【解決手段】テレビジョン受像機4は、内蔵スピーカ10と、内蔵スピーカ10から音声を出力させる第1のモードと、テレビジョン受像機4の接続先である外部スピーカ6及びヘッドホン8の一方から音声を出力させる第2のモードとを切り替えるモード切替部と、第2のモードにおいて、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6とヘッドホン8との間で切り替える指示を受け付ける受付部と、上記指示に基づいて、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6及びヘッドホン8の一方から他方に切り替える接続切替部と、少なくとも接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間、内蔵スピーカ10から音声を出力させるスピーカ制御部と、を備える。
前記スピーカ制御部は、前記接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間に引き続いて、切り替えが完了してから所定時間が経過するまでの間、前記スピーカから音声を出力させる
請求項1に記載の音声出力装置。
前記スピーカ制御部は、前記接続切替部による接続先の切り替えが完了してから前記所定時間が経過するまでの間、前記スピーカから音声をフェードアウトさせながら出力させる
請求項2に記載の音声出力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の音声出力システムでは、テレビジョン受像機の接続先の切り替えが開始するタイミングと、接続先の切り替えが完了するタイミングとの間に、例えば数秒程度のタイムラグが生じる。なお、このタイムラグは、テレビジョン受像機と接続先の外部接続機器との間で接続を確立させるための処理等に要する時間に起因するものである。そのため、テレビジョン受像機の接続先の切り替えが開始してから完了するまでの間、音声の出力が途切れてしまい、ユーザが音声を聞き逃してしまうという課題が生じる。
【0006】
なお、上述した課題を解決するために、例えば
図12に示すような方法が考えられる。
図12は、比較例の音声出力システムにおいて、テレビジョン受像機の接続先を切り替える動作を示すタイミングチャートである。
図12に示す方法では、テレビジョン受像機の接続先の切り替えが開始してから完了するまでの間、接続元であるヘッドホンから音声が出力され続ける。しかしながら、このような方法においても、テレビジョン受像機の接続先の切り替えが開始した直後にユーザがヘッドホンを頭部から取り外した場合には、ユーザが音声を聞き逃してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、音声出力装置の接続先を切り替える際に、ユーザが音声を聞き逃すのを抑制することができる音声出力装置及び音声出力システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る音声出力装置は、音声を出力する第1の外部接続機器及び第2の外部接続機器と選択的に所定の無線方式で接続可能な音声出力装置であって、音声を出力するスピーカと、前記スピーカから音声を出力させる第1のモードと、前記音声出力装置の接続先である前記第1の外部接続機器及び前記第2の外部接続機器の一方から音声を出力させる第2のモードとを切り替えるモード切替部と、前記第2のモードにおいて、前記音声出力装置の接続先を前記第1の外部接続機器と前記第2の外部接続機器との間で切り替える指示を受け付ける受付部と、前記指示に基づいて、前記音声出力装置の接続先を前記第1の外部接続機器及び前記第2の外部接続機器の一方から他方に切り替える接続切替部と、少なくとも前記接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間、前記スピーカから音声を出力させるスピーカ制御部と、を備える。
【0009】
本態様によれば、スピーカ制御部は、少なくとも接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間、スピーカから音声を出力させる。これにより、音声出力装置の接続先を切り替える際に、音声の出力が途切れてしまうことがなく、ユーザが音声を聞き逃すのを抑制することができる。
【0010】
例えば、本発明の一態様に係る音声出力装置において、前記スピーカ制御部は、前記接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間に引き続いて、切り替えが完了してから所定時間が経過するまでの間、前記スピーカから音声を出力させるように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、スピーカ制御部は、接続切替部による接続先の切り替えが完了した後も所定時間の間、スピーカから音声を出力させる。これにより、音声出力装置の接続先を切り替える際に、ユーザが音声を聞き逃すのをより一層効果的に抑制することができる。
【0012】
