【解決手段】情報機器に対する操作に関する情報を表示するインクジェット記録装置であって、外部装置の接続状態を監視する外部装置監視部102aと、ユーザ操作に基づき、処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視する管理者設定監視部102bと、外部装置監視部102aによる監視結果、及び管理者設定監視部102bによる監視結果を取得する状態取得部106と、状態取得部106が取得した各監視結果に基づいて、実行可能な処理機能を抽出する表示条件判定部101bと、表示条件判定部101bによって抽出された実行可能な処理機能のみに関連するショートカット機能を指し示す表示情報を生成し、操作パネル97に表示させる表示制御部101と備える。
処理機能に関連する操作が登録されたショートカット機能を有するとともに外部装置が接続又は切断されることによって前記処理機能の状態が変化する情報機器に設けられ、前記情報機器に対する操作に関する情報を表示する情報表示装置であって、
前記外部装置の接続状態を監視する外部装置監視部と、
ユーザ操作に基づき、前記処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視する管理者設定監視部と、
前記外部装置監視部による監視結果、及び前記管理者設定監視部による監視結果を取得する状態取得部と、
前記状態取得部が取得した前記各監視結果に基づいて、実行可能な前記処理機能を抽出する表示条件判定部と、
前記表示条件判定部によって抽出された実行可能な前記処理機能のみに関連するショートカット機能を示す表示情報を生成し、表示部に表示させる表示制御部と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下に添付図面を参照して、本発明に係る印刷装置の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
(プリンターネットワークシステムの全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置を有するプリンターネットワークシステムの概略構成を示す説明図であり、
図2(a)及び(b)は、第1実施形態に係る操作パネルに表示された設定画面の一例を示した図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のプリンターネットワークシステムは、印刷処理等の各処理機能を有する情報機器2と、ネットワークLANを介して情報機器2と接続される複数のクライアント端末1(
図1中では、代表して1つのクライアント端末1についてのみ図示。)とを有している。
【0017】
ネットワークLANは、通信プロトコルTCP/IPを用いた10BASE−Tや100BASE−TX等によるローカルネットワーク(LAN)や無線LAN(WLAN)等の無線ネットワークであり、例えば、ピア・トゥー・ピアによる家庭内ネットワークなどの簡易的なネットワークなども含まれる。
【0018】
各クライアント端末1は、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータによって構成されるものである。このクライアント端末1は、制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16を備えている。また、CPU16には、ワーキングエリアとして機能するRAM18や、データを格納するROM17等が接続されているとともに、各種インターフェイスを介して種々のデバイスと接続されている。具体的にはCPU16は、各種インターフェイスを介して、キーボードやマウス等から構成される入力部19や、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20、大容量の記憶装置などの外部記憶装置21、外部記録媒体50内に記録されたデータを読み取るとともに外部記録媒体50に所定のデータを書き込むディスクドライブ22などが接続されている。
【0019】
外部記憶装置21には、文書、画像等の印刷画像を含む原稿データを生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域、情報機器2のプリンタードライバプログラムの格納領域、その他各種アプリケーションプログラムの格納領域が確保されている。また、この外部記憶装置21には、アプリケーションプログラムを用いて生成された原稿データや、原稿データの印刷画像を所定の印刷設定情報に従って印刷用のイメージデータに変換処理された印刷データ(例えば、PRNファイル)を格納するデータベース領域についても確保されている。ここで、印刷設定情報とは、印刷モードや、原稿データのサイズ、解像度、印刷用紙のサイズ及び印刷方向など、通常印刷に必要な情報である。また、この印刷設定情報には、原稿データに対して適用される、ステープル、パンチ、折り込み、封入封緘などの外部装置3に関する情報が含まれている。
【0020】
CPU16は、プロセッサやメモリその他の周辺装置によって構成される演算装置であり、入力部19から入力される起動要求に従って外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させる。また、CPU16は、入力部19からのパラメータ入力等により指示された画像を示す原稿データを、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された原稿データは出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21のデータベース領域に記憶される。
【0021】
外部記憶装置21のデータベース領域に記憶された原稿データは、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19からの読み出し要求が入力された場合に、外部記憶装置21から読み出される。読み出された原稿データの印刷画像は、出力部20に表示出力することができ、また、アプリケーションプログラム上において加工して新たな原稿データに生成し直すこともできる。
【0022】
そして、CPU16は、原稿アプリケーションプログラム等で生成した原稿データの印刷要求が入力された場合に、プリンタードライバプログラムをCPU16上で実行させることでCPU上にプリンタードライバ11を仮想的に構築する。そして、プリンタードライバ11によってインクジェット記録装置9に印刷ジョブを出力させる。プリンタードライバ11は、クライアント端末1に接続されたインクジェット記録装置9を制御するために、クライアント端末1上で実行されるデータ変換プログラムである。このプリンタードライバ11は、ユーザにより、印刷を要求する操作が行われた場合、原稿アプリケーション等が生成した印刷画像を有する原稿データを取得し、所定の印刷設定情報に従って印刷データ(PRNファイル)を生成する。そして、生成した印刷ジョブを外部インターフェイス部15からインクジェット記録装置9に出力する。
【0023】
一方、情報機器2は、複数の処理機能を有するMFP(Multi Function Peripheral )であり、外部装置3が接続又は切断されることによって、機能数が増減するなど、処理機能の状態に変化が生ずる。なお、本実施形態では、印刷装置として機能するインクジェット記録装置9と、インクジェット記録装置9と接続可能な外部装置3とから構成される。
