(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-226069(P2015-226069A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】ヒーターブロックおよび基板熱処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/26 20060101AFI20151117BHJP
【FI】
H01L21/26 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-109856(P2015-109856)
(22)【出願日】2015年5月29日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0065147
(32)【優先日】2014年5月29日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】510223380
【氏名又は名称】エーピー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジ サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ドゥヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム タジュン
(57)【要約】
【課題】ヒーターブロックおよび基板熱処理装置を提供すること。
【解決手段】長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板10に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックにおいて、加熱ランプは複数の電球形ランプ110を備え、四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプ110の数と、四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプ110の数とが等しく配列されるようにする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックにおいて、
前記加熱ランプは複数の電球形ランプを備え、前記四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプの数と、前記四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるようにするヒーターブロック。
【請求項2】
前記四角形の基板の短辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔と、前記四角形の基板の長辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔との比率を電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率としたとき、前記四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプの数と、前記四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるように前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定する請求項1に記載のヒーターブロック。
【請求項3】
前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定することは、
前記四角形の基板の短辺の長さと前記四角形の基板の長辺の長さとの比率を四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率としたとき、
前記電球形ランプはリニア状に配列され、前記四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率に応じて前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定する請求項2に記載のヒーターブロック。
【請求項4】
前記四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率と同じ値として前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定する請求項3に記載のヒーターブロック。
【請求項5】
熱処理しようとする複数の四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率が互いに異なる場合、複数の四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率の平均値として前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定する請求項3に記載のヒーターブロック。
【請求項6】
前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率は、
1:1.14〜1:1.35の範囲内のいずれか一つの配列の比率を有する請求項5に記載のヒーターブロック。
【請求項7】
長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックにおいて、