例えば、本発明の一態様に係る音声出力装置において、前記スピーカ制御部は、前記接続切替部による接続先の切り替えが完了してから前記所定時間が経過するまでの間、前記スピーカから音声をフェードアウトさせながら出力させるように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、スピーカ制御部は、接続先の切り替えが完了してから所定時間が経過するまでの間、スピーカから音声をフェードアウトさせながら出力させる。これにより、ユーザに違和感を与えることなく、スピーカからの音声の出力を停止させることができる。
【0014】
例えば、本発明の一態様に係る音声出力装置において、前記スピーカ制御部は、前記接続切替部による接続先の切り替えが開始した際に、前記スピーカから音声をフェードインさせながら出力させるように構成してもよい。
【0015】
本態様によれば、スピーカ制御部は、接続切替部による接続先の切り替えが開始した際に、スピーカから音声をフェードインさせながら出力させる。これにより、例えばスピーカから音声が突然大音量で出力されることがないので、ユーザに違和感を与えることなく、スピーカから音声を出力させることができる。
【0016】
例えば、本発明の一態様に係る音声出力装置において、前記所定の無線方式は、ブルートゥースであるように構成してもよい。
【0017】
本態様によれば、音声出力装置と第1の外部接続機器及び第2の外部接続機器の一方とをブルートゥースで接続することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る音声出力システムは、音声を出力する音声出力装置と、音声を出力する第1の外部接続機器及び第2の外部接続機器とが選択的に所定の無線方式で接続可能な音声出力システムであって、前記第1の外部接続機器は、前記音声出力装置の接続先を前記第1の外部接続機器と前記第2の外部接続機器との間で切り替える指示を、前記音声出力装置に出力する出力部を備え、前記音声出力装置は、音声を出力するスピーカと、前記スピーカから音声を出力させる第1のモードと、前記音声出力装置の接続先である前記第1の外部接続機器及び前記第2の外部接続機器の一方から音声を出力させる第2のモードとに切り替えるモード切替部と、前記第2のモードにおいて、前記指示を受け付ける受付部と、前記指示に基づいて、前記音声出力装置の接続先を前記第1の外部接続機器及び前記第2の外部接続機器の一方から他方に切り替える接続切替部と、少なくとも前記接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間、前記スピーカから音声を出力させるスピーカ制御部と、を備える。
【0019】
本態様によれば、スピーカ制御部は、少なくとも接続切替部による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間、スピーカから音声を出力させる。これにより、音声出力装置の接続先を切り替える際に、音声の出力が途切れてしまうことがなく、ユーザが音声を聞き逃すのを抑制することができる。
【0020】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える音声出力装置として実現することができるだけでなく、音声出力装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする制御方法として実現することができる。また、音声出力装置に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラム又は制御方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様に係る音声出力装置によれば、音声出力装置の接続先を切り替える際に、ユーザが音声を聞き逃すのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0024】
(実施の形態1)
[音声出力システムの概略構成]
まず、
図1を参照しながら、実施の形態1に係る音声出力システム2の概略構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る音声出力システムの構成を示す概念図である。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の音声出力システム2では、テレビジョン受像機4(音声出力装置)と、外部スピーカ6(第1の外部接続機器及び第2の外部接続機器の一方)及びヘッドホン8(第1の外部接続機器及び第2の外部接続機器の他方)とが選択的に所定の無線方式、例えばブルートゥースで接続可能である。
【0026】
テレビジョン受像機4は、放送波を受信することにより、放送番組等の映像を表示するとともに放送番組等の音声を出力するホスト機器である。テレビジョン受像機4は、音声を出力する内蔵スピーカ10(スピーカ)を有している。外部スピーカ6及びヘッドホン8はそれぞれ、テレビジョン受像機4からの音声信号に基づく音声を出力するデバイス機器である。
【0027】