【0024】
インクジェット記録装置9に接続される外部装置3としては、種々の前処理装置や後処理装置が含まれる。例えば、前処理装置としては、印刷装置に対して大量の印刷用紙を供給可能な大量給紙装置などがあり、後処理装置としては、印刷された印刷用紙を束ねて背表紙を貼り付けるなどのくるみ製本装置や、印刷された印刷用紙を束ねて所定の位置にステープルして冊子を生成するステープル機能、及び用紙の所定の位置に孔を開けるパンチ機能とを有するステープル/パンチ装置、印刷された内容物が封筒に入るように折りたたみ、接着剤で封筒のフラップ(のりしろ部分)を接着させることにより、封筒に内包するように封緘する封入封緘装置などが含まれる。
【0025】
インクジェット記録装置9は、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の記録用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のカラープリンターであり、本実施形態では、情報機器2に対する操作に関する情報を表示する表示装置としても機能する。
【0026】
本実施形態において、このインクジェット記録装置9には、原稿上の画像情報を印刷画像として読み取って画像信号を出力するスキャナ部98と、スキャナ部98から出力された画像信号に基づいて記録紙(片面又は両面)に印刷画像を印刷(記録)するプリンター部96と、インクジェット記録装置9に対する操作に関する情報を表示する表示部である操作パネル97と、操作パネル97の表示制御を行うとともに、情報機器全体の制御を行う制御ユニット90とを備える。プリンター部96における印刷画像の印刷に使用する記録紙は、不図示の給紙部からプリンター部96及び外部装置3を介して不図示の排紙部に搬送される。
【0027】
図1に示すように、制御ユニット90の外部インターフェイス部94には、ローカルエリアネットワークLANを介して、複数のクライアント端末1における外部インターフェイス部15がそれぞれ接続されている。各クライアント端末1から制御ユニット90は、印刷画像の印刷ジョブを受け取る。制御ユニット90は、受け取った印刷ジョブにより印刷画像のラスタデータを生成する。インクジェット記録装置9は、印刷ジョブにおいて指定された条件で、印刷画像の記録紙への印刷をプリンター部96において実行する。
【0028】
また、制御ユニット90には、操作画面とこれを覆うタッチパネルとで構成された操作パネル97が接続されている。この操作パネル97は、インクジェット記録装置9の上部に配置されている。この操作パネル97は、スキャナ部98にセットした印刷画像を複写印刷する場合や、クライアント端末1から受け付けた印刷ジョブを印刷する場合の印刷枚数や後処理装置での処理内容といった設定条件を、ユーザが入力する入力操作部等として利用できる。具体的には、操作パネル97は、階層型構造(ツリー構造)となっており、階層的な選択画面を表示させながら、ユーザ操作を受け付けるようになっている。操作パネル97に表示される設定画面の例としては、
図2(a)に示すように、最上層には、プリンターモードに移行するためのプリンターアイコン201、コピー機能を実行するための画面に遷移するためのコピーアイコン202、及びスキャナ機能を実行するための画面に遷移するためのスキャナアイコン203などの各項目を含むトップ画面200が画面上に表示される。
【0029】
また、本実施形態には、処理機能に関連する操作を予め登録し、少ない操作手順で実行可能とするショートカット機能を有しており、この
図2(a)に示す画面上には、ショートカットアイコン用のメニュー画面に遷移するためのボタン204が表示される。具体的には、ユーザ操作によって、このボタン204が選択されると、
図2(b)に示すような、各処理機能を指し示す表示情報であるショートカット項目205が一覧表示されたショートカットメニュー画面200aに遷移する。なお、このショートカット項目205の配列は、実行頻度及びトップ画面から通常の操作画面にたどり着くまでの階層の深さによる重み値を考慮した演算結果によって、順位付けされて表示されている。
【0030】
ショートカットメニュー画面200aに表示される一例としては、
図2(b)に示すように、使用する用紙が積載された用紙トレイを指定する用紙トレイ設定アイコン、外部装置3が接続されることで2以上の排出口がある場合に、排紙先を指定する排紙先選択アイコン、外部装置3によって印刷された用紙をステープル/パンチ処理するステープル/パンチアイコン、共通ボックスに含まれた画像データを印刷する共通ボックスアイコン、プリンター部96のヘッド部分をクリーニングするヘッドクリーニングアイコンなどが表示される。
【0031】
このような各処理機能のショートカットを生成する場合には、ショートカットメニュー画面200aに表示された新規設定アイコン206を選択することで、印刷処理で実行される処理機能を複数表示した画面が表示され、その画面上でいずれかの処理機能が選択されることで、
図2(b)に示すように、処理機能名が表示されたショートカット項目205が表示される。なお、図示していないが、新規登録画面では、例えば、ステープル処理であれば、いずれの位置をステープルするかなど、各処理機能についての詳細設定が可能になっているものとする。
【0032】
図1に戻り、プリンター部96に印刷動作を行わせるインクジェット記録装置9の制御ユニット90は、CPU95を備える。このCPU95は、CPUやDSP(Digital Signal ProceSSor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算処理装置である。CPU95は、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、画像データに関する処理や、各部の動作制御、ユーザ操作に対する種々の処理を行う。また、CPU95は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、操作パネル97から入力設定される内容に応じたスキャナ部98やプリンター部96の動作を制御する。
【0033】
なお、制御ユニット90にはRAM92が設けられており、RAM92には、クライアント端末1から制御ユニット90に入力された印刷ジョブや、操作パネル97から入力されたコピー時の印刷枚数や各種の設定内容等が随時記憶される。また、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、クライアント端末1から制御ユニット90に入力された印刷ジョブによってCPU95が生成する印刷画像のラスタデータが、プリンター部96に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
【0034】
さらに、制御ユニット90には外部記憶装置93が設けられており、この外部記憶装置93はCPU95に接続されている。外部記憶装置93には、上述したRAM92から転送された印刷ジョブや設定情報を記憶する複数の領域が設けられている。この外部記憶装置93には、各クライアント端末1からの送信された印刷ジョブや、スキャナ部98によって読み取られた画像データを、各ユーザが利用可能なデータとして記録する領域である共通ボックスが設けられている。さらに、外部記憶装置93には、各種のテーブルやカウンタ等が記憶されている。