前記加熱ランプは複数の電球形ランプを備え、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の短辺に平行に配置される電球形ランプは、前記長辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行な延長線に位置するように配列するヒーターブロック。
【請求項8】
前記四角形の基板の長辺に平行に配列された二つの電球形ランプの中心点間の間隔を底辺とし、前記二つの電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行に最も近くに位置する電球形ランプの中心点までの距離を高さとしたとき、底辺:高さの比率が1.5:1の比率となるように前記電球形ランプを配列する請求項7に記載のヒーターブロック。
【請求項9】
長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックにおいて、
前記加熱ランプは複数の電球形ランプを備え、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の長辺に平行に配置される電球形ランプは、前記短辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行な延長線に位置するように配列するヒーターブロック。
【請求項10】
前記四角形の基板の短辺に平行に配列された二つの電球形ランプの中心点間の間隔を底辺とし、前記二つの電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行に最も近くに位置する電球形ランプの中心点までの距離を高さとしたとき、底辺:高さの比率が1:1.2の比率となるように前記電球形ランプを配列する請求項9に記載のヒーターブロック。
【請求項11】
長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に対する熱処理空間を有する工程チャンバーと、
熱エネルギーを発生させる複数の電球形ランプを有し、前記四角形の基板の短辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔と前記四角形の基板の長辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔との比率を電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率としたとき、前記四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプの数と、前記四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるように前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定するヒーターブロックと、
前記四角形の基板を支持する基板支持台と、
前記四角形の基板に均一な熱処理が行われるように前記電球形ランプを個別に制御する熱処理制御部と、
を備える基板熱処理装置。
【請求項12】
前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定することは、
前記四角形の基板の短辺の長さと前記四角形の基板の長辺の長さとの比率を四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率としたとき、前記電球形ランプはリニア状に配列され、前記四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率に応じて前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定する請求項11に記載の基板熱処理装置。
【請求項13】
長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に対する熱処理空間を有する工程チャンバーと、
熱エネルギーを発生する複数の電球形ランプを有し、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の短辺に平行に配置される電球形ランプは、前記長辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行な延長線に位置するように配列するヒーターブロックと、
前記四角形の基板を支持する基板支持台と、
前記四角形の基板に均一な熱処理が行われるように前記電球形ランプを個別に制御する熱処理制御部と、
を備える基板熱処理装置。
【請求項14】
前記四角形の基板の長辺に平行に配列された二つの電球形ランプの中心点間の間隔を底辺とし、前記二つの電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行に最も近くに位置する電球形ランプの中心点までの距離を高さとしたとき、底辺:高さの比率が1.5:1の比率となるように前記電球形ランプを配列する請求項13に記載の基板熱処理装置。
【請求項15】
長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に対する熱処理空間を有する工程チャンバーと、
熱エネルギーを発生する複数の電球形ランプを有し、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の長辺に平行に配置される電球形ランプは、前記短辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行な延長線に位置するように配列するヒーターブロックと、
前記四角形の基板を支持する基板支持台と、
前記四角形の基板に均一な熱処理が行われるように前記電球形ランプを個別に制御する熱処理制御部と、
を備える基板熱処理装置。
【請求項16】