上述した音声出力システム2では、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6及びヘッドホン8との接続が切断されている場合には、テレビジョン受像機4で視聴されている放送番組等の音声が内蔵スピーカ10から出力される。一方、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6(又はヘッドホン8)とが接続されている場合には、テレビジョン受像機4で視聴されている放送番組等の音声は、内蔵スピーカ10から出力されずに、外部スピーカ6(又はヘッドホン8)から出力される。
【0028】
なお、後述するように、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6(又はヘッドホン8)とが接続されている際に、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6からヘッドホン8に(又はヘッドホン8から外部スピーカ6に)切り替えることができる。
【0029】
[テレビジョン受像機の構成]
次に、
図1〜
図3を参照しながら、上述したテレビジョン受像機4の構成について説明する。
図2は、テレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
図3は、ホストコントローラの機能的構成を示すブロック図である。
【0030】
図1及び
図2に示すように、テレビジョン受像機4には、ヘッドホン8を充電するための充電台12がケーブル14を介して接続されている。充電台12は、ヘッドホン8の充電端子60(後述する)と電気的に接続される充電端子16を有している。ヘッドホン8を充電台12にセットした際に、所定の電力が充電台12の充電端子16からヘッドホン8の充電端子60を介してバッテリ56(後述する)に供給されることにより、ヘッドホン8の充電が行われる。
【0031】
図2に示すように、テレビジョン受像機4は、上述した内蔵スピーカ10の他に、着脱センサ18、通信部20及びホストコントローラ22を有している。
【0032】
着脱センサ18は、ヘッドホン8が充電台12に対して着脱されたことを検出するためのセンサである。着脱センサ18は、ヘッドホン8が充電台12から取り外された際に、ヘッドホン8が充電台12から取り外されたことを示す充電台着脱信号をホストコントローラ22に出力する。
【0033】
通信部20は、IEEE802.15.1の無線通信方式に準拠し、2.45GHz帯の電波を利用して最高24Mbpsの速度で短距離無線通信を行う。
【0034】
ホストコントローラ22は、テレビジョン受像機4を制御するためのものである。
図3に示すように、ホストコントローラ22は、接続処理部24、モード切替部26、受付部28、接続切替部30及びスピーカ制御部32を有している。
【0035】
接続処理部24は、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6との間(又はテレビジョン受像機4とヘッドホン8との間)における接続を確立又は切断するための処理を行う。
【0036】
モード切替部26は、テレビジョン受像機4で視聴されている放送番組等の音声を出力させるモードとして、第1のモードと第2のモードとを切り替える。第1のモードは、内蔵スピーカ10から音声を出力させるモードである。第1のモードでは、外部スピーカ6及びヘッドホン8から音声は出力されない。第2のモードは、テレビジョン受像機4の接続先である外部スピーカ6(又はヘッドホン8)から音声を出力させるモードである。第2のモードでは、内蔵スピーカ10から音声は出力されない。なお、第1のモードと第2のモードとの切り替えは、例えばユーザがテレビジョン受像機4のリモートコントローラ(図示せず)を操作することにより実行される。
【0037】
受付部28は、第2のモードに切り替えられている際に、着脱センサ18からの充電台着脱信号又はヘッドホン8からのヘッドホン着脱信号(後述する)に基づいて、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6とヘッドホン8との間で切り替える切替指示(指示)を受け付ける。すなわち、充電台着脱信号及びヘッドホン着脱信号がそれぞれ切替指示を構成する。
【0038】
接続切替部30は、上記切替指示に基づいて、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6からヘッドホン8に(又はヘッドホン8から外部スピーカ6に)切り替える。
【0039】
スピーカ制御部32は、接続切替部30による接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間に引き続いて、切り替えが完了してから所定時間(例えば数秒程度)が経過するまでの間、内蔵スピーカ10から音声を出力させる。
【0040】
[外部スピーカの構成]
次に、
図1及び
図4を参照しながら、上述した外部スピーカ6の構成について説明する。
図4は、外部スピーカの構成を示すブロック図である。
【0041】
図1及び
図4に示すように、外部スピーカ6は、スピーカ34、通信部36及びデバイスコントローラ38を有している。
【0042】