【0035】
(CPU95上の構成)
次に、CPU95上の内部ブロックについて説明する。
【0036】
図3は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置が有するCPU95上に仮想的に構築される内部構成を示すブロック図であり、
図4は、本実施形態に係る監視結果テーブルの構成を示す説明図である。また、
図5は、本実施形態に係る表示制御後におけるショートカット一覧画面を示す説明図である。なお、本実施形態中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせ等によって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0037】
図3に示すように、CPU95上には、表示制御部101と、設定管理部102と、状態取得部106と、操作信号取得部103と、ジョブデータ受信部104と、画像形成制御部105とが備えられている。
【0038】
設定管理部102は、インクジェット記録装置9に関する諸設定を管理するモジュールである。設定管理部102は、これらの設定を操作パネル97に表示する設定画面を介して受け付けることができる。また、外部インターフェイス部94を介してクライアント端末1のプリンタードライバから受け付けることができる。そして、設定管理部102は、操作パネル97又はクライアント端末1から受け付けた、これらの設定情報をRAM92及び外部記憶装置93内の設定情報記録部93bに記録する。ここで、この設定管理部102が受け付ける設定には、所定の処理機能をショートカット項目に登録するユーザ操作が含まれており、ユーザ操作によってショートカットとして登録された処理機能についても設定情報記録部93bに登録される。
【0039】
設定情報記録部93bは、インクジェット記録装置9で実行される各処理機能の設定に関する情報を記録するテーブルであり、設定情報記録部93bには、原稿データのサイズ、解像度、印刷用紙のサイズ、印刷方向、カラーモード、両面印刷など、通常印刷に必要な情報が含まれるとともに、ステープル/パンチ処理、排出先の選択、封入封緘処理、製本作成処理等の外部装置3において実行される各処理機能に関する設定情報も含まれている。また、本実施形態において、設定情報記録部93bには、ショートカット項目として登録された処理機能を示すショートカットテーブルが蓄積されている。
【0040】
また、設定管理部102では、情報機器2に関する構成変更及び設定変更を監視するモジュールとして、外部装置監視部102aと管理者設定監視部102bとを備えている。具体的には、外部装置監視部102aは、外部装置3の接続状態を監視するモジュールであり、外部装置3の接続状況に応じた監視結果を、
図4に示すような設定情報記録部93bの監視結果テーブルに蓄積する。
【0041】
管理者設定監視部102bは、ユーザ操作に基づき、処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視するモジュールである。本実施形態において管理者設定監視部102bは、管理者が所持するクライアント端末1、又は操作パネル97を介して管理者設定を受け付けており、その受け付けた管理者設定に基づいて、各処理機能の監視結果を監視結果テーブルに併せて記録している。なお、この設定情報記録部93bの内容は、外部装置3が着脱されたタイミング、及びクライアント端末1からの設定操作を取得したタイミングで即時更新されるようになっている。
【0042】
なお、設定管理部102は、インクジェット記録装置9の実行履歴に関する情報を取得する機能も備えている。本実施形態では、印刷処理が実行された印刷ジョブの履歴情報を画像形成制御部105から取得して、履歴情報から印刷ジョブ中に含まれた各処理機能をカウントすることで、処理機能毎の実行回数を算出する。そして、算出された実行回数情報は、外部記憶装置93内の実行回数記録部93aに記録される。実行回数記録部93aは、インクジェット記録装置9で実行される各処理機能の実行頻度を記録するテーブルであり、設定管理部102によって、カウントされた処理機能毎の実行回数を随時記録する。
【0043】
操作信号取得部103は、操作パネル97からユーザによる操作信号を受信するモジュールであり、受信した操作信号を解析し、ユーザ操作に応じた処理を他のモジュールに実行させる。特に、本実施形態において、この操作信号取得部103は、操作パネル97からプリント機能、スキャナ機能、及びコピー機能を実行する指示操作や、各機能についての設定操作を受け付ける。本実施形態において、操作信号取得部103で受け付けた設定操作に関する信号は、設定管理部102に入力され、また、印刷実行などの操作信号については、画像形成制御部105に入力される。
【0044】
状態取得部106は、外部装置監視部102aによる監視結果、及び管理者設定監視部102bによる監視結果を取得するモジュールである。本実施形態では、操作信号取得部103からショートカットメニュー画面200aに遷移する信号を取得するタイミングで、各監視結果を取得して表示制御部101に送信する。この各監視結果の取得先としては、設定管理部102の各監視部に対して現在の状況を取得する指示を出して監視結果を直接取得してもよく、設定情報記録部93b内の監視結果テーブルを参照してテーブル内から監視結果を取得してもよい。
【0045】
表示制御部101は、操作パネル97の画面表示を制御するモジュールである。この表示制御部101によって、操作パネル97の画面上に、
図2(a)及び(b)に示したような印刷処理のための設定画面などが表示される。そして、本実施形態において、表示制御部101には、各処理機能の設定状況に応じて、ショートカットメニュー画面200aのショートカット項目205の表示を切り替える機能として、優先順位設定部101aと、表示条件判定部101bと、表示情報生成部101cとを備えている。
【0046】
優先順位設定部101aは、ユーザ操作に基づいて、操作パネル97に設定させるべき処理機能の優先順位を設定するモジュールである。この優先順位に設定は、操作パネル97に対するユーザ操作によって、表示画面が
図2(b)に示すようなショートカットメニュー画面200aに遷移するタイミングで実行される。
【0047】
具体的には優先順位設定部101aは、ショートカットメニュー画面200aに遷移する信号を取得すると、ショートカットテーブルを参照して、ショートカット項目に割り当てられた各処理機能を抽出する。そして、優先順位設定部101aでは、抽出された各処理機能についての実行回数を実行回数記録部93aから抽出するとともに、その処理機能に設定された、トップ画面から通常の操作画面にたどり着くまでの階層の深さによる重み値を抽出する。そして、実行回数と重み値から優先度を算出し、優先度の高い順に各処理機能を並び替えて、並び替えられた機能一覧情報を表示条件判定部101bに送信する。
【0048】