前記四角形の基板の短辺に平行に配列された二つの電球形ランプの中心点間の間隔を底辺とし、前記二つの電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行に最も近くに位置する電球形ランプの中心点までの距離を高さとしたとき、底辺:高さの比率が1:1.2の比率となるように前記電球形ランプを配列する請求項15に記載の基板熱処理装置。
【請求項17】
前記熱処理制御部は、
前記ヒーターブロックの周縁に位置する電球形ランプが他の電球形ランプよりも多くの熱エネルギーを発生するように制御する請求項11、13または15のいずれか1項に記載の基板熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターブロックおよび基板熱処理装置に関し、さらに詳しくは、基板に対して熱処理を行うヒーターブロックおよびこれを適用した基板熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程において、熱処理は欠かせない必須過程である。例えば、オーミックコンタクト合金(ohmic contact alloying)、イオン注入損傷アニ−リング(ion−implantation damage annealing)、不純物活性化(dopant activation)およびTiN、TiSi
2、CoSi
2などの薄膜の形成などが熱処理を必要とする工程である。
【0003】
このような熱処理を行う装備としては、炉(furnace)、急速熱処理(Rapid Thermal Process;RTP)装置が挙げられる。急速熱処理装置は、基板の全体の温度を均一に維持したり、基板を取り替える度に他の基板に対しても同じ温度−時間の特性を維持したり、基板の温度を正確に測定および制御したりするのに難点があるため大きな脚光を浴びていない。しかしながら、急速熱処理装置の温度測定技術および温度制御技術が益々進歩することに伴い、最近、急速熱処理装置は炉に取って代わっている。
【0004】
急速熱処理装置は、タングステンハロゲンランプの輻射光線を用いて基板に熱を伝える。このため、急速熱処理装置はヒーターブロックを備え、このヒーターブロックの側面のうち基板と向かい合う側面には複数のタングステンハロゲンランプが設けられている。
【0005】
たとえ基板の熱処理に急速熱処理装置が用いられるとしても、基板の全体の温度を均一に維持する必要がある。これは、基板の温度ばらつきが熱処理後に基板のひずみ(warpage)、断層(islocationd) および薄膜の滑り(slip)などの深刻な問題を引き起こすためである。基板の温度ばらつきの問題が解決されるためには、基板の温度を正確に測定して制御する技術および基板の全体に均一な熱を伝える技術などが必要である。
【0006】
基板の全体に均一な熱を伝える技術は、タングステンハロゲンランプの配列に関連する。この理由から、タングステンハロゲンランプの配列に関連する技術が多数知られている。
【0007】
ウェーハなどの小型の半導体基板を熱処理するためのランプ配列の場合、
図1に示すように、ランプ取付面に電球形ランプ(bulb lamp)を用いた円形のランプ配列を有する。これは、半導体基板(ウェーハ)が円形を呈するため、これに合わせて小型の電球形ランプを用いて円形状に配列して、半導体基板の全ての領域に均一に熱処理を行うためである。半導体用熱処理装置において集積化された小型の電球形ランプを半導体基板(ウェーハ)の形状に合わせて構成することにより、ウェーハのエッジ(周縁)領域の熱的補償が2次元補償方式により行われるので、熱的均一度が確保され易い。
【0008】
これに対し、ディスプレイ装置に用いられる大型のガラス基板を熱処理するランプ配列は、
図2に示すように、大型のリニアランプ(linear lamp)を用いた線形配列を有する。これは、ガラス基板が長方形を呈するため、これに合わせてランプ配列もまた線形に配列して、ガラス基板の全ての領域に均一な熱処理を行うためである。このため、ガラス基板熱処理装置のランプ配列の形状は、ガラスの大きさを考慮して、リニアランプの長さおよび配列数を決定している。
【0009】
ところが、このようなリニアランプは、単一方向の入力自由度を有し、これにより、ガラスの周縁領域の熱的補償が1次元補償方式により行われなければならない。1次元補償方式により熱的補償が行われる場合、ガラスの全体面積の熱的均一度を高めるのに限界があるという問題がある。すなわち、リニアランプの場合、片側方向に配列されなければならないため、片側方向にのみ熱的補償を行う1次元補償の限界がある。
【0010】
また、もし、ガラス基板熱処理装置のランプを小型の電球形ランプとする場合、あまりにも多数の電球形ランプを必要とするため、ガラス基板熱処理装置の製作コストが高騰するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】大韓民国登録特許第1031226号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の技術的課題は、四角形の基板の熱処理に際して熱的均一度を確保することのできるヒーターブロックを提供することにある。また、本発明の技術的課題は、四角形の基板の熱処理に際して熱的均一度のための2次元補償に適したランプを配列することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態に係るヒーターブロックは、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックであって、前記加熱ランプは複数の電球形ランプを備え、前記四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプの数と、前記四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるようにする。