スピーカ34は、外部スピーカ6に接続されたホスト機器(例えば、テレビジョン受像機4)からの音声信号に基づいて、音声を出力する。
【0043】
通信部36は、IEEE802.15.1の無線通信方式に準拠し、2.45GHz帯の電波を利用して最高24Mbpsの速度で短距離無線通信を行う。
【0044】
デバイスコントローラ38は、外部スピーカ6を制御する。具体的には、デバイスコントローラ38は、例えばスピーカ34から出力される音声を制御する機能、及び、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6との間における接続を確立又は切断するための処理を行う機能等を有している。
【0045】
[ヘッドホンの構成]
次に、
図1及び
図5を参照しながら、上述したヘッドホン8の構成について説明する。
図5は、ヘッドホンの構成を示すブロック図である。
【0046】
図1及び
図5に示すように、ヘッドホン8は、ユーザの右耳に装着されるR側(右側)ハウジング40と、ユーザの左耳に装着されるL側(左側)ハウジング42と、を有している。なお、R側ハウジング40及びL側ハウジング42にはそれぞれ、イヤーパッド44,46が取り付けられている。
【0047】
イヤーパッド44,46にはそれぞれ、近接センサ48,50が内蔵されている。近接センサ48,50はそれぞれ、ユーザの手がイヤーパッド44,46に近接又は接触したことを検出するためのセンサである。近接センサ48,50はそれぞれ、ユーザの両手がそれぞれイヤーパッド44,46に近接又は接触したことを検出した際に、検出信号をデバイスコントローラ66(後述する)に出力する。
【0048】
R側ハウジング40及びL側ハウジング42にはそれぞれ、R側スピーカ52及びL側スピーカ54が内蔵されている。R側スピーカ52及びL側スピーカ54はそれぞれ、ヘッドホン8に接続されたホスト機器(例えば、テレビジョン受像機4)からの音声信号に基づいて、音声を出力する。
【0049】
L側ハウジング42には、さらに、バッテリ56及び操作部58が内蔵されている。バッテリ56は、充電及び放電が可能な蓄電池であり、デバイスコントローラ66等に電力を供給する。操作部58は、ヘッドホン8の操作(例えば、電源のオン・オフ等の操作)を行うためのスイッチ又はボタン等である。操作部58の一部は、L側ハウジング42の外部に露出されている。
【0050】
R側ハウジング40には、さらに、充電端子60、操作部62、通信部64(出力部)及びデバイスコントローラ66が内蔵されている。
【0051】
充電端子60は、ヘッドホン8が上述した充電台12にセットされた際に、充電台12の充電端子16と電気的に接続される。所定の電力が充電台12の充電端子16から充電端子60を介してバッテリ56に供給されることにより、ヘッドホン8の充電が行われる。
【0052】
操作部62は、ヘッドホン8の操作(例えば、音量の調整等の操作)を行うためのスイッチ又はボタン等である。操作部62の一部は、R側ハウジング40の外部に露出されている。
【0053】
通信部64は、IEEE802.15.1の無線通信方式に準拠し、2.45GHz帯の電波を利用して最高24Mbpsの速度で短距離無線通信を行う。
【0054】
デバイスコントローラ66は、ヘッドホン8を制御する。具体的には、デバイスコントローラ66は、例えばR側スピーカ52及びL側スピーカ54からそれぞれ出力される音声を制御する機能、及び、テレビジョン受像機4とヘッドホン8との間における接続を確立又は切断するための処理を行う機能等を有している。デバイスコントローラ66は、さらに、近接センサ48,50からそれぞれ検出信号が出力された際に、ユーザが両手でヘッドホン8を頭部から取り外そうとしていると判定し、通信部64を介してヘッドホン着脱信号をテレビジョン受像機4に送信する。なお、近接センサ48,50のうち一方のみから検出信号が出力された場合には、デバイスコントローラ66は、ユーザが片手で操作部58(又は操作部62)を操作していると判定し、ヘッドホン着脱信号を送信しない。
【0055】
[テレビジョン受像機の接続先の切り替えの流れ1]
次に、
図6及び
図7を参照しながら、テレビジョン受像機4の接続先をヘッドホン8から外部スピーカ6に切り替える流れについて説明する。
図6は、実施の形態1に係る音声出力システムにおいて、テレビジョン受像機の接続先をヘッドホンから外部スピーカに切り替える流れを示すシーケンス図である。
図7は、実施の形態1に係る音声出力システムにおいて、テレビジョン受像機の接続先をヘッドホンから外部スピーカに切り替える動作を示すタイミングチャートである。
【0056】
図6及び
図7に示すように、テレビジョン受像機4では第2のモードに切り替えられており(S11)、テレビジョン受像機4とヘッドホン8とが接続されている。これにより、テレビジョン受像機4で視聴されている放送番組等の音声がヘッドホン8から出力される(S12)。
【0057】
この状態で、ユーザの両手がそれぞれヘッドホン8のイヤーパッド44,46に近接又は接触した際には、近接センサ48,50からそれぞれ検出信号が出力される(S13)。これにより、ヘッドホン8のデバイスコントローラ66は、ユーザが両手でヘッドホン8を頭部から取り外そうとしていると判定し、通信部64を介してヘッドホン着脱信号をテレビジョン受像機4に送信する(S14)。