表示条件判定部101bは、状態取得部106が取得した各監視結果に基づいて、実行可能な処理機能を抽出するモジュールである。本実施形態において表示条件判定部101bは、優先順位設定部101aから取得した機能一覧情報に基づいて、各機能がショートカット画面上に表示するための表示条件を満たしているか否かを判定するモジュールである。本実施形態では、設定情報記録部93bに記録された監視結果テーブルを参照して、選択された処理機能が現在有効か否か(実行可能か否か)を判定する。
【0049】
本実施形態において、表示条件判定部101bでは、優先順位が高い処理機能から順番に選択して表示条件の判定を行う。この表示条件判定部101bにおける判定処理は、表示条件を満たす処理機能の数が、画面上に表示できるショートカット項目数以上となるまで、または、ショートカットに登録された処理機能を全て判定するまで行われる。
【0050】
表示情報生成部101cは、表示条件判定部101bで判定された判定結果に基づいて、画面上に表示するショートカット項目の表示を制御するモジュールであり、本実施形態では、優先順位設定部101aによって設定された優先順位に従って、表示条件判定部101bによって抽出された実行可能な各処理機能のみに関連するショートカット機能を指し示す表示情報を生成し、操作パネル97に表示させる。具体的には、実行不可と判定された処理機能についてのショートカット項目を削除し、使用可能と判定された処理機能についてのみショートカット項目を表示させるようになっている。このような優先順位設定部101a、表示条件判定部101b、及び表示情報生成部101cによる処理によって、当初、
図2(b)に示すように、5つのショートカット項目が表示された画面が、外部装置3が取り外されることで、
図5に示すように、「排紙先選択アイコン」、「ステープル/パンチアイコン」が削除され、「用紙トレイ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」のみが画面上に表示されるようになる。この処理の具体的な説明は後述する。
【0051】
そして、これらのアイコンが選択されることで、予め設定された処理機能についての設定情報が操作信号取得部103を介してプリンター部96に入力され、その設定情報に基づいて、印刷処理が実行される。
【0052】
ジョブデータ受信部104は、一連の印刷処理単位であるジョブデータを受信する通信インターフェイスであり、受信したジョブデータに含まれる印刷データを画像形成制御部105に受け渡すモジュールである。
【0053】
画像形成制御部105は、画像処理に特化したディジタル信号処理を行う演算処理装置であり、ジョブデータ受信部104が受信した印刷ジョブに含まれる印刷に必要な印刷データの変換等を行い、印刷を実行するモジュールである。この画像形成制御部105には、画像形成制御機能と、色変換機能を有している。
【0054】
画像形成制御機能は、各色のインクジェットヘッドの駆動や、搬送経路の駆動手段の動作を制御し、画像形成処理全体を制御するモジュールであり、スケジューリングに従ったタイミング及び印字速度で画像形成を行う。色変換機能は、印刷ジョブに含まれる印刷データをRGBデータからCMYKデータに変換する回路であり、各色についての印刷データに基づいて印刷を実行させる。
【0055】
(表示制御処理)
次に、第1実施形態に係るインクジェット記録装置が備えるCPU95が実行する表示制御処理について説明する。
【0056】
図6は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置による処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、インクジェット記録装置9に、ステープル機能及びパンチ機能を有する外部装置3が当初接続されていたが、現在は外部装置3が取り外され、また、各処理機能のショートカットとして、「用紙トレイ設定」、「排紙先選択」、「ステープル/パンチ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」が登録され、ショートカットテーブルに各処理機能が記録されている場合を例に説明する。
【0057】
ここで、外部装置監視部102aは、外部装置3の接続状態を監視し、外部装置3の接続状況に応じた監視結果を設定情報記録部93bの監視結果テーブルに蓄積している。また、管理者設定監視部102bは、管理者が所持するクライアント端末1、又は操作パネル97からのユーザ操作に基づき、処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視し、管理者設定に基づいた各処理機能の監視結果を監視結果テーブルに併せて記録している。
【0058】
まず、操作信号取得部103は、常時、操作パネル97に対する操作を監視して、ショートカット項目を表示する画面に遷移したか否かを判定する(ステップS101)。
【0059】
ステップS101において、ショートカット項目を表示する画面に遷移しないと判定された場合(“NO”)、画面を遷移する操作を受け付けるまで監視を続ける。
【0060】
一方、ステップS101において、ショートカット項目を表示する画面に遷移する操作を受け付けた場合には(“YES”)、その操作信号は、状態取得部106に送信される。
【0061】
状態取得部106では、外部装置監視部102aによる監視結果、及び管理者設定監視部102bによる監視結果を取得し、監視結果を表示制御部101に送信する。なお、各監視結果の取得先としては、設定管理部102の各監視部に対して現在の状況を取得する指示を出して監視結果を直接取得してもよく、設定情報記録部93b内の監視結果テーブルを参照してテーブル内から監視結果を取得してもよい。
【0062】
表示制御部101は、ショートカット画面に遷移する操作信号及び監視結果を取得すると、先ず、優先順位設定部101aにおいて、実行回数記録部93aから実行回数情報を取得して、ショートカット項目の対象となる処理機能についての優先度を設定する(ステップS102)。
【0063】
具体的には、優先順位設定部101aは、
図2(a)に示す各処理機能が記録されたショートカットテーブルから各処理機能を選択するとともに、各処理機能の実行回数を実行回数記録部93aを参照して算出する。ここでは、各処理機能の実行回数は、「用紙トレイ設定」、「排紙先選択」、「ステープル/パンチ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」の順番となっているものとする。
【0064】
そこで、優先順位設定部101aは、この実行回数と、各処理機能の重み値に基づいて、優先順位を設定する。ここでは、「用紙トレイ設定」の優先度が一番高くなり、次に、「排紙先選択」、「ステープル/パンチ設定」、「共通ボックス設定」、「ヘッドクリーニング」の順番に設定される。そして、優先度が設定された各処理機能の情報は、表示条件判定部101bに入力される。
【0065】
図6に戻り、表示条件判定部101bは、優先度が最も高い処理機能を選択してカウント数iに、初期値として“1”を入力した後(ステップS103)、監視結果に基づいて、表示条件を満たしているかを判定し(ステップS104)、実行可能な処理機能を抽出する。具体的には、表示条件判定部101bは、
図4に示すような監視結果テーブルを参照して、選択された処理機能が有効か否か(現在実行可能か否か)を判定する。