【0014】
前記四角形の基板の短辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔と、前記四角形の基板の長辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔との比率を電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率としたとき、前記四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプの数と、前記四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるように前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定してもよい。
【0015】
前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定することは、前記四角形の基板の短辺の長さと前記四角形の基板の長辺の長さとの比率を四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率としたとき、前記電球形ランプはリニア状に配列され、前記四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率に応じて前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定してもよい。
【0016】
前記四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率と同じ値として前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定してもよい。
【0017】
熱処理しようとする複数の四角形の基板の短辺:長辺の基板の比率が互いに異なる場合、複数の四角形の基板の短辺:長辺の比率の平均値として前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定してもよい。
【0018】
前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率は、1:1.14〜1:1.35の範囲内のいずれか一つの配列の比率を有してもよい。
【0019】
本発明の実施形態に係るヒーターブロックは、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックであって、前記加熱ランプは複数の電球形ランプを備え、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の短辺に平行に配置される電球形ランプは、前記長辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行な延長線に位置するように配列する。
【0020】
前記四角形の基板の長辺に平行に配列された二つの電球形ランプの中心点間の間隔を底辺とし、前記二つの電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行に最も近くに位置する電球形ランプの中心点までの距離を高さとしたとき、底辺:高さの比率が1.5:1の比率となるように前記電球形ランプを配列してもよい。
【0021】
本発明の実施形態に係るヒーターブロックは、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に熱を伝える加熱ランプを一方の面に備えるヒーターブロックであって、前記加熱ランプは複数の電球形ランプを備え、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の長辺に平行に配置される電球形ランプは、前記短辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行な延長線に位置するように配列する。
【0022】
前記四角形の基板の短辺に平行に配列された二つの電球形ランプの中心点間の間隔を底辺とし、前記二つの電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行に最も近くに位置する電球形ランプの中心点までの距離を高さとしたとき、底辺:高さの比率が1:1.2の比率となるように前記電球形ランプを配列してもよい。
【0023】
本発明の実施形態に係る基板熱処理装置は、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に対する熱処理空間を有する工程チャンバーと、熱エネルギーを発生させる複数の電球形ランプを有し、前記四角形の基板の短辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔と前記四角形の基板の長辺に平行に配列される電球形ランプ間の間隔との比率を電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率としたとき、前記四角形の基板の短辺と平行に配置される電球形ランプの数と、前記四角形の基板の長辺と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるように前記電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定するヒーターブロックと、前記四角形の基板を支持する基板支持台と、前記四角形の基板に均一な熱処理が行われるように前記電球形ランプを個別に制御する熱処理制御部とを備える。