【0058】
テレビジョン受像機4の受付部28は、ヘッドホン8からのヘッドホン着脱信号に基づいて、テレビジョン受像機4の接続先をヘッドホン8から外部スピーカ6に切り替える切替指示を受け付ける(S15)。テレビジョン受像機4の接続切替部30は、上記切替指示に基づいてテレビジョン受像機4の接続先の切り替えを開始し(S16)、通信部20を介して接続要求信号を外部スピーカ6に送信する(S17)。なお、接続要求信号は、例えば接続相手機器の機器ID、アドレス及びパスキー(PINコード)を対応付けたデータ等である。
図7に示すように、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが開始されたタイミングで、テレビジョン受像機4のスピーカ制御部32は、内蔵スピーカ10から音声をフェードインさせながら出力させる(S18)。
【0059】
なお、本実施の形態では、
図7に示すように、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが開始されてから完了するまでの間、ヘッドホン8のデバイスコントローラ66は、ヘッドホン8から音声を継続して出力させる。このような構成に代えて、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが開始したタイミングで、ヘッドホン8のデバイスコントローラ66は、ヘッドホン8からの音声の出力を停止させてもよい。
【0060】
テレビジョン受像機4の接続処理部24及び外部スピーカ6のデバイスコントローラ38はそれぞれ、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6との間における接続を確立するための処理を行う(S19)。さらに、テレビジョン受像機4の接続処理部24及びヘッドホン8のデバイスコントローラ66はそれぞれ、テレビジョン受像機4とヘッドホン8との間における接続を切断するための処理を行う(S20)。テレビジョン受像機4と外部スピーカ6との間における接続が確立するとともに、テレビジョン受像機4とヘッドホン8との間における接続が切断されることにより、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが完了する(S21)。
【0061】
図7に示すように、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが完了したタイミングで、ヘッドホン8のデバイスコントローラ66は、ヘッドホン8からの音声の出力をフェードアウトさせながら停止させる(S22)。また、上記のタイミングで、外部スピーカ6のデバイスコントローラ38は、外部スピーカ6から音声をフェードインさせながら出力させる(S23)。
【0062】
さらに、テレビジョン受像機4のスピーカ制御部32は、上記のタイミングから所定時間(例えば数秒程度)が経過するまでの間、内蔵スピーカ10から音声をフェードアウトさせながら出力させる。これにより、切り替えが完了してから上記所定時間が経過するまでの間は、内蔵スピーカ10からの音声の出力と外部スピーカ6からの音声の出力とが並行して行われる。スピーカ制御部32は、上記所定時間が経過したタイミングで(S24)、内蔵スピーカ10からの音声の出力を停止させる(S25)。
【0063】
[テレビジョン受像機の接続先の切り替えの流れ2]
次に、
図8及び
図9を参照しながら、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6からヘッドホン8に切り替える流れについて説明する。
図8は、実施の形態1に係る音声出力システムにおいて、テレビジョン受像機の接続先を外部スピーカからヘッドホンに切り替える流れを示すシーケンス図である。
図9は、実施の形態1に係る音声出力システムにおいて、テレビジョン受像機の接続先を外部スピーカからヘッドホンに切り替える動作を示すタイミングチャートである。
【0064】
図8及び
図9に示すように、テレビジョン受像機4では第2のモードに切り替えられており(S31)、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6とが接続されている。これにより、テレビジョン受像機4で視聴されている放送番組等の音声が外部スピーカ6から出力される(S32)。
【0065】
この状態で、ユーザがヘッドホン8を充電台12から取り外した際には、着脱センサ18から充電台着脱信号が出力される(S33)。これにより、テレビジョン受像機4の受付部28は、充電台着脱信号に基づいて、テレビジョン受像機4の接続先を外部スピーカ6からヘッドホン8に切り替える切替指示を受け付ける(S34)。テレビジョン受像機4の接続切替部30は、上記切替指示に基づいてテレビジョン受像機4の接続先の切り替えを開始し(S35)、通信部20を介して接続要求信号をヘッドホン8に送信する(S36)。
【0066】