ステップS104において、選択された対象機能が有効であって表示条件を満たしている場合には(“YES”)、対象機能のショートカット項目を作成すると判定する(ステップS106)。その後、カウント数iをインクリメント(i=i+1)する(ステップS107)。
【0066】
一方、ステップS104において、選択された対象機能が無効となっており、表示条件を満たしていない場合には(“NO”)、対象機能のショートカット項目を作成しないと判定し(ステップS105)、カウント数を変更しないで次のステップに進む。
【0067】
本実施形態において、現在インクジェット記録装置9には、ステープル機能及びパンチ機能を有する外部装置3が取り外されているため、ステープル/パンチ機能は実行できず、また、排出先は、既存の1つの排出口に限定されるため、監視結果テーブルは、
図4に示すように、「排出先選択」項目と、「ステープル/パンチ」項目とが無効となっている。そのため、表示条件判定部101bは、この監視結果テーブルを参照して、各処理機能を判定すると、「用紙トレイ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」のショートカット項目は作成すると判定し、「排紙先選択」、「ステープル/パンチ設定」のショートカット項目は作成しないと判定する。
【0068】
1つの対象機能について、ショートカット項目の作成有無を判定した後、表示条件判定部101bは、ショートカットメニュー画面表示の制御に遷移するか否かの判定をする(ステップS108)。この判定処理としては、表示条件を満たしたショートカット項目が、ショートカットメニュー画面200aに表示可能な件数M件分見つかるか、または、全機能についてショートカット項目の作成有無を判定したかのいずれか満たしているかを判定する。
【0069】
ステップS108において、いずれの条件も満たさない場合には(“NO”)、次に優先度が高い処理機能を対象機能として選択し、表示条件を満たしているか否かの判定を繰り返す(ステップS104〜ステップS107)。
【0070】
一方、ステップS108において、いずれの条件を満たした場合には(“YES”)、その信号を表示情報生成部101cに送信する。表示情報生成部101cは、表示条件判定部101bによって抽出された実行可能な各処理機能を示す表示情報を生成し、操作パネル97に表示させる(ステップS109)。本実施形態において、表示情報生成部101cは、ショートカット項目を作成しないと判定された処理機能についてのショートカット項目を削除し、ショートカット項目を作成すると判定された処理機能についてのみ、画面上に表示させる。
【0071】
本実施形態では、ショートカット項目として登録された処理機能のうち、「用紙トレイ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」のみ現在実行可能な処理機能となっており、その他のショートカット項目「ステープル/パンチ」、及び「排紙先選択」については、実行不可な処理機能である。そこで、表示情報生成部101cは、「ステープル/パンチ」、及び「排紙先選択」を削除するとともに、空欄に実行可能な処理機能のショートカット項目を詰めるように配置を変更させる。これにより、
図5に示すように、「用紙トレイ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」の順で表示されたショートカットメニュー画面200aが表示される。
【0072】
そして、設定管理部102は、各処理機能の設定が変更されているか否かの監視を行う(ステップS110)。この監視は、各処理機能の設定が変更されずに(ステップS110;“NO”)、ショートカットメニュー画面200aが表示されている間(ステップS111;“NO”)、繰り返し行われる。ここで各処理機能の設定が変更された場合には(ステップS110;“YES”)、外部装置監視部102a及び管理者設定監視部102bによって、その監視結果が取得されて、監視結果テーブルを更新するとともに、その信号を表示制御部101に入力する。表示制御部101では、この信号を取得すると、再度、各処理機能の優先度を設定する処理に戻って、変更された設定に基づいたショートカットメニュー画面200aを表示させる処理を繰り返す(ステップS102〜ステップS109)。
【0073】
一方、各処理機能の設定が変更されずに(ステップS110;“NO”)、ショートカットメニュー画面が消去された場合には(ステップS111;“Y”)、処理を終了する。なお、このショートカットメニュー画面200aが消去されるとは、例えば、印刷実行ボタンが押下されて印刷処理が実行される場合や、リセットボタンが押下されて、印刷処理を中断する場合などが含まれる。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、外部装置監視部102aにより外部装置3の接続状態を監視するとともに、管理者設定監視部102bにより処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視し、表示条件判定部101bは、各監視結果に基づいて、実行可能な処理機能か否かを判定している。そして、表示情報生成部101cでは、実行可能な処理機能を抽出して、抽出された実行可能な各処理機能のショートカット項目を生成して、実行可能な処理機能のショートカット項目のみを操作パネル97に表示させているので、例えば、ステープル処理を行うフィニッシャーなどの外部装置が取り外されたり、管理者からの設定により処理機能の実行が制限(例えば、カラー印刷不可など)されたりするなど、情報機器2における構成変更、又は設定変更があり実行できない機能が発生した場合でも、利用者にとっては、どの処理機能が実行可能で、どの処理機能が実行不可であるかを認識でき、利用者に対して混乱が生じることを防止して操作性を高めることができる。
【0075】
特に、本実施形態では、実行することができない処理機能のショートカット項目を削除したので、実行できない処理機能のショートカット項目についての不要な表示を避けることができ、また、空いたスペースに次に優先度の高いショートカット項目を表示することができるので、ショートカットメニュー画面の有効活用ができる。さらに、本実施形態では、優先順位の高い機能からショートカットメニュー項目を表示させるようにしたので、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0076】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0077】
上述した第1実施形態では、実行できない処理機能についてのショートカット項目を削除したが、本実施形態では、さらに、ショートカット項目の表示形態を変化させて実行不可であることを示す機能(以下、グレーアウト処理と称する。)を追加したことを要旨とする。
【0078】
図7は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置による処理手順を示すフローチャートであり、
図8は、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置が備える操作パネルに表示されたショートカット一覧画面を示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0079】