【0024】
本発明の実施形態に係る基板熱処理装置は、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に対する熱処理空間を有する工程チャンバーと、熱エネルギーを発生する複数の電球形ランプを有し、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の短辺に平行に配置される電球形ランプは、前記長辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記短辺に平行な延長線に位置するように配列するヒーターブロックと、前記四角形の基板を支持する基板支持台と、前記四角形の基板に均一な熱処理が行われるように前記電球形ランプを個別に制御する熱処理制御部とを備える。
【0025】
本発明の実施形態に係る基板熱処理装置は、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板に対する熱処理空間を有する工程チャンバーと、熱エネルギーを発生する複数の電球形ランプを有し、前記四角形の基板の短辺および長辺にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列され、前記四角形の基板の長辺に平行に配置される電球形ランプは、前記短辺に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から前記長辺に平行な延長線に位置するように配列するヒーターブロックと、前記四角形の基板を支持する基板支持台と、前記四角形の基板に均一な熱処理が行われるように前記電球形ランプを個別に制御する熱処理制御部とを備える。
【0026】
前記ヒーターブロックの周縁に位置する電球形ランプが他の電球形ランプよりも多くの熱エネルギーを発生するように制御してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によれば、四角形の基板の熱処理を行うヒーターブロックに複数の電球形ランプを配列することにより、各電球形ランプに対する個別制御を容易に行うことができる。また、本発明の実施形態によれば、ガラス基板の横および縦の比率を考慮して電球形ランプを配列することにより、四角形の基板の熱処理に際して熱的均一度を維持しながらヒーターブロックに配列される電球形ランプの数を最小にすることができる。したがって、電球形ランプを適用した基板熱処理装置の製作コストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】ウェーハ熱処理装置のランプ取付面に電球形ランプが取り付けられた様子を示す図である。
【
図2】ガラス基板熱処理装置のランプ取付面にリニアランプが取り付けられた様子を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るヒーターブロックが適用された基板熱処理装置の断面図である。
【
図4】ヒーターブロックのランプ取付面に長方形のガラス基板を熱処理する電球形ランプが所定の間隔を隔てて取り付けられた状態を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るヒーターブロックのランプ取付面に長方形のガラス基板を熱処理する電球形ランプが基板の比率を考慮してリニア状に取り付けられた状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るヒーターブロックのランプ取付面に長方形のガラス基板を熱処理する電球形ランプが第1例示の三角形状に取り付けられた状態を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るヒーターブロックのランプ取付面に長方形のガラス基板を熱処理する電球形ランプが第2例示の三角形状に取り付けられた状態を示す図である。
【
図8】既存の方式によりヒーターブロックにリニアランプが配置される場合のガラス基板に伝わる熱の分布を示す実験値である。
【
図9】本発明の実施形態に係るヒーターブロックに電球形ランプが配置される場合のガラス基板に伝わる熱の分布を示す実験値である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態を詳述する。しかしながら、本発明は、後述する実施形態に何ら限定されるものではなく、互いに異なる種々の形態で実現される。単に、これらの実施形態は、本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。図中、同じ符号は、同じ構成要素を示す。
【0030】
以下、ガラス基板(glass substrate)とは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)および太陽電池などに適用される大型の基板のことをいう。このとき、大型の基板とは、半導体用ウェーハではなく、ディスプレイおよび太陽光産業において用いられる大面積を有するガラス基板のことをいう。例えば、ディスプレイに用いられるガラス基板の場合、1世代の270[mm]×360[mm]のサイズから、最近には8世代の2,200[mm]×2,500[mm]のサイズの大面積を有し、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の構造を有する。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係るヒーターブロックが適用されたガラス基板熱処理装置の断面図である。
【0032】