図9に示すように、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが開始されたタイミングで、テレビジョン受像機4のスピーカ制御部32は、内蔵スピーカ10から音声をフェードインさせながら出力させる(S37)。さらに、上記のタイミングで、外部スピーカ6のデバイスコントローラ38は、外部スピーカ6からの音声の出力をフェードアウトさせながら停止させる(S38)。
【0067】
テレビジョン受像機4の接続処理部24及びヘッドホン8のデバイスコントローラ66はそれぞれ、テレビジョン受像機4とヘッドホン8との間における接続を確立するための処理を行う(S39)。さらに、テレビジョン受像機4の接続処理部24及び外部スピーカ6のデバイスコントローラ38はそれぞれ、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6との間における接続を切断するための処理を行う(S40)。テレビジョン受像機4とヘッドホン8との間における接続が確立するとともに、テレビジョン受像機4と外部スピーカ6との間における接続が切断されることにより、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが完了する(S41)。
【0068】
図9に示すように、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが完了したタイミングで、ヘッドホン8のデバイスコントローラ66は、ヘッドホン8から音声をフェードインさせながら出力させる(S42)。さらに、テレビジョン受像機4のスピーカ制御部32は、上記のタイミングから所定時間(例えば数秒程度)が経過するまでの間、内蔵スピーカ10から音声をフェードアウトさせながら出力させる。これにより、切り替えが完了してから上記所定時間が経過するまでの間は、内蔵スピーカ10からの音声の出力とヘッドホン8からの音声の出力とが並行して行われる。スピーカ制御部32は、上記所定時間が経過したタイミングで(S43)、内蔵スピーカ10からの音声の出力を停止させる(S44)。
【0069】
[効果]
次に、本実施の形態の音声出力システム2により得られる効果について説明する。テレビジョン受像機4の接続先を切り替える際に、接続先の切り替えが開始するタイミングと接続先の切り替えが完了するタイミングとの間には、例えば数秒程度のタイムラグが生じる。なお、このタイムラグは、接続要求信号の送信に要する時間、及び、テレビジョン受像機4と接続先の外部スピーカ6(又はヘッドホン8)との間で接続を確立させるための処理に要する時間等に起因するものである。上述したように、少なくともテレビジョン受像機4の接続先の切り替えが開始してから完了するまでの間、テレビジョン受像機4の内蔵スピーカ10から音声が出力される。これにより、テレビジョン受像機4の接続先を切り替える際に、音声の出力が途切れてしまうことがなく、ユーザが音声を聞き逃すのを抑制することができる。
【0070】
さらに、テレビジョン受像機4の接続先をヘッドホン8から外部スピーカ6に切り替える場合、テレビジョン受像機4の接続先の切り替えが開始した直後にユーザがヘッドホン8を頭部から取り外すことがある。このような場合であっても、ユーザは、テレビジョン受像機4の内蔵スピーカ10から出力される音声を聴くことができるので、ユーザが音声を聞き逃してしまうのを効果的に抑制することができる。
【0071】
(実施の形態2)
次に、
図2、
図3、
図5及び
図10を参照しながら、実施の形態2に係る音声出力システムの構成について説明する。
図10は、実施の形態2に係る音声出力システムにおいて、テレビジョン受像機の接続先を外部スピーカからヘッドホンに切り替える流れを示すシーケンス図である。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
図2、
図3、
図5及び
図10に示すように、テレビジョン受像機4Aの接続先が外部スピーカ6からヘッドホン8Aに切り替えられる場合において、上記実施の形態1と同様に、ステップS31〜ステップS42が実行される。その後、ヘッドホン8Aの近接センサ48,50がともに検出状態から無検出状態に変化した際に、ヘッドホン8Aのデバイスコントローラ66Aは、ユーザが両手でヘッドホン8Aを頭部に装着したと判定し、通信部64を介して装着完了信号をテレビジョン受像機4Aに送信する(S51)。テレビジョン受像機4Aのホストコントローラ22Aのスピーカ制御部32Aは、上述した装着完了信号に基づいて、内蔵スピーカ10からの音声の出力をフェードアウトさせながら停止させる(S52)。
【0073】
これにより、ユーザがヘッドホン8Aを頭部に装着するタイミングが、接続先の切り替えが完了するタイミングよりも遅れた場合であっても、ユーザは、内蔵スピーカ10からの音声を聴き続けることができる。その結果、ユーザが音声を聞き逃すのを抑制することができる。
【0074】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態1及び2に係る音声出力システム及び音声出力装置について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態をそれぞれ組み合わせてもよい。