本実施形態では、表示条件判定部101bにおいては、実行できない処理機能についてのショートカット項目を削除するのか、それとも、グレーアウト処理するのかを判別するようになっている。ここで、グレーアウト処理とは、実行ができない処理機能のショートカット項目やアイコンを、例えば明度を低下させるなど、実行可能な処理機能のショートカットとは異なる色で表示させるととともに、選択できないように制御することをいう。
【0080】
この判別の設定は、ユーザ操作によって、処理機能毎に設定が可能となっており、例えば、外部装置3が未接続の場合は、その処理機能のショートカット項目を削除して、カラー印刷不可などの管理者設定については、グレーアウト表示するなど個別に設定できる。この情報は、監視結果テーブルに、さらに無効時の処理内容(削除か、グレーアウトか)を示すフラグが記録される。表示条件判定部101bは、このフラグを参照することで、表示方法を決定する。これにより、本実施形態では、実行できない処理機能について、第1実施形態のように表示すら行わずにメニュー画面の有効活用をするか、或いは、グレーアウト表示は行うが、所定の原因で実行することができない機能であることをユーザに認識させることができるようになっている。
【0081】
表示情報生成部101cでは、表示条件判定部101bによって判定された結果に基づいて、各処理機能のショートカット項目を、選択可能に表示させるか、グレーアウト表示させるか、削除して表示させないように制御する。グレーアウト表示させる場合、表示情報生成部101cは、表示条件判定部101bによって抽出されなかった処理機能を、操作不能なグレーアウトされたショートカット項目として生成し、実行可能な各処理機能を指し示すショートカット項目に含めて操作パネル97に表示させる。
【0082】
このようなグレーアウト機能を備えた場合の表示制御の処理動作について説明する。なお、本実施形態においても、インクジェット記録装置9に、ステープル機能及びパンチ機能を有する外部装置3が当初接続されていたが、現在は外部装置3が取り外され、また、各機能のショートカットとして、
図2(b)に示したように、「用紙トレイ設定」、「排紙先選択」、「ステープル/パンチ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」が登録され、ショートカットテーブルに各機能が記録されているものとする。
【0083】
ここで、ショートカットメニュー画面200aに遷移する処理から、優先順位設定部101aが処理機能の優先順位を設定して、優先度の高い処理機能を選択する処理(ステップS101〜ステップS103)までの処理は、上述した
図6のフローチャートに示したステップS101からステップS103と同様であるため、その説明は省略する。
【0084】
次に、表示条件判定部101bにおいて、監視結果テーブルを参照し、監視結果に基づいて、選択した対象機能が表示条件を満たしているかを判定し、実行可能な処理機能を抽出するとともに、実行できない処理機能についてのショートカット項目を削除するのか、それとも、グレーアウトするのかを判別する。
【0085】
具体的には、表示条件判定部101bは、まず、監視結果テーブルを参照して、当該処理機能が有効か無効かにより、対象機能が実行可能か否かを判定する(ステップS204)。
【0086】
ステップS204において、処理機能が実行できると判定された場合には(“YES”)、対象機能のショートカット項目を作成すると判定する(ステップS205)。この場合には、その後、カウント数iを1インクリメント(i=i+1)して(ステップS209)、次のステップに進む。
【0087】
一方、ステップS204において、選択された対象機能が無効となっており、実行できないと判定された場合には(“NO”)、次に、監視結果テーブルのフラグを参照して、グレーアウトするか否かを判定する(ステップS206)。
【0088】
ステップS206において、グレーアウト処理すると判定された場合には(“YES”)、対象機能のショートカット項目を選択不可なグレーアウト表示にすると決定する(S208)。その後、カウント数iを1インクリメント(i=i+1)して(ステップS209)、次のステップに進む。
【0089】
一方、ステップS206において、グレーアウト処理しないと判定された場合(“NO”)、対象機能のショートカット項目を作成しないと判定し(ステップS207)、カウント数を変更しないで次のステップに進む。
【0090】
そして、1つの対象機能について、ショートカット項目の作成有無を判定した後、表示条件判定部101bは、ショートカットメニュー画面表示の制御に遷移するか否かの判定をする(ステップS210)。この判定処理としては、表示条件を満たしたショートカット項目が、ショートカットメニュー画面200aに表示可能な件数M件分見つかるか、若しくは、全機能についてショートカット項目の作成有無を判定したかのいずれか満たしているかを判定する。
【0091】
いずれの条件も満たさない場合には(ステップS210;“NO”)、次に優先度が高い処理機能を対象機能として選択し、表示条件を満たしているか否かの判定を繰り返す(ステップS204〜ステップS207)。一方、いずれの条件を満たした場合には(ステップS210;“YES”)、その信号を表示情報生成部101cに送信する。
【0092】
表示情報生成部101cは、表示条件判定部101bによって判別された結果に応じて、ショートカット項目の並び替えて(ステップS211)、ショートカット項目を生成して操作パネル97に表示させる(ステップS212)。本実施形態において、表示情報生成部101cは、実行可能なショートカット項目と判定した処理機能については、選択可能なショートカット項目を生成して表示し、ショートカット項目を表示しないと判定された処理機能についてのショートカット項目は削除し、実行できない処理機能でグレーアウト表示すると判定された処理機能については、グレーアウト表示する。この際、表示するショートカット項目は優先順位毎になっている。
【0093】
図8に示すように、ショートカットメニュー画面200aにおける表示の一例では、ショートカット項目として登録された処理機能のうち、「用紙トレイ設定」、「共通ボックス設定」、及び「ヘッドクリーニング」を実行可能な処理機能としてショートカット項目を選択可能に表示し、その他のショートカット項目「ステープル/パンチ」、及び「排紙先選択」は、実行不可な処理機能としてショートカット項目はグレーアウト表示させている。
【0094】
その後、設定管理部102では、各処理機能の設定が変更されているか否かの監視を行う(ステップS213)。この監視は、各処理機能の設定が変更されずに(ステップS210;“NO”)、ショートカットメニュー画面200aが表示されている間(ステップS214;“NO”)、繰り返し行われる。
【0095】