工程チャンバー200は、ガラス基板10の熱処理空間である内部空間を有するが、熱処理空間の内部にガラス基板10が載置される。ガラス基板10は、短辺および長辺の長さが異なる四角形(長方形)を呈する。ここで、短辺は、ガラス基板10の横に相当し、この場合、長辺は、ガラス基板10の縦に相当する。工程チャンバー200は、中空の密閉された四角筒状に製作されるが、これに限定されるものではなく、種々の筒状が採用可能である。すなわち、円筒および多角筒状が採用可能である。また、工程チャンバー200の一方の側面および他方の側面のそれぞれには基板10の出入りのための出入口(図示せず)が設けられ、このとき、いずれか一方の出入口は搬送モジュール(図示せず)と連結される。
【0033】
工程チャンバー200は、内側にガラス基板10を支持する基板支持台400を備える。基板支持台400は、内部に垂直方向に移動する複数のリフトピン410を備え、昇降力を提供する手段、例えば、シリンダー(図示せず)に連結されてもよい。リフトピン410を用いて基板10を支持してもよい。もちろん、ガラス基板10を基板支持台400に支持可能な手段はリフトピン410に何ら限定されない。ガラス基板10を基板支持台400に支持可能な手段としては、例えば、静電気力(静電チャック)または真空吸着力を用いる手段(図示せず)などが種々に採用可能である。
【0034】
ヒーターブロック100と工程チャンバー200との間には、クォーツウィンドウ300が設けられる。クォーツウィンドウ300は、下側に配設されたガラス基板10に熱を透過させる物質により製作される。クォーツウィンドウ300は、ヒーターブロック100と工程チャンバー200との間に設けられて工程チャンバー200の気密を維持するが、ヒーターブロック100と工程チャンバー200との間を封止手段301を用いて封止してヒーターブロック100の真空を維持し、外部環境(圧力、ガス、汚染物質)から工程チャンバー200を保護する。また、クォーツウィンドウ300は、ヒーターブロック100内の複数の電球形ランプ110を保護し、電球形ランプ110から発せられる熱により生成される副産物が工程チャンバー200の内部の熱処理空間に配設されたガラス基板10に落下することを防ぐ。
【0035】
熱処理制御部(図示せず)は、ガラス基板10に均一な熱処理が行われるようにヒーターブロック100内の複数の電球形ランプ110を個別に制御する。例えば、長方形のガラス基板10に対して均一な熱処理が行われなければならないが、このために、ガラス基板10の中央と向かい合う電球形ランプ110から照射される熱エネルギーよりもガラス基板10の周縁部と向かい合う電球形ランプ110から照射される熱エネルギーの方がさらに大きい必要がある。このため、熱処理制御部は、ガラス基板10の全面積に亘って均一な熱エネルギーが照射されるように、ガラス基板10と向かい合う電球形ランプ110のそれぞれに対して照射される熱エネルギーが異なるようにまたは等しくなるように個別に制御を行ってもよい。
【0036】
熱処理制御部は、ヒーターブロック100の周縁部に位置する電球形ランプが他の電球形ランプ、例えば、ヒーターブロック100の中央に位置する電球形ランプよりもさらに多くの熱エネルギーを発生するように個別に制御する。これは、周縁部であるほど、さらに多くの熱エネルギーが伝わってはじめて、ガラス基板に全体的に均一に熱が伝わるためである。また、熱処理制御部は、電球形ランプがリニア状に配列された場合に、ヒーターブロック100の隅部に最も近い電球形ランプの熱エネルギーを他の周縁部の電球形ランプよりも少なく発生するように個別に制御する。ヒーターブロック100の隅部には第1辺の先端に位置する電球形ランプと第2辺の先端に位置する電球形ランプが集まっているため、他の周縁部の熱エネルギー発生量よりも多いためである。
【0037】
ヒーターブロック100は、熱エネルギーを発生する加熱ランプを備える。加熱ランプは、複数の電球形ランプ110がリニア状または三角形状に配列される。電球形ランプ110は、ガラス製若しくは石英製の電球であり、ヒーターブロック100のランプ取付面101に複数の電球形ランプ110を配置して、複数の電球形ランプ110をガラス基板10と向かい合わせる。複数の電球形ランプ110は、ガラス基板10に向かって光を照射して熱エネルギーを伝える。
【0038】
長さが異なる短辺および長辺を有する長方形のガラス基板10に対して均一に熱が伝わるように、ヒーターブロック100のランプ取付面101には複数の電球形ランプ110が均一に配列されなければならず、これと同時に、製作コストを節減するために、複数の電球形ランプ110の数を最小にする条件を満たさなければならない。すなわち、ガラス基板10の単位面積当たりに同じ照度の光が照射されなければならず、ランプ数を最小にしなければならない。このために、ヒーターブロック100のランプ取付面101に設けられる複数の電球形ランプ110をリニア状または三角形状に配列する。
【0039】
以下、リニア状の配列について説明した後、三角形状の配列について説明する。
【0040】
まず、複数のランプをランプ取付面101にリニア状に配設する例について説明する。ガラス基板10は長方形を呈するため、短辺および長辺の長さが異なる。このため、電球形ランプ110をランプ取付面の短辺および長辺に沿って線形配列を有するように等間隔に配置する場合、短辺に沿って配置される電球形ランプ110の数と長辺に沿って配置される電球形ランプ110の数とが異なってくる。例えば、
図4に示すように、ヒーターブロック100の正方形のランプ取付面101と向かい合うように長方形のガラス基板10が位置する場合、ランプ取付面101の短辺A(横)および長辺B(縦)の方向に沿って等間隔に電球形ランプを配置する場合、ガラス基板10の短辺A1および長辺B1の方向に沿って向かい合う位置に置かれる電球形ランプ110の数は異なってくる。例えば、