【0075】
上記各実施の形態では、音声出力装置をテレビジョン受像機4(4A)で構成したが、これに限定されず、例えばオーディオコンポ、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等で構成することもできる。
【0076】
上記各実施の形態では、第1の外部接続機器及び第2の外部接続機器を外部スピーカ6及びヘッドホン8(8A)で構成したが、これに限定されず、例えばイヤホン等で構成することもできる。
【0077】
上記各実施の形態では、テレビジョン受像機4(4A)と外部スピーカ6及びヘッドホン8(8A)とをブルートゥースで接続したが、これに限定されず、ブルートゥース以外の無線方式で接続してもよい。
【0078】
上記各実施の形態では、テレビジョン受像機4(4A)の接続先の切り替えが完了してから所定時間が経過したタイミングで、内蔵スピーカ10からの音声の出力をフェードアウトさせながら停止させたが、これに限定されない。例えば、テレビジョン受像機4(4A)の接続先の切り替えが完了したタイミングで、内蔵スピーカ10からの音声の出力を瞬間的に停止させてもよい。
【0079】
上記各実施の形態では、テレビジョン受像機4(4A)とヘッドホン8(8A)とが接続されている際に、接続切替部30は、ヘッドホン着脱信号に基づいて、テレビジョン受像機4(4A)の接続先をヘッドホン8(8A)から外部スピーカ6に切り替えるように構成した。このような構成に代えて、例えば、外部スピーカ6の電源がオフからオンに切り替えられた際に、デバイスコントローラ38が通信部36(出力部)を介して電源オン信号をテレビジョン受像機4(4A)に送信してもよい。この場合、接続切替部30は、電源オン信号(切替指示)に基づいて、テレビジョン受像機4(4A)の接続先をヘッドホン8(8A)から外部スピーカ6に切り替える。
【0080】
上記各実施の形態では、接続切替部30は、充電台着脱信号又はヘッドホン着脱信号に基づいて、テレビジョン受像機4(4A)の接続先を外部スピーカ6とヘッドホン8(8A)との間で切り替えるように構成した。このような構成に代えて、接続切替部30は、例えばユーザがテレビジョン受像機4(4A)のリモートコントローラを操作した際に、当該リモートコントローラから出力される信号(切替指示)に基づいて、テレビジョン受像機4(4A)の接続先を外部スピーカ6とヘッドホン8(8A)との間で切り替えるように構成してもよい。あるいは、接続切替部30は、例えば所定の時刻を経過した際に、テレビジョン受像機4(4A)に内蔵されたタイマ(図示せず)から出力される信号(切替指示)に基づいて、テレビジョン受像機4(4A)の接続先を外部スピーカ6とヘッドホン8(8A)との間で切り替えるように構成してもよい。
【0081】
上記各実施の形態では、第2のモードにおいてテレビジョン受像機4(4A)の接続先を外部スピーカ6とヘッドホン8(8A)との間で切り替える際に、接続先の切り替えが開始してから切り替えが完了するまでの間に内蔵スピーカ10から音声が出力されるように構成した。このような構成に代えて、例えば第1のモードから第2のモードに切り替えられる際に、テレビジョン受像機4(4A)と外部スピーカ6又はヘッドホン8(8A)との接続が開始してから当該接続が完了するまでの間に内蔵スピーカ10から音声が出力されるように構成してもよい。
【0082】
(その他の変形例)
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード及びマウス等から構成されるコンピュータシステムとして構成されてもよい。RAM又はハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0083】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM及びRAM等を含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0084】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM及びRAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0085】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0086】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
【0087】
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0088】
また、本発明は、マイクロプロセッサ及びメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0089】
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、又は、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。