態を示す図である。
【
図6】
図1に示すコネクタ付き光ファイバユニットの使用例を示す側面図である。
【
図7】
図6に示すコネクタ付き光ファイバユニットを接続した状態の(a)平面図(b)側面図である。
【
図8】
図1に示すコネクタ付き光ファイバユニットの他の実施形態を示す平面図である。
【
図9】本発明に係る光コネクタ用ブーツの第2実施形態を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す光コネクタ用ブーツの(a
)断面図、(b)他の実施形態におけ
る断面相当図である。
【
図11】
参考例の光コネクタ用ブーツを示す斜視図である。
【
図12】
図11に示す光コネクタ用ブーツ
の断面図である((a)、(b)とも)。
【
図13】本発明に係る光コネクタ用ブーツの第
3実施形態を示す斜視図である。
【
図14】
図13に示す光コネクタ用ブーツの要部平面図である。
【
図15】
図13に示す光コネクタ用ブーツを使用したコネクタ付き光ファイバユニットの要部断面図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図2(a)、(b)に示すように、ブーツ2の筒状胴部7内面の左右方向寸法(図示例の円筒状の筒状胴部7にあってはその内側孔7a内径)は、前側ファイバ孔12の
前端挿入部13における左右方向寸法に比べて若干小さい。MTコネクタ3の孔列の両端のファイバ位置決め孔20間の距離は、ブーツ2の筒状胴部7内面の左右方向寸法よりも大きい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
(
参考例)
次に、
参考例について
図11及び
図12を参照しながら説明する。
なお、上述した他実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
参考例と第1実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光コネクタ用ブーツ60が12芯用ではなく8芯用に形成されている点である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
一方、当接壁部15の外形は、第1実施形態に係るブーツ2と同一とされている。そのため、前端挿入部62と当接壁部15との間には、矩形断面
短手方向だけでなく、矩形断面長手方向にも段差65が設けられている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
(第
3実施形態)
次に、第
3実施形態について
図13から
図15を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第
3実施形態と第1実施形態との異なる点は、本実施形態に係る光コネクタ用ブーツ70のヘッド部71における前側ファイバ孔72が、第一前側ファイバ孔72Aと第二前側ファイバ孔72Bとに2分割されているとした点である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
また、第
3実施形態では、前側ファイバ孔72が、第一前側ファイバ孔72Aと第二前側ファイバ孔72Bとに2分割されているとしているが、これに限らず、3分割以上であっても構わない。