図4を参照すると、ガラス基板10と向かい合う位置においてガラス基板10の短辺A1の方向に配列(第1配列)される電球形ランプ110は3つであり、ガラス基板10と向かい合う位置においてガラス基板10の長辺B1の方向に配列(第2配列)される電球形ランプ110は4つであることが分かる。このようにガラス基板の短辺よりも長辺の方が長いため、ガラス基板と向かい合うように配置される電球形ランプ110の数が短辺または長辺の方向に応じて異なってくる。
【0041】
このようにガラス基板の短辺A1に平行な方向に沿って向かい合うように配列(第1配列)される電球形ランプ110の数と長辺B1に平行な方向に沿って向かい合うように配列(第2配列)される電球形ランプ110の数とが互いに異なる場合、あまりにも多くの数の電球形ランプ110を必要とするため、コストの側面からみて、ヒーターブロック100の作製が効率良く行われない。さらに、たとえ電球形ランプ110を多数設けるとしても、熱エネルギーの均一度の側面からみて効率的ではない。
【0042】
このため、本発明の実施形態においては、熱エネルギーを発生する複数の電球形ランプ110をリニア状にヒーターブロック100のランプ取付面101に配列するとき、ガラス基板10の短辺A1と平行に配列(第1配列)される電球形ランプ110の数と、ガラス基板10の長辺B1と平行に配列(第2配列)される電球形ランプ110の数とが等しくなるように配列する。このように短辺および長辺の長さが異なる長方形のガラス基板10と向かい合うように複数の電球形ランプ110が配置されるとき、短辺A1に平行に配置される電球形ランプ110の数と長辺B1に平行に配置される電球形ランプ110の数を等しくすることにより、電球形ランプ110の使用数を最小にすることができる。この配列は、たとえ
図4に示す電球形ランプ110の配列、例えば、短辺および長辺に等間隔に配置される電球形ランプ110の配列よりは熱伝達効率の均一性には劣るが、熱エネルギーをガラス基板の短辺方向および長辺方向に沿ってそれぞれ均一に伝えることができるので、ガラス基板の熱処理効率を低下させることがない。
【0043】
短辺A1に平行に配置(第1配列)される電球形ランプ110の数と長辺B1に平行に配置(第2配列)される電球形ランプ110の数を等しくするために、本発明の実施形態においては、ガラス基板10の短辺A1と平行に配置される電球形ランプの数と、ガラス基板10の長辺B1と平行に配置される電球形ランプの数とが等しく配列されるように電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率を決定する。ここで、電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率は、
図5に示すように、ガラス基板10の短辺A1に平行に配列される電球形ランプ間の間隔a’と、ガラス基板10の長辺B1に平行に配列される電球形ランプ間の間隔b’との比率を意味する。参考までに、電球形ランプの配列の比率とは、電球形ランプを配置する間隔のことをいうが、特に、各電球形ランプ110の中心点間の間隔のことをいう。
【0044】
一方、ガラス基板10の短辺A1の長さとガラス基板10の長辺B1の長さとの比率をガラス基板の短辺:長辺の基板の比率としたとき、ガラス基板10の短辺:長辺の基板の比率に応じて電球形ランプ110の短辺:長辺の配列の比率を決定してもよい。すなわち、四角形のガラス基板10の短辺:長辺の比率である短辺:長辺の基板の比率に応じて電球形ランプ110をランプ取付面101に取り付けるときの配列の比率である短辺:長辺の配列の比率を決定してもよい。
【0045】
例えば、電球形ランプ110の短辺:長辺の配列の比率は、熱処理しようとするガラス基板10の短辺:長辺の基板の比率と同じ短辺:長辺の配列の比率を有するように実現されてもよい。
図5に示すように、ガラス基板10の短辺A1:長辺B1の基板の比率が1:1.2である場合、ガラス基板10の短辺A1に平行に配列される電球形ランプ間の間隔a’と、ガラス基板10の長辺B1に平行に配列される電球形ランプ間の間隔b’との比率である電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率もまた1:1.2とする。
【0046】
一方、各ガラス基板10の短辺:長辺の基板の比率に合わせてそれぞれヒーターブロック100の電球形ランプ110を配列して製作する場合、熱処理装備の汎用性が弱くなる虞がある。これを解消するために、ガラス基板10の比率の平均値を活用する方案が考えられる。すなわち、ガラス基板10の短辺A1に平行に配置(第1配列)される電球形ランプ110数と、ガラス基板10の長辺B1に平行に配置(第2配列)される電球形ランプ110の数を等しくする方式は、電球形ランプ110の短辺:長辺の配列の比率が、互いに異なる短辺:長辺の基板の比率を有する複数のガラス基板10の短辺:長辺の配列の比率の平均値を有するように実現されてもよい。
【0047】
ガラス基板10とは、ディスプレイや太陽光産業において用いられる大面積を有するガラス基板のことをいう。下記の[表1]に示すように、最初の1世代の270[mm]×360[mm]のサイズから、最近には8世代の2,200[mm]×2,500[mm]のサイズの大面積に至るまでの様々なサイズを有する。
【0049】
このため、このような1世代から8世代までのガラス基板10の基板の比率の平均値を電球形ランプ110の短辺:長辺の配列の比率として決定してもよい。電球形ランプの短辺:長辺の配列の比率は、1:1.14〜1:1.35の範囲内のいずれか一つの配列の比率を有する。好ましくは、現在の1世代から8世代までのガラス基板10の横:縦の基板の比率の平均値が1:1.2であるため、短辺が横であり、長辺が縦である場合、電球形ランプ110の短辺:長辺の配列の比率が1:1.2の配列の比率となるように実現してもよい。
【0050】