ここで各処理機能の設定が変更された場合には(ステップS213;“Y”)、外部装置監視部102a及び管理者設定監視部102bによって、その監視結果が取得されて、監視結果テーブルを更新するとともに、その信号を表示制御部101に入力する。表示制御部101では、この信号を取得すると、再度、各処理機能の優先度を設定する処理に戻って、変更された設定に基づいたショートカットメニュー画面200aを表示させる処理を繰り返す(ステップS202〜ステップS212)。一方、各処理機能の設定が変更されずに(ステップS213;“NO”)、ショートカットメニュー画面が消去された場合には(ステップS214;“YES”)、処理を終了する。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、実行できない処理機能についての表示をグレーアウト表示させる処理を追加しているので、操作パネル97を見ることで、グレーアウト表示された処理機能は選択することができないと即時に認識でき、ユーザの混乱を防止できる。また、本実施形態では、実行できない処理機能の表示形態を削除するか、或いはグレーアウトするかをユーザ操作によって設定可能となっているため、表示すら行わずにメニュー画面の有効活用をするか、或いは、グレーアウト表示は行い、所定の原因で実行することができない機能であることをユーザに認識させるか選択でき、利便性を向上させることができる。
【0097】
[変形例]
次いで、本発明の変形例について説明する。上述した第1実施形態及び第2実施形態では、1つの処理機能に対するショートカット項目の表示を制御させたが、本変形例では、複数の処理機能をそれぞれ設定し、その設定した複数の処理機能を纏めてショートカット項目として登録する「お気に入り」の表示を制御する場合を要旨とする。
【0098】
図9(a)は、本変形例に係る操作パネル上のお気に入りメニューを示す説明図であり、同図(b)は、新規登録画面を示す説明図である。また、
図10(a)は、変形例に係るお気に入りの設定機能テーブルの一例を示す説明図であり、同図(b)は、各処理機能の監視結果テーブルの一例を示す説明図である。また、
図11は、表示変更後におけるお気に入りメニュー画面の一例を示す説明図であり、
図12は、変形例に係る表示制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0099】
具体的には、表示制御部101は、操作パネル97のトップ画面に、お気に入りアイコンを表示させるようになっており、そのお気に入りアイコンが選択されると、
図9(a)に示すように、お気に入りの項目211が複数配列されたお気に入りメニュー画面210が表示される。このお気に入りとは、複数の処理機能に対して実行するか否かの設定がされ、その設定した複数の処理機能を纏めて登録された設定情報である。
【0100】
このようなお気に入りを登録する場合には、先ず、お気に入りメニュー画面210の新規登録アイコン212が選択されることで、
図9(b)に示すように、印刷処理で実行される処理機能を複数表示した新規登録画面213が表示される。そして、その画面上で各処理機能が選択されることで、その複数の処理機能を纏めたお気に入りの項目が表示される。
図9(b)に示す例では、新規登録する項目には、「ステープル/パンチ」、「排出口選択」、「用紙トレイ」、「共通ボックス」、フルカラー印刷を行う設定である「カラー」、「面付け」、「くるみ製本」、などの処理機能が選択可能となっている。
【0101】
なお、新規登録画面213では、詳細設定アイコン214が表示され、この詳細設定アイコン214が選択されることで、例えば、ステープル処理であれば、いずれの位置をステープルするかなど、各処理機能についての詳細設定が可能になっている。
【0102】
このように設定されたお気に入りは、設定情報記録部93b内の設定機能テーブルに登録される。設定機能テーブルは、
図10(a)に示すように、各お気に入りにおいて、いずれの処理機能が設定されているか否かを示した情報である。本変形例では、3つのお気に入りが登録されている。具体的には、お気に入り1では、「ステープル/パンチ」が使用有りで位置が右上に設定され、「排出口選択」は使用有りと設定されて外部装置3側の排出口が選択され、「用紙トレイ」はトレイ1が選択され、「共通ボックス」は使用有りと設定され、「カラー」、「くるみ製本」、「面付け」は使用無しと設定されている。
【0103】
また、お気に入り2では、「ステープル/パンチ」、及び「排出口選択」は使用無しと設定され、「用紙トレイ」はトレイ2が選択され、「共通ボックス」は使用無しと設定され、「カラー」は使用有りと設定され、「面付け」、及び「くるみ製本」は使用有りと設定されている。さらに、お気に入り3では、「ステープル/パンチ」、及び「排出口選択」は使用無しと設定され、「用紙トレイ」はトレイ3が選択され、「共通ボックス」は使用有りと設定され、「カラー」は使用有りと設定され、「くるみ製本」、及び「面付け」は使用無しと設定されている。
【0104】
また、本変形例においても、監視結果テーブルは、設定情報記録部93bに記録されている。本変形例に係る監視結果テーブルは、
図10(b)に示すように、「ステープル/パンチ」、「排出口選択」、「用紙トレイ」、「共通ボックス」、「カラー」、「面付け」、「くるみ製本」の各処理機能についての有効又は無効が示されている。
【0105】
本変形例においては、インクジェット記録装置9には、くるみ製本機能を有する外部装置3が接続されているものとする。そのため、監視結果テーブルでは、「ステープル/パンチ」、「排出口選択」は無効であり、「くるみ製本」、「面付け」は有効となっている。また、管理者の設定操作によって「共通ボックス」及び「カラー」は有効となっており、「用紙トレイ」は常時接続されているため有効となっている。また、本実施形態において、設定管理部102は、画像形成制御部105から実行回数情報を取得し、お気に入りの実行回数をカウントして、実行回数記録部93aに記録している。そして、表示制御部101では、操作パネル97の画面が、お気に入りメニュー画面210に遷移する場合に、お気に入り項目の表示を制御している。
【0106】
初めに、外部装置監視部102aは、外部装置3の接続状態を監視し、外部装置3の接続状況に応じた監視結果を設定情報記録部93bの監視結果テーブルに蓄積している。また、管理者設定監視部102bは、管理者が所持するクライアント端末1、又は操作パネル97からのユーザ操作に基づき、処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視し、管理者設定に基づいた各処理機能の監視結果を監視結果テーブルに併せて記録している。
【0107】
操作信号取得部103では、
図12に示すように、常時、操作パネル97に対する操作を監視して、お気に入りメニュー画面210に遷移したか否かを判定する(ステップS301)。お気に入りメニュー画面210に遷移しない場合には(ステップS301;“NO”)、画面を遷移する操作を受け付けるまで監視を続ける。お気に入りメニュー画面210に遷移する操作を受け付けた場合には(ステップS301;“YES”)、その操作信号は、状態取得部106に送信される。
【0108】
状態取得部106では、外部装置監視部102aによる監視結果、及び管理者設定監視部102bによる監視結果を取得し、監視結果を表示制御部101に送信する。表示制御部101では、お気に入りメニュー画面210に遷移する操作信号及び監視結果を取得すると、先ず、優先順位設定部101aにおいて、実行回数記録部93aから各お気に入りについての実行回数情報を取得して、お気に入り項目についての優先度を設定する(ステップS302)。