一方、以上、電球形ランプ110をリニア状に配列するための実施形態について説明した。しかしながら、電球形ランプ110をランプ取付面101にリニア状に配置しなくても、例えば、電球形ランプ110を三角形状に配列して熱エネルギーをガラス基板に均一に伝えるとともに、電球形ランプ110の数を最小にすることができる。以下、電球形ランプ110を三角形状に配列する実施形態について説明する。
【0051】
ガラス基板10は長方形を呈するため、ガラス基板の短辺および長辺は長さが異なる。このため、電球形ランプ110をガラス基板10に均一に配置し、最小限の電球形ランプ110を配置するために三角形状に電球形ランプ110を配列する。例えば、複数の電球形ランプ110は、
図6に示すように、ガラス基板10の短辺A1および長辺B1にそれぞれ平行に配列され、ガラス基板の短辺A1に平行に配置される電球形ランプは、ガラス基板の長辺B1に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から短辺A1の方向に平行な延長線上に位置するように配列する。
【0052】
ガラス基板の長辺B1に平行に配列された二つの電球形ランプ61、62の中心点間の間隔を底辺α1とし、二つの電球形ランプ61、62間の中心点から短辺A1に平行な方向に最も近くに位置する電球形ランプ63の中心点までの距離を高さβ1としたとき、底辺:高さの比率が1.5:1の比率となるように電球形ランプを配列する。その理由は、ガラス基板10の長辺B1と平行な底辺α1の比率が三角形の高さβ1の長さ1を基準として1.5よりも小さいかあるいは大きい場合、熱エネルギーを均一に伝え難いため、熱効率を最適化させることが困難になるためである。
【0053】
一方、他の実施形態においても同様に、
図7に示すように、ガラス基板10の短辺A1および長辺B1にそれぞれ平行に複数の電球形ランプが配列されるが、ガラス基板の長辺B1に平行に配置される電球形ランプは、ガラス基板の短辺A1に平行に配列される電球形ランプ間の中心点から長辺B1に平行な延長線上に位置するように配列する。すなわち、ガラス基板の短辺A1に平行に配列された二つの電球形ランプ71、72の中心点間の間隔を底辺α2とし、二つの電球形ランプ71、72間の中心点から長辺B1に平行な方向に最も近くに位置する電球形ランプ73の中心点までの距離を高さβ2としたとき、底辺:高さの比率が1:1.2の比率となるように電球形ランプを配列する。その理由は、ガラス基板10の長辺と平行な三角形の高さβ2の比率が底辺α2の長さ1を基準として1.2よりも小さいかあるいは大きい場合、熱エネルギーを均一に伝え難いため、熱効率を最適化させることが困難になるためである。
【0054】
参考までに、このような三角形の配列の比率は、ガラス基板の2次元熱処理数式によるシミュレーションの結果、最適な熱効率を有し、最小の数を有する配列の比率が得られた。周知のごとく、熱処理されるガラス基板に分布される熱分布エネルギーSは、下記式1のガラス基板の測定温度Tが既知であれば、算出可能である。
【0056】
ここで、Tは、測定絶対温度であり、Pは、ランプ駆動電力であり、jは、ランプ数である。なお、sは、ランプ距離変数であり、aは、熱分布モデル係数であり、bは、初期の熱エネルギーである。
【0058】
ここで、Sは、熱分布エネルギーであり、Aは、熱分布形状であり、Pは、ランプ駆動電力であり、mは、電球形ランプの短辺方向の熱分布位置であり、nは、電球形ランプの長辺方向の熱分布位置である。
【0059】
熱分布エネルギーは、上記式2に示すように、多数の電球形ランプ110の分布位置に応じて異なる。このような分布位置を調節してシミュレーションおよび実験を行ったところ、熱効率を最適化させると、最小の電球形ランプ110の数を有する三角形配列の比率が得られた。
【0060】
一方、
図8は、既存のリニアランプがランプ取付面101に配置されたときにガラス基板10に伝わる熱分布を示し、
図9は、本発明の実施形態に係る電球形ランプ110がランプ取付面101に配置されたときにガラス基板10に伝わる熱分布を示す。
図8および
図9において、x軸およびy軸は、ガラス基板の横辺および縦辺の位置を示し、高さは、ガラス基板の熱分布を示す。
図8を参照すると、リニアランプの線形配列によって個別制御に限界があるため熱分布の均一な面が得られない。しかしながら、
図9に示すように、複数の電球形ランプ110を三角形状に配列して個別に制御する場合、均一な熱分布を有する面が得られることが分かる。三角形状に配列された電球形ランプ110を個別に制御することにより、均一な熱分布面積を広げることができる。
【0061】
一方、以上では、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形のガラス基板を適用した場合を例に採って説明した。しかしながら、基板の種類はこれに何ら限定されるものではなく、長さが異なる短辺および長辺を有する四角形の基板であれば、ガラス基板だけではなく、他の種々の四角形の基板にも本発明が適用可能であるということはいうまでもない。
【0062】
本発明を添付図面および上述した好適な実施形態を参照して説明したが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲により限定される。よって、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲の技術的思想から逸脱しない範囲内において本発明を種々に変形および修正することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 ガラス基板
100 ヒーターブロック
101 ランプ取付面
110 電球形ランプ
200 工程チャンバー
300 クォーツウィンドウ
400 基板支持台