【0109】
具体的には、優先順位設定部101aは、
図10(a)に示す各処理機能が記録された設定機能テーブルから各お気に入りを選択するとともに、実行回数記録部93aを参照して各お気に入りの実行回数を算出する。ここでは、各処理機能の実行回数は、「お気に入り1」が一番多く実行され、次いで「お気に入り2」、「お気に入り3」の順となっているものとする。そのため、「お気に入り1」の優先度が一番高くなり、次に、「お気に入り2」、「お気に入り3」の順に優先順位が設定される。そして、優先度が設定されたお気に入りの情報は、表示条件判定部101bに入力される。
【0110】
表示条件判定部101bは、優先度が最も高いお気に入りを選択してカウント数iに初期値として“1”を入力した後(ステップS303)、監視結果に基づいて、表示条件を満たしているかを判定し、実行可能な処理機能を抽出する。表示条件判定部101bは、まず、対象機能が実行可能か否かを判定する(ステップS304)。具体的には、表示条件判定部101bは、
図10(b)に示すような監視結果テーブルを参照して、選択されたお気に入りのうち、使用有りと設定された全処理機能が実行可能か否か判定する。
【0111】
ステップS304において、選択されたお気に入りの全処理機能が有効であって表示条件を満たしていると判定された場合には(“YES”)、お気に入り項目を作成すると判定する(ステップS305)。この場合には、その後、カウント数iをインクリメント(i=i+1)して(ステップS309)、次のステップに進む。
【0112】
一方、ステップS304において、選択されたお気に入りの全処理機能のうち、一つでも無効となる処理機能があるときには実行できないと判定し(“NO”)、次に、監視結果テーブルのフラグを参照して、グレーアウトするか否かを判定する(ステップS306)。
【0113】
ステップS306において、グレーアウト処理すると判定された場合には(“YES”)、対象機能のショートカット項目を選択不可なグレーアウト表示にすると決定する(ステップS308)。その後、カウント数iをインクリメント(i=i+1)して(ステップS309)、次のステップに進む。
一方、ステップS306において、グレーアウト処理しないと判定された場合(“NO”)、お気に入り項目を作成しないと判定し(ステップS307)、カウント数を変更しないで次のステップに進む。
【0114】
本変形例において、インクジェット記録装置9には、くるみ製本機能を有する外部装置が接続されているため、監視結果テーブルでは、
図10(b)に示すように、「ステープル/パンチ」と「排出先選択」とが無効となり、「面付け」、及び「くるみ製本」の処理機能が有効となっている。また、管理者の設定操作によって、「用紙トレイ」、「カラー」、「共通ボックス」は有効となっている。
【0115】
そうすると、「お気に入り1」は、「ステープル/パンチ」及び「排出先選択」の処理機能が設定されているため、表示条件判定部101bは、「お気に入り1」は、実行できないと判定され、そして、「お気に入り1」では、
図10(a)に示すように、グレーアウト表示のフラグがあるため、選択不可として、グレーアウト表示すると判定される。また、「お気に入り2」では、設定されている機能「用紙トレイ」、「カラー」、「面付け」、「くるみ製本」の全てが有効となっているため、表示条件を満たしていると判定し、選択可能に表示すると判定する。さらに、「お気に入り3」では、設定されている機能「用紙トレイ」、「カラー」、「共通ボックス」の全てが有効となっているため、表示条件を満たしていると判定し、選択可能に表示すると判定される。
【0116】
1つのお気に入り項目の作成有無を判定した後、表示条件判定部101bは、お気に入りメニュー画面表示の制御に遷移するか否かの判定をする(ステップS310)。この判定処理としては、表示条件を満たしたお気に入り項目が、お気に入りメニュー画面210に表示可能な件数M件分見つかるか、若しくは、全機能についてお気に入り項目の作成有無を判定したかのいずれか満たしているかを判定する。
【0117】
ここで、いずれかの条件も満たさない場合には(ステップS310;“NO”)、次に優先度が高いお気に入りを選択し、表示条件を満たしているか否かの判定を繰り返す(ステップS304〜ステップS310)。一方、いずれかの条件を満たした場合には(ステップS310;“YES”)、その信号を表示情報生成部101cに送信する。
【0118】
表示情報生成部101cは、表示条件判定部101bによって抽出された実行可能な各処理機能を指し示す表示情報を生成し、操作パネル97に表示させる。この際、表示情報生成部101cは、作成しないと判定されたお気に入り項目を削除し、実行可能と判定されたお気に入りを選択可能に表示させ、実行不可で表示すると判定されたお気に入りをグレーアウト表示させる。
【0119】
具体的には、
図11に示すように、表示情報生成部101cは、「お気に入り1」をグレーアウト表示するとともに、「お気に入り2」、及び「お気に入り3」を選択可能に表示する(ステップS312)。この際、表示情報生成部101cは、選択可能なお気に入りの中で全ての処理機能が実行できる「お気に入り」が上位にくるように並び替えるように制御する(ステップS311)。この場合は、
図11に示すように、グレーアウト表示された「お気に入り1」が「お気に入り2」、及び「お気に入り3」の後に配置されるようになる。
【0120】
その後、設定管理部102では、各処理機能の設定が変更されているか否かの監視を行う(ステップS313)。この監視は、各処理機能の設定が変更されずに(ステップS313;“NO”)、お気に入りメニュー画面210が表示されている間(ステップS314;“NO”)、繰り返し行われる。
【0121】
ここで各処理機能の設定が変更された場合には(ステップS313;“YES”)、外部装置監視部102a及び管理者設定監視部102bによって、その監視結果が取得されて、監視結果テーブルが更新されるとともに、その信号が表示制御部101に入力される。表示制御部101では、この信号を取得すると、再度、各お気に入りの優先度を設定する処理に戻って、変更された設定に基づいたお気に入りの一覧画面を表示させる処理を繰り返す(ステップS302〜ステップS312)。
【0122】
一方、各処理機能の設定が変更されずに(ステップS313;“NO”)、お気に入りメニュー画面が消去された場合には(ステップS314;“YES”)、処理を終了する。なお、この「お気に入りメニュー画面の消去」とは、例えば、印刷実行ボタンが押下されて印刷処理が実行される場合や、リセットボタンが押下されて、印刷処理を中断する場合などが含まれる。
【0123】
このような本変形例によれば、複数の処理機能を纏めた「お気に入り」機能についての表示についても、外部装置3の接続状態を監視するとともに、処理機能の実行を制限するための管理者設定を監視し、各監視結果に基づいて、実行可能な処理機能か否かを判定して、お気に入り項目の表示を制御しているので、情報機器2における構成変更、又は設定変更があり実行できないお気に入りが発生した場合でも、利用者にとっては、どの処理お気に入りが実行可能であるか、実行不可なのかを認識でき、利用者に対して混乱が生じることを防止して操作性を高めることができる。